JP4920946B2 - 楽音発生装置 - Google Patents
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Description
まず、第1の従来技術では、ダンパペダルが操作されている最中に離鍵された鍵に対応する楽音を消音するため、離鍵された鍵に対応する楽音が大きく再度押鍵された鍵に対応する楽音が非常に小音量であった場合、急激に楽音が小さくなってしまう。このため、アコースティックのピアノと挙動が大きく異なってしまうという問題点があった。
本発明は、このような問題点に鑑みてなされたものであり、アコースティックの楽器と同様の挙動を採りつつ、音源の発音リソースの消費を抑えることができる楽音発生装置を提供することを目的とする。
図1は、本実施形態の楽音発生装置が配設された電子楽器の概略構成の一例を示したブロック図である。
図1において、電子楽器は、中央処理装置(以下、CPUと称する)1と、フラッシュメモリ2と、ランダムアクセスメモリ(以下、RAMと称する)3と、外部記憶媒体装着部4と、外部入出力用インターフェース部5と、信号バス6と、キースキャン回路7と、鍵盤8と、パネルスキャン回路9と、操作パネル10と、楽音発生部11と、波形メモリ12と、デジタル/アナログ変換部(以下、D/A変換部と称する)13と、アナログ信号処理部14と、パワーアンプ15と、スピーカ部16とを有している。
鍵盤8は、複数の鍵と、それら複数の鍵の各々に対応して設けられた複数の鍵スイッチとを有している。電子楽器のユーザは、前記複数の鍵を押鍵及び離鍵して所望の演奏を行う。
(キースキャン回路)
キースキャン回路7は、鍵盤8の各鍵スイッチのスキャン処理を行うためのものである。
操作パネル10は、各種操作子や表示装置を有している。本実施形態の電子楽器には、表示装置として、例えばLCD(Liquid Crystal Display;液晶ディスプレイ)が設けられている。このLCDは、各種操作子の選択状態や設定状態等を表示する。
前記操作子として、例えば、電子楽器に電源を供給するための電源スイッチや、電子楽器の設定状態を初期値にリセットするためのリセットスイッチや、テンポや音量を設定するためのダイアルや、音色を選択するための音色選択スイッチ等が設けられている。ただし、前記操作子はこれらのものに限定されるものではないということは言うまでもない。
(パネルスキャン回路)
パネルスキャン回路9は、操作パネル10に設けられている各種操作子のスキャン処理を行うためのものである。
ペダル18は、少なくとも発音時間を可変させるために操作される操作子である。具体的に本実施形態の電子楽器には、ダンパペダルと、ソフテヌートペダルと、ソフトペダルとがペダル18として設けられている。
(ペダルスキャン回路)
ペダルスキャン回路17は、ペダル18のスキャン処理を行うためのものである。
CPU1は、本実施形態の電子楽器の全体を統括制御するためのものであり、フラッシュメモリ2に格納されている制御プログラムに従って、RAM3をワークメモリとして利用しながら、例えば次のような処理を行う。
また、CPU1は、キースキャン回路7によりスキャン処理された結果を入力して、鍵の操作内容(押鍵及び離鍵)を識別するとともに、ペダルスキャン回路18によりスキャン処理された結果を入力して、ペダルの操作内容を識別する。
そして、CPU1は、識別した鍵やペダルの操作内容(鍵の押鍵及び離鍵)に基づく演奏データや、操作パネル10の操作内容に基づくデータを楽音発生部11に割り当てる処理を行う。
なお、CPU1は、前述したものの他に種々の処理を行うということは言うまでもない。
フラッシュメモリ2は、読み出し可能なメモリであり、CPU1の制御プログラムの他に、種々のデータを格納する。
RAM3は読み書きが可能なメモリであり、CPU1のプログラム実行過程において各種の必要なデータを一時的に記憶したり、編集可能なパラメータデータを記憶したりする記憶領域を有している。このRAM3の一部あるいは全部はバッテリーバックアップされており、必要なデータを、電子楽器の電源がオフにされても保持しておくことができるようにしている。
図2において、キーナンバの欄には、鍵盤8に設けられた鍵の識別番号であるキーナンバが記憶される。ベロシティの欄には、前述したベロシティデータの値が記憶される。このペロシティデータによって、CPU1は、押鍵された鍵の音量を識別することができる。離鍵フラグの欄には、キーナンバによって示される鍵の離鍵動作があった場合にオンされる離鍵フラグが記憶される。
なお、アサイメントメモリ20の内容は、図2に示したものに限定されず、楽音発生部11に設けられている音源の発音リソースに演奏データを割り当てる際にCPU1が参照する情報であれば、どのような情報をアサイメントメモリ20に記憶するようにしてもよい。
また、RAM3には、ペダル18に設けられたダンパペダルが操作(オン)されているときにCPU1によりオンされるダンパフラグが記憶されている。
まず、演奏者により鍵が押鍵されることによって楽音波形31のような楽音が発音されているときに、その鍵の離鍵と、その離鍵された鍵の再度の押鍵とが行われ、その再度の押鍵により楽音波形32のような楽音が発音されるような場合、CPU1は、離鍵された鍵に対応する楽音の現在の音量Lと、再度押鍵された鍵に対応する楽音により発せられるべき音量Lnewとを比較する。
波形メモリ12は、音色や音域に応じた種々の楽音波形データを記憶している。
(楽音発生部)
楽音発生部11は、前述したように、32個の発音リソースを備えた音源を有し、前述したようにしてCPU1により発音リソースに割り当てられた演奏データと、操作パネル10の操作内容に基づくデータ等に基づいて、波形メモリ12から必要な楽音波形データを読み出し、所望のデジタル楽音信号を発生させる。
D/A変換部13は、楽音発生部11で発生されたデジタル楽音信号をアナログ楽音信号に変換する機能を有する。
(アナログ信号処理部)
アナログ信号処理部14は、D/A変換部13でD/A変換されたアナログ楽音信号に対し、フィルタ処理(ノイズ除去処理)や音質調整、信号レベル(ゲイン)調整等を施す機能を有する。
パワーアンプ15は、アナログ信号処理部14でノイズ除去処理が施されたアナログ楽音信号に対し、増幅処理を施して適当なレベルに増幅する。
(スピーカ部)
スピーカ部16は、パワーアンプ15で増幅されたアナログ楽音信号を可聴信号として放音するためのものであり、1個あるいは複数個で構成されている。
外部記憶媒体装着部4は、例えば、CD−RWドライブである。そして、CPU1は、CD−RWドライブに装着されたCD−ROMに記憶されている制御プログラムや各種データを読み出して必要な処理を行う。なお、外部記憶媒体装着部4は、CD−RWドライブに限定されず、フレキシブルディスク(FD)装置や、光磁気ディスク(MO)装置等であってもよいということは言うまでもない。
外部入出力用インターフェース部5は、外部装置との間で、演奏情報等のデータのやり取りを行うためのものである。具体的に、この外部入出力用インターフェース部5は、例えばMIDI(Musical Instrument Digital Interface)である。
まず、ステップS1において、初期化処理を実行する。
次に、ステップS2において、イベントが発生したか否かを判定する。によりこの判定の結果、イベントが発生した場合には、ステップS3に進み、イベント処理を実行する。このイベント処理の詳細については、図5〜図9を参照しながら後述する。一方、イベントが発生していない場合には、このステップS3を省略してステップS4に進む。
そして、ステップS4において、定常処理を実行する。この定常処理の詳細については、図10を参照しながら後述する。
まず、ステップS11において、鍵が押鍵されたか否かを判定する。この判定の結果、鍵が押鍵された場合には、ステップS12に進み、押鍵処理を実行して、図4に示したメインフローチャートに戻る。この押鍵処理の詳細については、図6を参照しながら後述する。
まず、ステップS21において、RAM3に記憶されている前記ダンパフラグがオンされているか否かを判定して、ダンパペダルがオンされているか否かを判定する。この判定の結果、ダンパペダルがオンされていない場合には、後述するステップS27に進む。一方、ダンパペダルがオンされている場合には、ステップS22に進み、ダンパペダルがオンされている最中に、鍵の離鍵と、その離鍵された鍵の再度の押鍵とがなされたか否かを判定する。
次に、ステップS25に進み、離鍵された鍵に対応する楽音の現在の音量Lと、再度押鍵された鍵に対応する楽音により発せられるべき音量Lnewとを加算した音量で、楽音波形32の音色を有する楽音を発音するための演奏データを生成して、楽音発生部11に設けられた音源の発音リソースに割り当てる処理を行う。これにより、再度押鍵された鍵に対応する楽音に基づく楽音波形32に、離鍵された鍵に対応する楽音の現在の音量Lが加えられた楽音が発音される。そして、図4のメインフローチャートに戻る。なお、ステップS24で演奏データを割り当てる発音リソースと、ステップS25で演奏データを割り当てる発音リソースとを同じにするようにしても変えるようにしてもよい。
まず、ステップS31において、アサイメントメモリ20を検索して、図5のステップS13において離鍵されたと判定した鍵に対応するキーナンバを割り出す。
次に、ステップS32において、ステップS31で割り出したキーナンバに対応する離鍵フラグをオンする。
まず、ステップS41において、RAM3に記憶されている前記ダンパフラグをオンする。
次に、ステップS42において、離鍵された鍵があるか否か(離鍵動作のあった鍵があるか否か)を判定する。この判定は、例えば、アサイメントメモリ20を参照して、オンされている離鍵フラグがあれば、離鍵された鍵があると判定し、そうでなければ、離鍵された鍵がないと判定する。
一方、離鍵された鍵がない場合には、ステップS43を省略して図4のメインフローチャートに戻る。
まず、ステップS51において、RAM3に記憶されている前記ダンパフラグをオフする。
次に、ステップS52において、離鍵された鍵(離鍵動作のあった鍵)があるか否かを判定する。この判定は、例えば、図8のステップS42と同様に、アサイメントメモリ20における離鍵フラグがオンされているか否かによって判定する。
一方、離鍵された鍵がない場合には、ステップS53を省略して図4のメインフローチャートに戻る。
まず、ステップS61において、発音した音が消音したか否かを判定する。この判定は、例えば、楽音発生部11に設けられた音源を参照することにより行うことができる。この判定の結果、発音した音が消音していれば、ステップS62に進み、その音に対応する開放フラグをオフし、発音リソースを開放(使用可能)にする。このとき、離鍵フラグがオンされている場合には、その離鍵フラグをオフする。
一方、発音した音が消音していなければ、ステップS62を省略してステップS63に進む。そして、ステップS63において、その他の処理を行う。
まず、ステップS71において、タイマの値をセットする。
次に、ステップS72において、キースキャン回路7、パネルスキャン回路9、及びペダルスキャン回路17によりスキャン処理された結果に基づいて、IOマップを更新する。このIOマップは、操作パネル10の操作内容と、鍵盤8の操作内容と、ペダル18の操作内容の状態を示すものである。更新前のIOマップを第1のバッファメモリに記憶するとともに、更新後のIOマップを第2のバッファに記憶する。このようにして第1のバッファメモリに記憶された更新前のIOマップと、第2のバッファメモリに記憶された更新前のIOマップとを比較することにより、CPU1は、イベントが発生したか否かと、どのようなイベントが発生したのかを判断することができる。
また、一般に、電子楽器の音源における発音リソースの数は、鍵の数に比べて少ないため、発音リソースが多量に使用されると、適切な演奏が行えなくなる虞がある。しかしながら、本実施形態では、楽音波形31に基づく音を消音するので、ダンパペダルが操作されている最中に、同一の鍵が連打された場合でも、発音リソースが多量に使用されることを防止することができ、適切な演奏を行うことが可能になる。
前述した実施形態の機能を実現するべく各種のデバイスを動作させるように、該各種デバイスと接続された装置あるいはシステム内のコンピュータに対し、前記実施形態の機能を実現するためのソフトウェアのプログラムコードを供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(CPUあるいはMPU)に格納されたプログラムに従って前記各種デバイスを動作させることによって実施したものも、本発明の範疇に含まれる。
2 フラッシュメモリ
3 RAM
4 外部記憶媒体装着部
5 外部入出力用インターフェース部
6 信号バス
7 キースキャン回路
8 鍵盤
9 パネルスキャン回路
10 操作パネル
11 楽音発生部
12 波形メモリ
13 D/A変換部
14 アナログ信号処理部
15 パワーアンプ
16 スピーカ部
17 ペダルスキャン回路
18 ペダル
20 アサイメントメモリ
31、32 波形
Claims (4)
- 演奏操作に対応した楽音を、割り当てられた演奏データに応じて発生する発音リソースを複数備えた楽音発生装置であって、
少なくとも楽音の発音時間を可変させるために操作される操作子が操作されているときに、鍵の離鍵と、その離鍵された鍵の再度の押鍵とがなされると、前記離鍵された鍵に対応する楽音の現在の発音量と、前記再度の押鍵がなされた鍵に対応する楽音の発音量との大小関係を判定する判定手段と、
前記判定手段により、前記再度の押鍵がなされた鍵に対応する楽音の発音量の方が、前記離鍵された鍵に対応する楽音の現在の発音量よりも大きいと判定されると、前記離鍵された鍵に対応する楽音を発音中の前記発音リソースの発音をすべて中止する演奏データを生成して、前記発音リソースに割り当てる発音中止手段と、
前記発音中止手段により楽音の発音が中止される際に、前記再度の押鍵がなされた鍵に対応する楽音を、発音量を増大させて新たに発音する演奏データを生成して、前記発音リソースに割り当てる再押鍵音発音手段と、
前記判定手段により、前記再度の押鍵がなされた鍵に対応する楽音の発音量の方が、前記離鍵された鍵に対応する楽音の現在の発音量よりも大きくないと判定されると、前記離鍵された鍵に対応する楽音を、発音量を増大させて発音する演奏データを生成して、前記発音リソースに割り当てる離鍵音発音手段とを有することを特徴とする楽音発生装置。 - 前記離鍵音発音手段は、前記判定手段により、前記再度の押鍵がなされた鍵に対応する楽音の発音量の方が、前記離鍵された鍵に対応する楽音の現在の発音量よりも大きくないと判定されると、前記離鍵された鍵に対応する楽音の現在の発音量と、前記再度の押鍵がなされた鍵に対応する楽音の発音量とを加算した発音量で、前記離鍵された鍵に対応する楽音を発音する演奏データを生成して、前記発音リソースに割り当てることを特徴とする請求項1に記載の楽音発生装置。
- 前記操作子が操作されているときに、前記鍵の離鍵と、その離鍵された鍵の再度の押鍵とがなされると、前記離鍵された鍵に対応する楽音の現在の発音量を記憶する記憶手段を有し、
前記再押鍵音発音手段は、前記発音中止手段により楽音の発音が中止された後に、前記記憶手段により記憶された楽音の発音量と、前記再度の押鍵がなされた鍵に対応する楽音の発音量とを加算した発音量で、前記再度の押鍵がなされた鍵に対応する楽音を発音する演奏データを生成して、前記発音リソースに割り当てることを特徴とする請求項1又は2に記載の楽音発生装置。 - 前記操作子は、ダンパペダルであることを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の楽音発生装置。
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