JP2008307006A - L−アミノ酸の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、従来法より効率的なL−アミノ酸の製造方法の提供を課題とする。
【解決手段】N−サクシニルアミノ酸を原料として、L−アミノ酸を酵素的に製造する方法を提供する。N−アシルアミノ酸ラセマーゼを用いてN−サクシニルアミノ酸をラセミ化する反応、およびL−アミノアシラーゼによるL体特異的加水分解反応を組合せることにより、産業上有用なL−アミノ酸を効率的に得ることができる。
【選択図】なし

Description

本発明は、L−アミノアシラーゼを用いることを特徴とするN−サクシニルアミノ酸からL−アミノ酸を製造する方法に関する。本発明は更に、N−サクシニルアミノ酸を原料とし、N−アシルアミノ酸ラセマーゼを用いてN−サクシニルアミノ酸をラセミ化する反応、およびL−アミノアシラーゼを用いてN−サクシニルアミノ酸のL体を特異的に加水分解する反応を組み合わせることにより、L−アミノ酸を効率的に製造する方法に関する。
医薬品、農薬および食品などの分野で光学活性アミノ酸は多くの需要がある。L−リジン、L−スレオニン、L−イソロイシンおよびL−プロリンは動物飼料用の添加物、健康食品の成分ならびにアミノ酸輸液等として、L−アルギニンおよびL−オルニチンは肝機能促進薬、アミノ酸輸液ならびに総合アミノ酸製剤等の成分等として、L−ヒスチジンは肝機能促進薬およびヒスタミンの前駆体、L−フェニルアラニンは甘味料の前駆体として、産業上有用なL−アミノ酸である。光学的に純粋なL−アミノ酸を、いかにして効率的に合成または分割するかは、産業上重要な課題となっている。この課題に対して、N−アシルアミノ酸のラセミ体を合成した上で、酵素法によりD体およびL体を効果的に光学分割し、加水分解する手法が開発された。酵素法による光学分割は、L−アミノアシラーゼなどの酵素の特異性を利用してN−アセチル−L−アミノ酸を加水分解し、N−アセチルアミノ酸のラセミ体から必要なL−アミノ酸のみを特異的に生成させる方法であり、光学的な純度に優れた生成物を容易に得ることができる(特許文献1、2)。
また、この方法ではラセミ体の半分、すなわちN−アセチル−D−アミノ酸が無駄になってしまう。そこで、N−アセチル−D−アミノ酸のラセミ化を触媒するラセマーゼ作用が有用となる。たとえば、L−フェニルアラニンは甘味料の前駆体として重要である。L−フェニルアラニンは、N−アセチル−L−フェニルアラニンの加水分解によって得ることができる。そして、残ったN−アセチル−D-フェニルアラニンをラセマーゼによりラセミ化して、生成したラセミ体中のN−アセチル−L−フェニルアラニンを加水分解する。この工程を一連の酵素反応として連続的に行うことにより、高収率でL−トリプトファンを得ることができる(特許文献3)。
このような用途に有効なラセマーゼとして、N−アシルアミノ酸ラセマーゼが知られている。この酵素は、アミノ酸には作用せず、N−アシルアミノ酸を特異的にラセミ化する酵素である。合成されたN−アセチルアミノ酸のラセミ体を原料とし、L−アミノアシラーゼとN−アシルアミノ酸ラセマーゼを反応させることにより、L−アミノ酸を高収率で得ることができる。
しかし、この方法は実用化に大きな障害があった。それは、N−アシルアミノ酸ラセマーゼのN−アセチルアミノ酸への反応性が極めて低く、ラセマーゼ反応が律速となって効率が低下することにある。この問題を解決しない限り、該ラセマーゼを使用してL−アミノ酸を得ることは、コスト面で実用化に程遠い状況であった。
しかし最近になって、N−サクシニルアミノ酸を基質とし得るN−アシルアミノ酸ラセマーゼ、即ちサクシニルラセマーゼが同定され、当該酵素を用いることにより、効率的なN−アシルアミノ酸のラセミ化が可能になった(非特許文献1)。しかしながら、もう1つの主要な酵素反応であるL−アミノアシラーゼについては、N−サクシニル−L−アミノ酸を加水分解するL−アミノアシラーゼの存在は知られていなかった。
特開平5−328972号公報 特開2006−67870号公報 特開2001−46088号公報 Sakai A. et al.,Biochemistry,2006,45(14),4455−62
本発明は、従来法より効率的なL−アミノ酸の製造方法の提供を課題とする。すなわち、N−アシルアミノ酸ラセマーゼ、L−アミノアシラーゼを組み合わせることによりL−アミノ酸を効率よく合成することを課題とする。
本発明者らは、前記課題の解決のために鋭意検討し、N−サクシニル−L−アミノ酸を加水分解するL−アミノアシラーゼを見出し、効率的なL-アミノ酸合成を可能にした。本発明者らは更にN−アシルアミノ酸ラセマーゼを用いてN−サクシニルアミノ酸を非常に効率よくラセミ化する反応と、L−アミノアシラーゼによるL体を特異的に加水分解する反応とを組み合わせることにより、本発明を完成した。
すなわち、本発明は以下の通りである。
〔1〕L−アミノアシラーゼを用いてN−サクシニル−L−アミノ酸を特異的に加水分解する工程を含むことを特徴とする、L−アミノ酸を製造する方法。
〔2〕L−アミノアシラーゼを用いてN−サクシニル−L−アミノ酸を特異的に加水分解する工程が、L−アミノアシラーゼを用いてN−サクシニル−DL−アミノ酸からN−サクシニル−L−アミノ酸を特異的に加水分解する工程である、〔1〕に記載の方法。
〔3〕N−アシルアミノ酸ラセマーゼを用いてN−サクシニル−D−アミノ酸をラセミ化し、N−サクシニル−L−アミノ酸を合成する工程をさらに含む、〔1〕または〔2〕に記載の方法。
〔4〕コハク酸およびアミノ酸からN−サクシニルアミノ酸を合成する工程をさらに含む、〔1〕〜〔3〕のいずれか1項に記載の方法。
〔5〕L−アミノアシラーゼを用いてN−サクシニル−L−アミノ酸を特異的に加水分解する工程、N−アシルアミノ酸ラセマーゼを用いてN−サクシニル−D−アミノ酸をラセミ化し、N−サクシニル−L−アミノ酸を合成する工程、ならびにコハク酸およびアミノ酸からN−サクシニルアミノ酸を合成する工程を含むことを特徴とする、N−サクシニルアミノ酸からL−アミノ酸を製造する方法。
〔6〕L−アミノアシラーゼを用いてN−サクシニル−L−アミノ酸を特異的に加水分解する工程が、L−アミノアシラーゼを用いてN−サクシニル−DL−アミノ酸からN−サクシニル−L−アミノ酸を特異的に加水分解する工程である、〔5〕に記載の方法。
〔7〕L−アミノアシラーゼを用いてN−サクシニル−L−アミノ酸を特異的に加水分解する工程、およびN−アシルアミノ酸ラセマーゼを用いてN−サクシニル−L−アミノ酸をラセミ化する工程が同時に行なわれる、〔3〕〜〔6〕のいずれか1項に記載の方法。
〔8〕N−アシルアミノ酸ラセマーゼが下記(a)または(b)のいずれかである、〔3〕〜〔7〕のいずれか1項に記載の方法:
(a)配列番号1に記載の塩基配列からなるDNAと相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドによってコードされるタンパク質;または
(b)配列番号2に記載のアミノ酸配列、または配列番号2に記載のアミノ酸配列からなるタンパク質において、1〜数個のアミノ酸が置換、欠失、挿入、および/または付加したアミノ酸配列からなるタンパク質。
〔9〕N−アシルアミノ酸ラセマーゼが下記(a)、(b)および(c)の特徴を持つ、〔3〕〜〔7〕のいずれか1項に記載の方法:
(a)2価の金属イオンを0.1mM〜1Mの終濃度で反応させることで活性を持つ;
(b)Mn2+、Co2+、Mg2+、Fe2+およびNi2+のいずれか1つを0.1mM〜1Mの終濃度で反応させることで活性を持つ;および
(c)Co2+の終濃度0.1mM〜1Mで反応させた時、相対活性でMn2+の終濃度0.1mM〜1Mで反応させた時の2倍以上の活性を有する。
〔10〕N−アシルアミノ酸ラセマーゼが、下記の理化学的性質を有するタンパク質である、〔3〕〜〔7〕のいずれか1項に記載の方法:
(a)分子量:42kDa(SDS−PAGE);
(b)基質特異性:N−サクシニルアミノ酸のうち、特にN−サクシニルメチオニン、N−サクシニルアラニン、N−サクシニルバリン、N−サクシニルロイシン、N−フェニルアラニンに対して相対活性でN−サクシニルトリプトファンの2倍以上の活性を有する;
(c)温度安定性:30分間熱処理した場合、70℃では比較的安定であり75℃以上では失活する;
(d)至適温度:pH7.5で反応させる場合、温度65℃において作用が至適である;および
(e)至適pH:30℃で60分間反応させる場合、pH8において作用が至適である。
〔11〕N−アシルアミノ酸ラセマーゼが、下記(a)、(b)および(c)の特徴を持つ、ゲオバチルス(Geobacillus)属に属する微生物に由来するN−アシルアミノ酸ラセマーゼである、〔3〕〜〔7〕のいずれか1項に記載の方法:
(a)2価の金属イオンを0.1mM〜1Mの終濃度で反応させることで活性を持つ;
(b)Mn2+、Co2+、Mg2+、Fe2+およびNi2+のいずれか1つを0.1mM〜1Mの終濃度で反応させることで活性を持つ;および
(c)Co2+の終濃度0.1mM〜1Mで反応させた時、相対活性でMn2+の終濃度0.1mM〜1Mで反応させた時の2倍以上の活性を有する。
〔12〕ゲオバチルス(Geobacillus)属に属する微生物を培養して得られるものであるN−アシルアミノ酸ラセマーゼが、下記の理化学的性質を有する、〔3〕〜〔7〕のいずれか1項に記載の方法:
(a)分子量:42kDa(SDS−PAGE);
(b)基質特異性:N−サクシニルアミノ酸のうち、特にN−サクシニルメチオニン、N−サクシニルアラニン、N−サクシニルバリン、N−サクシニルロイシン、N−フェニルアラニンに対して相対活性でN−サクシニルトリプトファンの2倍以上の活性を有する;
(c)温度安定性:30分間熱処理した場合、70℃では比較的安定であり75℃以上では失活する;
(d)至適温度:pH7.5で反応させる場合、温度65℃において作用が至適である;および
(e)至適pH:30℃で60分間反応させる場合、pH8において作用が至適である。
〔13〕L−アミノアシラーゼがN−サクシニル−L−アミノ酸を加水分解する微生物由来のL−アミノアシラーゼである、〔1〕〜〔7〕のいずれか1項に記載の方法。
〔14〕L−アミノアシラーゼが、N−サクシニル−L−アミノ酸を加水分解する微生物を培養し、その培養物から精製したものである、〔1〕〜〔7〕のいずれか1項に記載の方法。
〔15〕L−アミノアシラーゼが、N−サクシニル−L−アミノ酸を加水分解する哺乳動物由来のL−アミノアシラーゼである、〔1〕〜〔7〕のいずれか1項に記載の方法。
〔16〕N−アシルアミノ酸ラセマーゼ活性を有するタンパク質をコードし、かつ、配列番号2に記載の塩基配列からなるDNAと相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドが挿入された組換えベクター。
〔17〕〔16〕記載の組換えベクターにより形質転換した形質転換体。
〔18〕微生物由来である、〔17〕記載の形質転換体。
〔19〕〔17〕または〔18〕記載の形質転換体を培養することを特徴とする、N−アシルアミノ酸ラセマーゼの製造方法。
〔20〕N−アシルアミノ酸ラセマーゼが、〔19〕記載の方法により得られたものである〔3〕〜〔7〕のいずれか1項に記載の方法。
〔21〕〔16〕記載の組換えベクターを用いることを特徴とする〔3〕〜〔7〕のいずれか1項に記載の方法。
〔22〕〔17〕または〔18〕記載の形質転換体を用いることを特徴とする〔3〕〜〔7〕のいずれか1項に記載の方法。
本発明により、N−サクシニル−L−アミノ酸を加水分解し、L−アミノ酸にすることが可能となる。
また、本発明により、N−アシルアミノ酸の効率的なラセミ化と加水分解が可能となり、産業上有用なL−アミノ酸を効率的に得ることが可能となる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明において使用するN−サクシニルアミノ酸を合成するには種々の公知の方法を用いることができる。例えば、アミノ酸と無水コハク酸とを下記の方法により反応させて合成することができる。
原料となるアミノ酸は、D体またはラセミ体が用いられる。アミノ酸の種類としては、天然に存在する20種のアミノ酸およびその誘導体が広範囲に用いられる。好ましくは、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、メチオニン、フェニルアラニン、チロシンおよびトリプトファンなどが挙げられる。より好ましくは、アラニン、バリン、ロイシンおよびトリプトファンなどが挙げられる。
アミノ酸と無水コハク酸とを反応させてN−サクシニルアミノ酸を合成する工程において、アミノ酸と無水コハク酸とを等モル濃度で反応させることが、コスト面で望ましい。用いるアミノ酸および無水コハク酸の濃度は特に限定されないが、0.05〜5M程度が望ましい。反応温度は37〜90℃が好ましく、45〜70℃がより好ましい範囲である。
得られたN−サクシニルアミノ酸は、N−アシルアミノ酸ラセマーゼを用いてラセミ化することができる。本発明において使用するN−アシルアミノ酸ラセマーゼは、N−サクシニルアミノ酸をラセミ化することができれば特に限定されないが、一例として、分子量が42kDa(SDS−PAGEにより測定)であり、N−サクシニルアミノ酸のうち、特にN−サクシニルメチオニン、N−サクシニルアラニン、N−サクシニルバリン、N−サクシニルロイシンまたはN−フェニルアラニンに対して、相対活性でN−サクシニルトリプトファンの2倍以上の活性を有する、という基質特異性を有するN−アシルアミノ酸ラセマーゼが挙げられる。
N−アシルアミノ酸ラセマーゼは、例えばN−サクシニル−D−アミノ酸をN−サクシニル−L−アミノ酸へと変換することができる。N−アシルアミノ酸ラセマーゼを用いてN−サクシニルアミノ酸をラセミ化する反応は、例えば下記の条件でN−サクシニルアミノ酸、N−アシルアミノ酸ラセマーゼおよび緩衝剤を含む溶液中で混合させることにより行なう。当該反応において、反応温度は、使用するN−アシルアミノ酸ラセマーゼが十分作用する温度であれば特に限定されないが、一般的には25〜90℃が好ましく、37〜70℃がより好ましい。当該反応において、反応時のpHは、使用するN−アシルアミノ酸ラセマーゼが十分作用するpHであれば特に限定されないが、一般的にはpH5〜9が好ましく、pH6.5〜8がより好ましい。本発明において使用するN−アシルアミノ酸ラセマーゼの一例として、pH7.5において温度25〜70℃、好ましくは約65℃で酵素活性が至適であり(至適温度65℃)、30℃で60分間の反応においては、約pH8で酵素活性が至適(至適pH8)となるN−アシルアミノ酸ラセマーゼが挙げられる。
また、本発明において、70℃、30分間の熱処理で比較的安定であり、75℃、30分間の熱処理で失活するN−アシルアミノ酸ラセマーゼが好ましく用いられる。
ここで「比較的安定である」とは、N−サクシニルアミノ酸をラセミ化する能力、すなわちラセマーゼ活性を維持していれば、その程度は特に限定されないが、通常、熱処理する前に比べて30%、好ましくは50%以上の活性を維持していることを意味する。
本発明の反応で使用する緩衝剤としては、pH5〜9において充分な緩衝能力を有する任意の緩衝剤を使用することができる。このpH範囲の緩衝剤としては、リン酸塩、トリス、ビス−トリスプロパン、N−トリス(ヒドロキシメチル)メチル−2−アミノエタンスルホン酸(TES)および3−〔N−トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミノ〕−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸(TAPSO)等が挙げられ、単独で用いても組み合わせて用いても良い。低価格かつ高い安定性を有するため、最も好ましい緩衝剤はリン酸塩であるが、トリスも汎用的な緩衝剤として好ましい。好ましい濃度範囲は、20〜200mMであり、pH6.5〜8である。
N−アシルアミノ酸ラセマーゼは、反応液中5〜500mg/L(500〜50000U/L)の濃度で使用されることが好ましい。また、N−アシルアミノ酸ラセマーゼを用いてN−サクシニルアミノ酸をラセミ化する反応において、N−アシルアミノ酸ラセマーゼは、2価の金属イオンを0.1mM〜1Mの終濃度で添加することにより活性を持つ。添加する2価の金属イオンは、その添加によりN−アシルアミノ酸ラセマーゼ活性化が示されるものであれば特に限定しないが、このような金属の例としてはMn2+、Co2+、Mg2+、Fe2+およびNi2+が挙げられる。特にCo2+を利用するのが最も好適である。Co2+は終濃度0.1mM〜1Mで反応させた時、相対活性でMn2+の終濃度0.1mM〜1Mで反応させた時の2倍以上の活性を有する。
本発明において使用するN−アシルアミノ酸ラセマーゼは、特に限定されないが、N−アセチルアミノ酸よりもN−サクシニルアミノ酸に対して100倍以上高いラセミ化活性を持つものが好ましい。発明者らはN−アシルアミノ酸ラセマーゼの基質特異性を網羅的に検討した訳ではなく、また、そのような検討には多大な時間と労力が必要であるため現実的ではないが、多くの微生物由来酵素が上記性質を有しているものと期待される。具体的に、このような酵素としては、ゲオバチルス(Geobacillus)属およびサーマス(Thermus)属などに属する種々の細菌ならびに放線菌、サーモプラズマ(Thermoplasma)属およびサルフォロバス(Sulfolobus)属などに属する種々の始原菌などが生産するN−アシルアミノ酸ラセマーゼが挙げられる。より好ましくは、ゲオバチルス属細菌の生産するN−アシルアミノ酸ラセマーゼが挙げられる。さらに具体的には、ゲオバチルス・ステアロサーモフィラス(Geobacillus stearothermophilus)のN−アシルアミノ酸ラセマーゼが例示され、そのアミノ酸配列は配列表の配列番号2、当該アミノ酸配列をコードする遺伝子は配列番号1でそれぞれ示される。なお、配列番号2において、アミノ酸の表記は、メチオニンを1として番号付けされている。本発明の実施例では、N−アシルアミノ酸ラセマーゼとして、ゲオバチルス・ステアロサーモフィラスのN−アシルアミノ酸ラセマーゼが使用されている。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではない。また、本発明のラセマーゼ活性を有するタンパク質のアミノ酸配列は、配列番号2に記載のアミノ酸配列において、1〜数個のアミノ酸が置換、欠失、挿入、および/または付加したアミノ酸配列からなるタンパク質あるいは配列番号1に記載の塩基配列からなるDNAと相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドによってコードされるタンパク質を含む。
上記ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件は、当業者であれば、適宜選択することができる。一例を示せば25%ホルムアミド、より厳しい条件では50%ホルムアミド、4×SSC、50mM Hepes pH7、10×デンハルト溶液、20μg/mL変性サケ精子DNAを含むハイブリダイゼーション溶液中、42℃で一晩プレハイブリダイゼーションを行なった後、標識したプローブを添加し、42℃で一晩保温することによりハイブリダイゼーションを行なう。その後の洗浄における洗浄液および温度条件は「1×SSC、0.1%SDS、37℃」程度で、より厳しい条件としては「0.5×SSC、0.1%SDS、42℃」程度で、さらに厳しい条件としては「0.2%×SSC、0.1%SDS、65℃」程度で実施することができる。SSC、SDSおよび温度条件の組み合わせは例示であり、当業者であれば、ハイブリダイゼーションのストリンジェンシーを決定する上記もしくは他の要素(例えばプローブ濃度、プローブの長さ、ハイブリダイゼーション反応時間等)を適宜組み合わせることにより、上記と同様のストリンジェンシーを実現することが可能である。
このようなハイブリダイゼーション技術を利用して単離されるDNAがコードするポリペプチドは、通常、配列番号2に記載されるアミノ酸配列を有するN−アシルアミノ酸ラセマーゼと高い相同性を有する。高い相同性は、少なくとも40%以上、好ましくは60%以上、さらに好ましくは80%以上、さらに好ましくは90%以上、さらに好ましくは95%以上、さらに好ましくは97%以上(例えば98〜99%)の配列の相同性を指す。アミノ酸配列の同一性は、例えばKarklin AND AltschulによるアルゴリズムBLAST(Proc.Natl.Acad.Sci.USA 87:2264−2268,1990、Proc.Natl.Acad.Sci.USA 90:5873−5877,1993)によって決定することができる。このアルゴリズムに基づいてBLASTXと呼ばれるプログラムが開発されている(Altschul et al.J.Mol.Biol.215:403−410,1990)。BLASTXによってアミノ酸配列を解析する場合にはパラメーターは例えばscore=50、word length=3とする。BLASTとGapped BLASTプログラムを用いる場合には、各プログラムのデフォルトパラメーターを用いる。これらの解析方法の具体的な手法は公知である(http://www.ncbi.nlm.nih.gov.)。
また、本発明において使用するN−アシルアミノ酸ラセマーゼは、ラセマーゼ活性を保持していれば、分子間または分子内架橋が施されたもの、糖鎖やその他の官能基により化学修飾されたもの、あるいは、ヒスチジンタグが付与されたもの、各種融合タンパク質などであっても、特に問題とならない。さらに、N−アシルアミノ酸ラセマーゼをコードする遺伝子をクローニングし、ラセマーゼの発現が向上させるように、コドンユーセージ(Codon usage)などを変更したものを含みうる。
前記塩基配列を有するポリヌクレオチドはベクターに組み込んでN−アシルアミノ酸ラセマーゼの製造に用いることができる。好適なベクターとしては、原核および/または真核細胞の各種宿主細胞内で複製保持または自律増殖できるものであれば特に限定されず、プラスミドベクターおよびウイルスベクター等が包含される。当該組換えベクターは、簡便には当該技術分野において入手可能な公知のクローニングベクターまたは発現ベクターに、上記のN−アシルアミノ酸ラセマーゼをコードするDNAを適当な制限酵素およびリガーゼ、あるいは必要に応じてさらにリンカーもしくはアダプターDNAを用いて連結することにより調製することができる。また、Taqポリメラーゼのように増幅末端に一塩基を付加するようなDNAポリメラーゼを用いて増幅作製した遺伝子断片であれば、TAクローニングによるベクターへの接続も可能である。ベクターとしては、大腸菌由来のプラスミドとして、例えばpBR322、pBR325、pUC18およびpUC19など、酵母由来プラスミドとして、例えばpSH19およびpSH15など、ならびに枯草菌由来プラスミドとして、例えばpUB110、pTP5およびpC194などが挙げられる。また、ウイルスとして、λファージなどのバクテリオファージや、SV40、ウシパピローマウイルス(BPV)などのパポバウイルス、モロニーマウス白血病ウイルス(MoMuLV)などのレトロウイルス、アデノウイルス(AdV)、アデノ随伴ウイルス(AAV)、ワクシニアウイルス、バキュロウイルスなどの動物および昆虫のウイルスが例示される。また、このベクターにより形質転換される形質転換体としては、従来公知のものが使用可能であり、組換え発現系が確立しているものであれば特に制限されないが、好ましくは大腸菌、枯草菌などのバクテリア、放線菌、麹菌、酵母といった微生物宿主ならびに昆虫細胞、動物細胞、高等植物などが挙げられ、より好ましくは大腸菌(例えば、K12株、B株など)が挙げられる。好ましくは、形質転換体は微生物由来である。さらに、無細胞タンパク質合成によりN−アシルアミノ酸ラセマーゼを製造することもできる。該合成に用いる生体材料としては、従来公知のものが使用可能であり、例えば、大腸菌、哺乳動物網状赤血球およびコムギ胚芽が挙げられる。
合成されたタンパク質は、N−サクシニルアミノ酸およびL−アミノアシラーゼとそのまま混合して用いることができるが、精製したものを使用しても良い。
上記N−アシルアミノ酸ラセマーゼを産生し得る微生物あるいは産生するよう操作された形質転換体あるいはその培養物から、N−アシルアミノ酸ラセマーゼを抽出、精製する方法は、従来公知のものが使用可能であり、例えば以下のようにして行うことができる。微生物、形質転換体あるいはその培養物を適当な緩衝液中でホモジナイズし、超音波処理や界面活性剤処理等により細胞抽出液を得、そこから蛋白質の分離精製に常套的に利用される分離技術を適宜組み合わせることにより精製する。このような分離技術としては、塩析、溶媒沈澱法等の溶解度の差を利用する方法、透析、限外濾過、ゲル濾過、非変性ポリアクリルアミド電気泳動(PAGE)、ドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミド電気泳動(SDS−PAGE)などの分子量の差を利用する方法、イオン交換クロマトグラフィー、ヒドロキシアパタイトクロマトグラフィーなどの荷電を利用する方法、アフィニティークロマトグラフィーなどの特異的親和性を利用する方法、逆相高速液体クロマトグラフィーなどの疎水性の差を利用する方法、等電点電気泳動などの等電点の差を利用する方法などが挙げられるが、これらに限定されない。
本発明のN−サクシニル−L−アミノ酸を特異的に加水分解する反応は、化学的な光学分割反応を利用することもできるが、通常は、アシル化L−アミノ酸を特異的に加水分解する反応を触媒する酵素を利用する。そのような酵素としては、L−アミノアシラーゼが好適に例示される。L−アミノアシラーゼはN−アシル−L−アミノ酸をL−アミノ酸と有機酸に加水分解する反応を触媒する酵素であり、L体に対して極めて高い特異性を有する。種々の給源、例えば細菌、始原菌および糸状菌のL−アミノアシラーゼを本発明に利用することができる。本発明に利用するL−アミノアシラーゼは限定されないが、例えば、ペニシリウム(Penicillium)属(特開平5−328972号公報)、シュードモナス(Pseudomonas)属細菌、ストレプトミセス(Streptomyces)属放線菌(特開2006−67870号公報)、アスペルギルス(Aspergillus)属麹菌、アルカリゲネス(Alcaligenes)属細菌、アースロバクター(Arthrobacter)属、コリネバクテリウム(Corynebacterium)属、エルビニア(Erwinia)属、エシェリヒア(Escherichia)属、フラボバクテリウム(Flavobacterium)属、ノカルディア(Nocardia)属、プロタミノバクター(Protaminobacter)属、ロドコッカス(Rhodococcus)属、キサントモナス(Xanthomonas)属またはセベキア(Sebekia)属などに属する微生物を培養して得られるL−アミノアシラーゼを使用する。
具体的には例えば、ストレプトミセス モバラエンシス(Streptomyces mobaraensis)IFO13819由来(特開2006−67870号公報)またはペニシリウム フニコロサム(Penicillium funiculosum)微工研条寄第3176号(FERM BP−3176)由来(特開平5−328972号公報)を入手し、当該微生物を適宜培養および精製することによりL−アミノアシラーゼを調製することができる。また、ブタ等の哺乳動物由来のL−アミノアシラーゼも好適に用いることができる。
例えば、アマノアシラーゼ(アスペルギルス・メレウス由来;天野製薬(株)社製)およびアシラーゼI(ブタ腎由来;シグマ社製)も使用可能である。これらのうち、アマノアシラーゼ(30,000U/g;天野製薬(株)社製)が最も好適である。
本発明において使用するL−アミノアシラーゼはN−サクシニル−L−アミノ酸を加水分解してL−アミノ酸とすることができるものであれば特に限定されないが、一例として、分子量が60kDa(SDS−PAGE)であるL−アミノアシラーゼが挙げられる。当該反応において、反応温度は使用するL−アミノアシラーゼが十分作用する温度であれば特に限定されないが、一般的には20〜60℃が好ましく、30〜55℃がより好ましい。当該反応において反応時のpHは、使用するL−アミノアシラーゼが十分作用するpHであれば特に限定されないが、一般的にはpH4〜10が好ましく、pH6〜9がより好ましい。
本発明の反応で使用する緩衝剤としては、上記N−アシルアミノ酸ラセマーゼの反応に用いる緩衝剤と同様のものが挙げられる。L−アミノアシラーゼは、反応液中10〜500mg/L(100〜5000U/L)の濃度で使用されることが好ましい。また、L−アミノアシラーゼを用いる反応において2価の金属イオンを0.1mM〜1Mの終濃度で添加して反応させることが好ましい。添加する2価の金属イオンは、該L−アミノアシラーゼを活性化する働きのあるものであれば特に限定しないが、このような金属の例としては、Mn2+、Co2+、Ca2+、Mg2+、およびZn2+が挙げられる。特にCo2+は終濃度0.1mM〜1Mで反応させた時、活性が最も増強される。
L−アミノアシラーゼは、N−サクシニル−L−アミノ酸をL−アミノ酸と有機酸に加水分解することができる。
本発明では、まずN−サクシニル−D−アミノ酸、N−サクシニル−L−アミノ酸またはN−サクシニル−DL−アミノ酸のうちL体のみがL−アミノアシラーゼにより脱アシル化(加水分解)され、目的のL−アミノ酸が生成する。N−アシルアミノ酸ラセマーゼはN−アシルアミノ酸のL体をD体に変換する反応とD体をL体に変換する反応の両方を触媒してその比率をほぼ等しくする(ラセミ化)方向に働く。基質のL体が消費されるとラセミ状態が解消されるため、N−アシルアミノ酸ラセマーゼはD体からL体への反応をより促進する。L−アミノアシラーゼにより生成したN−サクシニル−L−アミノ酸は、L−アミノアシラーゼにより順次L−アミノ酸へと分解される。この原理で、理論的にはすべてのN−サクシニルアミノ酸をL−アミノ酸に変換することができる。
前記のラセミ化反応および加水分解反応は、同時に行われることが好ましい。反応条件としては、N−アシルアミノ酸ラセマーゼおよびL−アミノアシラーゼが活性を発揮する条件の範囲内であれば特に限定しないが、より好適には基質濃度0.01mM〜500mM、pH6〜8、温度30〜55℃で行う。本発明において、ラセミ化反応および加水分解反応に要する時間は、原料として用いるN−サクシニルアミノ酸が、所望する量のL−アミノ酸へと変換し得るまでの時間であれば特に制限されず、仕込み量によっても異なるが、通常10〜300分程度で反応は終結する。
本発明のL−アミノ酸の製造方法において、不活性タンパク質を、酵素反応の安定性を増すために添加してもよい。不活性タンパク質は、大豆タンパク質および小麦タンパク質などの植物性タンパク質、硬タンパク質類ならびに繊維性タンパク質類を含む。好ましいタンパク質は、硬タンパク質類であり、特にコラーゲンおよびゼラチンなどが好ましい。不活性タンパク質の反応液全量における濃度として好ましくは0.05〜10%(wt/vol)である。より低い濃度は有用であり得る。酵素分解を起こすであろうプロテアーゼ不純物を含まない不活性タンパク質が好ましい。
本発明において使用するN−アシルアミノ酸ラセマーゼの「ラセマーゼ活性(「ラセミ化活性」または「活性」とも表記する。)」は以下の方法により測定することができる。
基質となるN−サクシニル−D−アミノ酸またはN−サクシニル−L−アミノ酸を適当な濃度に調製し、N−アシルアミノ酸ラセマーゼを加えて適当な温度条件およびpH条件で静置もしくは攪拌する。酵素反応の前後における溶液の旋光度を旋光度計(堀場製作所製SEPA−200、日本分光製P−1010−STなど)で測定し、旋光度の変化を見ることにより、N−サクシニル−L−アミノ酸またはN−サクシニル−D−アミノ酸へのラセミ化の度合いを直接定量することができる。
あるいは、基質となるN−サクシニル−D−アミノ酸、N−サクシニル−L−アミノ酸またはN−サクシニル−DL−アミノ酸溶液を適当な濃度に調製し、N−アシルアミノ酸ラセマーゼ、L−(もしくはD−)アミノアシラーゼ、N−アシルアミノ酸ラセマーゼが活性を発現するのに必要な2価の金属イオンを添加し、適当な温度条件およびpH条件で静置もしくは攪拌する。添加したアミノアシラーゼがL−アミノアシラーゼの場合であれば、まずN−アシル−DL−アミノ酸のうちL体のみがL−アミノアシラーゼにより脱アシル化され、目的のL−アミノ酸が生成する。N−アシルアミノ酸ラセマーゼはN−アシルアミノ酸のL体をD体に変換する反応と、D体をL体に変換する反応の両方を触媒してその比率をほぼ等しくする(ラセミ化)方向に働く。基質のL体が消費されるとラセミ状態が解消されるため、よりD体からL体への反応が促進される。このように生成したN−アシル−L−アミノ酸はL−アミノアシラーゼにより順次L−アミノ酸へと分解される。このような原理で、理論的にはすべてのN−アシルアミノ酸をL−アミノ酸に変換することができる。同様に添加するアミノアシラーゼがD−アミノアシラーゼであれば理論的にはすべてのN−アシルアミノ酸をD−アミノ酸に変換することができる。
具体的なN−アシルアミノ酸ラセマーゼ活性の測定は、例えば以下の条件で行う。
<反応試薬>
緩衝液、N−サクシニル−D−アミノ酸、L−アミノアシラーゼ、L−アミノ酸オキシダーゼ、ペルオキシダーゼ、4−アミノアンチピリン、アニリン系色原体および塩化コバルトを含む。
<測定条件>
反応試薬を37℃で5分間予備加温した後、N−アシルアミノ酸ラセマーゼ溶液を添加し、ゆるやかに混和する。水を対照とし、37℃に制御された分光光度計で吸光度変化を記録し、その吸光度変化を測定する。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明の範囲は下記の実施例に限定されることはない。
実施例1 N−サクシニル−D−アミノ酸の合成
D−バリン(ナカライテスク製、4.7g)と無水コハク酸(ナカライテスク製、4.0g)を40mLの酢酸(ナカライテスク製)に溶解。溶液を50〜60℃に熱し、溶媒を揮発させて結晶化した。次に、結晶化した白い沈殿を集めて、酢酸エチル20mLとメタノール20mLの混合液にて再結晶化した。沈殿を乳鉢で破砕し、乾燥させ、N−サクシニル−L−バリンの粉末を得た。詳細は文献(Sakai et al.,2006;Biochemistry,45,4455−4462)に記載されている。
実施例2 L−バリン合成試薬の調整
1M HEPES pH7.9
10mM MnCl溶液
4−アミノアンチピリン溶液(第一化学薬品製、6.1mg/mL)
TOOS溶液(同仁化学研究所製、32.2mg/mL)
ペルオキシダーゼ溶液(東洋紡製PEO−301、300U/mL)
L−アミノアシラーゼ溶液(天野製薬(株)社製、2600U/mL)
L−アミノ酸オキシダーゼ溶液(シグマ社製、2U/mL)
50mM N−サクシニル−D−バリン
上記1M HEPES2.0mL、10mM MnCl溶液0.1mL、4−アミノアンチピリン溶液0.05mL、TOOS溶液0.05mL、ペルオキシダーゼ溶液0.05mL、L−アミノ酸アシラーゼ溶液1.0mL、L−アミノ酸オキシダーゼ溶液0.4mL、50mM N−サクシニル−L−バリン1.0mLおよび水5.35mLを混合して反応試薬とする。
実施例3 N−アシルアミノ酸ラセマーゼの調製
バチルス・ステアロサーモフィラスNCA1503株由来のN−アシルアミノ酸ラセマーゼ遺伝子(配列番号1)を、DNAポリメラーゼKOD−Plus(東洋紡製)を用いたPCRにて取得した。クローニングキットTarget Clone−Plus(東洋紡製)を用いて、そのプロトコールに従って操作を行い、ベクターpBluescriptにクローニングし、組換え発現プラスミドpNARBS1を取得した。pBSNAR1を用いて、エシェリヒア・コリー(Escherichia coli)JM109株コンピテントセル(東洋紡製)を形質転換し、該形質転換体を取得した。得られた形質転換体は、エシェリヒア・コリーJM109(pBSNAR1)と命名した。
500mLのTB培地を2L容坂口フラスコに分注し、121℃、20分間オートクレーブを行い、放冷後別途無菌濾過したアンピシリンとイソプロピル−β−D−チオガラクトシドをそれぞれ終濃度が100μg/mLと0.1mMになるように添加した。この培地に100μg/mLのアンピシリンを含むLB培地で予め30℃、16時間培養したエシェリヒア・コリーJM109(pBSNAR1)の培養液を5mL接種し、37℃で24時間通気攪拌培養を行った。培養終了より菌体を遠心分離により集菌し、50mMリン酸緩衝液(pH7.5)に懸濁した後、フレンチプレスにて破砕し、更に遠心分離を行い、上清液を粗酵素液として得た。得られた粗酵素液をポリエチレンイミンによる除核酸および硫安分画を行い、50℃、1時間の熱処理後、50mMリン酸緩衝液(pH7.5)で透析を行った。更にDEAEセファロースCL−6B(GEヘルスケアバイオサイエンス製)、およびオクチルセファロース(GEヘルスケアバイオサイエンス製)の各カラムクロマトグラフィーにより分離・精製することにより、精製酵素標品を得た。本方法により得られた標品は、SDS−PAGEにより、単一であることが確認された。
実施例4 測定条件
反応試薬(実施例2)2.9mLを37℃で5分間予備加温する。実施例3で調製したN−アシルアミノ酸ラセマーゼ0.1mLを添加し緩やかに混和後、水を対照に37℃に制御された分光光度計で、555nmの吸光度変化を10分間記録し、その吸光度変化を測定する。盲検はラセマーゼ溶液の代わりに50mM K−リン酸緩衝液 pH7.5を試薬混合液に加えて同様に吸光度変化を測定する。
本発明によって、産業上有用なL−アミノ酸の製造効率が飛躍的に向上する。

Claims (22)

  1. L−アミノアシラーゼを用いてN−サクシニル−L−アミノ酸を特異的に加水分解する工程を含むことを特徴とする、L−アミノ酸を製造する方法。
  2. L−アミノアシラーゼを用いてN−サクシニル−L−アミノ酸を特異的に加水分解する工程が、L−アミノアシラーゼを用いてN−サクシニル−DL−アミノ酸からN−サクシニル−L−アミノ酸を特異的に加水分解する工程である、請求項1に記載の方法。
  3. N−アシルアミノ酸ラセマーゼを用いてN−サクシニル−D−アミノ酸をラセミ化し、N−サクシニル−L−アミノ酸を合成する工程をさらに含む、請求項1または2に記載の方法。
  4. コハク酸およびアミノ酸からN−サクシニルアミノ酸を合成する工程をさらに含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. L−アミノアシラーゼを用いてN−サクシニル−L−アミノ酸を特異的に加水分解する工程、N−アシルアミノ酸ラセマーゼを用いてN−サクシニル−D−アミノ酸をラセミ化し、N−サクシニル−L−アミノ酸を合成する工程、ならびにコハク酸およびアミノ酸からN−サクシニルアミノ酸を合成する工程を含むことを特徴とする、N−サクシニルアミノ酸からL−アミノ酸を製造する方法。
  6. L−アミノアシラーゼを用いてN−サクシニル−L−アミノ酸を特異的に加水分解する工程が、L−アミノアシラーゼを用いてN−サクシニル−DL−アミノ酸からN−サクシニル−L−アミノ酸を特異的に加水分解する工程である、請求項5に記載の方法。
  7. L−アミノアシラーゼを用いてN−サクシニル−L−アミノ酸を特異的に加水分解する工程、およびN−アシルアミノ酸ラセマーゼを用いてN−サクシニル−L−アミノ酸をラセミ化する工程が同時に行なわれる、請求項3〜6のいずれか1項に記載の方法。
  8. N−アシルアミノ酸ラセマーゼが下記(a)または(b)のいずれかである、請求項3〜7のいずれか1項に記載の方法:
    (a)配列番号1に記載の塩基配列からなるDNAと相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドによってコードされるタンパク質;または
    (b)配列番号2に記載のアミノ酸配列、または配列番号2に記載のアミノ酸配列からなるタンパク質において、1〜数個のアミノ酸が置換、欠失、挿入、および/または付加したアミノ酸配列からなるタンパク質。
  9. N−アシルアミノ酸ラセマーゼが下記(a)、(b)および(c)の特徴を持つ、請求項3〜7のいずれか1項に記載の方法:
    (a)2価の金属イオンを0.1mM〜1Mの終濃度で反応させることで活性を持つ;
    (b)Mn2+、Co2+、Mg2+、Fe2+およびNi2+のいずれか1つを0.1mM〜1Mの終濃度で反応させることで活性を持つ;および
    (c)Co2+の終濃度0.1mM〜1Mで反応させた時、相対活性でMn2+の終濃度0.1mM〜1Mで反応させた時の2倍以上の活性を有する。
  10. N−アシルアミノ酸ラセマーゼが、下記の理化学的性質を有するタンパク質である、請求項3〜7のいずれか1項に記載の方法:
    (a)分子量:42kDa(SDS−PAGE);
    (b)基質特異性:N−サクシニルアミノ酸のうち、特にN−サクシニルメチオニン、N−サクシニルアラニン、N−サクシニルバリン、N−サクシニルロイシン、N−フェニルアラニンに対して相対活性でN−サクシニルトリプトファンの2倍以上の活性を有する;
    (c)温度安定性:30分間熱処理した場合、70℃では比較的安定であり75℃以上では失活する;
    (d)至適温度:pH7.5で反応させる場合、温度65℃において作用が至適である;
    (e)至適pH:30℃で60分間反応させる場合、pH8において作用が至適である。
  11. N−アシルアミノ酸ラセマーゼが、下記(a)、(b)および(c)の特徴を持つ、ゲオバチルス(Geobacillus)属に属する微生物に由来するN−アシルアミノ酸ラセマーゼである、請求項3〜7のいずれか1項に記載の方法:
    (a)2価の金属イオンを0.1mM〜1Mの終濃度で反応させることで活性を持つ;
    (b)Mn2+、Co2+、Mg2+、Fe2+およびNi2+のいずれか1つを0.1mM〜1Mの終濃度で反応させることで活性を持つ;および
    (c)Co2+の終濃度0.1mM〜1Mで反応させた時、相対活性でMn2+の終濃度0.1mM〜1Mで反応させた時の2倍以上の活性を有する。
  12. ゲオバチルス(Geobacillus)属に属する微生物を培養して得られるものであるN−アシルアミノ酸ラセマーゼが、下記の理化学的性質を有する、請求項3〜7のいずれか1項に記載の方法:
    (a)分子量:42kDa(SDS−PAGE);
    (b)基質特異性:N−サクシニルアミノ酸のうち、特にN−サクシニルメチオニン、N−サクシニルアラニン、N−サクシニルバリン、N−サクシニルロイシン、N−フェニルアラニンに対して相対活性でN−サクシニルトリプトファンの2倍以上の活性を有する;
    (c)温度安定性:30分間熱処理した場合、70℃では比較的安定であり75℃以上では失活する;
    (d)至適温度:pH7.5で反応させる場合、温度65℃において作用が至適である;および
    (e)至適pH:30℃で60分間反応させる場合、pH8において作用が至適である。
  13. L−アミノアシラーゼがN−サクシニル−L−アミノ酸を加水分解する微生物由来のL−アミノアシラーゼである、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
  14. L−アミノアシラーゼが、N−サクシニル−L−アミノ酸を加水分解する微生物を培養し、その培養物から精製したものである、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
  15. L−アミノアシラーゼが、N−サクシニル−L−アミノ酸を加水分解する哺乳動物由来のL−アミノアシラーゼである、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
  16. N−アシルアミノ酸ラセマーゼ活性を有するタンパク質をコードし、かつ、配列番号2に記載の塩基配列からなるDNAと相補的な塩基配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズするポリヌクレオチドが挿入された組換えベクター。
  17. 請求項16記載の組換えベクターにより形質転換した形質転換体。
  18. 微生物由来である、請求項17記載の形質転換体。
  19. 請求項17または18記載の形質転換体を培養することを特徴とする、N−アシルアミノ酸ラセマーゼの製造方法。
  20. N−アシルアミノ酸ラセマーゼが、請求項19記載の方法により得られたものである請求項3〜7のいずれか1項に記載の方法。
  21. 請求項16記載の組換えベクターを用いることを特徴とする請求項3〜7のいずれか1項に記載の方法。
  22. 請求項17または18記載の形質転換体を用いることを特徴とする請求項3〜7のいずれか1項に記載の方法。
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