JP2000221983A - 音源装置 - Google Patents

音源装置

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JP2000221983A
JP2000221983A JP11024555A JP2455599A JP2000221983A JP 2000221983 A JP2000221983 A JP 2000221983A JP 11024555 A JP11024555 A JP 11024555A JP 2455599 A JP2455599 A JP 2455599A JP 2000221983 A JP2000221983 A JP 2000221983A
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tone
sounding
musical
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slot
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JP11024555A
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Shuichi Matsumoto
秀一 松本
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Yamaha Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】簡易な音源装置でも多数の楽音の発音を効果的
に処理することができる音源装置を提供する。 【解決手段】 発音中の楽音の優先度をその音量、発音
開始からの時間経過、などに基づいて算出する。また、
ノートオンメッセージで新たな楽音の発音が指示された
とき、その楽音についても同様に優先度を算出する。そ
して、発音スロットが一杯であったとき、各発音スロッ
トの楽音の優先度とノートオンが指示された楽音の優先
度とを比較し、発音スロット中のノートオンが指示され
た楽音よりも優先度の低いものを検索して、それを消去
して新たな楽音の発音に割り当てる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、楽音波形を形成
する発音スロットを複数備えた音源装置に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】電子楽器やカラオケ装
置などの自動演奏装置に使用される音源装置は、楽音波
形を形成する発音スロットを複数備え、制御部が各発音
スロットに対して楽音の発音/消音の指示や波形形成の
制御を行うようになっている。
【0003】近年の音源装置は、32チャンネル、64
チャンネルなど多数の発音スロットを備え、同時に多く
の楽音波形を形成することができるが、それでもフルオ
ーケストラの楽音を発生する場合などは発音スロットが
不足してしまう場合があった。
【0004】自動演奏装置に記憶させる自動演奏データ
の場合、予め音源の最大発音数を意識して自動演奏デー
タを作成し、特定の音色については予め所定数の発音ス
ロットを確保しておくエレメントリザーブという管理方
式も存在するが、これは特定の音源装置に対してのみ有
効であり、音源装置が変り最大発音数が変わってしまう
と対応できないという問題点があった。
【0005】また、音源装置が形成する楽音のなかに
は、複数の基本的な楽音波形(エレメント)を別々の発
音スロットで形成し、これを合成して1つの楽音とする
マルチエレメントの楽音があるが、このような楽音を形
成した場合には、音源装置の最大発音数が減少してしま
い、多くの楽音が必要な場合に対応できないという問題
点があった。
【0006】また、制御部は、楽音波形を形成中の発音
スロットに対してレベル制御,フィルタ処理,ビブラー
トなど各種パラメータを定期的に更新する必要がある
が、発音数、すなわち、動作している発音スロットが多
い場合には、制御部の処理負荷も大きくなり、複雑な楽
音を形成している場合にはその全てを完全に処理するこ
とができない場合があった。これを完全に処理するため
には、制御部として非常に高速なCPUを搭載する必要
があった。
【0007】この発明は、音源装置の能力の範囲で最大
限の楽音形成処理をすることができる音源装置を提供す
ることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、楽音
を形成する複数の発音スロットと、各発音スロットの楽
音の形成を制御する制御部と、を備えた音源装置であっ
て、前記制御部は、全ての発音スロットで楽音を形成中
にさらに新たな楽音の形成が指示されたとき、各発音ス
ロットが現在形成している楽音の重要度および前記新た
な楽音の重要度を算出し、どの楽音の形成を放棄するか
を決定する手段と、を備えたことを特徴とする。
【0009】請求項2の発明は、楽音を形成する複数の
発音スロットと、各発音スロットの楽音の形成を制御す
る制御部と、を備えた音源装置であって、前記制御部
は、各発音スロットが形成している楽音の重要度を算出
する手段と、新たな楽音の形成が指示されたとき、該新
たな楽音の重要度を算出する手段と、新たな楽音の形成
が指示されたとき、全ての発音スロットが楽音を形成中
の場合、形成中の楽音のうち前記新たな楽音示された楽
音よりも重要度が低いものを消去し、これによって空き
となった発音スロットで前記新たな楽音を形成させる手
段と、を備えたことを特徴とする。
【0010】請求項3の発明は、楽音波形を形成する複
数の発音スロットと、楽音波形を形成するための楽音形
成データを記憶した記憶手段と、楽音形成データに基づ
く楽音波形の形成を制御する制御部と、を備えた音源装
置であって、前記記憶手段は、1ないし複数の楽音波形
をそれぞれ別の発音スロットで形成しこれらを合成して
1つの楽音とする楽音形成データを記憶しており、前記
制御部は、楽音の形成が指示されたとき、発音スロット
の空き状況を判断し、該空き状況に基づいて楽音波形の
合成数を決定し、該合成数の楽音形成データを発音スロ
ットに供給して楽音の形成を指示することを特徴とす
る。
【0011】請求項4の発明は、請求項3の発明におい
て、前記制御部は、楽音の形成が指示されたとき、発音
スロットの空き状況および該楽音の重要度を判断し、該
空き状況および重要度に基づいて楽音波形の合成数を決
定し、該合成数の楽音形成データを発音スロットに供給
して楽音の形成を指示することを特徴とする。
【0012】請求項5の発明は、楽音波形を形成する複
数の発音スロットと、周期時間毎の発音スロット制御動
作において各発音スロットに対してそれぞれ複数の制御
処理を実行する制御部と、を備えた音源装置であって、
前記制御部は、自己の処理負荷を判断し、該処理負荷に
基づいて前記周期時間を決定し、該周期時間毎に前記発
音スロット制御動作を実行することを特徴とする。
【0013】請求項6の発明は、楽音波形を形成する複
数の発音スロットと、周期時間毎の発音スロット制御動
作において各発音スロットに対してそれぞれ複数の制御
処理を実行する制御部と、前記複数の制御処理の優先度
を記憶した記憶手段と、を備えた音源装置であって、前
記制御部は、自己の処理負荷を判断し、該処理負荷およ
び各制御処理の優先度に基づいて各発音スロットに対し
て実行する制御処理の種類を決定し、該決定した内容で
前記発音スロット制御動作を実行することを特徴とす
る。
【0014】請求項7の発明は、請求項6の発明におい
て、前記制御部は、自己の処理負荷を判断するとともに
各発音スロットが形成している楽音波形の重要度を判断
し、該処理負荷、各発音スロットが形成している楽音波
形の重要度および各制御処理の優先度に基づいて各発音
スロットに対して実行する制御処理の種類を決定し、該
決定した内容で前記発音スロット制御動作を実行するこ
とを特徴とする。
【0015】請求項8の発明は、楽音波形を形成する複
数の発音スロットと、周期時間毎の発音スロット制御動
作において各発音スロットに対してそれぞれ複数の制御
処理を実行する制御部と、前記複数の制御処理の優先度
を記憶した記憶手段と、を備えた音源装置であって、前
記制御部は、自己の処理負荷を判断するとともに各発音
スロットが形成している楽音波形の重要度を判断し、該
処理負荷および各発音スロットが形成している楽音波形
の重要度に基づいて処理をスキップする発音スロットを
決定し、該決定した発音スロットに対する制御処理を省
略して前記発音スロット制御動作を実行することを特徴
とする。
【0016】
【発明の実施の形態】図1〜図3を参照してこの発明の
第1の実施形態である音源装置について説明する。
【0017】図1は同音源装置の構成を示す図である。
該音源装置1は、楽音波形を形成する発音スロット5を
64個(5−1〜5−64)備えている。各発音スロッ
トは制御部3によって制御される。制御部3は、各発音
スロットに対して楽音波形の形成開始/停止の指示、形
成中の楽音波形のレベルや波形を制御するためのパラメ
ータの更新などの制御動作を実行する。制御部3は、メ
モリ4を備えている。メモリ4には、各種の音色の楽音
波形を形成するための楽音形成データ群、形成している
楽音、形成を指示された楽音の重要度を算出するための
ルール、64の発音スロットが形成している楽音の重要
度を記憶する重要度テーブルなどを備えている。
【0018】また、制御部3にはI/Oレジスタ2が接
続されている。I/Oレジスタ2は図示しないメインC
PUと接続されている。このメインCPUはこの音源装
置1が搭載される電子楽器や自動演奏装置を制御するC
PUであり、楽音の発音/消音や音色や効果を制御する
メッセージをこの音源装置1に対して入力する。メッセ
ージのフォーマットはたとえばMIDIフォーマットで
ある。
【0019】上記メインCPUと音源装置1内部の制御
部3とは非同期で動作しているため、メインCPUはI
/Oレジスタ2にメッセージを書き込み、制御部3は自
己の処理サイクルにこのI/Oレジスタ2に書き込まれ
た内容を読み出して対応処理を実行する。上述したよう
に、メインCPUはMIDIメッセージにより、発音指
示、消音指示、ピッチベンドやビブラート強度制御など
のコントロールチェンジなどである。
【0020】発音スロット5が形成した楽音波形はミキ
サ6でミキシングされる。ミキサ6がミキシングした楽
音はエフェクタ7に入力され、ディストーションやフィ
ルタなど所定の効果が付与されたのち、再度ミキサ8で
ミキシングされて外部に出力される。
【0021】図2,図3を参照して、同音源装置1で発
音スロット数を超える楽音の形成が指示された場合の処
理を説明する。この音源装置は、形成中の楽音および新
たに形成が指示された楽音のそれぞれについて常にその
重要度を算出している。そして、発音スロットに空きが
ない場合、新たに形成が指示された楽音の重要度で形成
中の楽音の重要度を検索し、新たな楽音よりも重要度の
低い楽音を1つ消去してその発音スロットで新たな楽音
を形成するようにしている。なお、新たな楽音がよりも
重要度の低い楽音がなかった場合には、この新たな楽音
の形成指示は無視してそのまま現在の楽音形成を継続す
る。
【0022】図2は楽音の重要度を決定するルールの例
を示す図である。これらのルールはメモリ4に記憶され
ている。楽音の重要度は、音色、発音時の音量、現在の
音量、発音からの経過時間、他の形成中の楽音との関
係、該音色がアサインされているMIDIチャンネル
(パート)などによって決定される。
【0023】音色に基づく重要度は「リズム音やベース
音の重要度は高い」、「メロディを担当するような目立
つ音色の重要度は高い」などのルールで算出される。発
音時の音量はノートオンメッセージに付されているベロ
シティや楽音形成データの音量パラメータなどに基づい
て知ることができ、これに基づく重要度は「大きいほど
重要度が高い」などのルールで算出される。また、現在
の音量は、各発音スロットの楽音形成レベルを定期的に
モニタすることで知ることができ、これに基づく重要度
は「大きいほど重要度が高い」などのルールで算出され
る。
【0024】また、他の形成中の楽音との関係に基づく
重要度は、「最低音と最高音の重要が高く、内声になる
ほど重要度が低い」、「他にユニゾンやオクターブの楽
音が形成中であれば重要度を低下させる」などのルール
で算出される。
【0025】パートによる重要度は、「パート番号(M
IDIチャンネル番号)が小さいほうが重要度が大き
い」、「予め確保されている発音スロット数(エレメン
トリザーブ数)が多いほど重要度が大きい」などのルー
ルで算出される。なお、この音源装置に対してはエレメ
ントリザーブは無効にされている。
【0026】上記ルールに基づいて算出された重要度の
合計が1つの楽音に対する重要度となる。各ルールの重
要度は、該当するか否かの1/0で算出してもよく、図
2に示すようにルールを関数化(テーブル化)して該当
する度合いに基づいて0〜1の間のポイントを決定して
もよい。また、ポイントの決定にファジィ推論を用いて
もよい。
【0027】図3は同音源装置の制御部の動作を示すフ
ローチャートである。同図(A)は周期処理(発音スロ
ット制御動作)を示すフローチャートである。この処理
は、制御部3が所定の時間間隔である周期時間毎に実行
する動作であり、各発音スロットに対してパラメータを
書き換えたりレベルをモニタするなどの動作である。ま
ず、発音スロットを指し示すポインタNに1をセットす
る(s1)。そして、このポインタNで指定される発音
スロットに対して以下の処理を実行する。
【0028】まずその発音スロットが発音中であるかを
判断する(s2)。発音中でなければ何も処理する必要
がないため直接s6に進む。発音中であれば、この発音
スロットで形成している楽音のレベルや波形を制御する
パラメータを更新する(s3)。このパラメータの更新
はI/Oレジスタ2に入力されていたコントロールチェ
ンジメッセージやメモリ4に記憶されているこの音色の
楽音形成データなどに基づいて行われる。更新するパラ
メータの種類は図6に示すようなものである。そして、
そして、モニタされた発音レベルなどに基づいてこの楽
音の重要度を計算する(s4)。この重要度の計算は上
記ルールに基づいて行われる。そして、算出された重要
度でメモリ4に設定されている重要度テーブルの内容を
更新する(s5)。以上の動作をNが64になるまで、
すなわち64チャンネル分実行したのち(s6,s
7)、1回の周期処理を終了する。この周期処理は数ミ
リ〜数十ミリ秒の周期時間毎に繰り返し実行される。
【0029】同図(B)はMIDI入力時(ノートオン
メッセージ入力時)の動作を示すフローチャートであ
る。制御部は定期的にI/Oレジスタ2をチェックし、
MIDIメッセージが入力されていればこの処理を実行
する。入力されたMIDIメッセージがノットオンメッ
セージであるか否かを判断する(s10)。ノートオン
メッセージ以外のメッセージであれば対応する処理に進
む。対応する処理とは、たとえば、ノートオフ処理やコ
ントロールチェンジに対応したパラメータ値の算出など
の処理である。
【0030】ノートオンメッセージであれば、まず、こ
の楽音の重要度を上記ルールに基づいて計算する(s1
1)。そして、現在発音スロットに空きがあるかを判断
する(s12)。空きがある場合には、その空きチャン
ネルにこの楽音を発音をアサインして発音を開始し(s
16)、重要度テーブルにs11で計算した重要度を書
き込んで処理を終了する。
【0031】一方、空きチャンネルがない場合には(s
12)、形成中の楽音のなかにこの新たな楽音よりも重
要度の低い楽音があるか否かを重要度テーブルで検索す
る(s13)。形成中の楽音のうち重要度の低いものが
あった場合には(s14)、その楽音を消去し(s1
5)、消去して空きになったチャンネルにこの新たな楽
音を発音をアサインして楽音形成を開始し(s16)、
重要度テーブルの該発音スロットに対応する欄にs11
で計算した重要度を書き込んで処理を終了する。なお、
新たな楽音よりも重要度の低い形成中の楽音がない場合
には、このノートオンメッセージは無視してそのまま動
作を終了する。
【0032】このように、各楽音の重要度に基づいて消
去する楽音を決定するようにしたことにより、演奏の音
楽性を損なわずに少ない発音スロット数で多くの楽音を
演奏することができる。
【0033】図4,図5を参照してこの発明の第2の実
施形態である音源装置について説明する。なお、この音
源装置のハード構成は図1に示したものと同様である。
メモリ4には、図4に示すような関係の複数の楽音形成
データが記憶されている。すなわち同じ音色番号でも1
エレメント〜4エレメントの4種類の楽音形成データが
記憶されている。1エレメントの楽音形成データ、2エ
レメントの楽音形成データ、3エレメントの楽音形成デ
ータ、4エレメントの楽音形成データは、それぞれ同じ
音色番号と1〜4のバンクナンバで選択される。
【0034】2エレメント〜4エレメントの楽音形成デ
ータに基づいて楽音を形成する場合、2〜4の発音スロ
ットを占有してそれぞれ異なる基本楽音波形(エレメン
ト)を形成し、このエレメントをミキサ6で合成するこ
とによって1つの楽音を形成する。ミキサ6はこれらの
エレメントを単に加算合成するのみでなく所定のアルゴ
リズムで合成する。
【0035】制御部3は、発音スロット5に多くの空き
がある場合には、4エレメントの楽音形成データを用い
てゴージャスな楽音を形成するが、発音スロットの空き
が少ない場合には1エレメントや2エレメントのエコノ
ミーな楽音形成データを用いて楽音を形成する。この場
合、発音スロットの空き状況に加えてその楽音の重要度
を考慮してエレメント数を決定する。楽音の重要度は上
述の(図2に示した)ルールで算出すればよい。なお、
楽音形成データのバンクの選択は、ユーザに開放されて
いないものとする。
【0036】図5は制御部3の動作を示すフローチャー
トである。この動作はMIDI入力時(ノートオンメッ
セージ入力時)の動作を示している。I/Oレジスタ2
を検索した結果、MIDIメッセージが入力されていた
場合には、そのメッセージがノートオンメッセージであ
るかを判断する(s21)。ノートオンメッセージでな
い場合には対応する処理に進む。
【0037】ノートオンメッセージの場合には、このメ
ッセージに基づいて形成を開始すべき楽音の重要度を算
出する(s22)。そして、現在の空きスロット数を判
断する(s23)。そして、空きスロット数および楽音
の重要度に応じて楽音のエレメント数を決定して、対応
する楽音形成データのバンクを選択し(s24)、該エ
レメント数の発音スロットをこの楽音にアサインして、
楽音形成データや初期パラメータを供給して楽音の形成
(発音)を開始させる(s26)。
【0038】このように、音源装置の空きスロット数や
楽音の重要度に応じて楽音のエレメント数を変えること
により、重要な音はエレメント数の多いゴージャスな音
色で発音し、且つ、そうでない楽音はエレメント数を少
なくしてマルチエレメント音色を使用しながら最大限の
発音数を確保することができる。
【0039】図6,図7を参照してこの発明の第3の実
施形態である音源装置について説明する。なお、この音
源装置のハード構成は図1に示したものと同様である。
制御部3は、動作している(楽音波形を形成している)
発音スロットの数や各発音スロットに対する処理の複雑
さなどに基づいて自己の処理負荷を算出する。この音源
負荷に応じて周期処理の間隔を変更する。すなわち、処
理負荷が大きい場合には、周期処理の間隔を長くする。
これにより、処理回数を減らして処理負荷を軽減するこ
とができる。周期処理の間隔を長くしても楽音はほぼ同
様に形成されるが、パラメータの更新間隔が長くなるた
め、音量変化やピッチ変化などが荒く段階的になる。
【0040】また、メモリ4には、図6に示す優先度テ
ーブルが記憶されている。この優先度テーブルは、楽音
波形を形成中の各発音スロットに対する複数の制御処理
の優先度を記憶したものである。同図において、発音を
継続するかダンプするか、アンプリチュードEG制御は
楽音波形の形成そのものを左右するものであるため、優
先度が高い。また、フィルタパラメータの更新やポルタ
メント制御などは音色を微妙に制御するのみのものであ
るため優先度が低い。
【0041】通常は楽音波形を形成している全ての発音
スロットに対して全ての制御処理を実行するが、制御部
3の処理負荷が大きい場合、優先度の高い制御処理のみ
を実行する。
【0042】さらに、この実施形態では、制御部3の処
理負荷に応じて、実行する制御処理を、全ての楽音(発
音スロット)に対して一律に決定するのではなく、各発
音スロットで形成している楽音波形の重要度に応じてど
こまでの制御処理を実行するかを決定する。楽音波形の
重要度は上述の(図2に示した)ルールで決定すればよ
いが、最も重要視されるルールは、「音量が大きいと聴
感上の影響が大きいから優先度が高く、アンプリンチュ
ードEGの値が大きい場合も同様に聴感上の影響が大き
いから優先度が高い。」、「発音開始してからの時間が
短いと音色変化が大きいために処理優先度が高く、発音
開始してからの時間が長い場合には定常音で安定してい
るため優先度が低い。」というルールである。
【0043】図7は音源装置の制御部の動作を示すフロ
ーチャートである。同図(A)は周期管理動作を示して
いる。まず、処理負荷を判断する(s31)。そして、
この負荷量に応じて次の周期処理(発音スロット制御動
作)までの時間、すなわち、周期時間を決定する(s3
2)。そしてこの周期時間が経過して処理時刻になるま
でs33で待機する。なおこの待機時間の間、制御部は
他の処理を実行可能である。そして、処理時刻が到来す
ると(s33)、周期処理動作を実行する(s34)。
【0044】同図(B)は周期処理動作を示すフローチ
ャートである。まず、現在の処理負荷を判断する(s4
1)。この処理はs31で実行したものを用いて省略し
てもよい。そして、この処理負荷と各発音スロットが形
成している楽音波形の重要度を勘案して制御処理の内容
を決定する。まず発音スロットを指し示すポインタNに
1をセットし(s42)、その発音スロットが発音中か
を判断する(s43)。発音中でなければそのままs4
7に進む。
【0045】発音中であればその発音スロットが形成し
ている楽音波形の重要度を計算する(s44)。そし
て、この重要度および制御部3の処理負荷に応じて制御
処理の内容を決定する(s45)。そして、決定した内
容の制御処理を当該発音スロットに対して実行する(s
46)。以上の処理をNが64になるまで繰り返し実行
する(s47,s48)。
【0046】このように、制御部3の処理負荷や楽音波
形の重要度に応じてパラメータ更新などの制御処理の程
度を変更することにより、制御部の処理能力の範囲で最
大の音色,発音数を維持することができる。
【0047】図8のフローチャートを参照して、この発
明の更に他の実施形態を説明する。同図のフローチャー
トは、図7の周期処理動作に代わるものである。この周
期処理動作は、発音スロットに対して全ての制御処理を
実行するが、重要度の低い楽音波形を形成している発音
スロットに対しては毎回制御処理を実行せず、2回に1
回など処理回数を間引く(スキップする)ようにして制
御部の処理負荷を軽減している。
【0048】図8において、まず、現在の処理負荷を判
断する(s51)。そして、この処理負荷と楽音波形の
重要度に基づいて各発音スロットに対する制御処理をス
キップするか否かを決定する。まず発音スロットを指し
示すポインタNに1をセットし(s52)、その発音ス
ロットが発音中かを判断する(s53)。発音中でなけ
れば、何も制御処理をする必要がないため直接s60に
進む。
【0049】発音中であればその発音スロットが形成し
ている楽音波形の重要度を計算する(s54)ととも
に、該発音スロットの処理スキップ回数を読み出す(s
55)。そして、この重要度、処理スキップ回数および
制御部3の処理負荷に基づいて今回この発音スロットの
制御処理をスキップするか否かを決定する(s56)。
スキップする場合にはスキップ回数をカウントするレジ
スタに1を加算して(s59)、s60に進む。スキッ
プしない場合には、この発音スロットに対して全ての制
御処理を実行し(s57)、スキップ回数をクリアして
(s58)、s60に進む。以上の処理をNが64にな
るまで繰り返し実行する(s60,s61)。
【0050】このように、制御部3の処理負荷および各
発音スロット毎が形成している楽音波形の重要度に基づ
いて制御処理を周期処理2回に1回や3回に1回にスキ
ップすることにより、重要な楽音波形は毎回全てのパラ
メータが更新されて滑らかな楽音となり、そうでない楽
音に関しては処理が軽減される。
【0051】なお、図8の処理動作に図7(A)の周期
管理動作を併用してもよい。
【0052】
【発明の効果】この発明によれば、発音スロットに空き
がない場合であっても、形成中の楽音の重要度および新
たな楽音の重要度を算出し、新たな楽音よりも重要度の
低い楽音を消去した発音スロットで該新たな楽音の形成
を行うようにしたことにより、最大発音数が少なくても
音楽性を損なわないで楽音の形成を行うことができる。
【0053】また、この発明によれば、マルチエレメン
トの楽音であっても、発音スロットの空き具合に応じて
エレメント数を減らした楽音形成データで楽音形成する
ようにしたことにより、音源装置を備える発音スロット
数の範囲で最大限の発音数を確保することができる。
【0054】また、この発明によれば、処理負荷および
各発音スロットの楽音の重要度に応じて処理内容を変更
することにより、重要な楽音は精密な制御がされ重要で
ない楽音は荒い制御がされて、処理能力の範囲で最大の
効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の第1の実施形態である音源装置のブ
ロック図
【図2】同音源装置の重要度関数を示す図
【図3】同音源装置の制御部の動作を示すフローチャー
【図4】この発明の第2の実施形態である音源装置の楽
音形成データの記憶形態を示す図
【図5】同音源装置の制御部の動作を示すフローチャー
【図6】この発明の第3の実施形態である音源装置の制
御処理の優先度テーブルを示す図
【図7】同音源装置の制御部の動作を示すフローチャー
【図8】この発明の第4の実施形態である音源装置の制
御部の動作を示すフローチャート
【符号の説明】
1…音源装置、2…I/Oレジスタ、3…制御部、4…
メモリ、5…発音スロット、6…ミキサ、7…エフェク
タ、8…ミキサ

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 楽音を形成する複数の発音スロットと、
    各発音スロットの楽音の形成を制御する制御部と、を備
    えた音源装置であって、 前記制御部は、全ての発音スロットで楽音を形成中にさ
    らに新たな楽音の形成が指示されたとき、各発音スロッ
    トが現在形成している楽音の重要度および前記新たな楽
    音の重要度を算出し、どの楽音の形成を放棄するかを決
    定する手段と、を備えた音源装置。
  2. 【請求項2】 楽音を形成する複数の発音スロットと、
    各発音スロットの楽音の形成を制御する制御部と、を備
    えた音源装置であって、 前記制御部は、各発音スロットが形成している楽音の重
    要度を算出する手段と、新たな楽音の形成が指示された
    とき、該新たな楽音の重要度を算出する手段と、新たな
    楽音の形成が指示されたとき、全ての発音スロットが楽
    音を形成中の場合、形成中の楽音のうち前記新たな楽音
    示された楽音よりも重要度が低いものを消去し、これに
    よって空きとなった発音スロットで前記新たな楽音を形
    成させる手段と、を備えた音源装置。
  3. 【請求項3】 楽音波形を形成する複数の発音スロット
    と、楽音波形を形成するための楽音形成データを記憶し
    た記憶手段と、楽音形成データに基づく楽音波形の形成
    を制御する制御部と、を備えた音源装置であって、 前記記憶手段は、1ないし複数の楽音波形をそれぞれ別
    の発音スロットで形成しこれらを合成して1つの楽音と
    する楽音形成データを記憶しており、 前記制御部は、楽音の形成が指示されたとき、発音スロ
    ットの空き状況を判断し、該空き状況に基づいて楽音波
    形の合成数を決定し、該合成数の楽音形成データを発音
    スロットに供給して楽音の形成を指示する音源装置。
  4. 【請求項4】 前記制御部は、楽音の形成が指示された
    とき、発音スロットの空き状況および該楽音の重要度を
    判断し、該空き状況および重要度に基づいて楽音波形の
    合成数を決定し、該合成数の楽音形成データを発音スロ
    ットに供給して楽音の形成を指示する請求項3に記載の
    音源装置。
  5. 【請求項5】 楽音波形を形成する複数の発音スロット
    と、 周期時間毎の発音スロット制御動作において、各発音ス
    ロットに対してそれぞれ複数の制御処理を実行する制御
    部と、 を備えた音源装置であって、 前記制御部は、自己の処理負荷を判断し、該処理負荷に
    基づいて前記周期時間を決定し、該周期時間毎に前記発
    音スロット制御動作を実行する音源装置。
  6. 【請求項6】 楽音波形を形成する複数の発音スロット
    と、 周期時間毎の発音スロット制御動作において、各発音ス
    ロットに対してそれぞれ複数の制御処理を実行する制御
    部と、 前記複数の制御処理の優先度を記憶した記憶手段と、 を備えた音源装置であって、 前記制御部は、自己の処理負荷を判断し、該処理負荷お
    よび各制御処理の優先度に基づいて各発音スロットに対
    して実行する制御処理の種類を決定し、該決定した内容
    で前記発音スロット制御動作を実行する音源装置。
  7. 【請求項7】 前記制御部は、自己の処理負荷を判断す
    るとともに各発音スロットが形成している楽音波形の重
    要度を判断し、該処理負荷、各発音スロットが形成して
    いる楽音波形の重要度および各制御処理の優先度に基づ
    いて各発音スロットに対して実行する制御処理の種類を
    決定し、該決定した内容で前記発音スロット制御動作を
    実行する請求項6に記載の音源装置。
  8. 【請求項8】 楽音波形を形成する複数の発音スロット
    と、 周期時間毎の発音スロット制御動作において、各発音ス
    ロットに対してそれぞれ複数の制御処理を実行する制御
    部と、 前記複数の制御処理の優先度を記憶した記憶手段と、 を備えた音源装置であって、 前記制御部は、自己の処理負荷を判断するとともに各発
    音スロットが形成している楽音波形の重要度を判断し、
    該処理負荷および各発音スロットが形成している楽音波
    形の重要度に基づいて処理をスキップする発音スロット
    を決定し、該決定した発音スロットに対する制御処理を
    省略して前記発音スロット制御動作を実行する音源装
    置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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