JP3556997B2 - 電子楽曲発生装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、電子楽曲発生装置に関し、特に各楽器の音源毎に音量を制御する電子楽曲発生装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
図2、3において、従来の電子楽曲発生装置について説明する。
磁気デイスク2や電子音楽用のキーボード3から発生された音楽データは、RAM1に一旦格納される。
磁気デイスク2には予め作成済のMIDIによる音楽データが記憶され、読み出し装置により読み出される。
キーボード3は作曲用のシンセサイザーボード等であり、音楽規則に基づきデータを作成し、MIDI仕様の音楽データを逐次RAM1に記録する。
【0003】
所定の制御装置により、RAM1からMIDIデータが読み出され、分離回路4に送られる。
さて、MIDIデータは図3に示すように、1個の音、各音符につき楽器種別信号と、音程信号と、拍子信号と、音量信号と、エンバロップ信号等から構成されている。
MIDIデータでは、楽器種別信号は、音源の種別、楽器音のピアノやバイオリンやドラム等のうちいずれかの楽器音発生器を指定する。
また、音程信号でドレミ等音の高低を、拍子信号で持続長を、音量信号で強さをそれぞれ指定し、エンバロップ信号で音の立ち上がり立ち下がり状態を制御し、このような音符を複数つなげ楽曲の旋律としている。
【0004】
分離回路4ではまず楽器種別信号を分離し、これを多数の楽器音発生器を有する音源回路30に送り、音源回路30では楽器種別信号に従い、各楽器音発生器から各楽器毎の音色の楽器信号を発生する。
次に、分離回路4は各楽器信号についての制御信号を楽曲制御回路31に送り、該当する楽器信号に対し、音程のドレミ等と、拍子の長さと、音量とエンバロップとをそれぞれ指定し、デジタルの楽器データする。
D/A変換器のD/Aコンバータ32では、これら楽器毎のデジタルの楽器データを、アナログ音楽信号にそれぞれ変換する。
【0005】
これらアナログ楽器信号は、合成回路5で合成され、和音(ポリフォリック)となり、ボリュウム回路6に送られる。
ボリュウム回路6では、音量制御回路7の設定量に従い、周波数帯域の低周波数帯、中周波数帯、高周波数帯毎に、制御量を独立に、音量が調整される。
調整済の楽曲信号は、スピーカにおくられ、そこで初めてMIDIデータは楽曲となって演奏される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来は、複数楽器のMIDI信号からそれぞれD/A変換されたアナログ信号を纏めて合成し、その和音(ポリフォリック)について、楽曲信号を周周波数帯で区切り、音量制御回路で音質を操作するグラフィックイコライザーである。
これら楽曲信号は、合成回路で合成された後なので、全楽器の低音部とか、中音部とか高音部とかを同時に変化させるものとなる。
例えば、低音部の増加では、全ての楽器、バイオリン、ドラム、フルート、ピアノ等の低音を同時に変化させるので、各楽器毎の音量を変化することができないという欠点があった。
この発明の目的は、各楽器毎の音量を独立に変化させて、変化に富んだ電子楽曲発生装置を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明では、MIDIの音楽データを複数の楽器音発生器からなる音源回路に送り、音源回路から該当楽器の音源信号をそれぞれ読み出し、楽曲制御回路に送るとともに、この楽曲制御回路で前記MIDI信号に従い、音程、拍子、音量、エンバロープにより歌の旋律となる楽曲信号を音源信号毎にそれぞれ作成し、その後、D/A変換器で、音源信号毎にそれぞれアナログ信号に変換し、音源信号毎のアナログ信号を合成回路で合成して和音信号とし、この和音信号について周波数帯域毎に音量を制御する電子楽曲発生装置において、
音源回路の楽器音発生器を低周波数帯と中周波数帯と高周波数帯に分類し、楽曲制御回路には音源信号に低周波数帯と中周波数帯と高周波数帯とを示す識別信号を付加して送る。
楽曲制御回路とD/A変換器との間には識別信号に従って各音源信号を演算する演算回路を、又低周波数帯と中周波数帯と高周波数帯の各音源信号をそれぞれ増・減させる制御信号を設定するスイッチ群と、これらスイッチ群の設定値を記憶し演算回路に送る設定回路とを設ける。
演算回路では、識別信号の各音源信号に対し、設定回路からの制御信号を、楽曲制御回路からの音量データに対し、低周波数帯の音源信号と、中周波数帯の音源信号と、高周波数帯の音源信号毎に独立に作用させて、各楽器毎の音源信号に対応して音量を制御する。
各楽器毎に対応したウエーブデータの音量データをコントロールするるグラフィックイコライザを得る。
【0008】
【実施例】
以下、この発明の電子楽曲発生装置を図面に従って説明する。
図1において、磁気デイスク2やキーボード3から発生された楽曲データは、RAM1に一旦格納される。
磁気デイスク2には予め作成済のMIDIの楽曲データが記憶され、キーボード3は作曲用のシンセサイザーボード等であり、楽曲規則により発生する楽曲データを逐次RAM1に記録する。
【0009】
制御装置により、RAM1からMIDIデータが読み出され、分離回路4に送られる。
MIDIデータは図3に示すように、1個の音、各音符につき楽器種別信号と、音程信号と、拍子信号と、音量信号と、エンバロップ信号等から構成されている。
音程信号は音源の種別、楽器音のピアノやバイオリンやドラム等の楽器音発生器を指定する。
音程信号でドレミ等を、拍子信号で持続長を、音量信号で強さをそれぞれ指定し、エンバロップ信号で音の立ち上がり立ち下がりを制御し、このような音符を複数つなげ楽曲の旋律としている。
【0010】
分離回路4ではまず楽器種別信号を分離し、これを多数の楽器音発生器を有す音源回路17に送り、音源回路17では楽器種別信号に従い、各楽器音発生器から楽器毎の識別符号付きの楽器信号を発生する。
音源回路17は各楽器音源を、低周波数音源L、中周波数音源M、高周波数音源Hに予め分類し、識別符号を付けて、音源別にイコライザの素子との対応テーブルを持つことになる。
各楽器音源を例えば、ドラムとバスを低周波数音源L18に、ピアノとギターを中周波数音源M19に、シンバルと三角キンとフルートとを高周波数音源H20にそれぞれ分類している。
【0011】
次に、分離回路4は各楽器の制御信号を楽曲制御回路21に送り、該当する識別符号付きの各楽器信号に対し、音程のドレミ等と、拍子の長さと、音量とエンバロップとをそれぞれ指定し、デジタルの各楽器の楽曲データする。
楽曲制御回路21からの各楽器の楽曲データは、各楽器音対応の演算器を有する多チャンネルの演算回路22に送られ、また、演算回路22には設定回路10からイコライザ設定値が加えられる。
設定回路10は各楽器音源に対し、低周波数音源L、中周波数音源M、高周波数音源H毎に音量の増減制御信号を発生し、演算回路22に送る。
設定回路10には、低周波数音源L用の増(UP)・減(DOWN)に関する減スイッチ11、増スイッチ12、中周波数音源M用の増減に関する減スイッチ13、増スイッチ14、高周波数音源H用の増減に関する減スイッチ15、増スイッチ16のスイッチ群が設けられている。
【0012】
これら増減スイッチ11〜16は例えばプッシュ構造のもので、1回押す毎に、増減制御信号+1(UP)や−1(DOWN)が設定回路10に設定される。以下同様に、2回押すと、増減制御信号+2(UP)や−2(DOWN)が設定回路10に設定される。
【0013】
演算回路22では、各楽器音源に対し、各イコライザ設定値に従って低周波数音源L、中周波数音源M、高周波数音源H毎に該当する楽器について、音量の増・減演算を行う。
演算回路22で音量の増・減処理された各楽器音は多チャンネルのD/Aコンバータ32にそれぞれ送られる。
【0014】
D/Aコンバータ32では、これら楽器毎のデジタルの楽曲データを、アナログ楽曲信号にそれぞれ変換する。
これらアナログ楽曲信号は、合成回路5で合成され、和音(ポリフォリック)となり、ボリュウム回路6に送られる。
ボリュウム回路6では、音量制御回路7の設定値に従って、周波数帯域の低周波数帯、中周波数帯、高周波数帯毎に独立に、音量が調整される。
調整済の楽曲信号は、スピーカにおくられ、そこで初めてMIDIデータは楽器音になって演奏される。
電子楽曲発生装置はイコライザとなり、設定回路10に設定された増減制御信号がイコライザに対する設定値となる。
【0015】
次に、動作について説明する。
図1では、音源回路17が5素子の場合を示し、低周波数音源Lにドラムとバス、中周波数音源Mにピアノとギター、高周波数音源Hにシンバルと三角キンとフルートとがそれぞれ分類されている。
今、設定回路10の設定データを、
低音 +5 増スイッチ12のみを5回プッシュ、
中音 0 増・減スイッチ13、14プッシュなし、
高音 0 増・減スイッチ15、16プッシュなしとすると、
【0016】
また、音源回路17内の各楽器音を示す音源素子と楽器分類の対応テーブルは、低周波数音源L ドラム バス ・・・
中周波数音源M ピアノ ギター ・・・
高周波数音源H シンバル 三角キン フルート・・・となっている。
MIDI信号に対応した楽曲制御回路21からのウエーブデータについて、演算回路22で、演算は、低音を+5せよとなり、
低音の音源素子に対応した楽器はドラムとバスだから、
ドラムのウエーブデータ x 設定回路10の設定データ(+5)、
バス ウエーブデータ x 設定回路10の設定データ(+5)を実行する。
【0017】
ドラムとバスのウエーブデータ内の音量データに設定回路10の設定値を乗算する。
中周波数音源Mや高中周波数音源Hについても同様なり、容易に推察できるので、これらの説明は省略する。
即ち、楽器音源のグラフィックイコオライザーの低音の素子をUP/DOWN(増・減)する指令を入力すると、低楽曲器の音量のみがUP/DOWNする。
同じくグラフィックイコオライザーの中音の素子をUP/DOWNする指令を入力すると、中楽曲器の音量のみがUP/DOWNする。
同じくグラフィックイコオライザーの高音の素子をUP/DOWNする指令を入力すると、高楽曲器の音量のみがUP/DOWNする。
従って、MIDI信号内の各楽器毎に音量データを操作できる。
【0018】
【発明の効果】
以上説明したように、この発明によれば、音源回路の楽器音発生器を低周波数帯と中周波数帯と高周波数帯に分類し、楽曲制御回路には音源信号に低周波数帯と中周波数帯と高周波数帯とを示す識別信号を付加して送る。
楽曲制御回路とD/A変換器との間には識別信号に従って各音源信号を演算する演算回路を、又低周波数帯と中周波数帯と高周波数帯の各音源信号をそれぞれ増・減させる制御信号を設定するスイッチ群と、これらスイッチ群の設定値を記憶し演算回路に送る設定回路とを設ける。
演算回路では、識別信号の各音源信号に対し、設定回路からの制御信号を、楽曲制御回路からの音量データに対し、低周波数帯の音源信号と、中周波数帯の音源信号と、高周波数帯の音源信号毎に独立に作用させて、各楽器毎の音源信号に対応して音量を制御する。
これにより、各楽器毎に対応したウエーブデータの音量データをコントロールして、音質を制御するグラフィックイコライザを得る。
デジタル段階で、楽器音源毎に演算処理するため音質劣化がなく、独立に音量を変化させるため楽器楽音の音色が変わらない。
この発明は、普及型のシンセサイザーやカラオケ装置等各種の電子楽器に利用でき、全体として低コストに容易に実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子楽曲発生装置のブロック図である。
【図2】従来の電子楽曲発生装置のブロック図である。
【図3】一般的なMIDIデータの信号構成図である。
【符号の説明】
1 RAM
2 磁気デイスク
3 キーボード
4 分離回路
5 合成回路
10 設定回路
11、13、15 減スイッチ
12、14、16 増スイッチ
17 音源回路
18 低周波数音源L
19 中周波数音源M
20 高周波数音源H
21 楽曲制御回路
22 演算回路
23 D/Aコンバータ

Claims (1)

  1. MIDIの音楽データを複数の楽器音発生器からなる音源回路に送り、音源回路から該当楽器の音源信号をそれぞれ読み出し、楽曲制御回路に送るとともに、この楽曲制御回路で前記MIDI信号に従い、音程、拍子、音量、エンバロープにより歌の旋律となる楽曲信号を音源信号毎にそれぞれ作成し、その後、D/A変換器で、音源信号毎にそれぞれアナログ信号に変換し、音源信号毎のアナログ信号を合成回路で合成して和音信号とし、この和音信号について周波数帯域毎に音量を制御する電子楽曲発生装置において、
    前記音源回路の楽器音発生器を低周波数帯と中周波数帯と高周波数帯に分類し、前記楽曲制御回路には前記音源信号に前記低周波数帯と中周波数帯と高周波数帯とを示す識別信号を付加して送るとともに、
    前記楽曲制御回路と前記D/A変換器との間には前記識別信号に従って前記各音源信号を演算する演算回路を、
    前記低周波数帯と中周波数帯と高周波数帯の各音源信号をそれぞれ増・減させる制御信号を設定するスイッチ群と
    これらスイッチ群の設定値を記憶し前記演算回路に送る設定回路とを設け、
    前記演算回路では、前記識別信号の各音源信号に対し、前記設定回路からの制御信号を、前記楽曲制御回路からの音量データに対し、前記低周波数帯の音源信号と、中周波数帯の音源信号と、高周波数帯の音源信号毎に独立に作用させて、
    各楽器毎の音源信号に対応して音量を制御することを特徴とする電子楽曲発生装置。
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