JP2000259152A - 音源装置 - Google Patents

音源装置

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JP2000259152A
JP2000259152A JP11063090A JP6309099A JP2000259152A JP 2000259152 A JP2000259152 A JP 2000259152A JP 11063090 A JP11063090 A JP 11063090A JP 6309099 A JP6309099 A JP 6309099A JP 2000259152 A JP2000259152 A JP 2000259152A
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秀一 松本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】目立たない音を素早く捜し出すことにより、的
確なフォースダンプを実現した音源装置を提供する。 【解決手段】音源LSI2は、64の発音スロットを有
しており、各発音スロットが形成中の楽音のEGレベル
およびVOLパラメータの値をCPU1に定期的に通知
する。CPU1は全発音スロットが使用中のときに新た
なノートオンメッセージが入力されると、各発音スロッ
トの音色の種類、楽音形成のステータスおよびEG×V
OLの値に基づいてフォースダンプするスロットを決定
し、その発音スロットで新たな楽音の形成を開始する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は入力された複数の
発音指示に対して、発音スロットを割り当てて発音する
音源装置に関する。
【0002】
【従来の技術】音源装置は、32音や64音等の複数の
楽音を同時に発音することができるが、演奏の形態によ
っては、これ以上の楽音の発音が同時に行われる場合が
ある。このような場合に対応するため従来の音源装置
は、キーアサイナという機能を備えており、新たな発音
指示に対応してそのとき発音中の楽音の1つを選択して
強制的に消音(フォースダンプ)させるようにしてい
た。
【0003】どの音をフォースダンプするかは、音楽の
演奏において非常に重大な問題であり、正確に判断しよ
うとすれば非常に複雑な判断が必要である。このため、
従来は、発音継続時間などの簡略な判断でフォースダン
プする発音スロットを決定していたため、重要な目立つ
音を消してしまうという問題点があった。
【0004】この発明は、目立たない音を素早く捜し出
すことにより、的確なフォースダンプを実現した音源装
置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、それ
ぞれ独立して楽音を形成する複数の発音スロットと、発
音指示に応じて、前記発音スロットに該発音指示に応じ
た音色の楽音の形成を指示する制御手段と、を備え、前
記制御手段は、全ての発音スロットで楽音を形成中に新
たな発音指示があったとき各発音スロットが形成してい
る楽音波形の振幅レベルおよび該形成された楽音波形の
ゲインに基づいて強制消音する発音スロットを決定する
消音スロット決定手段を備え、強制消音した発音スロッ
トに前記新たな発音指示に応じた楽音の形成を指示する
ことを特徴とする。
【0006】請求項2の発明は、請求項1の発明におい
て、前記消音スロット決定手段は、前記振幅レベル、ゲ
インに加えて、各発音スロットが形成している楽音の音
色に基づいて強制消音する発音スロットを決定する手段
であることを特徴とする。
【0007】請求項3の発明は、請求項1の発明におい
て、前記消音スロット決定手段は、前記振幅レベル、ゲ
インに加えて、各発音スロットが形成している楽音のエ
ンベロープの段階に基づいて強制消音する発音スロット
を決定する手段であることを特徴とする。
【0008】請求項4の発明は、請求項1〜3の発明に
おいて、前記消音スロット決定手段は、前記振幅レベル
とゲインとを乗じた値が所定のしきい値以下であるか否
かに基づいて強制消音する発音スロットを決定すること
を特徴とする。
【0009】この発明の音源装置は、複数(32、6
4、128など)の発音スロットを備え、複数の楽音を
同時に形成することができる。しかし、発音指示は、こ
の最大発音数の範囲内で入力されるとは限らないため、
最大発音数を超えて発音指示が入力された場合には、い
ずれかの発音スロットの楽音をフォースダンプすること
によってその発音スロットを解放し、この発音スロット
で新たな楽音を発音する。どの楽音をフォースダンプす
るかは、各発音スロットで発音中の楽音のなかから最も
重要でないものを選択することによって決定すればよい
が、重要度はその楽音のレベルに基づいて判断するのが
最も容易で確実である。
【0010】そこで、この発明では、楽音波形形成時の
振幅レベル(EG)およびこの楽音を出力するときのゲ
イン(VOL)に基づいてフォースダンプする楽音を決
定する。これにより、発音中の多くの楽音のなかで消音
しても差し支えない音量の楽音を探すことができる。ま
た、楽音の中には一旦フェードアウトしたのちに再度フ
ェードインするなどゲインが増減する楽音も存在する
が、打楽器音などの適当な音色やリリース中などの適当
なエンベロープの段階を選択することによりこのような
楽音を除くことができ、確実な選択が可能になる。
【0011】また、各発音スロットにおいてEG×VO
Lで算出される出力レベルがしきい値以下か否かで判断
することにより、より処理が簡略になる。
【0012】
【発明の実施の形態】図1はこの発明の実施形態である
音源装置のブロック図である。この音源装置は、32の
発音スロットを備え、32音の楽音を同時に形成するこ
とができる。一方、全ての発音スロットが動作中に新た
な(33音目の)発音指示が発生した場合には、発音中
の楽音のなかから最も重要でないものを選択し、これを
フォースダンプ(強制消音)してこの発音スロットで新
たな楽音を形成する。
【0013】この消音する発音スロットの選択を楽音の
振幅変化曲線の値であるEGレベル、フェードイン・ア
ウトなどの振幅制御のゲインであるVOLレベル、ボイ
ス(楽器音色)、ステータス(EGの段階:アタック、
ディケイ、サスティン、リリース等)に基づいて決定す
る。
【0014】図1において、この音源装置は、装置全体
の動作を制御するCPU1、楽音波形を合成して楽音を
発音する音源LSI2、プログラムやデータを記憶する
メモリ3、外部から入力されるMIDIメッセージを一
時記憶するMIDIバッファ4、MIDIバッファ4に
接続されるMIDIインタフェース5、設定内容を表示
したりMIDIを介さずに直接設定操作を行うための操
作・表示パネル7、操作・表示パネル7をCPU1と接
続するパネルインタフェース6、音源LSI2が形成し
た楽音に効果を付与するエフェクタ8、エフェクタ8が
効果を付与した楽音をアナログ信号に変換するD/Aコ
ンバータ9を有している。
【0015】また、音源LSI2には、CPU1がパラ
メータを書き込むための入力バッファ10およびCPU
1に対して内部の動作状況を知らせるための出力バッフ
ァ11が設けられている。CPU1と音源LSI2はこ
の入力レジスタ10および出力レジスタ11を介して情
報をやり取りする。
【0016】図2は、音源LSI2の構成図である。音
源LSI2は、64の発音スロット21を有し、64音
の楽音を同時に形成することができる。各発音スロット
の動作は音源LSI内のCPU20によって制御され
る。CPU20は入力レジスタ10に書き込まれたデー
タに基づいて各発音スロット21を制御し、各発音スロ
ット21の動作状態を定期的に出力レジスタ11に書き
込む。
【0017】発音スロット21は波形形成部22および
アンプ23を有している。波形形成部22は、CPU2
0から入力されるデータに基づいて楽音波形を所定のサ
ンプリングレートのデジタルデータで形成する。波形形
成部22に供給されるデータとしては、ボイス(楽器音
色)すなわち楽音波形の形状を決定するデータ、波形の
振幅変化曲線(EG)を生成するためのデータ、楽音の
周波数を指示するパラメータなどである。また、アンプ
23に入力されるデータは、楽音増幅のゲインVOLを
決定するパラメータなどである。各発音スロットが形成
した楽音は、ミキサで2チャンネルのステレオ信号にミ
キシングされたのち外部出力される。
【0018】また、音源LSI2のCPU20は、各発
音スロットの動作状況を定期的に出力レジスタ11に書
き込む。書き込まれた内容はCPU1が読み出す。出力
レジスタ11には、まず各発音チャンネルのノートオン
・オフ状況(楽音を形成しているか否か)が書き込ま
れ、ノートオンしている発音チャンネルについては、E
Gレベル、VOLレベルなどの情報が書き込まれる。
【0019】なお、EGレベルは、形成される楽音波形
の振幅レベルの時間的変化を示す値であり、一般的に図
7(A)に示すような形状の曲線である。このEG曲線
は、4段階の段階に分かれており、aがアタック段階、
bがディケイ段階、cがサスティン段階、dがリリース
段階である。このEGは、楽音波形の形成そのものを制
御するパラメータである。VOLレベルは、形成された
楽音の出力段で楽音をどの程度増幅するかを決定するパ
ラメータである。したがって、音源から出力される楽音
は、図7(B)に示すように、これらを掛け合わせた値
(EG×VOL)である出力レベルで出力される。
【0020】MIDIインタフェース5には、シーケン
サなどの自動演奏装置のほか、キーボード、管楽器型コ
ントローラなど電子楽器用の演奏装置が接続される。自
動演奏装置は、予め記憶している自動演奏データを順次
読み出すことにより、所定のタイミングにMIDIメッ
セージを出力して曲を自動演奏する装置である。演奏装
置は、演奏者によって操作され、その操作に応じてMI
DIメッセージを生成出力する。これらの装置から出力
されたMIDIメッセージはMIDIインタフェース5
を介してMIDIバッファ4に書き込まれる。
【0021】MIDIメッセージとしては、たとえば、
楽音の発音を指示するノートオンメッセージ、消音を指
示するノートオフメッセージ、音色(ボイス)を指定す
るプログラムチェンジメッセージ、音色(波形)や効果
を制御するコントロールチェンジメッセージなどがあ
る。
【0022】CPU1は、定期的にMIDIバッファ4
の内容を読み出し、書き込まれているMIDIメッセー
ジの内容に応じた処理を実行する。例えば、ノートオン
メッセージが入力されると、このノートオンメッセージ
に対応する楽音を形成するよう音源LSI2に指示す
る。
【0023】この楽音形成(発音)指示は、以下のよう
な手順で行われる。まず、音源LSI2に現在動作して
いない発音スロット(空きスロット)があるかを判断す
る。ある場合には、そのなかの1つをこの楽音に対して
割り当て、入力バッファ10のその発音スロットに対応
するエリアに必要なパラメータを書き込む。このパラメ
ータは、ノートオン指示、ボイスの指示、タッチ強度デ
ータなどである。ボイスは、このノートオンメッセージ
のMIDIチャンネルに指定されているボイスであり、
メモリ3に設定されているMIDIチャンネル情報テー
ブルに記憶されている。
【0024】図3は、メモリ3の構成図である。メモリ
3は、ROM3a、バッテリバックアップされたSRA
M3bおよびDRAM3cからなっている。ROM3a
には、音源装置の動作を制御するための制御プログラム
(図4〜図6のフローチャート参照)、イニシャル状態
のときに音源装置の各部に設定されるデフォルトパラメ
ータ、複数のボイス(楽器音色)の楽音波形を形成する
ために必要なデータであるボイス波形データなどが予め
記憶されている。SRAMには、ユーザ設定パラメータ
やユーザ設計ボイス波形データなどが記憶され、電源オ
フ時にもバックアップされている。ボイス波形データ
は、波形の形状を決定するためのデータおよび振幅値の
時間的変動曲線であるEG波形を形成するためのデータ
などを含んでいる。
【0025】さらにDRAMには、制御プログラムが音
源LSI2の動作の管理等に用いる各種の記憶エリアが
設定される。各発音スロットの楽音がノートオン状態で
あるかを示す発音フラグFg(i)…(i=1〜64:
以下同じ)、各発音スロットが楽音波形の形成中である
かを示すアクティブフラグFa(i)、各発音スロット
が形成している楽音のMIDIチャンネル、ボイス、音
高、発音開始時刻等の情報を記憶する発音情報テーブル
G(i)、各発音スロットが形成している楽音のEGレ
ベルを記憶するEGバッファEG(i)、各発音スロッ
トが形成している楽音の出力レベルを記憶する出力レベ
ルバッファLo(i)、各MIDIチャンネルの設定内
容を記憶するMIDIチャンネル情報テーブルなどが設
定される。
【0026】なお、ノートオフメッセージが入力されて
も楽音が即座に消音するわけではなく、徐々に減衰した
のち消音するためノートオン・オフ状態を示す発音フラ
グと楽音形成中か否かを示すアクティブフラグが別々に
設けられている。また、上記記憶エリアのうち、EGバ
ッファおよび出力レベルバッファは図4に示す音源管理
処理により逐次更新される。
【0027】図4〜図6のフローチャートを参照してこ
の音源装置の動作について説明する。図4は、音源管理
処理を示すフローチャートである。この処理はCPU1
が、音源LSI2の各発音スロットの動作状況を検査す
る動作であり、定期的に実行される。まず、発音スロッ
トのナンバを指示するポインタiに1を書き込む(s
1)。そして、このiで指示される発音スロットのアク
ティブフラグFa(i)がセットされているかを判断す
る(s2)。アクティブフラグFa(i)がセットされ
ていなければこの発音スロットは、楽音形成を行ってお
らず空きスロットであり、このスロットの状況を検査す
る必要がないため、直接s9にジャンプする。
【0028】Fa(i)がセットしており、iで指示さ
れる発音スロットが動作中の場合には、出力レジスタ1
1のこの発音スロットiに対応するエリアから現在形成
している楽音波形のEGレベル値を読み出し(s3)、
これが第1のしきい値Tha以下であるかを判断する
(s4)。
【0029】第1のしきい値Thaとは、この楽音が単
独で出力されたとしても聞き取れない程度に小さいレベ
ルを示すしきい値であり、楽音の振幅レベルがこれ以下
であればMIDIインタフェースからノートオフメッセ
ージが入力されていなくても自動的にノートオフ・楽音
形成終了と判断できる程度の値を示している。
【0030】EGレベル値が第1のしきい値Thaを超
えている場合には、EGバッファの発音スロットiに対
応する記憶エリアEG(i)に現在のEGレベル値とし
てこの値を書き込む(s5)。
【0031】次に、音源LSI2の出力レジスタ11か
らこの発音スロットiのVOLレベル値を読み出す(s
6)。このVOLレベル値は、MIDIインタフェース
4を介して外部から当たられたパラメータ、CPU1が
読出・生成したパラメータ、音源LSI2が読出・生成
したパラメータのいずれによって制御されるものであっ
てもよい。この読み出したVOLレベル値と前記EGレ
ベル値とを乗算して実際に音源から出力される楽音のレ
ベルである出力レベルを算出し(s7)、この値を出力
レベルバッファの発音スロットiに対応する記憶エリア
Lo(i)に現在の出力レベルであるとして書き込む
(s8)。
【0032】これらEG(i)、Lo(i)の値は、新
たなノートオンメッセージが入力されたとき、音源LS
Iに空きスロットがない場合の処理であるフォースダン
プ(強制消音処理)のときに参照される。
【0033】一方、s4でEGレベル値が第1のしきい
値Tha以下であった場合には、この発音スロットのア
サイン解除処理を実行する。まず、入力レジスタ10の
発音スロットiのエリアにアサイン解除を書き込んでこ
の発音スロットの楽音形成動作を終了させて解放する
(s11)。そして、アクティブフラグFa(i)をリ
セットし(s12)、EGバッファEG(i)、出力レ
ベルバッファLo(i)、発音時テーブルG(i)をク
リアする(s13)。さらに、この楽音についてまだノ
ートオフメッセージが入力されておらず、発音フラグが
セットされたままになっている場合には(s14)、発
音フラグFg(i)をリセットする(s15)。
【0034】以上の処理をi=1〜64の各発音スロッ
トについて繰り返し実行したのち(s9,s10)、動
作を終了する。なお、音源LSI2の発音スロット数は
64に限定されない。
【0035】図5のフローチャートは、MIDIバッフ
ァ4からMIDIメッセージを取り込み、対応する処理
を実行するMIDI処理を示している。まず外部からの
MIDI入力をバッファするMIDIバッファ4の内容
を読み取る(s21)。記憶内容がノートオンメッセー
ジであるか否かを判断する(s22)。ノートオンメッ
セージでない場合には対応する処理(s31以下)にす
すむ。
【0036】ノートオンメッセージが入力された場合に
は、メッセージに対応する楽音を音源LSI2に形成さ
せるため、以下の処理を実行する。まず空いている発音
スロットがあるか否かを判断する(s23)。これは、
アクティブフラグFa(i)がリセットしている発音ス
ロットがあるかに基づいて判断すればよい。空きスロッ
トがある場合には、空きスロットのなかから1つを今回
のノートオンメッセージに対応する発音スロットとして
アサインし、入力レジスタ10のこの発音スロットに対
応するエリアに楽音波形を形成するために必要なパラメ
ータを書き込む(s24)。入力レジスタ10に必要な
パラメータを書き込むことにより、音源LSI2は、こ
の発音スロットで楽音の形成をスタートする。このの
ち、この発音スロットiに対応する発音フラグFg
(i)、アクティブフラグFa(i)をセットし(s2
5)、ボイスや発音開始時刻などの発音情報を発音情報
テーブルの発音スロットiに対応するエリアG(i)に
記憶する(s26)。そして、EGバッファ、出力レベ
ルバッファの発音スロットiに対応する記憶エリアEG
(i)、Lo(i)に最大値を書き込んで(s27)、
アサイン処理を終了する。
【0037】EGレベル、出力レベルの最大値とは、E
Gレベル、出力レベルを示すパラメータが取りえる値の
範囲(たとえば0〜127)のうちの最大値(127)
である。発音を開始した直後の発音スロットでは実際の
楽音波形の形成をまだスタートしていないが、EGレベ
ルの最大値を書き込むことで、この発音スロットの優先
度をあげフォースダンプされないようにしている。
【0038】一方、s23で空きスロットがないと判断
された場合、すなわち、全ての発音フラグがセットされ
た状態になっている場合には、どの発音スロットの楽音
をフォースダンプ(強制消音)するかを決定する(s2
8)。このフォースダンプ決定ルールは、後で説明す
る。
【0039】そして、音源LSI2に対して、この消音
すると決定した発音スロットiのフォースダンプを指示
する(s29)。この指示は、入力レジスタ10の上記
発音スロットiに対応にするエリアにフォースダンプの
指示を書き込むことによって行う。フォースダンプが指
示されるとその発音スロットでは、形成中の楽音のレベ
ルを急激に減衰させ、殆ど即座にスロットを解放する。
そして、フォースダンプした発音スロットの入力レジス
タ10に新たな楽音を形成するためのデータを書き込ん
で楽音の形成をスタートさせる(s30)。発音フラ
グ、アクティブフラグはフォースダンプ前からセットし
たままになっているので再度セットする必要はない。そ
して、この発音スロットiにアサインした音色などの発
音情報を発音情報テーブルG(i)に記憶し(s2
6)、EGバッファEG(i)、出力レベルバッファL
o(i)に最大値を書き込んで(s27)、アサイン処
理を終了する。
【0040】MIDIバッファに入力されたメッセージ
がノートオフメッセージであった場合には(s31)、
このノートオフメッセージに対応する発音スロットがど
れであるかを発音情報テーブルから検索する(s3
2)。これはノートオフメッセージのMIDIチャンネ
ル、音高で検索すればよい。該当する発音スロットが存
在する場合には(s33)、その発音スロットに対して
ノートオフを指示するとともに(s34)、対応する発
音フラグFg(i)をリセットする(s35)。
【0041】s32の検索で該当する発音スロットが見
つからなかった場合には、既にEGレベルに基づいて自
動的に消音処理されているかフォースダンプ処理がされ
ていると判断されるため何もせずにそのまま処理を終了
する。
【0042】また、MIDIバッファ4に入力されたM
IDIメッセージがノートオンメッセージ、ノートオフ
メッセージ以外のものであった場合には、そのメッセー
ジに対応する処理を実行して(s36)、処理を終了す
る。
【0043】入力されたMIDIメッセージが、たとえ
ばあるMIDIチャンネルのVOL値を変更するコント
ロールチェンジメッセージであった場合には、そのMI
DIチャンネルの楽音を発音している発音スロットを発
音情報テーブルから検索し、入力レジスタ10のその発
音スロットに対応するエリアに新たなVOL値を書き込
む処理を行う。音源LSI2においては、CPUがこの
VOL値を読み取って、対応する発音スロットに供給す
る。
【0044】図6は、フォースダンプする発音スロット
を決定する処理を示すフローチャートである。まず、各
発音スロットで発音している楽音のボイスを発音情報テ
ーブルから読み出し、リズム音を発音している発音スロ
ットがあるかを検索する(s40)。リズム音の音色が
あればそのなかで出力レベルバッファLo(i)、すな
わちEG×VOLの値が第2のしきい値Thb以下のも
のがあるかを検索する(s41)。該当する発音スロッ
トがあった場合には、この発音スロットをフォースダン
プする発音スロットとして決定する(s45)。もし複
数の発音スロットが該当した場合には、EGレベルが最
小のもの、発音時間が最も長いものなどを選択して消音
スロットとすればよい。
【0045】なお、リズム音をフォースダンプの第1の
候補として検索するのは、リズム音はEGレベルが単調
に減衰する楽音であり、VOLも一旦減衰させたのち再
度フェードインされるということが殆どないボイスだか
らである。また、リズム音の場合、ノートオフメッセー
ジが入力されない場合が多く、その場合、楽音が聞こえ
ない程度にまで減衰していても発音スロットが解放され
ない場合があるからである。
【0046】このように第2のしきい値Thbは、出力
レベル(EG×VOL)に対するしきい値であり、全発
音スロットが動作中で64音が発音しているとき、この
程度の出力レベルでは殆ど聞こえないというレベルを示
すしきい値である。すなわち、聞こえない音ではない
が、全発音スロットが発音中ならば消音しても差し支え
ないレベルであることを示している。
【0047】一方、出力レベルLo(i)が第2のしき
い値Thb以下のリズム音がない場合には、現在リリー
ス中の楽音を検索する(s42)。現在リリース中の楽
音とは、ノートオフメッセージを受信して発音フラグF
g(i)がリセットしているが、まだEGのステータス
がリリースでアクティブフラグFa(i)がセットして
いるものである。このなかで出力レベルLo(i)が第
2のしきい値Thb以下のものを検索する(s43)。
該当する発音スロットが存在した場合には、この発音ス
ロットをフォースダンプする発音スロットとして決定す
る(s45)。もし複数の発音スロットが該当した場合
には、EGレベルが最小のもの、発音時間が最も長いも
のなどを選択して消音スロットとすればよい。
【0048】リリース中の楽音は、単調に減衰するのみ
でEGレベルが再度上昇することはなく、VOLがフェ
ードインすることもないため、第2のしきい値Thb以
下であればフォースダンプしても差し支えないと判断で
きるためである。
【0049】さらに、出力レベルLo(i)が第2のし
きい値Thb以下に減衰したリリース中の楽音もない場
合には、発音している楽音中でEG(i)の値が一番小
さい発音スロットを検索して(s44)、これをフォー
スダンプする発音スロットとして決定する(s45)。
【0050】このように、音源LSIの最大発音数を超
えるノートオンメッセージが入力された場合でも最も影
響の少ない楽音を効率的に選択してその楽音をフォース
ダンプするようにしたことにより、演奏されている曲の
雰囲気をこわすことがない。
【0051】このように、この実施形態では、EGレベ
ルに基づいて消音を判断する第1のしきい値と、出力レ
ベル(EG×VOL)に基づいてフォースダンプを許可
する第2のしきい値を別々に設けている。
【0052】
【発明の効果】この発明によれば、振幅レベルおよびゲ
インに基づいて、どの発音スロットの楽音を強制消音す
るかを決定するようにしたことにより、簡略な判断で的
確に最も影響の少ない楽音を発見することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態である音源装置のブロック
【図2】同音源装置の音源LSIの構成図
【図3】同音源装置のメモリの構成図
【図4】同音源装置の動作を示すフローチャート
【図5】同音源装置の動作を示すフローチャート
【図6】同音源装置の動作を示すフローチャート
【図7】同音源装置のEGパラメータとVOLパラメー
タの変化例を示す図
【符号の説明】
1…CPU、2…音源LSI、3…メモリ、4…MID
Iバッファ、5…MIDIインタフェース、10…入力
レジスタ、11…出力レジスタ、20…(音源LSI
の)CPU、21…発音スロット、22…波形形成部、
23…アンプ、24…ミキサ

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 それぞれ独立して楽音を形成する複数の
    発音スロットと、 発音指示に応じて、前記発音スロットに該発音指示に応
    じた音色の楽音の形成を指示する制御手段と、 を備え、 前記制御手段は、全ての発音スロットで楽音を形成中に
    新たな発音指示があったとき、各発音スロットが形成し
    ている楽音波形の振幅レベルおよび該形成された楽音波
    形のゲインに基づいて強制消音する発音スロットを決定
    する消音スロット決定手段を備え、 強制消音した発音スロットに前記新たな発音指示に応じ
    た楽音の形成を指示する音源装置。
  2. 【請求項2】 前記消音スロット決定手段は、前記振幅
    レベル、ゲインに加えて、各発音スロットが形成してい
    る楽音の音色に基づいて強制消音する発音スロットを決
    定する手段である請求項1に記載の音源装置。
  3. 【請求項3】 前記消音スロット決定手段は、前記振幅
    レベル、ゲインに加えて、各発音スロットが形成してい
    る楽音のエンベロープの段階に基づいて強制消音する発
    音スロットを決定する手段である請求項1に記載の音源
    装置。
  4. 【請求項4】 前記消音スロット決定手段は、前記振幅
    レベルとゲインとを乗じた値が所定のしきい値以下であ
    るか否かに基づいて強制消音する発音スロットを決定す
    る請求項1、請求項2または請求項3に記載の音源装
    置。
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JP2010522362A (ja) * 2007-03-22 2010-07-01 クゥアルコム・インコーポレイテッド オーディオ・デバイスにおける参照波形の検索のための帯域幅制御

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