JP2008304020A - 偏心揺動減速装置及びそのキャリヤ及び偏心体軸の支持方法 - Google Patents

偏心揺動減速装置及びそのキャリヤ及び偏心体軸の支持方法 Download PDF

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清次 峯岸
Yuji Yano
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Abstract

【課題】負荷側から強いラジアル荷重或いはスラスト荷重がかかるような状況で使用する場合であっても、外歯歯車が円滑に揺動回転できるようにする。
【解決手段】偏心体軸114に設けられた偏心体116A、116Bによって、外歯歯車118A、118Bが偏心揺動する偏心揺動減速装置110において、外歯歯車118A、118Bを貫通する内ピン(連結体)126によって連結された一対の第1、第2キャリヤ124A、124Bを備え、該第1、第2キャリヤ124A、124Bの一部に、軸と直角のキャリヤ支持面125A、125Bをそれぞれ形成すると共に、前記偏心体軸114の一部に、軸と直角の偏心体軸支持面117A、117Bを形成し、該キャリヤ支持面125A、125B及び偏心体軸支持面117A、117Bに配置されたスラスト板128A、128B、134A、134Bによって、前記第1、第2キャリヤ124A、124B及び偏心体軸114を支持する。
【選択図】図3

Description

本発明は、偏心揺動減速装置及びそのキャリヤ及び偏心体軸の支持方法に係る。
例えば特許文献1において、図6及び図7に示されるような偏心揺動減速装置が開示されている。
この偏心揺動減速装置10は、入力軸に相当する偏心体軸14に設けられた偏心体16A、16Bによって、外歯歯車18A、18Bが内歯歯車22の半径方向内側で偏心揺動する構成としたものである。
外歯歯車18A、18Bの軸方向両側には、一対の第1、第2キャリヤ24A、24Bが配置され、外歯歯車18A、18Bの内ピン孔36A、36Bを貫通する内ピン(連結体)26によって連結されている。
第1、第2キャリヤ24A、24Bは、一対の玉軸受28A、28Bによってケーシング20に回転可能に支持されており、このうち第2キャリヤ24Bが出力軸30と一体化されている。
外歯歯車18A、18Bは、偏心体16A、16Bに玉軸受32A、32Bを介して組み付けられている。又、偏心体軸14は、玉軸受34A、34Bを介して第1、第2キャリヤ24A、24Bによって支持されている。
外歯歯車18A、18Bの外周にはトロコイド歯形等の外歯27が設けられ、内歯歯車22と内接噛合している。内歯歯車22の内歯はこの開示例では外ピン29が外ピン孔31に遊嵌され、回転し易く保持された構造とされている。
入力軸に相当する偏心体軸14が回転すると、偏心体16A、16Bが一体的に回転する。この偏心体16A、16Bの回転により、外歯歯車18A、18Bも偏心体軸14の周りで揺動回転を行なおうとするが、内歯歯車22によってその自転が規制されているため、外歯歯車18A、18Bは該内歯歯車22に内接しながらほとんど揺動のみを行なうことになる。
今、例えば外歯歯車18A、18Bの外歯27の歯数をN、内歯歯車22の内歯(外ピン29)歯数をN+1とした場合、その歯数差は1である。そのため、偏心体軸14の1回転毎に、外歯歯車18A、18Bはケーシング20に固定された内歯歯車22に対して1歯分だけずれる(自転する)ことになる。これは、偏心体軸14の1回転が外歯歯車18A、18Bの−1/Nの回転に減速されたことを意味する。なお、−の符号は回転方向が逆になっていることを示している。
外歯歯車18A、18Bの回転は、内ピン26及び内ピン孔36A、36Bの隙間によってその揺動成分が吸収され、自転成分のみが該内ピン26を介して第2キャリヤ24B、更には該第2キャリヤ24Bと一体化されている出力軸30へと伝達される。
なお、この開示例では、内歯歯車22がケーシング20と一体化されて固定状態に維持され、第1、第2キャリヤ24A、24Bが内ピン26を介して外歯歯車18A、18Bの自転成分と同期して回転するように構成されていたが、出力軸30側を固定し(第1、第2キャリヤ24A、24Bを固定し)、外歯歯車18A、18Bの自転成分を該第1、第2キャリヤ24A、24Bと同期させることによって拘束し、内歯歯車22側を出力系とする、いわゆる枠回転型として使用することも可能である。
特許第2888673号公報
このような構造の偏心揺動減速装置を、例えばショベルカーの旋回駆動装置に適用した場合、該ショベルカーは必ずしも平坦な地面上で作業をする訳ではないため、出力軸が傾くことによって該出力軸に強いラジアル荷重、或いはスラスト荷重が掛かることがある。しかしながら、従来の構造では、出力軸に強い荷重が掛かると、該出力軸と一体化されているキャリヤ(図示の例では第2キャリヤ24B)が振れ回ったり、軸方向に押圧されたりする現象が発生し、その結果、第1、第2キャリヤの全体の円滑な回転が阻害され、該キャリヤに支持されている偏心体軸14や外歯歯車18A、18Bの円滑な揺動運動が阻害されることがあった。
また、このような構成の偏心揺動減速装置にあっては、特に第1、第2キャリヤ24A、24Bや偏心体軸14を支持している軸受として、玉軸受28A、28Bや玉軸受34A、34Bを用意する必要があり、特に装置の軸方向長が長くなり易いという問題もあった。
本発明は、このような従来の問題を解消するためになされたものであって、偏心揺動減速装置において、出力軸に強い荷重が掛かるような状況で使用する場合であっても、外歯歯車を円滑に揺動回転でき、且つ装置全体の軸方向長の短縮を可能とすることをその課題としている。
本発明は、偏心体軸に設けられた偏心体によって、外歯歯車が内歯歯車の半径方向内側で偏心揺動する偏心揺動減速装置において、前記外歯歯車の軸方向両側に配置されると共に該外歯歯車を貫通する連結体によって連結され、該外歯歯車の自転成分と同期する一対のキャリヤを備え、該一対のキャリヤの一部及び前記偏心体軸の一部に、該偏心体軸と直角のキャリヤ支持面及び偏心体軸支持面をそれぞれ形成すると共に、該キャリヤ支持面及び偏心体軸支持面にスラスト軸受をそれぞれ配置し、該スラスト軸受を介して前記一対のキャリヤ及び前記偏心体軸を支持した構成とすることにより、上記課題を解決したものである。
本発明においては、外歯歯車の軸方向両側に一対のキャリヤが配置され、各キャリヤは連結体によって強固に連結される。この結果、当該一対のキャリヤは連結体と共に大きな1個の塊を形成することになる。本発明では、この大きな塊を従来のように「半径方向」から支持するのではなく、一対のキャリヤの一部に、軸と直角のキャリヤ支持面を形成すると共に、偏心体軸の一部に、軸と直角の偏心体軸支持面をそれぞれ形成し、該(軸と直角の)キャリヤ支持面及び偏心体軸支持面を介して、「軸方向」からこの大きな塊を支持する。大きな塊は、半径方向にはフリーな状態が維持され、内歯歯車からの噛合反力にてバランスが取られる。
この結果、たとえ負荷側からキャリヤを振り回すようなラジアル荷重或いはスラスト荷重がかかったとしても、一対のキャリヤ及び偏心体軸は、双方とも軸方向及び半径方向の反力を効果的に得ることができ、該キャリヤあるいは偏心体軸の安定した回転を維持することができる。
また、スラスト軸受は、例えば後述するようにプレート状のリング板等で構成したり、ボールを軸方向から包むような設計としたりすることができ、軸方向に短い設計がし易いというメリットがある。そのため、装置全体の軸方向長の短縮も容易に実現できる。
本発明によれば、偏心揺動減速装置において、たとえ負荷側からラジアル荷重やスラスト荷重等が掛かったとしても、円滑に回転を開始或いは続けることができ、且つ装置全体の軸方向長を短く設計することができる。
以下、図面に基づいて本発明の実施形態の一例を詳細に説明する。
図1は、本発明の実施形態の一例に係る偏心揺動減速装置110の縦断面図、図2は、図1の矢示II−II線に沿う断面図である。
又、図3は、図1の要部拡大図、図4は、この偏心揺動減速装置110が適用されるショベルカー180の全体概略透視図である。
図4を参照して、ショベルカー180は、走行用キャタピラ182の上部に運転席184を含む車体本体186が旋回可能に載置されている。車体本体186からは、ブーム188、アーム190、及びアタッチメント192が片持ち状態で据え付けられている。車体本体186は、ベース側に内歯歯車194が固定されており、この内歯歯車194にピニオン196が噛合することにより、軸心198の周りで車体本体186が旋回できるような構成とされている。偏心揺動減速装置110は、このピニオン196を回転させるために用いられる。
図1〜図3を参照して、偏心揺動減速装置110について詳細に説明する。
この偏心揺動減速装置110は、モータMと、偏心揺動型の減速機111と、前述のピニオン196を一体的に備える連結部材150と、を備える。
モータMと減速機111は、ボルト152を介して一体化されている。モータMの出力軸(モータ軸)154は、スプライン156を介して入力軸112と連結されている。
入力軸112は偏心体軸114を兼用している。偏心体軸114は、半径方向には特に軸受を介しては支持されていない。偏心体軸114の偏心体116A、116Bの両側には、軸と直角の偏心体軸支持面117A、117Bが形成されており、偏心体軸114は、この偏心体軸支持面117A、117Bに当接される偏心体軸スラスト板134A、134Bによって軸方向から支持される構成とされている。偏心体軸スラスト板134A、134Bについては後述する。偏心体軸114の外周には偏心体116A、116Bが一体的に形成されている。
減速機111の機構学的な減速のメカニズム自体は先の従来例と基本的に同一である。即ち、偏心体116A、116Bの外周に案内されて外歯歯車118A、118Bが内歯歯車122の半径方向内側で偏心揺動する構成とされている。
主に、図3を参照して、偏心体116A、116Bの外周には外歯歯車118A、118Bが、ニードル軸受132A、132Bを介して装着されている。ニードル軸受132A、132Bは、後述する偏心体軸スラスト板134A、134Bの間に隙間δ1を有して配置されることにより、その軸方向の動きが規制されている。逆に言うならば、ニードル軸受132A、132Bは、この隙間δ1の範囲内で軸方向に移動可能である。
外歯歯車118A、118Bの外周にはトロコイド歯形の外歯127が形成されており、内歯歯車122の内歯を構成する外ピン129と噛合している。外歯歯車118A、118Bは、それぞれ軸方向に2枚(N=2)並べて配置されており、且つその偏心方向が180度(N/380度=2/380度)だけずれている。すなわち、2枚の外歯歯車118A、118Bは、それぞれが常に互いに軸心に対して反対側の位置で内歯歯車122と噛合する態様で組み込まれている。また、外歯歯車118A、118Bは、該外歯歯車118A、118Bを軸方向に貫通する内ピン孔136A、136Bを備え、この内ピン孔136A、136Bを内ローラ138A、138Bを介して内ピン126が貫通(遊嵌)している。内ピン126は、第1、第2キャリヤ124A、124Bに圧入・固定されており、該第1、第2キャリヤ124A、124Bを強固に連結する連結体として機能すると共に、外歯歯車118A、118Bの自転成分を取り出すための部材として機能する。なお、内ローラ138A、138Bは、内ピン126と外歯歯車118A、118Bとの間にあってこれらの部材126、118A、118Bとの摺動抵抗を低減するためのものである。
第1、第2キャリヤ124A、124Bは、外歯歯車118A、118Bの軸方向両側に配置されている。しかし、半径方向においては、特に軸受によっては支持されていない。第1、第2キャリヤ124A、124Bの軸方向端部には、軸と直角のキャリヤ支持面125A、125Bが形成されている。一方、ケーシング120の側には、キャリヤ支持面125A、125Bと対向するように、キャリヤ対向面121A、121Bが軸と直角に形成されている。第1キャリヤ124Aは、このキャリヤ支持面125Aに当接されるキャリヤスラスト板128Aを介して、軸方向からケーシング120のキャリヤ対向面121Aにて支持される構成とされている。第2キャリヤ124Bは、キャリヤ支持面125Bに当接されるキャリヤスラスト板128Bを介して、軸方向からケーシング120のキャリヤ対向面121Bにて支持される構成とされている。キャリヤスラスト板128A、128Bは、プレート状のリング板で構成されている。該キャリヤスラスト板128A、128Bの両サイドの部材同士(即ち第1キャリヤ124A及びケーシング120同士、第2キャリヤ124B及びケーシング120同士)は、それぞれキャリヤ支持面125A、125B、キャリヤ対向面121A,121Bの間にキャリヤスラスト板128A、128Bを介在した状態で、軸と直角方向の若干の相対変位が可能である。
また、第1、第2キャリヤ124A、124Bにおける前述の偏心体軸114の偏心体軸支持面117A、117Bに対向する位置には、偏心体軸対向面127A、127Bが軸と直角に形成されており、この偏心体軸支持面117A、117Bと偏心体軸対向面127A、127Bと間に前記偏心体軸スラスト板134A、134Bが、当接・介在されている。この偏心体軸スラスト板134A、134Bもプレート状のリング板で構成されている。
第1、第2キャリヤ124A、124Bのうち、第2キャリヤ124Aが、連結部材150と連結されている。この連結は、半径方向に隙間のあるスプライン160を介して行われている。連結部材150には前記ショベルカー180のピニオン196(図1、図4参照)が一体的に形成されている。連結部材150は、負荷側からのラジアル荷重、あるいはスラスト荷重を直接受けるため、一対の自動調心ころ軸受162、164によってケーシング120に可動的に支持されている。即ち、自動調心ころ軸受162、164の機能により、スプライン160の部分で、連結部材150の半径方向及び軸方向の双方の動きが許容されている。
内歯歯車122の内歯を構成する前記外ピン129は、内歯歯車122の本体122Aに形成された外ピン孔131に回転自在に嵌合している。内歯歯車122は、ケーシング120と一体化され、この実施形態では固定状態に維持されている。
次にこの実施形態に係る偏心揺動減速装置110の作用を説明する。
モータMのモータ軸154が回転すると、スプライン156を介して減速機111の入力軸112が回転する。これにより該入力軸112と一体化されている偏心体軸114が回転し、偏心体116A、116Bが一体的に回転する。偏心体116A、116Bが回転すると、外歯歯車118A、118Bも偏心体116A、116Bの周りで揺動回転を行なおうとするが、内歯歯車122によってその自転が規制されているため、外歯歯車118A、118Bは、該内歯歯車122に内接しながらほとんど揺動のみを行なうことになる。
この実施形態では、外歯歯車118A、118Bの外歯127の歯数が34、内歯歯車122の内歯(外ピン129)の歯数が36で、その歯数差が2であるため、入力軸112(偏心体軸114)の1回転毎に、外歯歯車118A、118Bは、ケーシング120に固定された内歯歯車122に対して2歯分だけずれる(自転する)ことになる。これは、入力軸112(偏心体軸114)の1回転が外歯歯車118A、118Bの−2/34の回転に減速されたことを意味する。なお、−の符号は回転方向が逆になっていることを示している。
外歯歯車118A、118Bの回転は、内ピン126(内ローラ138A、138B)と内ピン孔136A、136Bとの隙間によってその揺動成分が吸収され、自転成分のみが該内ピン126を介して第1、第2キャリヤ124A、124Bに伝達され、更には、該第2キャリヤ124Bからスプライン160を介して連結部材150に伝達される。
連結部材150の先端には、前述のショベルカー180のピニオン196(図3、図4参照)が一体的に形成されており、このピニオン196が該ショベルカー180のベース側に備えられた内歯歯車194と噛合することにより、車体本体186が軸心198を中心に旋回する。
ここで、本実施形態においては、負荷側の連結部材150が、一対の自動調心ころ軸受162、164を介して支持されているため、この連結部材150自体がケーシング120に対して可動的であり、しかも、第2キャリヤ124Bが該連結部材150と半径方向に隙間を有したスプライン160によって連結されている。そのため、たとえ負荷側からラジアル荷重やスラスト荷重がかかったとしても、該荷重がキャリヤ側(第2キャリヤ124B側)に伝わり難い。即ち、減速機111が負荷側からの影響をそもそもほとんど受けない状態を基本的に形成することができる。
又、仮に、これらの外乱要素が減速機111側にまで伝わってきたとしても、以下のような作用により、外歯歯車118A、118Bは円滑な回転を開始でき、また該円滑な回転を維持することができる。
即ち、本実施形態においては、外歯歯車118A、118Bの軸方向両側に一対備えられた第1、第2キャリヤ124A、124Bが、内ピン(連結体)126を介して強固に連結されている。そのため、第1キャリヤ124Aと第2キャリヤ124Bは、「大きな塊」として一体的に動く。
ここで、この一体化された第1、第2キャリヤ124A、124Bは、一対のキャリヤスラスト板128A、128Bを介してケーシング120にて支持されていてその軸方向の動きが封じられているため、この部分で第1、第2キャリヤ124A、124Bの振れ回りが抑えられる。しかも、第1、第2キャリヤ124A、124Bは、キャリヤスラスト板128A、128Bを介して相互に若干だけ軸と直角の方向にケーシング120に対して相対変位可能であるため、振れ回りを強制的に押さえ込んだとしても、該第1、第2キャリヤ124A、124Bは円滑な回転を維持することができる。
また、偏心体軸114は、一対の偏心体軸スラスト板134A、134Bを介して第1、第2キャリヤ124A、124Bにて支持されている。第1、第2キャリヤ124A、124Bは、上述の作用によりその軸方向の動きが封じられているため、偏心体軸114もまた、その軸方向の動きが封じられ、半径方向の若干の動きのみが許容された状態となる。この結果、第1、第2キャリヤ124A、124B及び偏心体軸114は、全体としてその軸方向の動きが完全に封じられた状態で保持されることになる。
一方、偏心体116A、116Bと外歯歯車118A、118Bとの嵌合が、ニードル軸受132A、132Bを介して行なわれている。
更に、偏心体軸114自体が径方向に移動可能とされ、外歯歯車118A、118Bは、力学的にその時点で最も円滑な回転ができる状態に適宜に内歯歯車122側から噛合反力を受ける。
なお、本実施形態においては、第1、第2キャリヤ124A、124B及び偏心体軸114を含む大きな塊は、内歯歯車側からの噛合反力によりその半径方向の支持(フロート支持)がなされる。この実施形態では、外歯歯車118A、118Bが2枚設けられ、且つそれぞれの偏心位相が2/360度=180度だけずらされることにより、常時内歯歯車122と該2枚の外歯歯車118A、118Bが内歯歯車122の軸心を中心とする円周を2等分した位置にてそれぞれ噛合しているため、この噛合反力を安定的に受けることができる。
次に、図5に本発明の他の実施形態例を示す。
この実施形態では、先の実施形態におけるキャリヤスラスト板128A、128Bと、偏心体軸スラスト板134A、234Bとを、それぞれキャリヤボール軸受228A、228Bと、偏心体軸ボール軸受234A、234Bとに置き換えた構成とされている。
(モータ側の)スラストボール軸受228Aは、複数のキャリヤボール259Aを備える。該キャリヤボール259Aの両サイドの部材(即ち第1キャリヤ224A及びケーシング220)の(軸と直角の)キャリヤ支持面225A及びキャリヤ対向面221Aには、該キャリヤボール259Aの外表面の一部に対応した断面形状のリング溝261A、263Aが凹設されている。キャリヤボール259Aは、このリング溝261A、263Aに回転自在に挟持され、該キャリヤボール259Aとリング溝261A、263Aとの係合により、キャリヤボール259Aの両サイドの部材(第1キャリヤ224A及びケーシング220)が半径方向に相対変位しようとする反力(ラジアル荷重)をも受け得る構成とされている。
同様の構成により、(負荷側の)スラストボール軸受228Bでは、キャリヤボール259Bの両サイドの部材(即ち第2キャリヤ224B及びケーシング220)の(軸と直角の)キャリヤ支持面225A及びキャリヤ対向面221Bには、該キャリヤボール259Bの外表面の一部に対応した断面形状のリング溝261B、263Bが凹設されている。キャリヤボール259Aは、このリング溝261B、263Bに回転自在に挟持され、該キャリヤボール259Aとリング溝261B、263Bとの係合により、キャリヤボール259Bの両サイドの部材(第2キャリヤ224B及びケーシング220)が半径方向に相対変位しようとする反力(ラジアル荷重)をも受け得る構成とされている。
(モータ側の)偏心体軸ボール軸受234Aでは、偏心体軸ボール262Aの両サイドの部材(即ち第1キャリヤ224A及び偏心体軸214)の(軸と直角の)偏心体軸支持面217A及び偏心体軸対向面227Aに、該偏心体軸ボール262Aの外表面の一部に対応した断面形状のリング溝265A、267Aが凹設され、該偏心体軸ボール262Aとリング溝265A、267Aとの係合により、第1キャリヤ224A及び偏心体軸214が半径方向に相対変位しようとする反力(ラジアル荷重)をも受け得る構成とされている。
同様に、(負荷側の)偏心体軸ボール軸受234Bでは、偏心体軸ボール262Bの両サイドの部材(即ち第2キャリヤ224B及び偏心体軸214)の(軸と直角の)偏心体軸支持面217B及び偏心体軸対向面227Bに、該偏心体軸ボール262Bの外表面の一部に対応した断面形状のリング溝265B、267Bが凹設され、該偏心体軸ボール262Bとリング溝265B、267Bとの係合により、第2キャリヤ224B及び偏心体軸214が半径方向に相対変位しようとする反力(ラジアル荷重)をも受け得る構成とされている。
この結果、第1、第2キャリヤ224A、224B、及び偏心体軸214は、キャリヤボール軸受228A、228B、偏心体軸ボール軸受234A、234Bにより、スラスト荷重とラジアル荷重の双方を受け得ることになり、第1、第2キャリヤ224A、224B、及び偏心体軸214の若干の傾きや半径方向の変位を極めて良好に吸収できる。この結果、第1、第2キャリヤ224A、224Bや偏心体軸214の回転もより円滑化できる。
その他の構成は、先の実施形態と基本的に同一であるため、図中で対応する部位に下2桁が同一の符号付すに止め、重複説明を省略する。
なお、先の実施形態においては、一対のキャリヤが、キャリヤ支持面に配置されたスラスト軸受によって当該偏心揺動減速装置の「ケーシング」に支持されると共に、偏心体軸が偏心体軸支持面に配置されたスラスト軸受によって前記「一対のキャリヤ」に支持された構成が示されていたが、本発明においては、一対のキャリヤ及び偏心体軸の双方が、それぞれ前記偏心体軸支持面又は前記キャリヤ支持面に配置されたスラスト軸受によって当該偏心揺動減速装置の「ケーシング」に支持された構成としても良い。
また、先の実施形態においては、外歯歯車が2枚設けられ、且つそれぞれの偏心位相が2/360度=180度だけずらされることにより、常時内歯歯車と該2枚の外歯歯車が内歯歯車の軸心を中心とする円周を2等分した位置にてそれぞれ噛合している構成が示されていたが、本発明においては、外歯歯車の枚数は特に限定されない。ただし、偏心体軸及び外歯歯車が円滑に回転するには、内歯歯車側から常に適正な半径方向の噛合反力が与えられることが望まれ、好ましくは、外歯歯車がN枚(Nは2以上の整数)設けられ、且つ、それぞれの偏心位相がN/360°だけずらされることにより、常時内歯歯車と該N枚の外歯歯車が、内歯歯車の軸心を中心とする円周をN等分した位置にてそれぞれ噛合している構成とするのがよい。
更には、偏心体軸の配置構造は、先の例のような「減速装置の半径方向中央に1本ある偏心体軸で構成される構造」のほか、公知の「同位相で回転する複数の偏心体軸で構成される構造」であってもよい。
本発明は、例えばショベルカーの旋回装置のように、負荷側から特にラジアル荷重やスラスト荷重のかかる場面で適用される偏心揺動減速装置に最適である。
本発明に係る偏心揺動減速装置の一例を示す縦断面図 図1の矢示II−II線に沿う断面図 図1の要部拡大図 上記偏心揺動減速装置が適用されるショベルカーの全体概略透視図 本発明の他の実施形態の一例を示す図3相当の断面図 従来の偏心揺動減速装置の一例を示す縦断面図 図6の矢示VII−VII線に沿う断面図
符号の説明
110…偏心揺動減速装置
111…減速機
112…入力軸
114…偏心体軸
116A、116B…偏心体
117A、117B…偏心体軸支持面
118A、118B…外歯歯車
120…ケーシング
121A…キャリヤ対向面
122…内歯歯車
124A、124B…第1、第2キャリヤ
125A、125B…キャリヤ支持面
126…内ピン
128A、128B…キャリヤスラスト板
132A、132B…ニードル軸受
134A、134B…偏心体軸スラスト板
136A、136B…内ピン孔
138A、138B…内ローラ
150…連結部材
162、164…自動中心ころ軸受
180…ショベルカー
194…内歯歯車
196…ピニオン

Claims (5)

  1. 偏心体軸に設けられた偏心体によって、外歯歯車が内歯歯車の半径方向内側で偏心揺動する偏心揺動減速装置において、
    前記外歯歯車の軸方向両側に配置されると共に該外歯歯車を貫通する連結体によって連結され、該外歯歯車の自転成分と同期する一対のキャリヤを備え、
    該一対のキャリヤの一部及び前記偏心体軸の一部に、該偏心体軸と直角のキャリヤ支持面及び偏心体軸支持面をそれぞれ形成すると共に、
    該キャリヤ支持面及び偏心体軸支持面にスラスト軸受をそれぞれ配置し、
    該スラスト軸受を介して前記一対のキャリヤ及び前記偏心体軸を支持した
    ことを特徴とする偏心揺動減速装置。
  2. 請求項1において、
    前記一対のキャリヤが、前記キャリヤ支持面に配置されたスラスト軸受によって当該偏心揺動減速装置のケーシングに支持されると共に、前記偏心体軸が前記偏心体軸支持面に配置されたスラスト軸受によって前記一対のキャリヤに支持された
    ことを特徴とする偏心揺動減速装置。
  3. 請求項1または2において、
    前記スラスト軸受の少なくとも1つが、プレート状のスラスト板で構成され、該スラスト板の両サイドの部材同士の偏心体軸と直角方向の相対変位が許容可能とされている
    ことを特徴とする偏心揺動減速装置。
  4. 請求項1〜3のいずれかにおいて、
    前記スラスト軸受の少なくとも1つが、
    複数のボールと、
    該ボールの両サイドの部材の前記キャリヤ支持面及びその対向面にそれぞれ形成され該ボールの外表面の一部に対応した断面形状とされたリング溝と、を有した構成とされ、
    該ボールとリング溝との係合により、ボールの両サイドの部材が半径方向に相対変位しようとする反力をも受け得る構成とされた
    ことを特徴とする偏心揺動減速装置。
  5. 請求項1〜4のいずれかにおいて、
    前記外歯歯車が、ニードル軸受を介して前記偏心体に軸方向移動可能に嵌合されている
    ことを特徴とする偏心揺動減速装置。
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