JP2008300527A - フレキシブルプリント配線基板及びその製造方法 - Google Patents

Abstract

【課題】折り返しによって大型化せず、しかも、折り返しによる基板面積ロスも少なくて済むフレキシブルプリント配線基板を提供する。
【解決手段】互いに間隔を置いて平行に配置された第１及び第２長尺配線基板部２，３と、互いに隣り合う第１及び第２長尺配線基板部２，３の一端側同士を連結する連結用配線基板部４とを備え、長尺配線基板部４の長手方向の直交方向Ｎに沿って、隣り合う第１及び第２長尺配線基板部２，３が一直線状に配置されるように双方の長尺配線基板部２，３の一端付近を折り返し、一直線状とされた隣り合う第１及び第２配線長尺基板部２，３に対し、幅方向に張り出した連結用配線基板部４を張り出さないように折り返すことによって作製された。
【選択図】図７

Description

本発明は、フレキシブルプリント配線基板及びその製造方法に関するものであり、より詳しくは、折り返しによって長尺化されたフレキシブルプリント配線基板及びその製造方法に係わる。

従来、自動車における電源の供給あるいは電子信号の伝達には、電線を用いたワイヤーハーネスが一般的であった。最近、自動車部品のモジュール化及び部品内部の省スペース化により、フレキシブルプリント配線基板による配線も行われるようになってきた。フレキシブルプリント配線基板は、薄く、且つ、軽量で、構造材に沿わせる形で配線することが可能であることから、従来のワイヤーハーネスに代わる配線材とし有望視されている。ワイヤーハーネスの代わりに配線する場合には、長尺のフレキシブルプリント配線基板が必要とされる可能性が高い。又、自動車の配線以外の分野でも長尺のフレキシブルプリント配線基板が使用される可能性がある。

しかし、フレキシブルプリント配線基板は、既存の設備を利用して自由に長尺のものを作製することは困難である。長尺のフレキシブルプリント配線基板を作製するには、設備自体を大型化する必要があり、莫大な設備投資が必要である。そこで、既存の設備から作製されたフレキシブルプリント配線基板を折り返しによって長尺化する従来技術が提案されている（特許文献１，特許文献２参照）。以下、その従来例を説明する。

折り返し前のフレキシブルプリント配線基板１００Ａは、図１４に示すように、長手方向Ｍが同一方向で、且つ、切り込み１０１を介して平行に配置された第１及び第２長尺配線基板部１０２，１０３と、互いに隣り合う第１及び第２長尺配線基板部１０２，１０３の一端側同士を連結する連結用配線基板部１０４とから構成されている。このような形状のフレキシブルプリント配線基板１００Ａを、その連結用配線基板部１０４のａ折り返し線に沿って谷折りし、更に、ｂ折り返し線に沿って山折りする。これによって、図１５（ａ）、（ｂ）に示すように、第１及び第２長尺配線基板部１０２，１０３の長手方向Ｍに沿って一直線状に配置されるフレキシブルプリント配線基板１００を作製する。

この従来例では、既存の設備で作製可能な長尺寸法に対して十分に長い長尺のフレキシブルプリント配線基板を作製することができる。

ところで、第１長尺配線基板部１０２や第２長尺配線基板部１０３は、長尺方向Ｍに沿って全ての位置で同一幅であれば、図１４のように第１長尺配線基板部１０２と第２配線基板部１０３の間隔（切り込み１０１の幅）を微小間隔とすることができる。しかし、図１６に示すように、第１長尺配線基板部１０２に実装回路部１０２ａを、第２長尺配線基板部１０３に基板固定部１０３ａを設ける場合には、実装回路部１０２ａと基板固定部１０３ａの幅を他の箇所よりも広く設定する必要がある。このように第１長尺配線基板部１０２と第２長尺配線基板部１０３の間隔Ａを広く取ると、連結用配線基板部１０４が長尺配線基板部１０２，１０３の長手方向の直交方向Ｎに長い形状となる。
特開平１−２５７３８９号公報 特開２００６−５１３４号公報

このような形状のフレキシブルプリント配線基板１１０Ａを、前記従来例と同様に折り返して長尺状のフレキシブルプリント配線基板１１０を作製すると、図１７（ａ）、（ｂ）に示すように、連結用配線基板部１０４の箇所に長尺配線基板部１０２，１０３の幅方向に張り出し部１０４Ａが形成されるため、フレキシブルプリント配線基板１１０が大型化するという問題がある。張り出し寸法Ｂは、第１長尺配線基板部１０２と第２長尺配線基板部１０３の間隔Ａに対して半分の寸法（Ｂ＝（１／２）・Ａ）になるため、長尺配線基板１０２，１０３間の間隔Ａが広くなればなるほど、大きくなる。このようにフレキシブルプリント配線基板１１０に張り出し部１０４Ａがあると、周囲に周辺部品１１１，１１２が配置される基板配索経路に配索する場合に、図１８に示すように、張り出し部１０４Ａが周辺部品１１２に干渉し、配索できない事態が発生する恐れがある。尚、図１８の１１３は、折り返し箇所の外周を被う固定具である。

また、前記従来例の折り返しによって作製されたフレキシブルプリント配線基板１１０は、図１９にてハッチングで示すエリアＥが折り返しによる基板面積ロスエリアとなる。つまり、前記従来例では、連結用配線基板部１０４の全てが基板面積ロスエリアとなるため、大きな基板面積ロスが発生し、製造時の歩留まりが悪いという問題がある。

そこで、本発明は、折り返しによって大型化しないフレキシブルプリント配線基板及びその製造方法を提供することを目的とする。又、他の本発明は、折り返しによって大型化せず、しかも、折り返しによる基板面積ロスも少なくて済むフレキシブルプリント配線基板及びその製造方法を提供することを目的とする。

上記目的を達成する請求項１の発明は、互いに間隔を置いて平行に配置された複数の長尺配線基板部と、互いに隣り合う前記長尺配線基板部の一端側同士を連結する連結用配線基板部とを備え、前記長尺配線基板部の長手方向に沿って、隣り合う前記長尺配線基板部が一直線状に配置されるように前記連結用配線基板部を折り返し、一直線状とされた隣り合う前記長尺配線基板部に対し、幅方向に張り出した前記連結用配線基板部の折り返し箇所を張り出さないように更に折り返したことを特徴とするフレキシブルプリント配線基板である。

請求項２の発明は、互いに間隔を置いて平行に配置された複数の長尺配線基板部と、互いに隣り合う前記長尺配線基板部の一端側同士を連結する連結用配線基板部とを備え、前記長尺配線基板部の長手方向の直交方向に沿って、隣り合う前記長尺配線基板部が一直線状に配置されるように双方の前記長尺配線基板部の一端付近を折り返し、一直線状とされた隣り合う前記配線長尺基板部に対し、幅方向に張り出した前記連結用配線基板部を張り出さないように折り返したことを特徴とするフレキシブルプリント配線基板である。

請求項３の発明は、請求項２記載のフレキシブルプリント配線基板であって、前記連結用配線基板部は、一直線状とされた隣り合う前記長尺配線基板部の幅より狭い幅となるように折り返したことを特徴とするフレキシブルプリント配線基板である。

請求項４の発明は、互いに間隔を置いて平行に配置された複数の長尺配線基板部と、互いに隣り合う前記長尺配線基板部の一端側同士を連結する連結用配線基板部とを備え、前記長尺配線基板部の長手方向の直交方向を基準として所定の傾斜方向に沿って、前記各長尺配線基板部が配索されるように双方の前記長尺配線基板部の一端付近を折り返し、所定の傾斜方向に沿って配索された隣り合う前記長尺配線基板部に対し、幅方向に張り出した前記連結用配線基板部を基板配索スペース内に配索できるように折り返したことを特徴とするフレキシブルプリント配線基板である。

請求項５の発明は、請求項１〜請求項４のいずれかに記載のフレキシブルプリント配線基板であって、複数の前記長尺配線基板部は、第１長尺配線基板部と第２長尺配線基板部から構成され、前記第１長尺配線基板部には、他の箇所より幅広の実装回路部が設けられ、前記第２長尺配線基板部には、他の箇所より幅広の基板固定部が設けられていることを特徴とするフレキシブルプリント配線基板である。

請求項６の発明は、請求項１〜請求項５のいずれかに記載のフレキシブルプリント配線基板であって、折り返された前記連結用配線基板部及びその周辺を固定具で被ったことを特徴とするフレキシブルプリント配線基板である。

請求項７の発明は、互いに間隔を置いて平行に配置された複数の長尺配線基板部と、互いに隣り合う前記長尺配線基板部の一端側同士を連結する連結用配線基板部とを備え、前記長尺配線基板部の長手方向に沿って、隣り合う前記長尺配線基板部が一直線状に配置されるように前記連結用配線基板部を折り返し、次に、一直線状とされた隣り合う前記長尺配線基板部に対し、幅方向に張り出した前記連結用配線基板部の折り返し箇所を張り出さないように更に折り返すことを特徴とするフレキシブルプリント配線基板の製造方法である。

請求項８の発明は、互いに間隔を置いて平行に配置された複数の長尺配線基板部と、互いに隣り合う前記長尺配線基板部の一端側同士を連結する連結用配線基板部とを備え、前記長尺配線基板部の長手方向の直交方向に沿って、隣り合う前記長尺配線基板部が一直線状に配置されるように双方の前記長尺配線基板部の一端付近を折り返し、次に、一直線状とされた隣り合う前記配線長尺基板部に対し、幅方向に張り出した前記連結用配線基板部を基板配索経路の幅スペースに応じて折り返すことを特徴とするフレキシブルプリント配線基板の製造方法である。

請求項９の発明は、互いに間隔を置いて平行に配置された複数の長尺配線基板部と、互いに隣り合う前記長尺配線基板部の一端側同士を連結する連結用配線基板部とを備え、前記長尺配線基板部の長手方向の直交方向を基準として所定の傾斜方向に沿って、前記各長尺配線基板部が配索されるように双方の前記長尺配線基板部の一端付近を折り返し、所定の傾斜方向に沿って配索された隣り合う前記長尺配線基板部に対し、幅方向に張り出した前記連結用配線基板部を基板配索スペース内に配索できるように折り返すことを特徴とするフレキシブルプリント配線基板の製造方法である。

請求項１の発明によれば、折り返し箇所に張り出しが発生しないため、コンパクトなフレキシブルプリント配線基板を提供できる。

請求項２の発明によれば、折り返し箇所に張り出しが発生せず、又、折り返しによる基板面積ロスエリアが隣り合う長尺配線基板の一端側の一部に発生するのみである。従って、折り返しによって大型化せず、しかも、折り返しによる基板面積ロスも少ないフレキシブルプリント配線基板を提供できる。

請求項３の発明によれば、請求項２の発明の効果に加え、フレキシブルプリント配線基板の折り返し箇所に対応する基板配索経路の箇所が幅狭であっても、フレキシブルプリント配線基板を配索できる。

請求項４の発明によれば、一直線状でない基板配索経路に沿った長尺のフレキシブルプリント配線基板を提供できる。

請求項５の発明によれば、請求項１〜請求項４の発明の効果に加え、実装回路部と基板固定部を備えたフレキシブルプリント配線基板にあって、折り返しによってコンパクトなものを提供できる。

請求項６の発明によれば、請求項１〜請求項５の発明の効果に加え、折り返し箇所が元の形状に戻ろうとするのを防止でき、長尺のフレキシブルプリント配線基板のコンパクトな形状を保持できる。

請求項７の発明によれば、折り返し箇所に張り出しが発生しないため、コンパクトなフレキシブルプリント配線基板を作製できる。

請求項８の発明によれば、折り返し箇所に張り出しが発生せず、又、折り返しによる基板面積ロスエリアが隣り合う長尺配線基板の一端側の一部に発生するのみである。従って、折り返しによって大型化せず、しかも、折り返しによる基板面積ロスも少ないフレキシブルプリント配線基板を作製できる。

請求項９の発明によれば、一直線状でない基板配索経路に沿った長尺のフレキシブルプリント配線基板を作製できる。

以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。

（第１の実施の形態）
図１〜図４は本発明の第１の実施の形態を示し、図１（ａ）は折り返し前のフレキシブルプリント配線基板の平面図、図１（ｂ）は図１のｂ−ｂ線断面図、図２は折り返し途中のフレキシブルプリント配線基板の平面図、図３は折り返し完了したフレキシブルプリント配線基板の平面図、図４は折り返し完了したフレキシブルプリント配線基板を基板配索経路に配索した状態を示す平面図である。

図１（ａ）に示すように、折り返し前のフレキシブルプリント配線基板１Ａは、長手方向Ｍが同一方向で、且つ、互いに間隔を置いて平行に配置された第１及び第２長尺配線基板部２，３と、第１及び第２長尺配線基板部２，３の長手方向の直交方向を長手方向Ｎとし、互いに隣り合う第１及び第２長尺配線基板部２，３の一端側同士を連結する連結用配線基板部４とから略コ字形状に形成されている。

このようにコ字状に形成されたフレキシブルプリント配線基板１Ａは、図１（ｂ）に示すように、絶縁材のベース層４と、この上面に所定の回路パターンが形成された導電回路層５と、この導電回路層５を被うようにベース層４上に配置された絶縁材のカバーレイ層６とから三層構造に形成されている。第１及び第２長尺配線基板部２，３の導電回路層５の回路パターンは、第１及び第２長尺配線基板部２，３の長尺方向Ｍに基本的に延びるように配置され、且つ、連結用配線基板部４の導電回路層５の回路パターンは、第１及び第２長尺配線基板部２，３の互いに対応する回路パターン同士を連結する配索されている。

第１長尺配線基板部２には、他の箇所より幅広の実装回路部２ａが設けられている。この実装回路部２ａに所望の電子部品が実装される。第２長尺配線基板部３には、他の箇所より幅広の基板固定部３ａが設けられている。この基板固定部３ａの箇所で、所定の基板配索経路に沿って配索されたフレキシブルプリント配線基板１が固定される。

次に、図１のフレキシブルプリント配線基板１Ａから長尺のフレキシブルプリント配線基板１を作製する手順を説明する。先ず、図１のフレキシブルプリント配線基板１Ａを連結用配線基板部４の長手方向Ｎの中間位置のａ折り返し線に沿って谷折りする。次に、第２長尺配線基板部３と連結用配線基板部４の境界位置のｂ折り返し線に沿って谷折りする。これによって、図２に示すように、第１及び第２長尺配線基板部２，３の長手方向Ｍに沿って一直線状で、且つ、折り返し箇所に張り出し部４Ａを有するフレキシブルプリント配線基板１Ｂを作製する。

次に、図２のフレキシブルプリント配線基板１Ｂを、張り出し部４Ａを第１及び第２長尺配線基板部２，３の幅寸法と同じ位置のｃ折り返し線に沿って谷折りし、更に、張り出し部４Ａの根元のｄ折り返し線に沿って谷折りする。これによって、図３に示すように、第１及び第２長尺配線基板部２，３の長手方向Ｍに沿って一直線状のフレキシブルプリント基板１を作製する。最後に、折り返し箇所の外周を被うように固定具７を装着すれば完了する。

このように作製されたフレキシブルプリント配線基板１は、折り返し箇所に張り出しがないため、長尺のコンパクトなものとなる。従って、図４に示すように、周辺部品８，９が配置されるような基板配索経路に対し、周辺部品８，９と干渉することなくフレキシブルプリント配線基板１を配索できる。

（第２の実施の形態）
図５〜図９は本発明の第２の実施の形態を示し、図５は折り返し前のフレキシブルプリント配線基板の平面図、図６（ａ）は折り返し途中のフレキシブルプリント配線基板の平面図、図６（ｂ）は折り返し途中のフレキシブルプリント配線基板の正面図、図７（ａ）は折り返し途中のフレキシブルプリント配線基板の平面図、図７（ｂ）は折り返し途中のフレキシブルプリント配線基板の正面図、図８（ａ）は折り返し完了したフレキシブルプリント配線基板の平面図、図８（ｂ）は折り返し完了したフレキシブルプリント配線基板の正面図、図９は折り返しによる基板面積ロスエリアを示す折り返し前のフレキシブルプリント配線基板の平面図である。

図５に示すように、折り返し前のフレキシブルプリント配線基板１０Ａは、前記第１の実施の形態のものと同一であるため、図面の同一構成箇所に同一符号を付して説明を省略する。

次に、図５のフレキシブルプリント配線基板１０Ａから長尺のフレキシブルプリント配線基板１０を作製する手順を説明する。先ず、図５のフレキシブルプリント配線基板１０Ａを、第１長尺配線基板部２の一端側を４５度の傾斜角に沿うｅ折り返し線に沿って谷折りし、図６（ａ）、（ｂ）のフレキシブルプリント配線基板１０Ｂを作製する。次に、第２長尺配線基板部３の一端側を４５度の傾斜角に沿うｆ折り返し線に沿って谷折りする。これによって、図７（ａ）、（ｂ）に示すように、連結用配線基板部４の長手方向Ｎに沿ってほぼ一直線状で、且つ、折り返し箇所で連結用配線基板部４が張り出すフレキシブルプリント配線基板１０Ｃを作製する。次に、連結用配線基板部４の根元のｇ折り返し線に沿って谷折りする。これによって、図８（ａ）、（ｂ）に示すように、連結用配線基板部４の長手方向Ｎに沿って一直線状のフレキシブルプリント基板１０を作製する。最後に、折り返し箇所の外周を被うように固定具７を装着すれば完了する。

このように作製されたフレキシブルプリント配線基板１０は、折り返し箇所に張り出しが発生しないため、第１の実施の形態と同様に、長尺のコンパクトなものとなる。従って、前記第１の実施の形態と同様に、周辺部品が配置されるような基板配索経路に対し、周辺部品と干渉することなくフレキシブルプリント配線基板１０を配索できる。

また、図９に示すように、折り返しによる基板面積ロスエリアＥが隣り合う長尺配線基板部２，３の一端側の一部に発生するのみである。具体的には、第１及び第２長尺配線基板部２，３の幅寸法をＣとすると、基板面積ロスエリアＥの面積は、Ｅ＝２Ｃ^２となり、従来例に較べて非常に小さいものとなる。従って、折り返しによって大型化せず、しかも、折り返しによる基板面積ロスも少ないフレキシブルプリント配線基板１０を提供できる。

（第３の実施の形態）
図１０及び図１１は本発明の第３の実施の形態を示し、図１０は折り返し途中のフレキシブルプリント配線基板の平面図、図１１は折り返し完了したフレキシブルプリント配線基板を基板配索経路に配索した状態を示す平面図である。

この第３の実施の形態に係るフレキシブルプリント配線基板２０は、折り返し前の形状が前記第２の実施の形態のものと同様であり、その折り返し方のみが一部相違する。以下、説明する。

図１０に示すように、第２の実施の形態に係るフレキシブルプリント配線基板１０Ｃの折り返し過程にあって、連結用配線基板部４の折り返しに際して、連結用配線基板部４の幅方向の中間位置のｈ折り返し線に沿って谷折りし、その後、連結用配線基板部４の根元のｇ折り返し線に沿って谷折りする。これによって、連結用配線基板部４の長手方向Ｎに沿って一直線状で、且つ、折り返し箇所に窪み部４Ｂを有するフレキシブルプリント基板を作製する。最後に、折り返し箇所を固定具７Ａで被えば完了する。

このように作製されたフレキシブルプリント配線基板２０は、折り返し箇所に張り出しが発生しないのみならず、折り返し箇所に窪み部４Ｂが形成される。従って、図１１に示すように、折り返し箇所に対応する基板配索経路の箇所に周辺部品８が突出するような場合にあっても、周辺部品８，９と干渉することなくフレキシブルプリント配線基板２０を配索できる。

（第４の実施の形態）
図１２及び図１３は本発明の第４の実施の形態を示し、図１２は折り返し途中のフレキシブルプリント配線基板の平面図、図１３は折り返し完了したフレキシブルプリント配線基板を基板配索経路に配索した状態を示す平面図である。

この第４の実施の形態に係るフレキシブルプリント配線基板３０は、折り返し前の形状が前記第２の実施の形態のものと同様であり、その折り返し方のみが一部相違する。以下、説明する。

図１２に示すように、第２の実施の形態に係るフレキシブルプリント配線基板１０Ａの折り返し過程にあって、第１長尺配線基板部２の折り返しに際して、連結用配線基板部４の長手方向Ｎに対し４５度以上の角度の折り返し線に沿って谷折りする。第２長尺配線基板部３の折り返しに際しても、同様にする。これによって、図１２に示すフレキシブルプリント配線基板２０Ａを作製する。この折り返し角度は、基板配索経路の角度に応じて可変される。

その後、連結用配線基板部４の幅方向の中間位置のｈ折り返し線に沿って谷折りする。これによって、連結用配線基板部４の長手方向Ｎを基準として所定の傾斜方向に沿って、第１及び第２長尺配線基板部２，３が延びるフレキシブルプリント配線基板３０を作製する。最後に、折り返し箇所を固定具７Ｂで被えば完了する。

このように作製されたフレキシブルプリント配線基板３０は、図１３に示すように、周辺部品１１，１２によって基板配索経路が一直線状ではなく傾斜している場合にあって、その傾斜した基板配索経路に沿った形状にすることができる。その上、折り返し箇所に窪み部４Ｃを有するため、折り返し箇所に対応する基板配索経路の箇所に周辺部品１１が突出した状態で配置される場合にあっても、周辺部品１１，１２と干渉することなくフレキシブルプリント配線基板３０を配索できる。

前記第４の実施の形態では、連結用配線基板部４の折り返し過程にあって、連結用配線基板部４の幅方向の中間位置のｈ折り返し線に沿って折り返し、これによって連結用配線基板部４の張り出し寸法を半分とするべく折り返して基板配索スペース内に配索できるようにしたが、連結用配線基板部４の折り返しは基板配索スペースに応じて変更する。

前記第１〜第４の実施の形態では、折り返された連結用配線基板部４及びその周辺が固定具７，７Ａ，７Ｂで被われている。従って、折り返し箇所が元の形状に戻ろうとするのを防止でき、長尺のフレキシブルプリント配線基板１，１０，２０，３０のコンパクトな形状を保持できる。なお、固定具７，７Ａ，７Ｂは、例えば、ベース部材とこれに組み合わせた状態でロックされるカバー部材とから構成されている。そして、ベース部材とカバー部材を、フレキシブルプリント配線基板１，１０，２０，３０の折り返し箇所及びその周辺を挟み込むようにして装着する。

尚、前記第１〜第４の実施の形態では、フレキシブルプリント配線基板１，１０，２０，３０は、第１長尺配線基板部２と第２長尺配線基板部３とこれらを連結する連結用配線基板部４とからコ字形状に構成されているが、第２長尺配線基板部３の他端側に連結用配線基板部を介して第３長尺配線基板部を連結したもの、又は、同様にして第４長尺配線基板部、第５長尺配線基板部等を更に連結したものであっても本発明を略同様に適用できることはもちろんである。

本発明の第１の実施の形態を示し、（ａ）折り返し前のフレキシブルプリント配線基板の平面図、（ｂ）は図１のｂ−ｂ線断面図である。 本発明の第１の実施の形態を示し、折り返し途中のフレキシブルプリント配線基板の平面図である。 本発明の第１の実施の形態を示し、折り返し完了したフレキシブルプリント配線基板の平面図である。 本発明の第１の実施の形態を示し、折り返し完了したフレキシブルプリント配線基板を基板配索経路に配索した状態を示す平面図である。 本発明の第２の実施の形態を示し、折り返し前のフレキシブルプリント配線基板の平面図である。 本発明の第２の実施の形態を示し、（ａ）は折り返し途中のフレキシブルプリント配線基板の平面図、（ｂ）は折り返し途中のフレキシブルプリント配線基板の正面図である。 本発明の第２の実施の形態を示し、（ａ）は折り返し途中のフレキシブルプリント配線基板の平面図、（ｂ）は折り返し途中のフレキシブルプリント配線基板の正面図である。 本発明の第２の実施の形態を示し、（ａ）は折り返し完了したフレキシブルプリント配線基板の平面図、（ｂ）は折り返し完了したフレキシブルプリント配線基板の正面図である。 本発明の第２の実施の形態を示し、折り返しによる基板面積ロスエリアを示す折り返し前のフレキシブルプリント配線基板の平面図である。 本発明の第３の実施の形態を示し、折り返し途中のフレキシブルプリント配線基板の平面図である。 本発明の第３の実施の形態を示し、折り返し完了したフレキシブルプリント配線基板を基板配索経路に配索した状態を示す平面図である。 本発明の第４の実施の形態を示し、折り返し途中のフレキシブルプリント配線基板の平面図である。 本発明の第４の実施の形態を示し、折り返し完了したフレキシブルプリント配線基板を基板配索経路に配索した状態を示す平面図である。 従来例を示し、折り返し前のフレキシブルプリント配線基板の平面図である。 従来例を示し、（ａ）は折り返し完了したフレキシブルプリント配線基板の平面図、（ｂ）は折り返し完了したフレキシブルプリント配線基板の正面図である。 他の従来例を示し、折り返し前のフレキシブルプリント配線基板の平面図である。 他の従来例を示し、（ａ）は折り返し途中のフレキシブルプリント配線基板の平面図、（ｂ）は折り返し途中のフレキシブルプリント配線基板の正面図である。 他の従来例を示し、折り返し完了したフレキシブルプリント配線基板を基板配索経路に配索した状態を示す平面図である。 他の従来例を示し、折り返しによる基板面積ロスエリアを示す折り返し前のフレキシブルプリント配線基板の平面図である。

符号の説明

１，１０，２０，３０ フレキシブルプリント配線基板
２ 第１長尺配線基板部（長尺配線基板部）
２ａ 実装回路部
３ 第２長尺配線基板部（長尺配線基板部）
３ａ 基板固定部
４ 連結用配線基板部
７，７Ａ，７Ｂ 固定具
Ｍ 長尺配線基板部の長手方向
Ｎ 連結用配線基板部の長手方向（長尺配線基板部の長手方向の直交方向）

Claims (9)

1. 互いに間隔を置いて平行に配置された複数の長尺配線基板部と、互いに隣り合う前記長尺配線基板部の一端側同士を連結する連結用配線基板部とを備え、
   前記長尺配線基板部の長手方向に沿って、隣り合う前記長尺配線基板部が一直線状に配置されるように前記連結用配線基板部を折り返し、一直線状とされた隣り合う前記長尺配線基板部に対し、幅方向に張り出した前記連結用配線基板部の折り返し箇所を張り出さないように更に折り返したことを特徴とするフレキシブルプリント配線基板。
2. 互いに間隔を置いて平行に配置された複数の長尺配線基板部と、互いに隣り合う前記長尺配線基板部の一端側同士を連結する連結用配線基板部とを備え、
   前記長尺配線基板部の長手方向の直交方向に沿って、隣り合う前記長尺配線基板部が一直線状に配置されるように双方の前記長尺配線基板部の一端付近を折り返し、一直線状とされた隣り合う前記配線長尺基板部に対し、幅方向に張り出した前記連結用配線基板部を張り出さないように折り返したことを特徴とするフレキシブルプリント配線基板。
3. 請求項２記載のフレキシブルプリント配線基板であって、
   前記連結用配線基板部は、一直線状とされた隣り合う前記長尺配線基板部の幅より狭い幅となるように折り返したことを特徴とするフレキシブルプリント配線基板。
4. 互いに間隔を置いて平行に配置された複数の長尺配線基板部と、互いに隣り合う前記長尺配線基板部の一端側同士を連結する連結用配線基板部とを備え、
   前記長尺配線基板部の長手方向の直交方向を基準として所定の傾斜方向に沿って、前記各長尺配線基板部が配索されるように双方の前記長尺配線基板部の一端付近を折り返し、所定の傾斜方向に沿って配索された隣り合う前記長尺配線基板部に対し、幅方向に張り出した前記連結用配線基板部を基板配索スペース内に配索できるように折り返したことを特徴とするフレキシブルプリント配線基板。
5. 請求項１〜請求項４のいずれかに記載のフレキシブルプリント配線基板であって、
   複数の前記長尺配線基板部は、第１長尺配線基板部と第２長尺配線基板部から構成され、前記第１長尺配線基板部には、他の箇所より幅広の実装回路部が設けられ、前記第２長尺配線基板部には、他の箇所より幅広の基板固定部が設けられていることを特徴とするフレキシブルプリント配線基板。
6. 請求項１〜請求項５のいずれかに記載のフレキシブルプリント配線基板であって、
   折り返された前記連結用配線基板部及びその周辺を固定具で被ったことを特徴とするフレキシブルプリント配線基板。
7. 互いに間隔を置いて平行に配置された複数の長尺配線基板部と、互いに隣り合う前記長尺配線基板部の一端側同士を連結する連結用配線基板部とを備え、
   前記長尺配線基板部の長手方向に沿って、隣り合う前記長尺配線基板部が一直線状に配置されるように前記連結用配線基板部を折り返し、
   次に、一直線状とされた隣り合う前記長尺配線基板部に対し、幅方向に張り出した前記連結用配線基板部の折り返し箇所を張り出さないように更に折り返すことを特徴とするフレキシブルプリント配線基板の製造方法。
8. 互いに間隔を置いて平行に配置された複数の長尺配線基板部と、互いに隣り合う前記長尺配線基板部の一端側同士を連結する連結用配線基板部とを備え、
   前記長尺配線基板部の長手方向の直交方向に沿って、隣り合う前記長尺配線基板部が一直線状に配置されるように双方の前記長尺配線基板部の一端付近を折り返し、
   次に、一直線状とされた隣り合う前記配線長尺基板部に対し、幅方向に張り出した前記連結用配線基板部を基板配索経路の幅スペースに応じて折り返すことを特徴とするフレキシブルプリント配線基板の製造方法。
9. 互いに間隔を置いて平行に配置された複数の長尺配線基板部と、互いに隣り合う前記長尺配線基板部の一端側同士を連結する連結用配線基板部とを備え、
   前記長尺配線基板部の長手方向の直交方向を基準として所定の傾斜方向に沿って、前記各長尺配線基板部が配索されるように双方の前記長尺配線基板部の一端付近を折り返し、
   所定の傾斜方向に沿って配索された隣り合う前記長尺配線基板部に対し、幅方向に張り出した前記連結用配線基板部を基板配索スペース内に配索できるように折り返すことを特徴とするフレキシブルプリント配線基板の製造方法。

Images