JPH11190994A - 電子楽器 - Google Patents

電子楽器

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JPH11190994A
JPH11190994A JP9367114A JP36711497A JPH11190994A JP H11190994 A JPH11190994 A JP H11190994A JP 9367114 A JP9367114 A JP 9367114A JP 36711497 A JP36711497 A JP 36711497A JP H11190994 A JPH11190994 A JP H11190994A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 発生楽音の単調さを抑制し、より深みがあり
飽きの来ない楽音を発生できるようにする。 【解決手段】 基本波に対して倍音関係にある高調波を
合成していくことによって任意の波形を生成する方式に
おいて、検出されたベロシティ値によって各倍音のレベ
ル値を個々に変調させる手段を設ける。例えば、特定の
倍音に対する加算度合情報を格納した depthテーブル2
2の値と、ベロシティ検出部21により検出されたベロ
シティ値との乗算結果を格納した一時記憶領域HLRの
データによって、一時記憶領域HLAに格納された各倍
音毎のレベル値を変調させるようにすることにより、ベ
ロシティ値により全ての倍音を一括して変調する音量制
御のような単調な発生楽音に比べて、より深みがあり、
飽きの来ない楽音を発生することができるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は電子楽器に関し、特
に、基本のサイン波(基本波)に対して倍音関係にある
サイン波(高調波)を合成していくことによって任意の
波形を生成するサイン合成方式の音源部を有する電子楽
器に用いて好適なものである。
【0002】
【従来の技術】従来、電子ピアノ、電子キーボード、シ
ンセサイザ等の電子楽器の音源部としては、PCM音源
が多く用いられてきた。PCM音源は、現実の楽器音を
サンプリングして収録し、PCM化してメモリに記憶し
ておき、演奏時に読み出す方式の音源であり、サンプリ
ング音源の代表例である。例えばPCMシンセサイザ
は、現実音をサンプリングした波形、あるいは演算によ
って作られた波形をPCMデータとして内蔵し、それを
音源波形として使用するものである。
【0003】例えば、演奏者が鍵盤部の鍵を操作する
と、その操作状態を表すキー情報や、操作パネル部の各
操作子により設定されている音色などの楽音パラメータ
情報に基づいて、波形メモリの中から対応する楽音波形
データが読み出される。そして、この読み出された楽音
波形データが加工されて所望とする音色の楽音が生成さ
れるようになっている。
【0004】このようなPCM音源を持つ電子楽器で
は、種々の音色の楽音を生成するために、例えばデジタ
ルフィルタを用いた楽音波形データの加工が行われてい
る。この種の電子楽器においては、デジタルフィルタに
種々のフィルタ制御情報が与えられることによりフィル
タ特性が決定され、種々の音色の楽音信号が生成される
ようになっている。
【0005】このデジタルフィルタに与えるフィルタ制
御情報の1つに、ベロシティ(鍵の動作スピード、すな
わち押鍵の強さを表す情報)がある。すなわち、このベ
ロシティは、フィルタのカットオフ周波数を決定するた
めの情報の1つであり、ベロシティを変化させることに
よってカットオフ周波数を上下させることができるよう
になっている。
【0006】また、近年では、上述のようなPCM音源
の他に、基本のサイン波(基本波)に対して倍音関係に
あるサイン波(高調波)を合成していくことによって任
意の波形を生成するサイン合成方式(倍音加算方式)の
音源部も提案されている。この方式では倍音で音を合成
していくため、サンプリングのように音程による音色変
化もなく、音を重ねても濁らないという特性を持ってい
る。また、現実音の波形の変形ではなく、任意の波形を
最初から作ることができるので、PCM音源に比べて変
化に富んだ音作りが可能である。
【0007】このようなサイン合成方式の電子楽器にお
いても、上述のベロシティは利用される。ここでは特
に、発生する楽音の大きさを押鍵の強さに応じて可変す
るいわゆる音量の制御にベロシティが利用されている。
なお、このようなベロシティによる音量制御は、上述の
PCM音源を持つ電子楽器においても同様に行われてい
るものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来の電
子楽器では、ベロシティの作用は、音量とかフィルタの
カットオフなどのように、発生する楽音の違いが演奏者
に認識しやすい部分に反映させていた。しかしながら、
このような誰でも簡単に認識できる変調では、単純で飽
きがきてしまうという問題があった。長時間演奏しても
疲れないようにするためには、派手な音色変化よりも、
演奏者が認識できるかできないか程度の細かい変化を実
現することが望ましい。
【0009】本発明は、このような問題を解決するため
に成されたものであり、発生楽音の単調さを抑制し、飽
きの来ない楽音を発生できるようにすることを目的とし
ている。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の電子楽器は、基
本波に対して倍音関係にある高調波を合成していくこと
によって生成される波形に基づいて楽音発生を行う電子
楽器であって、上記基本波および各高調波のレベル値
を、検出されたベロシティ値によって個々に変調させる
手段を設けたことを特徴とする。ここで、上記基本波お
よび各高調波のレベル値のうち、特定の倍音のレベル値
を上記検出されたベロシティ値によって変調させるよう
にしても良い。
【0011】本発明の他の態様では、基本波に対して倍
音関係にある高調波を合成していくことによって生成さ
れる波形に基づいて楽音発生を行う電子楽器であって、
鍵盤操作に基づいてベロシティを検出する検出手段と、
上記基本波および各高調波のレベル値をそれぞれ各倍音
用の記憶領域に一時記憶する第1の一時記憶手段と、上
記検出手段により検出されたベロシティ値に基づいて決
められた、上記レベル値に対して加算する相対値をそれ
ぞれ各倍音用の記憶領域に一時記憶する第2の一時記憶
手段と、上記第1の一時記憶手段に記憶された各倍音の
レベル値と上記第2の一時記憶手段に記憶された各倍音
の加算値とを各倍音毎に加算し、その加算結果を音源部
に設定するようにする合成手段とを備えたことを特徴と
する。ここで、上記第2の一時記憶手段に記憶される相
対値は、上記基本波および各高調波のレベル値のうち特
定の倍音のレベル値に対する相対値であっても良い。
【0012】上記特定の倍音の例としては、1倍音の
み、所定の倍音よりも低い倍音、1倍音およびこれとオ
クターブ関係にある倍音、1倍音に対して5度上の関係
にある各倍音、偶数倍音、奇数倍音を挙げることができ
る。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図面
を用いて詳しく説明する。図1は、本実施形態による電
子楽器の概略的な構成を示すブロック図である。図1に
おいて、CPU1、ROM2、RAM3、鍵盤部4、操
作パネル部5および楽音発生部6は、それぞれアドレス
バス、データバス、コントロール信号ライン等の信号バ
ス7に接続されて、相互にデータの送受信が行われるよ
うに構成されている。
【0014】ここで、鍵盤部4は、演奏を行うための複
数の鍵とその鍵の各々に対応して設けられた鍵スイッチ
とを含む1つまたは複数の鍵盤から成っている。上記鍵
スイッチは、押鍵や離鍵を検出するとともに、各鍵の動
作スピードに関するベロシティを検出するように構成さ
れている。
【0015】また、操作パネル部5は、音色や音量等を
選択および設定したり、各倍音のレベル値を個々に調整
したりするための各種操作子(例えば、スイッチやボリ
ューム、ダイヤル、スライダーなど)と、これらの選択
および設定状態を表示するためのLCD(液晶表示装
置)またはLED(発光ダイオード)から成る表示装置
とを有している。
【0016】CPU1は、本実施形態の電子楽器全体の
制御を行うための中央処理装置であり、ROM2に格納
されている制御プログラムに従って、RAM3をワーク
メモリとして利用しながら例えば次のような処理を行
う。すなわち、CPU1は、鍵盤部4の各鍵スイッチの
スキャン処理を行い、各鍵の押鍵・離鍵に伴う鍵情報
(キーON/OFF情報、キー識別情報(鍵番号)、ベ
ロシティ等)を楽音発生部6に割り当てる処理を行う。
また、操作パネル部5の音色設定スイッチや音量設定ボ
リューム等のスキャン処理を行って、設定された音色や
音量の楽音パラメータ情報に応じて楽音発生部6から所
望の楽音信号を発生させる処理を行う。
【0017】上記ROM2は読み出し専用のメモリであ
り、上述のようなCPU1の制御プログラムの他、上記
楽音発生部6から所望の楽音信号を発生させるために必
要なパラメータデータなど、種々のデータが格納されて
いる。本実施形態では特に、音色パラメータとして、検
出したベロシティ値に応じて特定の倍音のレベル値に対
して加算する相対値の加算度合を記憶したテーブル情報
が格納されている。
【0018】図4は、上記ROM2に格納されるテーブ
ル情報の例を示す図である。図4に示すように、本実施
形態のテーブルには、例えば1st、low、oct、
5th、even、odd、……等の種々のハーモニク
スナンバー(変調タイプ)に対して、それぞれのタイプ
で指定される倍音の深さを表すデプス情報depth が記憶
されている。それぞれのデプス情報depth は、ベロシテ
ィ値に応じて各倍音の個々のレベル値に対して加算され
る相対値の加算度合を示しており、何れも−50〜+5
0の何れかの値をとる。
【0019】ここで、1stは、検出したベロシティ値
を基音(1倍音)にのみ反映させるためのナンバーであ
る。すなわち、この1stに対して記憶されているデプ
ス情報depth の値とベロシティ値とを乗算した結果が、
1倍音のレベル値に対してのみ加算される。また、lo
wは、検出したベロシティ値を低高調波にのみ反映させ
るためのナンバーであり、このデプス情報depth の値と
ベロシティ値とを乗算した結果が、所定の倍音よりも低
い倍音のレベル値に対してのみ加算される。
【0020】また、octは、基本波およびこれとオク
ターブ関係にある高調波の部分にのみ反映させるための
ナンバーであり、5thは、基本波に対して5度上の関
係にある各高調波の部分にのみ反映させるためのナンバ
ーである。さらに、evenおよびoddは、それぞれ
偶数高調波、奇数高調波に対してのみベロシティ値を反
映させるためのナンバーである。
【0021】上記RAM3は読み書きが可能なメモリで
あり、CPU1のプログラム実行過程において各種の必
要なデータを一時的に記憶したり、エディット可能なパ
ラメータデータを記憶したりする記憶領域を有してい
る。本実施形態では特に、図5に示すように、2つの一
時記憶領域HLA(Harmonics Level Absolute)、HL
R(Harmonics Level Relative)を有している。
【0022】前者の一時記憶領域HLAは、例えば音色
毎にプリセットされた、あるいはユーザにより作成また
は個々に編集された基本波および各高調波(例えば1〜
64倍音)のレベル値を一時記憶する。また、後者の一
時記憶領域HLRは、図4のデプス情報depth に検出し
たベロシティ値を乗算した結果の上記HLAに対する増
分を一時記憶する。
【0023】なお、図4に示したテーブル情報は、RA
M3に記憶するようにすることも可能である。このよう
にすれば、当該テーブル情報自体をユーザが希望するよ
うに編集し、その編集結果を保存して再利用することも
可能である。このRAM3の一部あるいは全部をバッテ
リーバックアップし、操作パネル部5により設定された
音色に応じた必要なデータや、上述のように編集したテ
ーブル情報を、電子楽器の電源がオフにされても保持し
ておくことができるようにしても良い。
【0024】上記楽音発生部6は、操作パネル部5の音
色設定スイッチの操作によって選択および設定された音
色で、鍵盤部4で押鍵された鍵に応じた楽音信号を発生
させるための楽音発生器、音像効果装置、残響効果装置
などを備えている。この楽音発生部6は、演奏時に楽音
を発生するために必要な音源データを保持するものであ
り、本実施形態では例えば64個の基本波および高調波
のデータを保持する。この音源データは、いわゆるサイ
ン合成方式による各倍音の波形合成処理によって生成さ
れる。楽音発生部6は、発生した鍵情報や音色情報に基
づいて与えられる音源データをデジタル形式の楽音信号
に加工して出力する。
【0025】上記楽音発生部6で発生されたデジタル楽
音信号は、D/A変換部8に与えられてアナログ楽音信
号に変換される。こうしてD/A変換されたアナログ楽
音信号は、アナログ信号処理部9で簡単なフィルタ処理
(ノイズ除去処理)および増幅処理が施された後、パワ
ーアンプ10で適当なレベルまで増幅されてスピーカ部
11に与えられる。スピーカ部11は、与えられたアナ
ログ楽音信号を可聴信号として放音するためのものであ
り、1個あるいは複数個で構成されている。
【0026】なお、この図1ではベロシティを出力する
構成として鍵盤部4のみを示しているが、MIDIキー
ボードコントローラを更に備えるようにしても良い。こ
のようにすれば、鍵操作だけでなく、MIDI信号の送
受信に基づき演奏を行い、音源データに基づく楽音を発
生させることが可能である。
【0027】図2は、本実施形態の電子楽器において音
源データ(各倍音のレベル値)を楽音発生部6に設定す
る際の処理内容を説明するための図である。なお、ここ
では説明の簡略化のため、図4の1stで示されるハー
モニクスナンバーに関する部分についてのみ説明する。
【0028】図2に示すように、RAM3内の一時記憶
領域HLAには、操作パネル部5の音色設定スイッチの
操作により例えばROM2から読み出されたプリセット
の各倍音のレベル値、あるいは操作パネル部5の編集用
操作子の操作により作成または個々に編集された各倍音
のレベル値が一時的に記憶される。この一時記憶領域H
LA内の各レベル値は、ベロシティ検出部21(図1の
鍵盤部4に備えられる)で検出されたベロシティ値によ
って変動しない静的なものである。
【0029】また、上記ベロシティ検出部21により検
出されたベロシティは、例えば図1のCPU1によって
構成される乗算部23に与えられる。この乗算部23に
は、図4に示したような内容の depthテーブル22か
ら、1stのハーモニクスナンバーに対応して記憶され
ているデプス情報depth の値も与えられる。そして、こ
れらのベロシティ値とデプス情報depth の値とが乗算部
23で乗算され、その乗算結果が一時記憶領域HLRに
一時的に記憶される。
【0030】実際の楽音の発生に際しては、例えば図1
のCPU1によって構成される加算部24において、上
記2つの一時記憶領域HLA,HLRに保持されたデー
タを各倍音毎に全て加算し、それをハードウェア(楽音
発生部6)に供給する。なお、この図2では1倍音に対
する加算値のみが一時記憶領域HLRに示されている
が、実際には、low、oct、5th、even、o
dd、……等の種々のハーモニクスナンバーに対応する
各倍音の加算値も一時記憶領域HLRに記憶され、一時
記憶領域HLA内のレベル値に対して加算される。
【0031】次に、上記のように構成した本実施形態の
電子楽器による発音処理の動作を、図3のフローチャー
トを用いて簡単に説明する。鍵盤部4の何れかの鍵が演
奏者により操作され、押鍵イベントの発生がCPU1に
よって検出されると、図3に示すノートオン処理が実行
される。まずステップS0で一時記憶領域HLRを全て
クリアした後、ステップS1では、検出したベロシティ
値と、図4の1stに対応するデプス情報depth とを乗
算し、その乗算結果を一時記憶領域HLRの1倍音の領
域に格納する。
【0032】ステップS2では、検出したベロシティ値
と、図4のlowに対応するデプス情報depth とを各倍
音毎に乗算し、その乗算結果を一時記憶領域HLRの1
〜8倍音の領域に格納する。ステップS3では、検出し
たベロシティ値と、図4のoctに対応するデプス情報
depth とを各倍音毎に乗算し、その乗算結果を一時記憶
領域HLRの1,2,4,8,16,32,64倍音の
領域に格納する。
【0033】ステップS4では、検出したベロシティ値
と、図4の5thに対応するデプス情報depth とを各倍
音毎に乗算し、その乗算結果を一時記憶領域HLRの
3,6,12,24,48倍音の領域に格納する。ステ
ップS5では、検出したベロシティ値と、図4のeve
nに対応するデプス情報depth とを各倍音毎に乗算し、
その乗算結果を一時記憶領域HLRの2,4,6,8,
……の各倍音の領域に格納する。
【0034】また、ステップS6では、検出したベロシ
ティ値と、図4のoddに対応するデプス情報depth と
を各倍音毎に乗算し、その乗算結果を一時記憶領域HL
Rの1,3,5,7,……の各倍音の領域に格納する。
ステップS7では、上述のようにして一時記憶領域HL
Rに格納された各倍音の加算値と、本ノートオン処理以
外の処理(図示せず)で一時記憶領域HLAに格納され
た各倍音のレベル値とを各倍音毎に全て加算し、その加
算結果をハードウェア(楽音発生部6)にセットする。
そして、ステップS8で、楽音発生部6は、セットされ
た各倍音毎のレベル値に基づいて楽音発生の処理を行
う。
【0035】以上詳しく説明したように、本実施形態で
は、PCM再生型の電子楽器に比べて多くのパラメータ
(基本波および高調波の各倍音毎のパラメータ)を使用
するサイン合成方式を利用して、検出したベロシティ値
をただ音量に反映させるだけでなく、各高調波のレベル
値に個々に反映させるようにしたので、発生楽音の単調
さを抑制し、より深みがあり飽きの来ない楽音を発生す
ることができる。
【0036】なお、上記実施形態において示した構成お
よび動作は、何れも本発明を実施するにあたっての具体
化のほんの一例を示したものに過ぎず、これらによって
本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないも
のである。つまり、本発明はその精神、またはその主要
な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施すること
ができる。
【0037】例えば、上記実施形態では、検出したベロ
シティ値を特定の倍音にのみ反映させる態様の例とし
て、1st、low、oct、5th、even、od
dの6つのタイプを挙げたが、検出したベロシティ値を
全ての倍音に反映させるのではなく、ある特定の倍音に
のみ反映させるのであれば、他の態様でも構わない。ま
た、全ての倍音に反映させる場合でも、個々の倍音に異
なる値を加算するのであれば、これも本発明に含まれ
る。つまり、各倍音を一括して制御することによって音
量を変えるのではなく、各倍音を個々に変調させるので
あれば本発明の範疇に含まれる。
【0038】また、上述の例に示した各変調タイプを全
て実施する必要は必ずしもなく、このうちの一部のみを
実施する(図3のステップS1〜S6に示す処理の一部
のみを実施する)ようにしても良い。この場合におい
て、所定の操作子を設けることにより、どの態様を実施
するかを演奏者が任意に選択できるように構成しても良
い。
【0039】また、上記実施形態では、図4に示すよう
な音色パラメータのテーブル情報を設け、それぞれのハ
ーモニクスナンバー毎に異なる深さを設定するようにし
た例を示したが、このような重み付けをせずに、検出し
たベロシティ値に対して固定値を乗算するようにしても
良い。このようにすれば、図4のようなテーブル情報は
オン・オフのテーブルとなる。
【0040】また、上記実施形態では音色パラメータの
テーブル情報を図4のように1個のみ設けたが、複数種
類設けて演奏者に何れかを選択させることができるよう
にしても良い。また、このようなテーブル情報を音色の
種類毎に複数設け、操作パネル部5上の音色設定スイッ
チの操作により選択された音色に該当するものを読み込
むようにしても良い。
【0041】
【発明の効果】本発明は上述したように、基本波に対し
て倍音関係にある高調波を合成していくことによって任
意の波形を生成する方式の電子楽器において、検出され
たベロシティ値によって各倍音のレベル値を個々に変調
させる手段、例えば特定の倍音のレベル値を上記検出さ
れたベロシティ値によって変調させる手段を設けたの
で、ベロシティ値により全ての倍音を一括して変調する
音量制御のような単調な発生楽音に比べて、より深みが
あり、飽きの来ない楽音を発生することができるように
なる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態である電子楽器の概略構成
を示すブロック図である。
【図2】本実施形態の電子楽器において音源データ(各
倍音のレベル値)を楽音発生部に設定する際の処理内容
を説明するための図である。
【図3】本実施形態の電子楽器による発音処理の動作を
示すフローチャートである。
【図4】本実施形態のROMに格納されるテーブル情報
の例を示す図である。
【図5】本実施形態のRAMに備えられる一時記憶領域
の例を示す図である。
【符号の説明】
1 CPU 2 ROM 3 RAM 4 鍵盤部 5 操作パネル部 6 楽音発生部 7 信号バス 21 ベロシティ検出部 22 depthテーブル 23 乗算部 24 加算部 HLA,HLR RAM内の一時記憶領域
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成10年2月6日
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図3
【補正方法】変更
【補正内容】
【図3】

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基本波に対して倍音関係にある高調波を
    合成していくことによって生成される波形に基づいて楽
    音発生を行う電子楽器であって、 上記基本波および各高調波のレベル値を、検出されたベ
    ロシティ値によって個々に変調させる手段を設けたこと
    を特徴とする電子楽器。
  2. 【請求項2】 上記基本波および各高調波のレベル値の
    うち、特定の倍音のレベル値を上記検出されたベロシテ
    ィ値によって変調させることを特徴とする請求項1に記
    載の電子楽器。
  3. 【請求項3】 基本波に対して倍音関係にある高調波を
    合成していくことによって生成される波形に基づいて楽
    音発生を行う電子楽器であって、 鍵盤操作に基づいてベロシティを検出する検出手段と、 上記基本波および各高調波のレベル値をそれぞれ各倍音
    用の記憶領域に一時記憶する第1の一時記憶手段と、 上記検出手段により検出されたベロシティ値に基づいて
    決められた、上記レベル値に対して加算する相対値をそ
    れぞれ各倍音用の記憶領域に一時記憶する第2の一時記
    憶手段と、 上記第1の一時記憶手段に記憶された各倍音のレベル値
    と上記第2の一時記憶手段に記憶された各倍音の加算値
    とを各倍音毎に加算し、その加算結果を音源部に設定す
    るようにする合成手段とを備えたことを特徴とする電子
    楽器。
  4. 【請求項4】 上記第2の一時記憶手段に記憶される相
    対値は、上記基本波および各高調波のレベル値のうち特
    定の倍音のレベル値に対する相対値であることを特徴と
    する請求項3に記載の電子楽器。
  5. 【請求項5】 上記特定の倍音は1倍音のみであること
    を特徴とする請求項2または4に記載の電子楽器。
  6. 【請求項6】 上記特定の倍音は所定の倍音よりも低い
    倍音であることを特徴とする請求項2または4に記載の
    電子楽器。
  7. 【請求項7】 上記特定の倍音は1倍音およびこれとオ
    クターブ関係にある倍音であることを特徴とする請求項
    2または4に記載の電子楽器。
  8. 【請求項8】 上記特定の倍音は1倍音に対して5度上
    の関係にある各倍音であることを特徴とする請求項2ま
    たは4に記載の電子楽器。
  9. 【請求項9】 上記特定の倍音は偶数倍音であることを
    特徴とする請求項2または4に記載の電子楽器。
  10. 【請求項10】 上記特定の倍音は奇数倍音であること
    を特徴とする請求項2または4に記載の電子楽器。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2009265631A (ja) * 2008-03-31 2009-11-12 Kawai Musical Instr Mfg Co Ltd 楽音制御方法及び楽音制御装置

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