JP4853054B2 - 演奏データ編集装置及びプログラム - Google Patents

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この発明は、演奏データに対して新たな音楽的表情を自動的に付加する表情付けを行う演奏データ編集装置及びプログラムに関する。特に、レガートを新たに表情付けることのできる演奏データ編集装置及びプログラムに関する。
最近では、所定の演奏データに基づいて楽音を自動演奏する自動演奏装置(所謂シーケンサ)が知られている。こうした自動演奏装置で用いられる演奏データを一連の音符列の各音高をそれぞれ表す複数の音高情報のみで構成すると、該演奏データを再生することにより行われる楽音の自動演奏は機械的な無表情な演奏が行われることとなり、非常に音楽的に不自然である。そこで、自動演奏をより音楽的に自然な演奏、美しい演奏、生々しい演奏とするには、楽音に対して様々な音楽的な表情や楽器らしさを付加するとよい。そのためには、演奏データに対して様々な音楽的な表情や楽器らしさを表す演奏情報を制御データとして新たに加える必要がある(所謂表情付け)。このような表情付けを自動的に行う演奏データ編集装置の一例として、例えば本出願人が既に出願済みの下記に示す特許文献1に記載の技術がある。従来知られたこれらの技術において、複数音を連続的に切れ目なく滑らかに演奏するレガートを新たに表情付ける場合には、演奏データを楽譜形式あるいはピアノロール形式等で画面に表示させておき、ユーザがマウス等を用いて該表示された画面上において範囲始点と範囲終点とをそれぞれクリック操作(又は、範囲始点から範囲終点までのクリック&ドラッグ操作)することで、新たにレガートを表情付ける範囲を適宜に設定することができるようになっている。
特開2003−99044号公報
ところで、バイオリンなどの擦弦楽器において上下いずれかのひと弓で演奏する範囲、あるいはサックスなどの管楽器においてひと息で演奏する範囲など比較的短く区切られた演奏範囲が連続的に数多く現れ、しかもそうした範囲の演奏がレガートとなりやすい擦弦楽器や管楽器用の演奏データに編集するためには、演奏データ全体にわたって順次に多数の箇所をレガートを表情付ける範囲に設定してから表情付けを開始させなければならない。しかし、上記したように、従来においてレガートを表情付ける範囲を設定するには、画面上で範囲始点と範囲終点との2箇所をクリック操作(又はクリック&ドラッグ操作)しなければならないことから、特に多数の箇所に対してレガートを表情付けたいような場合にはその操作が煩雑となってしまい面倒である、という問題点があった。
本発明は上述の点に鑑みてなされたもので、ユーザが簡単な操作を行うだけで新たにレガートを表情付ける範囲を設定できるようにすると共に、該範囲をユーザが直感的に理解し易いように提示する演奏データ編集装置及びプログラムを提供しようとするものである。
本発明に係る演奏データ編集装置は、演奏データに基づき所定の表示手段に表示された楽譜上の位置指定に応じて、前記演奏データの編集範囲を特定する演奏データ編集装置であって、前記表示手段に表示されている楽譜上のいずれかの音符を指定する指定手段と、前記指定された音符を基準に、前記楽譜上において繰り返しレガートを表情付ける範囲を周期的に特定する特定手段と、前記特定された周期的範囲に対応した複数の前記楽譜上の所定の表示位置に、所定の特殊記号を表示する表示制御手段と、前記特定された前記楽譜上の周期的範囲を編集範囲として、当該編集範囲に該当する演奏データに対しレガートを繰り返し表情付けるように前記演奏データの楽音特性を変更する楽音特性変更手段とを具える。
本発明によると、所定の表示手段に表示されている楽譜上の複数の音符のうちのいずれかを指定することに応じて、前記指定された音符を基準に、前記楽譜上において繰り返しレガートを表情付ける範囲を周期的に特定した上で、前記特定された前記楽譜上の周期的範囲を編集範囲として、当該編集範囲に該当する演奏データに対しレガートを繰り返し表情付けるように前記演奏データの楽音特性を変更する。このようにすると、ユーザは該表示された楽譜上において繰り返し何度も範囲始点と範囲終点とを指定することなく、単に1箇所の音符のみを指定するだけで、楽譜上における周期的な表示範囲に対応する演奏データの範囲を、レガート表情付けの編集範囲として指定することができるようになる。つまり、ユーザは音符をワンクリックするといった操作を行うだけで、新たにレガートを表情付ける複数の編集範囲の設定を簡単に行うことができるようになる。また、前記特定された周期的範囲に対応した複数の前記楽譜上の所定の表示位置に、所定の特殊記号を表示するようにしたことから、ユーザはワンクリック操作により周期的に設定される編集範囲を表示中の楽譜から直感的に理解することができる
本発明は装置の発明として構成し実施することができるのみならず、方法の発明として構成し実施することができる。また、本発明は、コンピュータまたはDSP等のプロセッサのプログラムの形態で実施することができるし、そのようなプログラムを記憶した記憶媒体の形態で実施することもできる。
本発明によれば、画面に表示された音符の指定に応じてレガートを表情付ける範囲を設定することから、ユーザは新たにレガートを表情付ける範囲を、画面上において音符をワンクリックするといった操作を行うだけで簡単に設定することができるようになる、という効果が得られる。
以下、この発明の実施の形態を添付図面に従って詳細に説明する。
図1は、この発明に係る演奏データ編集装置を適用した電子楽器の全体構成を示したハード構成ブロック図である。本実施例に示す電子楽器は、マイクロプロセッサユニット(CPU)1、リードオンリメモリ(ROM)2、ランダムアクセスメモリ(RAM)3からなるマイクロコンピュータによって制御される。CPU1は、この電子楽器全体の動作を制御するものである。このCPU1に対して、データ及びアドレスバス1Dを介してROM2、RAM3、検出回路4,5、表示回路6、音源回路7、効果回路8、外部記憶装置10、MIDIインタフェース(I/F)11および通信インタフェース(I/F)12がそれぞれ接続されている。更に、CPU1には、タイマ割込み処理(インタラプト処理)における割込み時間や各種時間を計時するタイマ1Aが接続されている。例えば、タイマ1Aはクロックパルスを発生し、発生したクロックパルスをCPU1に対して処理タイミング命令として与えたり、あるいはCPU1に対してインタラプト命令として与える。CPU1は、これらの命令に従って各種処理を実行する。
ROM2は、CPU1により実行される各種プログラムや各種データを格納するものである。RAM3は、CPU1が所定のプログラムを実行する際に発生する各種データを一時的に記憶するワーキングメモリとして、あるいは現在実行中のプログラムやそれに関連するデータを記憶するメモリ等として使用される。RAM3の所定のアドレス領域がそれぞれの機能に割り当てられ、レジスタやフラグ、テーブル、メモリなどとして利用される。演奏操作子4Aは楽音の音高を選択するための複数の鍵を備えた例えば鍵盤等のようなものであり、各鍵に対応してキースイッチを有しており、この演奏操作子4A(鍵盤等)はユーザ自身の手弾きによるマニュアル演奏のために使用できるのは勿論のこと、表情付け対象とする演奏データを選択するための入力手段などとして使用することもできる。検出回路4は、演奏操作子4Aの各鍵の押圧及び離鍵を検出することによって検出出力を生じる。設定操作子(スイッチ等)5Aは、例えば表情付け対象とする演奏データを選択するデータ選択スイッチ、自動表情付けの開始を指示する表情付け開始スイッチ、周期的に所定範囲毎(例えば1小節毎)に繰り返しレガートを表情付けするように機能設定する自動範囲設定スイッチ、演奏データに基づく自動演奏の開始・停止を指示する自動演奏開始・停止スイッチなどがある。勿論、これら以外にも、音高、音色、効果等を選択・設定・制御するために用いる数値データ入力用のテンキーや文字データ入力用のキーボード、あるいはディスプレイ6Aに表示される所定のポインティングデバイスを操作するために用いるマウスなどの各種操作子を含んでいてよい。検出回路5は、上記各スイッチの操作状態を検出し、その操作状態に応じたスイッチ情報をデータ及びアドレスバス1Dを介してCPU1に出力する。
表示回路6は例えば液晶表示パネル(LCD)やCRT等から構成されるディスプレイ6Aに、表情付け対象として指定することが可能な演奏データの一覧を表示したり、表情付け対象に指定された演奏データを楽譜形式やピアノロール形式などで表示したり、あるいはCPU1の制御状態などを表示したりする。ユーザは該ディスプレイ6Aに表示されるこれらの各種情報を参照することで、例えば表情付け対象としたい演奏データの選択や、新たにレガートを表情付ける範囲の設定などを容易に行うことができる(後述する図4参照)。音源回路7は複数のチャンネルで楽音信号の同時発生が可能であり、データ及びアドレスバス1Dを経由して与えられた、ユーザによる演奏操作子4Aの操作に応じて発生される、あるいは演奏データに基づき発生される各種演奏情報を入力し、これらの演奏情報に基づいて楽音信号を発生する。音源回路7から発生された楽音信号は、効果回路8を介して効果付与されてアンプやスピーカなどを含むサウンドシステム9から発音される。この音源回路7と効果回路8とサウンドシステム9の構成には、従来のいかなる構成を用いてもよい。例えば、音源回路8はFM、PCM、物理モデル、フォルマント合成等の各種楽音合成方式のいずれを採用してもよく、また専用のハードウェアで構成してもよいし、CPU1によるソフトウェア処理で構成してもよい。
外部記憶装置10は、演奏データや特殊記号表示データ(後述する図2参照)などの各種データ、CPU1が実行する各種制御プログラム等の制御に関するデータなどを記憶する。なお、上述したROM2に制御プログラムが記憶されていない場合、この外部記憶装置10(例えばハードディスク)に制御プログラムを記憶させておき、それをRAM3に読み込むことにより、ROM2に制御プログラムを記憶している場合と同様の動作をCPU1にさせることができる。このようにすると、制御プログラムの追加やバージョンアップ等が容易に行える。なお、外部記憶装置10はハードディスク(HD)に限られず、フレキシブルディスク(FD)、コンパクトディスク(CD‐ROM・CD‐RAM)、光磁気ディスク(MO)、あるいはDVD(Digital Versatile Disk)等の着脱自在な様々な形態の外部記憶媒体を利用する記憶装置であればどのようなものであってもよい。あるいは、フラッシュメモリなどの半導体メモリであってもよい。
MIDIインタフェース(I/F)11は、外部接続された他のMIDI機器11A等からMIDI形式の演奏データ(MIDIデータ)を当該電子楽器へ入力したり、あるいは当該電子楽器からMIDI形式の演奏データ(MIDIデータ)を他のMIDI機器11A等へ出力するためのインタフェースである。他のMIDI機器11Aはユーザによる操作に応じてMIDIデータを発生する機器であればよく、鍵盤型、弦楽器型、管楽器型、打楽器型、身体装着型等どのようなタイプの操作子を具えた(若しくは、操作形態からなる)機器であってもよい。なお、MIDIインタフェース 11は専用のMIDIインタフェースを用いるものに限らず、RS-232C、USB(ユニバーサル・シリアル・バス)、IEEE1394(アイトリプルイー1394)等の汎用のインタフェースを用いてMIDIインタフェース11を構成するようにしてもよい。この場合、MIDIイベントデータ以外のデータをも同時に送受信するようにしてもよい。MIDIインタフェース11として上記したような汎用のインタフェースを用いる場合には、他のMIDI機器11AはMIDIイベントデータ以外のデータも送受信できるようにしてよい。勿論、演奏データのデータフォーマットはMIDI形式のデータに限らず他の形式であってもよく、その場合はMIDIインタフェース11と他のMIDI機器11Aはそれにあった構成とする。
通信インタフェース(I/F)12は、例えばLANやインターネット、電話回線等の有線あるいは無線の通信ネットワークXに接続されており、該通信ネットワークXを介してサーバコンピュータ12Aと接続され、当該サーバコンピュータ12Aから制御プログラムあるいは各種データなどを電子楽器側に取り込むためのインタフェースである。すなわち、ROM2や外部記憶装置10(例えば、ハードディスク)等に制御プログラムや各種データが記憶されていない場合には、サーバコンピュータ12Aから制御プログラムや各種データをダウンロードするために用いられる。こうした通信インタフェース12は、有線あるいは無線のものいずれかでなく双方を具えていてよい。
なお、上述した電子楽器において、演奏操作子4Aは鍵盤楽器の形態に限らず、弦楽器や管楽器、あるいは打楽器等どのようなタイプの形態でもよい。また、電子楽器は演奏操作子4Aやディスプレイ6Aあるいは音源回路7などを1つの装置本体に内蔵したものに限らず、それぞれが別々に構成され、MIDIインタフェースや各種ネットワーク等の通信手段を用いて各装置を接続するように構成され たものであってもよいことは言うまでもない。さらに、本発明に係る演奏データ編集装置は上記したような電子楽器の形態に限らず、パーソナルコンピュータやカラオケ装置やゲーム装置など、どのような形態の装置・機器に適用してもよい。
次に、ディスプレイ6A上に楽譜を表示する際に用いるデータについて、図2を用いて簡単に説明する。ただし、ここでは演奏データと特殊記号表示データとを用いて楽譜を表示する例について説明する。図2(a)は、演奏データのデータ構成の一実施例を示す概略図である。図2(b)は、特殊記号表示データのデータ構成の一実施例を示す概略図である。
従来から知られているように、演奏データは自動演奏や楽譜表示の際に用いられる楽音発生あるいは楽譜表示のための制御情報であって、ROM2や外部記憶装置10に例えばSMF(Standard Midi Fileの略)等の所定のファイル形式で多数記憶されているデータである。図2(a)に示すように、演奏データはヘッダデータ、ノートイベントデータ、デュレーションデータ、表情付加情報とに大きく分けることができる。ヘッダデータは、音色やテンポ、あるいは調号や拍子などの該演奏データを再生する際に用いられる各種音楽情報に関するデータである。楽譜表示の際における調号の表示は、調号がヘッダデータに定義されている場合には該データに従って調号を表示する。調号がヘッダデータに定義されていない場合には、演奏データ全体から調号を自動的に検出し、該検出した調号を表示する。あるいは、予め定義された所定の調(例えば、「へ長調」など)に従って調号を表示する。楽譜表示の際における拍子記号の表示も上記調号の場合と同様であって、ヘッダデータに拍子が定義されている場合には該データに従って拍子記号を表示するし、ヘッダデータに拍子が定義されていない場合には演奏データ全体から自動的に検出した拍子に従う拍子記号を表示する。
ノートイベントデータは、ノートオンやノートオフなどのノート(つまり音符)に関するイベントを表すデータである。該ノートイベントデータは、ノート番号とゲートタイムとベロシティなどのデータから構成される。ノート番号は音程を表すために半音単位に便宜的に付けられている固有の番号(例えば、C2に対して「48」、C3に対して「60」など)であり、これにより楽譜表示の際には適切な音高位置を示す表示位置に音符記号が配置される。ゲートタイムは該ノートの発音時間長さを表すデータであり、これにより楽譜表示の際に適切な音符種類の音符記号(例えば、4分音符や16分音符など)が前記音高位置に配置されることになる。ベロシティは、音の強弱を表すデータである。デュレーションデータは、ノートイベントデータの発生タイミングを曲の先頭や各小節の先頭からの絶対時間、あるいは1つ前のノートイベントデータからの相対時間で示すためのデータである。これにより楽譜表示の際には、曲の先頭や小節線からの絶対的な表示位置、あるいは隣り合う音符記号との間における相対的な表示位置が決定され、該表示位置に基づいて音符記号が配置される。また、このような場合にゲートタイムとの関係から音符記号のほかに自動的に休符記号を追加して配置するようにしてもよい。勿論、休符に関するノートイベントデータを予め楽曲データ内に記憶してある場合には、こうした休符記号の自動的な追加は行わなくてよい。
表情付加情報は、息継ぎ記号(ブレスマーク)や弓返し記号といった楽器演奏を補佐するなどの特殊な記号を楽譜に表示するための、演奏データからでは表示することのできない各種の記号を指し示すデータである。演奏データに記憶される表情付加情報は、図2(b)に示す特殊記号表示データの表情付加情報に対応している。特殊記号表示データはディスプレイ6A上に表示する特殊記号を定義したデータであって、表情付加情報と表示記号との組み合わせからなる。表情付加情報は各特殊記号毎に固有の番号であり、表示記号はディスプレイ6A上に表示する特殊記号を規定する情報を含む(例えば、記号そのものの画像や楽譜上の表示位置など)。特殊記号は、息継ぎ記号や弓返し記号などである。勿論、特殊記号の種類は例示したものに限らないことは言うまでもない。なお、ユーザが二重丸などのような任意の記号を特殊記号として、特殊記号表示データに登録・削除することができるようにしてあってもよい。ユーザは該特殊記号表示データに登録済みの特殊記号の中から、楽譜上に表示させたい特殊記号を選択的に指定することができる。
なお、演奏データのフォーマットは、イベントの発生時刻を曲や小節内における絶対時間で表した『イベント+絶対時間』形式のもの、イベントの発生時刻を1つ前のイベントからの時間で表した『イベント+相対時間』形式のもの、音符の音高と符長あるいは休符と休符長で演奏データを表した『音高(休符)+符長』形式のもの、演奏の最小分解能毎にメモリの領域を確保し、演奏イベントの発生する時刻に対応するメモリ領域にイベントを記憶した『ベタ方式』形式のものなど、どのような形式のものでもよい。
次に、演奏データに対して新たな音楽的表情としてレガートを自動的に付加する「レガート表情付け処理」について、説明する。図3は、「レガート表情付け処理」の一実施例を示すフローチャートである。図4は、画面上で行われるレガートを表情付ける範囲の指定について説明するための概念図である。
この実施例に示す「レガート表情付け処理」は図1に示したCPU1において実行される処理であり、ユーザによるレガートを表情付けしたい演奏データの選択後に(この選択操作に応じて、ROM2や外部記憶装置10からRAM3に該当する演奏データが読み出しされる)、表情付け開始スイッチが操作されることに応じてその処理が開始される。以下、図3に示したフローチャート及び図4に示した画面表示例に従って、「レガート表情付け処理」について説明する。
まず、RAM3に記憶された演奏データ及び特殊記号表示データを基にして、ディスプレイ6Aに楽譜を表示する(ステップS1)。ステップS2は、前記表示された楽譜上の音符のいずれかがクリック操作により指定されるまで、当該処理を待機する。前記表示された楽譜上の音符のいずれかがクリック指定されたと判定した場合には(ステップS2のYES)、周期的に繰り返しレガートを表情付けするよう設定されているか否かを判定する(ステップS3)。周期的に繰り返しレガートを表情付けするよう設定されていない場合には(ステップS3のNO)、息継ぎ記号又は弓返し記号などの予めユーザが選択済みの特殊記号に対応付けられている表情付加情報を、クリックされた音符に対応する演奏データの適宜の位置に挿入する(ステップS4)。一方、周期的に繰り返しレガートを表情付けするよう設定されている場合には(ステップS3のYES)、指定された位置から所定周期毎(例えば、1小節毎)に複数の位置を特定し、息継ぎ記号又は弓返し記号などの予めユーザ選択済みの特殊記号に対応付けられている表情付加情報を、該特定した複数の位置にそれぞれ対応する演奏データの適宜の位置に順次に挿入する(ステップS5)。ステップS6は、該編集されたRAM上の演奏データ及び特殊記号表示データを基にディスプレイ6Aに表示していた楽譜の再表示を行う。
ステップS7は、演奏データの保存を指示する操作がなされたか否かを判定する。演奏データの保存を指示する操作がなされていないと判定した場合には(ステップS7のNO)、ステップS2の処理に戻って上記ステップS2〜ステップS7の処理を繰り返し実行する。演奏データの保存を指示する操作がなされたと判定した場合には(ステップS7のYES)、演奏データに対してレガートの表情付け処理を行い、該表情付け処理後の演奏データを外部記憶装置10に記憶する(ステップS8)。このレガートを表情付ける処理では、演奏データにおいて表情付加情報が挿入されたタイミングでレガートが途切れるようにして、つまりは表情付加情報から表情付加情報までの間(ただし、最初の表情付加情報については演奏データの先頭から最初の表情付加情報の間)がレガートとなるように表情付けを行い、演奏データを編集する。この演奏データに対してのレガート表情付け処理によるデータ編集方法については公知のどのようなものであってもよいことからここでの詳しい説明を省略するが、例えば範囲内にある各音符毎にゲートタイムを所定時間ずつ延長するなどしてレガートを実現するよう演奏データを編集する方法などがある。
図4(a)に示すように、ユーザが1回目のマウスクリックとして第2小節の先頭の音符をクリックした場合には、該マウスクリック操作に応じて当該音符に対応する五線譜上方の所定位置に特殊記号(ここでは息継ぎ記号)が表示される。さらに続けて、ユーザが2回目のマウスクリックとして第2小節の前から5番目の八分音符をクリックすると、該マウスクリック操作に応じて当該音符に対応する五線譜上方の所定位置にさらに息継ぎ記号が表示される(図中において点線で示す)。このような状態で、保存を指示する操作がなされると、曲の先頭から1回目にクリックされた音符の前までの第1小節全体、及び1回目にクリックされた第2小節の先頭の音符から2回目にクリックされた第2小節の前から5番目以前の4番目の音符までがレガートを表情付ける範囲となる。このようにして、表示された楽譜上の音符のいずれかがクリックされると、そのクリックされた音符に対応する所定の位置に特殊記号が表示されると共に、相前後する特殊記号間について各特殊記号毎にレガートが途切れるようにして、演奏データが編集される。また、図4(b)に示すように、音符をクリックする度に、予め決められた範囲(ここでは1小節分)においてサイクリックにアップ記号及びダウン記号(弓返し記号に相当する)を表示して、その表示したアップダウン記号の間でのみレガートするようにして表情付けを行い、演奏データを編集してもよい。
以上のようにして、楽譜上において所望の音符をクリックすることに応じて、レガートを表情付ける範囲を指定することができるようにした。すなわち、楽譜上に表示されたいずれかの音符のクリック指定に応じて、前記クリックされた音符の前後いずれかの2次元的な表示範囲をレガート表情付けの編集範囲とし、該編集範囲に表示されている音符に対応する演奏データを、レガートを表情付けるために楽音特性を変更するデータに特定する。これにより、ユーザは音符をワンクリックするといった簡単な操作を画面上で行うだけで、新たにレガートを表情付ける範囲を設定できることから、特に擦弦楽器や管楽器などの比較的短く区切られた演奏範囲が連続的に数多く現れ、しかもそうした範囲の演奏がレガートとなりやすい擦弦楽器や管楽器用の演奏データに編集することが容易になる。
また、レガートは、擦弦楽器におけるひと弓の操作での演奏あるいは管楽器におけるひと息での演奏に相当する。そこで、こうした点に鑑みて、上記したようなワンクリック操作によるレガートを表情付ける範囲の設定に応じて、息継ぎ記号や弓返し記号といったユーザに馴染みのある特殊記号を画面上に表示するようにしたことから、ユーザはレガートを表情付ける範囲を画面表示から直感的に把握することができるようになる。
なお、レガートを表情付ける範囲に「例外箇所」が設定されている場合には、当該「例外箇所」だけ別途再編集を行えるようにしてもよいし、あるいは「例外箇所」以外の範囲についてのみレガートを表情付けるようにしてもよい。こうした「例外箇所」は、予めユーザが任意に指定できるようにしてよい。
なお、弱起の曲などにも対応することのできるようにするために、小節の先頭で弓返しする以外に、八分音符3つ分前で弓返しする、四分音符1つ分前で弓返しするなど、小節の先頭からのオフセットを指定することのできるようにしてあってもよい。
なお、上記した実施例においては、音符をクリックした位置をレガートの区切り位置とするようにして表情付けを行うものを例に示したがこれに限らず、音符をクリックした位置をレガートの始まり位置とするようにしてよいことは言うまでもない。
なお、レガートを表情付ける範囲の指定は、楽譜上に表示された音符のいずれかをクリック指定することによるものとしたがこれに限らず、楽譜上に表示された各音符に予め対応付けられている楽譜上の所定位置(又は所定範囲)をクリックすることによるものであってもよい。
なお、予め弓返し記号や息継ぎ記号などが記されたアイコンを画面上に表示させておき、ユーザが該表示されたアイコンの中から所望のアイコンを選択し、マウスの操作に応じて該選択されたアイコンを所望の音符に重ね合わせるようにして楽譜上を移動させることによって、レガートを表情付ける範囲を指定できるようにしてあってもよい(所謂GUI)。
なお、予め画面上に楽譜を表示するための楽譜表示用のデータを演奏データとは別に用意しておき、当該楽譜表示用のデータに表情付加情報をユーザ操作に応じて適宜の位置に付加するようにしてあってよい。
なお、演奏データにおける各音符のゲートタイムを制御することなく、音源回路7自体を、演奏データから表情付加情報を受信した場合にはアタック付きで演奏を行う一方で、表情付加情報を受信しなかった場合にはレガートで演奏するように構成してもよい。
この発明に係る演奏データ編集装置を適用した電子楽器の全体構成を示したハード構成ブロック図である。 楽譜を表示する際に用いるデータについて説明するための概略図であり、図2(a)は演奏データのデータ構成の一実施例を、図2(b)は特殊記号表示データのデータ構成の一実施例を示す。 レガート表情付け処理の一実施例を示すフローチャートである。 画面上で行われるレガートを表情付ける範囲の指定について説明するための概念図である。
符号の説明
1…CPU、2…ROM、3…RAM、4,5…検出回路、4A…演奏操作子、5A…設定操作子、6…表示回路、6A…ディスプレイ、7…音源回路、8…効果回路、9…サウンドシステム、10…外部記憶装置、11…MIDIインタフェース、11A…MIDI機器、12…通信インタフェース、12A…サーバコンピュータ、1D…通信バス、X…通信ネットワーク

Claims (3)

  1. 演奏データに基づき所定の表示手段に表示された楽譜上の位置指定に応じて、前記演奏データの編集範囲を特定する演奏データ編集装置であって、
    前記表示手段に表示されている楽譜上のいずれかの音符を指定する指定手段と、
    前記指定された音符を基準に、前記楽譜上において繰り返しレガートを表情付ける範囲を周期的に特定する特定手段と、
    前記特定された周期的範囲に対応した複数の前記楽譜上の所定の表示位置に、所定の特殊記号を表示する表示制御手段と、
    前記特定された前記楽譜上の周期的範囲を編集範囲として、当該編集範囲に該当する演奏データに対しレガートを繰り返し表情付けるように前記演奏データの楽音特性を変更する楽音特性変更手段と
    を具える演奏データ編集装置。
  2. 前記特殊記号は息継ぎ記号又は弓返し記号あるいはその他のユーザ任意の記号であって、楽譜上に表示する前記特殊記号を選択する選択手段をさらに具えることを特徴とする請求項1に記載の演奏データ編集装置。
  3. コンピュータに、
    演奏データに基づき所定の表示手段に表示されている楽譜上のいずれかの音符を指定する手順と、
    前記指定された音符を基準に、前記楽譜上において繰り返しレガートを表情付ける範囲を周期的に特定する手順と、
    前記特定された周期的範囲に対応した複数の前記楽譜上の所定の表示位置に、所定の特殊記号を表示する手順と、
    前記特定された前記楽譜上の周期的範囲を編集範囲として、当該編集範囲に該当する演奏データに対しレガートを繰り返し表情付けるように前記演奏データの楽音特性を変更する手順と
    を実行させるためのプログラム。
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