JPH11264340A - 広域空燃比センサの異常診断装置 - Google Patents
広域空燃比センサの異常診断装置Info
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Abstract
サの異常診断を行えるようにする。 【解決手段】異常診断許可条件が成立したか否かを、ス
テップ2において判定する。成立したら、ステップ3へ
進み、診断用制御定数(P,I,D) を設定すると共にこれら
に基づいて空燃比フィードバック補正係数LAMBDAを設定
し空燃比フィードバック制御を行わせる。ステップ4で
は、空燃比センサ18の検出値をモニタする。ステップ5
では、目標空燃比を切り換えたときの空燃比センサ18の
検出値の変化の応答性が所定範囲内にあるか否かを判定
する。NOであれば、ステップ6へ進み『NG判定』
し、MILを点灯等する。YESであれば、ステップ7
へ進み、『OK判定』する。これにより、比較的簡単な
構成で、高精度に、広域空燃比センサの異常診断を行う
ことが可能となる。
Description
ンサの異常診断を行う装置に関する。
装置としては、本願出願人等が先に提案した特願平8−
331015号のようなものがある。このものは、例え
ば、目標空燃比を所定周期で変化させ、その時の広域空
燃比センサの出力変化の様子を観察することで、広域空
燃比センサの応答劣化を診断するようにしている。
来のものでは、広域空燃比センサの診断時においても、
通常の空燃比制御領域と同様の空燃比制御定数(P(比
例)分,I(積分)分,D(微分)分)を用いるように
していたので、広域空燃比センサの製品バラツキ、診断
開始時(空燃比切換時)の空燃比バラツキ等の影響で広
域空燃比センサの出力が目標空燃比相当値に到達(或い
は収束)するまでの時間バラツキ(応答バラツキ)等に
よって誤診断してしまう惧れがあり(図7参照)、診断
精度がやや低く、一層の診断精度向上が望まれる。な
お、通常の空燃比制御領域における空燃比制御定数は、
空燃比制御の振幅と制御収束性(発散度合い)に基づい
て、通常の空燃比制御領域で要求される所望の特性(制
御安定性や排気性能等)が得られるように定められるも
のである(図8参照)。
で、比較的簡単な構成で、一層高精度に広域空燃比セン
サが正常に作動できているか否かを診断することができ
る広域空燃比センサの異常診断装置を提供することを目
的とする。
の発明にかかる広域空燃比センサの異常診断装置は、図
1に示すように、空燃比を広範囲に亘って検出できる広
域空燃比センサと、広域空燃比センサの検出結果に基づ
いて、機関吸入混合気の空燃比が目標空燃比となるよう
に、空燃比制御対象を増減補正する空燃比フィードバッ
ク制御手段と、前記目標空燃比を切り換える目標空燃比
切換手段と、広域空燃比センサの検出値の変化の様子を
検出する検出値変化検出手段と、前記目標空燃比切換手
段によって目標空燃比が切り換えられたときからの前記
検出値変化検出手段の検出結果に基づいて、広域空燃比
センサの異常を診断する異常診断手段と、を含んで構成
された広域空燃比センサの異常診断装置であって、前記
異常診断手段における広域空燃比センサの異常診断中に
は、前記空燃比フィードバック制御手段における制御ゲ
インを、通常時より大きく設定する診断用制御ゲイン設
定手段を含んで構成した。
検出結果に基づく空燃比フィードバック制御中に、目標
空燃比が切り換わった場合の広域空燃比センサの検出値
の応答特性に基づいて広域空燃比センサの異常診断を行
うものにおいて、広域空燃比センサの異常診断中には、
空燃比フィードバック制御の制御ゲイン(制御定数)を
応答性の高い診断用のものに設定変更することができる
ので、広域空燃比センサの製品バラツキや診断開始時
(空燃比切換時)の空燃比バラツキ等の影響による誤診
断を抑制でき、延いては診断精度を向上させることがで
きる。
するから、通常の空燃比制御領域においては通常通りの
空燃比フィードバック制御が行えるので、必要以上に、
空燃比振幅や制御収束性等を乱すことがないので、運転
性、排気性能等の低下を最小限に留めることができる。
請求項2に記載の発明では、前記診断用制御ゲイン設定
手段が、P分,I分,D分の何れかを設定変更すること
で、制御ゲインを設定変更する構成とした。
何れかの設定を変えて、診断用制御ゲインを設定変更で
きるので、空燃比フィードバック制御の応答性、収束性
等の設定自由度を拡大することができるので、診断精度
の向上と、要求される他の諸特性(例えば所望の運転
性、排気性能等の維持など様々の要求特性がある)と、
の両立を図るうえで、有利なものとなる。
比切換手段が、強制的に目標空燃比を振幅させる手段で
あることを特徴とする。このようにすると、例えば、触
媒パータベーション制御の目標空燃比振幅によって排気
浄化触媒の浄化性能を高めながら、同時に、該目標空燃
比振幅を利用して広域空燃比センサの異常診断を行うこ
とができる。従って、簡単な構成で、排気性能を高く維
持しながら、従来に増して、迅速かつ高精度に広域空燃
比センサの異常の有無を診断することができる。
手段が、前記目標空燃比切換手段によって目標空燃比が
切り換えられたときから、広域空燃比センサの検出値
が、所定値若しくは前記目標空燃比切換手段によって切
り換えられた後の目標空燃比に相当する値に到達するま
での所要時間に基づいて、広域空燃比センサの異常を診
断することを特徴とする。
手段が、前記目標空燃比切換手段によって目標空燃比が
切り換えられたときから、広域空燃比センサの検出値が
前記目標空燃比切換手段によって切り換えられた後の目
標空燃比に相当する値に収束するまでの所要時間に基づ
いて、広域空燃比センサの異常を診断することを特徴と
する。
ば、簡単な構成で、高精度に広域空燃比センサの異常を
診断することができる。
添付の図面に基づいて説明する。本実施形態では、内燃
機関の排気空燃比を検出する場合に広域空燃比センサを
適用した場合における広域空燃比センサの異常診断方法
を代表して説明することにする。
において、機関11の吸気通路12には吸入空気流量Qaを
検出するエアフローメータ13及びアクセルペダルと連動
して吸入空気流量Qaを制御する絞り弁14が設けられ、
下流のマニホールド部分には気筒毎に電磁式の燃料噴射
弁15が設けられる。燃料噴射弁15は、後述するようにし
てコントロールユニット50において設定される駆動パル
ス信号によって開弁駆動され、図示しない燃料ポンプか
ら圧送されてプレッシャレギュレータ(図示せず)によ
り所定圧力に制御された燃料を噴射供給する。更に、機
関11の冷却ジャケット内の冷却水温度(機関温度)Tw
を検出する水温センサ16が設けられる。一方、排気通路
17にはマニホールド集合部近傍に、排気中の特定成分
(例えば酸素)濃度に基づいて吸入混合気の空燃比を検
出する広域空燃比センサ18(本発明の広域空燃比センサ
に相当する。以下、単に空燃比センサとも言う。)が設
けられ、その下流側に、例えば理論空燃比(A/F(空
気重量/燃料重量)≒14.7、空気過剰率λ=1)近
傍において排気中のCO,HCの酸化とNOX の還元を
良好に行って排気を浄化する排気浄化触媒としての三元
触媒19が介装されている。なお、排気浄化触媒として
は、例えばリーン(希薄空燃比)領域でNOx を還元す
る所謂リーンNOx 触媒を採用しても良いし、一般的な
酸化触媒を採用するものであっても構わない。
比センサ18は、図2で示した従来同様のものと同様の検
出原理を利用するものであれば如何なるものであって構
わない。ここで、空燃比センサ18の構造及び空燃比検出
原理について説明しておく。即ち、図5に示すように、
ヒータ部2を備えた本体(例えば酸素イオン伝導性を有
するジルコニアZr2 O3 等の耐熱性多孔質絶縁材料等
で形成される)1内に、大気(標準ガス)と連通する大
気導入孔3を設けると共に、検出対象ガス(例えば内燃
機関の排気等)と検出対象ガス導入孔4、保護層5等を
介して連通するガス拡散層(或いはガス拡散ギャップ)
6が設けられている。センシング部電極7A、7Bは大
気導入孔3とガス拡散層6に臨んで設けられると共に、
酸素ポンプ電極8A、8Bはガス拡散層6と、これに対
応する本体1の周囲と、に設けられるようになってい
る。
サ部)は、ガス拡散層6内の酸素イオン濃度(酸素分
圧)によって影響されるセンシング部電極間の酸素分圧
比に応じて発生する電圧を検出するようになっている。
一方、酸素ポンプ電極8A、8B(特定成分ポンプ部)
には、所定電圧が印加されるようになっている。つま
り、センシング部電極7A、7Bはセンシング部電極間
の酸素分圧比によって発生する電圧を検出して、空燃比
が理論空燃比(換言すると、空気過剰率λ=1)に対し
てリッチであるかリーンであるかを検出することができ
るようになっている。
できる酸素ポンプ電極部8A、8Bにおいては、所定の
電圧が印加されると、これに応じてガス拡散層6内の酸
素イオンが移動され、酸素ポンプ電極部8A、8B間に
電流が流れるようになっている。なお、酸素ポンプ電極
部8A、8B間に、所定電圧を印加したときに該電極間
を流れる電流値(限界電流)Ipは、ガス拡散層6内の
酸素イオン濃度に影響されるので、電流値(限界電流)
Ipを検出すれば、検出対象ガスの空燃比(換言すれ
ば、空気過剰率λ)を検出できることになる。
ような酸素ポンプ電極間の電流・電圧と、検出対象ガス
の空燃比(換言すれば、空気過剰率λ)と、の相関関係
が得られることになる。なお、センシング部電極7A、
7Bのリッチ・リーン出力に基づいて、酸素ポンプ電極
部8A、8Bに対する電圧の印加方向を反転させること
で、リーン領域とリッチ領域との両方の空燃比領域にお
いて、酸素ポンプ電極部8A、8B間を流れる電流値
(限界電流)Ipに基づく広範囲な空燃比の検出を可能
にしているものである。
ポンプ電極部間の電流値Ipを検出して、例えば図6の
テーブルBを参照すれば、広範囲に亘って検出対象ガス
の実際の空燃比(空気過剰率λ)を検出することができ
ることになる。なお、センサ検出値Ipは、例えば次式
により求めることもできる。 Ip=Do2・P・S/(T・L)・ln{1/(1−P
o2/P)} Do2:酸素ガスの多孔質層の拡散係数 S:陰極の電極面積 L:多孔質層の厚さ P:全圧力 Po2:酸素分圧 T:温度 ここで全体の説明に戻る。
ィストリビュータ)には、クランク角センサ20が内蔵さ
れており、コントロールユニット50では、該クランク角
センサ20から機関回転と同期して出力されるクランク単
位角信号を一定時間カウントして、又は、クランク基準
角信号の周期を計測して機関回転速度Neを検出する。
ニット50は、CPU,ROM,RAM,A/D変換器及
び入出力インタフェイス等を含んで構成されるマイクロ
コンピュータからなり、各種センサからの入力信号を受
け、以下のようにして、燃料噴射弁15の噴射量(即ち、
空燃比制御量)を制御する。前記各種のセンサとして
は、前述の空燃比センサ18、エアフローメータ13、水温
センサ16、クランク角センサ20等がある。
から求められる吸入空気流量Qaと、クランク角センサ
20からの信号から求められる機関回転速度Neとから基
本燃料噴射パルス幅(燃料噴射量に相当)Tp=c×Q
a/Ne(cは定数)を演算すると共に、低水温時に強
制的にリッチ側に補正する水温補正係数Kwや、始動及
び始動後増量補正係数Kasや、空燃比フィードバック補
正係数(空燃比フィードバック補正値)α等により、最
終的な有効燃料噴射パルス幅Te=Tp×(1+Kw+
Kas+・・・)×LAMBDA×Z+Tsを演算する。Zは目
標空燃比、Tsは電圧補正分である。
駆動パルス信号として前記燃料噴射弁15に送られて、所
定量に調量された燃料が噴射供給されることになる。上
記空燃比フィードバック補正係数LAMBDAは、空燃比セン
サ18が検出する実際の空燃比(検出値)の目標空燃比か
らのズレを補正するための係数であり、これに基づきコ
ントロールユニット50では基本燃料パルス幅Tpを補正
し、燃焼用混合気の空燃比を目標空燃比(例えば理論空
燃比)にフィードバック制御することになる。
LAMBDAは、以下のようにして設定されるようになってい
る。 LAMBDA=P+I+D−2.0 P=KP×DILMD …(1) KPは、例えば、機関回転速度Ne(X軸)と負荷Tp
(Y軸)に基づく3次元マップ(Z軸KP)から定まる
値である。
3次元マップ(Z軸KI)から定まる値である。 D=KD×DDILMD …(3) KDは、例えば、Ne(X軸)とTp(Y軸)に基づく
3次元マップ(Z軸KD)から定まる値である。
DAを算出する構成(PID制御)としたが、P分、I
分、D分の何れかを用いてLAMBDAを算出する構成(例え
ば、PI制御、PD制御など)とすることもできる。
ユニット50により実行される空燃比センサの異常診断制
御について、その基本的な考え方を説明する。即ち、本
実施形態における空燃比センサの異常診断では、定常走
行状態(機関11の定常状態)中、空燃比センサ18により
検出される実際の空燃比(検出値)が目標空燃比となる
ように空燃比制御対象(燃料噴射量或いは吸入空気流
量)をフィードバック制御している場合に、目標空燃比
を変化させる(切り換える)ようにする。このとき、目
標空燃比の変化に従って空燃比制御対象(燃料噴射量或
いは吸入空気流量)が変化されるので、空燃比センサ18
に異常がなければ、空燃比センサ18の検出値も目標空燃
比の変化に追従して変化するはずである。従って、目標
空燃比の変化に追従して変化する空燃比センサ18の検出
値の様子を観察すれば、空燃比センサ18の異常の有無を
診断できることになる。
せてから空燃比センサ18の検出値が目標空燃比に収束す
るまでの所要時間、或いは、目標空燃比を変化させてか
ら空燃比センサ18の検出値が目標空燃比(若しくは予め
定めた所定値でも良い)を横切るまでの所要時間等によ
って、空燃比センサ18の異常の有無、特に応答性の低下
(例えば、ガス拡散層6の目詰まり、各電極部の劣化、
ヒータ部2のコントロール回路の故障等)の有無を高精
度に診断できることになる。また、目標空燃比を変化さ
せてからの空燃比センサ18の検出値の変化の傾きを観察
して、空燃比センサ18の異常を診断することも可能であ
る。
に、無制限に目標空燃比を変化させてしまったのでは、
三元触媒19(或いはリーンNOx 触媒や酸化触媒)の排
気浄化性能を悪化させる惧れもあるので、目標空燃比を
変化させる範囲を、三元触媒19(或いはリーンNOx 触
媒や酸化触媒)の排気浄化性能変化を許容できる範囲に
制限することは好ましいことである。
ベーション制御{空燃比を広範囲に亘って検出できる広
域空燃比センサを用いた空燃比フィードバック制御にあ
っては、理論空燃比に対してリッチかリーンかしか検出
できない酸素センサを用いた空燃比フィードバック制御
に比べ、排気空燃比がリッチ・リーン反転する機会が少
ないため、触媒表面上での酸素分子の吸着・離脱が効果
的に行われず3成分(NOx ,CO,HC)を同時に浄
化する効率が低下してしまう惧れがあるが、これを抑制
するために、広域空燃比センサを用いた空燃比フィード
バック制御にあっては、図4に示すように、強制的に触
媒入り口の空燃比(換言すれば、目標空燃比)を振幅さ
せて3成分の浄化効率を最大限高めるようにする制御}
の実行中に、排気浄化効率を高めるための強制的な目標
空燃比の変化に対応した空燃比センサ18の検出値の変化
の様子を観察することで、空燃比センサ18の異常の有無
を診断するようにすれば、触媒パータベーション制御に
より触媒の持つ排気浄化性能を最大に高めながら、同時
に空燃比センサ18の異常診断も高精度に行うことができ
ることになるので効果的である。
に、空燃比センサ18の異常診断中は、空燃比センサ18の
出力が空燃比切換後の空燃比に収束するまでの時間バラ
ツキ(応答バラツキ)を極力無くして診断精度を向上さ
せるために、前記空燃比制御定数(P,I,D延いては
LAMBDA。言い換えれば制御ゲイン)を、通常の空燃比制
御時とは異なる値に設定することができるようになって
いる。
うな空燃比センサの異常診断制御を実行するようになっ
ている。以下、本実施形態のコントロールユニット50が
行う空燃比センサの異常診断制御を、図3に示すフロー
チャートに従って説明する。なお、本発明にかかる空燃
比フィードバック制御手段、目標空燃比切換手段、検出
値変化検出手段、異常診断手段、診断用制御ゲイン設定
手段としての機能は、以下に説明するように、コントロ
ールユニット50がソフトウェア的に備えるものである。
下、同様。)1では、各種センサの出力(機関の冷却水
温Tw、機関回転速度Ne、空燃比センサ18の検出値
(出力VAFなど)、吸入空気流量Qa、吸気圧PB
等)を読み込む。ステップ2では、異常診断許可条件成
立か否かを判定(判断)する。即ち、例えば、下記〜
の条件が成立するまで、異常診断を許可しないように
なっている。
off)後一定時間経過したか(換言すれば始動後所定
時間経過したか)否かを判断し、経過していなければ診
断開始を許可しないようになっている。例えば、始動時
増量、壁流形成の影響による誤診断や、空燃比センサ18
の不活性状態下において診断が行われることによる誤診
断を防止する等のためである。
終了か否かを判断し、終了していなければ異常診断を許
可しないようになっている。空燃比センサ18の不活性状
態下において診断が行われることによる誤診断を防止す
る等のためである。なお、かかる判断は、機関の冷却水
温Tw、空燃比センサ18の出力VAF等に基づいて行う
ことができる。
トロール)条件(例えば、機関運転が定常状態)が成立
し、前述した触媒パータベーション制御が実行されてい
るか否かを判断し、実行されていなければ異常診断を許
可しないようになっている。触媒パータベーション制御
の実行中は、触媒19の入り口部の空燃比を所定周期で所
定量振幅させて3成分(NOx 、CO,HC)の転換効
率(浄化効率)を高めるようにするので、空燃比センサ
18の検出値の変化の応答性を検出(モニタ等)して異常
の有無を診断する本実施形態における診断方法において
診断精度を高めることが可能となるからである。また、
排気性能を良好に維持しながら、高精度に異常診断を行
うことができるからである。
吸入空気流量Qa、吸気圧PB、車速VSP等が所定範
囲内にあるか否か等に基づいて行うことができる。 触媒19が活性化しているか否かを判断し、活性化して
いなければ診断開始を許可しないようになっている。触
媒19が活性化していない場合には(触媒19の不活性中
は、一般に、HCの排出量の低減や活性化促進のため空
燃比をリーン側に維持するなどしているため)、空燃比
を振幅させると却って排気性能を悪化させる惧れがある
からである。なお、かかる判断は、機関の冷却水温T
w、空燃比センサ18の出力VAF等に基づいて行うこと
ができる。
3へ進むが、当該ステップ3では、診断用制御定数(診
断用制御ゲイン)を設定し、これに基づいて空燃比フィ
ードバック制御を行う。即ち、P分について、上記
(1)式で算出したベースP分に対して診断用補正係数
を乗算する(P←P×診断用補正係数)。
ースI分に対して診断用補正係数を乗算する(I←I×
診断用補正係数)。D分について、上記(3)式で算出
したベースD分に対して診断用補正係数を乗算する(D
←D×診断用補正係数)。そして、上記補正後のP,
I,Dを用いて、診断用空燃比フィードバック補正係数
LAMBDAを、下式により算出する。なお、診断用空燃比フ
ィードバック補正係数LAMBDAは、通常の空燃比フィード
バック補正係数LAMBDAに対して、約1.5倍程度の値に
することが、診断精度と制御特性(排気性能)等の両面
を考慮すると好ましいことが実験等により確認されてい
る(一例として、P←P×1.0、I←I×1.5、D
←D×1.0とすること等が考えられる)。
めるように設定されたLAMBDAを用いて、制御応答性の高
い空燃比フィードバック制御を行う。続くステップ4で
は、空燃比センサ18の出力値をモニタする。例えば、目
標空燃比のリッチ→リーン反転時における空燃比センサ
18の出力値の応答(Rich→Lean応答)をモニタ
し、目標空燃比のリーン→リッチ反転時における空燃比
センサ18の出力値の応答(Lean→Rich応答)を
モニタする。
ば、図4に示すように、目標空燃比がリーン→リッチ反
転した時点から空燃比センサ18の検出値(出力値)が目
標空燃比(リッチ側目標値)を横切るまでの時間、或い
はリッチ→リーン反転した時点から空燃比センサ18の検
出値(出力値)が目標空燃比(リーン側目標値)を横切
るまでの時間が、所定値(診断基準値)以内であるか否
かに基づいて判定することができる。所定値(診断基準
値)を越える(NOの)場合には、ステップ6へ進み、
所定値(診断基準値)以内(YES)であればステップ
7へ進む。
センサ18の検出値が変化後の目標空燃比に収束するまで
の所要時間を計測し、その計測結果が所定値以内である
か否かに基づいて判定することもできる。ステップ6で
は、検出応答性が悪いと判断できるので、空燃比センサ
18の応答性は異常である(例えば、ガス拡散層6の目詰
まり、各電極部の劣化、ヒータ部2のコントロール回路
の故障等がある)と判断(NG判定)して、本フローを
終了する。
生じた場合には、警告灯(MIL)を点灯等して運転者
等に空燃比センサ18に何らかの異常がある旨を認知させ
修理等の処置を促すようにする。また、運転性能や排気
性能等の悪化を極力避けるべく、空燃比センサ18の検出
結果に基づく空燃比フィードバック制御を禁止し、特に
リーン燃焼制御等を強制的に禁止するようにしても良
い。
に警告灯(MIL)を点灯等するようにすると、1回目
にNG判定され次にOK判定されたような場合には、1
回目のNG判定が誤判定であった惧れがあるが、このよ
うな誤判定を排除することができるので、空燃比センサ
18の異常診断精度を一層高めることができる。なお、所
定回数応答判定を行った際に、所定割合でNG判定が行
われた場合に、警告灯(MIL)を点灯等して運転者等
に空燃比センサ18に何らかの異常がある旨を認知させる
ようにすることもできる。また、勿論、1回でもNG判
定されたら警告灯(MIL)を点灯させても良いもので
ある。
と判断できるので、空燃比センサ18の応答性は正常であ
ると判断(OK判定)して、本フローを終了する。この
ように、本実施形態によれば、空燃比センサ18による空
燃比フィードバック制御中に、目標空燃比が切り換わっ
た場合の空燃比センサ18の検出値の応答特性に基づいて
空燃比センサの異常診断を行うものにおいて、診断中に
は、空燃比フィードバック制御の空燃比制御定数(P,
I,D延いてはLAMBDA。制御ゲイン)を制御応答性の高
い診断用の値に設定するようにしたので、空燃比センサ
の製品バラツキや診断開始時(空燃比切換時)の空燃比
バラツキ等の影響による空燃比センサの出力が目標空燃
比を横切るまでの時間(或いは目標空燃比相当値に収束
するまでの時間)バラツキを小さくすることができるの
で、診断基準値の設定が容易となるから、誤診断を抑制
でき、延いては診断精度を向上させることができる。
(制御ゲイン)を設定するから、通常の空燃比制御領域
においては通常通りの空燃比フィードバック制御が行え
るので、必要以上に、空燃比振幅や制御安定性等を乱す
ことがないので、運転性、排気性能等の低下も最小限に
留めることができる。なお、本実施形態のように、診断
用空燃比制御定数(制御ゲイン)を、P分,I分,D分
毎の設定を変えて設定できる構成とすれば、空燃比フィ
ードバック制御の応答性、収束性等の設定自由度を広げ
ることができるので、診断精度の向上と、要求される他
の諸特性(例えば所望の運転性、排気性能等の維持など
様々の要求特性がある)と、の両立を図るうえで、有利
なものとなる。
発明によれば、広域空燃比センサの異常診断中には、空
燃比フィードバック制御の制御ゲインを応答性の高い診
断用のものに設定変更するので、広域空燃比センサの製
品バラツキや診断開始時(空燃比切換時)の空燃比バラ
ツキ等の影響による誤診断を抑制でき、延いては診断精
度を向上させることができる。
するから、通常の空燃比制御領域においては通常通りの
空燃比フィードバック制御が行えるので、必要以上に、
空燃比振幅や制御収束性等を乱すことがないので、運転
性、排気性能等の低下を最小限に留めることができる。
請求項2に記載の発明によれば、P分,I分,D分の何
れかの設定を変えて、診断用制御ゲインを設定変更でき
るので、空燃比フィードバック制御の応答性、収束性等
の設定自由度を拡大することができ、以って診断精度の
向上と、要求される他の諸特性(例えば所望の運転性、
排気性能等の維持など様々の要求特性がある)と、の両
立を図るうえで、有利なものとなる。
触媒パータベーション制御の目標空燃比振幅によって排
気浄化触媒の浄化性能を高めながら、同時に、該目標空
燃比振幅を利用して広域空燃比センサの異常診断を行う
ことができる。従って、簡単な構成で、排気性能を高く
維持しながら、従来に増して、迅速かつ高精度に広域空
燃比センサの異常の有無を診断することができる。
ば、簡単な構成で、高精度に広域空燃比センサの異常を
診断することができる。
制御を説明するフローチャート
と、該切り換えに伴う空燃比センサの検出値の変化の様
子を示すタイムチャート
ための図
ャート
定数の設定の仕方を説明する図
Claims (5)
- 【請求項1】空燃比を広範囲に亘って検出できる広域空
燃比センサと、 広域空燃比センサの検出結果に基づいて、機関吸入混合
気の空燃比が目標空燃比となるように、空燃比制御対象
を増減補正する空燃比フィードバック制御手段と、 前記目標空燃比を切り換える目標空燃比切換手段と、 広域空燃比センサの検出値の変化の様子を検出する検出
値変化検出手段と、 前記目標空燃比切換手段によって目標空燃比が切り換え
られたときからの前記検出値変化検出手段の検出結果に
基づいて、広域空燃比センサの異常を診断する異常診断
手段と、 を含んで構成された広域空燃比センサの異常診断装置に
おいて、 前記異常診断手段における広域空燃比センサの異常診断
中には、前記空燃比フィードバック制御手段における制
御ゲインを、通常時より大きく設定する診断用制御ゲイ
ン設定手段を含んで構成したことを特徴とする広域空燃
比センサの異常診断装置。 - 【請求項2】前記診断用制御ゲイン設定手段が、P分,
I分,D分の何れかを設定変更することで、制御ゲイン
を設定変更することを特徴とする請求項1に記載の広域
空燃比センサの異常診断装置。 - 【請求項3】前記目標空燃比切換手段が、強制的に目標
空燃比を振幅させる手段であることを特徴とする請求項
1又は請求項2に記載の広域空燃比センサの異常診断装
置。 - 【請求項4】前記異常診断手段が、前記目標空燃比切換
手段によって目標空燃比が切り換えられたときから、広
域空燃比センサの検出値が、所定値若しくは前記目標空
燃比切換手段によって切り換えられた後の目標空燃比に
相当する値に到達するまでの所要時間に基づいて、広域
空燃比センサの異常を診断することを特徴とする請求項
1〜請求項3の何れか1つに記載の広域空燃比センサの
異常診断装置。 - 【請求項5】前記異常診断手段が、前記目標空燃比切換
手段によって目標空燃比が切り換えられたときから、広
域空燃比センサの検出値が前記目標空燃比切換手段によ
って切り換えられた後の目標空燃比に相当する値に収束
するまでの所要時間に基づいて、広域空燃比センサの異
常を診断することを特徴とする請求項1〜請求項3の何
れか1つに記載の広域空燃比センサの異常診断装置。
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