JP3614117B2 - 楽音信号処理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、発生される楽音信号の音量レベルに応じて同楽音信号に付与される音楽的効果の態様を変更制御する楽音信号処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、楽音信号発生回路から発生される楽音信号の音量レベルを検出して、同検出した音量レベルに応じて同楽音信号に付与される音楽的効果の態様を変更制御する楽音信号処理装置は知られている。また、この種の楽音信号処理装置においては、楽音信号を左右チャンネルに振分けて楽音信号発生回路から出力するようにした場合には、左右チャンネルの各楽音信号の音量レベルの平均値に応じて、各楽音信号に付与される音楽的効果の態様を変更制御するようにしていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記従来の装置のように、左右チャンネルの各楽音信号の音量レベルの平均値に応じて、各楽音信号に付与される音楽的効果の態様を変更制御すると、次のような問題がある。すなわち、ユーザが一方のチャンネルの楽音信号の発生を中断したとき、前記音量レベルの平均値が急激に半分に低下し、楽音信号に付与される音楽的効果の態様が急激に変化して音楽的に不自然になるという問題がある。また、一方のチャンネルで持続系の楽音信号を発生するとともに、他方のチャンネルで減衰系の楽音信号を発生する場合において、減衰系の楽音信号の音量レベルの変化が激しいので、楽音信号に付与される音楽的効果の態様が急激に変化し過ぎて音楽的に不自然になるという問題もある。
【0004】
また、楽音信号の音量レベルに応じて比例的に同楽音信号に付与される音楽的効果の態様を変更制御すると、楽音信号の音量レベルが低くなったとき、安定した音楽的効果の付与がなされないという問題もある。特に、減衰系の楽音信号においては、音量レベルの変動が大きく、音楽的効果の態様の変化が激しくて音楽的に不自然であるという問題もある。
【0005】
【発明の概要】
本発明は、上記問題に対処するためになされたもので、その目的は、発生楽音信号の音量レベルに応じて同楽音信号に付与される音楽的効果の態様を変更制御する楽音信号処理装置において、良好な音楽的効果の変化を実現するようにした楽音信号処理装置を提供することにある。
【0006】
前記目的を達成するために、本発明の構成上の特徴は、複数の楽音信号を形成するとともに同形成した複数の楽音信号を複数の楽音信号系列に振分けて出力する楽音信号発生回路と、前記出力された複数系列の楽音信号に音楽的効果を付与して出力する効果回路とを備えた楽音信号処理装置において、複数系列の楽音信号の各音量レベルをそれぞれ検出する音量レベル検出手段と、前記検出された各音量レベルのうちで最大の音量レベルを抽出する最大音量レベル抽出手段と、前記抽出された最大の音量レベルに応じて変化する制御信号を効果回路に出力して同効果回路にて楽音信号に付与される音楽的効果の態様を変更制御する効果制御手段とを設けたことにある。
【0007】
前記本発明の構成上の特徴においては、複数系列の楽音信号に付与される音楽的効果は、各系列の楽音信号の音量レベルのうちで最大の音量レベルに応じて変更制御されることになる。したがって、ユーザが一部の系列の楽音信号の発生を中断しても、一部の系列の楽音信号が減衰系の場合であっても、前記最大の音量レベルの変化はそれほど大きくなることはなく、楽音信号に付与される音楽的効果の態様が急激に変化することを回避できるので、良好な音楽的効果の変化を実現できる。
【0008】
また、本発明の他の構成上の特徴は、楽音信号を形成して出力する楽音信号発生回路と、前記出力された楽音信号に音楽的効果を付与して出力する効果回路とを備えた楽音信号処理装置において、楽音信号の音量レベルを検出する音量レベル検出手段と、音量レベルの閾値を所望の値に設定することが可能な閾値設定手段と、前記検出音量レベルと前記設定された閾値とを比較する比較手段と、比較手段の比較結果に基づいて、検出音量レベルが閾値以上のとき検出音量レベルに応じて効果回路にて楽音信号に付与される音楽的効果の態様を変更制御し、検出音量レベルが閾値未満のとき検出音量レベルとは独立して効果回路にて楽音信号に付与される音楽的効果の態様を所定態様に維持制御する効果制御手段とを設けたことにある。
【0009】
前記本発明の他の構成上の特徴においては、楽音信号の音量レベルが所定の閾値よりも低くなったときには、効果制御手段は、検出音量レベルとは独立して、効果回路にて楽音信号に付与される音楽的効果の態様を所定態様に維持制御する。したがって、楽音信号の音量レベルが低くなっても、特に楽音信号が減衰系の場合でも、楽音信号に付与される音楽的効果の態様を常に安定して制御できるので、良好な音楽的効果の変化を実現できる。また、比較手段にて比較される閾値を自由に変更できるので、ユーザは、音楽的効果の態様の変更制御における一部の特性を所望の特性に設定できるようになる。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1実施形態を図面を用いて説明すると、図1は、本発明の楽音信号処理装置を適用した電子楽器の全体をブロック図により示している。
【0012】
この電子楽器は、発生楽音の音高を指定するための複数の鍵からなる鍵盤10を有している。鍵盤10の各鍵の押離鍵は押鍵検出回路11によって検出されるようになっており、押鍵検出回路11によって検出された鍵の押離鍵を表す押離鍵信号は押鍵割当て回路12に供給されるようになっている。押鍵割り当て回路12は、鍵盤10におけるいずれかの鍵の押鍵に応答して、同押鍵された鍵に対応した楽音信号の形成を楽音信号発生回路20に設けられた複数の楽音信号形成チャンネルのうちのいずれかのチャンネルに割当てる。この場合、押鍵割り当て回路20から前記割当てられた楽音信号形成チャンネルに対して、押鍵された鍵を表すキーコードKCおよび押鍵を表すキーオン信号KONが供給される。また、押鍵割当て回路20は、鍵盤10におけるいずれかの鍵の離鍵に応答して、同離鍵された鍵に対応した楽音信号を発生中の楽音信号形成チャンネルを探し出し、同探し出した楽音信号形成チャンネルに対して離鍵を表すキーオフ信号KOFを供給する。
【0013】
楽音信号発生回路20は、前述した複数の楽音信号形成チャンネルを備え、同時に複数の楽音信号を形成出力することができるようになっている。各楽音信号形成チャンネルは、キーコードKCおよびキーオン信号KONの入力に応答して、同キーコードKCによって指定される音高の楽音信号をそれぞれ形成出力し始め、キーオフ信号KOFの入力に応答して発生中の楽音信号を減衰させてその発生を停止する。また、この楽音信号発生回路20は、形成された複数の楽音信号を複数の楽音信号系列に振分けて、効果回路30に出力する。なお、この第1実施形態において、楽音信号形成回路20から出力される複数系列の楽音信号はアナログ信号である。
【0014】
また、本実施形態においては、楽音信号系列の数は「2」であり、これらの楽音信号系列は左チャンネル信号Lおよび右チャンネル信号Rとして出力される。この場合、例えば鍵盤10がメロディ用鍵盤(またはメロディ用鍵域)と伴奏用鍵盤(または伴奏用鍵域)で構成されていれば、メロディ用鍵盤で演奏された楽音信号が左チャンネル信号Lとして振分けられるとともに、伴奏用鍵盤の演奏による楽音信号が右チャンネル信号Rとして振分けられる。また、これに代え、図示しないオートリズムによる演奏音、図示しない自動演奏装置(シーケンサ)による演奏音およびユーザによる演奏音などの演奏音の種類に応じて、楽音信号が左右チャンネル信号L,Rに振分けられるようにしてもよい。さらに、ピアノ音、バイオリン音、ギター音、打楽器音などのように発生される楽音信号の音色の種類によって、楽音信号が左右チャンネル信号L,Rに振分けられるようにしてもよい。
【0015】
効果回路30は、左右チャンネル信号L,Rに対して種々の音楽的効果を付加し、同音楽的効果の付加された左右チャンネル信号L,Rをアンプ41,42を介してスピーカ43,44にそれぞれ供給する。音楽的効果としては、音色(または音質)を変更する効果、フェイザー効果(位相シフトした信号と元信号を混合)、フランジャー効果(遅延信号と原音信号を混合)、トレモロ、コーラスなどの変調効果などの種々の効果が採用され、これらの効果は図示しない制御データ又はユーザによる選択によって選択的に楽音信号に付与される。
【0016】
また、この効果回路30は、後述する制御信号発生器57から出力される制御信号の大きさに応じて、左右チャンネル信号L,Rに対して付与される音楽的効果の態様を変更制御して出力する。言い換えれば、制御信号発生器57は、効果回路30に制御信号を出力して、効果回路30にて楽音信号に付加される音楽的効果の態様を制御信号の大きさに応じて変更制御する。例えば、音色(または音質)を変更する効果であれば、制御信号に応じてフィルタのカットオフ周波数、共振周波数、共振度などが変更制御される。フェイザー効果であれば、位相のシフト量が変更制御される。フランジャー効果であれば、楽音信号の遅延時間が変更制御される。トレモロ、コーラスなどの変調効果であれば、変調の深さ、変調の周波数が変更制御される。
【0017】
また、この電子楽器は、楽音信号の音量レベルに応じて効果回路30にて楽音信号に付与される音楽的効果の態様を変更制御するために、レベル検出回路51,52を備えている。レベル検出回路51,52は、整流回路及び積分回路(ローパスフィルタ)で構成され、左右チャンネル信号L,Rの振幅エンベロープを検出して音量レベルとして最大値抽出回路53にそれぞれ出力する。最大値抽出回路53は、レベル検出回路51,52から出力される各音量レベルを表す電圧信号のうちの大きな方の電圧信号を最大音量レベルLmaxとして選択回路54の第1入力に供給する。選択回路54の第2入力には、ポテンショメータ55からの閾値レベルLthを表す電圧信号が入力されている。このポテンショメータ55の可動子は操作子55aの操作によって可動されるもので、同操作子55aの操作位置に応じて閾値レベルLthは連続的に変化する。
【0018】
これらの最大音量レベルLmaxおよび閾値レベルLthは、比較器56の正負の入力にもそれぞれ入力されている。比較器56の出力は選択回路54の選択制御入力に供給されており、比較器56は、最大音量レベルLmaxが閾値レベルLth以上であるとき選択回路54にハイレベル信号を出力して、選択回路54に第1入力である最大音量レベルLmaxを選択出力させる。一方、最大音量レベルLmaxが閾値レベルLth未満であるとき、比較器56は、選択回路54にローレベル信号を出力して、選択回路54に第2入力である閾値レベルLthを選択出力させる。
【0019】
選択回路54の出力電圧は、制御信号発生器57に入力される。制御信号発生器57は、選択回路54と共に効果制御手段を構成するもので、入力信号をそのレベルに応じて変化するレベルを有する制御信号に変換して出力するもので、所定の変換特性を有する関数発生器などで構成されている。この変換特性は、例えば図2の細い実線に示すように、入力信号のレベルが増加するに従って出力信号(制御信号)のレベルが増加するように定められている。したがって、この場合、最大値抽出回路53の出力信号である最大音量レベルLmaxが閾値レベルLth以上であれば、制御信号発生器57は、図2の太い実線のように、最大音量レベルLmaxの増加に従って増加する制御信号を出力する。しかし、最大値抽出回路53の出力信号である最大音量レベルLmaxが閾値レベルLth未満であれば、制御信号発生器57は、選択回路54および比較器56との協働により、図2の太い破線のように、閾値レベルLthに対応した一定レベルの制御信号を出力する。
【0020】
次に、上記のように構成した第1実施形態の動作を説明する。ユーザが鍵盤10の各鍵を押離鍵操作すると、押鍵検出回路11の押離鍵検出動作および押鍵割当て回路12の割当て動作により、楽音信号発生回路20は、前記押離鍵操作に対応した楽音信号を形成して出力する。この楽音信号の発生においては、複数の楽音信号が、左右チャンネル信号L,Rに振分けられて出力される。例えば、前述したように、演奏された鍵盤の種類、演奏音の種類、発生楽音信号の音色の種類などに応じて、複数の楽音信号は左右チャンネル信号L,Rに振分けられる。
【0021】
そして、この左右チャンネル信号L,Rは、効果回路30に導かれ、同効果回路30にて、音色(または音質)を変更する効果、フェイザー効果、フランジャー効果、トレモロ、コーラスなどの変調効果などの種々の効果が付与される。この効果の付与された左右チャンネル信号L,Rは、アンプ41,42を介してスピーカ43,44に導かれて、スピーカ43,44から楽音として発音される。
【0022】
一方、レベル検出回路51,52、最大値抽出回路53、選択回路54、比較器56及び制御信号発生器57は、発生される楽音信号の音量レベルに応じた制御信号を効果回路30に出力して、効果回路30にて発生楽音信号に付与される音楽的効果の態様を制御する。
【0023】
この音楽的効果の付与態様の制御においては、レベル検出回路51,52が左右チャンネル信号L,Rの各音量レベルをそれぞれ検出し、最大値抽出回路53が左右チャンネル信号L,Rの各音量レベルのうちの大きい方の音量レベルを抽出して最大音量レベルLmaxとして出力する。そして、最大音量レベルLmaxが閾値レベルLth以上であれば、選択回路54、比較器56および制御信号発生器57の作用により、効果回路30には図2の太い実線で示すような制御信号が供給され、同効果回路30にて左右チャンネル信号L,Rに付与される音楽的効果の態様は、最大音量レベルLmaxに応じて変更制御される。
【0024】
したがって、ユーザが左右チャンネル信号L,Rの一方の系列の楽音信号の発生を中断しても、また一方の系列の楽音信号が減衰系の場合であっても、最大音量レベルLmaxの変化はそれほど大きくなることはなく、楽音信号に付与される音楽的効果の態様が急激に変化することを回避できるので、良好な音楽的効果の変化を実現できる。
【0025】
また、最大音量レベルLmaxが閾値レベルLth未満であれば、選択回路54、ポテンショメータ55および比較器56の作用により、制御信号発生器57にはポテンショメータ55からの閾値レベルLthが常に供給されることになる。そして、制御信号発生器57から効果回路30には、図2の太い破線のように、最大音量レベルLmaxとは無関係に、閾値レベルLthに対応した一定レベルの制御信号が供給される。したがって、効果回路30にて楽音信号に付与される効果の態様は、左右チャンネル信号L,Rの音量レベルとは無関係に、所定態様に維持制御される。これにより、楽音信号の音量レベルが低くなっても、特に減衰系の楽音信号の場合でも、楽音信号に付与される音楽的効果の態様を常に安定して制御できるので、良好な音楽的効果の変化を実現できる。
【0026】
また、前記閾値レベルLthは、操作子55aの操作によってユーザが任意に変更できる。したがって、ユーザは、音楽的効果の態様の変更制御における一部の特性をユーザの所望の特性にすることができる。
【0027】
次に、本発明の第2実施形態に係る電子楽器について説明する。この第2実施形態に係る電子楽器は、図3に示すように、上記第1実施形態と同様な鍵盤10、押鍵検出回路11および押鍵割当て回路12を備えている。なお、この第2実施形態においては、鍵盤10はメロディ用鍵盤(またはメロディ用鍵域)と伴奏用鍵盤(または伴奏用鍵域)とを備えていることを特徴の一つとしている。そして、押鍵割当て回路12は、上記第1実施形態と同様なキーコードKC、キーオン信号KONおよびキーオフ信号KOFの他に、前記キーコードKCおよびキーオン信号KONがメロディ用鍵盤の押鍵に関するものであるか、伴奏用鍵盤の押鍵に関するものであるかを表す鍵識別信号U/Lを出力する。なお、これらの各種信号KC,KON,KOF,U/Lは、楽音信号の各時分割チャンネルに対応した時分割タイミングで楽音信号発生回路20Aに出力され、特に鍵識別信号U/Lは前記時分割タイミングで繰り返し出力される。
【0028】
楽音信号発生回路20Aは、上記第1実施形態の楽音信号発生回路20とほぼ同一機能を有するものであるが、左右チャンネル信号L,Rとしてディジタル形式の楽音信号が出力される点で上記第1実施形態のものとは異なる。この楽音信号発生回路20Aにおいては、時分割チャンネルごとに発生される楽音信号および同チャンネルごとに発生される振幅エンベロープ信号を利用するために、その内部が詳細に示されている。すなわち、楽音信号発生回路20Aは、波形発生部21、フィルタ部22、フィルタ制御信号発生部23、振幅制御部24、振幅エンベロープ波形発生部25、左右チャンネル振分け部26およびアキュムレータ27,28を備えている。
【0029】
波形発生部21は、キーコードKCによって表された音高に対応したレートで音源波形の波形サンプル値を波形メモリから読出しまたは演算により順次繰り返す出力する。フィルタ部22は、フィルタ制御信号発生部23からのフィルタ制御信号により、波形発生部21から出力された一連の波形サンプル値により表された波形信号の周波数特性を制御して出力する。フィルタ制御信号発生部23は、キーオン信号KONおよびキーオフ信号KOFに応答して、楽音信号の発生中に時間変化するフィルタ制御信号を出力する。振幅制御部24は、フィルタ部22からの波形信号に振幅エンベロープ波形発生部25からの振幅エンベロープ波形を付与して出力する。振幅エンベロープ波形発生部25は、キーオン信号KONおよびキーオフ信号KOFに応答して、楽音信号の発生開始から終了までの振幅エンベロープを表す振幅エンベロープ波形信号を出力する。
【0030】
これらの波形発生部21、フィルタ部22、フィルタ制御信号発生部23、振幅制御部24および振幅エンベロープ波形発生部25は、それぞれ同期して時分割動作し、同時に発音可能な楽音数に等しい複数の時分割チャンネル(楽音信号形成チャンネルに対応)ごとに一楽音信号の一サンプル値を順次ディジタル演算する。なお、この同時に発音可能な楽音数に等しい複数の時分割チャンネルの演算に必要な時間を1サンプル時間という。
【0031】
左右チャンネル振分け部26は、時分割チャンネルに対応した時分割タイミングごとに押鍵割当て回路12から出力される鍵識別信号U/Lに基づいて、振幅制御部24から前記時分割タイミングごとに出力される楽音信号波形値を左右チャンネルに振分けてアキュムレータ27,28に供給する。各アキュムレータ27,28は、一サンプル時間ごとにその間に入力される楽音信号波形値をそれぞれディジタル的に累算して、左右チャンネル信号L,Rとして効果回路30Aに出力する。
【0032】
効果回路30Aも、上記第1実施形態の効果回路30と同様に、左右チャンネル信号L,Rに音色(または音質)を変更する効果、フェイザー効果、フランジャー効果、トレモロ、コーラスなどの変調効果などの種々の効果を付与するものである。しかし、この場合には、効果回路30Aは、ディジタル処理回路で構成され、ディジタル的に音楽的効果の付与されたディジタル形式の左右チャンネル信号L,RをD/A変換器45,46に出力する。D/A変換器45,46は、ディジタル形式の左右チャンネル信号L,Rを一サンプル時間ごとにアナログ信号に変換して上記第1実施形態と同様なアンプ41,42およびスピーカ43,44に出力する。
【0033】
また、この第2実施形態においても、効果回路30Aにて楽音信号に付与される音楽的効果の態様を制御するための最大値抽出回路53A、選択回路54A、閾値レベル発生器55A、比較器56Aおよび制御信号発生器57Aが設けられている。最大値抽出回路53A、選択回路54A、比較器56Aおよび制御信号発生器57Aは、ディジタル形式の信号を処理する点を除いて、上記第1実施形態の最大値抽出回路53、選択回路54、比較器56および制御信号発生器57と同一機能を発揮する。特に、最大値抽出回路53Aは、上記第1実施形態と同様な最大音量レベルLmaxを表すディジタル信号を選択回路54Aに出力する。閾値レベル発生器55Aは、上記第1実施形態のポテンショメータ55に対応するもので、操作子55aの操作位置に応じて閾値Lthを表すディジタル信号を出力する。
【0034】
また、この第2実施形態においては、上記第1実施形態のレベル検出回路51,52と同様に左右チャンネル信号L,Rの音量レベルを検出するための左右チャンネル振分け回路61およびアキュムレータ62,63が設けられている。左右チャンネル振分け回路61は、前述した鍵識別信号U/Lに基づいて、振幅エンベロープ波形発生部25から前記時分割タイミングごとに出力される振幅エンベロープ波形値を左右チャンネルに振分けてアキュムレータ62,63に供給する。各アキュムレータ62,63は、一サンプル時間ごとにその間に入力される振幅エンベロープ波形値をそれぞれディジタル的に累算して、左右チャンネル信号L,Rの音量レベルとして最大値抽出回路53Aに出力する。
【0035】
この場合、振幅エンベロープ波形発生部25から時分割出力される振幅エンベロープ波形値は、同時に発生される各楽音信号の各音量レベルの瞬時値を表すものである。したがって、左右チャンネル振分け回路61により左右チャンネルL,Rに対応して振分けられ、アキュムレータ62,63により一サンプル時間にわたって累算された左右チャンネルL,Rごとの振幅エンベロープ波形値の各累算値は、左右チャンネル信号L,Rの各音量レベルを表している。
【0036】
このように構成した第2実施形態に係る電子楽器においても、上記第1実施形態の場合と同様に、ユーザが鍵盤10の各鍵を押離鍵操作すると、押鍵検出回路11および押鍵割当て回路12の動作により、前記押離鍵操作に対応した楽音信号が左右チャンネル信号L,Rに振分けられて楽音信号発生回路20Aから出力される。そして、この左右チャンネル信号L,Rは、効果回路30Aにて上記第1実施形態の場合と同様な音楽的効果が付与されて出力される。
【0037】
また、この第2実施形態においても、アキュムレータ62,63の各出力は左右チャンネル信号L,Rの各音量レベルを表しているので、効果回路30Aにおいて左右チャンネル信号L,Rに付与される音楽的効果の態様が発生される楽音信号の音量レベルに応じて制御される点も上記第1実施形態の場合と同じである。また、この第2実施形態においても、最大音量レベルLmaxが閾値レベルLth以上であれば、最大値抽出回路53A、選択回路54A、比較器56Aおよび制御信号発生器57Aにより、効果回路30Aにて左右チャンネル信号L,Rに付与される音楽的効果の態様は、最大音量レベルLmaxに応じて変更制御される。したがって、この場合も、ユーザが左右チャンネル信号L,Rの一方の系列の楽音信号の発生を中断しても、また一方の系列の楽音信号が減衰系の場合であっても、楽音信号に付与される音楽的効果の態様が急激に変化することを回避できるので、良好な音楽的効果の変化を実現できる。
【0038】
また、最大音量レベルLmaxが閾値レベルLth未満であれば、選択回路54A、閾値レベル発生器55A、比較器56Aおよび制御信号発生器57Aの作用により、最大音量レベルLmaxとは無関係に、閾値レベルLthに対応した一定レベルの制御信号が効果回路30Aに供給される。そして、この場合も、効果回路30Aにて楽音信号に付与される音楽的効果の態様は、左右チャンネル信号L,Rの音量レベルとは無関係に、所定態様に維持制御されるので、楽音信号の音量レベルが低くなっても、特に減衰系の楽音信号の場合でも、楽音信号に付与される音楽的効果の態様を常に安定して制御できるので、良好な音楽的効果の変化を実現できる。
【0039】
また、前記閾値レベルLthを、操作子55aの操作によってユーザが任意に変更できる点も上記第1実施形態と同じであり、この場合も、ユーザは、音楽的効果の態様の変更制御における一部の特性を所望の特性にすることができる。
【0040】
さらに、この第2実施形態においては、左右チャンネル振分け回路61およびアキュムレータ62,63により、振幅エンベロープ波形発生部25から出力されるディジタル形式の振幅エンベロープ波形値を用いて左右チャンネル信号L,Rの各音量レベルを検出するようにした。したがって、この方法によれば、音量レベルを表す値が直接的に演算により導出されるので、左右チャンネル信号L,Rの音量レベルが簡単かつ正確に検出され、簡単な構成で良好な音楽的効果の付与態様を変更制御できる。
【0041】
なお、上記第2実施形態においても、上記第1実施形態の場合と同様に、演奏音の種類、発生楽音信号の音色の種類などに応じて、複数の楽音信号を左右チャンネル信号L,Rに振分けるようにしてもよい。この場合、左右チャンネル振分け部26および左右チャンネル振分け回路61を、上記鍵識別信号U/Rに代えて、前記演奏音の種類、発生楽音信号の音色の種類などを表す信号を用いて振分けを制御させるようにすればよい。
【0042】
また、上記第2実施形態においても、上記第1実施形態の場合と同様に、左右チャンネル信号L,Rに基づいて各音量レベルを検出するようにしてもよい。この場合、アキュムレータ27,28の出力を絶対値変換するとともに、同絶対値変換された値を平滑化(ローパスフィルタ処理)するようにして、左右チャンネル信号L,Rの各音量レベルを検出するようにすればよい。
【0043】
なお、上記第1および第2実施形態においては、出力される楽音信号の系列を左右の2チャンネルしたが、さらに多くの系列数を有する電子楽器にも本発明は適用されるものである。この場合、各系列ごとにレベル検出回路51(または52)を設けたり、アキュムレータ62(または63)をそれぞれ設けるようにして、最大値抽出回路53,53Aで全てのレベル検出回路またはアキュムレータ出力のうちから最大値を抽出するようにすればよい。
【0044】
また、上記第1および第2実施形態においては、全ての回路をハード回路で構成するようにしたが、これらの回路の機能の一部または全部をプログラム制御によるソフト処理によっても実現できる。例えば、楽音信号の形成、音楽的効果の付加、音量レベルの検出、最大値の抽出、楽音信号に付与される音楽的効果の態様の変更制御などの一部または全部の処理をプログラム制御によるソフト処理によって行うようにしてもよい。
【0045】
また、上記第1および第2実施形態においては、本発明を鍵盤10を有する電子楽器に適用した例について説明したが、本発明は、鍵盤10を備えていなくても、楽音信号を形成出力する音源回路ユニットおよび音楽的効果を楽音信号に付加することが可能な効果回路ユニットを備えた各種音楽機器にも適用できる。例えば、自動演奏機、シーケンサ、リズム装置などの音楽機器にも適用可能である。
【0046】
さらに、本発明の実施にあたっては、上記各実施形態及びそれらの変形例に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る電子楽器の概略ブロック図である。
【図2】図1の制御信号発生器における信号の変換特性を示すグラフである。
【図3】本発明の第2実施形態に係る電子楽器の概略ブロック図である。
【符号の説明】
10…鍵盤、11…押鍵検出回路、12…押鍵割当て回路、20,20A…楽音信号発生回路、30,30A…効果回路、43,44…スピーカ、51,52…レベル検出回路、53,53A…最大値抽出回路,54,54A…選択回路、55…ポテンショメータ、55A…閾値レベル発生器、55a…操作子、56,56A…比較器、57,57A…制御信号発生器、61…左右チャンネル振分け回路、62,63…アキュムレータ。

Claims (2)

  1. 複数の楽音信号を形成するとともに同形成した複数の楽音信号を複数の楽音信号系列に振分けて出力する楽音信号発生回路と、
    前記出力された複数系列の楽音信号に音楽的効果を付与して出力する効果回路とを備えた楽音信号処理装置において、
    前記複数系列の楽音信号の各音量レベルをそれぞれ検出する音量レベル検出手段と、
    前記検出された各音量レベルのうちで最大の音量レベルを抽出する最大音量レベル抽出手段と、
    前記抽出された最大の音量レベルに応じて変化する制御信号を前記効果回路に出力して同効果回路にて楽音信号に付与される音楽的効果の態様を変更制御する効果制御手段とを設けたことを特徴とする楽音信号処理装置。
  2. 楽音信号を形成して出力する楽音信号発生回路と、
    前記出力された楽音信号に音楽的効果を付与して出力する効果回路とを備えた楽音信号処理装置において、
    前記楽音信号の音量レベルを検出する音量レベル検出手段と、
    音量レベルの閾値を所望の値に設定することが可能な閾値設定手段と、
    前記検出音量レベルと前記設定された閾値とを比較する比較手段と、
    前記比較手段の比較結果に基づいて、前記検出音量レベルが前記閾値以上のとき同検出音量レベルに応じて前記効果回路にて楽音信号に付与される音楽的効果の態様を変更制御し、同検出音量レベルが同閾値未満のとき同検出音量レベルとは独立して前記効果回路にて楽音信号に付与される音楽的効果の態様を所定態様に維持制御する効果制御手段とを設けたことを特徴とする楽音信号処理装置。
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