JP6669020B2 - 電子制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ヒータの印加電圧を制御する電子制御装置に関する。
排気ガスの浄化や燃費の向上といった目的のため、内燃機関における排気ガス中の酸素濃度やNOx(窒素酸化物)の濃度を内燃機関の駆動に利用するものがある。それらの濃度はガスセンサにより検出される。ガスセンサは、例えば酸素センサやNOxセンサが挙げられる。
これらガスセンサには、その構成要素としてイオン導電性を有する固体電解質を有するものがある。例えば酸素センサであれば、固体電解質中の酸素イオン濃度に対応した電気的な出力を酸素濃度として用いる。この出力特性は一般的に温度依存性を有するため、ガスセンサ、ひいては固体電解質を一定の温度に維持することが望ましい。
このため、ガスセンサには、その構成要素として固体電解質の近傍にヒータを有するものがある。このようなガスセンサではヒータへの通電を制御することにより固体電解質の温度を制御する。
ところで、ヒータへの通電開始からガスセンサの好ましい定常温度に到達するまでに数百度程度の温度差が生じる場合がある。通電開始時におけるヒータの抵抗値は定常温度時に較べて小さいため、通電開始時の電流値は大きくなりがちである。つまり、ヒータへの通電開始時は突入電流が大きくなり、結果的に消費電力が大きくなる虞がある。これは複数のガスセンサを備える系ではとくに顕著になる。
特許文献1には、エンジンの低温状態を検出する条件下ではヒータへの通電を停止する酸素濃度センサの制御方法が開示されている。これにより、突入電流の低減が可能となり、消費電力も抑制することができる。
特開昭61−241654号公報
しかしながら、特許文献1に記載の発明では、ヒータへの通電がエンジン始動に対して遅くなる。つまり、固体電解質が十分な活性状態で機能を発揮するまでに比較的長い時間を要することになり、排気ガスの浄化や燃費の向上に対する制御が十分になされない虞がある。
そこで、本発明は上記問題点に鑑み、複数のヒータを制御する電子制御装置において、活性までの時間の短縮を図りつつ突入電流を低減する電子制御装置を提供することを目的とする。
ここに開示される発明は、上記目的を達成するために以下の技術的手段を採用する。なお、特許請求の範囲およびこの項に記載した括弧内の符号は、ひとつの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、発明の技術的範囲を限定するものではない。
上記目的を達成するために、本発明は、センサ素子(11b,12b)と、センサ素子を加熱するヒータ(11a,12a)と、を有する複数のセンサモジュール(11,12)と、ヒータへの通電を制御する制御部(20)と、を備える電子制御装置であって、制御部は、ヒータの温度を昇温させる昇温モードと、ヒータの温度を維持するように通電する通常モードとを有し、制御部は、昇温モードにおいてヒータへの通電を間欠的に行い、間欠動作中のそれぞれの通電開始タイミングが、少なくともひとつのセンサモジュールにおけるヒータと、その他のセンサモジュールにおけるヒータとで異なるように制御する。
これによれば、すべてのセンサモジュールのヒータに対して、同時に通電が開始されることはないから、すべてのヒータに同時に通電が開始される形態に較べて突入電流を低減することができる。ひいては、突入電流に起因する消費電力を抑制することができる。
第1実施形態における電子制御装置の概略構成を示すブロック図である。 マイコンの制御フローを示すフロー図である。 ヒータ電流の総量の経時変化を示す図である。 第2実施形態におけるマイコンの制御フローを示すフロー図である。 ヒータ電流の総量の経時変化を示す図である。 変形例1におけるヒータ電流の総量の経時変化を示す図である。 第3実施形態における電子制御装置の概略構成を示すブロック図である。 マイコンの制御フローを示すフロー図である。 ヒータ電流の総量の経時変化を示す図である。 第4実施形態におけるマイコンの制御フローを示すフロー図である。 ヒータ電流の総量の経時変化を示す図である。 第5実施形態における電子制御装置の概略構成を示すブロック図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の各図相互において、互いに同一もしくは均等である部分に、同一符号を付与する。
(第1実施形態)
最初に、図1を参照して、本実施形態に係る電子制御装置の概略構成について説明する。
この電子制御装置100は、例えば車両に搭載されるガスセンサに用いられる。電子制御装置100は、複数のセンサモジュールとして、第1センサモジュール11と第2センサモジュール12とを備えている。また、電子制御装置100は、センサモジュール11,12を制御する制御部20を備えている。
第1センサモジュール11は、第1ヒータ11aと、第1センサ素子11bとを有している。
第1ヒータ11aは、抵抗体に通電することで発熱するヒータである。抵抗体は通電前の低温状態では比較的低抵抗であるが、通電によって高温になると抵抗値が増大する。換言すれば、第1ヒータ11aは、通電前あるいは通電開始直後は低温(ほぼ環境温度に相当)であり、突入電流も比較的大きくなる。一方、通電によって高温になるにしたがって通電電流は小さくなる。第1ヒータ11aは第1センサ素子11bの近傍に配置され、第1センサ11bを所定の温度に維持するように駆動される。
第1センサ素子11bは、図示しない固体電解質を有するガスセンサである。固体電解質はイオン導電性を有し、図示しない触媒等によりイオン化された被検出気体が固体電解質上に吸着すると吸着したイオンの量に応じた電流を生じる。このガスセンサが例えば酸素センサであれば、第1センサ素子11bの出力電流は第1センサ素子11bに接触するガスにおける酸素の濃度に相関する。つまり、第1センサ素子11bの出力信号に基づいて酸素濃度を検出することができる。触媒によるイオン化および固体電解質によるイオン伝導は温度依存性を有するので、第1ヒータ11aにより最適な温度に維持される。
第2センサモジュール12は、第2ヒータ12aと、第2センサ素子12bとを有している。第2ヒータ12aは第1ヒータ11aと同一の構成を有するヒータである。また、第2センサ素子12bは第1センサ素子11bと同一の構成を有するガスセンサである。
制御部20は、ドライバとしての第1スイッチング素子21および第2スイッチング素子22と、スイッチング素子21,22に印加する駆動信号を生成するマイコン23と、センサ素子11b,12bの出力信号を被検出成分(例えば酸素)の濃度として検出する素子制御回路24と、を有している。
第1スイッチング素子21は例えばMOSFETである。第1スイッチング素子21のソース端子は基準電位となるグランド電位とされ、ドレイン端子と電源電位VBとの間に第1ヒータ11aが介在している。第1スイッチング素子21のゲート端子に所定のゲート電圧が印加されると第1スイッチング素子21がオンしてドレイン電流が流れ、第1ヒータ11aが通電する。
第2スイッチング素子22は第1スイッチング素子21と同一の構成とされている。すなわち、第2スイッチング素子22は例えばMOSFETであり、ソース端子は基準電位となるグランド電位とされ、ドレイン端子と電源電位VBとの間に第2ヒータ12aが介在している。第2スイッチング素子22のゲート端子に所定のゲート電圧が印加されると第2スイッチング素子22がオンしてドレイン電流が流れ、第2ヒータ12aが通電する。
マイコン23は、第1スイッチング素子21および第2スイッチング素子22のゲート端子に接続されている。マイコン23はスイッチング素子21,22にゲート電圧を印加する。マイコン23は2つの動作モードを備えている。すなわち、マイコン23は、ヒータ11a,12aの温度を積極的に昇温する昇温モードと、ヒータ11a,12aの温度を一定に維持する通常モードとを備えている。本実施形態におけるマイコン23はタイマ23aを有し、昇温モードから通常モードへの切り替えを行うが、切り替えのタイミング、および、昇温モード、通常モードの各動作モードにおける具体的な動作については追って詳述する。
素子制御回路24は、第1センサ素子11bおよび第2センサ素子12bに接続され、それぞれの出力電流に基づいて、ガス中に含まれる被検出成分の濃度を検出する。
以下、図2および図3を参照して、本実施形態におけるマイコン23の動作について詳しく説明する。
図2は、制御部20、主にマイコン23が実行する制御フローを示すフロー図である。図3は、第1ヒータ11aおよび第2ヒータ12aへの通電により電子制御装置100に流れる総電流量の経時変化を示す図である。
まず、図2に示すようにステップS101が実行される。ステップS101は、車両のイグニッション(IG)スイッチがオンされるステップである。
ステップS101においてIGスイッチがオンされることをトリガとして、ステップS102が実行される。ステップS102は、マイコン23を構成するタイマ23aが時間の計測を開始するステップである。ステップS101においてIGスイッチがオンされた時刻がタイマ23aの計測開始時刻とほぼ同一であり、図3に示すt=0である。
次いで、ステップS103が実行される。つまり、時刻t=0において第1ヒータ11aに通電が開始される。すなわち、第1スイッチング素子21にゲート電圧が印加されてオンされ、第1ヒータ11aに通電電流が流れる。このとき、通電が開始されるヒータは第1ヒータ11aのみであって、第2ヒータ12aには通電されない。このため、時刻t=0において、電子制御装置100に流れる総合的な電流は、第1ヒータ11aに起因する通電電流のみであり、その値は、図3に示すようにIである。電流値Iは、第1ヒータ11aのみに起因するものであるから、従来のようにすべてのヒータに同時に通電が開始される場合の総合的な電流値よりも小さい。
次いで、ステップS104が実行される。ステップS104はマイコン23が時刻t=0からの経過時間を判定するステップである。ステップS104では、マイコン23が、時刻t=0からの経過時間がt1以上か否かを判定する。すなわち、マイコン23がt≧t1であるか否かを判定する。t<t1であればNO判定であり、t≧t1を満たすまでステップS104を継続する。t≧t1であればYES判定となり、ステップS105に進む。
ステップS105は、第2ヒータ12aの通電が開始されるステップである。ステップS105において、マイコン23は、第2スイッチング素子21にゲート電圧を印加してオンし、図3に示すように、第2ヒータ12aに通電電流を流す。このとき、第1ヒータ11aも通電が継続される、電子制御装置100に流れる総合的な電流は、第1ヒータ11aに起因する通電電流と第2ヒータ12aに起因する通電電流の和Iとなる。時刻t1において、第1ヒータ11aは時間t1だけ通電が継続されているのであり、この通電により抵抗体が加熱されている。つまり抵抗体の抵抗値は通電開始時に比べて増加している。よって、第1ヒータ11aに起因する通電電流は、通電開始時に比べて減少している。このように、時刻t1における総合的な電流Iは、従来のようにすべてのヒータに同時に通電が開始される場合の総合的な電流値よりも小さくなる。第2ヒータ12aの通電が開始される時刻t1のときの電流値Iが、本実施形態における電子制御装置100を流れる総合的な電流のなかでは最大値であるが、これは、従来の構成におけるヒータ通電開始時の突入電流(≒I×2)よりも小さくなる。
次いで、ステップS106が実行される。ステップS106はマイコン23が時刻t=0からの経過時間を判定するステップである。ステップS106では、マイコン23が、時刻t=0からの経過時間がt2以上か否かを判定する。すなわち、マイコン23がt≧t2であるか否かを判定する。t<t2であればNO判定であり、t≧t2を満たすまでステップS106を継続する。すなわち、第1ヒータ11aの通電開始からの経過時間がt2以上であればYES判定となり、ステップS107に進む。
ステップS107は、マイコン23が、すべてのヒータ11a,12aの温度を所定の一定値に維持するための通電を行うステップである。具体的に、マイコン23は、図3に示すように、第1スイッチング素子21および第2スイッチング素子22のゲート端子に、所定のデューティ比で規定されたパルス状のゲート電圧を印加して、それぞれ第1ヒータ11aおよび第2ヒータ12aをPWM制御する。
これにより、第1センサ素子11bおよび第2センサ素子12bは、それぞれ一定の温度を維持しつつガス成分の検出を継続できる。
なお、図2および図3に示すように、ステップS102〜ステップS106は、マイコン23が有する動作モードのうちの昇温モードであり、ステップS107は通常モードである。
本実施形態における電子制御装置100は、タイマ23aにより計測される時間に基づいて、昇温モードから通常モードへの切り替えを行っている。具体的には、第1ヒータ11aにあっては、通電の開始から時刻t2に至るまでは常時抵抗体への通電を行って第1ヒータ11aの昇温を行う。また、第2ヒータ12aにあっては、通電の開始タイミングである時刻t1から時刻t2に至るまで常時抵抗体への通電を行って第2ヒータ12aの昇温を行う。常時抵抗体への通電を行う動作モードが本実施形態における昇温モードである。そして、時刻t2以降は第1ヒータ11a、第2ヒータ12aともにPWM制御により温度を一定に維持する通常モードに移行する。
次に、本実施形態における電子制御装置100の作用効果について説明する。
上記したように、電子制御装置100は、昇温モードにおいて、第1ヒータ11aの通電開始タイミングt=0と、第2ヒータ12aの通電開始タイミングt=t1とが異なっている。このため、第1ヒータ11aの通電開始時、第2ヒータ12aの通電開始時のいずれの時点の通電電流も、従来のように通電開始タイミングが同一である構成に較べて小さくすることができる。つまり、各ヒータ11a,12aの通電に係る突入電流を、従来に較べて低減することができる。
さらに、本実施形態における電子制御装置100は、タイマ23aが計測する時間に基づいて、動作モードが昇温モードから通常モードに移行する。このため、ヒータ11a,12aがある程度昇温されて通電に係る電流が減少した段階で、ヒータ11a,12aの温度を維持するためのPWM制御に移行することができる。
(第2実施形態)
第1実施形態では、第1ヒータ11a、第2ヒータ12aが、ともに通電開始から通常モードに移行するまで連続的に通電される例について説明した。これに対して、本実施形態では、間欠的に通電する例について説明する。なお、ハード構成は第1実施形態と同様である。
以下、図4および図5を参照して、本実施形態におけるマイコン23の動作について詳しく説明する。
まず、図4に示すように、ステップS201が実行される。ステップS201は、車両のイグニッション(IG)スイッチがオンされるステップである。
ステップS201においてIGスイッチがオンされることをトリガとして、ステップS202が実行される。ステップS202は、マイコン23を構成するタイマ23aが時間の計測を開始するステップである。ステップS201においてIGスイッチがオンされた時刻がタイマ23aの計測開始時刻とほぼ同一であり、図5に示すt=0である。
次いで、ステップS203が実行される。つまり、時刻t=0において第1ヒータ11aに通電が開始される。すなわち、第1スイッチング素子21にゲート電圧が印加されてオンされ、第1ヒータ11aに通電電流が流れる。ステップS203は、第1実施形態におけるステップS103とは異なり、第1ヒータ11aの間欠動作を開始するステップである。間欠動作は、所定の時間間隔で定期的に通電のオンオフを繰り返す動作である。具体的には、図5に示すように、時刻t=0から時刻t4まで通電を行い、時刻t4から時刻t5までは通電せず、時刻t5から時刻t7まで再び通電を行う。すなわち、間欠動作では所定の周期を持って通電が行われる。
次いで、ステップS204が実行される。ステップS204はマイコン23が時刻t=0からの経過時間を判定するステップである。ステップS204では、マイコン23が、時刻t=0からの経過時間がt3以上か否かを判定する。すなわち、マイコン23がt≧t3であるか否かを判定する。t<t3であればNO判定であり、t≧t3を満たすまでステップS204を継続する。t≧t3であればYES判定となり、ステップS205に進む。
ステップS205は、第2ヒータ12aの通電が開始されるステップである。ステップS205において、マイコン23は、第2スイッチング素子21にゲート電圧を印加してオンし、図5に示すように、第2ヒータ12aに通電電流を流す。ステップS205も、ステップS203と同様に、ヒータの間欠動作を開始するステップである。図5に示すように、時刻t=3から時刻t5まで通電を行い、時刻t5から時刻t6までは通電せず、時刻t6から時刻t8まで再び通電を行う。本実施形態における第2ヒータ12aは、第1ヒータ11aに対して1/3周期だけ遅相した間欠動作が行われ、昇温モードの全期間を通じて少なくとも第1ヒータ11aあるいは第2ヒータ12aのいずれか一方が通電された状態を維持する。つまり、第1ヒータ11aと第2ヒータ12aとが双方とも通電オフの期間は存在しない。
より具体的説明する。図5に示すように、時刻t=0にて第1ヒータ11aに通電が開始される。このとき、第2ヒータ12aは通電されないから、時刻t=0において、電子制御装置100に流れる総合的な電流は、第1ヒータ11aに起因する通電電流のみである。その値は、図5に示すようにIである。電流値Iは、第1ヒータ11aのみに起因するものであるから、従来のようにすべてのヒータに同時に通電が開始される場合の総合的な電流値よりも小さい。
その後、第1ヒータ11aに対して時間t3だけ遅れて第2ヒータ12aの通電が開始される。このとき、電子制御装置100に流れる総合的な電流は、第1ヒータ11aに起因する通電電流と第2ヒータ12aに起因する通電電流の和Iとなる。時刻t3において、第1ヒータ11aは時間t3だけ通電が継続されているのであり、この通電により抵抗体が加熱されている。つまり抵抗体の抵抗値は通電開始時に比べて増加している。よって、第1ヒータ11aに起因する通電電流は、通電開始時に比べて減少している。このように、時刻t3における総合的な電流Iは、従来のようにすべてのヒータに同時に通電が開始される場合の総合的な電流値よりも小さくなる。第2ヒータ12aの通電が開始される時刻t3のときの電流値Iが、本実施形態における電子制御装置100を流れる総合的な電流のなかでは最大値であるが、これは、従来の構成におけるヒータ通電開始時の突入電流(≒I×2)よりも小さくなる。
その後、時刻t4において第1ヒータ11aに対して間欠動作に係る通電オフが実行される。この通電オフ状態は時刻t5まで継続されるが、この間第2ヒータ12aは通電が継続される。
時刻t5において、第1ヒータ11aに対して間欠動作に係る通電オンが実行されるとともに、第2ヒータ12aに対して間欠動作に係る通電オフが実行される。
その後、時刻t6において、第2ヒータ12aに対して間欠動作に係る通電オンが実行される。これにより、再び2つのヒータ11a,12aが通電された状態になる。よって、時刻t6において総合的な電流値は極大となるが、時刻t3の時点に較べていずれのヒータ11a,12aとも高温になっているため抵抗体の抵抗値が増大しているから、ヒータ11a,12aを流れる電流値も小さくなっている。よって、時刻t5における総合的な電流値は、時刻t3における電流値よりも小さい。
その後、時刻t7において第1ヒータ11aに対して間欠動作に係る通電オフが実行される。この通電オフ状態は時刻t8まで継続されるが、この間第2ヒータ12aは通電が継続される。
このように、第1ヒータ11aおよび第2ヒータ12aは間欠動作を行う。第1ヒータ11aと第2ヒータ12aは互いに駆動が独立しているが、本実施形態では通電オンオフの周期が同一とされ、互いに1/3周期の位相差をもって駆動されている。
マイコン23は、ステップS205の後、ステップS206を実行する。ステップS206はマイコン23が時刻t=0からの経過時間を判定するステップである。ステップS206では、マイコン23が、時刻t=0からの経過時間がt8以上か否かを判定する。すなわち、マイコン23がt≧t8であるか否かを判定する。t<t8であればNO判定であり、ステップS208に進む。ステップS208は第1ヒータ11aおよび第2ヒータ12aの間欠動作を継続するステップである。マイコン32はt≧t2を満たすまで、互いに1/3周期の位相差をもって第1ヒータ11aと第2ヒータ12aを間欠動作させる。
第1ヒータ11aの通電開始からの経過時間がt8以上であればステップS206はYES判定となり、ステップS207に進む。
ステップS207は、マイコン23が、すべてのヒータ11a,12aの温度を所定の一定値に維持するための通電を行うステップである。具体的に、マイコン23は、図5に示すように、第1スイッチング素子21および第2スイッチング素子22のゲート端子に、所定のデューティ比で規定されたパルス状のゲート電圧を印加して、それぞれ第1ヒータ11aおよび第2ヒータ12aをPWM制御する。
これにより、第1センサ素子11bおよび第2センサ素子12bは、それぞれ一定の温度を維持しつつガス成分の検出を継続できる。
なお、図4および図5に示すように、ステップS202〜ステップS206およびステップS208は、マイコン23が有する動作モードのうちの昇温モードであり、ステップS207は通常モードである。
本実施形態においても、第1実施形態と同様に、電子制御装置100は、タイマ23aにより計測される時間に基づいて、昇温モードから通常モードへの切り替えを行っている。マイコン23は時刻t8に至るまでは昇温モードであり、時刻t8以降は通常モードである。
次に、本実施形態における電子制御装置100の作用効果について説明する。
第1実施形態と同様に、電子制御装置100は、昇温モードにおいて、第1ヒータ11aの通電開始タイミングt=0と、第2ヒータ12aの通電開始タイミングt=t3とが異なっている。このため、第1ヒータ11aの通電開始時、第2ヒータ12aの通電開始時のいずれの時点の通電電流も、従来のように通電開始タイミングが同一である構成に較べて小さくすることができる。つまり、各ヒータ11a,12aの通電に係る突入電流を、従来に較べて低減することができる。
ところで、本実施形態の電子制御装置100は、第1ヒータ11aと第2ヒータ12aが間欠動作をしており、その駆動は1/3周期だけ位相差が存在する。上記したように、第1ヒータ11aと第2ヒータ12aの通電タイミングは、時間t3だけずれているから、間欠動作に係る通電オンのタイミングも、第1ヒータ11aと第2ヒータ12aとで重なることがない。したがって、通電オンのタイミングが重なるような駆動に較べて、各ヒータ11a,12aの通電オン時に突入電流も抑制することができる。
また、第1ヒータ11aおよび第2ヒータ12aが間欠動作を行うことにより、第1実施形態のように連続的に通電する形態に較べて、2つのヒータが同時にオンする重複期間、すなわち、通電期間がオーバーラップする期間を短縮することができるから、電子制御装置100を流れる総合的な電流量を減少させることができる。
(変形例1)
第2実施形態は、第1ヒータ11aおよび第2ヒータ12aが間欠動作する形態であって、2つのヒータが同時にオンとなる状態を有する形態である。換言すれば、通電期間がオーバーラップする形態である。これに対して、本変形例における電子制御装置100は、第1ヒータ11aと第2ヒータ12aの通電期間が互いにオーバーラップしない形態である。なお、マイコン23によるヒータ11a,12aの通電タイミングの制御を除き、ハード構成は第1実施形態および第2実施形態と同様である。
具体的には、図6に示すように、時刻t=0において第1ヒータ11aの通電が開始され、時刻t9において間欠動作に係る通電オフが実行される。通電のオフ状態は時刻t9から時刻t10まで継続される。第1ヒータ11aは、昇温モードにおいて、時刻t=0から時刻t10までの駆動を1周期として、間欠動作を行う。一方、第2ヒータ12aは、第1ヒータ11aに対して、時間t9だけ遅れて通電が開始される。すなわち、第1ヒータ11aの通電がオフされるとほぼ同時に第2ヒータ12aの通電が開始される。そして、第1ヒータ11aの通電がオフしている期間だけ第2ヒータ12aの通電が継続される。つまり、時刻t10において第1ヒータ11aの通電が再開されるとほぼ同時に第2ヒータ12aの通電がオフされる。その後、第2ヒータ12aは、第1ヒータ11aの通電が間欠動作にともなってオフされるまで、非通電の状態が継続される。換言すれば、第2ヒータ12aにおける通電のオンオフのタイミングは、第1ヒータ11aの通電タイミングに対して反転している。
本変形例における電子制御装置100においても、第1ヒータ11aと第2ヒータ12aの通電開始タイミングは異なっており、同時に通電が開始されることはないから、電子制御装置100を流れる総合的な電流値が2つのヒータ11a,12aが同時に通電開始される場合に較べて突入電流を抑制することができる。
さらに、本変形例においては、第2実施形態とは異なり、2つのヒータ11a,12aの通電期間がオーバーラップしないから、第2実施形態に較べてさらに電子制御装置100を流れる総合的な電流量を減少させることができる。
(第3実施形態)
第1実施形態、第2実施形態および変形例1において説明した電子制御装置100は、タイマ23aが計測する時間に基づいて、昇温モードから通常モードへの移行、および間欠動作時の通電のオンオフを決定する例である。
これに対して、本実施形態における電子制御装置110は、第1ヒータ11aおよび第2ヒータ12aを流れる通電電流に基づいて、昇温モードから通常モードへの移行、および間欠動作時の通電のオンオフを決定する。
この電子制御装置110は、図7に示すように、電流検出部23bを備えている。電流検出部23bは、第1ヒータ11aと第1スイッチング素子21との中間点の電流を検出することで、第1ヒータ11aを流れる電流を検出している。また、電流検出部23bは、第2ヒータ12aと第2スイッチング素子22との中間点の電流を検出することで、第2ヒータ12aを流れる電流を検出している。
以下、図8および図9を参照して、本実施形態におけるマイコン23の動作について詳しく説明する。
図8は、制御部20、主にマイコン23が実行する制御フローを示すフロー図である。図9は、第1ヒータ11aおよび第2ヒータ12aへの通電により、それぞれのヒータ11a,12aに流れる電流量、および電子制御装置100に流れる総電流量の経時変化を示す図である。
まず、図8に示すように、ステップS301が実行される。ステップS301は、車両のイグニッション(IG)スイッチがオンされるステップである。
ステップS301においてIGスイッチがオンされることをトリガとして、ステップS302が実行される。ステップS302は、第1ヒータ11aの通電が開始されるステップである。第1ヒータ11aへの通電はIGスイッチがオンされた時刻とほぼ同一であり、図9に示すt=0である。ステップS302では、第1スイッチング素子21にゲート電圧が印加されてオンされ、第1ヒータ11aに通電電流が流れる。このとき、通電が開始されるヒータは第1ヒータ11aのみであって、第2ヒータ12aには通電されない。このため、時刻t=0において、電子制御装置100に流れる総合的な電流は、第1ヒータ11aに起因する通電電流のみであり、その値は、図9に示すようにIである。電流値Iは、第1ヒータ11aのみに起因するものであるから、従来のようにすべてのヒータに同時に通電が開始される場合の総合的な電流値よりも小さい。
次いで、ステップS303が実行される。ステップS303は、電流検出部23bが第1ヒータ11aを流れる電流について、閾値電流Ith1以下か否かを判定するステップである。ヒータは通電にともなって抵抗体が加熱するため通電電流が低下していく。第1ヒータ11aを流れる電流が閾値電流Ith1以下となるとステップS303はYES判定となりステップS304に進む。一方、第1ヒータ11aを流れる電流が閾値電流Ith1を上回っている状態であればNO判定となり、再びステップS303が実行される。
図9に示すように、第1ヒータ11aに流れる電流が閾値電流Ith1以下になるとステップS304に進み、第2ヒータ12aの通電が開始される。つまり、第2ヒータ12aは第1ヒータ11aに対して遅れて通電が開始される。このとき、第1ヒータ11aも通電が継続される、電子制御装置110に流れる総合的な電流は、第1ヒータ11aに起因する通電電流と第2ヒータ12aに起因する通電電流の和Iとなる。第1ヒータ11aに起因する通電電流は、通電開始時に比べて減少しているので総合的な電流Iは、従来のようにすべてのヒータに同時に通電が開始される場合の総合的な電流値よりも小さくなる。第2ヒータ12aの通電が開始される時点の電流値Iが、本実施形態における電子制御装置110を流れる総合的な電流のなかでは最大値であるが、これは、従来の構成におけるヒータ通電開始時の突入電流(≒I×2)よりも小さくなる。
次いで、ステップS305が実行される。ステップS305は、電流検出部23bが第2ヒータ12aを流れる電流について、閾値電流Ith2以下か否かを判定するステップである。第2ヒータ12aを流れる電流が閾値電流Ith2以下となるとステップS305はYES判定となりステップS306に進む。一方、第2ヒータ12aを流れる電流が閾値電流Ith2を上回っている状態であればNO判定となり、再びステップS305が実行される。
閾値電流Ith2は、第2ヒータ12aが十分に温められたと判断される値に設定することが好ましい。本実施形態において、すべてのヒータのうち最後に通電が開始される第2ヒータ12aを流れる電流が閾値電流Ith2以下となり、第2ヒータ12aが十分に温められたとされれば、先に通電が開始されている第1ヒータ11aも十分に温められたと判断でき、マイコン23はステップS306を実行する。
ステップS306は、マイコン23が、すべてのヒータ11a,12aの温度を所定の一定値に維持するための通電を行うステップである。具体的に、マイコン23は、第1スイッチング素子21および第2スイッチング素子22のゲート端子に、所定のデューティ比で規定されたパルス状のゲート電圧を印加して、それぞれ第1ヒータ11aおよび第2ヒータ12aをPWM制御する。
これにより、第1センサ素子11bおよび第2センサ素子12bは、それぞれ一定の温度を維持しつつガス成分の検出を継続できる。
なお、図8および図9に示すように、ステップS302〜ステップS305は、マイコン23が有する動作モードのうちの昇温モードであり、ステップS306は通常モードである。
なお、本実施形態における電子制御装置110は、電流検出部23bにより計測されるヒータを流れる電流の電流値に基づいて、昇温モードから通常モードへの切り替えを行っている。具体的には、第1ヒータ11aにあっては、第2ヒータ12aの電流値が閾値電流Ith2以下に至るまでは常時抵抗体への通電を行って第1ヒータ11aの昇温を行う。また、第2ヒータ12aにあっては、流れる電流値が閾値電流Ith2以下に至るまで常時抵抗体への通電を行って第2ヒータ12aの昇温を行う。常時抵抗体への通電を行う動作モードが本実施形態における昇温モードである。そして、第2ヒータ12aに流れる電流が閾値電流Ith2以下になってからは第1ヒータ11a、第2ヒータ12aともにPWM制御により温度を一定に維持する通常モードに移行する。
次に、本実施形態における電子制御装置110の作用効果について説明する。
上記したように、電子制御装置110は、昇温モードにおいて、第1ヒータ11aの通電開始タイミングと、第2ヒータ12aの通電開始タイミングとが異なっている。このため、第1ヒータ11aの通電開始時、第2ヒータ12aの通電開始時のいずれの時点の通電電流も、従来のように通電開始タイミングが同一である構成に較べて小さくすることができる。つまり、各ヒータ11a,12aの通電に係る突入電流を、従来に較べて低減することができる。
さらに、本実施形態における電子制御装置110は、電流検出部23bが計測するヒータ11a,12aを流れる電流に基づいて、動作モードが昇温モードから通常モードに移行する。このため、ヒータ11a,12aがある程度昇温されて通電に係る電流が減少した段階で、ヒータ11a,12aの温度を維持するためのPWM制御に移行することができる。
(第4実施形態)
第3実施形態では、第1ヒータ11a、第2ヒータ12aが、ともに通電開始から通常モードに移行するまで連続的に通電される例について説明した。これに対して、本実施形態では、間欠的に通電する例について説明する。なお、ハード構成は第3実施形態と同様である。すなわち、第1実施形態に対する第2実施形態のように、第3実施形態に対して昇温モード時の通電を間欠的にしたものが第4実施形態である。
以下、図10および図11を参照して、本実施形態におけるマイコン23の動作について詳しく説明する。
まず、図10に示すように、ステップS401が実行される。ステップS401は、車両のイグニッション(IG)スイッチがオンされるステップである。
ステップS401においてIGスイッチがオンされることをトリガとして、ステップS402が実行される。つまり、時刻t=0において第1ヒータ11aに通電が開始される。ステップS402は、第3実施形態におけるステップS302とは異なり、第1ヒータ11aの間欠動作を開始するステップである。間欠動作は、第2実施形態と同様に、図11に示すように、所定の時間間隔で定期的に通電のオンオフを繰り返す動作である。
次いで、ステップS403が実行される。ステップS403は、電流検出部23bが第1ヒータ11aを流れる電流について、閾値電流Ith3以下か否かを判定するステップである。ヒータは通電にともなって抵抗体が加熱するため通電電流が低下していく。第1ヒータ11aを流れる電流が閾値電流Ith3以下となるとステップS403はYES判定となりステップS404に進む。一方、第1ヒータ11aを流れる電流が閾値電流Ith3を上回っている状態であればNO判定となり、再びステップS403が実行される。
なお、ステップS403では、マイコン23が第1ヒータ11aへの通電がオンの状態のときの電流値のみを取得して判定に用いるのであり、間欠動作に係る通電オフ時の電流値は参照されない。
図11に示すように、第1ヒータ11aに流れる電流が閾値電流Ith3以下になるとステップS404に進み、第2ヒータ12aの通電が開始される。つまり、第2ヒータ12aは第1ヒータ11aに対して遅れて通電が開始される。このとき、本実施形態では第1ヒータ11aも間欠通電が継続される、電子制御装置110に流れる総合的な電流は、第1ヒータ11aに起因する通電電流と第2ヒータ12aに起因する通電電流の和Iとなる。第1ヒータ11aに起因する通電電流は、通電開始時に比べて減少しているので総合的な電流Iは、従来のようにすべてのヒータに同時に通電が開始される場合の総合的な電流値よりも小さくなる。第2ヒータ12aの通電が開始される時点の電流値Iが、本実施形態における電子制御装置110を流れる総合的な電流のなかでは最大値であるが、これは、従来の構成におけるヒータ通電開始時の突入電流(≒I×2)よりも小さくなる。
なお、ステップS404は、第2ヒータ12aの通電が開始されるステップであるが、ステップS404も、ステップS402と同様に、ヒータの間欠動作を開始するステップである。図11に示すように、本実施形態における第2ヒータ12aは、第1ヒータ11aに対して1/3周期だけ遅相した間欠動作が行われ、昇温モードの全期間を通じて少なくとも第1ヒータ11aあるいは第2ヒータ12aのいずれか一方が通電された状態を維持する。つまり、第1ヒータ11aと第2ヒータ12aとが双方とも通電オフの期間は存在しない。
マイコン23は、ステップS404の後、ステップS405を実行する。ステップS405は、電流検出部23bが第2ヒータ12aを流れる電流について、閾値電流Ith4以下か否かを判定するステップである。第2ヒータ12aを流れる電流が閾値電流Ith4以下となるとステップS405はYES判定となりステップS406に進む。一方、第2ヒータ12aを流れる電流が閾値電流Ith4を上回っている状態であればNO判定となり、ステップS407が実行される。ステップS407はヒータ11a,12aの間欠動作を継続させるステップであり、マイコン23は第2ヒータ12aの電流値が閾値電流Ith4以下になるまで、互いに1/3周期の位相差をもって第1ヒータ11aと第2ヒータ12aを間欠動作させる。その結果、最後に通電を開始した第2ヒータ12aの電流値がIth4以下であればステップS405はYES判定となり、ステップS406に進む。
ステップS406は、第3実施形態におけるステップS306と同様、マイコン23が、すべてのヒータ11a,12aの温度を所定の一定値に維持するための通電を行うステップである。つまり、マイコン23は、第1ヒータ11aおよび第2ヒータ12aをPWM制御する。
なお、図10および図11に示すように、ステップS402〜ステップS405およびステップS407は、マイコン23が有する動作モードのうちの昇温モードであり、ステップS406は通常モードである。
本実施形態においても、第3実施形態と同様に、電子制御装置110は、電流検出部23bにより計測される電流値に基づいて、昇温モードから通常モードへの切り替えを行っている。マイコン23は最後に通電が開始される第2ヒータ12aを流れる電流が閾値電流Ith4以下に至るまでは昇温モードであり、それ以降は通常モードである。
次に、本実施形態における電子制御装置110の作用効果について説明する。
第3実施形態と同様に、電子制御装置110は、昇温モードにおいて、第1ヒータ11aの通電開始タイミングと、第2ヒータ12aの通電開始タイミングとが異なっている。このため、第1ヒータ11aの通電開始時、第2ヒータ12aの通電開始時のいずれの時点の通電電流も、従来のように通電開始タイミングが同一である構成に較べて小さくすることができる。つまり、各ヒータ11a,12aの通電に係る突入電流を、従来に較べて低減することができる。
また、第2実施形態と同様に、本実施形態の電子制御装置110も、第1ヒータ11aと第2ヒータ12aが間欠動作をしており、その駆動は1/3周期だけ位相差が存在する。このため間欠動作に係る通電オンのタイミングも、第1ヒータ11aと第2ヒータ12aとで重なることがない。したがって、通電オンのタイミングが重なるような駆動に較べて、各ヒータ11a,12aの通電オン時に突入電流も抑制することができる。
さらに、第1ヒータ11aおよび第2ヒータ12aが間欠動作を行うことにより、第1実施形態のように連続的に通電する形態に較べて、2つのヒータが同時にオンする重複期間、すなわち、通電期間がオーバーラップする期間を短縮することができるから、電子制御装置110を流れる総合的な電流量を減少させることができる。
(変形例2)
第4実施形態では、昇温モードにおいて、間欠動作する第1ヒータ11aと第2ヒータ12aの通電期間が互いにオーバーラップする例を示したが、第2実施形態に対する変形例1のように、第1ヒータ11aと第2ヒータ12aの通電期間が互いにオーバーラップしないようにすることもできる。
すなわち、マイコン23は、昇温モードにおいて、第2ヒータ12aの通電のオンオフタイミングを、第1ヒータ11aの通電タイミングに対して反転させる。ただし、第2ヒータ12aの通電開始は、第1ヒータ11を流れる電流が閾値電流Ith3以下となったときであり、第2ヒータ12aの通電は第1ヒータ11aに対して遅れる。そして、第4実施形態と同様に、第2ヒータ12aを流れる電流が閾値電流Ith4以下になった段階で、マイコン23は動作モードを昇温モードから通常モードに移行させる。
これによれば、第1ヒータ11aと第2ヒータ12aの通電開始タイミングは異なっており、同時に通電が開始されることはないから、電子制御装置110を流れる総合的な電流値が2つのヒータ11a,12aが同時に通電開始される場合に較べて突入電流を抑制することができる。
さらに、本変形例においては、第4実施形態とは異なり、2つのヒータ11a,12aの通電期間がオーバーラップしないから、第4実施形態に較べてさらに電子制御装置110を流れる総合的な電流量を減少させることができる。
(第5実施形態)
上記した各実施形態および変形例では、昇温モードから通常モードへの移行について、タイマ23aによる計測時間や、ヒータに流れる電流の電流値に基づいて動作モードの移行が行われる例について説明した。しかしながら、動作モードの移行、すなわち、ヒータが暖機されたか否かの判定のファクタは、時間や電流値に限定されるものではない。
本実施形態における電子制御装置120は、図12に示すように、マイコン23がタイマ23および電流計測部23bを備えるとともに、第1センサモジュール11、第2センサモジュール12、素子制御回路24に接続されている。さらに、マイコン23は、電子制御装置120の外部に備えされた排気温度センサ90、エンジン回転数センサ91、吸気量センサ92に接続されている。
マイコン23は、第1センサモジュール11から第1ヒータ11aを構成する抵抗体の抵抗値および第1センサ素子11bのインピーダンスを取得し、第2センサモジュール12から第2ヒータ12aを構成する抵抗体の抵抗値および第2センサ素子12bのインピーダンスを取得する。さらに、マイコン23は、素子制御回路24から、第1センサ素子11bおよび第2センサ素子12bの出力電流の振幅をそれぞれ取得する。さらに、マイコン23は、排気温度センサ90から図示しない排気流路を流れる排気ガスの温度を取得する。さらに、マイコン23は、エンジン回転数センサ91からエンジンの回転数を取得する。さらに、マイコン23は、吸気量センサ92から図示しない吸気流路を流れる吸気ガス(空気)の流量を取得する。
マイコン23は、取得される各種情報に基づいて、複数のヒータの暖機状況を判断し、動作モードを昇温モードから通常モードに移行する。
具体的には、マイコン23は、最後に通電されたヒータ、例えば第2ヒータ12aの抵抗値が所定の閾値抵抗値を上回ることをもって、動作モードを昇温モードから通常モードに移行する。
あるいは、マイコン23は、最後に通電されたヒータ、例えば第2ヒータ12aに対応する第2センサ素子12bの出力電流振幅が所定値を下回ることをもって、動作モードを昇温モードから通常モードに移行する。
あるいは、マイコン23は、最後に通電されたヒータ、例えば第2ヒータ12aに対応する第2センサ素子12bのインピーダンスが所定の閾値インピーダンスを下回ることをもって、動作モードを昇温モードから通常モードに移行する。
あるいは、マイコン23は、排気ガスの温度が所定値を上回ることをもって、動作モードを昇温モードから通常モードに移行する。
あるいは、マイコン23は、エンジン水温が所定値を上回ることをもって、動作モードを昇温モードから通常モードに移行する。
あるいは、マイコン23は、エンジン回転数が、所定の閾値回転数を上回ることをもって、動作モードを昇温モードから通常モードに移行する。
あるいは、マイコン23は、吸気ガスの流量が、所定値を上回ることをもって、動作モードを昇温モードから通常モードに移行する。
なお、動作モードの移行について、上記したすべての条件を満たすことをもってヒータが暖機されたと判断しても良いが、所定の項目のみ条件を満たすことで動作モードを移行するようにしても良い。
(その他の実施形態)
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上記した実施形態になんら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々変形して実施することが可能である。
上記した各実施形態および変形例では、センサモジュールが2つの例について説明したが、センサモジュールの数は限定されず、これにともなってヒータおよび対応するセンサ素子の数も限定されるものではない。ヒータへの通電の開始については、少なくともひとつのヒータへの通電が、他のヒータの通電に対して遅れるように制御されれば、従来のようにすべてのヒータに同時に通電される形態に較べて突入電流の大きさを低減することができる。突入電流を低減させる効果をより発揮させるためには、すべてのヒータについて、通電タイミングが互いに異なるように制御されると良い。
なお、制御対象のセンサモジュールについては同種のセンサモジュールが複数の場合に限定されるものではない。例えば、酸素センサとNOxセンサの組み合わせでもよい。
また、IGスイッチとタイマ23aの計測開始タイミングや、IGスイッチと一つ目のヒータの通電開始タイミングがほぼ同一である例を上記したが、ハードウェアやソフトウェアによるディレイがあっても良いことは言うまでもない。
また、第1スイッチング素子21および第2スイッチング素子22について、上記した各実施形態および変形例ではMOSFETを例に説明したが、ヒータへの通電を制御することができれば、その素子種について限定するものではない。例えば、MOSFETに変えて絶縁ゲートバイポーラトランジスタでも良いし、電流型のバイポーラトランジスタでも良い。
また、第1スイッチング素子21および第2スイッチング素子22について、ヒータ11a、ヒータ12aとグランド電位の間に配置しているが、ヒータの通電、停止を制御可能な範囲であれば限定されるものではない。例えば、電源電位VBとヒータ11a、ヒータ12aの間などでも良い。
また、電流検出部23bについてはヒータの通電電流をモニタ可能であれば、ヒータ11aとスイッチング素子21の間や、ヒータ12aとスイッチング素子22に配置されることに限定されるものではない。例えば電源電位VBとヒータ11aの間や、電源電位とヒータ12aの間などでも良い。更に、ヒータそれぞれの単独電流で制御するのではなく、複数ヒータの合計電流を制御に用いても良い。
また、通常モードにおいてヒータ11a、ヒータ12aなどの温度を維持するための制御は、PWM制御に限定されるものではない。例えば、単純なON/OFF制御でもよい。
また、ヒータ11a、ヒータ12aなどの温度を維持するための通常モードに移行するタイミングは複数ヒータで同一であることに限定されるものではない。例えば、ヒータごとに個別に通常モードに移行してもよい。
また、第2実施形態、第4実施形態では、間欠動作は所定の周期をもって通電が行われるも例を示したが、所定の周期をもつことに限定されるものではない。
11…第1センサモジュール,12…第2センサモジュール,11a…第1ヒータ,11b…第1センサ素子,12a…第2ヒータ,12b…第2センサ素子,20…制御部,21…第1スイッチング素子,22…第2スイッチング素子,23…マイコン,24…素子制御回路

Claims (5)

  1. センサ素子(11b,12b)と、前記センサ素子を加熱するヒータ(11a,12a)と、を有する複数のセンサモジュール(11,12)と、
    前記ヒータへの通電を制御する制御部(20)と、を備える電子制御装置であって、
    前記制御部は、前記ヒータの温度を昇温させる昇温モードと、前記ヒータの温度を維持するように通電する通常モードとを有し、
    前記制御部は、前記昇温モードにおいて前記ヒータへの通電を間欠的に行い、間欠動作中のそれぞれの通電開始タイミングが、少なくともひとつの前記センサモジュールにおける前記ヒータと、その他の前記センサモジュールにおける前記ヒータとで異なるように制御する電子制御装置。
  2. さらに前記ヒータの通電開始から所定時間をカウントするタイマ(23a)を備え、
    前記制御部は、少なくともひとつの前記センサモジュールにおける前記ヒータとしての第1のヒータの通電開始タイミングから所定時間後に、その他の前記センサモジュールにおける前記ヒータとしての第2のヒータの通電を開始することにより、前記昇温モードにおいて、前記ヒータの通電開始タイミングを異ならせる請求項1に記載の電子制御装置。
  3. さらに前記ヒータを流れる電流の電流値を検出する電流検出部(23b)を備え、
    前記制御部は、少なくともひとつの前記センサモジュールにおける前記ヒータとしての第1のヒータを流れる電流が所定の閾値電流値以下となることをもって、その他の前記センサモジュールにおける前記ヒータとしての第2のヒータの通電を開始することにより、前記昇温モードにおいて、前記ヒータの通電開始タイミングを異ならせる請求項1に記載の電子制御装置。
  4. 前記ヒータが間欠動作するとき、複数の前記ヒータは、その通電期間が互いにオーバーラップしないように制御される請求項1乃至3のいずれか1項に記載の電子制御装置。
  5. 前記制御部は、前記昇温モードを開始してから所定時間が経過した、前記昇温モードにおいて最後に通電を開始した前記ヒータの通電電流が所定の閾値電流を下回った、前記センサ素子のインピーダンスが所定の閾値インピーダンスを下回った、および、エンジン回転数が所定の閾値回転数を上回った、との条件のうちの少なくとも1つが成立すると、前記通常モードに移行する請求項1乃至4のいずれか1項に記載の電子制御装置。
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