JP2004028964A - ガスセンサ制御装置、それを用いたガスセンサの検査方法及びガスセンサの製造方法 - Google Patents
ガスセンサ制御装置、それを用いたガスセンサの検査方法及びガスセンサの製造方法 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】制御装置9において、製品出荷後のガスセンサ5を、所望の環境のガスセンシングに実使用する際に用いる実センシング用ヒートパターン157と、製品出荷前のガスセンサ5を検査検査するために用いる、実センシング用ヒートパターン157とは異なる検査用ヒートパターン158,159と、のいずれかを選択する。
【選択図】 図2
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、ガスセンサ制御装置、それを用いたガスセンサの検査方法及びガスセンサの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ガスセンサの検知素子には、酸化物半導体薄膜などの抵抗感応膜を検知素子として用いたものが知られている。また、ジルコニアなど、固体電解質を検知素子として用いるものもある。これらの検知素子は、種々の理由により、室温よりも高温に最適動作点を有するものが多く、被測定ガスの温度が低い場合は、ヒータ加熱により検知素子の検知能を活性化して用いるようにしている。
【0003】
また、上記のような検知素子によるガス検出の基本原理には、検知体表面における被測定ガス成分の吸着が大きく関与している。例えば抵抗感応膜を用いるセンサの場合は、ガス分子吸着による抵抗感応膜の電気抵抗率が変化することを利用してガス検出を行なう。また、固体電解質を利用するものは、固体電解質表面に設けられた多孔質電極表面にガス分子を吸着させてイオン解離させ、イオンが固体電解質内を移動する過程で生ずる電気現象(例えばイオン拡散に伴う濃淡電池起電力など)を測定してガス検知を行なう。
【0004】
ガスセンサは通常、検知素子からの検知信号の増幅、フィルタリングあるいはリニアライジングなどの種々の電気的処理が行われた後、濃度検知情報として外部に出力される。また、検知素子を活性化するためのヒータ加熱の制御処理も必要である。従って、ガスセンサの場合、これらの電気的処理を行なうための制御回路を必ず設けなければならない。こうした制御回路は当然、センサ実使用時の仕様に合わせたものが、センサ実装先となる機器(例えば自動車)に搭載される。当然、ヒータ制御を司るヒートパターンも、所望の雰囲気のガス濃度を定常的に測定するのに好都合なものが用意される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のようなガスセンサを製造する際には、検知素子が正常な検知能を有するかどうかを検査する工程が不可欠である。この検査工程においては、検知素子をヒータ加熱する際に、センサを実使用に供する場合とは異なる、検査特有のヒートパターンが必要となることも多い。従って、検査専用のヒートパターンを搭載した制御回路を別途用意し、検知素子をその都度接続して検査を行なわなければならないので面倒である。
【0006】
また、最近では、検知素子と制御回路とを一枚の基板に組み付けたセンサユニットの形でガスセンサも多く供給されている。この場合、基板に組み付けられている制御回路はヒートパターンが異なるため検査には使用できず、基板に検査用の制御回路を別途接続するか、あるいは検知素子を基板に組み付ける前に検査用の制御回路に接続して測定を行なうことになる。前者においては、検査用制御回路を接続する結線が必ずしも容易でなく、場合によっては結線の履歴が基板に残ったり、結線失敗による破損が生じ、検査後の製品としての流用が不能となることもある。また、後者においては、検知素子の基板への組み付け前に検知素子の検査を行なわなければならないから、基板組み付け時あるいは組み付け後に生ずる不具合を発見できない問題がある。また、検査工数がかかることから、ロット毎の抜き取り検査となることもありえるが、ロットアウト時の損失が大きくなることはいうまでもない。
【0007】
そこで、上記の事情に鑑みて、実使用時のヒートパターンをそのまま流用して検査を行なうことも考えられる。しかし、この場合は次のような問題を生ずる。すなわち、ガスセンサは、検知素子が非加熱状態で大気中に放置された場合、水蒸気や他のガス分子などが検知素子の表面に吸着した状態になる。このような状態では、検知素子への被検出ガスの分子吸着が先に吸着している分子に妨げられ、ヒータ加熱を行っても、直ちに測定に入ることはできない。しかし、ヒータ加熱を開始してしばらく時間が経過すれば、余分な吸着分子の脱着が促進され、測定可能な状態となる。
【0008】
ところで、工場で製造されるガスセンサのロットは、製造後検査に至るまでにかなりの日数保管される場合がある。また、検知素子に着目すれば、これがガスセンサに組み付けられるまでの間にも、さらに保管時間が生ずる。従って、検査時の検知素子は、長期にわたって外気に曝されていたことにより、測定の妨げになる分子吸着が強固に進んでいる場合が多い。しかし、実使用時のヒートパターンでは、強固に吸着した分子の脱着に非常な長時間を要し、検査能率の低下が甚だしくなる。
【0009】
そこで、実使用時のヒートパターンに、吸着促進用の高温保持期間を設ける方法も考えられるが、該高温保持期間は、定常測定時の最適温度設定からは外れたものとなるので、その経過を待ってガス濃度測定を行なう必要がある。この場合、吸着が強固に進んだ検査時にも対応できるように、その高温保持期間を長く設定すると、実使用時において、センサ立ち上げ後から測定可能となるまでの時間が長くなり、早期活性化が望まれているガスセンサの時流に逆行する結果を招く。
【0010】
本発明の課題は、実使用時とは異なるヒートパターンにより検知素子を加熱して行なう検査の能率を飛躍的に高めることができ、ひいては出荷前の検査能率向上に有利な機能を有したガスセンサ制御装置と、それを用いたガスセンサの検査方法及びガスセンサの製造方法を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段及び作用・効果】
本発明は、加熱によりガス検知能が活性化される検知素子と、該加熱を行なうために予め定められたヒートパターンに従い発熱駆動されるヒータとを有したガスセンサの制御装置に係るものであり、上記の課題を解決するために、
製品出荷後のガスセンサを、所望の環境のガス検知に実使用する際に用いる実検知用ヒートパターンと、製品出荷前のガスセンサを検査するために用いる、実検知用ヒートパターンとは異なる検査用ヒートパターンと、のいずれかを選択するヒートパターン選択手段と、
当該選択されたヒートパターンに従いヒータを発熱駆動するヒータ駆動制御部と、
を有することを特徴とする。
【0012】
また、本発明のガスセンサの検査方法は、上記本発明のガスセンサ制御装置を検知素子とともに検査装置に接続し、その状態で検査用ヒートパターンを選択し、該検査用ヒートパターンに従ってヒータを発熱駆動することにより検知素子を加熱・活性化し、その活性化した検知素子に検査用ガスを用いた検査検知を行なわせ、その検知結果に基づいて検知素子の品質検査を行なうことを特徴とする。
【0013】
さらに、本発明のガスセンサの製造方法は、上記本発明のガスセンサの検査方法により、ガスセンサの検知素子の品質検査を行なう検査工程と、
その検査結果に基づいて、ガスセンサの選別を行なう選別工程と、
を有することを特徴とする。
【0014】
上記本発明のガスセンサの制御装置は、ヒートパターン選択手段により、ヒータ駆動制御部が、実測定用のヒートパターンと検査用ヒートパターンとを適宜選択して実行できるように構成されている。従って、検査専用のヒートパターンを搭載した制御回路を別途用意し、検知素子をその都度これに接続して検査を行なう必要がなくなるので、検査時間を大幅に短縮することができる。また、その検査結果に基づくガスセンサの選別工程を含んだガスセンサの製造方法においては、検査工程の時間短縮が可能になる結果、出荷に至るまでのガスセンサの製造工程全体の能率化を図ることができる。また、ガスセンサ1個当たりに要する検査時間が短くなることから、全数検査も容易に行なうことができ、ひいては抜き取り試験時のようなロットアウト等の無駄を省くことが可能となる。
【0015】
実検知用ヒートパターンは、例えば制御部内のヒートパターン記憶部に記憶しておき、実装先(例えば自動車である)にガスセンサを装着して使用する際に、読み出して使用するようにする。他方、検査用ヒートパターンは、検査時においてのみ必要となるものであるから、検査時にその都度、外部から読み込んで使用するようにしてもよい。しかし、実検知用ヒートパターンと検査用ヒートパターンとの両方をヒートパターン記憶部に予め記憶しておけば、検査装置側にて、ガスセンサの品種に応じた検査用ヒートパターンを予め用意しておく必要がなくなる。従って、特にこうした検査用ヒートパターンが準備されていない検査装置でも、問題なく検査を行なうことができる。この場合、ヒートパターン選択手段は、外部から取得する選択信号に基づいて、ヒートパターン記憶部から、その選択信号に対応するヒートパターンを読み出すものとされる。
【0016】
ヒートパターン選択手段とヒータ駆動制御部とは、CPU、RAM及びROMを有するコンピュータ上において、ヒートパターン記憶部となるROM内に記憶されたヒータ制御プログラムをCPUが実行することにより機能実現されるものとすることができる。この場合、実検知用ヒートパターンと検査用ヒートパターンとをROMに一括して記憶しておくことができる。実検知用ヒートパターンとともにROMに一括して記憶する形であれば、フォトリソグラフィー技術等によりヒートパターンデータを焼き付けるだけで実装を完了できるので、検査用ヒートパターンを余分に搭載しているにもかかわらず、制御装置の価格上昇はほとんど問題にならなくなる。特に、CPU、RAM及び実検知用ヒートパターンと検査用ヒートパターンとを焼き付けたROMがワンチップ化されたマイクロプロセッサを用いると、部品点数が減少するので制御装置自体の価格低減を図ることができるほか、基板上における部品実装面積が減少するので、基板の小型化にも大きく寄与することができる。そして、小型基板では、検査用ヒートパターンを有した検査専用の制御部を外付け接続することは非常に困難であるが、上記構成では、検査用ヒートパターンが実検知用ヒートパターンとともにはじめからマイクロプロセッサのROM内に搭載されるので、こうした問題をそもそも考える必要がなくなる。検知素子がコンピュータとともに同一基板上に実装されている場合は、該効果が特に顕著である。
【0017】
検査用ヒートパターンとしては、検査用ガスを用いた検査検知を行なう検査検知用ヒートパターンを用意しておくことができる。この場合、実検知用ヒートパターンと検査検知用ヒートパターンとは、いずれも、検知素子の温度を活性化状態に維持可能な一定の活性化維持電圧によりヒータを発熱駆動する活性化維持期間と、検知素子の活性化を促進するために、活性化維持期間に先立ってヒータを活性化維持電圧よりも高い活性化促進電圧にて発熱駆動する活性化促進期間とを有するものとすることができる。活性化の促進は、活性化維持期間よりも高温で検知素子を予熱することにより、検知素子の表面からの吸着ガス分子の脱着を促すことにより行われる。
【0018】
検査時の検知素子には、前記した通り、実使用時よりも強固にガス吸着していることが多く、吸着ガス分子の脱着にも長時間を要する。従って、検査前の検知素子を検査処理に先立つ別段取りにより予熱処理して、吸着ガス分子を十分に脱着しておくことが望ましい。このような処理を経た後、速やかに検知素子の検査を行なうようにすれば、予熱による活性化促進は実使用時よりもむしろ短時間で済むか、あるいは省略しても問題がなくなる。この場合、検査検知用ヒートパターンの活性化促進期間は、実検知用ヒートパターンの活性化促進期間よりも短く設定しておくことができる。このような活性化促進期間の短い検査検知用ヒートパターンを用いれば、実検知用ヒートパターンを用いる場合と比較して、活性化促進期間が短い分だけ検査処理(検査検知)を短時間で終わらせることができる。
【0019】
検知素子の活性化促進のための予熱は、例えば専用の予熱炉を用いて行なうこともできるが、予熱温度が基板の半田リフロー温度よりも高ければ、基板実装前に予熱を行なう必要がある。この場合、予熱後に基板への実装工程が挟まるので、その間に再び検知素子へのガス吸着が進行してしまう懸念がある。そこで、基板に実装された検知素子活性化用のヒータを用いれば、検知素子を選択加熱できるので基板実装後であっても予熱を問題なく行なうことができる。この場合、検査用ヒートパターンとして、検査検知に先立って検知素子を予熱処理するために、ヒータを活性化維持電圧よりも高い活性化促進電圧にて発熱駆動する検査予熱用ヒートパターンを用意しておくことができる。こうすれば、予熱用のプログラムを検査側の装置(検査用の測定装置であってもよいし、測定装置とは別途用意された予熱制御装置であってもよい)に用意しておく必要がなくなるので、便利である。
【0020】
この場合の検査方法は、具体的には、上記本発明のガスセンサ制御装置を用い、検査検知に先立って、検査予熱用の装置に該ガスセンサ制御装置を接続し、その状態で検査予熱用ヒートパターンを選択し、該検査予熱用ヒートパターンに従ってヒータ制御駆動部がヒータを発熱駆動することにより検知素子を予熱処理する。検査予熱用の装置を検査処理用の装置と別に用意し、上記方法により検知素子の予熱処理を検査処理に先立つ別段取りにて実施しておけば、複数のガスセンサに対して検査処理と予熱処理とを並列に行なうことができ、検査処理のタクトタイムを大幅に短縮することができる。
【0021】
なお、本明細書の特許請求の範囲において各要件に付与した符号は、添付の図面の対応部分に付された符号を援用して用いたものであるが、あくまで発明の理解を容易にするために付与したものであり、特許請求の範囲における各構成要件の概念を何ら限定するものではない。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態につき図面を用いて説明する。
図1(a)は、ガスセンサユニット(ガスセンサ制御装置)の一例を示すものである。このガスセンサユニット1は自動車等の車両に取り付けて使用され、外気取入用ダクト内の排気ガス濃度変化をガスセンサにより検知して、内気循環用ダクトに自動切換えするために用いられるものである。
【0023】
ガスセンサ4は、被検知ガス取入口4dが形成されたケース4cの内部に、排気ガス分子の吸着により電気抵抗値を変化させる、金属酸化物半導体からなる検知素子5(図2)と、その検知素子5の検知能を活性化するためのヒータ51とを組み込んだものである。このガスセンサ4が、ワンチップマイコンIC10と、コンデンサや抵抗器からなる周辺回路部品7とからなる制御装置9とともに、基板3に一体的に組み付けられている。基板3は、プラスチック製のケース19,17内に封入され、ケース19にはコネクタ15と、ガスセンサ4を収容するととともに複数のガス導入孔18が設けられたセンサ収容部16とが形成されている。コネクタ15内には、ガスセンサユニット1を自動車あるいは後述する検査装置に接続するためのヒータ電源端子48a、センサ出力端子48b及び接地端子48cからなる端子群48が設けられている。端子部48は、基板3に設けられた端子穴3hに挿通され、この端子穴3hの周囲に形成された金属パッドを介して、基板3上の制御装置9の配線パターンに半田付け接続されている。
【0024】
図2は、制御装置9の電気的構成を示す回路図である。制御装置9の要部はCPU53、RAM54、ROM55及びデータ入出力インターフェース(以下、「I/O」と略記する)56を有するコンピュータ50であり、マイコン10を構成している。主電源は自動車に搭載されたバッテリー75であり、このバッテリー電圧VBT(定格:+12V)を元に、電源回路80が、マイコン10等の駆動及び信号源に使用される電源電圧VCC(+5V)を生成・供給する。電源回路80は、三端子レギュレータ77を用いた周知の安定化電源回路として構成され、符号76はバッテリー電圧VBTのリップルを除去するための平滑化用コンデンサであり、符号78,79は三端子レギュレータ77の発振防止用のコンデンサである。
【0025】
ガスセンサ4の検知素子5は、CO、HCなどの還元性ガスを検知する第一種検知素子5aと、NOxなどの酸化性ガスを検知する第二種種検知素子5bとを有する。前者は、還元性ガス分子吸着により電気抵抗率を減少させる酸化物薄膜(例えばSnO2)、後者は酸化性ガス分子吸着により電気抵抗率を増加させる酸化物薄膜(例えばWO3)により形成される。図1(b)に示すように、第一種検知素子5aと第二種検知素子5bとは、ヒータ51とともにセラミック基体5c上に一体的に形成されている。なお、本実施形態では、第一種検知素子5a及び第二種検知素子5bの各出力端子5t1、5t2と、両素子5a、5bの間で共用される接地端子5tgが設けられている。また、ヒータ用の入力端子は5t3であり、接地側の端子は両素子5a、5bの接地端子5tgと共用化されている。
【0026】
図2に示すように、上記いずれの検知素子5a,5bも、分圧抵抗67あるいは分圧抵抗68が直列接続され、検知素子5a,5bの抵抗変化に応じた分圧比により、電源電圧VCCを分割する。なお、分圧抵抗67,68の一端が接地されるようにして、検知素子5a,5bはそれぞれ直列接続される。そして、それら分圧抵抗67,68との接続点に生ずる各分圧電圧がアナログセンサ出力VXg,VXdとして、I/O56のポートP1,P2にそれぞれ入力される。これらセンサ出力VXg,VXdは、CPU53がRAM54をワークエリアとして、ROM55に記憶された検知プログラム155を実行することにより、ガス濃度データとされ、I/O56のポートP5から、コネクタ15の端子48bを介してアナログのガス濃度信号FCSとして出力される。2つの検知素子5a,5bからのガス濃度信号FCSは、例えば検知プログラム155による時分割出力処理により、1つの端子48bを用いて出力できる。
【0027】
図3に示すように、このガス濃度信号FCSは、コネクタ15を介して接続されたフラップ制御装置100に入力される。フラップ制御装置100は、ガス濃度信号FCSをもとに、アクチュエータ103を動作させてフラップ105を移動させる。そして、このフラップ105の位置により、車両内の内気を循環させるための内気循環用ダクト109と、外気を導入するための外気取入用ダクト107とのいずれかが、メインダクト101に切り替え可能に接続される。なお、メインダクト101内には、空気を圧送するファン111が設置されている。
【0028】
図2に戻り、バッテリー電圧VBTは、コネクタ15の端子48aから受電される。該バッテリー電圧VBTは、抵抗器69及び70により分圧調整された後、バッテリー電圧監視信号RRTとして、I/O56のポートP3に入力される。一方、バッテリー電圧VBTはヒータ制御用トランジスタ74を介してヒータ51に供給される。本実施形態ではヒータ制御用トランジスタ74はpチャネル型MOS−FETにより構成され、そのゲート入力(抵抗器71,72により分圧調整されたバッテリー電圧VBTである)が、バイポーラトランジスタからなるゲート駆動トランジスタ73によりスイッチング駆動される。
【0029】
ゲート駆動トランジスタ73のベースには、I/O56のポートP4から出力される設定電圧値に応じたデューティ比DRVを有するPWM信号が抵抗器73bを介して入力される。これにより、ヒータ制御用トランジスタ74が該ゲート駆動トランジスタ73を介してデューティ比DRVにてスイッチングされ、ヒータ51の出力(ヒータ51への供給電力)が、そのデューティ比DRVに対応した値に調整される。なお、抵抗器73aは、ゲート駆動トランジスタ73の残留電荷を引き抜いて、ゲート駆動トランジスタ73のONからOFFへのスイッチング速度を向上させる役割を果たす。なお、ポートP1、P2、P3は、コンピュータ50側にA/D変換機能が内蔵されており、アナログ信号を直接入力できる。また、ポートP4、P5は、PWM信号を出力するポートである。
【0030】
コンピュータ50のROM55には、製品出荷後のガスセンサ4(図1のセンサユニット1の状態である)を、自動車の外気取入用ダクト107(図3)に実装し、該ダクト107内の排気ガス検出に実使用する際に用いる実検知用ヒートパターン157と、製品出荷前のガスセンサ4を検査するために用いる、上記実検知用ヒートパターン157とは異なる検査用ヒートパターン158,159とが記憶されている。これらのヒートパターン157〜159は、外部から取得する選択信号RSSに対応したものが選択され読み出される。CPU53は、当該選択されたヒートパターンを用いて、ROM55に記憶されたヒータ制御プログラム156により、ヒータ51を前記したPWM制御により発熱駆動する。なお、選択信号RSSの検出は、後述するがI/O56のポートP3に入力される電圧監視信号RRTに基づき行なわれる。
【0031】
図1のセンサユニット1のコネクタ15は、実使用時には、図2に示す自動車側のコネクタ215に接続される。ヒータ電源端子48aは、バッテリー電圧VBTの供給端子215aに、センサ出力端子48bはフラップ制御装置100(図3)への信号供給端子215bに、接地端子48cは自動車側の接地端子215cにそれぞれ接続される。また、検査時には、図4に示す検査装置365側のコネクタ215に接続される。ヒータ電源端子48aは、検査装置365の電源回路266からの電源供給端子215aに、センサ出力端子48bは検査用コンピュータへのセンサ出力入力端子215bに、接地端子48cは接地端子215cにそれぞれ接続される。後述する通り、ヒータ電源端子48aは選択信号RSSの入力端子も兼用する。
【0032】
図10は、ヒータ制御プログラム156(図2)の処理の流れを示すものである。S1(Sはステップの略記)では、処理に使用するRAM54内の各種メモリエリアを初期化する。ついで、S2でポートP3を通じて、電圧監視信号RRTを取得する。そして、S3において、ヒートパターンの選択信号(RSS)の検出処理をI/O56のポートP3に入力される電圧監視信号PRTに基づいて行い、その選択信号の内容に応じてヒートパターンを選択する。このS3の選択信号検出処理は図12に示すものであるが、詳細は後述する。そして、S4においては、選択されたヒートパターンに応じたヒータ駆動処理を実行する。S4のヒータ駆動処理の詳細についても後述する。その後、電圧監視信号RRTの取得のためのサンプリングタイムである0.4秒の経過を待ち、S2に戻る。本実施形態においては、ROM55内に記憶された選択可能なヒートパターンとして、図6に例示するようなヒートパターン157,158,159が用意されている。
【0033】
本実施形態においては、検査用ヒートパターンとして、例えば図6に示すような、検査用ガスを用いた検査検知を行なう検査検知用ヒートパターン159が用意されている。実検知用ヒートパターン157と検査検知用ヒートパターン159とは、いずれも、検知素子5の温度を活性化状態に維持可能な一定の活性化維持電圧V3によりヒータを発熱駆動する活性化維持期間167を有する。また、実センシング用ヒートパターン157については、検知素子5の活性化を促進するために、活性化維持期間167に先立ってヒータ51を活性化維持電圧V3よりも高い活性化促進電圧V1,V2にて発熱駆動する活性化促進期間165,166,168が設定されている。検査検知用ヒートパターン159についても、活性化維持期間167に先立ってヒータ51を活性化維持電圧V3よりも高い活性化促進電圧V1にて発熱駆動する活性化促進期間165を設定しているが、この活性化促進期間165は、実検知用ヒートパターン157の活性化促進期間165,166,168よりも短く設定されている。このような活性化促進期間の短い検査検知用ヒートパターン159を用いれば、実検知用ヒートパターン157を流用する場合と比較して、活性化促進期間が短い分だけ検査処理(検査検知)を短時間で終わらせることができる。
【0034】
実検知用ヒートパターン157の活性化促進期間165,166,168には、活性化維持電圧V3よりも高い第一活性化促進電圧V1にて一定保持する第一活性化促進期間165と、該第一活性化促進電圧V1と活性化維持電圧V3との中間に設定された第二活性化促進電圧V2にて一定保持する第二活性化促進期間166とが設定されている。活性化促進期間の後半において、活性化促進電圧を、活性化維持電圧V3に近づくように段階的又は連続的に減少させることにより、検知素子5の活性化を促進させて、ひいては、検知素子5をより早期に定常測定可能な状態とすることができる。本実施形態では、ヒータ温度を目標温度により早く近づけるため、第一活性化促進電圧V1から第二活性化促進電圧V2へ電圧を階段状に減少させた後、期間168において活性化維持電圧V3に向けて電圧を漸減させるようにしている。なお、第二活性化促進電圧V2から活性化維持電圧V3に向けて電圧を徐々に近づけるように変化させることで、ヒータ51に電圧の急変に伴なうヒートショックを緩和させている。
【0035】
他方、検査検知用ヒートパターン159の活性化促進期間165には、第一活性化促進電圧V1による第一活性化促進期間165のみが、実検知用ヒートパターン157の活性化促進期間の全体165,166,168より短くなるように設定されている。これは、後述する検査時の予熱後において、可及的速やかに検査処理に移行したとしても、検知素子5には多少の吸着が生ずるので、第一活性化促進期間165のみからなる短時間の活性化処理を行なうことにより、この吸着の影響を軽減することができる。また、第一活性化促進期間165を実検知用ヒートパターン157との間で共用化できるから、ROM55内に記憶するヒートパターンデータのサイズを少なくすることができる。
【0036】
一方、検査用ヒートパターンとしては、検査検知に先立って検知素子5を予熱処理(エージング処理)するために、ヒータ51を活性化維持電圧V3よりも高い活性化促進電圧V1,V2にて発熱駆動する検査予熱用ヒートパターン158が別途用意されている。この検査予熱用ヒートパターン158は、検知素子5を検査検知に先立つ別段取りにより予熱処理し、吸着ガス分子を十分脱着するために使用されるものである。この予熱処理は、ガスセンサ4(ガスセンサユニット1)を、図5に示すように雰囲気形成用チャンバ90内に配置し、検査予熱用ヒートパターン158に従ってヒータ51を発熱駆動しつつ、該チャンバ90内にエージング用ガスTGSを導入することにより行なわれる。このような予熱処理が検査検知とは別段取りの形で並列に行われることにより、検査検知用ヒートパターン159を用いることによる検査処理の時間短縮を、検査処理のタクトタイム短縮に直結させることが可能となる。
【0037】
検査予熱用ヒートパターン158には、第一活性化促進電圧V1にて保持される第一予熱期間265と、第二活性化促進電圧V2にて実検知用ヒートパターン157の第二活性化促進期間166よりも長時間保持される第二予熱期間266が設けられている。検査時の検知素子5に強固にガス吸着している場合でも、上記のような第二予熱期間266を設けることで、ガス分子の脱着を速やかに行なうことができ、検査測定(検査センシング)時の検査用ガスに対する検知素子5の感度を高めることができる。なお、より高電圧の第一予熱期間265を設けるのは、ヒータ51の温度を、第二予熱期間266での目標定常温度に早期に到達させるためである。
【0038】
なお、実検知用ヒートパターン157及び検査検知用ヒートパターン159の各第一活性化促進期間165と、検査予熱用ヒートパターン158の第一予熱期間265とは同一時間に設定されている。これにより、第一活性化促進期間165と第一予熱期間265とのヒートパターンデータを共用化でき、ROM55内のデータサイズ縮小効果をより高めることができる。
【0039】
次に、選択信号RSSとして、上記のヒートパターン157,158,159に一対一に対応した、図7〜図9に例示するような複数の信号データパターン161,162,163が定められている。選択信号RSSのパターンは、コンピュータ50のデータ入出力インターフェース56において予め定められた1つのポートP3に電圧監視信号RRTに調整されて入力される。つまり、コンピュータ50への入力電圧レベルを5V以下に調整するため、図2に示したように抵抗器69、70で選択信号RSSを所定の割合(具体的には1/4)に分圧して、電圧監視信号PRTとしてポートP3に入力される。そして、ヒートパターン選択手段として機能するCPU53は、当該ポートP3に入力された選択信号RSSの信号データパターンを読み取って識別し、対応するヒートパターンをROM55から読み出す。この方法によると、CPU53はポートP3を監視することにより、選択信号RSSの信号データパターンの識別を簡易な処理にて迅速に行なうことができる。
【0040】
なお、監視すべきポートの数は増加するが、複数のポートに選択信号を入力可能としておき、どのポートに選択信号が入力されたかにより、選択すべきヒートパターンを特定するようにしてもよい。また、割り込み信号入力端子(INT1,INT2)にエッジトリガ信号を入力し、ヒートパターンの選択を割り込み処理にて行なうようにしてもよい。この場合は、コネクタ15に、割り込み信号を取り扱うための端子を別途設ける必要がある。
【0041】
本実施形態においては、ヒータ電源電圧VBTはバッテリー電圧であり、負荷変動やオルターネータからの交流重畳、さらにはバッテリーの劣化状況等により、9V〜16Vの比較的広い範囲で変動する。これをヒータ51の電源として用いる場合、DC−DCコンバータなどの電源を用いて安定化してから用いる方法もある。しかし、ヒータ51が比較的大きな電力を消費することもあって、電源回路の追加に相当のコストを要する問題がある。特に、図2に示すような小型のセンサユニットが求められる場合には、大型電源の搭載がスペース上不可能であることも多い。
【0042】
そこで、上記の実施形態にあっては、ヒータ制御部として機能するコンピュータ50は、電圧変動の見込まれるヒータ電源電圧VBTの電圧値RSSを電圧監視信号RRTとして測定し、ヒートパターン157が規定する目標ヒータ出力値が得られるように、測定された電圧値に応じてデューティ比DRVを定める。そして、該デューティ比DRVによりヒータ電源電圧VBTを、トランジスタ73,74を用いてスイッチングするにより、ヒータ51の出力を制御する。このようにすると、電源電圧VBTが変動しても、これをリアルタイムに測定し、その電源電圧VBTを用いたときに、要求されるヒータ出力Wを充足するデューティ比DRVをその都度算出して設定するので、高価な電源ICを用いずともヒータ出力を正確にコントロールすることが可能である。
【0043】
図11に、図10に示すメインルーチンのS4におけるヒータ駆動処理の流れを示す。なお、図11に処理を行うにあたって、図10のS1の初期化処理において、電力指示値W(W1、W2、W3)が設定されている。ここで、電力指示値Wの初期値については、本実施形態では、7V相当の電圧をヒータ51に印加する際のデューティ比DRV(以下、第1デューティ比DRV1という)を算出するための初期値W1=49(=7Vの2乗)、6.3V相当の電圧をヒータ51に印加する際のデューティ比DRV(以下、第2デューティ比DRV2という)を算出するための初期値W2=40(=6.3Vの2乗)、5V相当の電圧をヒータ51に印加する際のデューティ比DRV(以下、第3デューティ比DRV3という)を算出するための初期値W3=25(=5Vの2乗)を設定している。電圧に対し電力は電圧の2乗の関係を有するからである。
【0044】
まず、S51にて、図10のメインルーチンの処理が開始してからタイマ変数が10秒を経過したか否か判断する。経過前の場合にはS52に進み、経過した場合にはS54に進む。
【0045】
S52では、取得した電圧監視信号RRTの電圧値VS(選択信号RSSの電圧値を1/4に分圧した値)を用いて、第1デューティ比DRV1を、DRV1=W1/(VS/4)2(=W1/RSSの電圧値の2乗)によって算出する。その後、S53において、得られた第1デューティ比DRV1に従ってポートP4よりPWM出力し、ヒータ51を第1デューティ比DRV1でパルス駆動する。このようにして、ヒータ51には、7V相当の電圧を印加したのと同様の電力が投入される。
【0046】
一方、S51にて肯定判定されてS54に進むと、検査予熱用ヒートパターンが選択されているか否かを判断する。検査予熱用ヒートパターンが選択されている場合にはS57に進み、選択されていない場合にはS55に進む。S57では、取得した電圧監視信号RRTの電圧値VS(選択信号RSSの電圧値を1/4に分圧した値)を用いて、第2デューティ比DRV2を、DRV2=W2/(VS/4)2(=W2/RSSの電圧値の2乗)によって算出する。その後、S58において、得られた第2デューティ比DRV2に従ってポートP4よりPWM出力し、ヒータ51を第2デューティ比DRV2でパルス駆動する。このようにして、ヒータ51には、6.3V相当の電圧を印加したのと同様の電力が投入される。
【0047】
一方、S54で否定判定されると、S55にて検査センシング用ヒートパターンが選択されているか否かを判断する。検査センシング用ヒートパターンが選択されている場合にはS61に進み、選択されていない場合にはS56に進む。S61では、取得した電圧監視信号RRTの電圧値VS(選択信号RSSの電圧値を1/4に分圧した値)を用いて、第3デューティ比DRV3を、DRV3=W3/(VS/4)2(=W3/RSSの電圧値の2乗)によって算出する。その後、S62において、得られた第3デューティ比DRV3に従ってポートP4よりPWM出力し、ヒータ51を第3デューティ比DRV3でパルス駆動する。このようにして、ヒータ51には、5V相当の電圧を印加したのと同様の電力が投入される。
【0048】
S55にて否定判定されると、S56にて図10のメインルーチンの処理が開始してからタイマ変数が40秒を経過したか否か判断する。経過前の場合にはSS57に進み、経過した場合にはS59に進む。なお、このS56に進んだ場合には、検査予熱用ヒートパターン、検査センシング用ヒートパターンのいずれも選択されなかったことになり、実センシング用ヒートパターンが選択されたことになる。
【0049】
S56にて否定判定された場合のS57以降の処理は、上述した通りである。一方、S56にて肯定判定されてS59に進むと、S59では、初期値W2が初期値W3と比較され、W2>W3のときには、S60に進む。S60では、初期値W2が、W2=W2−Δの式によって漸減処理される。本実施形態では、Δ=0.2とした。従って、S60を75回通過すると、つまり30秒(=75×0.4)経過すると、S59でW2≦W3となり肯定判定され、S61に進む。S61以降の処理については、上述した通りである。
【0050】
なお、S60の漸減処理が行われてS57に進んだ場合の当該S57以降の処理は上述した通りである。但し、S60で初期値W2を漸減させているので、S57で算出される第2デューティ比DRV2は、S56で否定判定された場合にS57にて算出される第2デューティ比DRV2より次第に小さくなる。
【0051】
このようにして、図11に示すヒータ駆動処理では、図10のS3にて選択されるヒートパターンに応じて、実センシング用ヒートパターン、検査予熱用ヒートパターン、検査センシング用ヒートパターンの3種を実行する。なお、実センシング用ヒートパターン、検査予熱用ヒートパターン、検査センシング用ヒートパターンは、いずれが選択される場合にも図11に示すS51〜S53の処理は共通して実行される。これは、上述したように本実施形態では、7V相当の電圧を印加したのと同様の電力を投入する第1活性化促進期間165及び265を各ヒートパターンにおいても共通化させるようにして行っているからである。
【0052】
なお、図10のメインルーチンにS4として示すヒータ駆動処理を行うにあたっては、図11に示したように演算式を用いてデューティ比DRVを算出する方法に限られず、マッピング処理によってデューティ比を算出するようにして行ってもよい。具体的には、図13に示すように、種々の電圧監視信号RRTの電圧値V1、V2、・・・・Vnにおいて目標電力値W1、W2、・・・・Wnを与えるデューティ比DRij(i=1、2、・・・・n、j=1、2、・・・・n)の二次元のデューティ比変換テーブル(図2参照)を用意しておき、サンプリングされる電圧監視信号RRTの電圧値と目標電力値Wに対応するデューティ比DRijの値を各ヒートパターンに沿って読み取り、そのデューティ比DRij用いることもできる。なお、電圧監視信号RRTと目標電力値の組みに直接対応するデューティDRijがテーブル160上に見出されなかった場合は、補間により算出することができる。
【0053】
本実施形態においては、実使用時のガスセンサ実装先、ここでは自動車のバッテリー75から供給されるヒータ電源電圧VBTを、実検知用ヒートパターン157の選択信号RSSとして流用する。他方、検査時にガスセンサ4が接続される検査側装置(本実施形態では、予熱装置を兼用した検査装置である)365にて、バッテリー75とは別途の電源電圧を用いて、選択信号RSSとして意味付けられた経時的な電圧変化パターンを伴う電圧信号162,163(図8、図9)を生成し、該電圧信号を検査用ヒートパターンの選択信号RSSとして用いる。
【0054】
この構成の利点は、以下の通りである。従来においても、自動車等の実装先にこの種のガスセンサを接続する場合は、図1のような3つの端子48a〜48cを有するコネクタ15が使用される。先にも記載したように、この3つの端子は、ヒータ電源端子48a、センサ出力端子48b及び接地端子48cである。しかし、本発明のように、検査用のヒートパターンの選択信号RSSを制御装置9に入力できるようにする場合、選択信号RSSの入力系統を新たに設ける構成では、コネクタ15に新たに選択信号RSSの入力端子を増設するなど、検査のみの目的でハードウェア上の構成変更が必要となり、無駄が多い。また、コネクタが相違したのでは、従来型のセンサとの互換性も当然確保できない。
【0055】
しかしながら、図8及び図9に示すように、1つの電源電圧を用いて、選択信号RSSとして意味付けられた経時的な電圧変化パターンを伴う電圧信号162,163を生成し、これを選択信号RSSとして用いれば、電源電圧をI/O56のポートP3を介して監視することにより、特にハードウェア上の変更を伴うことなく、制御装置9は選択信号RSSの信号データパターンを認識することが可能となる。ここで、図7に示すように、信号認識のために予め定められた期間(以下、信号識別期間という:0<T<T4)中、閾電圧Vbよりも低レベルに維持される電源電圧波形161を、実使用時であることを識別するための選択信号RSSとして用いることができる。また、検査用ヒートパターン158,159が、ノイズ等の影響により実使用時に誤動作する不具合を防止する観点から、検査用ヒートパターン158,159として定められた電源電圧波形(図8、図9)以外の波形が認識された場合は、一律に実使用時であると判定するようにしてもよい。
【0056】
選択信号は、例えば、2つの異なる電圧レベルの変化エッジを含む信号とすることができる。この変化エッジの、信号識別期間内における有無あるいは数、変化エッジの時間的位置、あるいは変化エッジの向き(つまり、高レベル電圧から低レベル電圧への変化であるか、あるいはその逆であるか)の少なくともいずれかを検出することにより、選択信号の種別を識別することができる。変化エッジを形成するための、2つの電圧レベルの差は、例えば1.5〜5V程度に設定することが望ましい。1.5V未満では変化エッジの誤検出が生じやすくなり、5Vを超えると、電圧レベルの差をマイコンの動作電圧の範囲内に収め切れなくなる。
【0057】
電源電圧を2つの異なる電圧レベルの変化エッジを含む選択信号に変化させる方法は特に限定されないが、その一例を図4に示す。図4の信号発生回路365は、電源回路266の出力電圧VSS(16V:第1電圧)を分岐して、安定化電源回路270及び271(例えば、DC−DCコンバータで構成できる)により、12.5V(第二電圧:第一電圧より低い)及び5V(第三電圧:第二電圧より低い)の定電圧を生成する。16V及び12.5Vの各電圧は、スイッチ素子(リレーあるいはトランジスタで構成される)268及び269により切り換え出力される。5Vの電圧はその切り換え制御に使用する。
【0058】
具体的には、該5V電圧は、最終的な信号波形に対応した周波数で発信する発振器272によりパルス化され、バイナリカウンタ276に入力される。バイナリカウンタ276はそのパルスを受けてカウントアップするとともに、各ビットの出力が、ANDゲートを組み合わせて構成されたマルチプレクサ273に入力される。マルチプレクサ273には、別途設定された回数設定信号が入力されており、カウント数が最終的な信号波形に必要な電圧切り換え回数に到達すると、該マルチプレクサ273は回数一致信号CSを出力する。この回数一致信号CSは、その後、バイナリカウンタ276がさらにカウントアップしてもアクティブレベルを保持するように、D型フリップフロップ274を介して最終段のスイッチ駆動ゲート275の一方の端子に入力され、他方の端子には、発振器272からの出力が入力される。該スイッチ駆動ゲート275はOR回路であり、少なくとも一方の入力がアクティブとなったときに、出力がアクティブとなる。そして、その出力は、スイッチ268と269との一方にはそのままの形で、他方にはインバータ276により反転させた形で、それぞれ入力される。その結果、カウント数が設定回数に到達するまでは16Vと12.5Vとが交互に切り換わり、以降は12.5Vが保持される波形が生成される。このようにして、図8あるいは図9に示すような、2レベル間で電圧がステップ状に変化する信号波形を形成することができる。
【0059】
なお、変化エッジの検出は、電源電圧をI/O56のポートP3を介して監視して、予め定めた閾値Vbよりも高レベルの電圧(VH)と、同じく低レベルの電圧(VL)との間で変化が起きたかどうかを調べることにより検出ができる。他方、先に測定した電圧レベルを記憶しておき、これを現在の電圧レベルと比較して、予め定められた幅(例えば3V)以上の電圧変化が現れた場合にエッジ検出とする方法も採用可能である。
【0060】
図12は、図10に示すメインルーチンのS3における選択信号検出処理、すなわち電源電圧に反映された選択信号RSSを検出する処理の流れを示すものである。この例では、閾電圧Vbとの大小関係を用いて電圧エッジ検出を行っている。まず、S101で、図10に示すS2にて検出された電圧監視信号RRTの電圧値Vsをリードする。S102ではその値が閾値Vbより小さいかどうかを判定し、Vs>VbであればS103に進んで、エッジ検出フラグFLをリードする。このフラグは、先の測定でVs>Vbであったとき第一値(以下、「1」とする)、Vs<Vbであったとき第二値(以下、「0」とする)に設定されるものであり、初期化処理においては、本実施形態では「0」に設定される。もしその値が「0」(つまり、先の測定でVs≦Vb)であったなら、現在はVS>Vbであるから、VL→VHの電圧エッジが生じたことになる。
【0061】
本実施形態では、ノイズ等による誤検出を防止するために、S104〜S106において、エッジが出現すべきタイミングであるかどうかを確認する処理を行っている。図7〜図8に示すように、この例では、検査予熱用ヒートパターンの選択信号は、T=T1,T3にてVH→VLの電圧エッジを、T=T2にてVL→VHの電圧エッジをそれぞれ含み、検査検知用ヒートパターンの選択信号はT=T1,T3にてVH→VLの電圧エッジ(以下、第一種エッジという)を、T=T2,T4にてVL→VHの電圧エッジ(以下、第二種エッジという)をそれぞれ含む。従って、第二種エッジ判定を行なうS104〜S106では、エッジ検出された時刻のタイマー値Tをリードし(S104)、それがT2,T4からそれぞれ時間αまでの範囲内に収まっているかどうかを判定する(S105,S106)。収まっていれば、S107で第二種エッジの検出数カウンタEiをインクリメントし、S108でエッジ検出フラグFLを「0」とする。
【0062】
他方、S102でVs≦VbであればS109へ進み、エッジ検出フラグFLをリードする。もしその値が「1」(つまり、先の測定でVs>Vb)であったなら、現在はVS>Vbであるから、VH→VLの電圧エッジ、つまり第一種エッジが生じたことになる。S110〜S112は、エッジが出現すべきタイミングであるかどうかを確認する処理であり、S110ではエッジ検出された時刻のタイマー値Tをリードし、それがT1,T3からそれぞれ時間αまでの範囲内に収まっているかどうかを判定する(S111,S112)。収まっていれば、S113で第一種エッジの検出数カウンタEjをインクリメントし、S115でエッジ検出フラグFLを「1」とする。
【0063】
S115では再びタイマー値Tをリードし、信号識別期間の終了時刻T5(例えば、75秒)に到達したかどうかを確認する。到達していなければ本選択信号検出処理を抜けメインルーチン(図10)に戻る。他方、到達していれば、(Ej,Ei)の値の組をリードし、この値が(2,2)であれば、図9の検査検知用ヒートパターンの選択信号163が検出されたことを意味するから、S119に進んで検査検知用ヒートパターンの選択を行なう。また、(Ej,Ei)が(2,1)であれば、図8の検査予熱用ヒートパターンの選択信号162が検出されたことを意味するから、S120に進んで検査予熱用ヒートパターンの選択を行なう。そして、(Ej,Ei)がそれ以外の値であれば、実検知用ヒートパターンとなり、本選択信号検出処理を抜けメインルーチン(図10)に戻る。
【0064】
なお、選択信号検出処理のループは上記S102〜S114の各ステップを含むが、そのループ繰返し周期は、どの分岐処理を行なうかによって変動はするものの、ほぼ一定の時間内に収まっている。このことに着目して、本実施形態では処理の迅速化を図るため、ポートリード時にその都度タイマーにアクセスすることは行なっていない(つまり、ポートアクセス周期は、分岐処理の内容によって変動する)。その代わり、エッジが現れたときにはタイマーで現在時刻Tを確認するとともに、ループ繰返し周期の変動幅を見込んでタイミング判定マージンαを定め、αの範囲内に現在時刻Tが収まっていればエッジ検出として判定するようにしてある。
【0065】
また、エッジ検出フラグFLを立てる代わりに、前回の電圧測定値Vaそのものを記憶し、現在の測定値Vbとの差ΔVS=Vb−Vaを算出して、その差ΔVSが+ΔVS0以上(Va>Vbなので第一種エッジ)、あるいは−ΔVS0以下(Va<Vbなので第二種エッジ)となっているかどうかを判定するようにしてもよい。
【0066】
また、上記実施形態では、選択信号をエッジ優先の信号として形成していたが、レベル優先の信号を使用することもできる。図14は、2レベルの電圧の一方(図ではVL)に保持される時間Thにより、選択信号の識別を行なう例を示している。
【0067】
検査工程を含めた上記ガスセンサユニット1の製造工程の概略は、例えば以下のように実施することができる。すなわち、図1のようなガスセンサユニット1を組み立てた後、図5に示す雰囲気形成チャンバ90内に配置し、さらに予熱処理用制御装置に接続する。このよう予熱処理用制御装置は予熱処理用の選択信号RSSを送信する機能を有していればよく、例えば単なる信号発生装置として構成しておくだけでもよいが、本実施形態では図4に示す検査装置365に兼用させている。次に、雰囲気形成チャンバ90内にエージング用ガスTSGを導入する。エージング用ガスTSGは、還元性ガス(例えばCO)に対する選択性を有した第1種検知素子5aの予熱処理を行う場合には、検査検知時の後述する検査用ガスよりも高濃度に還元性ガス成分を含有したものを使用する。また、酸化性ガス(NO2)に対する選択性を有した第二種検知素子5bの予熱処理を行う場合には、検査検知時の後述する検査用ガスよりも高濃度に酸化性ガス成分を含有したものを使用する。もちろん、これら2つの検知素子5a、5bの予熱処理を個別に行うことができる。この状態で、予熱処理用制御装置(検査装置365)側から予熱処理用の選択信号RSSをガスセンサユニット1の制御装置9に送信する。これを受けた制御装置9は、検査予熱用ヒートパターン158(図6)を選択し、ヒータ51を該ヒートパターン158に従って発熱駆動することにより、予熱処理を行う。
【0068】
予熱処理が終了したガスセンサユニットは、図4に示すような検査装置365に接続する。検査装置365は、検査検知用の選択信号(図9に示す符号163)を制御装置9に送信する。該選択信号を受けたガスセンサユニットの制御装置9は、検査検知用ヒートパターン159(図6)を選択し、ヒータ51を該ヒートパターン158に従って発熱駆動する。既に予熱が終了しているので、第一活性化促進期間165のみ短縮された活性化処理がなされ、活性化維持期間167に移行後、ヒータ温度が安定化する一定時間が経過した後、検査処理が可能となる。
【0069】
検査処理は、ガスセンサ4を図5に示した雰囲気形成用チャンバ90と同様の構造の検査用チャンバ内に配置させ、例えば検査用ガスをチャンバ内に供給して、ガス濃度信号FCSをモニタすることにより行なうことができる。図4において、コネクタ15のセンサ出力端子48からガス濃度信号FCSが検査用コンピュータ267に入力され、例えばガス濃度信号FCSがハイレベル出力を出力しているかどうかにより、良・不良の判定がなされる。つまり、ガス濃度信号FCSをハイレベル出力とさせるべき所定濃度の特定ガス(還元性ガス、酸化性ガス)を含んだ検査用ガスを、チャンバ内に予め決められたタイミングで供給したときに、検知素子5a、5bの活性化が早期に進む場合には、検知素子5a、5bの検知能に優れる(換言すれば、特定ガスに対する検知素子5a、5bの抵抗Rg、Rdの変化が大きく現れる)ことから、検査用ガスの供給を受けてハイレベル出力を示す(良判定を示す)ことになるのである。不良判定されたセンサユニットはロットから除外・選別され、良判定されたセンサユニットのみが出荷される。出荷されたガスセンサユニットは、図3に示すように自動車のフラップ制御装置100に接続される。バッテリー75からの電源電圧を受電した制御装置9は、図7のようなほぼ一定の電源電圧を、実検知の選択信号として認識し、図6の実検知用ヒートパターン157を選択して、フラップ制御用のガス検知に実使用される。
【図面の簡単な説明】
【図1】ガスセンサユニットの構成例を示す分解斜視図。
【図2】本発明に係るガスセンサの制御装置の、内部構成の一例を示す回路図。
【図3】図1のガスセンサユニットの実装先の一例として、車両用フラップ制御装置を模式的に示す図。
【図4】検査装置の構成例を示すブロック図。
【図5】予熱処理の様子を示す概念図。
【図6】ヒートパターンの設定例を示す図。
【図7】実検知用ヒートパターンの選択信号の例を示すタイミング図。
【図8】検査予熱用ヒートパターンの選択信号の例を示すタイミング図。
【図9】検査検知用ヒートパターンの選択信号の例を示すタイミング図。
【図10】ヒータ制御プログラムの処理フローの概略を示す図。
【図11】ヒータ駆動処理フローの概略を示す図。
【図12】選択信号の検出プログラムの処理フローの一例を示す図。
【図13】デューティ比設定テーブルの概念図。
【図14】選択信号の変形例を示す概念図。
【符号の説明】
4 ガスセンサ
5 検知素子
9 制御装置
50 コンピュータ(ヒートパターン選択手段、ヒータ駆動制御部50)
51 ヒータ
53 CPU
54 RAM
55 ROM(ヒートパターン記憶部)
RSS 選択信号
P1〜P5 ポート
3 基板
VBT ヒータ電源電圧
157 実検知用ヒートパターン
158 検査予熱用ヒートパターン
159 検査検知用ヒートパターン
165,166,168 活性化促進期間
167 活性化維持期間
165 第一活性化促進期間
166 第二活性化促進期間
265 第一予熱期間
266 第二予熱期間
365 検査装置
V1 第一活性化促進電圧
V2 第二活性化促進電圧
V3 活性化維持電圧
Claims (13)
- 加熱によりガス検知能が活性化される検知素子(5)と、該加熱を行なうために予め定められたヒートパターンに従い発熱駆動されるヒータ(51)とを有したガスセンサ(4)の制御装置であって、
製品出荷後のガスセンサ(4)を、所望の環境のガス検知に実使用する際に用いる実検知用ヒートパターン(157)と、製品出荷前のガスセンサ(4)を検査するために用いる、前記実検知用ヒートパターン(157)とは異なる検査用ヒートパターン(158,159)と、のいずれかを選択するヒートパターン選択手段(50)と、
当該選択されたヒートパターンに従い前記ヒータ(51)を発熱駆動するヒータ駆動制御部(50)と、
を有することを特徴とするガスセンサ制御装置。 - 前記実検知用ヒートパターン(157)と前記検査用ヒートパターン(158,159)とを記憶するヒートパターン記憶部(55)を有し、前記ヒートパターン選択手段(50)は、外部から取得する選択信号(RSS)に基づいて、前記ヒートパターン記憶部(55)から、その選択信号(RSS)に対応するヒートパターンを読み出すものである請求項1記載のガスセンサ制御装置。
- 前記ヒートパターン選択手段と前記ヒータ駆動制御部とは、CPU(53)、RAM(54)及びROM(55)を有するコンピュータ(50)上において、前記ヒートパターン記憶部となる前記ROM(55)内に記憶されたヒータ制御プログラム(156)を前記CPU(53)が実行することにより機能実現されるものであり、
前記選択信号(RSS)は、選択可能なヒートパターン(157,158,159)に一対一に対応した複数の信号データパターン(161,162,163)が予め定められており、前記コンピュータ(50)のデータ入出力インターフェース(56)において予め定められた1つのポート(P3)に前記選択信号(RSS)の信号データパターンが選択して入力され、前記ヒートパターン選択手段として機能する前記CPU(56)は、当該ポート(P3)に入力された信号データパターンを読み取って識別し、対応するヒートパターンを前記ROM(55)から読み出す請求項2に記載のガスセンサ制御装置。 - 前記検知素子(5)が前記コンピュータ(50)とともに同一基板(3)上に実装されている請求項3に記載のガスセンサ制御装置。
- 前記実使用時のガスセンサ実装先から供給されるヒータ電源電圧(VBT)を、前記実検知用ヒートパターン(157)の選択信号(RSS)として流用する一方、
検査時にガスセンサが接続される検査側装置(165)にて、別途の単一電源から供給される電源電圧を用いて、前記選択信号(RSS)として意味付けられた経時的な電圧変化パターンを伴う電圧信号(162,163)を生成し、該電圧信号を前記検査用ヒートパターンの選択信号として用いる請求項2ないし4のいずれか1項に記載のガスセンサ制御装置。 - 前記検査用ヒートパターンとして、検査用ガスを用いた検査検知を行なう検査検知用ヒートパターン(159)が用意され、
前記実検知用ヒートパターン(157)と前記検査検知用ヒートパターン(159)とは、いずれも、前記検知素子(5)の温度を前記活性化状態に維持可能な一定の活性化維持電圧(V3)により前記ヒータを発熱駆動する活性化維持期間(167)と、前記活性化維持期間(167)に先立って前記ヒータ(51)を前記活性化維持電圧(V3)よりも高い活性化促進電圧(V1,V2)にて発熱駆動する活性化促進期間(165,166,168)とを有し、
前記検査検知用ヒートパターン(159)の活性化促進期間(165)が、前記実検知用ヒートパターン(157)の活性化促進期間(165,166,168)よりも短く設定されてなる請求項1ないし5のいずれか1項に記載のガスセンサ制御装置。 - 前記実検知用ヒートパターン(157)の活性化促進期間(156,166,168)には、前記活性化維持電圧(V3)よりも高い第一活性化促進電圧(V1)にて一定保持する第一活性化促進期間(165)と、該第一活性化促進電圧(V1)と前記活性化維持電圧(V3)との中間に設定された第二活性化促進電圧(V2)にて一定保持する第二活性化促進期間(166)とが設定され、
前記検査検知用ヒートパターン(159)の活性化促進期間(165)には、前記第一活性化促進電圧(V1)による第一活性化促進期間(165)のみが、前記実検知用ヒートパターン(157)の活性化促進期間の全体(156,166,168)より短くなるように設定されてなる請求項6記載のガスセンサ制御装置。 - 前記検査用ヒートパターンとして、前記検査検知に先立って前記検知素子(5)を予熱処理するために、前記ヒータ(51)を前記活性化維持電圧(V3)よりも高い活性化促進電圧(V1,V2)にて発熱駆動する検査予熱用ヒートパターン(158)が用意されている請求項6又は7に記載のガスセンサ制御装置。
- 前記実検知用ヒートパターン(157)の活性化促進期間(156,166,168)には、前記活性化維持電圧(V3)よりも高い第一活性化促進電圧(V1)にて一定保持する第一活性化促進期間(165)と、該第一活性化促進期間(165)に引き続いて、前記第一活性化促進電圧(V1)と前記活性化維持電圧(V3)との中間に設定された第二活性化促進電圧(V2)にて一定保持する第二活性化促進期間(166)とが設定され、
前記検査予熱用ヒートパターン(158)には、前記第一活性化促進電圧(V1)にて保持される第一予熱期間(265)と、前記第二活性化促進電圧(V2)にて前記実検知用ヒートパターン(157)の第二活性化促進期間(166)よりも長時間保持される第二予熱期間(266)とを有する請求項8記載のガスセンサ制御装置。 - 請求項7の構成を前提とし、前記実検知用ヒートパターン(157)及び前記検査検知用ヒートパターン(159)の各前記第一活性化促進期間(165)と、前記検査予熱用ヒートパターン(158)の第一予熱期間(265)とが同一時間に設定される請求項9記載のガスセンサ制御装置。
- 請求項1ないし10のいずれかに記載の構成を有したガスセンサ制御装置を前記検知素子(5)とともに検査装置(365)に接続し、その状態で前記検査用ヒートパターン(158,159)を選択し、該検査用ヒートパターン(158,159)に従って前記ヒータ(51)を発熱駆動することにより前記検知素子(5)を加熱・活性化し、その活性化した検知素子(5)に検査用ガスを用いた検査検知を行なわせ、その検知結果に基づいて前記検知素子(5)の品質検査を行なうことを特徴とするガスセンサの検査方法。
- 請求項8の構成を有したガスセンサ制御装置を用い、前記検査検知に先立って、検査予熱用の装置に該ガスセンサ制御装置を前記検知素子(5)とともに接続し、その状態で前記検査予熱用ヒートパターン(158)を選択し、該検査予熱用ヒートパターン(158)に従って前記ヒータ(51)を発熱駆動することにより前記検知素子(5)を予熱処理する請求項11記載のガスセンサの検査方法。
- 請求項11又は12に記載のガスセンサの検査方法により、ガスセンサ(4)の検知素子(5)の品質検査を行なう検査工程と、
その検査結果に基づいて、前記ガスセンサ(4)の選別を行なう選別工程と、
を有することを特徴とするガスセンサの製造方法。
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