JP3231896B2 - 電子楽器 - Google Patents

電子楽器

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JP3231896B2
JP3231896B2 JP13786493A JP13786493A JP3231896B2 JP 3231896 B2 JP3231896 B2 JP 3231896B2 JP 13786493 A JP13786493 A JP 13786493A JP 13786493 A JP13786493 A JP 13786493A JP 3231896 B2 JP3231896 B2 JP 3231896B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えばシンセサイザ、
電子ピアノ、電子オルガン、音源モジュール等の電子楽
器に関し、特にノートオンされている音域に基づいて音
響効果を変化可能な電子楽器に関する。
【0002】
【従来の技術】アコースティックピアノの場合、ピアノ
弦は通常ダンパと呼ばれる弦の振動を抑える装置により
押さえられており、鍵盤を弾くとハンマが弦を叩き、同
時に上記ダンパが開放されることにより弦が振動して発
音される。ここで複数の鍵盤を弾くと、各々の弦がハン
マに叩かれて振動するだけでなく、お互いの振動で共鳴
し合い、さらにフレームとの共鳴も含めて豊かな響きを
出している。そして、同時に打鍵される鍵盤が多いほど
その共鳴効果も大きくなっている。
【0003】従来の電子楽器の場合、押鍵数が増える
と、押鍵された各々の鍵盤に対応する楽音が発生する
が、それらが単純に足し合わされるだけで、お互いに共
鳴し合うことはない。また、上記アコースティックピア
ノにおける共鳴効果に近づけるために、リバーブ等の効
果回路を使用することもあるが、設定パネル上のスイッ
チ等によって設定された一律の効果しか発生しない。す
なわちリバーブ効果のスイッチがオンされると、押鍵数
に関わらず一定のリバーブ効果しか生じないので、自然
な効果を得ることはできなかった。
【0004】これに鑑み、本願出願人は、特願平5−5
6334号において、押鍵数をカウントし、その押鍵数
に応じて共鳴回路に入力する楽音信号を増幅する効果付
与手段の制御パラメータ値を切り替えて共鳴効果を可変
としたものを提案した。この場合、従来に比べて、かな
り自然な効果を得ることができた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、アコー
スティックピアノの場合、低音域の弦は巻線で太く長
く、高音域の弦は細く短く3本であることが多い。ま
た、最高音域の弦にはダンパが取り付けられておらず、
常にダンパが離れているのと同じ状態になっている。従
って、共鳴の程度は押鍵される音域によって大きく変わ
り、単に押鍵数によって共鳴効果を変化させるだけで
は、自然な効果との違いが生じてしまっていた。
【0006】そこで本発明は、押鍵されている音域によ
る効果の違いを反映させ、よりアコースティック楽器に
近い効果を得ることを可能とすると共に、さらには単に
アコースティック楽器に近づけるだけでなく、演奏され
ている音域の違いを積極的に音響効果の変化に結び付
け、より変化に富んだ演奏を可能とする電子楽器を提供
することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めになされた請求項1記載の電子楽器は、図1に例示す
るように、ノートオンによって楽音信号を発音し、音
効果音作成手段M1を通すことによって前記楽音信号に
付与する音響効果を変化可能であり、自装置のみで、あ
るいは外部装置と連携して演奏を行う電子楽器であっ
て、上記音響効果音作成手段M1へ入力する楽音信号あ
るいは上記音響効果音作成手段M1から出力された楽音
信号に対して、音量変化に関する効果を与える効果付与
手段M2と、ノートオンされているキーナンバに対応す
る分布係数を累算して累算分布係数を算出する押鍵分布
計測手段M3と、ノートオンカウンタ値と上記累算分布
係数により乗算係数を決定するパラメータ値決定手段M
4と、該パラメータ値決定手段M4により決定された
算係数によって上記効果付与手段M2を制御する制御手
段M5と、を備えたことを特徴とする。
【0008】また請求項2記載の電子楽器は、図2に例
示するように、上記請求項1記載の電子楽器に対してさ
らに、ノートオンされている発音チャンネル数をカウン
トする発音チャンネルカウント手段M6を備え、上記パ
ラメータ値決定手段M4が、上記発音チャンネルカウン
ト手段M6によりカウントされた発音チャンネル数及び
上記押鍵分布計測手段M3により算出された累算分布係
数により乗算係数を決定することを特徴とする。
【0009】なお、上記効果付与手段M2としては、例
えば乗算器を用いて構成することが考えられる。
【0010】
【作用】上記構成を有する請求項1の電子楽器によれ
ば、押鍵分布計測手段M3がノートオンされているキー
ナンバに対応する分布係数を累算して累算分布係数を算
し、パラメータ値決定手段M4が、ノートオンカウン
タ値と上記累算分布係数により乗算係数を決定する。そ
して制御手段M5が、その決定された制御パラメータ値
によって効果付与手段M2を制御すると、効果付与手段
M2は、音響効果音作成手段M1へ入力する楽音信号あ
るいは音響効果音作成手段M1から出力された楽音信号
に対して、制御パラメータ値に応じた音量変化に関する
効果を与える。そのため、発音時の共鳴や、残響等の効
果に変化を与える。
【0011】従って、例えば上記累算分布係数乗算係
の所定の対応関係を、アコースティックピアノにおけ
る音域と共鳴度合の関係を考慮して設定しておけば、押
鍵されている音域による効果の違いを反映させ、よりア
コースティックピアノに近い効果を得ることができる。
ピアノに限らず各種アコースティック楽器に対しても同
様である。さらには、上記累算分布係数乗算係数との
所定の対応関係を、アコースティックピアノにおける音
域と共鳴度合の関係とは無関係に設定してもよい。単に
アコースティック楽器に近づけるだけでなく、演奏され
ている音域の違いを積極的に音響効果の変化に結び付け
れば、より変化に富んだ演奏も可能となる。
【0012】そしてまた、音響効果音作成手段M1にお
いて作成される音響効果音は一律の効果付与度合(効果
の掛かり具合いが一律)であっても、そこへ入力する楽
音信号あるいは出力された楽音信号に対し、乗算係数
応じて自動的に増幅して発音する音を大きくしたり小さ
くしたりことで、結果として音響効果を変化させること
ができる。そのため、音響効果音作成手段M1に関する
制御パラメータを直接変化させるものに比べて、制御が
容易になる。
【0013】また、請求項2の電子楽器によれば、発音
チャンネルカウント手段M5がノートオンされているチ
ャンネル数をカウントし、パラメータ値決定手段M3
が、そのカウントされたチャンネル数及び押鍵分布計測
手段M2により算出された累算分布係数により乗算係数
を決定する。
【0014】従って、押鍵されている音域による効果の
違いだけでなく、ノートオンされているチャンネル数の
違い(例えば押鍵数の違い)を反映させ、よりアコース
ティック楽器に近い効果を得ることができる。この場
合、累算分布係数とノートオンされているチャンネル数
との重み付けは、シュミレートしたいアコースティック
楽器に応じて変更してもよい。また、アコースティック
楽器へのシュミレートとは無関係に、所望の対応関係あ
るいは重み付けを行ってもよい。
【0015】なお、効果付与手段M2として乗算器を使
用し、制御パラメータである乗算係数を変化させるよう
にすれば、簡易な構成かつ低価格でありながら、リバー
ブやコーラス、トレモロ等の音響効果の掛かり具合いを
変化させることができる。
【0016】
【実施例】以上説明した本発明の構成・作用を一層明ら
かにするために、以下本発明の電子楽器の好適な実施例
について説明する。図3は一実施例の電子楽器の電気的
構成を示すブロック図である。
【0017】MIDIインターフェース10は、図示し
ない外部機器とCPU11との間で送受される演奏情報
の受渡制御を行うものである。ここでいう外部機器とは
本電子楽器に演奏情報を供給し、または本電子楽器から
の演奏情報に基づき楽音を発生するものであり、例えば
電子ピアノ、電子オルガン、電子キーボード等のMID
Iインターフェース機能を有する電子楽器等が用いられ
る。このMIDIインターフェース10は、システムバ
ス12を介さないで直接CPU11と接続されている。
【0018】CPU11は、ROM17のプログラムメ
モリに記憶された制御プログラムに従って本電子楽器の
各部を制御する。このCPU11には、システムバス1
2を介さずにパネル13とペダル15が接続されると共
に、システムバス12を介してROM17、RAM1
9、タッチセンサ21、表示パネル部25、楽音発生部
27、(効果付与手段M2としての)乗算器29、音響
効果回路41が接続されている。
【0019】パネル13は、電源スイッチ、モード指定
スイッチ、メロディ選択スイッチ、リズム選択スイッ
チ、音色選択スイッチ(以上は図示せず)、効果設定ス
イッチ13a、リバーブスイッチ13b等の各種スイッ
チを備えている。各スイッチのセット/リセット状態は
内部に設けられたパネルスキャン回路によって検知され
るようになっており、このパネル13内のパネルスキャ
ン回路で検知したスイッチのセット状態に関するデータ
はCPU11の制御の下にRAM19に記憶される。な
お、上記パネル13のスイッチによる現在の設定状態等
の各種情報は、表示パネル部25に表示される。
【0020】ペダル15には電子楽器の種類に応じて例
えばダンパペダル、ソフトペダル、ソステヌートペダル
(いずれも図示せず)等があり、ペダル15の踏み込み
量に応じてCPU11は、電圧を制御して音量を変化さ
せたり、減衰特性を変化させたりする。
【0021】ROM17は、上述したCPU11を動作
させるプログラムの他、音色データ、その他の種々の固
定データを格納している。音色データメモリには、楽音
振動を合成するためのデータである周波数ナンバ、波形
ナンバ、エンベロープ波形ナンバ、モードデータ等が記
憶されている。
【0022】この音色データメモリに格納されている各
データは、音色ポイントによって指定される。即ち、パ
ネル操作、鍵盤操作に応じて上記音色ポインタが変更さ
れ、その変更された音色ポインタにより指定された各デ
ータが波形メモリ31及びエンベロープ波形メモリ33
から読み出される。そして、所定の演算が施される等し
て楽音発生部27に供給される。
【0023】なお、アタックスピード、アタックレベ
ル、ディケイスピード、ディケイレベル等を決定するた
めのテーブル、及びパラメータ値選択テーブルはこのR
OM17に設けられている。一方、RAM19にはCP
U11の作業用領域、本電子楽器を制御するための各種
レジスタ、カウンタ、フラグ等が定義されている他、R
OM17に記憶されている必要なデータが転送されて格
納されるデータエリア、パネル13の各スイッチの状態
に対応する放音に必要なデータがセットされる複数のレ
ジスタや楽音発生部を未使用チャンネルに割り付けるた
めのデータを記憶するアサインメモリ、演奏情報を記憶
する記憶領域等を有している。
【0024】なお、RAM19に記憶されたパネル13
のスイッチの設定状態に関するデータは、発音の際、そ
の他必要に応じてCPU11等により参照される。ま
た、上述したキーボード部23のオン/オフ状態を記憶
する押鍵マップ、ノートオンカウンタも、このRAM1
9に設けられる。
【0025】キーボード部23は発生すべき楽音を指定
するために使用されるもので、複数のキーと、これらキ
ーの押鍵・離鍵動作に連動して開閉するキースイッチと
で構成される。タッチセンサ21は、そのキースイッチ
のオン/オフ状態を検出してCPU11に送出する。
【0026】楽音発生部27は、波形メモリ31に記憶
されている楽音波形データを読み出して再生することに
より、各種楽器に対応した楽音信号を生成出力するもの
である。キーボード部23からの入力に応じてCPU1
1から出力された制御データに基づき、楽音発生部27
は、指定された音色や音量に対応する楽音波形データ及
びエンベロープデータを、波形メモリ31及びエンベロ
ープ波形メモリ33から読み出し、その楽音波形データ
にエンベロープデータを付加した楽音信号として出力す
る。
【0027】出力された楽音信号は2系統に分かれ、一
方は乗算器29及び音響効果回路41を介して第1のD
/A変換器47aに供給され、他方は乗算器29及び音
響効果回路41を介さずにスルーで第2のD/A変換器
47bに供給される。乗算器29は、CPU11からの
パラメータ制御信号(この場合のパラメータは乗算器2
9の乗算係数)によって、楽音発生部27から送られて
きた楽音信号に対して所定の音量変化を加えて音響効果
回路41に供給するものである。一方、音響効果回路4
1は、乗算器29から入力された楽音信号に、パネル1
3で設定されたリバーブやコーラス、トレモロ等の音響
効果を付与するものである。
【0028】また、楽音発生部27から乗算器29及び
音響効果回路41を介して出力されたデジタル楽音信号
と、スルーで出力されたデジタル楽音信号はそれぞれ第
1及び第2のD/A変換器47a,47bでアナログ楽
音信号に変換されて、それぞれ第1及び第2のサウンド
システム49a,49bに供給される。各サウンドシス
テム49a,47bは増幅器やスピーカを備えており、
CPU11から与えられる音量データに従ってD/A変
換器47a,47bから供給されるアナログ楽音信号を
所定の利得で増幅し、音響信号に変換して放音する周知
のものである。
【0029】なお、音響効果回路41から出力された楽
音信号と、楽音発生部27からスルーで出力された楽音
信号とを加算する加算器を設け、D/A変換器及びサウ
ンドシステムをそれぞれ1つづつにしてもよい。次に、
本実施例の作動を説明する。図4は本実施例の全般処理
を示すフローチャートである。
【0030】電源がオンされると、ステップ100(以
下ステップをSで示す)にてCPU11、RAM19、
音源LSI等の初期化が行われる。続くS200ではパ
ネルイベント処理、S300ではペダルイベント処理、
S400では鍵盤イベント処理がそれぞれ行われ、S4
00の鍵盤イベント処理の後はS200に戻って以下の
処理を繰り返す。以下各イベント処理S200,S30
0,S400について詳細に説明する。
【0031】まずパネルイベント処理(S200)は、
パネル13関係の処理であり、パネル13上の各スイッ
チの設定状況(セット/リセット)により、例えば該当
するLEDを点灯させたり、セットされている音色に切
り替えたり、自動音響効果設定モード(効果設定スイッ
チ13aが押下されている場合)あるいはリバーブモー
ド(リバーブスイッチ13bが押下されている場合)に
切り替えたりする等の処理である。
【0032】続くペダルイベント処理(S300)を図
5を参照して説明する。このペダルイベント処理は、ダ
ンパペダル処理(S310〜S350)とその他のペダ
ル処理(S360)とがある。最初にダンパペダル処理
が行われた後、その他のペダル処理が行われる。
【0033】まずS310でダンパペダルのオンイベン
トがあったかどうかが判断される。新たにダンパペダル
が踏まれた場合、すなわちオンイベントがあった場合は
(S310:YES)、RAM19上の記憶部にダンパ
ペダルがオンになったことを示すフラグをセットして
(S320)本ダンパペダル処理を終了し、次のその他
のペダル処理(S360)に移行する。
【0034】一方、S310でダンパペダルのオンイベ
ントが無かった場合は、ダンパペダルのオフイベントが
あったかどうかが判断される(S330)。そしてオフ
イベントがあった場合は(S330:YES)、既にセ
ットされているダンパペダルオンのフラグをリセットし
(S340)、ダンパペダルオフ処理を行う(S35
0)。つまり、鍵盤が押され、ダンパペダルが踏まれて
いる間延びていた音の消音処理を行う。S350の処理
の後は、その他のペダル処理(S360)に移行する。
【0035】また、S330でダンパペダルのオフイベ
ントが無かった場合は、何もせず、その他のペダル処理
(S360)に移行する。S360におけるその他のペ
ダル処理とは、例えばソフトペダル処理やソステヌート
ペダル処理等であり、イベントのオン/オフに応じてフ
ラグをセット/リセットしたり、ペダル踏む込み度合に
応じて可変抵抗器を摺動する等して電圧を制御する動作
である。
【0036】次に、図6のフローチャートを参照して、
鍵盤イベント処理(S400)を説明する。本鍵盤イベ
ント処理では、まず鍵盤のオンイベントがあったかどう
かが判断され(S410)、オンイベントがあった場合
には押鍵効果処理(S420)が実行される。
【0037】ここで押鍵効果処理を図7のフローチャー
トを参照して説明しておく。まずノートオンカウンタを
インクリメントし(S421)、押鍵分布計測処理を行
う(S422)。この押鍵分布計測処理については後述
する。続くS423では、カウンタ値と押鍵分布計測処
理で算出した累算分布係数AL(後述する)を読み込
み、パラメータ値選択テーブルを参照して対応する制御
パラメータ値(乗算係数)を決定し、S424でその乗
算係数により乗算器29を制御して本処理を終了する。
【0038】S424における制御により、乗算器29
においては、楽音発生部27から出力され音響効果回路
41に入力される前のデジタル楽音信号に対して、決定
された乗算係数に基づく音量変化を与える。音量変化の
与えられた楽音信号は音響効果回路41に送られ、音響
効果回路41において所定の音響効果(リバーブ、コー
ラス等)が付与されて音響効果音が作成され、第1のD
/A変換器47aに出力される。
【0039】図6に戻り、S420の押鍵効果処理に続
いて、楽音諸パラメータを音源LSIにロードする(S
430)。楽音諸パラメータとは、例えば立ち上がりの
速度及び大きさ示すアタックスピード及びアタックレベ
ルや、立ち下がりの速度及び大きさを示すディケイスピ
ード及びディケイレベル、読み出し(発音する)周波数
の値、波形メモリ読み出しのスタートアドレス等であ
り、これらを音源LSIにロードする。
【0040】その後、発音処理を行って(S440)、
本鍵盤イベント処理を終了する。すなわち、CPU11
から音源LSIに発音命令を与え、これにより発音され
ると一つの鍵盤イベントに対する処理となり、この処理
をイベントのある度に繰り返す。
【0041】一方、S410でオンイベントがなかった
場合には、オフイベントがあったかどうかが判断され
(S450)、オフイベントがあった場合は(S45
0:YES)、ダンパオンであるかどうかが判断される
(S460)。S450でオフイベントがなかった場合
(S450:NO)、すなわちオンベントもオフイベン
トもなかった場合には、何もせず本鍵盤イベント処理を
終了する。またS460でダンパオンであった場合(S
460:YES)も、何もせず本鍵盤イベント処理を終
了する。
【0042】一方、S460で否定判断、すなわちダン
パオフであった場合には、ROM17よりリリーススピ
ードを読み出して音源LSIにロードし(S470)、
続く離鍵効果処理(S480)を行ってから終了する。
この離鍵効果処理(S480)を図8を参照して説明す
る。
【0043】まずノートオンカウンタをデクリメントし
(S481)、後述の押鍵分布計測処理(図9)を行う
(S482)。そして、カウンタ値と累算分布係数AL
を読み込み、パラメータ値選択テーブルを参照して対応
する乗算係数を決定し(S483)、その乗算係数によ
り乗算回路29を制御して(S484)本処理を終了す
る。
【0044】次に、押鍵効果処理(図7)のS422及
び離鍵効果処理(図8)のS482において行われる押
鍵分布計測処理を、図9のフローチャートを参照して説
明する。本押鍵分布計測処理ではまず、イベントのあっ
たキーナンバに基づき、分布係数テーブルより分布係数
ELをロードする(S500)。ここで、分布係数テー
ブルについて図10を参照して説明する。本実施例で
は、キーナンバが小さいとき、即ち低音域では分布係数
ELが大きく、キーナンバが大きくなるにつれて、即ち
高音域に近づくほど分布係数ELが小さくなるように設
定されている。但し、最高音域は分布係数ELが少し大
きくなるようにしている。これは、アコースティックピ
アノの場合、最高音域の弦にはダンパが取り付けられて
おらず、常にダンパが離れているのと同じ状態になって
いるので、その状態をシュミレートするためである。
【0045】この分布係数テーブルを様々に設定するこ
とで、押鍵領域による重み付けを任意に変更することが
できる。図10に示した例では、低音域から最高音域の
手前までは、アコースティックピアノにおける弦の長さ
(低音域から高音域に行くに従って短くなる)を考慮
し、最高音域ではダンパが取り付けられていない弦によ
る共鳴程度を考慮して、アコースティックピアノにおけ
る各鍵盤位置が共鳴効果にどれだけ影響を及ぼすかをで
きるだけシュミレートしたものである。
【0046】図9に戻り、S500で分布係数ELをロ
ードした後、押鍵の場合は(S510:YES)、累算
分布係数ALにそのロードした分布係数ELを加算して
(S520)、本処理を終了する。一方、押鍵でなく
(S510:NO)離鍵の場合は(S530:YE
S)、累算分布係数ALからロードした分布係数ELを
減算する(S540)。その減算の結果の累算分布係数
ALが零より小さければ(S550:YES)、AL=
0として(S560)本処理を終了し、累算分布係数A
Lが零以上であれば(S550:NO)、そのまま終了
する。なお、S530で否定判断(即ち押鍵でも離鍵で
もない)場合も、そのまま終了する。
【0047】このように、本実施例の累算分布係数AL
は、アコースティックピアノの場合をシュミレートし、
現在押鍵されている音域を発音させた場合の共鳴効果に
及ぼす度合を反映したものである。そして、図7のS4
23及び図8のS483において、カウンタ値と累算分
布係数ALとを基にパラメータ値選択テーブルを参照し
て制御パラメータ値、すなわち乗算器29における乗算
係数を決定しているが、この決定方法について説明す
る。
【0048】カウンタ値と累算分布係数ALとを所定の
重み付けして演算した値を基に、制御パラメータ値(乗
算係数)を決定する。この場合は、上記カウンタ値と累
算分布係数ALとを所定の重み付けして演算した値と制
御パラメータ値(乗算係数)との関係がパラメータ値選
択テーブルに記憶されており、これを参照する。また、
カウンタ値は、そのままの値は使用せず、例えば押鍵数
(あるいは押鍵に応じた発音チャンネル数)1〜3は
「1」、4〜7は「2」、8以上は「3」という具合い
に3段階程度の分類にすることも考えられる。
【0049】さらに、累算分布係数ALを基準とし、区
分された累算分布係数ALに対応するカウンタ値を次に
参照することにより、制御パラメータ値を決定してもよ
い。この場合のパラメータ値選択テーブルは、例えばあ
る累算分布係数ALに対して、カウンタ値が1の場合、
2〜4の場合、5〜7の場合、8以上の場合といった具
合いに、累算分布係数ALを基準とした上でカウンタ値
に応じて個別に設定しておくことも考えられる。
【0050】なお、図9に示す押鍵分布計測処理の実行
が本発明の押鍵分布計測手段M3としての処理に対応
し、図7のS423、図8のS483の処理の実行がパ
ラメータ値決定手段M4としての処理に対応する。ま
た、図7のS424、図8のS484の処理の実行が制
御手段M5としての処理に対応する。
【0051】上記実施例では、押鍵効果処理(図7)の
S423及び離鍵効果処理(図8)のS483におい
て、カウンタ値と累算分布係数ALを読み込み、パラメ
ータ値選択テーブルを参照して制御パラメータ値を決定
しているが、累算分布係数ALにのみ基づいて制御パラ
メータ値を決定してもよい。その際は、押鍵効果処理
(図7)のS421のインクリメント処理及び離鍵効果
処理(図8)のS481のデクリメント処理は省略して
もよい。
【0052】また、上記実施例ではパラメータ値選択テ
ーブルを参照して制御パラメータ値を決定しているが、
所定のプログラム処理を実行することで制御パラメータ
値を決定するようにしてもよい。また、パネル13には
効果設定スイッチ13aとリバーブスイッチ13bとが
設けられていることを上述したが、これらは、一方を押
下してセットすると他方が自動的にリセットされるよう
になっている。図6におけるS420の押鍵効果処理及
びS480の離鍵効果処理は、この効果設定スイッチ1
3aがセットされて自動音響効果設定モードにされてい
る状態で実行されるものである。一方リバーブスイッチ
13bがセットされている場合は、S420の押鍵効果
処理及びS480の離鍵効果処理は実行されず、所定の
制御パラメータ値により音響効果回路41において一律
の音響効果音が作成されることとなる。
【0053】このように、本電子楽器によれば、ノート
オンされているキーナンバに基づいて押鍵分布状態を計
測し、累算分布係数ALに基づいて制御パラメータ値を
決定する。この制御パラメータ値、すなわちこの場合は
乗算係数であり、この乗算係数に基づき、乗算器29が
楽音信号に音量変化を与える。そして音響効果回路41
が、リバーブ等の音響効果を与える。従って、上記実施
例の場合は、累算分布係数ALがアコースティックピア
ノにおける音域と音響効果度合の関係を考慮して設定さ
れているので、押鍵されている音域による効果の違いを
反映させ、よりアコースティックピアノに近い効果を得
ることができる。
【0054】なお、ピアノに限らず各種アコースティッ
ク楽器に対しても同様に設定すればより近いフィーリン
グで発音させることができる。さらには、上記累算分布
係数ALと制御パラメータ値との対応関係を、アコース
ティックピアノにおける音域と音響効果度合の関係とは
無関係に設定してもよい。単にアコースティック楽器に
近づけるだけでなく、演奏されている音域の違いを積極
的に種々の音響効果の変化に結び付ければ、より変化に
富んだ演奏も可能となる。例えば、最高音域及び最低音
域を弾いたときだけ、非常に深いリバーブがかかると
か、所定の音域にコーラス、トレモロを対応させると
か、種々の設定が可能である。この場合、通常のアコー
スティック楽器にはない変化に富んだ音響効果が生じ、
演奏の幅が広がる。
【0055】以上本発明の一実施例を説明したが、本発
明はこれに限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲
内の種々なる態様を採用することができる。例えば、上
記実施例では、乗算器29が楽音発生部27と音響効果
回路41との間に設けられており、音響効果回路41へ
入力する前の楽音信号に対して音量変化を与えていた
が、音響効果回路41と第1のD/A変換器47aの間
に設けて、音響効果回路41から出力された後の楽音信
号に対して音量変化を与えるようにしてもよい。
【0056】また、図10に示す分布係数テーブルがア
コースティックピアノをシュミレートするように、弦の
長さ等を考慮して設定されていたが、単に直線的な変化
でもよいし、ステップ状の変化となる設定でもよい。そ
してまた、制御パラメータは、1種類の音響効果に関す
るものには限らず、複数の制御パラメータを同時に設定
するようにしてもよい。
【0057】なお、上記実施例では効果付与手段M2と
して乗算器29を用いており、制御パラメータは乗算係
数であったが、例えば効果付与手段M2としてスイッチ
を用いてもよい。その場合の制御パラメータは「ON/
OFF」となる。さらに、上記実施例では、押鍵数をカ
ウントして制御パラメータ値の決定に用いているが、こ
れは、押鍵数ではなく発音チャンネル数でもよい。機種
によっては1つの鍵で複数のチャンネルを使用する場合
もあり、また、音色の設定(例えばピアノ、オルガン、
ハープシコード等)によっても、使用する発音チャンネ
ル数が変わる場合もある。従って、発音チャンネル数を
カウントして制御パラメータ値の決定に用いてもよい。
【0058】
【発明の効果】以上詳述したように請求項1記載の電子
楽器によれば、ノートオンされているキーナンバに対応
する分布係数を累算して累算分布係数を算出し、ノート
オンカウンタ値と累算分布係数により乗算係数を決定
し、音響効果音作成手段へ入力する楽音信号あるいは出
力された楽音信号に対して乗算係数に応じた音量変化を
与え、音響効果音作成手段が所定の音響効果を与える。
【0059】従って、例えば上記累算分布係数と制御パ
ラメータ値との所定の対応関係を、アコースティックピ
アノにおける音域と音響効果度合の関係を考慮して設定
しておけば、押鍵されている音域による効果の違いを反
映させ、よりアコースティックピアノに近い効果を得る
ことができる。さらには、単にアコースティック楽器に
近づけるだけでなく、演奏されている音域の違いを積極
的に種々の音響効果の変化に結び付ければ、より変化に
富んだ演奏も可能となる。
【0060】また、請求項2の電子楽器によれば、ノー
トオンされている発音チャンネル数をカウントし、その
カウントされた発音チャンネル数及び累算分布係数によ
り乗算係数を決定している。従って、押鍵されている音
域による効果の違いだけでなく、ノートオンされている
発音チャンネル数の違いをも反映させ、よりアコーステ
ィック楽器に近い効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の請求項1記載の電子楽器の基本的構
成を例示するブロック図である。
【図2】 本発明の請求項2記載の電子楽器の基本的構
成を例示するブロック図である。
【図3】 本発明の一実施例の電子楽器の電気的構成を
示すブロック図である。
【図4】 本実施例の全般処理を示すフローチャートで
ある。
【図5】 本実施例のペダルイベント処理を示すフロー
チャートである。
【図6】 本実施例の鍵盤イベント処理を示すフローチ
ャートである。
【図7】 本実施例の押鍵効果処理を示すフローチャー
トである。
【図8】 本実施例の離鍵効果処理を示すフローチャー
トである。
【図9】 押鍵分布計測処理を示すフローチャートであ
る。
【図10】 本実施例の分布係数テーブルを示す説明図
である。
【符号の説明】
M1…音響効果音作成手段、M2…効果付与手段、M3
…押鍵分布計測手段、M4…パラメータ値決定手段、
M5…制御手段、M5…発音チャンネルカウント手
段、 AL…累算分布係数、EL…分布係数、 10
…MIDIインターフェース、 13…パネル、13
a…効果設定スイッチ、 13b…リバーブスイッチ、
15…ペダル、21…タッチセンサ、 23…キーボ
ード部、 27…楽音発生部、29…乗算器、
31…波形メモリ、 33…エンベロープ波形
メモリ、41…音響効果回路、 47a,47b…D
/A変換器、49a,49b…サウンドシステム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−204598(JP,A) 特開 昭60−91393(JP,A) 特開 平4−121790(JP,A) 実開 平2−131790(JP,U) 特許2858120(JP,B2)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ノートオンによって楽音信号を発音し、
    響効果音作成手段を通すことによって前記楽音信号に
    付与する音響効果を変化可能であり、自装置のみで、あ
    るいは外部装置と連携して演奏を行う電子楽器であっ
    て、 上記音響効果音作成手段へ入力する楽音信号あるいは上
    記音響効果音作成手段から出力された楽音信号に対し
    て、音量変化に関する効果を与える効果付与手段と、 ノートオンされているキーナンバに対応する分布係数を
    累算して累算分布係数を算出する押鍵分布計測手段と、ノートオンカウンタ値と上記累算分布係数により乗算係
    を決定するパラメータ値決定手段と、 該パラメータ値決定手段により決定された乗算係数によ
    って上記効果付与手段を制御する制御手段と、 を備えたことを特徴とする電子楽器。
  2. 【請求項2】 ノートオンされている発音チャンネル数
    をカウントする発音チャンネルカウント手段を備え、 上記パラメータ値決定手段が、上記発音チャンネルカウ
    ント手段によりカウントされた発音チャンネル数及び上
    記押鍵分布計測手段により算出された累算分布係数によ
    り乗算係数を決定することを特徴とする上記請求項1記
    載の電子楽器。
  3. 【請求項3】 上記効果付与手段を、乗算器を用いて構
    成したことを特徴とする上記請求項1または2記載の電
    子楽器。
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