JP2004020989A - 楽音信号発生装置、楽音信号発生方法、コンピュータプログラム及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体 - Google Patents
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Abstract
【課題】少ない音数で演奏を行う場合に、表現力豊かな演奏を行えるようにする。
【解決手段】押鍵により発音指示があった音に対する所定の共鳴音を、空いているDCO21bを用いて生成し、上記押鍵により発音指示があった音と併せて発音させるようにすることにより、押鍵している音に拡がりを持たせるようにして、少ない音数で演奏を行う場合であってもアコースティックピアノのような表現力豊かな演奏を電子楽器で行うことができるようにする。
【選択図】 図2
【解決手段】押鍵により発音指示があった音に対する所定の共鳴音を、空いているDCO21bを用いて生成し、上記押鍵により発音指示があった音と併せて発音させるようにすることにより、押鍵している音に拡がりを持たせるようにして、少ない音数で演奏を行う場合であってもアコースティックピアノのような表現力豊かな演奏を電子楽器で行うことができるようにする。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、楽音信号発生装置、楽音信号発生方法、コンピュータプログラム及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関し、特に、楽音波形データを用いて楽音信号を発生させるために用いて好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ピアノ音を発音する電子楽器においては、押鍵された鍵に対応する楽音波形データを用いて楽音信号を発生させるようにしていた。
【0003】
具体的に説明すると、上記電子楽器は、複数のデジタルコントロールドオシレータ(以下、DCOと称する)を有しており、押鍵された鍵に対応する音を発音させるようにするDCOを用いて楽音波形データを生成してピアノ音を発音するようにしていた。
【0004】
すなわち、従来の電子楽器では、1つの鍵が押鍵されることによりピアノ音を1音発生させることが指示されたときには、1つのDCO(ステレオ出力の場合は2つのDCO)を用いて上記指示された1音を発生させていた。
【0005】
ところで、実際のピアノでは、押鍵により弾かれた弦の振動が他の部位に伝わったり、弾かれた弦のエネルギーが共振現象により他の部位に移ったりすることなどによって、1音を発音する場合であっても、その音と異なる(周波数成分の)音も併せて発音される。このような理由から、実際のピアノでは、少ない音数の楽音で演奏している場合でも、表現力豊かな拡がりのある音を常に感じ取れることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したように従来の電子楽器では、押鍵された鍵に対応する楽音を発音する場合、1つのDCO(ステレオ出力の場合は2つのDCO)を用いて1音を発音するようにしていた。このため、少ない音数で演奏を行う場合には、拡がりのある音を発音することができず、実際のピアノの大きさを感じることが困難であった。また、ふくよかな音色の楽音を発生することが困難な問題があった。したがって、従来の電子楽器を用いて少ない音数で演奏を行う場合には、表現力豊かな演奏を行うことができないという問題点があった。
【0007】
本発明は上述の問題点にかんがみ、少ない音数で演奏を行う場合に、表現力豊かな演奏を行えるようにすることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の楽音信号発生装置は、押鍵により発音が指示された音に対応する楽音波形データと、上記発音が指示された音と異なる所定の音に対応する楽音波形データとを用いて楽音信号を発生させる楽音信号発生手段を有することを特徴としている。
【0009】
本発明の楽音信号発生方法は、押鍵により発音が指示された音に対応する楽音波形データと、上記発音が指示された音と異なる所定の音に対応する楽音波形データとを用いて楽音信号を発生させる楽音信号発生処理を行うことを特徴としている。
【0010】
本発明のコンピュータプログラムは、押鍵により発音が指示された音に対応する楽音波形データと、上記発音が指示された音と異なる所定の音に対応する楽音波形データとを用いて楽音信号を発生させる楽音信号発生処理をコンピュータに実行させることを特徴としている。
【0011】
本発明のコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、上記記載のコンピュータプログラムを記録したことを特徴としている。
【0012】
【発明の実施の形態】
次に、添付の図面を参照しながら、本発明の楽音信号発生装置、楽音信号発生方法、コンピュータプログラム及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体の実施の形態を説明する。
【0013】
図1は、本実施の形態の楽音信号発生装置を適用した電子楽器の概略構成の一例を示すブロック図である。
【0014】
図1において、電子楽器1は、中央処理装置(以下、CPUと称する)2と、リードオンリメモリ(以下、ROMと称する)3と、ランダムアクセスメモリ(以下、RAMと称する)4と、信号バス5と、キーボード部6と、操作パネル部7と、本実施の形態の楽音信号発生装置として配設される楽音発生部8と、デジタル/アナログ変換部(以下、D/A変換部と称する)9と、アナログ信号処理部10と、パワーアンプ11と、スピーカ部12とを有している。
【0015】
図1に示すように、CPU2、ROM3、RAM4、キーボード部6、操作パネル部7、及び楽音発生部8は、それぞれ信号バス5に接続され、相互に通信することが可能である。
【0016】
キーボード部6は、演奏を行うための複数の鍵とその鍵の各々に対応して設けられた鍵スイッチとを含む1つまたは複数の鍵盤を有している。上記鍵スイッチは、押鍵や離鍵を検出するとともに、各鍵の動作スピードに関するKeyタッチレスポンス信号を検出するように構成されている。
【0017】
操作パネル部7は、音色や音量等を選択及び設定するための各種操作子と、これらの選択および設定状態を表示するためのLCD(液晶表示装置)またはLED(発光ダイオード)から成る表示装置とを有している。なお、上記音色や音量等を選択および設定するための各種操作子は、例えば、音色設定スイッチや音量設定ボリュームである。
【0018】
CPU2は、本実施の形態の電子楽器全体を統括制御するためのものであり、ROM3に格納されている制御プログラムに従って、RAM4をワークメモリとして利用しながら、例えば次のような処理を行う。
【0019】
すなわち、CPU2は、キーボード部6の各鍵スイッチのスキャン処理を行って、各鍵の押鍵または離鍵に伴う鍵情報を楽音発生部8に割り当てる処理を行う。なお、上記各鍵の押鍵または離鍵に伴う鍵情報の具体例としては、Key ON/OFF信号、Key識別信号(鍵番号など)、Keyタッチレスポンス信号等が挙げられる。
【0020】
また、CPU2は、操作パネル部7に配設されている音色設定スイッチや音量設定ボリュームのスキャン処理を行って、設定された音色や音量の楽音パラメータ情報に応じて楽音発生部8から所望のデジタル楽音信号DMSを発生させる処理を行う。
【0021】
ROM3は、読み出し専用のメモリであり、上述のようなCPU2の制御プログラムの他、楽音発生部8から所望の楽音信号を発生させるために必要なパラメータデータなど、種々のデータを格納する。
【0022】
RAM4は読み書きが可能なメモリであり、CPU2のプログラム実行過程において各種の必要なデータを一時的に記憶したり、編集可能なパラメータデータを記憶したりする記憶領域を有している。このRAM4の一部あるいは全部はバッテリーバックアップされており、操作パネル部7により設定された音色に応じた必要なデータを、電子楽器1の電源がオフにされても保持しておくことができるようになされている。
【0023】
楽音発生部8は、操作パネル部7の音色設定スイッチの操作によって選択および設定された音色で、キーボード部6で押鍵された鍵に応じたデジタル楽音信号DMSを発生させる。
【0024】
この楽音発生部8は、何れかの鍵の押鍵や音色設定スイッチの設定状態に応じて与えられる上記Key ON/OFF信号、Key識別信号、及び音色情報に基づいて、デジタルコントロールドオシレータ(以下、DCOと称する)21を割り当てる(図2を参照)。そして、上記割り当てたDCO21の特性に応じた楽音波形データを生成し、種々の音色のデジタル楽音信号DMSを発生する。
【0025】
D/A変換部9は、楽音発生部8で発生されたデジタル楽音信号DMSをアナログ楽音信号に変換する機能を有する。
アナログ信号処理部10は、D/A変換部9でD/A変換されたアナログ楽音信号に対し、簡単なフィルタ処理(ノイズ除去処理)を施す機能を有する。
【0026】
パワーアンプ11は、アナログ信号処理部10でノイズ除去処理が施されたアナログ楽音信号に対し、増幅処理を施して適当なレベルに増幅する。
スピーカ部12は、パワーアンプ11で増幅されたアナログ楽音信号を可聴信号として放音するためのものであり、1個あるいは複数個で構成されている。
【0027】
図2は、図1に示した本実施の形態の楽音発生部8の構成をより具体的に示したブロック図である。
図2において、楽音発生部8は、DCOアサイン信号発生器20と、DCO21と、デジタルコントロールフィルタ(以下DCFと称する)22と、デジタルコントロールアンプ(以下DCAと称する)23と、デジタルシグナルプロセッサ(以下DSPと称する)24とを有している。
【0028】
DCOアサイン信号発生器20は、押鍵音用DCOアサイン信号PDASと、共鳴音用DCOアサイン信号RDASとを発生する機能を有する。
上記において、押鍵音用DCOアサイン信号PDASは、キーボード部6の操作により押鍵された鍵に対応するDCO21aを割り当てるための信号であり、キーボード部6の鍵操作に応じて与えられるKey ON/OFF信号、及びKey識別信号と、操作パネル部7の設定状態に応じて与えられる音色情報とに基づいて生成される。
【0029】
また、上記共鳴音用DCOアサイン信号RDASは、上記押鍵された鍵により発音される音と共鳴する音に対応するDCO21bを割り当てるための信号であり、Key ON/OFF信号、Key識別信号、音色情報、及び押鍵音用DCOアサイン信号PDASに基づいて生成される。
【0030】
本実施の形態の楽音発生部8は、例えば128個のDCO21を有しており、各DCO21a、21bは、DCOアサイン信号発生器20から出力された押鍵音用DCOアサイン信号PDAS、または共鳴音用DCOアサイン信号RDASに基づいて起動する。なお、上記DCO21の数は128個に限定されないということは言うまでもない。
【0031】
そして、上記起動した各DCO21a、21bは、キーボード部6の鍵操作に応じて与えられるKey ON/OFF信号及びKey識別信号と、操作パネル部7の設定状態に応じて与えられる音色情報とに基づいて、楽音波形データPWD、RWDを生成してDCF22に出力する。
【0032】
図2に示した例では、DCO22aは、押鍵された鍵により発音される音に対応する押鍵音用楽音波形データPWDを生成してDCF22aに出力する。一方、DCO21bは、押鍵された鍵により発音される音に対応する共鳴音用楽音波形データRWDを生成してDCF22bに出力する。
【0033】
DCF22は、押鍵音用DCF22aと、共鳴音用DCF22bとを有しており、DCO21aから出力された押鍵音用楽音波形データPWDと、DCO21bから出力された共鳴音用楽音波形データRWDに対して所定のフィルタ特性でフィルタ処理を行う。そして、上記フィルタ処理した押鍵音用楽音波形データPWD´と、共鳴音用楽音波形データDCF´をDCA23に出力する。
【0034】
具体的に説明すると、押鍵音用DFC22aは、キーボード部5の鍵操作に応じて与えられるキー情報(Key ON/OFF信号、Key識別信号、Keyタッチレスポンス信号)と、操作パネル部7の音色設定スイッチの設定状態に応じて与えられる音色情報とに基づいて、例えば所定のフィルタ特性のローパスフィルタを生成する。そして、上記生成したフィルタ特性に従って、押鍵音用楽音波形データPWDに含まれる各周波数成分をフィルタ処理し、上記フィルタ処理した押鍵音用楽音波形データPWD´をDCA23aに出力する。
【0035】
一方、共鳴音用DCF22bは、キー情報と音色情報とに基づいて、例えば所定のフィルタ特性のバンドパスフィルタを生成する。そして、上記生成したフィルタ特性に従って、共鳴音用楽音波形データRWDに含まれる各周波数成分をフィルタ処理して音の成分を限定し、上記フィルタ処理した共鳴音用楽音波形データRWD´をDCA23bに出力する。
【0036】
DCA23は、押鍵音用DCA23aと、共鳴音用DCA23bとを有しており、DCF22から出力された押鍵音用楽音波形データPWD´と、共鳴音用楽音波形データDCF´に対して所定のエンベロープを与える。そして、上記エンベロープを与えた押鍵音用楽音波形データPWD´´と、共鳴音用楽音波形データDCF´´をDSP24に出力する。
【0037】
具体的に説明すると、押鍵音用DCA23aは、キーボード部6の鍵操作に応じて与えられるキー情報(Key ON/OFF信号、Key識別信号、及びKeyタッチレスポンス信号)と、操作パネル部7の設定状態に応じて与えられる音色情報とに基づいて、上記フィルタ処理された押鍵音用楽音波形データPWD´に対して所定のエンベロープを与えるためのエンベロープ信号を生成する。そして、上記生成したエンベロープ信号と、上記フィルタ処理された押鍵音用楽音波形データPWD´とを乗算して、エンベロープが付加された押鍵音用楽音波形データPWD´´を出力する。
【0038】
一方、共鳴音用DCA23bも同様に、キー情報と音色情報とに基づいて、上記フィルタ処理された共鳴音用楽音波形データRWD´に対して所定のエンベロープを与えるためのエンベロープ信号を生成する。そして、上記生成したエンベロープ信号と、上記フィルタ処理された共鳴音用楽音波形データRWD´とを乗算して、エンベロープが付加された共鳴音用楽音波形データRWD´´を出力する。
【0039】
なお、共鳴音用楽音波形データRWD´´は、実際のピアノである鍵を押鍵することによりボディーやフレームで発生する振動音や、押鍵された弦と共振する弦により発音される共振音など、押鍵により発音する音と共鳴する音に対応する楽音波形データである。
【0040】
したがって、上記において共鳴音用DCA23bは、押鍵音用DCA23aから出力される押鍵音用楽音波形データPWD´´よりも十分レベルが低く、且つ立ち上がり(アタック)が緩やかになるようなエンベロープを共鳴音用楽音波形データRWD´に与えて共鳴音用楽音波形データRWD´´を生成する。
【0041】
以上のように、共鳴音用DCF22bや共鳴音用DCA23bを用いて共鳴音用楽音波形データRWDを制御すれば、共鳴音用楽音波形データRWD´の周波数成分やレベルなどを自由に設定することができ、より実際の楽器に近い音色を作り出すことができる。
【0042】
DSP24は、DCA23から出力された押鍵音用楽音波形データPWD´´と、共鳴音用楽音波形データRWD´´に対して、リバーブ、コーラス、ディレー等の所定の音響効果を与え、上記音響効果が与えられた押鍵音用楽音波形データPWD´´と、共鳴音用楽音波形データRWD´´をデジタル楽音信号DMSとしてD/A変換部9に出力する。
【0043】
図3は、図2に示した本実施の形態のDCOアサイン信号発生器20のより詳細な構成の一例を示すブロック図である。
図3において、DCOアサイン信号発生器20は、Key検出回路30と、押鍵音用DCOアサイン信号発生回路31と、空きDCO検出回路32と、共鳴音用DCOアサイン信号発生回路33とを有している。
【0044】
Key検出回路30は、キー情報(Key ON/OFF信号及びKey識別信号)と、操作パネル部7の設定状態に応じて与えられる音色情報とに基づいて、押鍵された鍵番号などを検出し、上記検出した鍵番号などを表すKey検出信号を生成する。そして、上記Key検出信号を押鍵音用DCOアサイン信号発生回路31と空きDCO検出回路32とに出力する。
【0045】
押鍵音用DCOアサイン信号発生回路31は、Key検出回路30から出力されたKey検出信号に基づいて、押鍵された鍵に対応するDCO21aを割り当てるための押鍵音用DCOアサイン信号PDASを生成してDCO21aと空きDCO検出回路32に出力する。
【0046】
空きDCO検出回路32は、Key検出回路30から出力されたKey検出信号と、押鍵音用DCOアサイン信号発生回路31から出力された押鍵音用DCOアサイン信号PDASとに基づいて、所定のDCO21bが空いているか否かを検出する。そして、上記所定のDCO21bが空いており使用可能な場合は、上記空いているDCO21bを表す空きDCO指示信号を生成して共鳴音用DCOアサイン信号発生回路33に出力する。
【0047】
なお、上記所定のDCO21bは、例えば、Key検出信号(または押鍵音用DCOアサイン信号PDAS)により表される鍵(押鍵された鍵)と±5度の関係にある鍵、オクターブの関係にある鍵、及び上記押鍵された鍵と±5度の関係にある鍵とオクターブの関係にある鍵のうちの少なくとも1つの鍵に対応するDCO21bである。
【0048】
具体的に説明すると、鍵C4が押鍵された場合、+5度の関係にある鍵は鍵G4であり、1オクターブの関係にある鍵は、鍵C3または鍵C5のうちの少なくとも何れか1つである。すなわち、上記所定DCO21bは1つに限定されず複数であってもよい。なお、上記においてオクターブの関係にある鍵とは、基準になる鍵(上記押鍵された鍵、または上記押鍵された鍵と±5度の関係にある鍵)と1オクターブまたは数オクターブの関係にある鍵をいう。
【0049】
また、空きDCO検出回路32は、DCO21a、21bのレベルが基準値以下である場合に、DCO21a、21bが使用可能であることを検出するようにしてもよい。この場合、空きDCO検出回路32は、DCO21a、21bのレベルを表す信号をDCO21a、21bなどから入力し、上記入力した信号に基づいてDCO21a、21bのレベルが基準値以下であることを検出するようにすればよい。
【0050】
共鳴音用DCOアサイン信号発生回路33は、空きDCO検出回路32から出力された空きDCO指示信号に従って、押鍵により発音する音と共鳴する音を発生させるDCO21bを割り当てるための共鳴音用DCOアサイン信号RDASを生成してDCO21bに出力する。
【0051】
次に、図4のフローチャートを参照しながら本実施の形態の楽音信号発生装置の動作の一例を説明する。
【0052】
まず、最初のステップS1において、DCOアサイン信号発生器20、DCO21、DCF22、及びDCA23は、所望のキー情報(Key ON/OFF信号、Key識別信号、Keyタッチレスポンス信号)と、音色情報とが入力されるまで待機し、入力されるとステップS2に進む。
【0053】
次に、ステップS2において、DCOアサイン信号発生器20のKey検出回路30は、ステップS1で入力されたKey ON/OFF信号、Key識別信号、及び音色情報に基づいて、押鍵されている鍵番号などを表すKey検出信号を生成する。そして、上記Key検出信号を押鍵音用DCOアサイン信号発生回路31と空きDCO検出回路32に出力する。
【0054】
次に、ステップS3において、押鍵音用DCOアサイン信号発生回路31は、Key検出回路30から出力されたKey検出信号に基づいて、押鍵音を発音させるDCO21aを割り当てるための押鍵音用DCOアサイン信号PDASを発生させる。そして、上記発生させた押鍵音用DCOアサイン信号PDASをDCO21aと、空きDCO検出回路32に出力する。
【0055】
次に、ステップS4において、空きDCO検出回路32は、押鍵音用DCOアサイン信号発生回路31から出力された押鍵音用DCOアサイン信号PDASと、Key検出回路30から出力されたKey検出信号とに基づいて、上記所定のDCO21bが空いているか否かを判定して検出する。
【0056】
上記検出の結果、上記所定のDCO21bが空いている場合は、空いている所定のDCO21bを表す空きDCO指示信号を生成して共鳴音用DCOアサイン信号発生回路33に出力し、ステップS5に進む。一方、上記所定のDCO21bが空いていない場合は、押鍵により発音される音数が十分多く、演奏者などがピアノの大きさを感じることができる状態にあると判定し、後述するステップS5〜ステップS8における共鳴音(押鍵により発音する音と共鳴する音)を生成する処理を省略して後述するステップS9に進む。
【0057】
ステップS4で上記所定のDCO21が空いていることが検出されると、ステップS5において、共鳴音用DCOアサイン信号発生回路33は、空きDCO検出回路32から出力された空きDCO指示信号に基づいて、押鍵により発音する音と共鳴する音を発音させるDCO21bを割り当てるための共鳴音用DCOアサイン信号RDASを生成してDCO21bに出力する。
【0058】
次に、ステップS6において、共鳴音用DCOアサイン信号PDASを入力したDCO21bは、キーボード部6の鍵操作に応じて与えられるKey ON/OFF信号、及びKey識別信号と、操作パネル部7の設定状態に応じて与えられる音色情報とに対応する共鳴音用楽音波形データRWDを発生させて共鳴音用DCF22bに出力する。
【0059】
次に、ステップS7において、共鳴音用DCF22bは、DCO21bから出力された共鳴音用楽音波形データRPWを所定のフィルタ特性でフィルタ処理し、共鳴音用DCA23bに出力する。
【0060】
次に、ステップS8において、共鳴音用DCA23bは、ステップS1で入力されたKey ON/OFF信号、Key識別信号、Keyレスポンス信号、及び音色情報に基づいて、ステップS7でフィルタ処理された共鳴音用楽音波形データRWD´に対して所定のエンベロープを与えるためのエンベロープ信号を生成する。そして、上記生成したエンベロープ信号と、上記フィルタ処理された共鳴音用楽音波形データRWD´とを乗算し、所定のエンペロープが与えられた共鳴音用楽音波形データRWD´´をDSP24に出力する。
【0061】
次に、ステップS9において、DCO21aは、ステップS3で押鍵音用DCOアサイン信号発生回路31から出力された押鍵音用DCOアサイン信号PDASを入力すると、Key ON/OFF信号、Key識別信号、及び音色情報に対応する押鍵音用楽音波形データPWDを発生させて押鍵音用DCF22aに出力する。
【0062】
次に、ステップS10において、押鍵音用DCF22aは、DCO21aから出力された押鍵音用楽音波形データPWDを所定のフィルタ特性でフィルタ処理し、押鍵音用DCA23aに出力する。
【0063】
次に、ステップS11において、押鍵音用DCA23aは、ステップS1で入力されたKey ON/OFF信号、Key識別信号、Keyレスポンス信号、及び音色情報に基づいて、ステップS10でフィルタ処理された押鍵音用楽音波形データPWD´に対して所定のエンベロープを与えるためのエンベロープ信号を生成する。そして、上記生成したエンベロープ信号と、上記フィルタ処理された押鍵音用楽音波形データPWD´とを乗算し、所定のエンペロープが与えられた押鍵音用楽音波形データPWD´´をDSP24に出力する。
【0064】
次に、ステップS12において、DSP24は、ステップS8で共鳴音用DCA23bから出力された共鳴音用楽音波形データRWD´´と、ステップS11で押鍵音用DCA23aから出力された押鍵音用楽音波形データPWD´´に対して、所定の音響効果を与えてデジタル楽音信号DMSを発生させて、D/A変換部9に出力する。
【0065】
次に、ステップS13において、CPU2は、演奏が終了したか否かを判定し、演奏が終了していない場合は、ステップS1の処理の戻り演奏が終了するまでステップS1〜ステップS13までの処理を繰り返す。
【0066】
以上のように、本実施の形態では、押鍵により発音指示があった音と共鳴する音に対応する共鳴音用楽音波形データRWDを、空いているDCO21bを用いて生成し、上記押鍵により発音指示があった音と併せて発音するようにして発音指示があった音以外の音を広い音域で発音するようにしたので、押鍵により発音指示があった音に対して拡がりを持たすことができ、少ない音数で演奏を行う場合であってもアコースティックピアノのような表現力豊かな演奏を常に行うことができる。
【0067】
また、Key検出信号及び押鍵音用DCOアサイン信号PDASにより表される鍵と±5度の関係にある鍵、オクターブの関係にある鍵、及びさらにこれらの鍵とオクターブの関係にある鍵のうちの少なくとも1つの鍵に対応するDCO21を用いて共鳴音を生成するようにしたので、押鍵により発音が指示された音と近い周波数の倍音を有する音を共鳴音(押鍵により発音する音と共鳴する音)として発音させることができる。すなわち、実際のピアノにおいて、ある鍵を押鍵することにより発音される音と共鳴しやすい音を発音させることができ、出力される楽音に対し、ふくよかできれいな響きをもたせることができる。
【0068】
ただし、上記共鳴音は上述したものに限定されず、例えば、実際のピアノの個性を決定するボディー(フレーム)と弦との関係に基づく音(ピアノのボディーやフレームを叩いたときに弦が共鳴して発音される音)に対応するDCOなどを予め設定しておき、上記設定したDCOにより発音される音を上記共鳴音として、または上述した共鳴音に加えるようにしてもよい。このようにすれば、より広い音域の共鳴音を常に発音させて実際のピアノにおける特徴づけを行うことができる。この場合、上述した図4のステップS4において、上記予め設定したDCOが空いているかどうかを判定して検出するようにすればよい。
【0069】
さらに、本実施の形態では、空いているDCO21b(またはレベルが基準値以下のDCO)を用いて、上記共鳴音に対応する楽音波形データを発生させるようにしたので、上記共鳴音を発生させるための特別なDCOを新たに設けなくても実際のピアノにおける特徴づけを行うことができる。
【0070】
なお、本実施の形態では、DCO21が楽音波形データPWD、RWDを直接生成する構成としたが、メモリに記憶された楽音波形データを利用して押鍵音用楽音波形データPWDと、共鳴音用楽音波形データRWDを発生させるようにしてもよい。
【0071】
すなわち、音色や音域に応じた種々の楽音波形データを、繰り返し波形データとして、あるいは立ち上がり部と繰り返し部とからなる波形データとして所定のエリアに予め記憶するためのメモリを設け、時分割で与えられるアドレス情報を上記メモリに出力して、そのアドレス情報に対応する楽音波形データを所望の楽音周波数で読み出すようにして押鍵音用楽音波形データPWDと、共鳴音用楽音波形データRWDを発生させるようにしてもよい。
【0072】
(本発明の他の実施形態)
上述した実施形態の機能を実現するべく各種のデバイスを動作させるように、該各種デバイスと接続された装置あるいはシステム内のコンピュータに対し、上記実施形態の機能を実現するためのソフトウェアのプログラムコードを供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(CPUあるいはMPU)に格納されたプログラムに従って上記各種デバイスを動作させることによって実施したものも、本発明の範疇に含まれる。
【0073】
また、この場合、上記ソフトウェアのプログラムコード自体が上述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコード自体、およびそのプログラムコードをコンピュータに供給するための手段、例えば、かかるプログラムコードを格納した記録媒体は本発明を構成する。かかるプログラムコードを記憶する記録媒体としては、例えばフレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。
【0074】
また、コンピュータが供給されたプログラムコードを実行することにより、上述の実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードがコンピュータにおいて稼働しているOS(オペレーティングシステム)あるいは他のアプリケーションソフト等と共同して上述の実施形態の機能が実現される場合にもかかるプログラムコードは本発明の実施形態に含まれることは言うまでもない。
【0075】
さらに、供給されたプログラムコードがコンピュータの機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに格納された後、そのプログラムコードの指示に基づいてその機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって上述した実施形態の機能が実現される場合にも本発明に含まれることは言うまでもない。
【0076】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、押鍵により発音が指示された音に対応する楽音波形データと、上記発音が指示された音と異なる所定の音に対応する楽音波形データとを用いて楽音信号を発生させるようにしたので、押鍵により発音指示があった音に対して拡がりを持たすことができ、少ない音数で演奏を行う場合であっても表現力豊かな演奏を行うことができる。
【0077】
また、本発明の他の特徴によれば、発音が指示された音に対して、±5度の関係にある音、オクターブの関係にある音、及び上記±5度の関係にある音とオクターブの関係にある音を少なくとも1つ含む予め決められた音に対する楽音信号を発生させるようにしたので、押鍵により発音が指示された音と近い周波数の倍音を有する音を発音させることができる。これにより、出力される楽音に対し、ふくよかできれいな響きをもたせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示し、楽音信号発生装置を適用した電子楽器の概略構成の一例を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態を示し、楽音発生部の構成をより具体的に示したブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態を示し、DCOアサイン信号発生器のより詳細な構成の一例を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施の形態を示し、楽音発生部の動作の一例を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
1 電子楽器
8 楽音発生部
20 DCOアサイン信号発生器
21 デジタルコントロールドオシレータ(DCO)
22 デジタルコントロールフィルタ(DCF)
23 デジタルコントロールアンプ(DCA)
24 デジタルシグナルプロセッサ(DSP)
【発明の属する技術分野】
本発明は、楽音信号発生装置、楽音信号発生方法、コンピュータプログラム及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体に関し、特に、楽音波形データを用いて楽音信号を発生させるために用いて好適なものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、ピアノ音を発音する電子楽器においては、押鍵された鍵に対応する楽音波形データを用いて楽音信号を発生させるようにしていた。
【0003】
具体的に説明すると、上記電子楽器は、複数のデジタルコントロールドオシレータ(以下、DCOと称する)を有しており、押鍵された鍵に対応する音を発音させるようにするDCOを用いて楽音波形データを生成してピアノ音を発音するようにしていた。
【0004】
すなわち、従来の電子楽器では、1つの鍵が押鍵されることによりピアノ音を1音発生させることが指示されたときには、1つのDCO(ステレオ出力の場合は2つのDCO)を用いて上記指示された1音を発生させていた。
【0005】
ところで、実際のピアノでは、押鍵により弾かれた弦の振動が他の部位に伝わったり、弾かれた弦のエネルギーが共振現象により他の部位に移ったりすることなどによって、1音を発音する場合であっても、その音と異なる(周波数成分の)音も併せて発音される。このような理由から、実際のピアノでは、少ない音数の楽音で演奏している場合でも、表現力豊かな拡がりのある音を常に感じ取れることができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上述したように従来の電子楽器では、押鍵された鍵に対応する楽音を発音する場合、1つのDCO(ステレオ出力の場合は2つのDCO)を用いて1音を発音するようにしていた。このため、少ない音数で演奏を行う場合には、拡がりのある音を発音することができず、実際のピアノの大きさを感じることが困難であった。また、ふくよかな音色の楽音を発生することが困難な問題があった。したがって、従来の電子楽器を用いて少ない音数で演奏を行う場合には、表現力豊かな演奏を行うことができないという問題点があった。
【0007】
本発明は上述の問題点にかんがみ、少ない音数で演奏を行う場合に、表現力豊かな演奏を行えるようにすることを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明の楽音信号発生装置は、押鍵により発音が指示された音に対応する楽音波形データと、上記発音が指示された音と異なる所定の音に対応する楽音波形データとを用いて楽音信号を発生させる楽音信号発生手段を有することを特徴としている。
【0009】
本発明の楽音信号発生方法は、押鍵により発音が指示された音に対応する楽音波形データと、上記発音が指示された音と異なる所定の音に対応する楽音波形データとを用いて楽音信号を発生させる楽音信号発生処理を行うことを特徴としている。
【0010】
本発明のコンピュータプログラムは、押鍵により発音が指示された音に対応する楽音波形データと、上記発音が指示された音と異なる所定の音に対応する楽音波形データとを用いて楽音信号を発生させる楽音信号発生処理をコンピュータに実行させることを特徴としている。
【0011】
本発明のコンピュータ読み取り可能な記録媒体は、上記記載のコンピュータプログラムを記録したことを特徴としている。
【0012】
【発明の実施の形態】
次に、添付の図面を参照しながら、本発明の楽音信号発生装置、楽音信号発生方法、コンピュータプログラム及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体の実施の形態を説明する。
【0013】
図1は、本実施の形態の楽音信号発生装置を適用した電子楽器の概略構成の一例を示すブロック図である。
【0014】
図1において、電子楽器1は、中央処理装置(以下、CPUと称する)2と、リードオンリメモリ(以下、ROMと称する)3と、ランダムアクセスメモリ(以下、RAMと称する)4と、信号バス5と、キーボード部6と、操作パネル部7と、本実施の形態の楽音信号発生装置として配設される楽音発生部8と、デジタル/アナログ変換部(以下、D/A変換部と称する)9と、アナログ信号処理部10と、パワーアンプ11と、スピーカ部12とを有している。
【0015】
図1に示すように、CPU2、ROM3、RAM4、キーボード部6、操作パネル部7、及び楽音発生部8は、それぞれ信号バス5に接続され、相互に通信することが可能である。
【0016】
キーボード部6は、演奏を行うための複数の鍵とその鍵の各々に対応して設けられた鍵スイッチとを含む1つまたは複数の鍵盤を有している。上記鍵スイッチは、押鍵や離鍵を検出するとともに、各鍵の動作スピードに関するKeyタッチレスポンス信号を検出するように構成されている。
【0017】
操作パネル部7は、音色や音量等を選択及び設定するための各種操作子と、これらの選択および設定状態を表示するためのLCD(液晶表示装置)またはLED(発光ダイオード)から成る表示装置とを有している。なお、上記音色や音量等を選択および設定するための各種操作子は、例えば、音色設定スイッチや音量設定ボリュームである。
【0018】
CPU2は、本実施の形態の電子楽器全体を統括制御するためのものであり、ROM3に格納されている制御プログラムに従って、RAM4をワークメモリとして利用しながら、例えば次のような処理を行う。
【0019】
すなわち、CPU2は、キーボード部6の各鍵スイッチのスキャン処理を行って、各鍵の押鍵または離鍵に伴う鍵情報を楽音発生部8に割り当てる処理を行う。なお、上記各鍵の押鍵または離鍵に伴う鍵情報の具体例としては、Key ON/OFF信号、Key識別信号(鍵番号など)、Keyタッチレスポンス信号等が挙げられる。
【0020】
また、CPU2は、操作パネル部7に配設されている音色設定スイッチや音量設定ボリュームのスキャン処理を行って、設定された音色や音量の楽音パラメータ情報に応じて楽音発生部8から所望のデジタル楽音信号DMSを発生させる処理を行う。
【0021】
ROM3は、読み出し専用のメモリであり、上述のようなCPU2の制御プログラムの他、楽音発生部8から所望の楽音信号を発生させるために必要なパラメータデータなど、種々のデータを格納する。
【0022】
RAM4は読み書きが可能なメモリであり、CPU2のプログラム実行過程において各種の必要なデータを一時的に記憶したり、編集可能なパラメータデータを記憶したりする記憶領域を有している。このRAM4の一部あるいは全部はバッテリーバックアップされており、操作パネル部7により設定された音色に応じた必要なデータを、電子楽器1の電源がオフにされても保持しておくことができるようになされている。
【0023】
楽音発生部8は、操作パネル部7の音色設定スイッチの操作によって選択および設定された音色で、キーボード部6で押鍵された鍵に応じたデジタル楽音信号DMSを発生させる。
【0024】
この楽音発生部8は、何れかの鍵の押鍵や音色設定スイッチの設定状態に応じて与えられる上記Key ON/OFF信号、Key識別信号、及び音色情報に基づいて、デジタルコントロールドオシレータ(以下、DCOと称する)21を割り当てる(図2を参照)。そして、上記割り当てたDCO21の特性に応じた楽音波形データを生成し、種々の音色のデジタル楽音信号DMSを発生する。
【0025】
D/A変換部9は、楽音発生部8で発生されたデジタル楽音信号DMSをアナログ楽音信号に変換する機能を有する。
アナログ信号処理部10は、D/A変換部9でD/A変換されたアナログ楽音信号に対し、簡単なフィルタ処理(ノイズ除去処理)を施す機能を有する。
【0026】
パワーアンプ11は、アナログ信号処理部10でノイズ除去処理が施されたアナログ楽音信号に対し、増幅処理を施して適当なレベルに増幅する。
スピーカ部12は、パワーアンプ11で増幅されたアナログ楽音信号を可聴信号として放音するためのものであり、1個あるいは複数個で構成されている。
【0027】
図2は、図1に示した本実施の形態の楽音発生部8の構成をより具体的に示したブロック図である。
図2において、楽音発生部8は、DCOアサイン信号発生器20と、DCO21と、デジタルコントロールフィルタ(以下DCFと称する)22と、デジタルコントロールアンプ(以下DCAと称する)23と、デジタルシグナルプロセッサ(以下DSPと称する)24とを有している。
【0028】
DCOアサイン信号発生器20は、押鍵音用DCOアサイン信号PDASと、共鳴音用DCOアサイン信号RDASとを発生する機能を有する。
上記において、押鍵音用DCOアサイン信号PDASは、キーボード部6の操作により押鍵された鍵に対応するDCO21aを割り当てるための信号であり、キーボード部6の鍵操作に応じて与えられるKey ON/OFF信号、及びKey識別信号と、操作パネル部7の設定状態に応じて与えられる音色情報とに基づいて生成される。
【0029】
また、上記共鳴音用DCOアサイン信号RDASは、上記押鍵された鍵により発音される音と共鳴する音に対応するDCO21bを割り当てるための信号であり、Key ON/OFF信号、Key識別信号、音色情報、及び押鍵音用DCOアサイン信号PDASに基づいて生成される。
【0030】
本実施の形態の楽音発生部8は、例えば128個のDCO21を有しており、各DCO21a、21bは、DCOアサイン信号発生器20から出力された押鍵音用DCOアサイン信号PDAS、または共鳴音用DCOアサイン信号RDASに基づいて起動する。なお、上記DCO21の数は128個に限定されないということは言うまでもない。
【0031】
そして、上記起動した各DCO21a、21bは、キーボード部6の鍵操作に応じて与えられるKey ON/OFF信号及びKey識別信号と、操作パネル部7の設定状態に応じて与えられる音色情報とに基づいて、楽音波形データPWD、RWDを生成してDCF22に出力する。
【0032】
図2に示した例では、DCO22aは、押鍵された鍵により発音される音に対応する押鍵音用楽音波形データPWDを生成してDCF22aに出力する。一方、DCO21bは、押鍵された鍵により発音される音に対応する共鳴音用楽音波形データRWDを生成してDCF22bに出力する。
【0033】
DCF22は、押鍵音用DCF22aと、共鳴音用DCF22bとを有しており、DCO21aから出力された押鍵音用楽音波形データPWDと、DCO21bから出力された共鳴音用楽音波形データRWDに対して所定のフィルタ特性でフィルタ処理を行う。そして、上記フィルタ処理した押鍵音用楽音波形データPWD´と、共鳴音用楽音波形データDCF´をDCA23に出力する。
【0034】
具体的に説明すると、押鍵音用DFC22aは、キーボード部5の鍵操作に応じて与えられるキー情報(Key ON/OFF信号、Key識別信号、Keyタッチレスポンス信号)と、操作パネル部7の音色設定スイッチの設定状態に応じて与えられる音色情報とに基づいて、例えば所定のフィルタ特性のローパスフィルタを生成する。そして、上記生成したフィルタ特性に従って、押鍵音用楽音波形データPWDに含まれる各周波数成分をフィルタ処理し、上記フィルタ処理した押鍵音用楽音波形データPWD´をDCA23aに出力する。
【0035】
一方、共鳴音用DCF22bは、キー情報と音色情報とに基づいて、例えば所定のフィルタ特性のバンドパスフィルタを生成する。そして、上記生成したフィルタ特性に従って、共鳴音用楽音波形データRWDに含まれる各周波数成分をフィルタ処理して音の成分を限定し、上記フィルタ処理した共鳴音用楽音波形データRWD´をDCA23bに出力する。
【0036】
DCA23は、押鍵音用DCA23aと、共鳴音用DCA23bとを有しており、DCF22から出力された押鍵音用楽音波形データPWD´と、共鳴音用楽音波形データDCF´に対して所定のエンベロープを与える。そして、上記エンベロープを与えた押鍵音用楽音波形データPWD´´と、共鳴音用楽音波形データDCF´´をDSP24に出力する。
【0037】
具体的に説明すると、押鍵音用DCA23aは、キーボード部6の鍵操作に応じて与えられるキー情報(Key ON/OFF信号、Key識別信号、及びKeyタッチレスポンス信号)と、操作パネル部7の設定状態に応じて与えられる音色情報とに基づいて、上記フィルタ処理された押鍵音用楽音波形データPWD´に対して所定のエンベロープを与えるためのエンベロープ信号を生成する。そして、上記生成したエンベロープ信号と、上記フィルタ処理された押鍵音用楽音波形データPWD´とを乗算して、エンベロープが付加された押鍵音用楽音波形データPWD´´を出力する。
【0038】
一方、共鳴音用DCA23bも同様に、キー情報と音色情報とに基づいて、上記フィルタ処理された共鳴音用楽音波形データRWD´に対して所定のエンベロープを与えるためのエンベロープ信号を生成する。そして、上記生成したエンベロープ信号と、上記フィルタ処理された共鳴音用楽音波形データRWD´とを乗算して、エンベロープが付加された共鳴音用楽音波形データRWD´´を出力する。
【0039】
なお、共鳴音用楽音波形データRWD´´は、実際のピアノである鍵を押鍵することによりボディーやフレームで発生する振動音や、押鍵された弦と共振する弦により発音される共振音など、押鍵により発音する音と共鳴する音に対応する楽音波形データである。
【0040】
したがって、上記において共鳴音用DCA23bは、押鍵音用DCA23aから出力される押鍵音用楽音波形データPWD´´よりも十分レベルが低く、且つ立ち上がり(アタック)が緩やかになるようなエンベロープを共鳴音用楽音波形データRWD´に与えて共鳴音用楽音波形データRWD´´を生成する。
【0041】
以上のように、共鳴音用DCF22bや共鳴音用DCA23bを用いて共鳴音用楽音波形データRWDを制御すれば、共鳴音用楽音波形データRWD´の周波数成分やレベルなどを自由に設定することができ、より実際の楽器に近い音色を作り出すことができる。
【0042】
DSP24は、DCA23から出力された押鍵音用楽音波形データPWD´´と、共鳴音用楽音波形データRWD´´に対して、リバーブ、コーラス、ディレー等の所定の音響効果を与え、上記音響効果が与えられた押鍵音用楽音波形データPWD´´と、共鳴音用楽音波形データRWD´´をデジタル楽音信号DMSとしてD/A変換部9に出力する。
【0043】
図3は、図2に示した本実施の形態のDCOアサイン信号発生器20のより詳細な構成の一例を示すブロック図である。
図3において、DCOアサイン信号発生器20は、Key検出回路30と、押鍵音用DCOアサイン信号発生回路31と、空きDCO検出回路32と、共鳴音用DCOアサイン信号発生回路33とを有している。
【0044】
Key検出回路30は、キー情報(Key ON/OFF信号及びKey識別信号)と、操作パネル部7の設定状態に応じて与えられる音色情報とに基づいて、押鍵された鍵番号などを検出し、上記検出した鍵番号などを表すKey検出信号を生成する。そして、上記Key検出信号を押鍵音用DCOアサイン信号発生回路31と空きDCO検出回路32とに出力する。
【0045】
押鍵音用DCOアサイン信号発生回路31は、Key検出回路30から出力されたKey検出信号に基づいて、押鍵された鍵に対応するDCO21aを割り当てるための押鍵音用DCOアサイン信号PDASを生成してDCO21aと空きDCO検出回路32に出力する。
【0046】
空きDCO検出回路32は、Key検出回路30から出力されたKey検出信号と、押鍵音用DCOアサイン信号発生回路31から出力された押鍵音用DCOアサイン信号PDASとに基づいて、所定のDCO21bが空いているか否かを検出する。そして、上記所定のDCO21bが空いており使用可能な場合は、上記空いているDCO21bを表す空きDCO指示信号を生成して共鳴音用DCOアサイン信号発生回路33に出力する。
【0047】
なお、上記所定のDCO21bは、例えば、Key検出信号(または押鍵音用DCOアサイン信号PDAS)により表される鍵(押鍵された鍵)と±5度の関係にある鍵、オクターブの関係にある鍵、及び上記押鍵された鍵と±5度の関係にある鍵とオクターブの関係にある鍵のうちの少なくとも1つの鍵に対応するDCO21bである。
【0048】
具体的に説明すると、鍵C4が押鍵された場合、+5度の関係にある鍵は鍵G4であり、1オクターブの関係にある鍵は、鍵C3または鍵C5のうちの少なくとも何れか1つである。すなわち、上記所定DCO21bは1つに限定されず複数であってもよい。なお、上記においてオクターブの関係にある鍵とは、基準になる鍵(上記押鍵された鍵、または上記押鍵された鍵と±5度の関係にある鍵)と1オクターブまたは数オクターブの関係にある鍵をいう。
【0049】
また、空きDCO検出回路32は、DCO21a、21bのレベルが基準値以下である場合に、DCO21a、21bが使用可能であることを検出するようにしてもよい。この場合、空きDCO検出回路32は、DCO21a、21bのレベルを表す信号をDCO21a、21bなどから入力し、上記入力した信号に基づいてDCO21a、21bのレベルが基準値以下であることを検出するようにすればよい。
【0050】
共鳴音用DCOアサイン信号発生回路33は、空きDCO検出回路32から出力された空きDCO指示信号に従って、押鍵により発音する音と共鳴する音を発生させるDCO21bを割り当てるための共鳴音用DCOアサイン信号RDASを生成してDCO21bに出力する。
【0051】
次に、図4のフローチャートを参照しながら本実施の形態の楽音信号発生装置の動作の一例を説明する。
【0052】
まず、最初のステップS1において、DCOアサイン信号発生器20、DCO21、DCF22、及びDCA23は、所望のキー情報(Key ON/OFF信号、Key識別信号、Keyタッチレスポンス信号)と、音色情報とが入力されるまで待機し、入力されるとステップS2に進む。
【0053】
次に、ステップS2において、DCOアサイン信号発生器20のKey検出回路30は、ステップS1で入力されたKey ON/OFF信号、Key識別信号、及び音色情報に基づいて、押鍵されている鍵番号などを表すKey検出信号を生成する。そして、上記Key検出信号を押鍵音用DCOアサイン信号発生回路31と空きDCO検出回路32に出力する。
【0054】
次に、ステップS3において、押鍵音用DCOアサイン信号発生回路31は、Key検出回路30から出力されたKey検出信号に基づいて、押鍵音を発音させるDCO21aを割り当てるための押鍵音用DCOアサイン信号PDASを発生させる。そして、上記発生させた押鍵音用DCOアサイン信号PDASをDCO21aと、空きDCO検出回路32に出力する。
【0055】
次に、ステップS4において、空きDCO検出回路32は、押鍵音用DCOアサイン信号発生回路31から出力された押鍵音用DCOアサイン信号PDASと、Key検出回路30から出力されたKey検出信号とに基づいて、上記所定のDCO21bが空いているか否かを判定して検出する。
【0056】
上記検出の結果、上記所定のDCO21bが空いている場合は、空いている所定のDCO21bを表す空きDCO指示信号を生成して共鳴音用DCOアサイン信号発生回路33に出力し、ステップS5に進む。一方、上記所定のDCO21bが空いていない場合は、押鍵により発音される音数が十分多く、演奏者などがピアノの大きさを感じることができる状態にあると判定し、後述するステップS5〜ステップS8における共鳴音(押鍵により発音する音と共鳴する音)を生成する処理を省略して後述するステップS9に進む。
【0057】
ステップS4で上記所定のDCO21が空いていることが検出されると、ステップS5において、共鳴音用DCOアサイン信号発生回路33は、空きDCO検出回路32から出力された空きDCO指示信号に基づいて、押鍵により発音する音と共鳴する音を発音させるDCO21bを割り当てるための共鳴音用DCOアサイン信号RDASを生成してDCO21bに出力する。
【0058】
次に、ステップS6において、共鳴音用DCOアサイン信号PDASを入力したDCO21bは、キーボード部6の鍵操作に応じて与えられるKey ON/OFF信号、及びKey識別信号と、操作パネル部7の設定状態に応じて与えられる音色情報とに対応する共鳴音用楽音波形データRWDを発生させて共鳴音用DCF22bに出力する。
【0059】
次に、ステップS7において、共鳴音用DCF22bは、DCO21bから出力された共鳴音用楽音波形データRPWを所定のフィルタ特性でフィルタ処理し、共鳴音用DCA23bに出力する。
【0060】
次に、ステップS8において、共鳴音用DCA23bは、ステップS1で入力されたKey ON/OFF信号、Key識別信号、Keyレスポンス信号、及び音色情報に基づいて、ステップS7でフィルタ処理された共鳴音用楽音波形データRWD´に対して所定のエンベロープを与えるためのエンベロープ信号を生成する。そして、上記生成したエンベロープ信号と、上記フィルタ処理された共鳴音用楽音波形データRWD´とを乗算し、所定のエンペロープが与えられた共鳴音用楽音波形データRWD´´をDSP24に出力する。
【0061】
次に、ステップS9において、DCO21aは、ステップS3で押鍵音用DCOアサイン信号発生回路31から出力された押鍵音用DCOアサイン信号PDASを入力すると、Key ON/OFF信号、Key識別信号、及び音色情報に対応する押鍵音用楽音波形データPWDを発生させて押鍵音用DCF22aに出力する。
【0062】
次に、ステップS10において、押鍵音用DCF22aは、DCO21aから出力された押鍵音用楽音波形データPWDを所定のフィルタ特性でフィルタ処理し、押鍵音用DCA23aに出力する。
【0063】
次に、ステップS11において、押鍵音用DCA23aは、ステップS1で入力されたKey ON/OFF信号、Key識別信号、Keyレスポンス信号、及び音色情報に基づいて、ステップS10でフィルタ処理された押鍵音用楽音波形データPWD´に対して所定のエンベロープを与えるためのエンベロープ信号を生成する。そして、上記生成したエンベロープ信号と、上記フィルタ処理された押鍵音用楽音波形データPWD´とを乗算し、所定のエンペロープが与えられた押鍵音用楽音波形データPWD´´をDSP24に出力する。
【0064】
次に、ステップS12において、DSP24は、ステップS8で共鳴音用DCA23bから出力された共鳴音用楽音波形データRWD´´と、ステップS11で押鍵音用DCA23aから出力された押鍵音用楽音波形データPWD´´に対して、所定の音響効果を与えてデジタル楽音信号DMSを発生させて、D/A変換部9に出力する。
【0065】
次に、ステップS13において、CPU2は、演奏が終了したか否かを判定し、演奏が終了していない場合は、ステップS1の処理の戻り演奏が終了するまでステップS1〜ステップS13までの処理を繰り返す。
【0066】
以上のように、本実施の形態では、押鍵により発音指示があった音と共鳴する音に対応する共鳴音用楽音波形データRWDを、空いているDCO21bを用いて生成し、上記押鍵により発音指示があった音と併せて発音するようにして発音指示があった音以外の音を広い音域で発音するようにしたので、押鍵により発音指示があった音に対して拡がりを持たすことができ、少ない音数で演奏を行う場合であってもアコースティックピアノのような表現力豊かな演奏を常に行うことができる。
【0067】
また、Key検出信号及び押鍵音用DCOアサイン信号PDASにより表される鍵と±5度の関係にある鍵、オクターブの関係にある鍵、及びさらにこれらの鍵とオクターブの関係にある鍵のうちの少なくとも1つの鍵に対応するDCO21を用いて共鳴音を生成するようにしたので、押鍵により発音が指示された音と近い周波数の倍音を有する音を共鳴音(押鍵により発音する音と共鳴する音)として発音させることができる。すなわち、実際のピアノにおいて、ある鍵を押鍵することにより発音される音と共鳴しやすい音を発音させることができ、出力される楽音に対し、ふくよかできれいな響きをもたせることができる。
【0068】
ただし、上記共鳴音は上述したものに限定されず、例えば、実際のピアノの個性を決定するボディー(フレーム)と弦との関係に基づく音(ピアノのボディーやフレームを叩いたときに弦が共鳴して発音される音)に対応するDCOなどを予め設定しておき、上記設定したDCOにより発音される音を上記共鳴音として、または上述した共鳴音に加えるようにしてもよい。このようにすれば、より広い音域の共鳴音を常に発音させて実際のピアノにおける特徴づけを行うことができる。この場合、上述した図4のステップS4において、上記予め設定したDCOが空いているかどうかを判定して検出するようにすればよい。
【0069】
さらに、本実施の形態では、空いているDCO21b(またはレベルが基準値以下のDCO)を用いて、上記共鳴音に対応する楽音波形データを発生させるようにしたので、上記共鳴音を発生させるための特別なDCOを新たに設けなくても実際のピアノにおける特徴づけを行うことができる。
【0070】
なお、本実施の形態では、DCO21が楽音波形データPWD、RWDを直接生成する構成としたが、メモリに記憶された楽音波形データを利用して押鍵音用楽音波形データPWDと、共鳴音用楽音波形データRWDを発生させるようにしてもよい。
【0071】
すなわち、音色や音域に応じた種々の楽音波形データを、繰り返し波形データとして、あるいは立ち上がり部と繰り返し部とからなる波形データとして所定のエリアに予め記憶するためのメモリを設け、時分割で与えられるアドレス情報を上記メモリに出力して、そのアドレス情報に対応する楽音波形データを所望の楽音周波数で読み出すようにして押鍵音用楽音波形データPWDと、共鳴音用楽音波形データRWDを発生させるようにしてもよい。
【0072】
(本発明の他の実施形態)
上述した実施形態の機能を実現するべく各種のデバイスを動作させるように、該各種デバイスと接続された装置あるいはシステム内のコンピュータに対し、上記実施形態の機能を実現するためのソフトウェアのプログラムコードを供給し、そのシステムあるいは装置のコンピュータ(CPUあるいはMPU)に格納されたプログラムに従って上記各種デバイスを動作させることによって実施したものも、本発明の範疇に含まれる。
【0073】
また、この場合、上記ソフトウェアのプログラムコード自体が上述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコード自体、およびそのプログラムコードをコンピュータに供給するための手段、例えば、かかるプログラムコードを格納した記録媒体は本発明を構成する。かかるプログラムコードを記憶する記録媒体としては、例えばフレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。
【0074】
また、コンピュータが供給されたプログラムコードを実行することにより、上述の実施形態の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムコードがコンピュータにおいて稼働しているOS(オペレーティングシステム)あるいは他のアプリケーションソフト等と共同して上述の実施形態の機能が実現される場合にもかかるプログラムコードは本発明の実施形態に含まれることは言うまでもない。
【0075】
さらに、供給されたプログラムコードがコンピュータの機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに格納された後、そのプログラムコードの指示に基づいてその機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPU等が実際の処理の一部または全部を行い、その処理によって上述した実施形態の機能が実現される場合にも本発明に含まれることは言うまでもない。
【0076】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、押鍵により発音が指示された音に対応する楽音波形データと、上記発音が指示された音と異なる所定の音に対応する楽音波形データとを用いて楽音信号を発生させるようにしたので、押鍵により発音指示があった音に対して拡がりを持たすことができ、少ない音数で演奏を行う場合であっても表現力豊かな演奏を行うことができる。
【0077】
また、本発明の他の特徴によれば、発音が指示された音に対して、±5度の関係にある音、オクターブの関係にある音、及び上記±5度の関係にある音とオクターブの関係にある音を少なくとも1つ含む予め決められた音に対する楽音信号を発生させるようにしたので、押鍵により発音が指示された音と近い周波数の倍音を有する音を発音させることができる。これにより、出力される楽音に対し、ふくよかできれいな響きをもたせることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示し、楽音信号発生装置を適用した電子楽器の概略構成の一例を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態を示し、楽音発生部の構成をより具体的に示したブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態を示し、DCOアサイン信号発生器のより詳細な構成の一例を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施の形態を示し、楽音発生部の動作の一例を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
1 電子楽器
8 楽音発生部
20 DCOアサイン信号発生器
21 デジタルコントロールドオシレータ(DCO)
22 デジタルコントロールフィルタ(DCF)
23 デジタルコントロールアンプ(DCA)
24 デジタルシグナルプロセッサ(DSP)
Claims (13)
- 押鍵により発音が指示された音に対応する楽音波形データと、上記発音が指示された音と異なる所定の音に対応する楽音波形データとを用いて楽音信号を発生させる楽音信号発生手段を有することを特徴とする楽音信号発生装置。
- 上記楽音信号発生手段は、上記楽音波形データを発生させるためのデジタルコントロールドオシレータを複数有し、
上記発音が指示された音に対応する楽音波形データを発生させるためのデジタルコントロールドオシレータと異なるデジタルコントロールドオシレータを用いて、上記発音が指示された音と異なる所定の音に対応する楽音波形データを発生させることを特徴とする請求項1に記載の楽音信号発生装置。 - 上記楽音信号発生手段は、上記発音が指示された音に対応する楽音波形データを発生させるためのデジタルコントロールドオシレータを割り当てる第1の割り当て手段と、
上記第1の割り当て手段によるデジタルコントロールドオシレータの割り当て結果を用いて、上記複数のデジタルコントロールドオシレータの中に使用可能な所定のデジタルコントロールドオシレータがあるか否かを検出する検出手段と、
上記検出手段により、使用可能な所定のデジタルコントロールドオシレータがあると検出された場合に、上記検出された使用可能な所定のデジタルコントロールドオシレータを割り当てる第2の割り当て手段とを有し、
上記第2の割り当て手段により割り当てられたデジタルコントロールドオシレータを用いて、上記発音が指示された音と異なる所定の音に対応する楽音波形データを発生させることを特徴とする請求項2に記載の楽音信号発生装置。 - 上記楽音信号発生手段は、上記発生させた楽音波形データに対して所定のフィルタ処理を行うフィルタ処理手段を有し、
上記フィルタ処理手段によりフィルタ処理された楽音波形データを用いて楽音信号を発生させることを特徴とする請求項2または3に記載の楽音信号発生装置。 - 上記楽音信号発生手段は、上記フィルタ処理手段によりフィルタ処理された楽音波形データに対し所定のエンベロープを与えるエンベロープ付与手段を有し、
上記楽音信号発生手段は、上記エンベロープ付与手段により所定のエンベロープが与えられた楽音波形データを用いて楽音信号を発生させることを特徴とする請求項4に記載の楽音信号発生装置。 - 上記発音が指示された音と異なる所定の音は、上記発音が指示された音に対して、±5度の関係にある音、オクターブの関係にある音、及び上記±5度の関係にある音とオクターブの関係にある音を少なくとも1つ含む予め決められた音であることを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の楽音信号発生装置。
- 押鍵により発音が指示された音に対応する楽音波形データと、上記発音が指示された音と異なる所定の音に対応する楽音波形データとを用いて楽音信号を発生させる楽音信号発生処理を行うことを特徴とする楽音信号発生方法。
- 上記楽音信号発生処理は、上記発音が指示された音に対応する楽音波形データを発生させるためのデジタルコントロールドオシレータと異なるデジタルコントロールドオシレータを用いて、上記発音が指示された音と異なる所定の音に対応する楽音波形データを発生させることを特徴とする請求項7に記載の楽音信号発生方法。
- 上記楽音信号発生処理は、上記発音が指示された音に対応する楽音波形データを発生させるためのデジタルコントロールドオシレータを割り当てる第1の割り当て処理と、
上記第1の割り当て処理によるデジタルコントロールドオシレータの割り当て結果を用いて、使用可能な所定のデジタルコントロールドオシレータがあるか否かを検出する検出処理と、
上記検出処理により、使用可能な所定のデジタルコントロールドオシレータがあると検出された場合に、上記検出された使用可能な所定のデジタルコントロールドオシレータを割り当てる第2の割り当て処理とを行い、
上記第2の割り当て処理により割り当てられたデジタルコントロールドオシレータを用いて、上記発音が指示された音と異なる所定の音に対応する楽音波形データを発生させることを特徴とする請求項8に記載の楽音信号発生方法。 - 上記楽音信号発生処理は、上記発生させた楽音波形データに対して所定のフィルタ処理を行うフィルタ処理を行い、
上記フィルタ処理によりフィルタ処理された楽音波形データを用いて楽音信号を発生させることを特徴とする請求項8または9に記載の楽音信号発生方法。 - 上記楽音信号発生処理は、上記フィルタ処理によりフィルタ処理された楽音波形データに対し所定のエンベロープを与えるエンベロープ付与処理を行い、
上記楽音信号発生処理は、上記エンベロープ付与処理により所定のエンベロープが与えられた楽音波形データを用いて楽音信号を発生させることを特徴とする請求項10に記載の楽音信号発生方法。 - 押鍵により発音が指示された音に対応する楽音波形データと、上記発音が指示された音と異なる所定の音に対応する楽音波形データとを用いて楽音信号を発生させる楽音信号発生処理をコンピュータに実行させることを特徴とするコンピュータプログラム。
- 上記請求項12に記載のコンピュータプログラムを記録したことを特徴とするコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
Priority Applications (1)
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JP2002176747A JP2004020989A (ja) | 2002-06-18 | 2002-06-18 | 楽音信号発生装置、楽音信号発生方法、コンピュータプログラム及びコンピュータ読み取り可能な記録媒体 |
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009053464A (ja) * | 2007-08-28 | 2009-03-12 | Casio Comput Co Ltd | 楽音生成装置および電子楽器 |
JP2011154394A (ja) * | 2011-04-05 | 2011-08-11 | Kawai Musical Instr Mfg Co Ltd | 楽音発生装置 |
JP2016075798A (ja) * | 2014-10-07 | 2016-05-12 | 株式会社コルグ | 共鳴音発生装置およびプログラム |
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2002
- 2002-06-18 JP JP2002176747A patent/JP2004020989A/ja active Pending
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