JP2008304454A - センサ制御装置 - Google Patents

センサ制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2008304454A
JP2008304454A JP2008111906A JP2008111906A JP2008304454A JP 2008304454 A JP2008304454 A JP 2008304454A JP 2008111906 A JP2008111906 A JP 2008111906A JP 2008111906 A JP2008111906 A JP 2008111906A JP 2008304454 A JP2008304454 A JP 2008304454A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gas sensor
energization
oxygen
temperature
sensor element
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2008111906A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5062755B2 (ja
Inventor
Masamichi Hiraiwa
雅道 平岩
Nobuhiro Inoue
宣宏 井上
Satoshi Teramoto
諭司 寺本
Yukinobu Nagao
幸伸 長尾
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Niterra Co Ltd
Original Assignee
NGK Spark Plug Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by NGK Spark Plug Co Ltd filed Critical NGK Spark Plug Co Ltd
Priority to JP2008111906A priority Critical patent/JP5062755B2/ja
Publication of JP2008304454A publication Critical patent/JP2008304454A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5062755B2 publication Critical patent/JP5062755B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Classifications

    • GPHYSICS
    • G01MEASURING; TESTING
    • G01NINVESTIGATING OR ANALYSING MATERIALS BY DETERMINING THEIR CHEMICAL OR PHYSICAL PROPERTIES
    • G01N27/00Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means
    • G01N27/26Investigating or analysing materials by the use of electric, electrochemical, or magnetic means by investigating electrochemical variables; by using electrolysis or electrophoresis
    • G01N27/403Cells and electrode assemblies
    • G01N27/406Cells and probes with solid electrolytes
    • G01N27/4067Means for heating or controlling the temperature of the solid electrolyte

Landscapes

  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Health & Medical Sciences (AREA)
  • Physics & Mathematics (AREA)
  • Chemical Kinetics & Catalysis (AREA)
  • Electrochemistry (AREA)
  • Molecular Biology (AREA)
  • Analytical Chemistry (AREA)
  • Biochemistry (AREA)
  • General Health & Medical Sciences (AREA)
  • General Physics & Mathematics (AREA)
  • Immunology (AREA)
  • Pathology (AREA)
  • Measuring Oxygen Concentration In Cells (AREA)
  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

【課題】 ガスセンサ素子の加熱開始後において、基準生成用電流の通電に起因してガスセンサ素子の破損が生じるのを防止できるセンサ制御装置を提供する。
【解決手段】 内燃機関制御システム1においては、電子制御ユニット5のエンジン制御装置9は、起動後状態判定処理を実行することにより、ガスセンサ素子10の加熱開始時(S110)から破損回避判定閾値Btにより定められる時間(破損回避時間)が経過した場合(S160で肯定判定)に、ガスセンサ駆動回路2による基準生成用電流Icpの通電を開始する(S170)。このため、ガスセンサ駆動回路2による基準生成用電流Icpの通電開始時においては、ガスセンサ素子10は、ヒータ43およびヒータ制御回路60により破損回避時間にわたり加熱されており、ある程度活性化した状態となる。よって、基準生成用電流Icpの通電に伴ってガスセンサ素子10が破損するのを防止できる。
【選択図】 図2

Description

本発明は、固体電解質体および一対の電極を備えるセルを少なくとも1つ以上有するガスセンサ素子を用いて、被測定ガス中の特定ガス濃度を測定するにあたり、ガスセンサ素子に対する通電状態を制御するセンサ制御装置に関する。
従来、固体電解質体および一対の電極を備えるセルを少なくとも1つ以上有するガスセンサ素子を用いて、被測定ガス中の特定ガス濃度を測定するにあたり、ガスセンサ素子に対する通電状態を制御するセンサ制御装置が知られている。
なお、ガスセンサ素子としては、酸素ポンプセルおよび酸素濃度検知セルを備える全領域空燃比センサがあり、センサ制御装置としては、全領域空燃比センサを制御するガスセンサ制御装置がある(特許文献1)。
このようなガスセンサ制御装置は、センサ加熱手段(ヒータなど)を用いてガスセンサ素子を活性化温度まで加熱し、酸素濃度検知セルに対して基準生成用電流を通電して一対の電極のうち一方を酸素基準極として機能させることで、特定ガス濃度が測定可能となるようにガスセンサ素子の通電状態を制御している。
特開平10−73564号公報(図1など)
しかしながら、センサ加熱手段によるガスセンサ素子(固体電解質体)の加熱が不十分である場合(ガスセンサ素子が活性化していない場合)において、基準生成用電流を通電する場合には、酸素濃度検知セルに対して過大な電圧が印加されてしまい、ガスセンサ素子の破損に至る場合がある。
つまり、ガスセンサ素子の活性が不十分である場合には、酸素濃度検知セルの素子抵抗値が高く、酸素濃度検知セルへは電流が流れにくい状態であるため、予め定められた基準生成用電流を通電すると、酸素濃度検知セルの両端電圧が大きい値になってしまう。その結果、酸素濃度検知セルに対して過剰な電圧が印加されてしまい、過剰な電圧が長い時間印加されるとガスセンサ素子の破損(ブラックニングなど)に至る場合がある。
そこで、本発明は、こうした問題に鑑みなされたものであり、ガスセンサ素子の加熱開始後において、基準生成用電流の通電に起因してガスセンサ素子の破損が生じるのを防止できるセンサ制御装置を提供することを目的とする。
かかる目的を達成するためになされた請求項1に記載の発明は、固体電解質体および一対の電極を備えるセルを少なくとも1つ以上有するガスセンサ素子を用いて、被測定ガス中の特定ガス濃度を測定するにあたり、ガスセンサ素子に対する通電状態を制御するセンサ制御装置であって、ガスセンサ素子を加熱するセンサ加熱手段と、セルのうち少なくとも1つのセルについて、一対の電極のうち一方を酸素基準極とするために、当該セルに対して基準生成用電流を通電する酸素基準極生成手段と、センサ加熱手段によるセンサ加熱開始時を基点として、予め定められた破損回避時間が経過したか否かを判定する破損回避時間経過判定手段と、破損回避時間経過判定手段において破損回避時間が経過したと判定されない場合には、酸素基準極生成手段による基準生成用電流の通電を許可せず、破損回避時間経過判定手段において破損回避時間が経過したと判定された場合には、酸素基準極生成手段による基準生成用電流の通電を許可する基準生成用電流通電許可手段と、を備えることを特徴とするセンサ制御装置である。
このセンサ制御装置は、破損回避時間経過判定手段および基準生成用電流通電許可手段を備えることで、センサ加熱手段によるセンサ加熱開始時を基点としてから破損回避時間が経過したと判定されない場合には、酸素基準極生成手段による基準生成用電流の通電を許可しないように構成されている。
これにより、センサ加熱手段によるセンサ加熱開始直後のようなガスセンサ素子の温度が低い状況下において、酸素基準極生成手段による基準生成用電流の通電が行われるのを防止でき、基準生成用電流の通電に伴ってガスセンサ素子が破損(ブラックニングなど)するのを防止できる。
また、このセンサ制御装置は、センサ加熱手段によるセンサ加熱開始時を基点としてから破損回避時間が経過したと判定された場合に、酸素基準極生成手段による基準生成用電流の通電を許可するように構成されている。つまり、酸素基準極生成手段による基準生成用電流の通電開始時においては、ガスセンサ素子は、センサ加熱手段により破損回避時間にわたり加熱されており、ある程度活性化した状態となる。
これにより、ガスセンサ素子がある程度活性化した状態で、酸素基準極生成手段による基準生成用電流の通電を開始することができるため、ガスセンサ素子(詳細には、セル)に対して過大な電圧が印加されるのを防止でき、基準生成用電流の通電に伴ってガスセンサ素子が破損するのを防止できる。
よって、本発明のセンサ制御装置によれば、ガスセンサ素子の加熱開始後において、基準生成用電流の通電に起因してガスセンサ素子の破損(ブラックニングなど)が生じるのを防止できる。また、本発明のセンサ制御装置によれば、基準生成用電流が通電されるセルの一対の電極間に過電圧が印加されるのを防止するための過電圧印加防止回路(リミッタ回路)を設けなくても、基準生成用電流の通電に起因したガスセンサ素子の破損の発生を防止できる。
なお、破損回避時間は、実際のガスセンサ素子を用いて加熱時間とガスセンサ素子の素子温度との相関関係を測定し、その測定結果に基づいて適切な値を予め定めることができる。例えば、測定結果に基づいて、センサ加熱手段による加熱によって、ガスセンサ素子の素子温度を基準生成用電流の通電に伴う破損(ブラックニングなど)が生じない温度まで上昇させるために必要な所要時間を算出し、その算出結果を破損回避時間として予め設定することができる。
次に、上述のセンサ制御装置においては、請求項2に記載のように、ガスセンサ素子の素子温度を検出する素子温度検出手段と、ガスセンサ素子の活性化温度に基づいて定められた通電許可温度と素子温度検出手段により検出された素子温度とを比較して、素子温度が通電許可温度よりも高いか否かを判定する許可温度判定手段と、を備えており、基準生成用電流通電許可手段は、破損回避時間経過判定手段において破損回避時間が経過したと判定された場合、あるいは許可温度判定手段において素子温度が通電許可温度よりも高いと判定された場合に、酸素基準極生成手段による基準生成用電流の通電を許可する、という構成を採ることができる。
このセンサ制御装置は、素子温度検出手段、許可温度判定手段を備えるとともに、許可温度判定手段において素子温度が通電許可温度よりも高いと判定された場合にも、酸素基準極生成手段による基準生成用電流の通電を許可するように、構成されている。つまり、このセンサ制御装置は、破損回避時間が経過したと判定された場合のみならず、素子温度が通電許可温度よりも高いと判定された場合においても、酸素基準極生成手段による基準生成用電流の通電を許可する。
これにより、破損回避時間が経過する前段階において、ガスセンサ素子の素子温度が通電許可温度に到達した場合には、破損回避時間の経過を待つことなく、基準生成用電流の通電を開始することができる。
そして、センサ加熱手段によるセンサ加熱開始時におけるガスセンサ素子の素子温度が常温(例えば、25[℃])よりも高い場合には、破損回避時間が経過する前段階において、ガスセンサ素子の素子温度が通電許可温度に到達することがある。このようにガスセンサ素子の温度が高い状態でセンサ加熱手段による加熱が開始される場合には、このセンサ制御装置のように、素子温度の状態に基づいて基準生成用電流の通電可否を判断することで、ガスセンサ素子に対して早期に基準生成用電流を通電することが可能となる。
また、通電許可温度は、実際のガスセンサ素子を用いて基準生成用電流を通電して、ガスセンサ素子の素子温度とガスセンサ素子の破損発生状況との相関関係を測定し、その測定結果に基づいて適切な値を予め定めることができる。例えば、測定結果に基づいて、基準生成用電流を通電したときにガスセンサ素子の破損が生じる温度範囲と、破損が生じない温度範囲とを特定して、両者の境界値温度以上の値を通電許可温度として予め設定することができる。
さらに、上述のセンサ制御装置においては、請求項3に記載のように、基準生成用電流が通電されるセルに対して、破損回避時間よりも短く、且つ、通電による破損が生じない時間に予め設定された電圧検出時間にわたって電流を通電する通電手段と、通電手段によって前記セルが通電されているときに、当該セルの一対の電極間に発生する電圧値を検出する電圧検出手段と、電圧検出手段により検出された電圧値と通電許可しきい値とを比較して、電圧値が通電許可しきい値よりも高いか否かを判定する許可電圧判定手段と、を備えており、基準生成用電流通電許可手段は、破損回避時間経過判定手段において破損回避時間が経過したと判定された場合、あるいは許可電圧判定手段において電圧値が通電許可しきい値よりも低いと判定された場合に、酸素基準極生成手段による基準生成用電流の通電を許可すること、という構成を採ることができる。
このセンサ制御装置は、通電手段、電圧検出手段、許可電圧判定手段を備えるとともに、許可電圧判定手段において電圧値が通電許可しきい値よりも低いと判定された場合にも、酸素基準極生成手段による基準生成用電流の通電を許可するように、構成されている。つまり、このセンサ制御装置は、破損回避時間が経過したと判定された場合のみならず、セルの一対の電極間に発生する電圧値が通電許可しきい値よりも低いと判定された場合も、酸素基準極生成手段による基準生成用電流の通電を許可する。
これにより、破損回避時間が経過する前段階において、セルの一対の電極間に発生する電圧値が通電許可しきい値を下回った場合には、破損回避時間の経過を待つことなく、基準生成用電流の通電を開始することができる。
そして、センサ加熱手段によるセンサ加熱開始時におけるガスセンサ素子の素子温度が比較的高い場合には、破損回避時間が経過する前段階において、セルの一対の電極間に発生する電圧値が通電許可しきい値を下回ることがある。このようにガスセンサ素子の温度が高い状態でセンサ加熱手段による加熱が開始される場合には、このセンサ制御装置のように、素子温度の状態に基づいて基準生成用電流の通電可否を判断することで、ガスセンサ素子に対して早期に基準生成用電流を通電することが可能となる。
よって、上述した請求項2又は/及び請求項3に記載のセンサ制御装置によれば、ガスセンサ素子が早期に活性化できる条件下においては、破損回避時間の経過を待つことなく基準生成用電流の通電を許可することが可能となり、特定ガス濃度の測定を早期に実施することができる。
なお、センサ加熱手段によるセンサ加熱開始時におけるガスセンサ素子の素子温度が常温よりも高くなる条件、又は、センサ加熱手段によるセンサ加熱開始時におけるセルの一対の電極間に発生する電圧が比較的低い値を呈する条件としては、例えば、センサ制御装置の停止後、短時間でセンサ制御装置を再起動した場合が挙げられる。
また、通電許可温度は、実際のガスセンサ素子を用いて基準生成用電流を通電して、ガスセンサ素子の素子温度とガスセンサ素子の破損発生状況との相関関係を測定し、その測定結果に基づいて適切な値を予め定めることができる。例えば、測定結果に基づいて、基準生成用電流を通電したときにガスセンサ素子の破損が生じる温度範囲と、破損が生じない温度範囲とを特定して、両者の境界値温度以上の値を通電許可温度として予め設定することができる。
また、通電許可電圧値においても、実際のガスセンサ素子を用いて基準生成用電流を通電して、セルの一対の電極間に発生する電圧値とガスセンサ素子の破損発生状況との相関関係を測定し、その測定結果に基づいて適切な値を予め定めることができる。
さらに、上記のセンサ制御装置においては、請求項4に記載のように、前記通電手段として前記酸素基準極生成手段を用い、前記電圧検出手段は、前記酸素基準極生成手段によって前記セルが通電されているときに、当該セルの一対の電極間に発生する電圧値を検出する、という構成を採るとよい。
セルに対し電圧検出時間にわたって電流を通電するにあたって、酸素基準極生成手段と別に通電手段を設けることもできるが、この場合には回路規模が大きくなり、センサ制御装置のコストが高くなるおそれがある。これに対し、通電手段として基準極生成手段を兼用させることにより、通電手段を別途設けることなく、セルに対し電圧検出時間にわたって電流を通電することが可能となる。
次に、上述のセンサ制御装置の制御対象となるガスセンサ素子は、セルを少なくとも1つ以上有する構成であれば種々の構成を採ることができる。
例えば、請求項5に記載のように、ガスセンサ素子は、拡散抵抗部を介して被測定ガス空間に連通する測定室と、一対の電極のうち一方の電極が被測定ガス空間に晒されないように閉塞されるとともに、他方の電極が測定室に面して配置され、この一対の電極間において測定室の酸素濃度に応じた電圧を発生する酸素濃度検知セルと、一対の電極のうち一方の電極が測定室に面して配置されるとともに、他方の電極が被測定ガス空間に面して配置され、この一対の電極間に通電される電流に応じて測定室の酸素をポンピングする酸素ポンプセルと、を有しており、酸素基準極生成手段は、酸素濃度検知セルの一方の電極が酸素基準極となるように、当該酸素濃度検知セルに接続されてなる、という構成を採ることができる。
このような構成のガスセンサ素子を制御する場合には、酸素基準極生成手段は、酸素濃度検知セルにおける一対の電極のうち一方(被測定ガス空間に晒されないように閉塞されている電極)を酸素基準極とするために、酸素濃度検知セルに対して基準生成用電流を通電する。
なお、酸素濃度検知セルおよび酸素ポンプセルを備えるガスセンサ素子は、内燃機関の排気ガスにおける酸素やNOxなどの検出に用いられることがあり、このような用途においては、内燃機関の起動後、早期にガス検出が可能となるように、基準生成用電流の通電開始時期が早い時期に設定されることがある。そのため、ガスセンサ素子が活性化していない状況下で基準生成用電流が通電されることがあり、その結果、ガスセンサ素子の破損に至ることがある。
これに対して、本発明のセンサ制御装置は、上述したように、ガスセンサ素子が十分に活性化した状態で、酸素基準極生成手段による基準生成用電流の通電を開始することができるため、ガスセンサ素子(詳細には、酸素濃度検知セル)に対して過大な電圧が印加されるのを防止でき、基準生成用電流の通電に伴ってガスセンサ素子が破損するのを防止できる。
よって、早期に基準生成用電流の通電が要求される用途のガスセンサ素子であっても、本発明のセンサ制御装置を用いることで、基準生成用電流の通電に伴うガスセンサ素子の破損を防止できる。
以下に本発明の実施形態を図面と共に説明する。
まず、本発明が適用された電子制御ユニット5を備える内燃機関制御システム1の概略構成図を、図1に示す。
なお、内燃機関制御システム1は、内燃機関(以下、エンジンともいう)の運転状態を制御するための各種制御処理を実行しており、その1つとして、排気ガスに含まれる特定ガス(酸素など)の濃度を検出する処理を実行している。また、内燃機関制御システム1は、検出した特定ガス濃度を用いて内燃機関の空燃比を検出する処理(空燃比検出処理)を行うと共に、内燃機関の空燃比が目標空燃比となるように内燃機関の運転状態(スロットル開度、燃料供給量など)を制御する処理(空燃比制御処理)を行う。
内燃機関制御システム1は、電子制御ユニット5、ガスセンサ8を備えて構成されている。また、電子制御ユニット5は、ガスセンサ駆動回路2、エンジン制御装置9、ヒータ制御回路60を備えて構成されている。
ガスセンサ8は、排気ガス中の酸素濃度を広域にわたって検出する(換言すると、排気ガス中の酸素濃度に応じて出力信号が略比例して変化する)ガスセンサ素子10と、ガスセンサ素子10を作動温度に保つためのヒータ43と、を備えて構成されている。
ガスセンサ素子10は、排気ガス中の酸素濃度を広域にわたって検出するものであり、酸素ポンプセル14と、多孔質拡散層18と、酸素濃度検知セル24と、補強板30と、を備えて構成されている。
酸素ポンプセル14は、部分安定化ジルコニア(ZrO2 )により板状に形成された酸素イオン伝導性固体電解質体13と、その表面と裏面のそれぞれに主として白金で形成された第1ポンプ電極12、第2ポンプ電極16を有している。第1ポンプ電極12は、配線63を介して電子制御ユニット5の第3接続端子19に電気的に接続されており、第2ポンプ電極16は、配線62を介して電子制御ユニット5の第2接続端子17に電気的に接続されている。なお、第1ポンプ電極12は、多孔質保護層29に覆われており、多孔質保護層29により被毒物質などから保護されている。
また、酸素濃度検知セル24は、部分安定化ジルコニア(ZrO2 )により板状に形成された酸素イオン伝導性固体電解質体23と、その表面と裏面のそれぞれに主として白金で形成された第1検知電極22、第2検知電極28を有している。第1検知電極22は、配線62を介して電子制御ユニット5の第2接続端子17に電気的に接続されており、第2ポンプ電極16とも電気的に接続されている。第2検知電極28は、配線61を介して電子制御ユニット5の第1接続端子15に電気的に接続されている。
酸素ポンプセル14と酸素濃度検知セル24との間には、両セル14,24を電気的に絶縁するために絶縁性材料(アルミナなど)を主体に形成された絶縁層(図示省略)が介在し、その絶縁層の一部に多孔質拡散層18が設けられている。なお、多孔質拡散層18は、ガスセンサ素子10の内部に導入される被測定ガスの拡散律速を行うために絶縁性材料(アルミナなど)を主体として多孔質状に形成された多孔質部(拡散抵抗部)として備えられている。
酸素ポンプセル14と酸素濃度検知セル24との間には、多孔質拡散層18および絶縁層(図示省略)により包囲された中空状の測定室20が形成されている。即ち、測定室20は、多孔質拡散層18(詳細には、多孔質部)を介して測定ガス雰囲気(被測定ガス空間)と連通されている。また、測定室20には、第2ポンプ電極16と、第1検知電極22とが配置されている。
なお、本実施形態では、多孔質拡散層18を用いて拡散律速部を形成しているが、この代わりに小孔を拡散律側部として配設して、測定室20への被測定ガスの流入速度を律速することも可能である。
補強板30は、酸素濃度検知セル24のうち測定室20への対向面とは反対側の面に、第2検知電極28を挟み込むようにして密着して配設されている。これにより、補強板30は、ガスセンサ素子10の全体的な強度を向上させている。
また、酸素濃度検知セル24の第2検知電極28は、補強板30によって被測定ガス空間に対して閉塞される状態となり、酸素濃度検知セル24と補強板30との間のうち第2検知電極28の内部および周囲には、密閉空間としての基準酸素室26が形成される。
このような構成のガスセンサ素子10において、酸素濃度検知セル24の第2検知電極28から第1検知電極22に向かう方向に一定の電流値である微小な定電流Icp(以下、基準生成用電流Icpともいう)を通電して、測定室20から第2検知電極28の側に酸素をポンピングすることにより、第2検知電極28の内部および周囲に形成された基準酸素室26には略一定濃度の酸素が蓄積されることになる。このようにして基準酸素室26に蓄積された略一定濃度の酸素は、ガスセンサ素子10において被測定ガスにおける酸素濃度を検出する際の基準酸素濃度となる。このため、第2検知電極28は、自己生成基準電極とも称される。
なお、酸素濃度検知セル24は、一対の電極間(第1検知電極22と第2検知電極28との間)での酸素濃度差に応じた電圧を発生する特性を有している。そして、上述したように、第2検知電極28が面する基準酸素室26の酸素濃度が略一定濃度に設定されて第2検知電極28が自己生成基準電極として機能することから、酸素濃度検知セル24は、測定室20の酸素濃度に応じた電圧(起電力)を一対の電極間に発生するよう構成されている。
また、酸素ポンプセル14は、一対の電極間(第1ポンプ電極12,第2ポンプ電極16)に通電される電流の通電方向に応じて、測定室20からの酸素の汲み出し、または測定室20への酸素の汲み入れを制御可能に構成されている。また、酸素ポンプセル14は、一対の電極間に通電される電流の大きさに応じて、酸素のポンピング量を調整可能に構成されている。
補強板30は、酸素ポンプセル14および酸素濃度検知セル24を構成する各固体電解質体13,23と略同じ大きさであるとともに、セラミックを主体とする材料にて板状に形成されている。
ヒータ43は、平板状に形成されており、ガスセンサ素子10の酸素ポンプセル14に対向して配置されている。ヒータ43は、アルミナを主体とする材料にて形成され、その内部には、白金を主体とする材料にて形成されたヒータ配線72を備えている。ヒータ43は、後述するヒータ制御回路60から供給される電力により、ガスセンサ素子10の温度が活性化温度(例えば、550〜900[℃])となるように制御される。また、ヒータ配線72の両端は、ヒータ制御回路60に電気的に接続されている。
なお、ガスセンサ8は、ヒータ43による加熱によりガスセンサ素子10(詳細には、酸素ポンプセル14および酸素濃度検知セル24)が活性化することで、ガス検出(酸素検出)が可能な状態となる。
次に、電子制御ユニット5は、上述したように、ガスセンサ素子10を制御するガスセンサ駆動回路2と、ヒータ43を制御するヒータ制御回路60と、ガスセンサ駆動回路2およびヒータ制御回路60を制御するエンジン制御装置9と、を備えて構成されている。
まず、ガスセンサ駆動回路2は、Vs+端子、COM端子、Ip+端子を備えている。これらの端子は、電子制御ユニット5の第1接続端子15、第2接続端子17、第3接続端子19にそれぞれ電気的に接続されている。したがって、ガスセンサ素子10の第2検知電極28は、第1接続端子15を介してガスセンサ駆動回路2のVs+端子に電気的に接続されている。また、ガスセンサ素子10の第1検知電極22および第2ポンプ電極16は、第2接続端子17を介して、ガスセンサ駆動回路2のCOM端子に電気的に接続されている。さらに、ガスセンサ素子10の第1ポンプ電極12は、第3接続端子19を介してガスセンサ駆動回路2のIp+端子に電気的に接続されている。
そして、ガスセンサ駆動回路2は、内燃機関(エンジン)の排気管に設けられるガスセンサ8からガス検出信号および素子抵抗値信号を検出し、ガス検出信号および素子抵抗値信号をエンジン制御装置9(以下、エンジンCPU9ともいう)に出力する。なお、ガス検出信号は、排気ガスにおける酸素濃度に応じて変化しており、素子抵抗値信号は、ガスセンサ8の電気抵抗値に応じて変化し、その電気抵抗値はガスセンサ8の温度に応じて変化する。
ここで、ガスセンサ駆動回路2の構成のうち酸素濃度に応じたガス検出信号を出力する構成について、簡単に説明する。
まず、ガスセンサ駆動回路2は、酸素濃度検知セル24に基準生成用電流Icpを流しつつ、酸素濃度検知セル24の両端に発生する電圧Vsが450mVになるように酸素ポンプセル14に流すポンプ電流Ipを制御して、酸素ポンプセル14により測定室20に対する酸素の汲み入れ又は汲み出しを行う。
なお、ガスセンサ素子10では、被測定ガスに含まれる酸素が、多孔質拡散層18を介して測定室20に拡散する。このガスセンサ素子10は、被測定ガスにおける特定ガス濃度(酸素濃度)が予め定められた制御目標値(例えば、エンジンに供給される混合気が理論空燃比に保たれている時の酸素濃度)であるときに、測定室20と酸素濃度の基準となる基準酸素室26との間の酸素濃度差により、酸素濃度検知セル24に450[mV]の起電力を発生する特性を有する。
すなわち、被測定ガスにおける特定ガス濃度(酸素濃度)が制御目標値と異なる場合には、ガスセンサ駆動回路2は、酸素ポンプセル14にポンプ電流Ipを通電して測定室20に対する酸素のポンピング(汲み入れ、汲み出し)を行うことで、測定室20の酸素濃度を制御目標値に近づける処理を行う。このため、酸素ポンプセル14に流れるポンプ電流Ipの電流値及び電流方向は、排気ガス中の酸素濃度に応じて変化することから、このポンプ電流Ipは、排気ガス中の酸素濃度を演算するために利用することができる。
このように構成されたガスセンサ駆動回路2は、排気ガス中の酸素濃度に応じて変化するポンプ電流Ipを検出するとともに、ポンプ電流Ipの電流値および電流方向に応じて変化するガス検出信号を外部機器(本実施形態では、エンジン制御装置9)に対して出力することができる。
次に、ガスセンサ駆動回路2の構成のうちガスセンサ素子10(詳細には、酸素濃度検知セル24)の抵抗値(温度)測定に関する構成について、説明する。なお、ガスセンサ素子10(酸素濃度検知セル24)の抵抗値測定については、特開2006−343317号公報、特開2002−257783号公報等に代表される公知の回路構成によって行っているため、以下では、当該抵抗値測定に関する構成について、簡単に説明する。
ガスセンサ駆動回路2は、酸素濃度検知セル24の抵抗値を測定するための抵抗値測定用電流Irpvsを出力する定電流出力装置と、酸素濃度検知セル24の両端に発生する電圧Vsを保持するサンプルホールド回路と、定電流出力装置による酸素濃度検知セル24への通電のオンオフ制御およびサンプルホールド回路による電圧Vsのホールドを行うか解除するかの制御を、それぞれ異なる所定の周期で実行する制御回路と、を備えている。そして、ガスセンサ駆動回路2は、酸素濃度検知セル24に対して抵抗値測定用電流Irpvsを通電する直前に、酸素濃度検知セル24の電圧Vsをサンプルホールド回路にて保持できるように構成されている。
また、ガスセンサ駆動回路2は、サンプルホールド回路に保持されているホールド値(抵抗値測定用電流Irpvsを通電する直前の酸素濃度検知セル24の電圧Vs)と、酸素濃度検知セル24に抵抗値測定用電流Irpvsを通電した際の酸素濃度検知セル24の両端電圧Vshとを比較し、両電圧の差分である差分電圧値ΔVsを出力する差分電圧出力回路を備えている。なお、差分電圧値ΔVsは、酸素濃度検知セル24のバルク抵抗値に比例することから、ガスセンサ素子10(酸素濃度検知セル24)の抵抗値を表す素子抵抗値信号Vrpvsとして利用可能である。
このように構成されたガスセンサ駆動回路2は、酸素濃度検知セル24のバルク抵抗値に比例する素子抵抗値信号Vrpvsを、エンジン制御装置9に対して出力するよう構成されている。なお、素子抵抗値信号Vrpvsは、酸素濃度検知セル24のバルク抵抗値に比例するとともに、酸素濃度検知セル24の温度に応じて変化する特性を有している。
次に、ヒータ制御回路60は、エンジン制御装置9からのヒータ通電指令信号に応じてヒータ43に対する供給電力量を制御することで、ヒータ43での発熱量を制御する。例えば、ヒータ制御回路60がヒータ43に対してパルス波形の電圧信号を出力する構成である場合には、ヒータ制御回路60は、パルス波形のDuty比率をヒータ通電指令信号に応じて変化させることで、ヒータ43に対する供給電力量を制御(PWM制御)することができる。
次に、エンジン制御装置9は、中央演算処理装置としてのCPUと、データやプログラムなどを格納する記憶部(RAMおよびROM)と、外部機器との間で信号の入出力を行う入力ポートおよび出力ポートと、を備えるマイクロコンピュータで構成することができる。
そして、エンジン制御装置9では、記憶部に格納されたプログラムに基づいてCPUが各種演算処理を実行することで、演算やデータ転送などの命令の実行が制御される。また、エンジン制御装置9では、入力ポートに入力された信号は、入力ポート用レジスタの内容に反映され、出力ポート用レジスタに格納された内容は、出力ポートに信号として出力される。
このような構成のエンジン制御装置9は、ガスセンサ駆動回路2からのガス検出信号などに基づき排気ガス中の特定ガス濃度を検出する特定ガス濃度検出処理や、ガス検出信号を用いてエンジンの空燃比制御を行うための空燃比制御処理などの各種制御処理を実行している。例えば、エンジン制御装置9は、ガスセンサ駆動回路2から受信したガス検出信号をA/D変換回路(図示省略)にてデジタル値に変換した後、自身の記憶部(メモリなど)に保持しているマップあるいは計算式を用いて、ガス検出信号に対応する酸素濃度値を算出する処理(特定ガス濃度検出処理)を行う。
次に、電子制御ユニット5のエンジン制御装置9で実行される起動後状態判定処理について説明する。
なお、起動後状態判定処理は、電子制御ユニット5の起動直後に実行される処理であり、ヒータ43によるガスセンサ素子10の加熱を開始した後、基準生成用電流Icpの通電開始時期を判定するとともに、ガスセンサ素子10が特定ガス(酸素)を検出可能な状態であるか否かを判定する処理を行う。
図2に、起動後状態判定処理の処理内容を表したフローチャートを示す。
なお、内燃機関制御システム1が起動されると、電子制御ユニット5のエンジン制御装置9において起動後状態判定処理が開始される。
そして、起動後状態判定処理が開始されると、まず、S110(Sはステップを表す)では、ヒータ43への通電処理を開始する。具体的には、エンジン制御装置9がヒータ制御回路60に対してヒータ通電指令信号を出力する。これにより、ヒータ制御回路60は、ヒータ43に対する通電を開始してガスセンサ素子10を加熱するとともに、ガスセンサ素子10が目標温度(活性化温度)となるように、ヒータ43に対する通電状態を制御する。
また、S110では、ヒータ通電指令信号を出力した後、タイマTをリセットしてタイマTによる経過時間計測処理を開始するとともに、内部処理で用いるタイマカウンタCtを初期化(0を設定)する処理を実行する。
次のS120では、素子抵抗値信号Vrpvsのサンプリング時期(検出時期)を判定するために、タイマTの数値に基づいて第1サンプリング時間T1が経過したか否かを判定しており、肯定判定する場合にはS120に移行し、否定判定する場合には同ステップを繰り返し実行することで、第1サンプリング時間T1が経過するまで待機する。
なお、S120では、S110または後述するS130で計測を開始したタイマTの値に基づいて、第1サンプリング時間T1が経過したか否かを判定している。また、第1サンプリング時間T1は、素子抵抗値信号Vrpvsの検出周期(サンプリング周期)が予め設定されている。このとき検出する素子抵抗値信号Vrpvsは、基準生成用電流Icpの通電開始時期を判定するために用いられる。
S120で肯定判定されてS130に移行すると、S130では、素子抵抗値信号Vrpvsを取得する処理を実行する。具体的には、エンジン制御装置9は、伝送ケーブル71を介してガスセンサ駆動回路2に接続されており、伝送ケーブル71を介して、ガスセンサ駆動回路2から素子抵抗値信号Vrpvsを取得する。
なお、ガスセンサ駆動回路2は、上述したように、ガスセンサ素子10の酸素濃度検知セル24に対して抵抗値測定用電流Irpvsを所定周期毎に通電することにより、内燃機関(エンジン)の排気管に設けられるガスセンサ8(ガスセンサ素子10)から素子抵抗値信号Vrpvsを検出し、サンプルホールド回路にて素子抵抗値信号Vrpvsを保持する処理を繰り返し実行している。
また、S130では、素子抵抗値信号Vrpvsに基づいてガスセンサ8(詳細には、酸素濃度検知セル24)の電気抵抗値Rpvsを演算する処理を実行する。なお、電気抵抗値Rpvsは、ガスセンサ8(ガスセンサ素子10)の温度に応じて変化する。このことから、電気抵抗値Rpvsは、ガスセンサ8(ガスセンサ素子10)の素子温度を示す変数として利用することができる。
さらに、S130では、電気抵抗値Rpvsを演算するとともに、タイマTをリセットしてタイマTによる経過時間計測処理を再び開始する。
次のS140では、電気抵抗値Rpvsが第1温度判定値TH1より小さいか否かを判定しており、肯定判定する場合にはS170に移行し、否定判定する場合にはS150に移行する。
なお、第1温度判定値TH1は、ガスセンサ素子10の温度がブラックニング回避温度(基準生成用電流Icpの通電によりガスセンサ素子10にブラックニングが生じない温度)であるときのガスセンサ素子10の電気抵抗値が設定されている。
つまり、S140では、ガスセンサ素子10の素子温度がブラックニング回避温度を超えているか否かを判定しており、肯定判定する場合にはS170に移行し、否定判定する場合にはS150に移行する。
S140で否定判定されてS150に移行すると、S150では、タイマカウンタCtをインクリメント(1加算)する処理を実行する。これにより、S140で否定判定された回数がタイマカウンタCtの数値として記録されるとともに、タイマカウンタCtは、ヒータ通電開始時(S110)を基点とする経過時間を判定する用途に用いることができる。
次のS160では、タイマカウンタCtが破損回避判定閾値Bt以上であるか否かを判定しており、肯定判定する場合にはS170に移行し、否定判定する場合には再びS120に移行する。
なお、破損回避判定閾値Btは、ヒータ43による所定の通電パターンにそった加熱によって、ガスセンサ素子10の素子温度を基準生成用電流の通電に伴う破損(ブラックニングなど)が生じない温度まで上昇させるために必要な所要時間(破損回避最短時間)に基づいて、予め設定されている。具体的には、破損回避最短時間をタイマカウンタCtの更新周期(インクリメント周期)で除算したときの演算結果よりも大きい値(整数)が、破損回避判定閾値Btに設定されている。なお、本実施形態においては、タイマカウンタCtおよび破損回避判定閾値Btは、いずれも整数である。
そして、破損回避最短時間は、実際のガスセンサ素子を用いてセンサの加熱を行い、ガスセンサ素子の素子温度が基準生成用電流Icpの通電可能な温度に到達するまでの所要時間を測定して、その測定結果に基づいて設定することができる。
S140で肯定判定されるか、S160で肯定判定されるとS170に移行し、S170では、基準生成用電流Icpの通電処理を開始する。
具体的には、エンジン制御装置9がガスセンサ駆動回路2に対してIcp通電指令信号を出力することで、ガスセンサ駆動回路2は、ガスセンサ素子10(詳細には、酸素濃度検知セル24)に対する基準生成用電流Icpの通電を開始する。
このように基準生成用電流Icpを通電することで、測定室20から第2検知電極28の側に酸素がポンピングされることになり、最終的には、酸素濃度検知セル24における第2検知電極28の内部および周囲に形成される基準酸素室26には、略一定濃度の酸素が蓄積される。
また、S170では、ガスセンサ駆動回路2に対してIcp通電指令信号を出力するとともに、タイマTをリセットしてタイマTによる経過時間計測処理を再び開始する。
次のS180では、基準生成用電流Icpの通電開始時を基点として、予め定められた第2サンプリング時間T2が経過したか否かを判定しており、肯定判定する場合にはS190に移行し、否定判定する場合には同ステップを繰り返し実行することで、第2サンプリング時間T2が経過するまで待機する。
なお、S180では、S170または後述するS190で計測を開始したタイマTの値に基づいて、第2サンプリング時間T2が経過したか否かを判定している。また、第2サンプリング時間T2は、素子抵抗値信号Vrpvsの検出周期(サンプリング周期)が予め設定されている。このとき検出する素子抵抗値信号Vrpvsは、センサ駆動制御の開始時期(換言すれば、ポンプ電流Ipの通電開始時期)を判定するために用いられる。
S180で肯定判定されてS190に移行すると、S190では、素子抵抗値信号Vrpvsを取得する処理を実行する。なお、エンジン制御装置9は、伝送ケーブル71を介して、ガスセンサ駆動回路2から素子抵抗値信号Vrpvsを取得する。
また、S190では、素子抵抗値信号Vrpvsに基づいてガスセンサ8(詳細には、酸素濃度検知セル24)の電気抵抗値Rpvsを演算する処理を実行する。なお、電気抵抗値Rpvsは、ガスセンサ8(ガスセンサ素子10)の温度に応じて変化する。このことから、電気抵抗値Rpvsは、ガスセンサ8(ガスセンサ素子10)の素子温度を示す変数として利用することができる。
さらに、S190では、電気抵抗値Rpvsを演算するとともに、タイマTをリセットしてタイマTによる経過時間計測処理を再び開始する。
次のS200では、電気抵抗値Rpvsが第2温度判定値TH2より小さいか否かを判定しており、肯定判定する場合にはS210に移行し、否定判定する場合にはS180に移行する。
なお、第2温度判定値TH2は、ガスセンサ素子10の温度が活性化温度であるときのガスセンサ8の電気抵抗値となるように、予め定められている。また、第2温度判定値TH2は、第1温度判定値TH1よりも小さい値が設定されており(TH2<TH1)、第2温度判定値TH2に対応するガスセンサ素子10の温度は、第1温度判定値TH1に対応するガスセンサ素子10の温度よりも高い温度に設定されている。
S200で肯定判定されてS210に移行すると、S210では、センサ駆動制御処理を開始する。
具体的には、エンジン制御装置9がガスセンサ駆動回路2に対してセンサ駆動指令信号を出力することで、ガスセンサ駆動回路2は、ガスセンサ素子10(詳細には、酸素ポンプセル14)に対するポンプ電流Ipの通電を開始する。すると、ガスセンサ駆動回路2は、酸素濃度検知セル24の出力電圧が制御目標値に近づくように酸素ポンプセル14に通電するポンプ電流Ipを制御するとともに、ポンプ電流Ipの電流値および電流方向に応じて変化するガス検出信号をエンジン制御装置9に対して出力する。
そして、エンジン制御装置9は、ガスセンサ駆動回路2から受信したガス検出信号をA/D変換回路(図示省略)にてデジタル値に変換した後、自身の記憶部(メモリなど)に保持しているマップあるいは計算式を用いて、ガス検出信号に対応する酸素濃度値を算出する処理(特定ガス濃度検出処理)を行う。
このようにして起動後状態判定処理を実行することで、電子制御ユニット5のエンジン制御装置9は、ガスセンサ8(ガスセンサ素子10)に対する基準生成用電流Icpの通電開始時期や、ガスセンサ素子10が特定ガス(酸素)を検出可能な状態であるか否かを判定することができる。
この後、エンジン制御装置9は、センサ駆動制御処理を実行することで、排気ガスに含まれる特定ガス(酸素など)の濃度を検出する処理を実行するとともに、各種制御処理(空燃比検出処理、空燃比制御処理など)を実行する。
このようにして、内燃機関制御システム1は、内燃機関(エンジン)の運転状態を制御するための各種制御処理を実行する。
なお、本実施形態においては、電子制御ユニット5が特許請求の範囲におけるセンサ制御装置に相当しており、ガスセンサ素子10がガスセンサ素子に相当しており、S110を実行するエンジン制御装置9、ヒータ制御回路60、ヒータ43がセンサ加熱手段に相当し、ガスセンサ駆動回路2が酸素基準極生成手段に相当している。
また、S150,S160を実行するエンジン制御装置9が破損回避時間経過判定手段に相当し、S170を実行するエンジン制御装置9が基準生成用電流通電許可手段に相当し、ガスセンサ駆動回路2およびS130を実行するエンジン制御装置9が素子温度検出手段に相当し、S140を実行するエンジン制御装置9が許可温度判定手段に相当している。
以上説明したように、本実施形態の内燃機関制御システム1においては、電子制御ユニット5は、装置の起動後において、一定の条件が満たされた場合に、ガスセンサ素子10に対して基準生成用電流Icpを通電開始するように構成されている。
つまり、電子制御ユニット5のエンジン制御装置9は、起動後状態判定処理を実行することにより、ガスセンサ素子10の加熱開始時(S110)から破損回避判定閾値Btにより定められる時間(破損回避時間)が経過した場合(S160で肯定判定)に、ガスセンサ駆動回路2による基準生成用電流Icpの通電を開始する(S170)。
このため、ガスセンサ駆動回路2による基準生成用電流Icpの通電開始時においては、ガスセンサ素子10は、ヒータ43およびヒータ制御回路60により破損回避時間にわたり加熱されており、ある程度活性化した状態となる。
これにより、ガスセンサ素子10がある程度活性化した状態で、ガスセンサ駆動回路2による基準生成用電流Icpの通電を開始することができるため、ガスセンサ素子10(詳細には、酸素濃度検知セル24)に対して過大な電圧が印加されるのを防止でき、基準生成用電流Icpの通電に伴ってガスセンサ素子10が破損するのを防止できる。
また、電子制御ユニット5のエンジン制御装置9は、S160の実行時において、ガスセンサ素子10の加熱開始時(S110)から破損回避判定閾値Btが経過していない場合には、基準生成用電流Icpの通電を許可しない。
これにより、ヒータ43およびヒータ制御回路60によるセンサ加熱開始直後のようなガスセンサ素子10の温度が低い状況下において、ガスセンサ駆動回路2による基準生成用電流Icpの通電が行われるのを防止でき、基準生成用電流Icpの通電に伴ってガスセンサ素子10が破損(ブラックニングなど)するのを防止できる。
よって、本実施形態の電子制御ユニット5によれば、ガスセンサ素子10の加熱開始後において、基準生成用電流Icpの通電に起因してガスセンサ素子10の破損(ブラックニングなど)が生じるのを防止できる。
また、電子制御ユニット5のエンジン制御装置9は、起動後状態判定処理を実行することにより、ガスセンサ素子10の素子温度が第1温度判定値TH1により定められる素子温度(通電許可温度)を超えた場合(S140で肯定判定)においても、ガスセンサ駆動回路2による基準生成用電流Icpの通電を開始する(S170)。
つまり、電子制御ユニット5は、ガスセンサ素子10の加熱開始時(S110)から破損回避時間が経過した場合(S160で肯定判定)のみならず、ガスセンサ素子10の素子温度が通電許可温度よりも高いと判定された場合(S140で肯定判定)においても、ガスセンサ駆動回路2による基準生成用電流Icpの通電を開始する(S170)。
これにより、破損回避時間が経過する前段階において、ガスセンサ素子10の素子温度が通電許可温度に到達した場合には、破損回避時間の経過を待つことなく、ガスセンサ駆動回路2による基準生成用電流Icpの通電を開始することができる。
なお、ヒータ43およびヒータ制御回路60によるセンサ加熱開始時におけるガスセンサ素子10の素子温度が常温(例えば、25[℃])よりも高い場合には、破損回避時間が経過する前段階において、ガスセンサ素子10の素子温度が通電許可温度に到達することがある。このようにガスセンサ素子10の温度が高い状態でセンサ加熱手段による加熱が開始される場合には、本実施形態の電子制御ユニット5のように、素子温度の状態に基づいて基準生成用電流の通電可否を判断することで、ガスセンサ素子10に対して早期に基準生成用電流を通電することが可能となる。
よって、本実施形態によれば、ガスセンサ素子10が早期に活性化できる条件下においては、破損回避時間の経過を待つことなく基準生成用電流Icpの通電を許可することが可能となり、特定ガス濃度(本実施形態では、酸素濃度)の測定を早期に実施することができる。
なお、例えば、電子制御ユニット5(内燃機関制御システム1)を停止した後、短時間で電子制御ユニット5を再起動した場合には、ガスセンサ素子10の温度は常温まで低下しておらず、ガスセンサ素子10は高温状態となる。このような条件下での再起動時においては、センサ加熱開始時におけるガスセンサ素子10の素子温度が常温よりも高くなることから、破損回避時間の経過を待つことなく、ガスセンサ素子10の素子温度が通電許可温度に到達することがある。
このような場合において、本実施形態の電子制御ユニット5を用いることで、破損回避時間の経過を待つことなく基準生成用電流Icpの通電を許可することが可能となり、特定ガス濃度の測定を早期に実施することができる。
ここで、実際のガスセンサ素子10を用いて、常温(ここでは、25[℃])のガスセンサ素子10について加熱を開始した際に、加熱開始後におけるセンサ加熱時間Thと酸素濃度検知セル24の両端電圧Vsとの相関関係を測定した測定結果について説明する。
図3に、センサ加熱時間Thと両端電圧Vsとの相関関係についての測定結果を示す。なお、酸素濃度検知セル24の両端電圧Vsは、酸素濃度検知セル24の電気抵抗値Rpvsに応じた値になるとともに、酸素濃度検知セル24の温度に応じた値を示す。詳細には、酸素濃度検知セル24の温度が上昇するに従い、酸素濃度検知セル24の電気抵抗値Rpvsが低下するとともに、酸素濃度検知セル24の両端電圧Vsが低下する。
図3の測定結果に示すように、時間経過とともに酸素濃度検知セル24の両端電圧Vsが低下しており、このことから、酸素濃度検知セル24の素子温度が上昇していることが判る。そして、図3に示す第1電圧判定値VH1は、ガスセンサ素子10の温度がブラックニング回避温度(基準生成用電流Icpの通電によりガスセンサ素子10にブラックニングが生じない温度)であるときの両端電圧Vsに相当する。
つまり、センサの加熱開始時から両端電圧Vsが第1電圧判定値VH1になるまでの所要時間は、ガスセンサ素子の素子温度を基準生成用電流の通電に伴う破損(ブラックニングなど)が生じない温度まで上昇させるために必要な所要時間(破損回避最短時間Tm)に相当する。
よって、ガスセンサ素子についてこのような測定を行い、その測定結果から破損回避最短時間Tmを算出し、破損回避最短時間Tmに基づいて起動後状態判定処理のS160で用いる破損回避判定閾値Btを設定することができる。
次に、本実施形態の内燃機関制御システム1において、センサ加熱開始時におけるガスセンサ素子の素子温度(初期素子温度)が変化することにより、基準生成用電流Icpの通電開始時期がどのように変化するのかについて説明する。
図4に、初期素子温度が常温Ts1であるときにおいて、センサ加熱時間Thと酸素濃度検知セル24の両端電圧Vsとの相関関係、およびセンサ加熱時間Thと酸素濃度検知セル24の電気抵抗値Rpvsとの相関関係の一例を表した説明図を示す。また、図5に、初期素子温度が常温Ts1よりも高い高温Ts2(Ts2>Ts1の関係)であるときにおいて、センサ加熱時間Thと酸素濃度検知セル24の両端電圧Vsとの相関関係、およびセンサ加熱時間Thと酸素濃度検知セル24の電気抵抗値Rpvsとの相関関係の一例を表した説明図を示す。
まず、初期素子温度が常温Ts1であるときには、酸素濃度検知セル24の両端電圧Vsが第1電圧判定値VH1となるまでの所要時間が破損回避最短時間Tmであり、センサ加熱開始時から破損回避最短時間Tmが経過した時点において、基準生成用電流Icpの通電を開始する(図4参照)。このとき、酸素濃度検知セル24の電気抵抗値Rpvsは第1温度判定値TH1よりも大きい値を示しており、起動後状態判定処理においては、S140で肯定判定されてS170に移行するのではなく、S160で肯定判定されてS170に移行して、基準生成用電流Icpの通電が開始されている。
また、初期素子温度が高温Ts2であるときには、酸素濃度検知セル24の両端電圧Vsが第1電圧判定値VH1となるまでの所要時間が破損回避最短時間Tmよりも短い早期到達時間Teであり、センサ加熱開始時から早期到達時間Teが経過した時点において、基準生成用電流Icpの通電を開始する(図5参照)。このとき、酸素濃度検知セル24の電気抵抗値Rpvsは第1温度判定値TH1よりも小さい値まで低下しており、起動後状態判定処理においては、S160で肯定判定されてS170に移行するのではなく、S140で肯定判定されてS170に移行して、基準生成用電流Icpの通電が開始されている。
このように、初期素子温度が高温である場合には、センサ素子の温度が通電許可温度(第1温度判定値TH1により定められる素子温度)に到達するまでの時間が短くなるため、本実施形態の内燃機関制御システム1は、破損回避時間が経過するまで(S160で肯定判定されるまで)待機することなく、基準生成用電流Icpの通電を開始する。
これにより、本実施形態の内燃機関制御システム1を用いることで、ガスセンサ素子10が早期に活性化できる条件下においては、特定ガス濃度(本実施形態では、酸素濃度)の測定を早期に実施することができる。
(変形形態)
次いで、上記実施形態の変形形態について説明する。本変形形態は、上記実施形態と同様のガスセンサ8及び内燃機関制御システム1(図1参照)。を有する。ただし、エンジン制御装置9(具体的には、エンジン制御装置9を構成するマイクロコンピュータ)における起動後状態判定処理の処理フローが異なり、酸素濃度検知セル24の一対の電極間に発生する電圧(両端電圧)Vsの値が許可電圧しきい値よりも低くなった場合に基準生成用電流Icpを通電する処理を追加している。そのため、以下では上記実施形態と異なる部分を中心に説明し、同様な部分については同じ記号や番号を付し、説明を省略あるいは簡略化する。
本変形形態のエンジン制御装置9における起動後状態判定処理の処理内容を、図6のフローチャートに従って説明する。起動後状態判定処理が開始されると、まず、S110では、上記実施形態と同様にヒータ43への通電処理を開始する。また、S110では、ヒータ通電指令信号を出力した後、タイマTをリセットしてタイマTによる経過時間計測処理を開始するとともに、内部処理で用いるタイマカウンタCtを初期化する処理を実行する。そして、S310に移行する。
S310では、酸素濃度検知セル24の両端電圧Vsのサンプリング時期を判定するために、タイマTの数値に基づいて電圧サンプリング時間Taが経過したか否かを判定している。ここで、肯定判定される場合にはS320に移行し、否定判定される場合には同ステップを繰り返し実行することで、電圧サンプリング時間Taが経過するまで待機する。なお、S310では、S110または後述するS130で計測を開始したタイマTの値に基づいて、電圧サンプリング時間Taが経過したか否かを判定している。また、この電圧サンプリング時間Taは、S130にて設定される第1サンプリング時間T1よりも短い時間に設定されている。
S310で肯定判定されてS320に移行すると、S320では、酸素濃度検知セル24の両端電圧Vsの値を検出するため、基準生成用電流Icpの予備的通電を開始する。具体的には、エンジン制御装置9がガスセンサ駆動回路2に対してIcp通電指令信号を出力することで、ガスセンサ駆動回路2は、ガスセンサ素子10(詳細には、酸素濃度検知セル24)に対する基準生成用電流Icpの通電を開始する。
次いでS330に移行し、基準生成用電流Icpの予備的通電を開始してから通電時間Tbが経過したか否かを判定する。ここで、肯定判定される場合にはS340に移行し、否定判定される場合には同ステップを繰り返し実行することで、通電時間Tbが経過するまで待機する。なお、S330においても、S110または後述するS130で計測を開始したタイマTの値に基づいて、通電時間Tbが経過したか否かを判定している。なお、この通電時間Tbは、上記実施形態にて説明した破損回避最短時間よりも短く、且つ、通電により酸素濃度検知セル24に破損が生じない時間に予め設定されている。なお、この通電時間Tbが本発明の「電圧検出時間」に相当する。
S330で肯定判定されてS340に移行すると、S340では、酸素濃度検知セル24の両端電圧Vsの値を検出する。そして、S350に移行し、基準生成用電流Icpの予備的通電を停止する。
次のS360では、両端電圧Vsの値が電圧許可しきい値Vthよりも低いか否かを判定しており、肯定判定する場合にはS170に移行し、否定判定する場合にはS120に移行する。つまり、S360では、ガスセンサ素子10の素子温度がブラックニング回避温度を超えているか否かを両端電圧Vsの値を用いて判定しているのである。
そして、S360で肯定判定された後のS170以降の処理、および、S360で否定判定された後のS120以降の処理の内容は、上記実施形態と同様である。ただし、S160にて否定判定された場合には、S310の処理に戻るように設定されている。
このような変形形態の起動後状態判定処理を実行することでも、ヒータ43およびヒータ制御回路60によるセンサ加熱開始直後のようなガスセンサ素子10の温度が低い状況下において、ガスセンサ駆動回路2による基準生成用電流Icpの通電が行われるのを防止でき、ガスセンサ素子10が破損するのを防止することができる。また、破損回避時間が経過する前段階において、酸素濃度検知セル24の両端電圧Vsの値が通電許可しきい値より低くなった場合、あるいは、ガスセンサ素子10の素子温度が通電許可温度に到達した場合には、破損回避時間の経過を待つことなく、ガスセンサ駆動回路2による基準生成用電流Icpの通電を開始することができる。
なお、本変形形態においては、S320、S330、S350を実行するエンジン制御装置9及びガスセンサ駆動回路2が通電手段に相当し、S340を実行するエンジン制御装置9が電圧検出手段に相当し、S360を実行するエンジン制御装置9が許可電圧判定手段に相当する。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、種々の態様を採ることができる。
例えば、上記実施形態(以下、第1実施形態ともいう)では、破損回避時間が経過したか否か(S160)、あるいは素子温度が通電許可温度よりも高いか否か(S140)を判定して、これら2つの判定条件のうちいずれか一方が満たされた場合に、基準生成用電流Icpの通電を許可するように構成されている。しかし、初期素子温度が一定となる条件下においては、破損回避時間が経過したか否かのみを判定して、この判定条件が満たされた場合に、基準生成用電流Icpの通電を許可するように構成してもよい。
また、第1実施形態では、酸素を検出するセンサ素子について説明したが、酸素以外の特定ガス(NOxなど)を検出するセンサ素子を制御するセンサ制御装置に本発明を適用しても良い。さらに、ガスセンサ素子は、酸素濃度検知セルおよび酸素ポンプセルを有する2セル型に限られることはなく、1個のセルを備えるガスセンサ(1セル型ガスセンサ)であっても良く、あるいは、3個以上のセルを備えるガスセンサであっても良い。
本発明が適用された電子制御ユニットを備える内燃機関制御システムの概略構成図である。 実施形態における起動後状態判定処理の処理内容を表したフローチャートである。 センサ加熱時間Thと酸素濃度検知セルの両端電圧Vsとの相関関係についての測定結果である。 初期素子温度が常温Ts1であるときのセンサ加熱時間Thと酸素濃度検知セルの両端電圧Vsとの相関関係の一例を表した説明図である。 初期素子温度が常温Ts1よりも高い高温Ts2であるときのセンサ加熱時間Thと酸素濃度検知セルの両端電圧Vsとの相関関係の一例を表した説明図である。 変形形態における起動後状態判定処理の処理内容を表したフローチャートである。
符号の説明
1 内燃機関制御システム
2 ガスセンサ駆動回路
5 電子制御ユニット
8 ガスセンサ
9 エンジン制御装置
10 ガスセンサ素子
14 酸素ポンプセル
18 多孔質拡散層
20 測定室
24 酸素濃度検知セル
26 基準酸素室
43 ヒータ
60 ヒータ制御回路

Claims (5)

  1. 固体電解質体および一対の電極を備えるセルを少なくとも1つ以上有するガスセンサ素子を用いて、被測定ガス中の特定ガス濃度を測定するにあたり、前記ガスセンサ素子に対する通電状態を制御するセンサ制御装置であって、
    前記ガスセンサ素子を加熱するセンサ加熱手段と、
    前記セルのうち少なくとも1つのセルについて、一対の電極のうち一方を酸素基準極とするために、当該セルに対して基準生成用電流を通電する酸素基準極生成手段と、
    前記センサ加熱手段によるセンサ加熱開始時を基点として、予め定められた破損回避時間が経過したか否かを判定する破損回避時間経過判定手段と、
    前記破損回避時間経過判定手段において前記破損回避時間が経過したと判定されない場合には、前記酸素基準極生成手段による基準生成用電流の通電を許可せず、前記破損回避時間経過判定手段において前記破損回避時間が経過したと判定された場合には、前記酸素基準極生成手段による基準生成用電流の通電を許可する基準生成用電流通電許可手段と、
    を備えることを特徴とするセンサ制御装置。
  2. 前記ガスセンサ素子の素子温度を検出する素子温度検出手段と、
    前記ガスセンサ素子の活性化温度に基づいて定められた通電許可温度と前記素子温度検出手段により検出された前記素子温度とを比較して、前記素子温度が前記通電許可温度よりも高いか否かを判定する許可温度判定手段と、
    を備えており、
    前記基準生成用電流通電許可手段は、前記破損回避時間経過判定手段において前記破損回避時間が経過したと判定された場合、あるいは前記許可温度判定手段において前記素子温度が前記通電許可温度よりも高いと判定された場合に、前記酸素基準極生成手段による基準生成用電流の通電を許可すること、
    を特徴とする請求項1に記載のセンサ制御装置。
  3. 前記基準生成用電流が通電される前記セルに対して、前記破損回避時間よりも短く、且つ、通電による破損が生じない時間に予め設定された電圧検出時間にわたって電流を通電する通電手段と、
    前記通電手段によって前記セルが通電されているときに、当該セルの一対の電極間に発生する電圧値を検出する電圧検出手段と、
    前記電圧検出手段により検出された電圧値と通電許可しきい値とを比較して、前記電圧値が通電許可しきい値よりも高いか否かを判定する許可電圧判定手段と、
    を備えており、
    前記基準生成用電流通電許可手段は、前記破損回避時間経過判定手段において前記破損回避時間が経過したと判定された場合、あるいは前記許可電圧判定手段において前記電圧値が前記通電許可しきい値よりも低いと判定された場合に、前記酸素基準極生成手段による基準生成用電流の通電を許可すること、
    を特徴とする請求項1又は請求項2に記載のセンサ制御装置。
  4. 前記通電手段として前記酸素基準極生成手段を用い、前記電圧検出手段は、前記酸素基準極生成手段によって前記セルが通電されているときに、当該セルの一対の電極間に発生する電圧値を検出すること、
    を特徴とする請求項3に記載のセンサ制御装置。
  5. 前記ガスセンサ素子は、
    拡散抵抗部を介して被測定ガス空間に連通する測定室と、
    一対の電極のうち一方の電極が前記被測定ガス空間に晒されないように閉塞されるとともに、他方の電極が前記測定室に面して配置され、この一対の電極間において前記測定室の酸素濃度に応じた電圧を発生する酸素濃度検知セルと、
    一対の電極のうち一方の電極が前記測定室に面して配置されるとともに、他方の電極が前記被測定ガス空間に面して配置され、この一対の電極間に通電される電流に応じて前記測定室の酸素をポンピングする酸素ポンプセルと、
    を有しており、
    前記酸素基準極生成手段は、前記酸素濃度検知セルの前記一方の電極が酸素基準極となるように、当該酸素濃度検知セルに接続されてなること、
    を特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のセンサ制御装置。
JP2008111906A 2007-05-07 2008-04-22 センサ制御装置 Active JP5062755B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008111906A JP5062755B2 (ja) 2007-05-07 2008-04-22 センサ制御装置

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007122543 2007-05-07
JP2007122543 2007-05-07
JP2008111906A JP5062755B2 (ja) 2007-05-07 2008-04-22 センサ制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008304454A true JP2008304454A (ja) 2008-12-18
JP5062755B2 JP5062755B2 (ja) 2012-10-31

Family

ID=39877380

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008111906A Active JP5062755B2 (ja) 2007-05-07 2008-04-22 センサ制御装置

Country Status (3)

Country Link
US (1) US8182664B2 (ja)
JP (1) JP5062755B2 (ja)
DE (1) DE102008022110B4 (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011149927A (ja) * 2009-12-22 2011-08-04 Ngk Spark Plug Co Ltd センサ制御装置
WO2015045382A1 (ja) * 2013-09-27 2015-04-02 株式会社デンソー ガスセンサ制御装置
WO2015045381A1 (ja) * 2013-09-27 2015-04-02 株式会社デンソー ガスセンサ制御装置
JP2016090462A (ja) * 2014-11-07 2016-05-23 株式会社デンソー A/fセンサの保護装置

Families Citing this family (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5979165B2 (ja) * 2014-02-05 2016-08-24 株式会社デンソー 酸素濃度センサの素子インピーダンス検出装置
JP6048442B2 (ja) * 2014-04-11 2016-12-21 株式会社デンソー 酸素濃度センサの素子インピーダンス検出装置
JP2017207396A (ja) * 2016-05-19 2017-11-24 日本特殊陶業株式会社 ガス濃度検出装置
US9856799B1 (en) * 2016-07-05 2018-01-02 Ford Global Technologies, Llc Methods and systems for an oxygen sensor
DE102016219560A1 (de) 2016-10-07 2018-04-12 Continental Automotive Gmbh Verfahren zum Betreiben eines amperometrischen Sensorelements und Sensorelement
JP6888563B2 (ja) * 2018-02-13 2021-06-16 トヨタ自動車株式会社 内燃機関の制御装置

Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61294355A (ja) * 1985-06-22 1986-12-25 Honda Motor Co Ltd 酸素濃度検出装置
JPS61294353A (ja) * 1985-06-22 1986-12-25 Honda Motor Co Ltd 酸素濃度検出装置
JPH04204370A (ja) * 1990-11-30 1992-07-24 Ngk Spark Plug Co Ltd 空燃比センサーの駆動回路
JPH0875700A (ja) * 1994-09-06 1996-03-22 Mazda Motor Corp エンジンの空燃比制御装置
JPH10104195A (ja) * 1996-09-30 1998-04-24 Ngk Spark Plug Co Ltd 酸素センサの制御方法及び装置
JP2006208363A (ja) * 2004-12-28 2006-08-10 Ngk Spark Plug Co Ltd ガス濃度測定装置の異常診断方法及びガス濃度測定装置の異常診断装置

Family Cites Families (13)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH04313056A (ja) * 1991-04-02 1992-11-05 Mitsubishi Electric Corp 空燃比センサの活性化判定装置
JP2855971B2 (ja) * 1992-06-25 1999-02-10 三菱電機株式会社 空燃比センサ
JP3056365B2 (ja) * 1993-12-28 2000-06-26 三菱電機株式会社 酸素濃度センサの制御装置
JPH1073564A (ja) * 1996-08-29 1998-03-17 Ngk Spark Plug Co Ltd 全領域空燃比センサの活性状態検出方法及び装置
EP0937979A3 (en) 1998-02-20 2000-11-22 NGK Spark Plug Co. Ltd. NOx sensor control circuit unit and NOx sensor system using the same
JP3621280B2 (ja) * 1998-12-16 2005-02-16 株式会社日立ユニシアオートモティブ 空燃比センサの活性診断装置
JP4444520B2 (ja) * 2001-02-27 2010-03-31 日本特殊陶業株式会社 ガスセンサ
JP4050593B2 (ja) * 2002-11-01 2008-02-20 日本特殊陶業株式会社 ガスセンサ素子及びこれを用いたガスセンサ
JP4508123B2 (ja) * 2005-05-09 2010-07-21 日本特殊陶業株式会社 素子インピーダンス検出装置
JP4847734B2 (ja) 2005-10-31 2011-12-28 ルネサスエレクトロニクス株式会社 半導体集積回路装置、それのデバッグシステム及びデバッグ方法。
JP4643459B2 (ja) * 2006-01-26 2011-03-02 日本特殊陶業株式会社 センサ制御装置、センサユニット
JP4723444B2 (ja) * 2006-09-13 2011-07-13 日本特殊陶業株式会社 センサ制御装置およびセンサ制御方法
DE102008038583B4 (de) * 2007-08-23 2024-02-08 Ngk Spark Plug Co., Ltd. Gassensorsteuervorrichtung mit zwei Widerstandssollwerten zur Verkürzung der Aktivierungszeit des Gassensorelements

Patent Citations (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS61294355A (ja) * 1985-06-22 1986-12-25 Honda Motor Co Ltd 酸素濃度検出装置
JPS61294353A (ja) * 1985-06-22 1986-12-25 Honda Motor Co Ltd 酸素濃度検出装置
JPH04204370A (ja) * 1990-11-30 1992-07-24 Ngk Spark Plug Co Ltd 空燃比センサーの駆動回路
JPH0875700A (ja) * 1994-09-06 1996-03-22 Mazda Motor Corp エンジンの空燃比制御装置
JPH10104195A (ja) * 1996-09-30 1998-04-24 Ngk Spark Plug Co Ltd 酸素センサの制御方法及び装置
JP2006208363A (ja) * 2004-12-28 2006-08-10 Ngk Spark Plug Co Ltd ガス濃度測定装置の異常診断方法及びガス濃度測定装置の異常診断装置

Cited By (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011149927A (ja) * 2009-12-22 2011-08-04 Ngk Spark Plug Co Ltd センサ制御装置
US8741118B2 (en) 2009-12-22 2014-06-03 Ngk Spark Plug Co., Ltd. Sensor control apparatus
WO2015045382A1 (ja) * 2013-09-27 2015-04-02 株式会社デンソー ガスセンサ制御装置
WO2015045381A1 (ja) * 2013-09-27 2015-04-02 株式会社デンソー ガスセンサ制御装置
JP2015068699A (ja) * 2013-09-27 2015-04-13 株式会社デンソー ガスセンサ制御装置
JP2015087384A (ja) * 2013-09-27 2015-05-07 株式会社デンソー ガスセンサ制御装置
JP2016090462A (ja) * 2014-11-07 2016-05-23 株式会社デンソー A/fセンサの保護装置

Also Published As

Publication number Publication date
DE102008022110A1 (de) 2008-11-27
US20080277281A1 (en) 2008-11-13
US8182664B2 (en) 2012-05-22
DE102008022110B4 (de) 2019-05-23
JP5062755B2 (ja) 2012-10-31

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5062755B2 (ja) センサ制御装置
JP5134065B2 (ja) センサ制御装置
US7872480B2 (en) Gas sensor control apparatus
JP4603471B2 (ja) センサ素子劣化判定装置およびセンサ素子劣化判定方法
JP2007147383A (ja) センサ素子劣化判定装置およびセンサ素子劣化判定方法
JP3436611B2 (ja) 酸素センサ用ヒータの通電制御方法及び装置
JP4860503B2 (ja) センサ制御装置
JP4592571B2 (ja) センサ素子劣化判定装置およびセンサ素子劣化判定方法
JP5767607B2 (ja) ガスセンサ制御装置
US9769877B2 (en) Heater control apparatus for gas sensor
JP6379000B2 (ja) ガスセンサシステム
JP2006105959A (ja) ガス濃度検出装置
JP2017053802A (ja) ガス濃度湿度検出装置及びガス濃度湿度検出方法
JP6587815B2 (ja) センサ制御装置およびセンサ制御システム
JP4723335B2 (ja) ヒータ制御装置
JP7194555B2 (ja) ガスセンサ
JP2002250710A (ja) ガス濃度センサの異常診断方法
JP2004258043A (ja) 全領域空燃比センサの劣化状態検出方法及び装置
JP5815482B2 (ja) センサ制御装置
JP6640652B2 (ja) センサ制御装置
JP4321409B2 (ja) ガス濃度検出装置
JP7068074B2 (ja) 酸素センサの制御装置及び酸素センサの制御方法
JP5788834B2 (ja) ガスセンサ制御装置
JP2009014652A (ja) センサ制御装置
JP5001086B2 (ja) センサ制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20101222

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120221

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120326

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120710

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120802

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5062755

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150817

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250