JPH0875700A - エンジンの空燃比制御装置 - Google Patents

エンジンの空燃比制御装置

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JPH0875700A
JPH0875700A JP6212601A JP21260194A JPH0875700A JP H0875700 A JPH0875700 A JP H0875700A JP 6212601 A JP6212601 A JP 6212601A JP 21260194 A JP21260194 A JP 21260194A JP H0875700 A JPH0875700 A JP H0875700A
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fuel ratio
time
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oxygen
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太 西岡
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 酸素ポンプ素子を有する酸素濃度センサを用
いて空燃比のフィードバック制御を行なうものにおい
て、酸素ポンプ素子の劣化を防止しつつ、検査場での検
査工程で時間的ロスが生じることを防止する。 【構成】 酸素ポンプ素子を有する酸素濃度センサを備
えた空燃比制御装置において、通常時用の通電禁止時間
を設定する通電禁止時間設定手段41と、検査工程を判
定する判定手段42と、検査工程にあることが判定され
たときに、通常時用の通電禁止時間よりも短い検査時用
の通電禁止時間を設定する通電禁止時間変更手段43
と、酸素ポンプ素子に対する通電を通電禁止期間の経過
後に行なわせる通電制御手段44とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、酸素イオン伝導性固体
電解質部材からなる酸素ポンプ素子を有する酸素濃度セ
ンサを用いて空燃比のフィードバック制御を行なうエン
ジンの空燃比制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、混合気の空燃比に相当する排
気ガス中の酸素濃度を検出し、それに応じて空燃比をフ
ィードバック制御することは一般に行なわれている。排
気ガス中の酸素濃度を検出するセンサは種々知られてい
るが、とくに、リーンバーンエンジンにおいて運転状態
に応じて空燃比を変更しつつフィードバック制御を行な
うような場合に適される酸素濃度センサとしては、例え
ば特開昭62−76446号公報に示されているような
ものがある。
【0003】この酸素濃度センサは、一対の酸素イオン
伝導性固体電解質部材を有して、そのうちの一方が酸素
ポンプ素子、他方が酸素濃度比測定用電池素子として機
能し、これらの機能を利用して排気ガス中の酸素濃度に
比例した出力が得られるようにセンサ回路が構成される
とともに、素子を所定温度に加熱するためのヒーターを
具備している。
【0004】このような酸素濃度センサにおいて、上記
酸素ポンプ素子は、この素子への通電に応じ、片側の空
間から酸素を取り込んで反対側の空間へ酸素を送り出す
酸素ポンプ作用を行なうもので、所定の活性化温度(7
50〜850°C程度)に達したときに正規のポンプ作
用を発揮する。しかし、素子温度が低いとき(600°
C程度以下)に通電されると、素子自体から酸素が奪わ
れ、例えば固体電解質部材としてZrO2 (二酸化ジル
コニウム)が用いられている場合はO2 が奪われてZr
が析出する所謂ブラックニング現象を生じ、これにより
素子の劣化を招く。
【0005】そこで、上記公報に示された酸素濃度セン
サの制御方法では、上記ヒーターへの電流供給開始から
素子温度が充分に上昇するまでに要する所定時間は、上
記酸素ポンプ素子への通電を禁止することにより、上記
ブラックニング現象による素子の劣化を防止するように
している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記のように素子温度
が充分に上昇するまで酸素ポンプ素子への通電を禁止す
る場合に、種々の使用環境条件による素子温度上昇時間
のばらつきを見込んで通電禁止時間を設定する必要があ
る。つまり、所定温度までの素子温度上昇時間は、外気
温やバッテリ電圧等によって変化し、例えば、外気温が
低い場合や、他の電気機器の使用によりバッテリ電圧が
低下して上記ヒーターへの電流供給量が減少した場合に
は、上記素子温度上昇時間が長くかかる。そこでこのよ
うな場合でも素子温度が充分に上昇するまで酸素ポンプ
素子に対する通電を禁止するように、通電禁止時間がか
なり長く設定され、例えば100秒程度に設定されてい
る。
【0007】しかし、このように通電禁止時間を長く設
定しておくと、工場等の検査場で、酸素濃度センサによ
る検出を必要とする空燃比フィードバック制御系等につ
いての検査を行なうときに、時間的ロスを生じ、検査工
程において障害となる。
【0008】具体的に説明すると、工場での検査工程と
しては、通常、テスト走行用ローラ上で所定時間だけ所
定走行パターンによる車両の走行を行なわせるローラ走
行テストに次いで上記空燃比フィードバック制御系等の
検査を行なうようにすることにより、ローラ走行テスト
中にある程度まで素子温度を上昇させるようにしている
が、このローラ走行テストの所要時間は60〜90秒程
度であるのに対し、上記通電禁止時間はこれよりも長
い。このため、ローラ走行テストが終了してから上記酸
素濃度センサが検出可能(上記空燃比フィードバック制
御系等の検査が可能)となるまでに待ち時間が生じ、検
査工程に時間的ロスを生じて、作業がスムーズに流れな
いという問題がある。
【0009】本発明は、上記の事情に鑑み、酸素ポンプ
素子を有する酸素濃度センサを用いて空燃比のフィード
バック制御を行なうものにおいて、酸素ポンプ素子の劣
化を防止しつつ、検査場での検査工程で時間的ロスが生
じることを防止し、検査工程の流れをスムーズにするこ
とができるエンジンの空燃比制御装置を提供することを
目的とする。
【0010】とくに、通常は使用環境条件の変動が大き
い場合を見込んで上記ポンプ素子に対する通電禁止期間
を長く設定する必要があるのに対し、工場等の検査場で
検査を行なう場合は温度等の使用環境条件の変動が比較
的小さく、上記通電禁止期間を通常より短くしても劣化
を避けることができること着目して、検査の作業効率の
向上を図るものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る発明は、
酸素イオン伝導性固体電解質部材からなる酸素ポンプ素
子を有して、エンジンの排気ガス中の酸素濃度を検出す
る酸素濃度センサと、この酸素濃度センサの出力を受け
て空燃比のフィードバック制御を行なう手段と、エンジ
ン始動後に予め設定した通電禁止時間が経過するまでは
上記酸素ポンプ素子への通電を禁止する手段とを備えた
エンジンの空燃比制御装置において、検査場での所定の
検査工程を判定する判定手段と、この判定手段により上
記検査工程にあることが判定されたときに上記通電禁止
時間を短縮する通電禁止時間変更手段とを設けたもので
ある。
【0012】請求項2に係る発明は、請求項1に記載の
装置において、上記酸素濃度センサが、一対の酸素イオ
ン伝導性固体電解質部材を有して、この一対の酸素イオ
ン伝導性固体電解質部材のうちの一方が酸素ポンプ素
子、他方が酸素濃度比測定用電池素子として機能するよ
うに構成され、かつ、加熱手段によりエンジン始動時か
ら加熱されるようになっているものである。
【0013】請求項3に係る発明は、請求項1または2
に記載の装置において、上記判定手段により判定される
検査工程が、テスト走行用ローラ上で所定時間だけ所定
走行パターンによる車両の走行を行なわせるようになっ
ているものである。
【0014】請求項4に係る発明は、請求項1乃至3の
いずれかに記載の装置において、上記検査工程において
空燃比のフィードバック制御系の作動状態を調べてその
作動状態をモニター手段に出力する作動状態出力手段を
設けたものである。
【0015】請求項5に係る発明は、請求項1乃至4の
いずれかに記載の装置において、上記判定手段により検
査工程が判定されたときに、上記通電禁止時間変更手段
により短縮された通電禁止時間が経過してから通常の通
電禁止時間に相当する時間が経過するまでの間は、空燃
比を理論空燃比に設定する空燃比性手段を備えたもので
ある。
【0016】請求項6に係る発明は、請求項1乃至5の
いずれかに記載の装置において、上記判定手段が、テス
ト端子がオンとなったか否かを判定の1要素とするよう
にしたものである。
【0017】
【作用】請求項1に係る発明によると、通電禁止時間中
は上記酸素濃度センサの酸素ポンプ素子への通電が禁止
されることにより、酸素ポンプ素子の劣化が防止され、
通電禁止時間経過後は上記酸素ポンプ素子への通電が行
なわれ、それに応じて排気ガス中の酸素濃度の検出が行
なわれる。そして、通常時は使用環境条件の大きな変動
を見込んで上記通電禁止時間が比較的長く設定される一
方、使用環境条件の変動が小さい検査場での検査工程で
は、上記通電禁止時間が短縮されることにより、素子の
劣化を防止する作用が維持されつつ、酸素濃度センサに
よる検出とそれに基づく検査が可能となる時期が早めら
れる。
【0018】請求項2に係る発明によると、酸素濃度セ
ンサが、一対の酸素イオン伝導性固体電解質部材による
酸素ポンプ素子及び酸素濃度比測定用電池素子として機
能を活用して酸素濃度の検出を行うようになっていて、
加熱手段によりエンジン始動時から加熱されるが、上記
のように通常時と検査工程にあるときとに応じて通電禁
止時間が設定されることにより、素子の劣化が防止され
つつ、検査工程では酸素濃度センサによる検出とそれに
基づく検査の時期が早められる。
【0019】請求項3に係る発明によると、テスト走行
用ローラ上での走行テスト中に上記酸素濃度センサが加
熱されるとともに、上記通電禁止時間変更手段により短
縮された通電禁止時間が経過して、検出可能な状態とな
る。
【0020】請求項4に係る発明によると、検査工程で
上記の短縮された通電禁止時間が経過して酸素濃度セン
サが検出可能な状態となれば、空燃比のフィードバック
制御系の作動状態がモニター手段に出力されることによ
り、作動状態の確認が可能となる。
【0021】請求項5に係る発明によると、検査工程に
おいて、上記通電禁止時間変更手段により短縮された通
電禁止時間が経過してから通常の通電禁止時間に相当す
る時間が経過するまでの間に、酸素濃度センサが完全に
活性化温度にまで上昇していない場合でも、酸素濃度の
検出を適正に行なうことができる。
【0022】請求項6に係る発明は、テスト端子がオン
となったか否かを判定により、検査工程で所定の検査が
行なわれるべき状態にあることが確実に判定される。
【0023】
【実施例】本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図1は本発明の一実施例による装置の概略を示し、この
図において、エンジン1の各気筒の燃焼室2には、吸気
ポート3および排気ポート4が開口し、各ポート3,4
に吸気弁5および排気弁6が設けられるとともに、点火
プラグ7が設けられている。
【0024】上記吸気ポート3に通じる吸気通路8に
は、吸気流量を検出するエアフローセンサ10およびア
クセル操作に応じて作動するスロットル弁11が設けら
れるとともに、各気筒の吸気ポート3の近傍に、燃料を
噴射供給する燃料噴射弁12が設けられている。一方、
上記排気ポート4に通じる排気通路13には、排気ガス
中の酸素濃度を検出することにより混合気の空燃比を検
出する酸素濃度センサ15が設けられている。
【0025】この酸素濃度センサ15は、酸素濃度検出
用素子部16と、この素子部を加熱するヒーター17
と、上記素子部16に対する通電及び検出信号出力のた
めのセンサ回路18と、上記ヒーター17への通電のた
めのヒーター回路19とで構成されており、上記素子部
16には酸素イオン伝導性固体電解質部材からなる酸素
ポンプ素子が含まれている。
【0026】上記酸素濃度センサ15の構造を図2によ
って説明すると、上記酸素濃度検出用素子部16は、ジ
ルコニア等の酸素イオン伝導性固体電解質部材からなる
一対の素子21,22を有している。この両素子21,
22のうちの一方は酸素濃度比測定用電池21、他方は
素子酸素ポンプ素子22として機能するものであり、そ
れぞれの両側面に電極層21a,21b,22a,22
bが形成されている。上記両素子21,22間には、排
気通路から排気ガスを拡散層23を介して一定の拡散速
度で導入する拡散室24が形成され、また、酸素濃度比
測定用電池素子21の片側には、一定酸素濃度(例えば
大気と同程度の酸素濃度)に保たれた比較酸素濃度室2
5が形成されている。また、上記素子部16に接続され
るセンサ回路18は、オペアンプ26、抵抗27等を含
んでいる。
【0027】この酸素濃度センサ15は、具体的には次
のようにして排気ガス中の酸素濃度を検出する。
【0028】すなわち、上記両素子21,22を構成す
る酸素イオン伝導性固体電解質部材は、酸素分圧が異な
る2室間に配置されたとき、その両室の酸素分圧の比に
応じた酸素イオンが素子内を移動することで起電力を生
じて電池として機能し、また、両電極間に電圧が印加さ
れたときは片側から酸素を取り込んで反対側に酸素を放
出する酸素ポンプとして機能する。
【0029】そこで、上記比較酸素濃度室25と拡散室
24との間に位置する素子21が酸素電池として機能
し、他の素子22が酸素ポンプとして機能するように構
成される。そして、拡散室24内の排気ガス中の酸素が
多くなると酸素ポンプ素子22により拡散室24から外
部に酸素が汲み出され、拡散室24内の排気ガス中の酸
素が不足すると酸素ポンプ素子22により拡散室24に
外部から酸素が取り込まれて、拡散室24内が理論空燃
比相当状態に保たれるように、酸素濃度比測定用電池素
子21に生じる電圧の変化に応じオペアンプ26を介し
て酸素ポンプ素子22に加わる電圧が調節され、これに
伴って酸素ポンプ素子22に流れる電流に応じた出力が
抵抗27から取り出される。
【0030】このように構成されることにより、排気ガ
ス中の酸素濃度(混合気の空燃比)に比例した出力が得
られるようになっている。
【0031】上記素子部16を加熱するヒーター17に
対するヒータ回路19は、図3のように、抵抗28,2
9,30を含むブリッジ回路、トランジスタ31、オペ
アンプ32等で構成され、素子を所定の活性化温度(7
50〜850°C)に加熱する。そして、エンジン始動
時からこのヒータ回路19に通電されることでヒーター
17が加熱されるようになっている。
【0032】また、図1において、上記酸素濃度センサ
15はコントロールユニット(ECU)40に接続され
ている。このコントロールユニットはマイクロコンピュ
ータ等で構成され、上記酸素濃度センサ15のセンサ回
路18に通電制御信号を出力するとともにこのセンサ回
路18から酸素濃度検出信号を入力し、さらに上記エア
フローセンサ10及びエンジン回転数を検出する回転数
センサ35等からの信号を入力し、燃料噴射弁12に燃
料噴射制御信号を出力するようになっている。
【0033】なお、36は工場等の検査場に設けられた
モニタ装置であり、所定の検査時にコントロールユニッ
トに接続される。また、37はコントロールユニット4
0に接続されたテスト端子であり、所定の検査の際にオ
ンとされる。
【0034】図4は上記コントロールユニット40の機
能構成を示している。この図のように、コントロールユ
ニット40は、通電禁止時間設定手段41、判定手段4
2、通電禁止時間変更手段43、通電制御手段44、燃
料噴射量制御手段45、空燃比設定手段46及び作動状
態出力手段47を含んでいる。
【0035】上記通電禁止時間設定手段41は、ヒータ
ーへの通電開始(始動時)から上記酸素濃度センサ15
が所定の活性化温度にまでは通電を禁止すべく、通常時
用の通電禁止時間Tbを設定している。ここで設定され
る通電禁止時間Tbは、各種要因による温度上昇のばら
つきがあっても確実に酸素濃度センサ15が所定の活性
化温度にまで加熱されるに充分な時間とされ、具体的に
は100秒程度とされている。
【0036】上記判定手段42は、工場(検査場)での
所定の検査工程を判定するもので、当実施例では、後述
のフローチャート中に示すような処理よりローラ走行テ
ストの判定と、上記テスト端子37のオンとを判定する
ようになっている。また、上記通電禁止時間変更手段4
3は、上記判定手段42により検査工程が判定されたと
きに、上記通常時用の通電禁止時間Tbよりも短い検査
時用の通電禁止時間Ta(例えば65秒程度)を設定す
るようになっている。
【0037】上記通電制御手段44は、通電禁止時間T
aまたはTbが経過するまでは上記酸素濃度センサ15
のセンサ回路18に対する通電を禁止し、通電禁止時間
が経過したときにセンサ回路18に対する通電を行なう
ようになっている。
【0038】上記燃料噴射量制御手段45は、エアフロ
ーセンサ10及びエンジン回転数センサ35の出力に応
じて基本噴射量を演算するとともに、上記酸素濃度セン
サ15の出力と目標空燃比とを比較してそれに応じたフ
ィードバック補正量を演算し、上記基本噴射量、フィー
ドバック補正量及びその他の各種補正量に基づいて最終
噴射量を演算して、それに応じた制御信号を燃料噴射弁
12に出力するようになっている。
【0039】上記空燃比設定手段46は、所定のリーン
バーン運転領域では理論空燃比よりも大きい値の目標空
燃比を設定する等、運転状態等に応じた空燃比を設定す
るが、検査工程が判定された場合において、検査時用の
通電禁止時間Taの経過時点から通常時用の通電禁止時
間Tbの経過時点までの間は運転状態等に関係なく空燃
比を理論空燃比に設定するようになっている。
【0040】また、上記作動状態出力手段47は、検査
工程での検査時において、例えば上記テスト端子37が
オンとなったときに、上記燃料噴射量制御手段45のフ
ィードバック制御系の作動状態を示す信号を外部のモニ
ター装置36に出力し、例えばフィードバック補正量に
応じた信号を出力するようになっている。
【0041】図5及び図6は工場での検査工程において
上記コントロールにより行なわれる制御のフローチャー
トを示している。
【0042】このフローチャートに示す制御は、スター
トすると、先ずステップS1でローラ走行テスト判定用
のフラッグXpmd ,Xpmdp、始動後経過時間判定用のタ
イマーCp、ローラ走行テスト経過時間判定用のタイマ
ーCm、センサ通電フラッグXponl、工場用通電フラッ
グXponrをそれぞれ「0」にイニシャライズする。
【0043】次に、ステップS2で始動判定フラッグX
stが「1」か否かを判定する。この始動判定フラッグX
stは、図外の始動判定処理により、エンジン停止中は
「0」で始動が行なわれたときに「1」とされる。そし
て、上記フラッグXstが「1」になれば、上記各タイマ
ーCp,Cmをそれぞれインクリメントする(ステップ
S3)。
【0044】続いて、今回の車速Vs[i]が0より大き
く、かつ前回の車速Vs[i-1]が0であったか否か、つま
り走行開始時点であるか否かを調べ(ステップS4)、
走行開始時点であればタイマーCmを「0」にリセット
する。従って、このタイマーCmは走行開始時点からの
時間を計るものとなる。
【0045】続いて、上記タイマーCmが第1のローラ
走行判定値A1と等しいことと、車速Vsが第1のロー
ラ走行判定値V1と等しいことの両条件が成立したか否
かを判定し(ステップS6)、その判定がYESであれ
ばフラッグXpmdpを「1」とする(ステップS7)。さ
らに、上記タイマーCmが第2のローラ走行判定値A2
と等しいことと、車速Vsが第2のローラ走行判定値V
2と等しいことと、フラッグXpmdpが「1」であること
の各条件が成立したか否かを判定し(ステップS8)、
その判定がYESであればフラッグXpmd を「1」とす
る(ステップS9)。
【0046】これらステップS6〜S9の処理は、工場
でのローラ走行テスト中であるか同かを調べるものであ
る。つまり、ローラ走行テストは、走行テスト用のロー
等上で、例えば図6に示すような予め定められた走行パ
ターンによって車両の走行が行なわれるものであるが、
この走行パターン中に第1のチェックポイント(時間A
1,車速V1)と第2のチェックポイント(時間A2,
車速V2)を設定しておき、走行開始からの時間及び車
速が上記各チェックポイントに合致するか否かを調べて
いる。これらの処理によってフラッグXpmd が「1」と
なれば、ローラ走行テスト中であることを意味する。
【0047】続いて、上記フラッグXpmd が「1」であ
ることと、テスト端子がオンとなったことを示すテスト
端子フラッグXtestが「1」であることと、上記タイマ
ーCpが検査時用の通電禁止時間Ta以上であることの
各条件が成立したか否かを判定し(ステップS10)、
その判定がYESのときには工場用通電フラッグXponr
を「1」とする(ステップS11)。つまり、工場での
ローラ走行テスト中であって、かつテスト端子がオンと
なっている場合において、始動からの経過時間が検査時
用の通電禁止時間Taを超えたときは、通電を許可すべ
く上記フラッグXponrを「1」とする。
【0048】続いて、上記タイマーCpが通常時用の通
電禁止時間Tb以上か否かを判定し(ステップS1
2)、その判定がYESのとき、つまり始動からの経過
時間が通常時用の通電禁止時間Tbを超えたときは、無
条件に通電を許可すべく、センサ通電フラッグXponlを
「1」とする(ステップS13)。
【0049】次に、上記工場用通電フラッグXponrが
「1」またはセンサ通電フラッグXponlが「1」か否か
を判定する(ステップS14)。そして、これらのフラ
ッグXponr,Xponlがいずれも「0」であれば、上記酸
素濃度センサ15のセンサ回路への通電を禁止し(ステ
ップS15)、フラッグXponrまたはXponlが「1」で
あれば上記酸素濃度センサ15のセンサ回路への通電を
行なう(ステップS16)。
【0050】次に、所定のリーンバーン条件、例えば冷
却水温が所定値以上で、かつ運転状態が所定のリーンバ
ーン運転領域にあるという条件が成立したか否かを判定
する(ステップS17)。この判定がYESであれば、
さらに、センサ通電フラッグXponlが「1」か否かを判
定する(ステップS18)。そして、リーンバーン条件
が成立し、かつセンサ通電フラッグXponlが「1」の場
合には、リーンバーンフラッグXleanを「1」とし、リ
ーンバーン条件が成立しない場合やリーンバーンフラッ
グXleanが「0」の場合には、リーンバーンフラッグX
leanを「0」とする。
【0051】次に、運転状態及び上記リーンバーンフラ
ッグXleanに応じて混合気の空燃比を設定する。つま
り、リーンバーン領域にあってリーンバーンフラッグX
leanが「1」のときにはフィードバック制御のための目
標空燃比を理論空燃比よりも大きい値に設定し、また、
フィードバック制御領域(リーンバーン領域を含む)に
あってリーンバーンフラッグXleanが「0」のときには
目標空燃比を理論空燃比とする。
【0052】このような本発明の装置によると、エンジ
ンの始動とともに酸素濃度センサ15のヒータ17に対
する電流供給は行なわれるが、通電禁止時間が経過する
までは上記酸素濃度センサ15のセンサ回路18への通
電が禁止されることにより、酸素ポンプ素子21の温度
が低いうちにこの素子21に電流が流れてブラックニン
グを生じるという事態が防止される。そして、通電禁止
時間経過後は上記センサ回路18への通電が行なわれて
酸素濃度センサ15による排気ガス中の酸素濃度の検出
が行なわれ、その出力に応じて空燃比のフィードバック
制御が行なわれる。
【0053】このような制御において、使用環境条件の
変動が大きい通常運転時は100秒程度の比較的長い通
電禁止時間Tbが設定されるされることにより、外気温
の低下やヒーターへの電流供給量の減少等によって素子
温度の上昇が遅くなる場合でも、確実に酸素ポンプ素子
21の温度が活性化温度に上昇するまで上記通電が禁止
される。
【0054】一方、工場での検査工程にあるとき、具体
的にはローラ走行テスト中でテスト端子がオンとなって
いるときには、65秒程度の比較的短い検査時用の通電
禁止時間Taが設定され、この時間Taが経過すれば酸
素濃度センサ15による検出とそれに応じた空燃比のフ
ィードバック制御が行なわれ、空燃比フィードバック制
御系の作動状態等の検査が行なわれる。つまり、酸素濃
度センサ15による検出を必要とするような検査の時期
が早められる。とくにローラ走行テストの工程でこのよ
うな処理が行なわれることにより、ローラ走行テストの
時間中に上記検査を行なうことができ、時間的ロスが防
止される。
【0055】そして、このように検査時用の通電禁止時
間Taを短くしても、使用環境条件の変動が小さい工場
での検査工程では、この時間Ta中に、酸素ポンプ素子
の温度が少なくともブラックニングを回避できる温度
(600°C程度以上)に上昇するため、素子の劣化を
招くことはない。
【0056】また、この検査工程において、検査時用の
通電禁止時間が経過してから通常時用の通電禁止時間が
経過するまでの期間は、上記酸素濃度センサ15の素子
温度が完全に活性化温度にまで上昇していない可能性が
あるが、この期間にはフィードバック制御のために設定
される空燃比が理論空燃比とされることにより、酸素濃
度センサ15による検出とそれに基づく制御が良好に行
なわれる。
【0057】これを図7によって具体的に説明すると、
上記酸素濃度センサ15の素子温度が活性化温度に達し
ている正常時にはその出力が空燃比に応じて所定の変化
率で変化する(図7中の実線)のに対し、酸素濃度セン
サ15の素子温度が活性化温度に達していないときに
は、正常時と比べ、空燃比に応じた出力の変化率が小さ
くなる(図7中の破線)ため、空燃比がリーンになるに
つれて検出値に誤差が生じるが、理論空燃比の検出値は
正常時と変わりない。
【0058】従って、検査時用の通電禁止時間Taが経
過してから通常時用の通電禁止時間Tbが経過するまで
の期間は、理論空燃比を検出してフィードバック制御を
行なうようにすることにより、上記素子温度が活性化温
度に達していなくても検出及びそに応じた制御が精度良
く行なわれる。そして、検査工程では、このように理論
空燃比に設定しても、フィードバック制御系の作動状態
等についての検査は可能である。
【0059】また、検査工程において上記通電禁止時間
の経過により酸素濃度センサ15が検出可能な状態とな
れば、テスト端子がオンであることを条件として、空燃
比のフィードバック制御系の作動状態が工場に設置され
たモニター装置36に出力される。例えば、フィードバ
ック制御系では酸素濃度センサ15の出力と目標値(目
標空燃比)との比較に基づいてフィードバック補正量が
演算され、そのフィードバック補正量に基づきモニター
用信号が作成されてモニター装置36に出力される。こ
れにより、作業者がフィードバック制御系の作動状態の
確認、検査等を行なうことができる。
【0060】なお、上記実施例では、検査時用の通電禁
止時間Taが経過してから通常時用の通電禁止時間Tb
が経過するまでの期間は、空燃比を理論空燃比に設定し
ているが、検査工程における使用環境条件との関係で、
上記検査時用の通電禁止時間Taが経過するまでに酸素
濃度センサ15の素子温度が確実に活性化温度に達する
ような場合には、検査時用の通電禁止時間Taの経過時
点から空燃比をリーンに設定するようにしてもよい。
【0061】このほか、上記酸素濃度センサの構造や制
御系統の構成は、本発明の要旨を逸脱しない範囲で変更
して差し支えない。
【0062】
【発明の効果】以上のように本発明は、酸素イオン伝導
性固体電解質部材からなる酸素ポンプ素子を有する酸素
濃度センサを備え、エンジン始動後に通電禁止時間が経
過するまでは上記酸素ポンプ素子への通電を禁止するよ
うにした装置において、通常時は使用環境条件の大きな
変動を見込んで通電禁止時間を比較的長く設定する一
方、使用環境条件の変動が小さい検査場での検査工程で
は通電禁止時間を短縮するようにしている。このため、
酸素ポンプ素子の温度が低いときに通電されて素子の劣
化するという事態を確実に防止しつつ、検査工程での時
間的ロスを無くし、もしくは減少させることができ、検
査の作業効率を高め、検査工程の流れをスムーズにする
ことができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例による空燃比制御装置の概略
図である。
【図2】酸素濃度センサの構造を示す図である。
【図3】酸素濃度センサのヒーター回路を示す回路図で
ある。
【図4】制御系統の機能ブロック図である。
【図5】制御のフローチャートである。
【図6】図5のフローチャートに続くフローチャートで
ある。
【図7】酸素濃度センサの出力特性を示す図である。
【符号の説明】
15 酸素濃度センサ 17 ヒーター 21 酸素ポンプ素子 22 酸素濃度比測定用電池素子 40 コントロールユニット 41 通電禁止期間設定手段 42 判定手段 43 通電禁止期間変更手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G01M 15/00 Z

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸素イオン伝導性固体電解質部材からな
    る酸素ポンプ素子を有して、エンジンの排気ガス中の酸
    素濃度を検出する酸素濃度センサと、この酸素濃度セン
    サの出力を受けて空燃比のフィードバック制御を行なう
    手段と、エンジン始動後に予め設定した通電禁止時間が
    経過するまでは上記酸素ポンプ素子への通電を禁止する
    手段とを備えたエンジンの空燃比制御装置において、検
    査場での所定の検査工程を判定する判定手段と、この判
    定手段により上記検査工程にあることが判定されたとき
    に上記通電禁止時間を短縮する通電禁止時間変更手段と
    を設けたことを特徴とするエンジンの空燃比制御装置。
  2. 【請求項2】 上記酸素濃度センサは、一対の酸素イオ
    ン伝導性固体電解質部材を有して、この一対の酸素イオ
    ン伝導性固体電解質部材のうちの一方が酸素ポンプ素
    子、他方が酸素濃度比測定用電池素子として機能するよ
    うに構成され、かつ、加熱手段によりエンジン始動時か
    ら加熱されるようになっていることを特徴とする請求項
    1記載のエンジンの空燃比制御装置。
  3. 【請求項3】 上記判定手段により判定される検査工程
    が、テスト走行用ローラ上で所定時間だけ所定走行パタ
    ーンによる車両の走行を行なわせるものであることを特
    徴とする請求項1または2記載のエンジンの空燃比制御
    装置。
  4. 【請求項4】 上記検査工程において空燃比のフィード
    バック制御系の作動状態を調べてその作動状態をモニタ
    ー手段に出力する作動状態出力手段を設けたことを特徴
    とする請求項1乃至3のいずれかに記載のエンジンの空
    燃比制御装置。
  5. 【請求項5】 上記判定手段により検査工程が判定され
    たときに、上記通電禁止時間変更手段により短縮された
    通電禁止時間が経過してから通常の通電禁止時間に相当
    する時間が経過するまでの間は、空燃比を理論空燃比に
    設定する空燃比設定手段を備えたことを特徴とする請求
    項1乃至4のいずれかに記載のエンジンの空燃比制御装
    置。
  6. 【請求項6】 上記判定手段は、テスト端子がオンとな
    ったか否かを判定の1要素とするものであることを特徴
    とする請求項1乃至5のいずれかに記載のエンジンの空
    燃比制御装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2004028964A (ja) * 2002-06-28 2004-01-29 Ngk Spark Plug Co Ltd ガスセンサ制御装置、それを用いたガスセンサの検査方法及びガスセンサの製造方法
JP2008304454A (ja) * 2007-05-07 2008-12-18 Ngk Spark Plug Co Ltd センサ制御装置
CN102667462A (zh) * 2009-12-23 2012-09-12 依维柯发动机研究公司 用于在内燃发动机或这种发动机的排气后处理系统中的传感器的氧泵电池的改进的控制方法和设备

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