JP3632797B2 - 電子楽器 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子楽器に関し、さらに詳細には、楽音処理資源を使用して種々の楽音処理装置を構成することのできる電子楽器に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、フィルタ、コーラスあるいはリバーブなどのような、楽音に何等かの効果を付与する各種の楽音処理装置が実現されており、一般的にこうした楽音処理装置は、DSP(デジタル・シグナル・プロセッサ)などの処理手段によって構成されている。このようにDSPなどの処理手段によって楽音処理装置を構成する場合には、当該楽音処理装置を構成するにあたって、所定の量の楽音処理資源を必要としていた。
【0003】
ここにおいて、楽音処理資源とは、DSPなどの処理手段の処理量(所定時間当たりの演算回数)、DSPなどの処理手段のプログラムを記憶するメモリの記憶容量、DSPなどの処理手段のプログラム実行時に必要とされる乗算係数などのパラメータを記憶するメモリの記憶容量ならびにDSPなどの処理手段の演算の途中結果を記憶するメモリの記憶容量などを意味するものである。
【0004】
ところで、従来より一般的に使用されている電子楽器においては、使用可能な楽音処理装置の数ならびに楽音処理装置間の接続状態が固定的に設定されており、当該電子楽器の使用者が任意に楽音処理装置の数を増加させたり、楽音処理装置間の接続状態を変更したりすることはできなかった。
【0005】
しかしながら、近年においては、DSPなどの処理手段のプログラムを変更することができるように構成し、使用可能な楽音処理装置の数や楽音処理装置間の接続状態を、使用者が任意に設定できるようにした電子楽器が提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、楽音処理装置の数を増加しようとしたり、あるいは楽音処理装置間の接続状態を変えようとしたりするためには、そのための楽音処理資源がDSPなどの処理手段に使用可能な状態(未使用状態)で残存していなければならないが、DSPなどの処理手段においては、当然のことながら楽音処理資源の量が限られているため、楽音処理装置の数を増加しようとしたり、あるいは楽音処理装置間の接続状態を変えようとしたりしても、そうしたことを行うことができない場合がある。
【0007】
このため、電子楽器の使用者が楽音処理装置の数を増加させたり、あるいは楽音処理装置間の接続状態を変えようとしたりする場合に、使用可能な楽音処理資源の量に基づいて、増加しようとする楽音処理装置の構築の可能性や、楽音処理装置間の接続状態の変更の可能性に関する情報を、使用者に知らせることのできる電子楽器の案出が強く望まれていた。
【0008】
本発明は、従来の技術の有するこのような要望に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、所定量の楽音処理資源を有するDSPなどの処理手段を用いて任意の楽音処理装置を構成する電子楽器において、新たに楽音処理装置を増やそうとする場合や、楽音処理装置間の接続状態を変えようする場合などのときに、使用可能な楽音処理資源の量に基づいて、増やそうとする楽音処理装置の構築の可能性や、楽音処理装置間の接続状態の変更の可能性などに関する情報を、使用者に知らせることのできる電子楽器を提供しようとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明による電子楽器は、楽音を処理するために用いられる楽音処理資源を有し、上記楽音処理資源を使用して種々の楽音処理装置を構成する電子楽器において、複数の楽音処理装置から所望の楽音処理装置を選択する選択手段と、上記楽音処理装置を構成するために必要とされる楽音処理資源の量を示す情報を、複数の楽音処理装置各々に対応して記憶する記憶手段と、上記記憶手段に記憶された楽音処理装置を構成するために必要とされる楽音処理資源の量を示す情報を読み出す読み出し手段と、上記読み出し手段で読み出された情報に応じた楽音処理装置を構成するために必要とされる楽音処理資源の量と使用可能な楽音処理資源の量とを比較する比較手段と、上記比較手段による比較結果に基づいて、上記選択手段による選択の可否を制御する選択制御手段とを有するようにした。
【0010】
このように構成すると、使用可能な楽音処理資源の量では構築不可能な楽音処理装置を選択することができないようにすることができ、使用者は、使用可能な楽音処理資源の量によって構築可能な楽音処理装置を容易に認識することができる。
【0011】
また、本発明による電子楽器は、楽音を処理するために用いられる楽音処理資源を有し、上記楽音処理資源を使用して種々の楽音処理装置を構成する電子楽器において、楽音処理装置を表示する表示手段と、上記楽音処理装置を構成するために必要とされる楽音処理資源の量を示す情報を、複数の楽音処理装置各々に対応して記憶する記憶手段と、上記記憶手段に記憶された楽音処理装置を構成するために必要とされる楽音処理資源の量を示す情報を読み出す読み出し手段と、上記読み出し手段で読み出された情報に応じた楽音処理装置を構成するために必要とされる楽音処理資源の量と使用可能な楽音処理資源の量とを比較する比較手段と、上記比較手段による比較結果に基づいて、各々の楽音処理装置を上記表示手段に異なる表示形態で表示するように上記表示手段を制御する表示制御手段とを有するようにしたものである。
【0012】
このように構成すると、使用可能な楽音処理資源の量で構築可能な楽音処理装置と構築不可能な楽音処理装置とを視覚的に識別させることができるようになるので、楽音処理装置の選択操作が容易となる。
【0013】
また、本発明による電子楽器は、楽音を処理するために用いられる楽音処理資源を有し、上記楽音処理資源を使用して種々の楽音処理装置を構成する電子楽器において、楽音処理装置を表示する表示手段と、上記楽音処理装置を構成するために必要とされる楽音処理資源の量を示す情報を、複数の楽音処理装置各々に対応して記憶する記憶手段と、上記記憶手段に記憶された楽音処理装置を構成するために必要とされる楽音処理資源の量を示す情報を読み出す読み出し手段と、上記読み出し手段で読み出された楽音処理装置を構成するために必要とされる楽音処理資源の量を示す情報に基づいて、楽音処理装置毎に必要とされる楽音処理資源の量を上記表示手段に表示するとともに、使用可能な楽音処理資源の量を上記表示手段に表示するように上記表示手段を制御する表示制御手段とを有するようにしたものである。
【0014】
このように構成すると、使用者は、楽音処理装置を構成する際に必要な楽音処理資源の量を容易に把握できるため、楽音処理装置を構成する際に必要な楽音処理資源の量と使用可能な楽音処理資源の量とを比較しながら、使用者にとって最も好ましい楽音処理装置の組み合わせを容易に選択することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、添付の図面を参照しながら、本発明による電子楽器の実施の形態を詳細に説明する。
【0016】
図1には、本発明の実施の形態の一例による電子楽器のブロック構成図が示されており、この電子楽器は、制御部10によりこの電子楽器全体の制御を行うようになされている。
【0017】
そして、この制御部10には、バス12を介して、楽音生成部14と、楽音処理部16と、放音部18と、MIDI受信部20と、操作パネル部22とが接続されている。
【0018】
上記した制御部10は、CPU(中央処理装置)と、CPUが実行するプログラムやプログラムの処理に必要なデータなどを記憶するROM(リード・オンリ・メモリ)と、ワーキング・エリアおよびデータ記憶エリアとしてのRAM(ランダム・アクセス・メモリ)となどから構成されている。
【0019】
また、楽音生成部14は、CPU10の制御に基づいて楽音信号を生成するものであり、本実施の形態においては、4つのパート(後述する)にそれぞれ対応する4つの楽音生成回路により構成されている。そして、各楽音生成回路は波形記憶ROMや波形読み出し回路などから構成され、同時に複数の楽音を生成可能なように、24個のボイス(楽音生成チャンネル)を有している(従って、この電子楽器においては、同時に最大24個の楽音を生成することが可能である。)。
【0020】
楽音処理部16は、楽音生成部14によって生成された楽音信号に対して、各種の効果を付与する各種の楽音処理装置を構成するものであり、4つのパートにそれぞれ対応する4つの楽音処理回路と、各パートの楽音を混合する混合回路と、全パートに共通の混合された楽音のための楽音処理装置を構築するための楽音処理回路とから構成されている。
【0021】
楽音処理部16における各楽音処理回路は同一の構成であり、DSPと、DSPのプログラムやDSPの演算に必要な乗算係数などのパラメータやDSPの演算の途中結果などを記憶するRAMとなどから構成されている。
【0022】
放音部18は、アンプやスピーカーなどから構成され、楽音処理部16において各種の効果を付与された楽音信号を、空間に楽音として放音するものである。MIDI受信部20は、外部機器から出力されたMIDI信号を入力するためのものであり、制御部10はMIDI受信部20から入力されたMIDI信号に基づいて、楽音生成部14のボイスにMIDI信号に基づく音高、音量などの楽音制御情報を割り当て、さらに楽音処理部16を制御して、所望の楽音信号を生成させることになる。
【0023】
操作パネル部22には、この電子楽器の使用者が所望の情報を入力するための操作子群と、所定の情報を表示するための表示器22aとが設けられており、操作子群によって入力された情報は制御部10に供給され、制御部10からは表示器22aに表示する表示内容を示す情報が供給される。表示器22aとしては、例えば、液晶表示パネルなどが用いられるものであり、本発明の実施に関連する操作子群としては、表示器22a上に示されるカーソルCの位置を移動させるためのカーソル左方向移動キー22bと、カーソル右方向移動キー22cと、カーソル上方向移動キー22dと、カーソル下方向移動キー22eと、エンター・キー22fと、数値を入力するためのテン・キー22gと、デリート・キー22hと、楽音処理装置を接続するルートを指定するためのボイス選択キー22i、トーン選択キー22j、パート選択キー22k、パフォーマンス選択キー22lとが配設されている。
【0024】
ここにおいて、本実施の形態では、楽音処理部16において構成される楽音処理装置として、フィルタ、フェイザ、ディストーション、コーラス、ディレイ、リバーブが設定されており、制御部10のROMには、こうした楽音処理装置毎に、当該楽音処理装置を構成するために必要なDSPのプログラムの他に、当該楽音処理装置を構成するために必要なDSPの演算回数、プログラムを記憶するメモリの記憶容量、プログラム実行時に必要とされる乗算係数などのパラメータを記憶するメモリの記憶容量、演算の途中結果を記憶するメモリの記憶容量という楽音処理資源の量が記憶されている。
【0025】
さらに、制御部10のROMには、楽音処理装置を全く構成していない状態における楽音処理回路の楽音処理資源の量、即ち、未使用の楽音処理資源の量の初期値が記憶されている。
【0026】
以上の構成において、図5および図6に示すフローチャートを参照しながら後述するように、制御部10は、操作パネル部22から入力された楽音処理装置に関する情報に基づき、楽音処理部16に対して楽音処理装置を構成するためのDSPのプログラムの転送ならびに書き換えを、接続設定モードにおいて行うことになる。
【0027】
なお、DSPのプログラムを書き換えることにより、DSPの処理内容を変更することは、例えば、特開昭6−149252号公報などに開示された公知の技術であるため、ここに特開昭6−149252号公報を引用することにより詳細な説明は省略する。
【0028】
上記した構成の本発明による電子楽器においては、楽音生成のための様々なルート(後述するボイス、トーン、パート、パフォーマンス)に対して、楽音処理装置を接続(挿入)することができるようになされている。
【0029】
図2は、上記した楽音生成の様々なルートに楽音処理装置を接続(挿入)する状態を示す説明図(図2は、後述する発音モードが「2」である場合を例として示している。)であり、図2において、「n」はノート、「v」はボイス、「pt」はパート、「pf」はパフォーマンス、「e」は楽音処理装置を接続(挿入)することができる位置を示している。
【0030】
ここにおいて、「n:ノート」は、発音指示(例えば、鍵盤の鍵により行われる。)に対応する単位であり、所謂、音名「ド」、「レ」、「ミ」・・・に対応するものである。
【0031】
「v:ボイス」は、楽音を生成するための最小単位であり、所謂、楽音生成チャンネルのことである。1ノート当たりの発音数を指定する発音モードによって、1つのノートに対して1、2、3、4の最大4つのボイス(v1、v2、v3、v4)まで使用することができる。上記したようにボイスは全部で24個あるので、最大発音可能なノート数は、発音モードに応じて以下のように変化する。
発音モード(1ノート当たりのボイス数) 発音可能ノート数
1 24
2 12
3 8
4 6
「t:トーン」は、一つのパート(後述するように、楽器の音色に対応する。)の音を構成する部分音を形成するための単位である。従って、1つ1つのトーンは、例えば、ピアノのハンマー音、ピアノの定常音などとなる。この電子楽器においては、最大4つのトーン(t1、t2、t3、t4)を組み合わせて1つのパートを形成することができる。従って実際には、1つのノートに対応して、トーンの数だけのボイスが使用されることになる。この場合には、各ボイスの音色は、対応するトーンに基づいて制御される。
【0032】
「パート:pt」は、1つの楽器の音色に対応するものであり、例えば、ピアノ、オルガンなどである。なお、本実施の形態においては、各パートは各MIDIチャンネルに対応しており、この電子楽器全体では4パート設けられている(図2においては、パート1(pt1)に関してのみ示している。)。
【0033】
そして、上記したボイス、トーン、パートに関する楽音処理装置は、それぞれのパート専用に設けられている楽音処理回路によって構成されるものである。
【0034】
なお、「パフォーマンス:pf」は全パート共通に関わるものであり、パフォーマンスに関する楽音処理装置は、専用に設けられている楽音処理回路によって構成される。
【0035】
また、発音モードの選択、トーンおよびパートに対する音色設定などは、操作パネル部22の図示を省略した操作子群を用いて使用者が行えるようになっている。
【0036】
図2に示したように、同じパートの同じボイス番号に対応する楽音処理装置は、異なるノートのものでも同じ構成とされる。これは、ボイスに関する楽音処理装置には、その楽音処理装置に対応するノートのノート・オン・メッセージあるいはノート・オフ・メッセージのノート・ナンバー(音高)、ノート・オン・ベロシティ(押鍵速度)、ノート・オフ・ベロシティ(離鍵速度)および、ノート・オン(発音開始)あるいはノート・オフ(発音停止)からの経過時間に応じた値のパラメータ値が供給されるためである。即ち、ノートによって異なる値のパラメータが供給されるため、同じ構成の楽音処理装置をノート毎に設けてある。なお、後述するように、ボイスの位置に楽音処理装置を構築する場合には、使用者が1回の構築指定操作をするだけで同時発音可能なノートの数だけの楽音処理装置が自動的に構築されるようになっており、構築指定操作が容易になっている。
【0037】
ボイスは全部で24個あり、ボイスは発音モードに応じて各ノートにおいて1〜4つづつあるので、ボイスの位置に設定された楽音処理装置は、発音モードに応じて実際には同じものが24個(発音モードが「1」のとき)、12個(発音モードが「2」のとき)、8個(発音モードが「3」のとき)あるいは6個(発音モードが「4」のとき)設定されることになる。
【0038】
そして、操作パネル部22からは、上記したような各ルート毎に楽音処理装置の接続設定に関する情報を入力できる。即ち、新たに楽音処理装置を接続する場合には、まず、どこのルートに接続するかを選択する。この際に、パフォーマンスの場合にはパフォーマンス選択キー22lを操作し、パートの場合にはパート選択キー22kを操作した後にテン・キー22gを操作してパート番号を選択し、トーンあるいはボイスの場合にはトーン選択キー22jあるいはボイス選択キー22iを操作した後にテン・キー22gを2回操作してパート番号および、トーン番号あるいはボイス番号を選択する。こうした接続するルートの選択に従って、図3に示すような内容が操作パネル部22の表示器22aに表示される。
【0039】
楽音信号の流れ(図3において、左から右への流れ。)に沿って、楽音処理装置の接続可能位置を示す4つの四角形の箱101、102、103、104が表示される。そして、既に楽音処理装置が接続設定されている箱の中には、設定されている楽音処理装置の名称が表示され(箱101には、楽音処理装置として「フィルタ」が設定されている。)、楽音処理装置が接続設定されていない箱の中は横線Bが表示される。
【0040】
なお、楽音処理装置が接続設定されていない場合には、楽音信号には何等の処理も施されずに素通りする。
【0041】
また、カーソルCにより示されている箱は、現在楽音処理装置の設定対象となっていることを示している。カーソルCは、操作パネル部22のカーソル左方向移動キー22bならびにカーソル右方向移動キー22cの操作により、いずれの箱へも移動させることができる。
【0042】
いずれかの箱がカーソルCによって示されている状態(楽音処理装置の設定対象となっている状態)においてエンター・キー22fを操作すると、カーソルCによって示された位置に関する楽音処理装置の接続設定モード(図5および図6に、接続設定モードのアルゴリズムを示すフローチャートが示されている。)になる。こうして接続設定モードになると、操作パネル部22の表示器22aには、例えば、図4に示すような表示が行われる。なお、接続設定モードが終了すると、図3に示す表示に戻ることになる。
【0043】
上記のようにして、操作パネル部22に設定された各操作子の操作により接続設定モードになされた場合には、制御部10においては図5および図6のフローチャートに示す処理が行われる。
【0044】
即ち、接続設定モードに入ると、まずステップS502において、接続位置に応じて楽音処理回路番号jを設定する。ここにおいて、楽音処理回路番号jは、「1」、「2」、「3」および「4」が各パートに対応するものであり、「5」がパフォーマンス専用に対応するものを示している。これによりステップS504以下の処理では、楽音処理装置が構築接続される楽音処理回路に関する処理が行われることになる。
【0045】
ステップS502の処理を終了すると、ステップS504へ進み、楽音処理回路番号jが「5:パフォーマンス専用」であるか否かを判断する。
【0046】
ステップS504の判断結果が否定(N)、即ち、楽音処理回路番号jが「1」、「2」、「3」あるいは「4」である場合には、ステップS506へ進み、楽音処理装置が接続される位置がボイスであるか否かを判断する。
【0047】
ステップS506の判断結果が肯定(Y)、即ち、楽音処理装置が接続される位置がボイスである場合には、ステップS508へ進み、発音モードがいずれであるかを判断する。そして、その判断結果に応じてステップS510乃至ステップS516へ進み、係数kを設定する。これは、楽音処理装置をボイスの位置に接続する場合には、同じ楽音処理装置を複数個構築する必要があるためである。つまり、ステップS508の判断結果により、発音モードが「1」である場合には、ステップS510へ進み、係数kとして「k=24」を設定する。
【0048】
また、ステップS508の判断結果により、発音モードが「2」である場合には、ステップS512へ進み、係数kとして「k=12」を設定する。
【0049】
さらに、ステップS508の判断結果により、発音モードが「3」である場合には、ステップS514へ進み、係数kとして「k=8」を設定する。
【0050】
さらにまた、ステップS508の判断結果により、発音モードが「4」である場合には、ステップS516へ進み、係数kとして「k=6」を設定する。
【0051】
上記のようにして、ステップS510乃至ステップS516の処理を終了すると、ステップS520へ進む。
【0052】
一方、ステップS504の判断結果が肯定、即ち、楽音処理回路番号jが「5」である場合と、ステップS506の判断結果が否定、即ち、楽音処理装置が接続される位置がボイスでない場合には、ステップS518へ進み、係数kとして「k=1」を設定した後に、ステップS520へ進む。
【0053】
ステップS520では、楽音処理装置の通し番号を示す変数「i」に、「i=1」を設定する。なお、変数iは、「i=1」がフィルタに対応し、「i=2」がフェイザに対応し、「i=3」がディストーションに対応し、「i=4」がコーラスに対応し、「i=5」がディレイに対応し、「i=6」がリバーブに対応する。
【0054】
そして、ステップS522乃至ステップS532において、各楽音処理装置の各楽音処理資源に関して、その楽音処理装置を構成するために必要な楽音処理資源の量を読み出し、楽音処理部16の未使用の楽音処理資源の量と比較し、比較結果に基づいて、その楽音処理装置の構築の可能性を示すフラグを記憶する。
【0055】
この際に、全ての楽音処理資源に関して、未使用の楽音処理資源の量が、楽音処理装置を構成するために必要とされる楽音処理資源の量よりも多い場合に、当該楽音処理装置は構築可能であるとされる。なお、未使用の楽音処理資源の量を示す値は、この電子楽器の電源投入時において初期化されているものとする。
【0056】
そして、制御部10のRAMには、以下に説明するようなステップS522以降の処理において用いられる変数を記憶するレジスタやフラグなどが設定されている。なお、以下の説明においては、各レジスタなどの内容(データなど)は、特に断らない限り、同一のラベル名で表すものとする。
【0057】
(1)Re(j,a)
DSPの未使用の演算回数を表す変数である。
【0058】
(2)Re(j,b)
プログラムを記憶するためのメモリの未使用の記憶容量を表す変数である。
【0059】
(3)Re(j,c)
プログラム実行時に必要とされるデータを記憶するためのメモリの未使用の記憶容量を表す変数である。
【0060】
(4)Re(j,d)
演算の途中結果を記憶するためのメモリの未使用の記憶容量を表す変数である。
【0061】
(5)U(i)
楽音処理装置iの構築可能性を表すフラグであり、「U(i)=1」のとき「構築可能」を表し、「U(i)=0」のとき「構築不可能」を表す。
【0062】
また、制御部10のROMには、以下に説明するような定数が設定されている。
【0063】
(1)R(a,i)
楽音処理装置iを構築するために必要なDSPの演算回数を表す定数である。
(2)R(b,i)
楽音処理装置iを構築するために必要なプログラムを記憶するためのメモリの記憶容量を表す定数である。
【0064】
(3)R(c,i)
楽音処理装置iを構築するために必要なプログラム実行時に必要とされるデータを記憶するためのメモリの記憶容量を表す定数である。
【0065】
(4)R(d,i)
楽音処理装置iを構築するために必要な演算の途中結果を記憶するためのメモリの記憶容量を表す定数である。
【0066】
従って、ステップS522以降の処理においては、まずステップS522において、R(a,i)をk倍した値よりRe(j,a)が大きいか否かを判断する。
【0067】
このステップS522の判断結果が肯定、即ち、R(a,i)をk倍した値よりRe(j,a)が大きい場合には、ステップS524へ進む。
【0068】
ステップS524においては、R(b,i)をk倍した値よりRe(j,b)が大きいか否かを判断する。
【0069】
このステップS524の判断結果が肯定、即ち、R(b,i)をk倍した値よりRe(j,b)が大きい場合には、ステップS526へ進む。
【0070】
ステップS526においては、R(c,i)をk倍した値よりRe(j,c)が大きいか否かを判断する。
【0071】
このステップS526の判断結果が肯定、即ち、R(c,i)をk倍した値よりRe(j,c)が大きい場合には、ステップS528へ進む。
【0072】
ステップS528においては、R(d,i)をk倍した値よりRe(j,d)が大きいか否かを判断する。
【0073】
このステップS528の判断結果が肯定、即ち、R(d,i)をk倍した値よりRe(j,d)が大きい場合には、ステップS530へ進む。
【0074】
ステップS530では、フラグU(i)に「1」をセットして、ステップS534へ進む。
【0075】
一方、ステップS522、ステップS524、ステップS526ならびにステップS528のいずれかの判断結果が否定の場合には、ステップS532へ進み、フラグU(i)に「0」をセットして、ステップS534へ進む。
【0076】
従って、ステップS522、ステップS524、ステップS526ならびにステップS528のいずれの判断結果も肯定の場合にのみ、ステップS530へ進み、フラグU(i)に「1」がセットされることになる。
【0077】
ステップS534においては、変数iを「1」インクリメントして、ステップS536へ進み、変数iが「7」であるか否かを判断する。そして、ステップS536の判断結果が否定、即ち、変数iが「i=2」、「i=3」、「i=4」、i=「5」あるいは「i=6」のいずれかであった場合には、ステップS522へ戻り、以降の処理を繰り返す。従って、「i=1」乃至「i=6」の全ての変数iに関して、ステップS522乃至ステップS534の処理が行われることになる。
【0078】
そして、「i=6」に関するステップS522乃至ステップS534の処理が終了すると、ステップS534において変数iが「i=7」に設定されるため、ステップS536の判断結果が肯定となりステップS538へ進み、変数iを「i=1」に設定して選択対象の楽音処理装置を「i=1」のものに設定し、表示器22a上においてカーソルCが「i=1」の選択対象の楽音生成装置を指し示すように設定する。
【0079】
ステップS538の処理を終了すると、ステップS540へ進み、ステップS522乃至ステップS528の比較結果に基づくステップS530あるいはステップS532のフラグU(i)の状態、ならびにステップS536の処理に基づいて、図4に示すように、操作パネル部22の表示器22aに楽音処理装置のリストの表示を行う。
【0080】
この際に、ステップS540におけるリストの表示の初期状態においては、上記したようにステップS538によって「i=1」に設定されているために、カーソルCは「i=1」の「フィルタ」を示している。
【0081】
また、「×」印の付されていない楽音処理装置は、ステップS530において「U(i)=1」にセットされたものであり、当該楽音処理装置を構築するために必要な量の楽音処理資源が、楽音処理部16において未使用状態で残っていて構築可能なことを示している。
【0082】
一方、「×」印の付されている楽音処理装置は、ステップS532において「U(i)=0」にセットされたものであり、当該楽音処理装置を構築するために必要な量の楽音処理資源が、楽音処理部16において未使用状態で残っていなくて構築不可能なことを示している。
【0083】
次に、ステップS542へ進み、カーソル上方移動キー22d、カーソル下方移動キー22eあるいはエンター・キー22fのいずれが操作されたか否かを判断する。
【0084】
ステップS542の判断結果が、いずれの操作子も操作されていないと判断された場合には、いずれかの操作子が操作されるまで待機する。
【0085】
そして、カーソル上方移動キー22dあるいはカーソル下方移動キー22eが操作された場合には、その操作に対応してカーソルCを表示器22a上において上下に順次移動させ、選択対象の楽音処理装置を変更する。なお、図4において、カーソルCが最下の楽音処理装置を示している場合にカーソル下方移動キー22eが操作された場合には、カーソルCを最上の楽音処理装置を示すように移動し、カーソルCが最上の楽音処理装置を示している場合にカーソル上方移動キー22dが操作された場合には、カーソルCを最下の楽音処理装置を示すように移動する。
【0086】
そして、カーソル上方移動キー22dあるいはカーソル下方移動キー22eの操作により、次の選択対象となる楽音処理装置が構成不可能なものである場合には、さらにその次の楽音処理装置を選択対象として、その楽音処理装置にカーソルCを移動する。即ち、上記した図4に表示された状態においては、「i=4」の「コーラス」が構成不可能であるため、カーソルCが「i=3」の「ディストーション」にあるときにカーソル下方移動キー22eが操作された場合には、「i=4」の「コーラス」を飛び越して、「i=5」の「ディレイ」が選択対象となり、「i=5」の「ディレイ」にカーソルCを移動する。
【0087】
同様に、カーソルCが「i=5」の「ディレイ」にあるときにカーソル下方移動キー22eが操作された場合には、「i=6」の「リバーブ」を飛び越して、「i=1」の「フィルタ」が選択対象となり、「i=1」の「フィルタ」にカーソルCを移動する。
【0088】
また、カーソル上方移動キー22dを操作した場合にも、上記したカーソル下方移動キー22eを操作した場合と同様に、構成不可能な楽音処理装置は選択対象から除外される。
【0089】
上記のことを詳細に説明すると、ステップS542の判断結果が、カーソル上方移動キー22dを操作したと判断された場合には、ステップS544へ進み、変数iを「1」デクリメントする。
【0090】
ステップS544の処理を終了すると、ステップS546へ進み、「U(i)」が「1」であるか否かを判断する。このステップS546の判断結果が否定、即ち、「U(i)=0」であるなら、ステップS544へ戻り、さらに変数iを「1」デクリメントしてステップS546へ進む。
【0091】
一方、ステップS546の判断結果が肯定、即ち、「U(i)=1」である場合には、ステップS540へ戻り、ステップS544で設定された変数iが示す楽音処理装置を選択対象として、カーソルCによって示す。そして、以降の処理を行う。
【0092】
また、ステップS542の判断結果が、カーソル下方移動キー22eを操作したと判断された場合には、ステップS548へ進み、変数iを「1」インクリメントする。
【0093】
ステップS548の処理を終了すると、ステップS550へ進み、「U(i)」が「1」であるか否かを判断する。このステップS550の判断結果が否定、即ち、「U(i)=0」であるなら、ステップS548へ戻り、さらに変数iを「1」インクリメントしてステップS550へ進む。
【0094】
一方、ステップS550の判断結果が肯定、即ち、「U(i)=1」である場合には、ステップS540へ戻り、ステップS548で設定された変数iが示す楽音処理装置を選択対象として、カーソルCによって示す。そして、以降の処理を行う。
【0095】
上記のようにして、いずれかの楽音処理装置を選択した後に、エンター・キー22fを操作すると、制御部10は、選択された楽音処理装置が楽音処理部16において実際に構築接続されるように、楽音処理部16に対してプログラムの書き換えを行う。
【0096】
即ち、ステップS542において、エンター・キー22fを操作されたと判断された場合には、ステップS552へ進み、楽音処理装置iを楽音処理回路jに構築接続する。
【0097】
そして、ステップS552の処理を終了すると、ステップS554乃至ステップS560の処理において、未使用の楽音処理資源の量が、新たに構築された楽音処理装置の使用した資源の量だけ減らされることになる。
【0098】
即ち、ステップS554においては、「Re(j,a)」から「R(a,i)」をk倍した値を減算し、新たな「Re(j,a)」を設定して、ステップS556へ進む。
【0099】
そして、ステップS556においては、「Re(j,b)」から「R(b,i)」をk倍した値を減算し、新たな「Re(j,b)」を設定して、ステップS558へ進む。
【0100】
さらに、ステップS558においては、「Re(j,c)」から「R(c,i)」をk倍した値を減算し、新たな「Re(j,c)」を設定して、ステップS560へ進む。
【0101】
さらにまた、ステップS560においては、「Re(j,d)」から「R(d,i)」をk倍した値を減算し、新たな「Re(j,d)」を設定して、この接続設定モードを終了する。
【0102】
なお、操作パネル部22の表示器22aに図3に示すような内容の表示が行われている状態においてデリート・キー22hを操作すると、カーソルCによって示された位置に既に楽音処理装置が接続されている場合には、その楽音処理装置が接続から外される。この場合、制御部10は、接続を外すように指定された楽音処理装置を接続から外すように楽音処理部16のプログラムを書き換えるとともに、未使用の楽音処理資源の量を接続から外した楽音処理装置の使用していた資源の量だけ増加するような処理を行えばよい。
【0103】
次に、本発明の他の実施の形態に関して説明することとする。
【0104】
(1)上記した実施の形態においては、表示器22aに楽音処理装置を表示する際に、構築不可能な楽音処理装置には「×」印を付して表示するようにしたが、これに代えて、例えば図7に示すように、構築不可能な楽音処理装置に関しては、表示器22aに表示しないように表示器22aを制御してもよい。
【0105】
(2)上記した実施の形態においては、構築不可能な楽音処理装置に「×」印を付して表示器22aに表示するようにして、楽音処理装置が構築可能か構築不可能かに関する情報のみを表示器22aに表示するようにしたが、例えば、図8に示すように、各楽音処理装置毎にその楽音処理装置を構築するのに必要な楽音処理資源の量を、楽音処理資源の種類毎に表示するようにしたり、未使用の楽音処理資源の量を表示するようにしてもよい。また、この際に、これらの量を、全体量に対するパーセント表示としてもよい。
【0106】
なお、これらの表示は、制御部10のROMに記憶されている各楽音処理装置を構成するために必要とされる各楽音処理資源の量、未使用時の各楽音処理資源の量の初期値、および制御部10のRAMに記憶されている各楽音処理資源の未使用の量を示す変数に基づいて行えばよい。
【0107】
(3)上記した実施の形態においては、フィルタやリバーブなどの楽音に直接的に効果を付与するものを楽音処理装置としてが、LFO(低周波発振器)やエンベロープ・ジェネレータなどのように、楽音に間接的に効果を付与するものを楽音処理装置としてもよいし、楽音波形読み出し装置を楽音処理装置としてもよい。
【0108】
(4)上記した実施の形態においては、楽音処理部16においてDSPを用いたが、DSPの代わりにCPUを用いてもよいことは勿論である。
【0109】
(5)上記した実施の形態における電子楽器は、楽音を生成する機能を有するものとしたが、楽音を生成する機能を有さずに、外部から供給される楽音に効果を与える機器に対して本発明を適用してもよいことは勿論である。
【0110】
(6)上記した実施の形態においては、情報を視覚的に表示するようにしたが、構築不可能の楽音処理装置を選択した際に所定の警告音を発するなどするように、楽音処理装置の構築可能あるいは構築不可能を聴覚的に使用者に認識させるようにしてもよい。
【0111】
(7)上記した実施の形態においては、楽音処理装置を接続可能な位置としてパート内ではボイス、トーンという単位を設けたが、ノート単位でもよいことは勿論である。この場合にも、上記した実施の形態におけるボイスの取り扱いと同様に、そのノートのノート・オン・メッセージあるいはノート・オフ・メッセージのノート・ナンバー(音高)、ノート・オン・ベロシティ(押鍵速度)、ノート・オフ・ベロシティ(離鍵速度)および、ノート・オン(発音開始)あるいはノート・オフ(発音停止)からの時間経過に応じた値のパラメータ値を、そのノートに対応する楽音処理装置に供給するようにする。
【0112】
ノート単位とした場合には、発音モードに応じて生成可能なノートの数だけ同じ楽音処理装置が構築されることになるので、接続設定モードにおける処理を、図5および図6に示すボイスに関する処理と同様な処理とすればよい。図9には、トーンの位置に接続するのをやめて、ノートの位置に接続可能とした場合の例を示している。
【0113】
(8)上記した実施の形態においては、各楽音処理装置毎にその楽音処理装置を構築するのに必要な楽音処理資源の量を記憶するようにしたが、各楽音処理装置を構築するのに必要な楽音処理資源の量が判れば、別の方法を用いてもよい。例えば、楽音処理装置を当該楽音処理装置を構築するのに必要な楽音処理資源の量に応じていくつかのグループに分け、各楽音処理装置毎にいずれのグループに属するかを記憶するようにしてもよい。
【0114】
(9)上記した実施の形態においては、各楽音処理装置毎にその楽音処理装置を構築するのに必要な楽音処理資源の量を固定としたが、コーラス、ディレイあるいはリバーブなどのように、遅延時間パラメータの設定によって演算の途中結果を記憶するメモリの必要とする記憶容量が変化するものは、最大遅延時間に対応するメモリの記憶容量を必要とする資源の量としてもよいし、遅延時間パラメータの設定によって、必要とする資源の量を変化させるようにしてもよい。また、「ディレイ1」、「ディレイ2」、「ディレイ3」・・・などと、記憶容量に応じて同じ種類の楽音処理装置を選択対象として複数設けるようにしてもよい。
(10)所望の楽音処理装置が構築不可能である場合には、既に構築した他のいずれかの楽音処理装置を削除する必要があるが、上記した実施の形態においては、実際に楽音処理装置を削除してみないと、所望の楽音処理装置が構築可能になるか否か表示されない。
【0115】
しかしながら、所望の楽音処理装置が構築不可能な場合に、既に構築した他のいずれの楽音処理装置を削除すれば所望の楽音処理装置が構築可能になるかを、他の楽音処理装置を実際に削除することなく、自動的に判断して表示するようにしてもよい。なお、この場合には、ルートに優先順位を持たせて、削除対象の楽音処理装置を表示するようにしてもよい。即ち、パートを削除すると当該パートの楽音全体に影響が出るものであるため、例えば、楽音処理装置を削除したときに楽音に与える影響が小さいものから削除するという観点で、まずボイスおよびトーンの中で削除対象の楽音処理装置を探し、見つからなければ次にパートの中で探し、探し当てたものを表示するようにする。なお、図9に示したように、ノートの位置に楽音処理装置を接続する場合には、削除対象を、まずボイスの中で探し、次にノートおよびパートの中で探すようにする。
【0116】
また、上記した実施の形態においては、楽音処理回路を各パート毎およびパフォーマンスに別個に設けるようにしたが、楽音処理回路を全パートおよびパフォーマンスで共通に設けるようにする場合には、パフォーマンスの楽音処理装置を削除すると全ての楽音に影響が出るため、削除対象を探す際にはパフォーマンスの楽音処理装置は順番を最後にするとよい。
【0117】
あるいは、別の観点として、楽音処理装置に設定されているパラメータ値や楽音処理装置に入力される楽音のレベルを参照して、楽音に与える影響の小さいものという観点から削除対象を探すようにしてもよい。
【0118】
あるいは、別の観点として、削除した場合に他のなるべく多くの楽音生成装置が構築可能となるという観点から、使用している楽音処理資源の多いものから探すようにしてもよい。
【0119】
あるいは、どのような観点から削除対象を探すかを、使用者が任意に設定できるようにしてもよい。
【0120】
(11)上記した実施の形態においては、新たに楽音処理装置を構築接続する場合には、構築接続の操作を1つづつ行うようにしたが、構築接続しようとする複数の楽音処理装置を選択しておき、その後の1回の操作で選択された複数の楽音処理装置を構築接続するようにしてもよい。あるいは、メモリ・カードなどの外部記憶媒体や通信手段などから複数の楽音処理装置の構築接続の設定に関する情報を受け取って、楽音処理装置を構築するようにしてもよい。この際には、楽音処理資源の量が不足して、全ての楽音処理装置を構築が不可能である場合には、優先順位の低い楽音処理装置の構築を行わないようにしてもよい。こうした優先順位は、楽音処理装置を削除したときに楽音に与える影響が小さいものから構築を行わないという観点で、ボイス、トーン、パート、パフォーマンスの順に構築を行わないようにしてもよいし、あるいは構築するのに必要とする楽音処理資源の量が大きいものから構築を行わないようにしてもよい。
【0121】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したように構成されているので、以下に記載されるような効果を奏する。
【0122】
所定量の楽音処理資源を有するDSPなどの処理手段を用いて任意の楽音処理装置を構成する電子楽器において、新たに楽音処理装置を増やそうとする場合や、楽音処理装置間の接続状態を変えようする場合などのときに、使用可能な楽音処理資源の量に基づいて、増やそうとする楽音処理装置の構築の可能性や、楽音処理装置間の接続状態の変更の可能性などに関する情報を使用者に知らせることができるため、使用者は、新たな楽音処理装置の構築に関する操作や楽音処理装置間の接続状態を変化させる操作を極めて効率よく行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による電子楽器の実施の形態の一例を示すブロック構成図である。
【図2】発音モードが「2」である場合において、楽音生成のルートのトーンの位置に楽音処理装置を接続(挿入)する状態を示す説明図である。
【図3】表示器における表示態様を示す説明図である。
【図4】表示器における表示態様を示す説明図である。
【図5】接続設定モードにおける処理のアルゴリズムを示すフローチャートである。
【図6】接続設定モードにおける処理のアルゴリズムを示すフローチャートである。
【図7】表示器における表示態様を示す説明図である。
【図8】表示器における表示態様を示す説明図である。
【図9】発音モードが「2」である場合において、楽音生成のルートのノートの位置に楽音処理装置を接続(挿入)する状態を示す説明図である。
【符号の説明】
10 制御部
12 バス
14 楽音生成部
16 楽音処理部
18 放音部
20 MIDI受信部
22 操作パネル部
22a 表示器
22b カーソル左方向移動キー
22c カーソル右方向移動キー
22d カーソル上方移動キー
22e カーソル下方移動キー
22f エンター・キー
22g テン・キー
22h デリート・キー
22i ボイス選択キー
22j トーン選択キー
22k パート選択キー
22l パフォーマンス選択キー

Claims (4)

  1. 楽音を処理するために用いられる楽音処理資源を有し、前記楽音処理資源を使用して種々の楽音処理装置を構成する電子楽器において、
    複数の楽音処理装置から所望の楽音処理装置を選択する選択手段と、
    前記楽音処理装置を構成するために必要とされる楽音処理資源の量を示す情報を、複数の楽音処理装置各々に対応して記憶する記憶手段と、
    前記記憶手段に記憶された楽音処理装置を構成するために必要とされる楽音処理資源の量を示す情報を読み出す読み出し手段と、
    前記読み出し手段で読み出された情報に応じた楽音処理装置を構成するために必要とされる楽音処理資源の量と使用可能な楽音処理資源の量とを比較する比較手段と、
    前記比較手段による比較結果に基づいて、前記選択手段による選択の可否を制御する選択制御手段と
    を有することを特徴とする電子楽器。
  2. 楽音を処理するために用いられる楽音処理資源を有し、前記楽音処理資源を使用して種々の楽音処理装置を構成する電子楽器において、
    楽音処理装置を表示する表示手段と、
    前記楽音処理装置を構成するために必要とされる楽音処理資源の量を示す情報を、複数の楽音処理装置各々に対応して記憶する記憶手段と、
    前記記憶手段に記憶された楽音処理装置を構成するために必要とされる楽音処理資源の量を示す情報を読み出す読み出し手段と、
    前記読み出し手段で読み出された情報に応じた楽音処理装置を構成するために必要とされる楽音処理資源の量と使用可能な楽音処理資源の量とを比較する比較手段と、
    前記比較手段による比較結果に基づいて、各々の楽音処理装置を前記表示手段に異なる表示形態で表示するように前記表示手段を制御する表示制御手段と
    を有することを特徴とする電子楽器。
  3. 前記表示制御手段は、前記比較手段による比較結果に基づいて、使用可能な楽音処理資源の量以下の楽音処理資源の量を必要とする楽音処理装置のみを、前記表示手段に表示するように前記表示手段を制御する請求項2記載の電子楽器。
  4. 楽音を処理するために用いられる楽音処理資源を有し、前記楽音処理資源を使用して種々の楽音処理装置を構成する電子楽器において、
    楽音処理装置を表示する表示手段と、
    前記楽音処理装置を構成するために必要とされる楽音処理資源の量を示す情報を、複数の楽音処理装置各々に対応して記憶する記憶手段と、
    前記記憶手段に記憶された楽音処理装置を構成するために必要とされる楽音処理資源の量を示す情報を読み出す読み出し手段と、
    前記読み出し手段で読み出された楽音処理装置を構成するために必要とされる楽音処理資源の量を示す情報に基づいて、楽音処理装置毎に必要とされる楽音処理資源の量を前記表示手段に表示するとともに、使用可能な楽音処理資源の量を前記表示手段に表示するように前記表示手段を制御する表示制御手段と
    を有することを特徴とする電子楽器。
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