JP2002140073A - 楽音発生装置および楽音発生方法 - Google Patents

楽音発生装置および楽音発生方法

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JP2002140073A
JP2002140073A JP2000333229A JP2000333229A JP2002140073A JP 2002140073 A JP2002140073 A JP 2002140073A JP 2000333229 A JP2000333229 A JP 2000333229A JP 2000333229 A JP2000333229 A JP 2000333229A JP 2002140073 A JP2002140073 A JP 2002140073A
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tone
waveform
equal
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JP2000333229A
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Tsutomu Saito
勉 齋藤
Jiro Tanaka
二朗 田中
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Kawai Musical Instrument Manufacturing Co Ltd
Original Assignee
Kawai Musical Instrument Manufacturing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 発音可能な音色毎および通常音高範囲外の音
高毎に対応した波形を波形メモリにそれぞれ記憶するこ
となく、指示された音高に対応した楽音を正確に発音で
きるようにする。 【解決手段】 特定高音高範囲の音高を発音するために
用いる複数の音色で共通の1つのPCM波形データと、
それ以外の音高範囲の音高を発音するために用いる音色
毎に異なったPCM波形データとを波形メモリ111に
記憶し、特定高音高範囲の音高を発音するように指示さ
れたときには、上記複数の音色で共通のPCM波形デー
タを楽音発生部110により読み出し、さらにエンベロ
ープ付与やパンニング等の処理を施して所望の音高の楽
音信号を生成するようにして、指示された音高に対応し
た楽音を正確に発音することができるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、楽音発生装置およ
び楽音発生方法に関し、特に、外部から供給される楽音
情報に基づいて、波形メモリ等に記憶されている波形デ
ータを読み出して楽音を発音することが可能な楽音発生
装置に用いて好適なものである。
【0002】
【従来の技術】従来から、Wave Table方式
(PCM波形読み出し方式)を用いた楽音発生装置を備
える電子楽器があった。上記電子楽器では、当該電子楽
器が有する鍵盤の操作等により生成される演奏データに
従って、波形メモリに記憶されているPCM波形データ
を読み出す。この読み出したPCM波形データに所定の
処理(エンベロープの付与等)を施し、上記鍵盤の操作
等により指示された楽音を発音していた。
【0003】上記波形メモリには、電子楽器において選
択可能な音色毎に異なる波形のPCM波形データが記憶
され、さらに電子楽器から発音される楽音を、より自然
な音にするために1つの音色においても音域(鍵域、例
えば電子ピアノの鍵盤等であれば3〜4鍵)毎に異なる
波形のPCM波形データが記憶されていた。電子楽器
は、この音域毎に記憶されているPCM波形データを読
み出して再生する速度(ピッチ)を変えることで、鍵盤
の操作等により指示された音高の楽音を発音していた。
【0004】例えば、電子楽器が発音可能な中央の
「ラ」(以下、「A4」と称す。440kHz付近のピ
ッチを有する。)の音高のPCM波形データが記憶され
ており、波形の記憶(録音)時と波形の読み出し(再
生)時とのサンプリング周波数が同じ(例えば、44.
1kHz)であるとする。このときA4の音高のPCM
波形データは、再生する速度(ピッチ)を変えることで
A4以下の音高の楽音を発音することができ、共通に利
用することができた。つまり、記憶されているPCM波
形データの基本ピッチよりPCM波形データを読み出し
て再生する基本ピッチが低いときには、音色に関しては
性能が低下する可能性はあるが、記憶されているPCM
波形データを利用して再生することができた。
【0005】一方、記憶されているPCM波形データの
基本ピッチよりPCM波形データを読み出して再生する
基本ピッチが高くなる、すなわち、あるPCM波形デー
タを利用してそのPCM波形データの音高より高い音高
の楽音を発音しようとすると、PCM波形データを順序
良く読み出すことができず、折り返しノイズが発生する
ことがあった。
【0006】そのため、従来の電子楽器等では、当該電
子楽器が有する鍵盤の操作により指示可能な音高と、そ
の低音側と高音側にそれぞれ半オクターブ位のピッチ調
整のための音高とを設け、これらを再生発音可能な音高
範囲(以下、「通常音高範囲」と称す。)としていた。
【0007】図8は、従来の電子楽器における波形メモ
リとキーナンバー(音高)との対応関係を示す図であ
る。図8(A)は電子ピアノ(鍵盤の鍵数が88鍵)用
の波形メモリについて示したものであり、(B)は電子
オルガン(鍵盤の鍵数が61鍵)用の波形メモリについ
て示したものである。
【0008】図8(A)に示す電子ピアノ用の波形メモ
リでは、ピアノの音色に対しては、3〜4鍵を1つのグ
ループにして、そのグループ毎にPCM波形データW0
01、W002、…、W030がそれぞれ記憶されてい
た。また、同様に電子ピアノの音色に対しては、6〜8
鍵から成る1つのグループ毎にPCM波形データW10
1、W102、…、W115がそれぞれ記憶され、ハー
プシコードの音色に対しては、6〜8鍵から成る1つの
グループ毎にPCM波形データW201、W202、
…、W212がそれぞれ記憶されていた。
【0009】同様に、図8(B)に示す電子オルガン用
の波形メモリでは、それぞれの音色に対して、複数の鍵
を1つのグループにして、オルガンの音色にはPCM波
形データW301、W302、…、W307を、トラン
ペットの音色にはPCM波形データW401、W40
2、…、W409を、ホルンの音色にはPCM波形デー
タW501、W502、…、W509がそれぞれ記憶さ
れていた。このように、従来の電子楽器では通常音高範
囲内のPCM波形データのみが波形メモリに記憶されて
いた。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】また、最近ではパーソ
ナルコンピュータやシーケンサ等を用いて作成した曲や
演奏データをMIDIインタフェース等のインタフェー
スを介して電子楽器に入力し、その演奏データ等に従っ
て電子楽器から楽音を発音することが可能になった。こ
のように、電子楽器がインタフェースを介して入力され
た演奏データに基づいて発音する場合には、通常音高範
囲外の音高の楽音を発音するように指示する演奏データ
が入力されることがあった。
【0011】しかしながら、従来の電子楽器では、通常
音高範囲(図8(A)に示した88鍵電子ピアノであれ
ばキーナンバー21〜108、(B)に示した61鍵電
子オルガンであればキーナンバー36〜96のPCM波
形データのみが波形メモリに記憶されているため、通常
音高範囲外の音高の楽音を発音するように指示された場
合に、指示された楽音を正しい音高で発音することがで
きなかった。例えば、発音するように指示された楽音が
通常音高範囲より高い音高の楽音であった場合には、音
高を下げるなどして再生発音可能な音高(オクターブ)
に変換して発音したり、発音するように指示された楽音
を全く発音しなかったりしていた。
【0012】したがって、MIDI(Musical Instrume
nt Digital Interface)インタフェース等のインタフェ
ースを介して入力した演奏データに基づいて電子楽器に
楽音を発音させたときに、上記演奏データを作成した者
が、MIDI等の規格により定められているキーナンバ
ーが0〜127の範囲の音高にもかかわらず、入力され
た演奏データに対応した正確な音高を得ることができな
いという問題があった。
【0013】上記問題を解決する方法の1つとして、キ
ーナンバーが0〜127の演奏データに係る音高の楽音
を発音できるように、当該電子楽器が選択可能な全ての
音色に対して、通常音高範囲と同じようにPCM波形デ
ータをそれぞれ記憶させておく方法がある。しかしなが
ら、当該電子楽器だけの操作では指示ができず、使用頻
度の低い通常音高範囲外の音高のPCM波形データにも
かかわらず、上述のように通常音高範囲と同じようにP
CM波形データをそれぞれ記憶することは、波形メモリ
の大容量化を招き、その結果としてコストアップを招い
てしまうという問題があった。
【0014】本発明は、上述のような問題を解決するた
めに成されたものであり、供給される演奏データにより
発音を指示された楽音が通常音高範囲外の音高の楽音で
あっても、発音可能な音色毎および通常音高範囲外の音
高毎に対応した波形を波形メモリにそれぞれ記憶するこ
となく、指示された音高に対応した楽音を正確に発音で
きるようにすることを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明の楽音発生装置の
特徴とするところは、指示された音色および音高に応じ
て楽音信号を生成し発音する楽音発生装置であって、複
数の音色の波形を記憶する波形記憶手段と、上記指示さ
れた音色および音高に応じて上記波形記憶手段に記憶さ
れた波形を選択的に読み出し、所定の処理を施して楽音
信号を生成する楽音発生手段とを備え、上記波形記憶手
段は、上記指示された音高が第1の音高以下のときに読
み出す上記音色に応じた波形と、上記指示された音高が
第1の音高以上のときに読み出す上記指示された音高が
発音可能な上記複数の音色に共通の波形とを記憶するこ
とを特徴とする。
【0016】本発明の楽音発生装置の他の特徴とすると
ころは、上記指示された音高が第1の音高以下のときに
読み出す上記音色に応じた波形は、上記音色毎に異なる
波形であることを特徴とする。本発明の楽音発生装置の
その他の特徴とするところは、上記指示された音高が第
1の音高以上のときに読み出す上記複数の音色に共通の
波形は、1つの波形であることを特徴とする。本発明の
楽音発生装置のその他の特徴とするところは、上記指示
された音高が第1の音高以上のときに読み出す上記複数
の音色に共通の波形は、7倍音以下の高調波のみで構成
される波形であることを特徴とする。
【0017】本発明の楽音発生装置のその他の特徴とす
るところは、上記波形記憶手段は、上記指示された音高
が第1の音高以下のときに読み出す上記音色に応じた波
形として複数周期の波形を記憶し、上記指示された音高
が第1の音高以上のときに読み出す上記複数の音色に共
通の波形として1周期以内の波形を記憶し、上記楽音発
生手段は、上記指示された音高が第1の音高以上のとき
には、上記1周期以内の波形を繰り返し読み出すことを
特徴とする。
【0018】本発明の楽音発生装置のその他の特徴とす
るところは、上記楽音発生手段は、上記指示された音高
が第1の音高以上のときには、上記指示された音高の楽
音信号を生成することを特徴とする。本発明の楽音発生
装置のその他の特徴とするところは、上記楽音発生手段
は、上記指示された音高が第1の音高以上のときには、
上記波形記憶手段から読み出した上記複数の音色に共通
の波形に上記指示された音色に対応した異なるエンベロ
ープを付与することを特徴とする。
【0019】本発明の楽音発生装置のその他の特徴とす
るところは、上記楽音発生手段は、上記楽音信号を生成
するための複数のチャンネルを備え、上記指示された音
高が第1の音高以上のときには、第1の音高以下の楽音
信号を生成する際に使用するチャンネルの数より少ない
数のチャンネルを使用して楽音信号を生成することを特
徴とする。
【0020】本発明の楽音発生装置のその他の特徴とす
るところは、上記第1の音高は、通常音高範囲の音高の
中で最も高い音高であることを特徴とする。本発明の楽
音発生装置のその他の特徴とするところは、上記複数の
音色は、上記楽音発生装置にて選択可能な全ての音色で
あることを特徴とする。本発明の楽音発生装置のその他
の特徴とするところは、上記波形記憶手段は、DPCM
方式またはADPCM方式を用いて、上記波形を記憶す
ることを特徴とする。
【0021】本発明の楽音発生装置のその他の特徴とす
るところは、上記楽音発生手段は、上記楽音信号を生成
するための複数のチャンネルを備え、上記指示された音
高が第1の音高以上、または上記第1の音高より低い第
2の音高以下のときには、上記第1の音高と上記第2の
音高との間の音高の楽音信号を生成する際に使用するチ
ャンネルの数より少ない数のチャンネルを使用して上記
第1の音高以上、または上記第2の音高以下の楽音信号
を生成することを特徴とする。
【0022】本発明の楽音発生装置のその他の特徴とす
るところは、上記第2の音高は、通常音高範囲の音高の
中で最も低い音高であることを特徴とする。本発明の楽
音発生装置のその他の特徴とするところは、上記楽音発
生手段は、上記第1の音高以上、または上記第2の音高
以下の楽音信号の生成する際に、1つのチャンネルを使
用して楽音信号を生成することを特徴とする。
【0023】本発明の楽音発生方法の特徴とするところ
は、指示された音色および音高に応じて楽音信号を生成
し発音する楽音発生方法であって、上記指示された音高
が第1の音高以下のときに読み出す上記音色に応じた波
形と、上記指示された音高が第1の音高以上のときに読
み出す上記指示された音高が発音可能な上記複数の音色
に共通の波形とを波形記憶手段に記憶し、上記指示され
た音色および音高に応じて上記波形記憶手段に記憶され
ている波形を選択的に読み出し、所定の処理を施して楽
音信号を生成することを特徴とする。
【0024】本発明の楽音発生方法の他の特徴とすると
ころは、上記指示された音高が第1の音高以上のときに
読み出す上記複数の音色に共通の波形は、1つの波形で
あることを特徴とする。本発明の楽音発生方法のその他
の特徴とするところは、上記楽音信号を生成する際に、
上記指示された音高が第1の音高以上のときには、上記
波形記憶手段から読み出した上記複数の音色に共通の波
形に上記指示された音色に対応した異なるエンベロープ
を付与することを特徴とする。
【0025】本発明の楽音発生方法のその他の特徴とす
るところは、上記波形は、DPCM方式またはADPC
M方式を用いて、上記波形記憶手段に記憶することを特
徴とする。本発明の楽音発生方法のその他の特徴とする
ところは、上記指示された音高が第1の音高以上、また
は上記第1の音高より低い第2の音高以下のときには、
上記第1の音高と上記第2の音高との間の音高の楽音信
号を生成する際に使用する楽音信号を生成するためのチ
ャンネルの数より少ない数の上記チャンネルを使用して
上記第1の音高以上、または上記第2の音高以下の楽音
信号を生成することを特徴とする。
【0026】上記のように構成した本発明によれば、第
1の音高以上の音高が指示された場合には、上記波形記
憶手段から指示された上記音高が発音可能な上記複数の
音色に共通の波形が読み出されるので、第1の音高以上
の音高の楽音信号が生成できるようになる。
【0027】また、指示された音高が第1の音高以上、
または上記第1の音高より低い第2の音高以下のときに
は、上記第1の音高と上記第2の音高との間の音高の楽
音信号を生成するチャンネルの数より少ない数のチャン
ネルを使用して上記第1の音高以上、または上記第2の
音高以下の楽音信号を生成するようにしたときには、容
易なチャンネルの制御で上記第1の音高以上、または上
記第2の音高以下の楽音信号を生成することができるよ
うになる。
【0028】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態を図面
に基づいて説明する。図1は、本実施形態による楽音発
生装置を適用した電子楽器の一構成例を示すブロック図
である。
【0029】なお、以下の説明では、上記電子楽器が有
する鍵盤の操作により指示可能な音高と、その低音側と
高音側とのピッチ調整のためのそれぞれの音高、すなわ
ち、上記電子楽器の再生発音可能な音高範囲を「通常音
高範囲」と称す。また、上記通常音高範囲外の音高範囲
を「特定音高範囲」と称し、特に通常音高範囲より低い
音高範囲を「特定低音高範囲」と称し、通常音高範囲よ
り高い音高範囲を「特定高音高範囲」と称す。
【0030】図1において、101はCPUであり、R
OM103に記憶されている処理プログラムに従って、
当該電子楽器の動作制御を行う。CPU101には、音
量や音色を設定するための操作子や、上記操作子により
設定された音量や音色を表示するための表示器等が備え
られた操作パネル102が接続されている。
【0031】CPU101は、例えば、鍵盤部105に
て操作された押鍵のタッチ情報、その押鍵のキーナンバ
ー(音高)情報、および操作パネル102での操作によ
り選択されている音色の情報に基づいて演奏情報を音源
部109に供給し制御する。また、CPU101は、例
えば、MIDIコントローラ107から供給される演奏
データであるMIDIデータや、外部インタフェース1
08から供給されるパーソナルコンピュータやシーケン
サ等を用いて作成された演奏データに基づく演奏情報を
音源部109に供給し制御する。
【0032】ROM103は、処理プログラム等を記憶
するプログラムメモリ103a、音色データメモリ10
3b等を含み構成される。上記音色データメモリ103
bには、当該電子楽器が発音する楽音の音色パラメータ
等が記憶されている。104はRAMであり、CPU1
01の各種処理の実行過程において各種の情報を一時的
に記憶したり、各種処理の結果得られた情報を記憶した
りする記憶領域を有しており、CPU101のワーク領
域として利用される。
【0033】鍵盤部105は、複数の鍵を有する1つま
たは複数の鍵盤から構成される。106はタッチセンサ
であり、上記鍵盤部105にて操作された押鍵、離鍵、
鍵の動作スピードを検出し、検出結果に応じて押鍵のタ
ッチ情報、その押鍵のキーナンバー(音高)情報等を出
力する。
【0034】MIDIコントローラ107は、外部に接
続された機器等との間でMIDIデータの入出力を行う
ためのものであり、外部インタフェース108はパーソ
ナルコンピュータやシーケンサ等を用いて作成された演
奏データや当該電子楽器により作成された演奏データの
入出力を行うためのインタフェースである。
【0035】音源部109は、CPU101から供給さ
れる演奏情報に従って楽音信号を生成し出力するもので
あり、楽音発生部110および波形メモリ111を含み
構成される。楽音発生部110は、CPU101から供
給される演奏データに従って、波形メモリ111からP
CM波形データを読み出し、その振幅やエンベロープを
加工したり、パンニングを行ったりして楽音信号を生成
し、D/A変換器112に供給する。D/A変換器11
2は、楽音発生部110から供給された楽音信号をアナ
ログ信号に変換し、アンプ113を介してスピーカ11
4、115に供給する。
【0036】波形メモリ111は、当該電子楽器が発音
可能な音色のPCM波形データを記憶するメモリであ
る。波形メモリ111に記憶されるPCM波形データ
は、DPCM(Differential Pulse Code Modulation)
方式またはADPCM(AdaptiveDifferential Pulse C
ode Modulation)方式を用いてデータ化されたPCM波
形データであり、過去に量子化した値に基づいて予測し
た値と実際の量子化した値との差分が記憶されている。
【0037】なお、上記CPU101、ROM103、
RAM104、MIDIコントローラ107、外部イン
タフェース108、音源部109は、それぞれデータバ
ス、アドレスバス等のバス116により結合され、相互
にデータの送受信が行われるように構成されている。ま
た、鍵盤部105はタッチセンサ106を介してバス1
16により結合されている。
【0038】図2は、上記楽音発生部110の詳細な構
成を説明するための図である。この図2において、図1
に示したブロックと同じブロックには同一の符号を付
し、重複する説明は省略する。
【0039】図2において、201はアサイメントメモ
リであり、CPU101から演奏情報として供給される
楽音を発音するためのパラメータ群(パラメータセッ
ト)を設定するメモリである。本実施形態では、64チ
ャネル分のパラメータセットを設定することができる。
【0040】アサイメントメモリ201は、鍵盤部10
5の操作やMIDIコントローラ107を介して入力さ
れるMIDIデータ等に基づいてCPU101から供給
される演奏情報によりキーオン情報、すなわちパラメー
タセットが書き込まれると、書き込まれたチャネルに設
定されているパラメータを各機能部(Fナンバ演算部2
02、フィルタ203、エンベロープ発生部204、パ
ンニング部206)に供給する。
【0041】Fナンバ演算部202は、アサイメントメ
モリ201からそれぞれ供給される波形アドレス(スタ
ートアドレス、ループトップアドレス、ループエンドア
ドレス)とサンプリングピッチとに基づいて、所望のP
CM波形データを読み出すためのアドレスを生成し波形
メモリ111に供給する。すなわち、Fナンバ演算部2
02は、供給されたサンプリングピッチに基づいてFナ
ンバを生成し、供給された波形アドレス(スタートアド
レスまたはループトップアドレス)に生成したFナンバ
を累算することで所望のPCM波形データを読み出すた
めのアドレスを順次生成し波形メモリ111に供給す
る。
【0042】フィルタ203は、上記Fナンバ演算部2
02により供給されたアドレスに応じて波形メモリ11
1から供給されるPCM波形データに対して、フィルタ
処理を施し乗算器205に供給する。上記フィルタ処理
は、アサイメントメモリ201から供給されるフィルタ
パラメータに従って施される。
【0043】エンベロープ発生部204は、アサイメン
トメモリ201から供給されるアンプリチュードエンベ
ロープパラメータに従い、波形メモリ111から読み出
されたPCM波形データに係る楽音信号にエンベロープ
を与えるためのエンベロープ波形データを生成し、乗算
器205に供給する。乗算器205は、フィルタ203
から供給されるフィルタ処理の施されたPCM波形デー
タと、エンベロープ発生部204から供給されるエンベ
ロープ波形データとの乗算処理を行う。
【0044】パンニング部206は、アサイメントメモ
リ201から供給されるパンニングパラメータに基づい
て、上記乗算器205により乗算処理されたPCM波形
データをステレオのL側出力とR側出力とに振り分け、
D/A変換器112に供給する。
【0045】図3は、上記波形メモリ111に記憶され
ているPCM波形データと鍵盤(キーナンバー)との対
応関係を示す図である。図3(A)は電子ピアノ(88
鍵)でのPCM波形データとキーナンバーとの対応関係
であり、(B)は電子オルガン(61鍵)でのPCM波
形データとキーナンバーとの対応関係である。
【0046】図3(A)において、電子ピアノの通常音
高範囲(キーナンバー21〜108)の鍵域では、ピア
ノの音色の場合、3〜4鍵で1つのグループが構成さ
れ、上記グループに異なるPCM波形データW001、
W002、…、W030がそれぞれ対応している。同様
に、電子ピアノの音色では、6〜8鍵で1つのグループ
が構成され、上記グループに異なるPCM波形データW
101、W102、…、W115がそれぞれ対応してい
る。
【0047】また,同様にハープシコードの音色では、
6〜8鍵で1つのグループが構成され、上記グループに
異なるPCM波形データW201、W202、…、W2
12がそれぞれ対応している。なお、ハープシコードの
音色では、低音域および高音域での所定の音高範囲外で
は、6〜8鍵以上の鍵で1つのグループを構成するよう
にしている。
【0048】なお、上記通常音高範囲の鍵域に対応する
PCM波形データW001〜W030、W101〜W1
15およびW201〜W212は、ステレオのLRに相
当する2チャンネル分のPCM波形データである。
【0049】また、特定音高範囲の鍵域、例えば、キー
ナンバー20以下の特定低音高範囲では、キーナンバー
0〜20の全ての鍵に対してそれぞれの音色で通常音高
範囲内の最も低音域のPCM波形データが対応してい
る。例えば、ピアノの音色ではPCM波形データW00
1が対応し、電子ピアノの音色ではPCM波形データW
101、ハープシコードの音色ではPCM波形データW
201がそれぞれ対応している。ただし、このキーナン
バー0〜20では上記PCM波形データW001、W1
01、W201の1チャンネル分だけが対応している。
すなわち、特定低音高範囲では、モノラルのPCM波形
データが対応している。
【0050】また、例えば、キーナンバー109以上の
特定高音高範囲では、全ての音色において1つのPCM
波形データW116がキーナンバー109〜127の全
ての鍵に対して対応している。また、キーナンバー10
9〜127に対応している上記PCM波形データW11
6は特定低音高範囲と同様にモノラルである。なお、P
CM波形データW116は、当該電子楽器が有する最大
のキーナンバー(本実施形態では、キーナンバー12
7)の音高に対応したPCM波形データであることが望
ましい。また、PCM波形データW116は、例えば、
7倍音以上の高調波のみで構成される波形のPCM波形
データであっても良い。
【0051】同様に、図3(B)において、電子オルガ
ンの通常音高範囲(キーナンバー36〜96)の鍵域で
は、当該電子楽器が発音可能な全ての音色で、複数の鍵
により1つのグループが構成され、上記グループに異な
るPCM波形データがそれぞれ対応している。電子オル
ガンの音色ではPCM波形データW301〜W307が
対応し、トランペットの音色ではPCM波形データW4
01〜W409が対応し、ホルンの音色ではPCM波形
データW501〜W509が対応している。
【0052】また、同様に特定音高範囲の鍵域、例え
ば、キーナンバー35以下の特定低音高範囲では、キー
ナンバー0〜35の全ての鍵に対してそれぞれの音色で
通常音高範囲内の最も低音域のPCM波形データが対応
している。例えば、オルガンの音色ではPCM波形デー
タW301が対応し、トランペットの音色ではPCM波
形データW401、ホルンの音色ではPCM波形データ
W501がそれぞれ対応している。
【0053】また、キーナンバー97以上の特定高音高
範囲では、全ての音色において1つのPCM波形データ
W308がキーナンバー97〜127の全ての鍵に対し
て対応している。なお、PCM波形データW308は、
当該電子楽器が有する最大のキーナンバー(本実施形態
では、キーナンバー127)の音高に対応したPCM波
形データであることが望ましい。
【0054】なお、上述した電子ピアノと同様に、上記
通常音高範囲のPCM波形データはステレオのLRに相
当する2チャンネル分のものであり、特定音高範囲のP
CM波形データは1チャンネルのモノラルである。
【0055】図4は、上記波形メモリ111に記憶され
るPCM波形データに係る波形を示した図である。図4
(A)は、通常音高範囲に対応するPCM波形データを
示したものであり、2つの発音チャンネル(DCO1、
DCO2)のそれぞれに対して、ヘッド波形およびルー
プ波形で構成される複数周期のPCM波形データが記憶
されている。図4(A)において、AD1は波形アドレ
スのスタートアドレスであり、AD2はループトップア
ドレスである。また、AD3はループエンドアドレスで
ある。
【0056】図4(B)は、特定高音高範囲に対応する
PCM波形データを示したものである。図4(B)にお
いて、AD7はスタートアドレスとループトップアドレ
スとを兼ねており、AD8はループエンドアドレスであ
る。特定高音高範囲のPCM波形データには、1周期の
みの波形データが記憶され、この波形をCPU101か
ら供給される演奏情報に基づいて、所定のサンプリング
ピッチ(Fナンバ)で所定の時間繰り返し読み出すこと
で発音する波形データを得る。
【0057】なお、図4(B)に示すような1周期波形
でなく、(C)に示すような半周期波形を記憶してオル
タネート読み出しを行うようにしても良い。図4(C)
において、AD9はスタートアドレスとループトップア
ドレスとを兼ねており、AD10はオルタネートエンド
アドレスである。図4(C)のような半周期波形を用い
る場合には、波形を反転させるためのオルタネートフラ
グを設定するレジスタを設ければ良い。
【0058】図5は、図1に示したROM103内の音
色データメモリ103bに記憶されている音色パラメー
タと鍵域との対応関係を示す図である。この図5におい
て、図3と同様に、(A)は電子ピアノ(88鍵)での
音色パラメータを示し、(B)は電子オルガン(61
鍵)での音色パラメータを示している。
【0059】図5(A)において、グループ(鍵域)1
〜30は通常音高範囲であり、図3(A)と同様に複数
の鍵がグループ化され、上記グループ毎にパラメータが
それぞれ設定されている。ピアノの音色では、音色パラ
メータP001、P002、…、P030が設定され、
電子ピアノの音色では、音色パラメータP101、P1
02、…、P115が設定され、ハープシコードの音色
では、音色パラメータP201、P202、…、P21
2が設定されている。また、特定低音高範囲(グループ
0)では、それぞれの音色において通常音高範囲で最も
低い音高の音色パラメータが使用される。また、特定高
音高範囲(グループ31)では、それぞれの音色におい
て音色パラメータP099(ピアノ)、P199(電子
ピアノ)、P299(ハープシコード)が設定され使用
される。
【0060】また、同様に図5(B)において、グルー
プ(鍵域)1〜20は通常音高範囲であり、複数の鍵か
らなるグループ毎にパラメータがそれぞれ設定されてい
る。オルガンの音色では、音色パラメータP301、P
302、…、P307が設定され、トランペットの音色
では、音色パラメータP401、P402、…、P40
9が設定され、ホルンの音色では、音色パラメータP5
01、P502、…、P509が設定されている。
【0061】また、特定低音高範囲(グループ0)で
は、それぞれの音色において通常音高範囲で最も低い音
高の音色パラメータが使用される。特定高音高範囲(グ
ループ22)では、それぞれの音色において音色パラメ
ータP399(オルガン)、P499(トランペッ
ト)、P599(ホルン)が設定され使用される。
【0062】なお、上述した音色パラメータは同じ番号
の音色パラメータであれば、同じPCM波形データを読
み出すことを示している。すなわち、同じ番号の音色パ
ラメータであれば、同じスタートアドレスで波形メモリ
111からPCM波形データを読み出すことを示すが、
フィルタパラメータ、アンプリチュードエンベロープパ
ラメータ等は各キーナンバー(各鍵)に対応してそれぞ
れ独立に設定する。
【0063】また、上述した図5において、通常音高範
囲(電子ピアノであればグループ1〜30、電子オルガ
ンであればグループ1〜21)の音色パラメータは、ス
テレオのLRに相当する2チャンネルの音色パラメータ
が少なくとも含まれる。一方、特定音高範囲(電子ピア
ノであればグループ0および31、電子オルガンであれ
ばグループ0および22)の音色パラメータは、1チャ
ンネルの音色パラメータである。
【0064】図6は、アサイメントメモリ201に設定
されるパラメータの内容を説明するための図である。図
6に示すように、アサイメントメモリ201には、各チ
ャンネル毎に波形アドレス、記憶波形のサンプリン
グピッチ、フィルタ、アンプリチュードエンベロー
プおよびパンニングのパラメータが設定される。
【0065】波形アドレスは、所望の楽音を発音する
ためのPCM波形データが記憶されている波形メモリ1
11のアドレスが設定される。上記アドレスには、ヘッ
ド波形の開始アドレスであるスタートアドレス、ループ
波形の開始アドレスであるループトップアドレスおよび
ループ波形の終了アドレスであるループエンドアドレス
がある。
【0066】記憶波形のサンプリングピッチには、P
CM波形データを読み出す際のサンプリングピッチが設
定される。具体的には、キーナンバーとピッチを微調整
するためのセントとにより設定され、上記サンプリング
ピッチに設定されたパラメータに従って、PCM波形デ
ータを読み出すピッチを変化させることで、同じPCM
波形データを用いるグループ(鍵域)でも異なる音高の
楽音を発音することができる。
【0067】フィルタには、フィルタの特性を表すカ
ットオフ周波数やQ値が設定され、アンプリチュード
エンベロープには、波形メモリ111から読み出したP
CM波形データに対してエンベロープを付与するための
パラメータが設定される。このパラメータには、アタッ
ク、ディケイ1、ディケイ2、リリースの部分に対し
て、変化速度を指定するスピードと最終到達値を指定す
るレベルがそれぞれ設定される。なお、リリースレベル
については、予め‘0’に固定しておいても良い。ま
た、2つのディケイ(ディケイ1、ディケイ2)のパラ
メータを設けずに、1つのディケイパラメータでも良
い。
【0068】パンニングは、ステレオのL側出力とR
側出力の配分を指定するためのパラメータである。この
パンニングにはラウドネスに関するパラメータも含まれ
る。この図6に示したパラメータは、通常音高範囲に対
しては少なくとも2つのチャンネルのパラメータが設定
され、特定音高範囲に対しては1つのチャンネルのパラ
メータが設定される。例えば、2つのチャンネルのパラ
メータが設定され、この2チャンネルの一方のチャンネ
ルのパンニングパラメータをL出力側を100%、R出
力側を0%にし、他方のチャンネルのパンニングパラメ
ータをL出力側を0%、R出力側を100%にして、ス
テレオのLRに相当するようにしても良い。
【0069】次に、動作について説明する。図7は、本
実施形態による楽音発生装置を適用した電子楽器の動作
を示すフローチャートである。図7において、まず、電
子楽器の電源がONされるとステップS1において、C
PU101は、RAM104の記憶領域の初期化(クリ
ア)等の初期設定を行う。
【0070】ステップS2において、CPU101は音
色、音量制御処理を行う。例えば、CPU101は操作
パネル102に備えられている各種操作子(リズム、音
色、音量、効果等を設定するための操作子やスイッチ
等)の操作を検出し、検出した操作に基づいてリズム、
音色、音量等を変更し設定する処理を行う。また、MI
DIコントローラ107や外部インタフェース108を
介して演奏データが入力されたときには、上記演奏デー
タに従ってリズム、音色、音量等を変更し設定する。
【0071】次に、ステップS3において、CPU10
1は、鍵盤部105の各鍵スイッチのスキャン処理を行
い、鍵盤部105の各鍵の操作状態(押鍵、離鍵、操作
鍵のキーナンバー、鍵の操作スピードに関するベロシテ
ィ等)を検出する。すなわち、CPU101は、タッチ
センサ116から供給される操作された押鍵のタッチ情
報、その押鍵のキーナンバー(音高)情報等のキー情報
の検出を行う。また、MIDIコントローラ107や外
部インタフェース108を介して演奏データが入力され
たときには、上記演奏データのキー情報(キーナンバー
等)の検出を行う。
【0072】ステップS4において、CPU101は上
記ステップS3においてキー情報を検出したか否かの判
断を行い、キー情報を検出した場合にはステップS5に
進み、キー情報を検出していない場合にはステップS8
に進む。ステップS4において、キー情報が検出された
結果進むステップS5において、CPU101は検出さ
れたキー情報が所定の音高範囲内、すなわち通常音高範
囲内であるか否か判断する。
【0073】上記判断の結果、CPU101は、検出さ
れたキー情報が所定の音高範囲内であると判断した場合
(通常音高範囲の場合)には、ステップS6に進む。ス
テップS6において、CPU101は設定されている音
色および検出したキー情報等に基づいて、ROM103
内の音色データメモリ103bに記憶されている所定の
音色パラメータ等を楽音発生部110内のアサインメン
トメモリ201に供給する。このとき、アサインメント
メモリ201に供給される音色パラメータは少なくとも
2つのチャンネルの音色パラメータであり、この音色パ
ラメータにより設定される波形アドレスは図4(A)に
示した波形が記憶されている領域のアドレスが設定され
る。
【0074】上記アサインメントメモリ201に音色パ
ラメータ等が設定されることで、上記パラメータに基づ
いて、波形メモリ111に記憶されているPCM波形デ
ータを読み出し、読み出したPCM波形データにエンベ
ロープを付与する。さらに、設定されているパラメータ
に従って、ステレオのL出力側とR出力側の配分やラウ
ドネスが調整され、D/A変換器112、アンプ113
を介してスピーカ114、115から所望の楽音を発音
しステップS8に進む。
【0075】一方、ステップS5での判断の結果、CP
U101は、検出されたキー情報が所定の音高範囲内で
ないと判断した場合(特定音高範囲の場合)には、ステ
ップS7に進む。ステップS7において、CPU101
は設定されている音色および検出したキー情報等に基づ
いて、ROM103内の音色データメモリ103bに記
憶されている所定の音色パラメータ等を楽音発生部11
0内のアサインメントメモリ201に供給する。
【0076】例えば、電子ピアノにおいてピアノの音色
が選択されているとき、特定低音高範囲のキー情報であ
った場合には、音色パラメータP001が供給され、特
定高音高範囲のキー情報であった場合には、音色パラメ
ータP099が供給される。このとき、アサインメント
メモリ201に供給される音色パラメータは1つのチャ
ンネルの音色パラメータである。また、特定高音高範囲
のキー情報であった場合には、音色パラメータにより設
定される波形アドレスは図4(B)(C)に示した波形
が記憶されている領域のアドレスが設定される。
【0077】上記アサインメントメモリ201に音色パ
ラメータ等が設定されることで、上述したステップS5
での発音処理と同様に、上記パラメータに基づいて、波
形メモリ111からPCM波形データが読み出され、こ
れにエンベロープが付与される。さらに、ステレオのL
側出力とR側出力の配分やラウドネスが調整され、D/
A変換器112、アンプ113を介してスピーカ11
4、115から所望の楽音を発音しステップS8に進
む。
【0078】ステップS8では、上述した音色、音量制
御処理、発音処理以外のその他の必要に応じた所定の処
理を行い、ステップS2に戻る。上述した処理は、電源
がOFFとなるまで繰り返し行われる。
【0079】以上、詳しく説明したように本実施形態に
よれば、通常音高範囲および特定低音高範囲の音高を発
音するために用いる音色毎に異なったPCM波形データ
と、特定高音高範囲の音高を発音するために用いる複数
の音色で共通の1つのPCM波形データとを波形メモリ
111に記憶する。そして、特定高音高範囲の音高を発
音するように指示されたときには、楽音発生部110
は、上記複数の音色で共通のPCM波形データを読み出
して、エンベロープ付与やパンニング等の処理を施した
所望の音高の楽音信号を生成し出力する。
【0080】これにより、特定高音高範囲の音高が指示
された際に使用する上記複数の音色で共通の1つのPC
M波形データを波形メモリ111に記憶するだけで、特
定高音高範囲の音高が指示されたとしても、その音高の
楽音信号を生成することができ、指示された音高に対応
した楽音を正確に発音することができる。
【0081】また、特定高音高範囲の音高を発音するた
めに記憶するPCM波形データは、複数の音色で共通の
1つのPCM波形データのみであるので、波形メモリ1
11に記憶するPCM波形データの増加量を最小にし
て、特定高音高範囲の音高の楽音を発音することができ
る。
【0082】また、特定高音高範囲の音高を発音するた
めに記憶するPCM波形データは、1周期以内の波形の
PCM波形データを記憶するようにしたので、わずかな
データ量の増加で特定高音高範囲の音高の楽音を発音す
ることができる。
【0083】通常音高範囲の音高を発音するときだけで
なく、特定音高範囲の音高を発音する際にも、読み出し
たPCM波形データに係る波形に音色毎に異なるエンベ
ロープを付与して楽音信号を生成するようにしたので、
指示された音高および音色に対応した楽音を正確に発音
することができる。
【0084】また、特定音高範囲の音高を発音するとき
には、1つのチャンネルのみ使用して指示された音高の
楽音信号を生成するようにしたので、容易な制御で特定
音高範囲の音高の楽音信号を生成し発音できる。
【0085】なお、上述した本実施形態では、図3に示
すように特定音高範囲に対応するPCM波形データは1
チャンネルのモノラルであるとしたが、通常音高範囲と
同じように2チャンネルのPCM波形データを対応させ
るようにしても良い。また、特定低音高範囲のPCM波
形データは、通常音高範囲で最も低い音高のPCM波形
データを用いるようにしているが、特定高音高範囲と同
様に、特定低音高範囲のみで用いるPCM波形データを
記憶するとともに、このPCM波形データを読み出すた
めの特定低音高範囲のみに対応した音色パラメータを設
けて、特定低音高範囲のみで用いるPCM波形データを
対応させるようにしても良い。
【0086】また、本実施形態では、波形メモリ111
に記憶されるPCM波形データに係る波形として、図4
に示す波形を示したが、通常音高範囲に対応するPCM
波形データに係る波形では、ループ波形部分は複数周期
の波形を用いずに1周期以内の波形を用いて繰り返し読
み出すようにしても良い。このようにした場合には、波
形メモリ111に記憶するPCM波形データのデータ量
を減少させることができる。また、特定高音高範囲に対
応するPCM波形データに係る波形として、図4(B)
(C)に示すように、1周期または半周期の波形を示し
たが、1/4周期の波形でも良いし、1周期以下でなく
複数周期の波形であっても良い。また、特定高音高範囲
に対応するPCM波形データに係る波形として1周期の
サイン波形であっても良い。このようにした場合には、
上記1周期のサイン波形は、特定高音高範囲の音高を発
音するだけでなく、当該電子楽器の出荷時に行うS/N
測定等において利用することができる。
【0087】また、本実施形態では、図5に示すように
特定低音高範囲に対応する音色パラメータは、通常音高
範囲で最も低い音高の音色パラメータを用いているが、
特定低音高範囲のみに対応する音色パラメータを用いる
ようにしても良い。また、本実施形態では、通常音高範
囲に対応するPCM波形データは2チャンネルのPCM
波形データとしているが、2チャンネル以上のPCM波
形データとしても良い。
【0088】また、本実施形態では、楽音発生装置を適
用した電子楽器について示しているが、本発明は電子楽
器に限らず、指示された演奏データに基づいて発音する
機能を有する機器に適用することができる。上記機器と
しては、例えば、指示された演奏データに基づいて発音
する機能を有するコンピュータや、外部の操作子や入力
される演奏データに基づいて音高等を変えることができ
るカラオケ装置等がある。
【0089】
【発明の効果】以上、説明したように本発明によれば、
指示された音高が第1の音高以下のときに読み出す上記
音色に応じた波形と、上記指示された音高が第1の音高
以上のときに読み出す上記指示された音高が発音可能な
上記複数の音色に共通の波形とをそれぞれ波形記憶手段
に記憶し、第1の音高以上の音高が指示された場合に
は、上記波形記憶手段から上記複数の音色に共通の波形
を選択的に読み出して指示された音高の楽音信号を生成
する。
【0090】これにより、指示された音高が第1の音高
以上であっても、指示された音高に対応した楽音信号を
生成することができ、第1の音高以上で用いる波形を音
色毎および音高毎に対応して波形記憶手段にそれぞれ記
憶することなく、指示された楽音の音高に対応した楽音
を正確に発音できる
【0091】また、指示された音高が第1の音高以上、
または上記第1の音高より低い第2の音高以下のときに
は、上記第1の音高と上記第2の音高との間の音高の楽
音信号を生成するチャンネルの数より少ない数のチャン
ネルを使用して上記第1の音高以上、または上記第2の
音高以下の楽音信号を生成するようにしたときには、容
易なチャンネルの制御で上記第1の音高以上、または上
記第2の音高以下の楽音信号を生成し、指示された音高
に対応した楽音を発音できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態による楽音発生装置を適用した電子
楽器の一構成例を示すブロック図である。
【図2】楽音発生部の詳細な構成を説明するための図で
ある。
【図3】波形メモリに記憶されているPCM波形データ
と鍵盤(キーナンバー)との対応関係を示す図である。
【図4】波形メモリに記憶されるPCM波形データに係
る波形を示した図である。
【図5】音色データメモリに記憶されている音色パラメ
ータと鍵域との対応関係を示す図である。
【図6】アサイメントメモリに設定されるパラメータの
内容を説明するための図である。
【図7】本実施形態による楽音発生装置を適用した電子
楽器の動作を示すフローチャートである。
【図8】従来の電子楽器における波形メモリとキーナン
バー(音高)との対応関係を示す図である。
【符号の説明】
101 CPU 102 操作パネル 103 ROM 103a プログラムメモリ 103b 音色データメモリ 104 RAM 105 鍵盤部 106 タッチセンサ 107 MIDIコントローラ 108 外部インタフェース 109 音源部 110 楽音発生部 111 波形メモリ 112 D/A変換器 113 アンプ 114、115 スピーカ 116 バス 201 アサイメントメモリ 202 Fナンバ演算部 203 フィルタ 204 エンベロープ発生部 205 乗算器 206 パンニング部

Claims (19)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 指示された音色および音高に応じて楽音
    信号を生成し発音する楽音発生装置であって、 複数の音色の波形を記憶する波形記憶手段と、 上記指示された音色および音高に応じて上記波形記憶手
    段に記憶された波形を選択的に読み出し、所定の処理を
    施して楽音信号を生成する楽音発生手段とを備え、 上記波形記憶手段は、上記指示された音高が第1の音高
    以下のときに読み出す上記音色に応じた波形と、上記指
    示された音高が第1の音高以上のときに読み出す上記指
    示された音高が発音可能な上記複数の音色に共通の波形
    とを記憶することを特徴とする楽音発生装置。
  2. 【請求項2】 上記指示された音高が第1の音高以下の
    ときに読み出す上記音色に応じた波形は、上記音色毎に
    異なる波形であることを特徴とする請求項1に記載の楽
    音発生装置。
  3. 【請求項3】 上記指示された音高が第1の音高以上の
    ときに読み出す上記複数の音色に共通の波形は、1つの
    波形であることを特徴とする請求項1に記載の楽音発生
    装置。
  4. 【請求項4】 上記指示された音高が第1の音高以上の
    ときに読み出す上記複数の音色に共通の波形は、7倍音
    以下の高調波のみで構成される波形であることを特徴と
    する請求項1に記載の楽音発生装置。
  5. 【請求項5】 上記波形記憶手段は、上記指示された音
    高が第1の音高以下のときに読み出す上記音色に応じた
    波形として複数周期の波形を記憶し、上記指示された音
    高が第1の音高以上のときに読み出す上記複数の音色に
    共通の波形として1周期以内の波形を記憶し、上記楽音
    発生手段は、上記指示された音高が第1の音高以上のと
    きには、上記1周期以内の波形を繰り返し読み出すこと
    を特徴とする請求項1に記載の楽音発生装置。
  6. 【請求項6】 上記楽音発生手段は、上記指示された音
    高が第1の音高以上のときには、上記指示された音高の
    楽音信号を生成することを特徴とする請求項1に記載の
    楽音発生装置。
  7. 【請求項7】 上記楽音発生手段は、上記指示された音
    高が第1の音高以上のときには、上記波形記憶手段から
    読み出した上記複数の音色に共通の波形に上記指示され
    た音色に対応した異なるエンベロープを付与することを
    特徴とする請求項1に記載の楽音発生装置。
  8. 【請求項8】 上記楽音発生手段は、上記楽音信号を生
    成するための複数のチャンネルを備え、 上記指示された音高が第1の音高以上のときには、第1
    の音高以下の楽音信号を生成する際に使用するチャンネ
    ルの数より少ない数のチャンネルを使用して楽音信号を
    生成することを特徴とする請求項1に記載の楽音発生装
    置。
  9. 【請求項9】 上記第1の音高は、通常音高範囲の音高
    の中で最も高い音高であることを特徴とする請求項1に
    記載の楽音発生装置。
  10. 【請求項10】 上記複数の音色は、上記楽音発生装置
    にて選択可能な全ての音色であることを特徴とする請求
    項1に記載の楽音発生装置。
  11. 【請求項11】 上記波形記憶手段は、DPCM方式ま
    たはADPCM方式を用いて、上記波形を記憶すること
    を特徴とする請求項1に記載の楽音発生装置。
  12. 【請求項12】 上記楽音発生手段は、上記楽音信号を
    生成するための複数のチャンネルを備え、 上記指示された音高が第1の音高以上、または上記第1
    の音高より低い第2の音高以下のときには、上記第1の
    音高と上記第2の音高との間の音高の楽音信号を生成す
    る際に使用するチャンネルの数より少ない数のチャンネ
    ルを使用して上記第1の音高以上、または上記第2の音
    高以下の楽音信号を生成することを特徴とする請求項1
    に記載の楽音発生装置。
  13. 【請求項13】 上記第2の音高は、通常音高範囲の音
    高の中で最も低い音高であることを特徴とする請求項1
    2に記載の楽音発生装置。
  14. 【請求項14】 上記楽音発生手段は、上記第1の音高
    以上、または上記第2の音高以下の楽音信号の生成する
    際に、1つのチャンネルを使用して楽音信号を生成する
    ことを特徴とする請求項12に記載の楽音発生装置。
  15. 【請求項15】 指示された音色および音高に応じて楽
    音信号を生成し発音する楽音発生方法であって、 上記指示された音高が第1の音高以下のときに読み出す
    上記音色に応じた波形と、上記指示された音高が第1の
    音高以上のときに読み出す上記指示された音高が発音可
    能な上記複数の音色に共通の波形とを波形記憶手段に記
    憶し、上記指示された音色および音高に応じて上記波形
    記憶手段に記憶されている波形を選択的に読み出し、所
    定の処理を施して楽音信号を生成することを特徴とする
    楽音発生方法。
  16. 【請求項16】 上記指示された音高が第1の音高以上
    のときに読み出す上記複数の音色に共通の波形は、1つ
    の波形であることを特徴とする請求項15に記載の楽音
    発生方法。
  17. 【請求項17】 上記楽音信号を生成する際に、上記指
    示された音高が第1の音高以上のときには、上記波形記
    憶手段から読み出した上記複数の音色に共通の波形に上
    記指示された音色に対応した異なるエンベロープを付与
    することを特徴とする請求項15に記載の楽音発生方
    法。
  18. 【請求項18】 上記波形は、DPCM方式またはAD
    PCM方式を用いて、上記波形記憶手段に記憶すること
    を特徴とする請求項15に記載の楽音発生方法。
  19. 【請求項19】 上記指示された音高が第1の音高以
    上、または上記第1の音高より低い第2の音高以下のと
    きには、上記第1の音高と上記第2の音高との間の音高
    の楽音信号を生成する際に使用する楽音信号を生成する
    ためのチャンネルの数より少ない数の上記チャンネルを
    使用して上記第1の音高以上、または上記第2の音高以
    下の楽音信号を生成することを特徴とする請求項15に
    記載の楽音発生方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008145777A (ja) * 2006-12-11 2008-06-26 Yamaha Corp 楽音信号発生装置及びカラオケ装置
JP2009244339A (ja) * 2008-03-28 2009-10-22 Kawai Musical Instr Mfg Co Ltd 電子楽音発生装置及びコンピュータプログラム

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