JP2008292771A - 電子楽器及び設定データ利用プログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】パート構成が上位機種より少ない下位機種でも、上位機種の設定データを有効に使用することができる電子楽器の設定データ利用システムを提供すること。
【解決手段】このシステムでは、電子楽器に備えられた複数の発音系列SU1〜SP2の発音機能を設定するのに用いられる設定データには、各発音系列の発音オン/オフ情報又は音量値情報が含まれる。上位機種の電子楽器EMaに対応した設定データRgaを利用して下位機種の電子楽器EMbの発音機能を設定する場合(設定データRgaに設定されている発音系列の数>電子楽器EMbの発音系列数)、設定データRgaについて各発音系列su1〜sp2の発音オン/オフ情報又は音量値情報をチェックし、このチェック結果(例えば、Ca1)に応じて、設定データRgaに含まれる所定系列の発音手段(同su4)の発音機能を電子楽器EMbの所定系列の発音手段(同SU3)に割り当てる。
【選択図】図5

Description

この発明は、上位機種の設定データを下位機種に読み込んだ場合の互換性を向上することができる電子楽器の設定データ利用システムに関する。
例えば、特許文献1には、上側鍵盤、下側鍵盤及びペダル鍵盤(演奏操作子系列)にそれぞれ複数の発音処理を対応付けた電子楽器が開示されている。このような電子楽器では、各発音処理の系列(パート)の音色や音量の設定データをレジストレーションデータとして保存し再生することができるが、機種によってパート構成の規模が異なり、設定データには、どの機種で保存されたデータかの情報が含まれている。
特開2005−189505号公報
例えば、上位機種の電子楽器では、第1上鍵盤パート(UK1)、第2上鍵盤パート(UK2)、第1リードパート(Lead1)及び第2リードパート(Lead2)が上鍵盤に、第1下鍵盤パート(LK1)及び第2下鍵盤パート(LK2)が下鍵盤に、第1ペダルパート(PK1)及び第2ペダルパート(PK2)がペダル鍵盤に夫々アサインされるのに対して、下位機種の電子楽器では、上鍵盤に、第1上鍵盤パート(UK1)、第2上鍵盤パート(UK2)及び第1リードパート(Lead1)がアサインされ、下鍵盤並びにペダル鍵盤には、上位機種と同様に、第1及び第2下鍵盤パート(LK1,LK2)並びに第1及び第2ペダルパート(PK1,PK2)がアサインされることがある。
このようなパート構成では、上位機種の設定データを下位機種で再生すると、第1及び第2上鍵盤パート(UK1,UK2)、第1リードパート(Lead1)、第1及び第2下鍵盤パート(LK1,LK2)並びに第1及び第2ペダルパート(PK1,PLK2)は、上位機種と同じような音色や音量に設定されるが、第2リードパート(Lead2)については、パートが無いので発音されない。ここで、上位機種の設定で、第2リードパート(Lead2)は音量が上がっているが、第1及び第2上鍵盤パート(UK1,UK2)並びに第1リードパート(Lead1)は音量を0レベル又は小レベルにしている場合に、下位機種で再生すると、上鍵盤を演奏しても音が聞こえず、そのままでは使えないのでユーザは設定データを変更しなければならない。
この発明は、このような不都合に鑑み、パート構成が上位機種より少ない下位機種でも、上位機種の設定データを有効に使用することができる電子楽器の設定データ利用システムを提供することを目的とする。
この発明の主たる特徴に従うと、複数系列の発音手段(SU1〜SP2)を備えた電子楽器(EMb)であって、複数系列の発音手段(su1〜sp2)の夫々について発音機能を設定し少なくとも発音オン/オフ情報又は音量値情報を含む設定データ(Sg)を読み込む読込み手段(S1)と、読込み手段により読み込まれた設定データ(Sg)に設定されている発音手段(su1〜sp2)の系列数(「8」)が、この電子楽器(EMb)に備えられた発音手段(SU1〜SP2)の系列数(「7」)より多い場合(S2=YES,Sg=Sga)、該読み込まれた設定データ(Sga)について複数の所定系列の発音手段(su1〜sp2)の発音オン/オフ情報又は音量値情報を比較し、比較結果(Ca)に応じて、当該設定データ(Sga)に設定されている各発音手段の発音機能を、この電子楽器(EMb)に備えられた所定系列の発音手段に割り当てる割当て手段(S3〜S5)とを具備する電子楽器〔請求項1〕、並びに、複数系列の発音手段(SU1〜SP2)を備え電子楽器として機能するコンピュータ(EMb)に、複数系列の発音手段(su1〜sp2)の夫々について発音機能を設定し少なくとも発音オン/オフ情報又は音量値情報を含む設定データ(Sg)を読み込む読込みステップ(S1)と、読込みステップで読み込まれた設定データ(Sg)に設定されている発音手段(su1〜sp2)の系列数(「8」)が、このコンピュータ(EMb)に備えられた発音手段(SU1〜SP2)の系列数(「7」)より多い場合(S2=YES,Sg=Sga)、該読み込まれた設定データ(Sga)について各発音手段(su1〜sp2)の発音オン/オフ情報又は音量値情報を比較し、比較結果(Ca)に応じて、当該設定データ(Sga)に設定されている所定系列の発音手段の発音機能を、このコンピュータ(EMb)に備えられた所定系列の発音手段に割り当てる割当てステップ(S3〜S5)とから成る手順を実行させる設定データ利用プログラム〔請求項5〕が提供される。なお、括弧書きは、理解の便のために付記した実施例の参照記号や用語等を表わし、以下においても同様である。
この発明による電子楽器(EMb)は、複数の演奏操作子系列(UKb;LKb;PKb)を備え、発音手段(SU1〜SP2)は、各演奏操作子系列ごとに1乃至複数系列(SU1〜SU3;SL1,SL2;SP1,SP2)が設けられ、設定データ(Sg)は、複数の演奏操作子系列(UKa;LKa;PKa)の夫々に対応する1乃至複数系列の発音手段(su1〜su3;sl1,sl2;sp1,sp2)について発音機能を設定するものである〔請求項2〕ように構成することができる。
この電子楽器(EMb)では、割当て手段(S3〜S5)は、前記場合に、読込み手段(S1)により読み込まれた設定データについて、発音手段の系列数がこの電子楽器(EMb)より多い演奏操作子系列(UKa)に対応する特定系列の発音手段(su1〜su4)の発音オン/オフ情報又は音量値情報を比較し、比較結果(Ca1〜Cae)に応じて、特定系列中の所定系列の発音手段〔su3,su3(sl3),su4〕の発音機能を、この電子楽器に備えられた所定系列の発音手段〔SU1,SU3,SU3(SL3)〕に割り当てる〔請求項3〕ように構成することができる。また、この電子楽器(EMb)は、さらに、割当て手段(S3〜S5)による割当てに起因して各演奏操作子系列(UKb;LKb;PKb)の発音手段(SU1〜SU3;SL1,SL2;SP1,SP2)の間に発生する音量バランスの変化を調整するバランス調整手段(S6)を具備する〔請求項4〕ように構成することができる。
この発明による電子楽器の設定データ利用システムは(請求項1,4)、複数系列の発音手段(SU1〜SP2)を備えた電子楽器(EM:EMa,EMb)に適用され、各発音手段に設定データ(Rg:Rga,Rgb)により発音機能を割り当てて演奏環境を設定することができる。ここで、設定データ(Rg)は、複数系列の発音手段(su1〜sp2)の夫々について発音機能を設定したものであり、少なくとも発音オン/オフ情報又は音量値情報を含んでいる。また、上位機種の電子楽器(EMa)は下位機種の電子楽器(EMb)より発音手段の系列数が多く、設定データ(Rg)には上位機種(EMa)に対応したもの(Rga)と下位機種(EMb)に対応したもの(Rgb)とがある。或る電子楽器(EMb)において、演奏環境を設定するために設定データ(Sg)を読み込むと(S1)、設定データ(Sg)に設定されている発音手段(su1〜sp2)の系列数(「8」)が、電子楽器(EMb)に備えられた発音手段(SU1〜SP2)の系列数(「7」)より多い場合は(S2=YES)、読み込まれた設定データ(Sg)が上位機種に対応したもの(Rga)であるため、この設定データ(Sga)について各発音手段(su1〜sp2)の発音オン/オフ情報又は音量値情報を比較し、比較結果(Ca)に応じて、当該設定データ(Sga)に設定されている重要な所定系列の発音手段の発音機能をこの電子楽器(EMb)の対応する系列の発音手段に割り当てる(S3〜S5)。
つまり、この発明では、複数の発音系列(パートSU1〜SP2)を備える電子楽器(EMb)において上位機種の電子楽器(EMa)の設定データ(Rga)を再生する場合、設定データ(Rga)について各発音系列(パートsu1〜sp2)の音量等をチェックし、チェック結果(Ca)に応じて、所定発音系列の設定情報に従った重要な発音機能を、下位機種である当該電子楽器(EMb)の対応する発音系列に割り当てる。例えば、上位機種(EMa)には有るが下位機種(EMb)には無いパート(su4)のみが音が聞こえる(音量が上がってる)状態になっている設定データ(Rga)を読み込んで再生する場合(Ca1)、下位機種(EMb)に無い当該パート(su4)の設定情報を、下位機種(EMb)には有るが設定データ(Rga)では音が聞こえない状態に設定されているパート(SU3)にコピーすることにより、自動的に、下位機種(EMb)でも設定データ(Rga)を使用可能な状態にすることができる。つまり、この電子楽器(EMb)では、下位機種に無いパートだけでメロディーやハーモニーを演奏するような上位機種の設定データ(Rga)を再生しても、それなりのバランスで既存のパートを使用して演奏することができる。従って、この発明によれば、パート構成が上位機種より少ない下位機種でも上位機種の設定データを有効に使用することができる。
この発明は、複数の演奏操作子系列と、これら演奏操作子系列ごとに1乃至複数系列の発音手段とを備える電子楽器(EMb)に適用し、複数の演奏操作子系列の夫々に対応する1乃至複数系列の発音手段について発音機能を設定した設定データ(Sg)を用いることができる(請求項2)。例えば、電子楽器(EMb)の演奏操作子として、上鍵盤、下鍵盤及びペダル鍵盤という複数種類の鍵盤が設けられている場合は、各鍵盤を演奏操作子系列(UKb;LKb;PKb)とし、これと同様に各演奏操作子系列(UKa;LKa;PKa)に対応する1乃至複数系列の発音手段(su1〜su3;sl1,sl2;sp1,sp2)について発音機能を設定した設定データ(Sga)を用いて、演奏操作子系列(UKb;LKb;PKb)毎に1乃至複数系列の発音手段(パートSU1〜SU3;SL1,SL2;SP1,SP2)を割り当てる(アサインする)ことができる。また、1つの鍵盤であっても、鍵盤上のスプリットポイントで左右に分けられた鍵域を演奏操作子系列とし、同様の設定データを用いて、各演奏操作子系列(左鍵域,右鍵域)毎に1乃至複数系列の発音手段(レフト;ライト1,ライト2)を割り当てることができる。
この電子楽器(EMb)は、演奏操作子系列(UKb;LKb;PKb)に対応して1乃至複数系列の発音手段(SU1〜SU3;SL1,SL2;SP1,SP2)を備え、同様の系列構成を持つ上位機種電子楽器(EMa)の設定データ(Rga)に従って各発音手段に発音機能を割り当てる場合には(S3〜S5)、設定データ(Rga)について、発音手段の系列数がこの電子楽器(EMb)より多い演奏操作子系列(UKa)に対応する特定系列の発音手段(su1〜su4)の発音オン/オフ情報又は音量値情報をチェックする(請求項3)。これにより、チェック結果(Ca=Ca1;Ca2;Ca3;Cae)に応じて、特定系列(su1〜su4)中の所定系列の発音手段〔Ca1=su4;Ca2=su3(sl3),su4;Ca3=su4;Cae=su3〕の発音機能をこの電子楽器(EMb)における所定系列の発音手段〔Ca1=SU3;Ca2=SU3(SL3),SU1;Ca3=SU3;Cae=SU3〕に割り当てることができる。
この場合、上位機種(EMa)の設定データ(Rga)を利用してを割り当てる(S3〜S5)ことにより、電子楽器(EMb)の発音系列(SU1〜SP2)が設定データ(Rga)の発音系列(su1〜sp2)から減少して各演奏操作子系列(UKb;LKb;PKb)の発音手段(SU1〜SU3;SL1,SL2;SP1,SP2)の間で音量バランスが崩れることがあるが、この電子楽器(EMb)では、バランス調整手段(S6)により、音量バランスの変化を調整して各演奏操作子系列(UKb;LKb;PKb)間でバランスを平衡させることができる(請求項4)。
以下、図面を参照しつつ、この発明の好適な実施の形態について詳述するが、これは単なる一例であって、この発明の精神を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
〔電子楽器のハードウエア構成〕
図1は、この発明の一実施例による電子楽器のハードウエア構成例を示すブロック図である。この電子楽器EMには、中央処理装置(CPU)1、ランダムアクセスメモリ(RAM)2、読出専用メモリ(ROM)3、外部記憶装置4、演奏操作検出回路5、パネル操作検出回路6、表示回路7、音源・効果回路8、通信インターフェース(通信I/F)9などが備えられ、これらの装置1〜9はバス10を介して互いに接続されている。
CPU1は、RAM2及びROM3と共に制御部として機能し、所定のソフトウエア・プログラムに従い、設定データ利用処理を含む各種楽音情報処理を実行する。RAM2は、これらの処理に際して必要な各種データやパラメータを一時記憶するためのワーク領域として用いられる。ROM3には、設定データ利用処理などの楽音情報処理を実行するための各種制御プログラムや設定データなどの各種データ等が記憶される。
記憶装置(外部記憶装置)4は、ハードディスク、FD〔フレキシブルディスク又はフロッピー(登録商標)ディスク〕、CD(コンパクトディスク)、DVD(デジタル多目的ディスク)、フラッシュメモリなどの半導体メモリなどの記憶媒体と、その駆動装置を含む。また、記憶媒体は着脱可能な可搬性のものであってもよいし、電子音楽装置に内蔵されていてもよく、USBメモリは可搬性の記憶媒体に含まれるものとする。記憶装置4には、上述した各種制御プログラムや各種制御データ等を保存しておくことができる。
演奏操作検出回路5には、上鍵盤UK、下鍵盤LK及びペダル鍵盤PKなどを含む演奏操作子11が接続され、演奏操作子11のユーザ操作に基づく演奏信号を演奏操作検出回路5で処理して演奏情報として制御部に導入する。パネル操作検出回路6には、各種キーやスイッチなどを含むパネル操作子12が接続され、パネル操作子12のユーザ操作に基づく設定/制御操作内容をパネル操作検出回路で検出して制御部に導入する。表示回路7には、ディスプレイ(LCD等の表示器)や各種インジケータ(ランプ)などの表示要素13が接続され、制御部から表示回路を通じて、表示要素13の表示内容や点灯状態を制御し、操作子11,12の操作に対する表示援助を行う。
音源や効果付与DSPを含む音源・効果回路8は、演奏操作子11の各鍵盤系列UK〜PKに対応して、1乃至複数系列から成る発音手段SU〜SPを備える楽音信号生成部であり、レジストレーションデータと呼ばれる設定データにより各発音系列SU〜SPに割り当てられた設定内容に従い、各鍵盤UK〜PKの操作に基づく演奏情報に対応する楽音信号を生成する。音源・効果回路8に接続されるサウンドシステム14は、D/A変換部やアンプ、スピーカを備え、音源・効果回路8からの楽音信号に基づく楽音を発生する。
通信I/F9は、MIDIなどの音楽専用有線I/F、USBやIEEE1394などの汎用近距離有線I/F、Ethernet(登録商標)などの汎用ネットワークI/F、無線LANやBluetooth(登録商標)などの汎用近距離無線I/Fなどの1又は複数のI/Fを含む。従って、通信I/F9を通じて、他のMIDI機器やサーバなどの外部機器から制御プログラムなどを受信したり、外部機器と各種音楽情報を送受することができる。これら外部機器は、図1と同様のハードウエア構成を有するが、サーバの場合は演奏操作子や音源などはなくてもよい。なお、USBI/Fに接続されるUSBメモリは、上述のように記憶装置4に含まれるものとして説明する。
〔発音系列の構成例〕
図2は、この発明の一実施例による電子楽器の発音系列構成を示す。この例では、“電子オルガン”と呼ばれる電子楽器EMが用いられ、上位機種の電子楽器EMaと下位機種の電子楽器EMbがあり、両機種の電子楽器EMa,EMbともに、前述したように、3種類の演奏操作子系列、即ち、上鍵盤系列(第1演奏操作子系列)UKa,UKb、下鍵盤系列(第2演奏操作子系列)LKa,LKb、ペダル鍵盤系列(第3演奏操作子系列)PKa,PKbを備えるが、“パート”と呼ばれる発音手段の構成は機種EMa,EMb間で図示のように相違する。すなわち、上位機種EMaの音源・効果回路8が合計8系列の発音手段SU1〜SU4;SL1,SL2;SP1,SP2を備えるのに対して、下位機種EMaの音源・効果回路8は合計7系列の発音手段SU1〜SU3;SL1,SL2;SP1,SP2を備える。
上位機種EMaの上鍵盤UKaに対応する4系列の発音手段SU1〜SU4のうち、第1及び第2の発音手段SU1,SU2は、上鍵盤UKaの鍵操作に基づく楽音信号を夫々の発音態様(例えば、異なる音色)で生成するのに用いられ、夫々「アッパー1パート」(又は単に「アッパー1」)及び「アッパー2パート」(又は単に「アッパー2」)と呼ばれる。また、第3及び第4の発音手段SU3,SU4は上鍵盤UKaの複数鍵操作時の最高音に基づく楽音信号を夫々の発音態様(例えば、異なる音色)で生成するのに用いられ、同様に、夫々「リード1(パート)」及び「リード2(パート)」と呼ばれる。
同様に、下鍵盤LKaに対応する2系列の発音手段SL1,SL2は、下鍵盤LKaの操作に基づく楽音信号を異なる発音態様で生成するのに用いられ、それぞれ、「ロワー1(パート)」及び「ロワー2(パート)」と呼ばれ、ペダル鍵盤PKaに対応する2系列の発音手段SP1,SP2は、ペダル鍵盤PKaの鍵操作に基づく楽音信号を異なる発音態様で生成するのに用いられ、それぞれ、「ペダル1(パート)」及び「ペダル2(パート)」と呼ばれる。つまり、パート名に「1」及び「2」を含む発音系列では、同一鍵操作に対して異なる発音態様の2音を重ねて発生することができる。
これに対して、下位機種EMbでは、各鍵盤UKb;LKb;PKbに対応する第1及び第2の発音手段SU1,SU2;SL1,SL2;SP1,SP2の発音機能は上位機種EMaと同様であるが、上鍵盤UKbに対応する第3の発音手段SU3は、「リード(パート)」と呼ばれ、上鍵盤UKbの複数鍵が操作された時の最高音に基づく1つの楽音信号を生成するのに用いられる。
つまり、上位機種EMaにおいては、上鍵盤UKaの操作により、アッパー1、アッパー2、リード1及びリード2の各発音系列SU1〜SU4が同時に発音される。ただし、リード1及びリード2では、同時に押鍵されている複数鍵のうちの最高鍵の音のみが発音される。一方、下位機種EMbにおいては、リードが1系統(SU3)しかない。また、下鍵盤LKa;LKbの操作により発音されるロワー1及びロワー2の発音系列SL1,SL2と、ペダル鍵盤PKa;PKbの操作により発音されるペダル1及びペダル2の発音系列SP1,SP2とは、上位機種EMa及び下位機種EMbに共通である。
なお、上位及び下位機種EMa,EMbの上鍵盤系列UKa,UKbに対応するリード1及びリードの発音系列SU3は、「toロワー」と呼ばれる鍵盤割当て変更の機能が設定され、toロワー機能オンにより下鍵盤LKa;LKbの操作による発音に変更することができる。以下の説明では、発音系列SU3については、toロワー機能オンが設定されている場合、リード1toロワー及びリードtoロワーの発音系列SL3で表わす。
各発音系列su1〜sp2;SU1〜SP2の発音制御特性については、複数の音色の中からそれぞれ任意に音色を選択することができる。また、音量バランスも変えることができるし、発音する/しないの選択も設定することができる。なお、この例では、リード2の発音系列SU4だけ、他の系列とは異なる発音方式を選択できるものとする。例えば、リード2だけは物理モデル発音方式の音色を選択することができるが、他の系列は波形メモリ方式の音色とする。
〔レジストレーション〕
この発明の一実施例による電子楽器の設定データ利用システムにおいては、設定操作子の操作により各発音系列について設定された種々の設定情報は、レジストレーションデータとして任意の記憶装置に保存することができる。図3は、この発明の一実施例による電子楽器の設定データ利用システムで利用されるレジストレーションの例を示す。
レジストレーションデータRgは、図3(1)に示すように、電子楽器EM:EMa,EMbの主として音源・効果回路に関する演奏環境を設定するためのデータであり、機種情報、発音系列設定情報及びその他情報で構成される。機種情報は、当該電子楽器の機種名や機種ID、発音手段の系列数などを含み、機種情報に続く複数の発音系列設定情報は、各系列の発音手段(発音系列)毎に発音機能を表わす。また、その他情報には、例えば、自動演奏や自動伴奏などに関する設定情報が含まれる。
発音系列毎の設定情報については、例えば、上位機種の電子楽器EMaの環境設定に用いられる上位機種用レジストレーションデータRgaでは、(1a)のように、アッパー1設定情報、アッパー2設定情報、リード1設定情報、リード2設定情報、ロワー1設定情報、ロワー2設定情報、ペダル1設定情報及びペダル2設定情報があり、発音手段の系列数は「8」である。また、下位機種の電子楽器EMbの環境設定に用いられる下位機種用レジストレーションデータRgbの発音系列設定情報には、(1b)のように、アッパー1設定情報、アッパー2設定情報、リード設定情報、ロワー1設定情報、ロワー2設定情報、ペダル1設定情報及びペダル2設定情報があり、発音系列数は「7」である。
各発音系列設定情報は、当該系列の発音手段(発音系列)に設定される発音機能を表わす種々の情報で構成され、例えば、図3(2)に示すように、当該発音系列において楽音信号を生成するか否かという発音機能の有効性(発音オン[発音機能有効]/発音オフ[発音機能無効])を決定する発音オン/オフ情報や、当該発音系列で生成される楽音信号のボリューム(音量[レベル、値])を設定するボリューム情報(音量[値]情報)の外に、音色情報、エフェクト情報、タッチセンシティビティ情報、フィート(オクターブ)情報、パン情報、チューニング情報、トランスポーズ情報、toロワーオン/オフ情報及びその他の必要情報で構成される。なお、下鍵盤割当て変更機能を表わすtoロワーオン/オフ情報については、図2で説明した発音系列構成例の場合、※印で示すように、上位機種EMaのリード1設定情報と下位機種EMbのリード設定情報にのみ設定される。
上位機種EMaのレジストレーションデータRgaと下位機種EMbのレジストレーションデータRgbとは互いに互換性があり、一方の機種で作成されたレジストレーションデータを他方の機種でも利用することができる。しかし、両機種EMa,EMb間では、発音系列自体の相違と同様に、レジストレーションデータに基づく設定も相違し、例えば、上位機種EMaにおいてはリード1及びリード2の設定があるが、下位機種EMbはリードしかない。このため、この設定データ利用システムにおいては、機種間における設定の相違に起因する各種不具合をなるべく解消するように工夫している。
〔発音系列の割当て〕
上位機種の電子楽器EMaで作成された上位機種用レジストレーションデータRgaは、例えば、記憶装置4の可搬性記憶媒体に記録し、当該記憶媒体から下位機種の電子楽器EMbに読み込む等の方法により、下位機種EMbでの演奏環境設定に利用することができる。図2に示す上位機種EMaの発音系列SU1〜SU4;SL1,SL2;SP1,SP2に対応する図3(1a)の上位機種用レジストレーションデータRga=su1〜su4;sl1,sl2;sp1,sp2を下位機種EMbで読み込んだ場合、従来技術による割当て手法では、データRgaが示す設定状態に拘わらず、下位機種EMbの発音系列SU1〜SP2には、図4に示すように、常に固定的に発音機能が割り当てられる。
すなわち、上位機種用レジストレーションデータRgaの各発音系列の設定情報は、下位機種EMbの対応する発音系列に対する発音機能の設定に利用され、各設定情報が表わす各発音系列su1,su2(上鍵盤:アッパー1及びアッパー2);sl1,sl2(下鍵盤:ロワー1及びロワー2);sp1,sp2(ペダル鍵盤:ペダル1及びペダル2)の発音機能は、そのまま、下位機種EMbの対応する発音系列SU1〜SU3;SL1,SL2;SP1,SP2にそれぞれ割り当てられる。従って、上位機種用設定データRgaの発音系列su3(上鍵盤:リード1)の発音機能も、常に、対応する下位機種EMbのリード発音系列SU3に固定的に割り当てられ、発音系列su4(上鍵盤:リード2)については下位機種EMbへの割当ては無い。
これに対し、この設定データ利用システムでは、図5及び図6の割当て例に示されるように、上位機種用レジストレーションデータRgaが示す設定状態(ケース)Caに応じて、次の(1)〜(4)のように、下位機種EMbの発音系列SU1〜SP2への発音機能の割当てが制御され、各発音系列を有効に利用することができる。
(1)第1ケースCa1に該当する場合(Ca=Ca1)
上位機種用レジストレーションデータRgaの発音オン/オフ情報及びボリューム情報(音量値情報)により、(1a)上位機種EMaにおけるリード1発音系列su3が「発音オフ」に設定され、リード2の発音系列su4が「発音オン」に設定されている場合、或いは、(1b)上位機種EMaにおけるリード1及びリード2発音系列su3,su4が共に「発音オン」に設定されており、リード1のボリューム(音量又は音量値)がリード2のボリュームより小さい(リード1音量値<リード2音量値)設定がなされている場合には、システムは、第1ケースCa1に該当すると判断し、図5(A)に示すように、上位機種EMaのリード2発音系列su4に設定されている発音機能を下位機種EMbのリード発音系列SU3に割り当て、上位機種EMaの他の発音系列su1,su2;sl1,sl2;sp1,sp2に設定されている発音機能は、それぞれ、下位機種EMbの対応する発音系列SU1,SU2;SL1,SL2;SP1,SP2に割り当てる。
つまり、第1ケースCa1のように、上位機種EMaにおいて、リード1発音系列su3が鳴らないように設定されている場合、或いは、鳴ってもリード2発音系列su4よりも音量が小さくリード2の方が目立つように設定されている場合は、下位機種EMbにおいてはリード2発音系列su4の設定でリードを鳴らすようにする。これにより、リードが鳴らない状態或いは鳴ってもあまり目立たない状態になることを防ぐ。特に、上位機種EMaにおいてアッパー1及びアッパー2が鳴らない或いは鳴っても音量が小さいように設定されている場合には、目立つ音はリードだけとなるので、このように割当てを制御することで、上鍵盤UKbで確実に音が鳴るようにする。なお、この場合、下位機種EMbにおけるリード発音系列SU3のtoロワーオン/オフ情報の内容は、設定データRgaにおけるリード2発音系列su4の設定情報にtoロワーオン/オフ情報が無いことによって空白(不定)にならないように、自動的に、「オフ」に書き換えられる。
(2)第2ケースCa2に該当する場合(Ca=Ca2)
上位機種用レジストレーションデータRgaにより、上位機種EMaにおいて、リード1の発音系列su3が「発音オン」及びtoロワー機能=オンに設定されて下鍵盤LKaに対応するリード1toロワーの発音系列sl3に鍵盤変更されると共に、リード2の発音系列su4も「発音オン」に設定されており、且つ、リード1(即ちリード1toロワー)及びリード2のボリュームともに比較的大きい値に設定されるのに対して、アッパー1及び/又はアッパー2のボリュームは比較的小又は発音オフに設定されている場合には、システムは、第2ケースCa2に該当すると判断し、上位機種EMaのリード1及びリード2発音系列su3,su4に設定されている発音機能を、それぞれ、下位機種EMbのリード1発音系列SU3及びアッパー1発音系列SU1及び/又はアッパー2発音系列SU2に割り当てる。
これにより、例えば、上位機種EMaのリード2発音系列su4の発音機能が下位機種EMbのアッパー1発音系列SU1に割り当てられたときは、図5(B)に示すように、上位機種EMaの発音系列sl3におけるリード1toロワーの機能が下位機種EMbのリードtoロワーの発音系列SL3に与えられると共に、上位機種EMaの発音系列su4におけるリード2の発音機能が下位機種EMbの発音系列SU1に与えられ、上位機種EMaの発音系列su1に与えられていたアッパー1の発音機能は下位機種EMbには割り当てられない。なお、上位機種EMaのアッパー1発音系列su1を除く他の発音系列su2;sl1,sl2;sp1,sp2に設定されている発音機能は下位機種EMbの対応する発音系列SU2;SL1,SL2;SP1,SP2に割り当てる。
第2ケースCa2のように、上位機種EMaにおいて、アッパー1及び/又はアッパー2は、ボリュームが比較的小さい(例えば、予め定められた設定範囲の中央値乃至1/3値未満など)か或いは発音されず、リード2のボリュームが比較的大きい(例えば、前述と同様に、設定範囲の中央値乃至1/3以上など)場合、上鍵盤UKaで重要な音はリード2であると考えられる。また、上位機種EMaのリード1は、toロワー機能により下鍵盤LKaで鳴らす音(sl3)とされ、下位機種EMbでも下鍵盤LKb(SL3)で鳴らすことになるので、リード2を下位機種EMbのリード(SL3)に設定することはできない。かといって、リード2の機能を下位機種EMbで捨てると、上鍵盤UKbにおける重要な音がなくなってしまう。そこで、比較的重要でない上位機種EMaのアッパー1又はアッパー2を捨てて、その代わりに、上述したように、上位機種EMaにおけるリード2の設定をアッパー1又はアッパー2の発音系列SU1,SU2に設定する。
なお、上位機種EMaのアッパー1及びアッパー2のボリュームが、共に、比較的小或いは発音しない場合は、上位機種EMaのリード2を下位機種EMbのアッパー1及びアッパー2(SU1,SU2)の何れに設定してもよい。この場合、例えば、デフォルトでアッパー1(SU1)とする、ユーザに何れか(SU1,SU2)を選択させる、等の方法を採ることができる。
(3)第3ケースCa3に該当する場合(Ca=Ca3)
上位機種用レジストレーションデータRgaにより、上位機種EMaにおいて、リード1の発音系列su3が「発音オン」及びtoロワー機能=オンに設定されて下鍵盤LKaに対応するリード1toロワーの発音系列sl3に鍵盤変更されると共に、リード2の発音系列su4も「発音オン」に設定されており、且つ、リード1(即ちリード1toロワー)のボリュームがロワー1及びロワー2発音系列sl1,sl2に比較して小さい値であるのに対して、リード1のボリュームは比較的大きい値に設定されている場合には、システムは、第3ケースCa3に該当すると判断し、図6(A)に示すように、上位機種EMaのリード2発音系列su4に設定されている発音機能を下位機種EMbのリード1発音系列SU3に割り当て、上位機種EMaにおけるリード1toロワーの発音系列sl3に対応するリードtoロワーの設定は捨てる。なお、上位機種EMaの他の発音系列su1,su2;sl1,sl2;sp1,sp2に設定されている発音機能は下位機種EMbの対応する発音系列SU2;SL1,SL2;SP1,SP2に割り当てる。
つまり、レジストレーションデータRgaにおいてtoロワー設定されたリード1のボリュームがロワー1及び/又はロワー2と比較して小さい場合、リード1は重要な音ではなく補助的に鳴らす程度の音と考えられる。一方、リード2のボリュームが比較的大きい場合、上鍵盤で重要な音はリード2であると考えられる。そこで、比較的重要でないリード1toロワー発音系列sl3を捨て、その代わりにリード2発音系列su4の設定を下位機種EMbのリード発音系列SU3に設定する。なお、この場合、(1)の場合と同様に、発音系列SU3のtoロワーオン/オフ機能をオフに設定する。
なお、上述のようにリード1のボリュームをロワー1及び/又はロワー2のボリュームと比較するものに限らず、リード1のボリュームがリード2のボリュームより小さいときに(リード1音量値<リード2音量値)、このような設定としてもよい。
(4)その他ケースCaeの場合(Ca=Cae)
上述した(1)〜(3)以外の場合には、システムは、その他ケースCaeと判断し、図6(B)に示すように、上位機種EMaのリード1発音系列su3に設定されている発音機能を下位機種EMbのリード発音系列SU3に割り当てて、上位機種のリード1を下位機種のリードに設定し、他の発音系列su1,su2;sl1,sl2;sp1,sp2の発音機能は下位機種EMbの対応系列にそのまま割り当てる。
このように、この電子楽器の設定データ利用システムでは、電子楽器EM;EMa,EMbに備えられた複数の発音系列(パート)の発音機能を設定するのに設定データRg;Rga,Rgbを用いることができ、設定データRgは各発音系列の発音オン/オフ情報又は音量値情報を含む。上位機種の電子楽器EMaに対する設定データRgaを利用して下位機種の電子楽器EMbにおける発音系列SU1〜SP2の発音機能を設定する場合は(設定データRgaにより発音機能が設定されている発音系列の数>電子楽器EMbの発音系列数)、設定データRgaについて各発音系列su1〜sp2の発音オン/オフ情報乃至音量値情報をチェック(比較)し、このチェック結果Caに応じて、設定データRgaに含まれる所定発音系列の発音機能を電子楽器EMbの所定発音系列に割り当てる。その際、演奏操作子系列UKb;LKb;PKbに対応して1乃至複数の発音系列SU1〜SU3;SL1,SL2;SP1,SP2があるときには、設定データRgaについて、発音系列数が電子楽器EMbより多い演奏操作子系列UKaに対応する特定の発音系列su1〜su4の発音オン/オフ情報乃至音量値情報をチェックする。そして、チェック結果Ca=Ca1;Ca2;Ca3;Caeに応じて、特定の発音系列における所定発音系列su4〔Ca1〕;su3(sl3),su4〔Ca2〕;su4〔Ca3〕;su3〔Cae〕の発音機能を電子楽器EMbの所定発音系列SU3〔Ca1〕;SU3(SL3),SU1〔Ca2〕;SU3〔Ca3〕;SU3〔Cae〕に割り当てる。
〔種々の実施態様〕
以上、種々のケースに応じた割当て設定の一例を説明したが、(1)〜(3)の第1〜第3ケースCa1〜Ca3以外にも、その他ケースCaeとせず(4)のように設定しない別のケースがあってもよい。
また、(1)〜(3)の第1〜第3ケースCa1〜Ca3に該当する場合であって、リード2の発音系列su4に設定されている音色の発音方式が他の発音系列に設定することができないものである場合、例えば、リード2の発音系列su4が物理モデル方式であり、その他の発音系列が波形メモリ方式である場合には、リード2の発音系列su4に設定されている音色に類似した他の発音系列の発音方式の音色に置き換えた後で、リード2の発音機能を他の発音系列に割り当てるようにする。
また、(1)〜(4)の全てのケースに言えるが、リードパート(発音系列)が2つから1つに減ることにより、全発音系列の音量バランスが崩れることがある。このため、発音系列が減った鍵盤の音量を他の鍵盤に比べて相対的に上げることで、所定の鍵盤の音量を自動又は手動で調整し平衡をとることができるように構成される。例えば、上位機種EMaにおける上鍵盤UKaの発音系列su1〜su4から下位機種EMbにおける上鍵盤UKbの発音系列SU1〜SU3に減った場合、これに応じて、上鍵盤UKbの各発音系列SU1〜SU3に設定される音量を上げる方法、他の鍵盤LKb,PKbの各発音系列SL1,SL2;SP1,SP2の音量を下げる方法、或いは、両方を併用する方法など、種々の音量バランス変更法を採用することができる。
以上の説明では、演奏操作子系列については、上鍵盤系列UK、下鍵盤系列LK並びにペダル鍵盤系列PKを有し、これら3つの演奏操作子系列に対応する発音系列の構成については、アッパー1、アッパー2、リード1及びリード2の各系列、ロワー1及びロワー2の各系列、並びにペダル1及びペダル2の各系列を有する電子楽器の例を示したが、これに限らない。例えば、鍵盤として1つの鍵盤を備える電子楽器で、鍵盤上のスプリットポイントで鍵域を左右に分割し、分割された左(低音)鍵域及び右(高音)鍵域を演奏操作子系列とし、各鍵域系列毎に1乃至複数系列の発音手段を割り当てることができる。
この場合、上位機種は、左鍵域に対してレフト右鍵域に対してライト1及びライト2の3系列を有し、下位機種は左右鍵域に夫々対応するレフト及びライトの2系列しかないものとすると、上位機種のレジストレーションデータを下位機種で読み込んだ場合、上位機種のライト1及びライト2をどのようにして下位機種の発音系列に割り当てるかについては、(1)〜(4)と同様の手法で発音オン/オフや音量値に応じて制御することができる。例えば、上位機種の3系列が発音オンである典型的なケースでは、上位機種のライト1及びライト2のうちでボリュームの大きい方を下位機種のライトに設定する。
ユーザインターフェースについては、上位機種のリード1を下位機種のリードに割り当てることをデフォルトとし、デフォルト設定とするか或いはケースに応じて適宜割当てを変更するかをユーザに選択させるようにしてもよい。この場合、電子楽器のシステム設定により、「デフォルト設定」/「適宜割当て変更」を事前に選んでおくようにしてもよいし、レジストレーションデータの読み込み時に、どちらにするかをユーザが選択するようにしてもよい。また、何れかの方法でレジストレーションデータを読み込んで設定した後に、実際に音を発音させてみてから他方に変更できるようにしてもよい。音量バランス変更についても、同様に「変更しない」/「変更する」をユーザに選択させるのがよい。
〔処理フロー例〕
図7は、この発明の一実施例による下位機種の電子楽器におけるレジストレーション読込み処理を表わすフローチャートである。最上位機種ではない任意の下位機種電子楽器EMbにおいて、利用しようとするレジストレーションデータ(設定データ)Rgが記憶された可搬性記憶媒体を記憶装置4の駆動部に挿着すると、CPU1は、設定データ利用プログラムに従って、まず、ステップS1で、当該記憶媒体からレジストレーションデータRgをRAM2上に読み込む。次のステップS2では、このレジストレーションデータRgの機種情報から、当該レジストレーションデータRgがこの電子楽器EMbより上位機種の電子楽器EMaのためのデータRgaであるか否かを判定する。
ここで、読み込んだレジストレーションデータRgが上位機種EMa用のレジストレーションデータRgaであると判定したときは(S2=YES)、ステップS3に進んで順次ステップS3〜S6の処理を実行する。まず、ステップS3では、読み込んだレジストレーションデータRgaのうち、複数の所定発音系列の設定情報に含まれるボリューム情報及び発音オン/オフ情報の内容を調べて、各発音系列の発音オン/オフ状態乃至ボリューム(音量値)を比較し、比較結果に応じて、所定発音系列の設定情報に基づく発音機能をこの電子楽器EMbの所定発音系列に割り当てる。
例えば、図2の下位機種電子楽器EMbに図3(1a)のレジストレーションデータRgaが読み込まれた場合、(1)〜(4)で説明したように、レジストレーションデータRgaにおける発音系列su1〜su4の発音オン/オフ状態乃至ボリュームに応じて、リード1及びリード2発音系列su3,su4の何れか一方又は両方を電子楽器EMbの所定発音系列に割り当てる。より具体的にいうと、発音系列su1,su2,su3,su4の発音オン/オフ状態乃至ボリュームを比較した結果Ca1;Ca2;Ca3;Caeに応じて、所定の発音系列su4〔Ca1〕;sl3(su3のtoロワー機能オンによる),su4〔Ca2〕;su4〔Ca3〕;su3〔Cae〕の発音機能を電子楽器EMbの所定の発音系列SU3〔Ca1〕;SL3(SU3のtoロワー機能オンによる),SU1〔Ca2〕;SU3〔Ca3〕;SU3〔Cae〕に割り当てる。
ステップS3の割当て処理のステップS4に進み、必要に応じてtoロワー機能のオフを行い、必要がなければこのステップS4をスルーする。例えば、上述の場合において比較結果Ca1,Ca3が得られたときは、(1),(3)で説明したように、レジストレーションデータRgaの発音系列su4(toロワーオン/オフ情報無し)を電子楽器EMbの発音系列SU3(同情報有り)に割り当てることでtoロワー機能が空白(不定)にならないように、発音系列SU3のtoロワーオン/オフ情報を「オフ」に設定する。
次のステップS5では、電子楽器EMbの発音系列のうち、ステップS3で割り当てられなかった残りの発音系列に対応するレジストレーションデータRgaの発音系列の設定情報を電子楽器EMbの当該残りの発音系列に設定する。
続くステップS6では、必要に応じて、音量バランスの変更処理を行う。例えば、上述の場合、レジストレーションデータRgaにおける上鍵盤UKaに対応する4つの発音系列su1〜su4のうち3つの発音系列su1〜su3が電子楽器EMbの上鍵盤UKbに対応する発音系列SU1〜SU3に割り当てられた場合、電子楽器EMbの全鍵盤UKb,LKb,PKbに対応する発音系列のボリューム情報を調べて各鍵盤間で音量バランスが崩れることが検出されたときは、これに応じて、各鍵盤間で音量バランスがとれるように、各鍵盤に対応する発音系列のボリューム情報の値を相対的に調整する。
音量バランスの変更処理の後、或いは、音量バランス変更の必要がなくこのステップS6をスルーしたときは、ステップS3〜S6の処理で得られた結果に従って電子楽器EMbの各発音系列に発音機能を設定し、また、必要に応じて、記憶装置4の所要の記憶媒体に保存する処理を行う。そして、今回のレジストレーション読込み処理を終了し、次のユーザ操作を待機する状態にリターンする。
一方、読み込んだレジストレーションデータRgが同位機種か下位機種用のレジストレーションデータであると判定したときには(S2=NO)、読み込んだレジストレーションデータRgを全て電子楽器EMbに設定する。つまり、当該レジストレーションデータRgに含まれる全ての発音系列の設定情報が表わす発音機能を、そのまま、電子楽器EMbの対応する発音系列(例えば、SU1〜SP2)に割り当てて、電子楽器EMbに設定する。そして、必要に応じて、記憶装置4の所要の記憶媒体に保存した後、今回のレジストレーション読込み処理を終了し、次のユーザ操作を待機する状態にリターンする。
この発明の一実施例による電子楽器のハードウエア構成図である。 各機種の発音系列構成を説明するための図である。 この発明の一実施例による電子楽器の設定データ利用システムで利用されるレジストレーションの例を表わす図である。 従来の発音系列割当て例を表わす図である。 この発明の一実施例による発音系列割当て例〔1〕を表わす図である。 この発明の一実施例による発音系列割当て例〔2〕を表わす図である。 この発明の一実施例による下位機種におけるレジストレーション読込み処理を表わすフローチャートである。
符号の説明
EM:EMa,Emb 電子楽器(a=上位機種、b=下位機種)
UKa,UKb;LKa,LKb;PKa,PKb 演奏操作子又は演奏操作子系列、
Rg:Rga,Rgb レジストレーションデータ又は設定データ、
SU:SU1,…,SL;SL1,…,SP;SP1,… 発音手段又は発音系列、
su1,…;sl1,…,sp1,… 設定データRg上の発音手段又は発音系列。

Claims (5)

  1. 複数系列の発音手段を備えた電子楽器であって、
    複数系列の発音手段の夫々について発音機能を設定し少なくとも発音オン/オフ情報又は音量値情報を含む設定データを読み込む読込み手段と、
    読込み手段により読み込まれた設定データに設定されている発音手段の系列数が、この電子楽器に備えられた発音手段の系列数より多い場合、該読み込まれた設定データについて各発音手段の発音オン/オフ情報又は音量値情報を比較し、比較結果に応じて、当該設定データに設定されている所定系列の発音手段の発音機能を、この電子楽器に備えられた所定系列の発音手段に割り当てる割当て手段と
    を具備することを特徴とする電子楽器。
  2. 複数の演奏操作子系列を備え、
    前記発音手段は、各演奏操作子系列ごとに1乃至複数系列が設けられ、
    前記設定データは、複数の演奏操作子系列の夫々に対応する1乃至複数系列の発音手段について発音機能を設定するものである
    ことを特徴とする請求項1に記載の電子楽器。
  3. 前記割当て手段は、前記場合に、前記読込み手段により読み込まれた設定データについて、発音手段の系列数がこの電子楽器より多い演奏操作子系列に対応する特定系列の発音手段の発音オン/オフ情報又は音量値情報を比較し、比較結果に応じて、上記特定系列中の所定系列の発音手段の発音機能を、この電子楽器に備えられた所定系列の発音手段に割り当てることを特徴とする請求項2に記載の電子楽器。
  4. さらに、
    前記割当て手段による割当てに起因して各演奏操作子系列の発音手段の間に発生する音量バランスの変化を調整するバランス調整手段
    を具備することを特徴とする請求項2又は3に記載の電子楽器。
  5. 複数系列の発音手段を備え電子楽器として機能するコンピュータに、
    複数系列の発音手段の夫々について発音機能を設定し少なくとも発音オン/オフ情報又は音量値情報を含む設定データを読み込む読込みステップと、
    読込みステップで読み込まれた設定データに設定されている発音手段の系列数が、このコンピュータに備えられた発音手段の系列数より多い場合、該読み込まれた設定データについて各発音手段の発音オン/オフ情報又は音量値情報を比較し、比較結果に応じて、当該設定データに設定されている所定系列の発音手段の発音機能を、このコンピュータに備えられた所定系列の発音手段に割り当てる割当てステップと
    から成る手順を実行させる設定データ利用プログラム。
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