以下、この発明の実施の形態を添付図面に従って詳細に説明する。
図1は、この発明に係る電子音楽装置の全体構成を示したハード構成ブロック図である。本実施例に示す電子音楽装置は、マイクロプロセッサユニット(CPU)1、リードオンリメモリ(ROM)2、ランダムアクセスメモリ(RAM)3からなるマイクロコンピュータによって制御される。CPU1は、この電子音楽装置全体の動作を制御するものである。このCPU1に対して、データ及びアドレスバス1Dを介してROM2、RAM3、検出回路4,5、表示回路6、音源回路7、効果回路8、外部記憶装置10、MIDIインタフェース(I/F)11および通信インタフェース(I/F)12がそれぞれ接続されている。更に、CPU1には、タイマ割込み処理(インタラプト処理)における割込み時間や各種時間を計時するタイマ1Aが接続されている。例えば、タイマ1Aはクロックパルスを発生し、発生したクロックパルスをCPU1に対して処理タイミング命令として与えたり、あるいはCPU1に対してインタラプト命令として与える。CPU1は、これらの命令に従って各種処理を実行する。
ROM2は、CPU1により実行される各種プログラムや各種データを格納するものである。RAM3は、CPU1が所定のプログラムを実行する際に発生する各種データを一時的に記憶するワーキングメモリとして、あるいは現在実行中のプログラムやそれに関連するデータを記憶するメモリ等として使用される。RAM3の所定のアドレス領域がそれぞれの機能に割り当てられ、レジスタやフラグ、テーブル、バッファメモリなどとして利用される。この実施例においては、例えば後述する自動演奏ファイルのパスやテキストファイルのパスをそれぞれ一時記憶するデータメモリ(AP_PATH、TXT_PATH)、あるいは歌詞を表示する画像用の歌詞画面データやその他の各種情報を表示する画像用のテキスト画面データを一時記憶する画像バッファメモリなどがある。
演奏操作子4Aは楽音の音高を選択するための複数の鍵を備えた例えば鍵盤等のようなものであり、各鍵に対応してキースイッチを有しており、この演奏操作子4A(鍵盤等)はユーザによるマニュアル(手弾き)演奏のために使用できるのは勿論のこと、当該電子音楽装置における自動演奏対象曲の選択や演奏の際に用いる演奏環境などを設定するための入力手段として使用することもできる。検出回路4は、演奏操作子4Aの各鍵の押圧及び離鍵を検出することによって検出出力を生じる。設定操作子(スイッチ等)5Aは、例えば自動演奏データの再生開始・停止を指示する自動演奏スイッチ、自動演奏対象とする自動演奏データファイル(以下、単に演奏ファイルとも呼ぶ)を選択する演奏データ選択スイッチ、演奏テンポや音色・音量・効果などの演奏環境を一括設定可能なレジストレーションデータファイル(以下、単にレジストファイルとも呼ぶ)を選択するレジストレーション選択スイッチ、ディスプレイ6A上に表示された画面表示内容に対応した動作を行うディスプレイ6Aの周囲に配置された共通スイッチ(後述の図3〜図5に示す各画面参照)、レジストファイルにより演奏環境として設定するよう指示された項目であるにも関わらず設定対象から除外するよう禁止設定の有効/無効を指示するフリーズ指示スイッチなどがある。勿論、これら以外にも、音高、音色、効果等を選択・設定・制御するために用いる数値データ入力用のテンキーや文字データ入力用のキーボード、あるいはディスプレイ6Aに表示される所定のポインティングデバイスを操作するために用いるマウスなどの各種操作子を含んでいてよい。検出回路5は、上記各スイッチの操作状態を検出し、その操作状態に応じたスイッチ情報をデータ及びアドレスバス1Dを介してCPU1に出力する。
表示回路6は例えば液晶表示パネル(LCD)やCRT等から構成されるディスプレイ6Aに、自動演奏可能な自動演奏データの一覧、自動演奏の際に用いる演奏環境の種類や現在の設定状況、「歌詞表示画面」や「テキストファイル選択画面」や「テキスト表示画面」などの各種画面(図3〜図5参照)、あるいはCPU1の制御状態などを表示する。ユーザは該ディスプレイ6Aに表示されるこれらの各種情報を参照しながら、自動演奏ファイルやレジストファイルやテキストデータファイル(以下、単にテキストファイルとも呼ぶ)の選択を行うことができる。また、前記各種画面を適宜に切り替えることによって、歌詞や歌詞以外の各種情報を画面上で確認することができる。なお、この実施例に示す電子音楽装置においては、自動演奏ファイルに含まれる歌詞データ、テキストファイルに含まれるテキストデータを表示回路6が有する所定の画像メモリ(図示せず)に直接転送することに応じてディスプレイ6A上に歌詞やテキストの表示が行われるのではなく、一旦、歌詞データやテキストデータに基づき頁単位で作成された歌詞画像やテキスト画像からなる各画面データをRAM3上に設けられた画像バッファメモリに一時的に保存し、これを必要に応じて表示回路6の画像メモリに転送することに応じてディスプレイ6A上に歌詞やテキストの表示が行われる。勿論、これに限らない。
音源回路7は複数のチャンネルで楽音信号の同時発生が可能であり、データ及びアドレスバス1Dを経由して与えられた、ユーザによる演奏操作子4Aの操作に応じて発生される、あるいは自動演奏ファイルの演奏データに基づき発生される各種演奏情報を入力し、これらの演奏情報に基づいて楽音信号を発生する。音源回路7から発生された楽音信号は、効果回路8を介して効果付与されてアンプやスピーカなどを含むサウンドシステム9から発音される。この音源回路7と効果回路8とサウンドシステム9の構成には、従来のいかなる構成を用いてもよい。例えば、音源回路8はFM、PCM、物理モデル、フォルマント合成等の各種楽音合成方式のいずれを採用してもよく、また専用のハードウェアで構成してもよいし、CPU1によるソフトウェア処理で構成してもよい。外部記憶装置10は、自動演奏ファイルやレジストファイルやテキストファイルなどの各種ファイル、CPU1が実行する各種制御プログラム等の制御に関するデータなどを記憶する。なお、上述したROM2に制御プログラムが記憶されていない場合、この外部記憶装置10(例えばハードディスク)に制御プログラムを記憶させておき、それをRAM3に読み込むことにより、ROM2に制御プログラムを記憶している場合と同様の動作をCPU1にさせることができる。このようにすると、制御プログラムの追加やバージョンアップ等が容易に行える。なお、外部記憶装置10はハードディスク(HD)に限られず、フレキシブルディスク(FD)、コンパクトディスク(CD‐ROM・CD‐RAM)、光磁気ディスク(MO)、あるいはDVD(Digital Versatile Disk)等の着脱自在な様々な形態の外部記憶媒体を利用する記憶装置であればどのようなものであってもよい。あるいは、フラッシュメモリなどの半導体メモリであってもよい。
MIDIインタフェース(I/F)11は、外部接続された他のMIDI機器11A等からMIDI形式の演奏データ(MIDIデータ)を当該電子楽器へ入力したり、あるいは当該電子楽器からMIDI形式の演奏データ(MIDIデータ)を他のMIDI機器11A等へ出力するためのインタフェースである。他のMIDI機器11Aはユーザによる操作に応じてMIDIデータを発生する機器であればよく、鍵盤型、弦楽器型、管楽器型、打楽器型、身体装着型等どのようなタイプの操作子を具えた(若しくは、操作形態からなる)機器であってもよい。なお、MIDIインタフェース11は専用のMIDIインタフェースを用いるものに限らず、RS-232C、USB(ユニバーサル・シリアル・バス)、IEEE1394(アイトリプルイー1394)等の汎用のインタフェースを用いてMIDIインタフェース11を構成するようにしてもよい。この場合、MIDIイベントデータ以外のデータをも同時に送受信するようにしてもよい。MIDIインタフェース11として上記したような汎用のインタフェースを用いる場合には、他のMIDI機器11AはMIDIイベントデータ以外のデータも送受信できるようにしてよい。勿論、演奏データのデータフォーマットはMIDI形式のデータに限らず他の形式であってもよく、その場合はMIDIインタフェース11と他のMIDI機器11Aはそれにあった構成とする。通信インタフェース(I/F)12は、例えばLANやインターネット、電話回線等の有線あるいは無線の通信ネットワークXに接続されており、該通信ネットワークXを介してサーバコンピュータ12Aと接続され、当該サーバコンピュータ12Aから制御プログラムあるいは各種データなどを電子音楽装置側に取り込むためのインタフェースである。すなわち、ROM2や外部記憶装置10(例えば、ハードディスク)等に制御プログラムや各種データが記憶されていない場合には、サーバコンピュータ12Aから制御プログラムや各種データをダウンロードするために用いられる。こうした通信インタフェース12は、有線あるいは無線のものいずれかでなく双方を具えていてよい。
なお、上述した電子音楽装置において、演奏操作子4Aは鍵盤楽器の形態に限らず、弦楽器や管楽器、あるいは打楽器等どのようなタイプの形態でもよい。また、電子音楽装置は演奏操作子4Aやディスプレイ6Aあるいは音源回路7などを1つの装置本体に内蔵したものに限らず、それぞれが別々に構成され、MIDIインタフェースや各種ネットワーク等の通信手段を用いて各装置を接続するように構成されたものであってもよいことは言うまでもない。さらに、本発明に係る電子音楽装置は上記したような電子楽器の形態に限らず、パーソナルコンピュータやカラオケ装置やゲーム装置など、どのような形態の装置・機器に適用してもよい。
ここで、外部記憶装置10などに複数記憶されており、当該電子音楽装置で用いる自動演奏データファイル、レジストレーションデータファイル、テキストデータファイルについて、図2を用いて簡単に説明する。図2(a)は自動演奏データファイル、図2(b)はレジストレーションデータファイル、図2(c)はテキストデータファイルそれぞれのデータ構造の一実施例を示す概念図である。なお、ここに示す自動演奏データファイル、レジストレーションデータファイル、テキストデータファイルには各図で示したデータ以外のデータも含まれていてよいが、本発明を説明する上では必須のものではないため、その説明を省略する。
図2(a)に示すように、自動演奏データファイルは演奏データと歌詞データとを含む。演奏データは自動演奏される楽曲の再生内容を表わすデータであり、従来知られているように、演奏タイミングデータと演奏イベントデータの組みを演奏進行順に記憶する。演奏イベントデータは、発音や消音などの楽曲を再生するための演奏イベントの内容を表わすデータである。演奏イベントの内容にはキーオン、キーオフ、テンポ変更、音色変更などがあり、これらの演奏イベントを基にして自動演奏は行われる。演奏タイミングデータは上記演奏イベントデータを処理すべき時間(すなわち、タイミング)を表わすデータであり、例えば演奏イベントの発生タイミングを曲の先頭や各小節の先頭からの絶対時間、あるいは1つ前の演奏イベントからの相対時間などで示すデータである。一方、歌詞データはディスプレイ6A上に表示する歌詞を表すデータであり、従来知られているように、歌詞データは演奏にあわせて該当する範囲の歌詞を表示するタイミングを表すタイミングデータと、実際に表示する内容である歌詞を表す歌詞イベントデータの組みを表示順に記憶する。
なお、演奏データ(又は歌詞データ)のフォーマットは、演奏イベント(又は歌詞イベント)の発生時刻を曲や小節内における絶対時間で表した『イベント+絶対時間』形式のもの、演奏イベント(又は歌詞イベント)の発生時刻を1つ前のイベントからの時間で表した『イベント+相対時間』形式のものに限らず、他にも音符の音高と符長あるいは休符と休符長で演奏データを表した『音高(休符)+符長』形式のもの、演奏の最小分解能毎にメモリの領域を確保し、演奏イベント(又は歌詞イベント)の発生する時刻に対応するメモリ領域にイベントを記憶した『ベタ方式』形式のものなど、どのような形式のものであってもよい。
なお、メモリ上において、時系列の演奏データ(又は歌詞データ)が連続する領域に記憶されていてもよいし、飛び飛びの領域に散在して記憶されている演奏データ(又は歌詞データ)を、連続するデータとして別途管理するようにしてもよい。すなわち、時系列的に連続する演奏データ(又は歌詞データ)として管理することができればよく、メモリ上で連続して記憶されているか否かは問題ではない。また、上記した図2(a)では演奏データと歌詞データとをそれぞれ別々の独立したデータとして構成し、関連する演奏データと歌詞データとを1つの自動演奏データファイルとして記憶したものを示したがこれに限らず、演奏データ中の適宜の位置に歌詞イベントデータを混在させた構成であってもよい。
レジストレーションデータファイルは、演奏対象に含まれる全ての演奏パートそれぞれに対して予め共通に設定しておく必要のある各種パラメータに関するデータであり、例えば演奏テンポや拍子あるいは各演奏パート毎の音色及び効果の設定等に係るデータである。ユーザは該レジストレーションデータファイルを選択することで、簡単に当該電子音楽装置における演奏環境を一括設定することができる。図2(b)に示すように、レジストレーションデータファイルは、自動演奏データファイルのパス、テキストデータファイルのパス、フリーズ項目データ、その他の設定データを含む。自動演奏データファイルのパスは、当該演奏環境を適用する対象の自動演奏データファイルを記憶している外部記憶装置10等における階層的な記憶位置を指し示す自動演奏データ選択情報である(例えば、ディスク名/ディレクトリ名/自動演奏データファイル名など)。勿論、当該演奏環境を適用する自動演奏データファイルが予め設定されていないような場合には、レジストレーションデータファイル内に自動演奏データファイルのパスが含まれていなくてよい。自動演奏データファイルのパスが含まれている場合には、自動演奏データとテキストデータファイルとを関連付ける。テキストデータファイルのパスは、予めユーザが作成したテキストデータファイルを記憶している外部記憶装置10等における階層的な記憶位置を指し示すテキストファイル選択情報である(例えば、ディスク名/ディレクトリ名/テキストデータファイル名など)。
フリーズ項目データは、該レジストレーションデータファイルで演奏環境として設定するよう指示されているにも関わらず、設定対象から除外して設定を行わないようにすることを可能とした項目を指定するデータである。このフリーズ項目データに指定されている項目については、演奏環境を反映するかしないかの禁止設定の有効/無効をフリーズ指示スイッチを用いてユーザが適宜に設定することができる。例えば、フリーズ項目データに「テキストデータファイル」が指定されており、且つフリーズ指示スイッチによりフリーズするよう指示されている場合には、テキストデータファイルのパスに基づくテキストデータファイルの読み出し及びこれに基づく新規の画面表示を行わない(前の画面表示のまま)。一方、フリーズ項目データに「テキストデータファイル」が指定されていても、フリーズ指示スイッチによりフリーズするよう指示されていない場合には、テキストデータファイルの読み出し及びこれに基づく新規の画面表示を行う。その他の設定データは、例えばマニュアル演奏及び/又は自動演奏の際に用いられる音色や音量、あるいは拍子やテンポなどの演奏環境を設定する演奏環境設定情報である。
テキストデータファイルはユーザがパーソナルコンピュータ等を用いて作成可能なデータであって、図2(c)に示すように、歌詞あるいは歌詞以外の任意の各種情報からなるテキストデータを含む。本明細書におけるテキストデータファイルとは、テキストデータを純粋な文字だけで構成したプレーンテキストデータファイルに限らず、各種タグを含んだマークアップ言語ファイル(例えばHTMLやXML等)でもよいし、書式情報などを含んだリッチテキストデータファイルあるいはワープロファイルなども含む概念である。要は、テキストデータを含んでおり、パーソナルコンピュータ等にて容易に作成可能な形式のファイルであればどのような形式のファイルであってもよい。また、テキストデータ以外のデータ、例えば画像データなどがさらに含まれていてもよい。そして、本電子音楽装置は、このような各種形式のテキストデータファイルを読み込んで表示することのできるプログラムを具える。
なお、1つのレジストレーションデータファイルの中に複数のテキストファイル選択情報(ここではテキストデータファイルのパス)を含ませておき、電子音楽装置上の操作子の操作により順次或いは任意に選択できるようにしてもよい。あるいは、頁切り替えによって1つのテキストデータファイルの末尾(又は先頭)まで達した後、更なる頁切り替え指示によって次のテキストデータファイルを選択するようにしてもよい。
なお、レジストレーションデータファイルについては、電子音楽装置上の1乃至複数の操作子(レジストレーション選択スイッチ)に、1乃至複数のレジストレーションデータファイルを割り当てておき、該操作子を操作することで、演奏中に容易に選択できるようにするのが望ましい。あるいは、順次選択すべき複数のレジストレーションデータファイルのシーケンスを予め設定しておき、演奏の進行に従って自動的或いは演奏者の操作子操作ごとに読み出して設定するようにしてもよい。
次に、ディスプレイ6A上に表示される各種画面について、簡単に説明する。図3は、歌詞データに基づき歌詞を表示する「歌詞表示画面」の一実施例を示す概念図である。この「歌詞表示画面」における歌詞表示では、ディスプレイ6Aの大きさ、より具体的には表示画面の大きさ(あるいは表示ウィンドウのサイズ)にあわせて定められる表示領域Aの大きさ、にあわせて頁毎に分けられた複数枚の当該曲の歌詞画像からなる歌詞画面データ(表示対象の歌詞データから作成される)に従って、頁毎に該当する範囲の歌詞を表示する。表示領域A内には1頁分の歌詞表示に加えて、該歌詞表示の下部に「テキスト」表示B及び「テキストファイル」表示Cの各表示がなされる。この「テキスト」表示B及び「テキストファイル」C表示は、ディスプレイ6Aの周囲に配置されている多数の共通スイッチに対して、どういった機能をそれぞれに割り当てたかを示すものである。ここに示す「歌詞表示画面」においては、「テキスト」表示Bに対応する位置に配置されている共通スイッチDのいずれかを押下すると、画面表示が「歌詞表示画面」から後述する「テキスト表示画面」(図5参照)に切り替わる。すなわち、共通スイッチDは「歌詞表示画面」と「テキスト表示画面」とを切り替えるスイッチとして動作するよう機能が割り当てられる。「テキストファイル」表示Cに対応する位置に配置されている共通スイッチEのいずれかを押下すると、画面表示が「歌詞表示画面」から後述する「テキストファイル選択画面」(図4参照)に切り替わる。すなわち、共通スイッチDは「歌詞表示画面」と「テキストファイル選択画面」とを切り替えるスイッチとして動作するよう機能が割り当てられる。右上の「Back」スイッチF及び「Next」スイッチGは、表示対象の頁を現在表示中である頁の前後に切り替えるためのスイッチである(ただし、自動演奏中においては操作しても頁の切り替えは行われない)。
図4は、ユーザ作成のテキストファイルを一覧表示し選択可能とする「テキストファイル選択画面」の一実施例を示す概念図である。「テキストファイル選択画面」では、表示領域A内にユーザが予め作成した1乃至複数のテキストファイルの「ファイル名(aaaa.txt、bbbb.txt等)」を一覧表示する。この「テキストファイル選択画面」において、ディスプレイ6Aの左右に配置されている共通スイッチHのいずれかを押下した場合には、各共通スイッチHに対応する「ファイル名」のテキストファイルが選択されて、該「テキストファイル選択画面」に切り替わる前の画面(「歌詞表示画面」又は「テキスト表示画面」)に表示画面を戻す。この際に「テキスト表示画面」に戻った場合には、選択されたテキストファイルの内容が表示される。すなわち、共通スイッチHはテキストファイルを選択するスイッチとして動作するよう機能が割り当てられる。表示領域A内には上記「ファイル名」の表示に加えて、「戻る」表示Iがなされる。この「戻る」表示Iに対応する位置に配置された共通スイッチJのいずれかを押下した場合にも、該「テキストファイル選択画面」に切り替わる前の画面(「歌詞表示画面」又は「テキスト表示画面」)に表示画面を戻す。すなわち、共通スイッチJはテキストファイルの選択を伴わずに画面表示を元に戻すスイッチとして動作するよう機能が割り当てられる。「Back」スイッチF、「Next」スイッチGは、表示領域Aに1度に表示可能な数以上(ここでは10個)のテキストファイルが存在する場合に、現在表示中であるテキストファイル以外の他のファイルを表示可能な数単位に切り替えながら表示させるためのスイッチである。
図5は、テキストファイルに基づき表示される「テキスト表示画面」の一実施例を示す概念図である。「テキスト表示画面」では、表示領域Aに頁毎に分けられた複数枚のテキストからなるテキスト画面データ(表示対象のテキストファイルから作成される)に従って、頁毎に該当する範囲の各種情報をテキスト表示する。表示領域A内には1頁分のテキスト表示に加えて、該テキスト表示の下部に「歌詞」表示B´及び「テキストファイル」表示Cの各表示がなされる。この「テキスト表示画面」においては、「歌詞」表示B´に対応する位置に配置された共通スイッチDのいずれかを押下すると、画面表示が「テキスト表示画面」から「歌詞表示画面」に切り替わる。一方、「テキストファイル」表示Cに対応する位置に配置された共通スイッチEのいずれかを押下すると、画面表示が「テキスト表示画面」から「テキストファイル選択画面」に切り替わる。すなわち、共通スイッチD及びEはそれぞれ「歌詞表示画面」と「テキスト表示画面」とを切り替えるスイッチとして動作するよう機能が割り当てられる。「Back」スイッチF及び「Next」スイッチGは、表示対象の頁を現在表示中である頁の前後に切り替えるためのスイッチである。「歌詞表示画面」と異なり「テキスト表示画面」では、自動演奏中であるか否かに関わらず、操作に応じて頁の切り替えが行われる。
なお、上記「テキストファイル選択画面」等に表示するテキストファイルを当該電子音楽装置に供給する方法としては、外部記憶媒体経由、通信インタフェース経由、電子音楽装置上で直接作成(例えば、ディスプレイ6A上に表示された内容を見ながら電子音楽装置上の設定操作子5Aなどを操作してテキストファイルを作成する)等がある。特に、通信インタフェース経由の場合には、パーソナルコンピュータからみて電子音楽装置が記憶装置となるようにし(例えば、電子音楽装置をUSBのストレージデバイスとして動作させる等)、パーソナルコンピュータから通信インタフェース(USB)経由で電子音楽装置内に直接テキストファイルを作成、編集できるようにしてもよい。
なお、テキストファイルを電子音楽装置の外部の装置内に記憶させておき、この外部装置内のテキストファイルへのパスをレジストレーションデータ中に記述してもよい。特にテキストファイルをネットワーク上のWEBサイトに蓄積されたWEBページデータ(HTMLやXML等)とし、テキストファイルへのパスとして該WEBページデータのURLをレジストレーションデータ中に記述すると、レジストレーションデータの選択に応じて該レジストレーションデータに関連付けられたWEBページを電子音楽装置で表示させることができる。具体的には、レジストレーションデータの選択に応じて、通信インタフェース12を介して該レジストレーションデータ中に記述された前記URLにアクセスし、対応するWEBページデータを通信インタフェース12を介して取得(受信)し、電子音楽装置上のディスプレイ6Aに表示させる。なお、このWEBサイト上のテキストファイルは、電子音楽装置のユーザが作成し、当該WEBサイトにアップロードしたものでもよいし、電子音楽装置の提供者(メーカーや販売者等)が作成し、当該WEBサイトにアップロードしたものでもよい。なお、外部装置はネットワーク上のWEBサイトに限らず、LAN上に構築されたファイルサーバでもよいし、USB等の通信インタフェースで接続されたパーソナルコンピュータや他の電子音楽装置でもよい。
なお、上記「テキスト表示画面」におけるテキストファイルの表示に関して、表示するフォント種類の選択、フォントサイズの選択、表示色の選択、表示位置(左寄せ、中央、右寄せ等)の選択、折り返しの選択(表示画面の端で折り返すか否か等)などが設定操作子5Aなどの操作により設定できるようにしてもよいし、これらの設定情報をレジストレーションデータファイル中に記述しておき、レジストレーションデータファイルの選択により、これらが自動設定できるようにしてもよい。また、テキストファイルの内容が、電子音楽装置上のディスプレイ6Aで「テキスト表示画面」としてどのように表示されるかの確認を容易にすべく、電子音楽装置上のディスプレイ6Aの表示仕様を模した表示画面を有したパーソナルコンピュータ用アプリケーションプログラム(以下、「表示模擬アプリ」と呼ぶ)を用意し、該表示模擬アプリを使ってテキストファイルを作成、編集したり、或いは別途用意したテキストエディタ等で作成、編集したテキストファイルをこの表示模擬アプリで読み込んで表示態様を確認したりできるようにすると、確認のためだけに電子音楽装置へとテキストファイルを供給する手間を省くことができ、便利である。
なお、上述した実施例においては歌詞表示とテキスト表示とのいずれか一方のみを表示する例を示したがこれに限らず、歌詞表示とテキスト表示とを並列的に表示させてもよい。こうした場合には、スイッチ操作による画面切り替え指示に応じて、歌詞表示又はテキスト表示のいずれかをメイン表示とし、該メイン表示を強調するために他方の表示のフォントを小さくして表示するとよい。
次に、ユーザによるスイッチ操作等に応じて各種処理を実行する「メイン処理」について、図6を用いて説明する。図6A及び図6B及び図6Cは、図1に示したCPU1において実行される一連の「メイン処理」の一実施例を示すフローチャートである。ただし、ここでは図示の都合上、1つの連続する処理である「メイン処理」を3つに分け、図6Aに「メイン処理」の前半部分に該当する処理を、図6Bに図6Aに示した前半処理に引き続き実行される「メイン処理」の中間部分に該当する処理を、図6Cに図6Bに示した中間処理に引き続き実行される「メイン処理」の後半部分に該当する処理を、それぞれ示した。
図6Aに示すように、ステップS1では、ユーザによる演奏データ選択スイッチの操作に応じて、自動演奏ファイルが選択されたか否かを判定する。自動演奏ファイルが選択された場合には(ステップS1のYES)、データメモリ(AP_PATH)に該選択された自動演奏ファイルのパスを記憶する(ステップS2)。そして、演奏データ選択スイッチの操作時に、選択した自動演奏ファイルデータとは異なるファイルに基づく自動演奏が行われている最中であれば、スイッチ操作時までのファイル再生に替えて、データメモリ(AP_PATH)に記憶されたパスに基づき新たに選択された自動演奏ファイルを再生開始する(ステップS3)。ステップS4では、「テキストファイル選択画面」表示時にユーザによる共通スイッチHの操作に応じて、テキストファイルが選択されたか否かを判定する。テキストファイルが選択された場合には(ステップS4のYES)、データメモリ(TXT_PATH)に選択されたテキストファイルのパスを記憶しておく(ステップS5)。そして、画像バッファに先頭頁のテキスト画面データを作成する(ステップS6)。前記「テキストファイル選択画面」が「テキスト表示画面」から切り替えられて表示されていた場合には、作成したテキスト画面データを画像メモリに転送し、ディスプレイ6A上の表示を「テキストファイル選択画面」から先頭頁の「テキスト表示画面」に表示を戻す。
ステップS7では、ユーザによるレジストレーション選択スイッチの操作に応じて、レジストファイルが選択されたか否かを判定する。レジストファイルが選択されていない場合には(ステップS7のNO)、以下に示すようなレジストファイルに基づく各種の演奏環境設定を行うことなく、後述する図6BのステップS17の処理へジャンプする。一方、レジストファイルが選択された場合には(ステップS7のYES)、レジストファイル内に自動演奏データファイルのパスが記録されているか否かを判定する(ステップS8)。自動演奏データファイルのパスが記録されている場合には(ステップS8のYES)、自動演奏はフリーズ設定されていないか判定する(ステップS9)。フリーズ設定されている場合には(ステップS9のNO)、現在ユーザによるフリーズ指示スイッチの操作に応じてフリーズ指示されていないか判定する(ステップS10)。フリーズ指示されていない場合には(ステップS10のYES)、前記記録されている自動演奏データファイルのパスに従い自動演奏ファイル処理を実行する(ステップS11)。該「自動演奏ファイル処理」とは、上記ステップS2及びステップS3に該当する処理である。すなわち、レジストファイル内に記録されていた自動演奏データファイルのパスをデータメモリ(AP_PATH)に記憶すると共に、該自動演奏ファイルに基づき新たに自動演奏を開始する。
ステップS12では、レジストファイル内にテキストデータファイルのパスが記録されているか否かを判定する。テキストデータファイルのパスが記録されている場合には(ステップS12のYES)、テキスト表示はフリーズ設定されていないか判定する(ステップS13)。フリーズ設定されている場合には(ステップS13のNO)、現在ユーザによるフリーズ指示スイッチの操作に応じてフリーズ指示されていないか判定する(ステップS14)。フリーズ指示されていない場合には(ステップS14のYES)、テキストファイル処理を実行する(ステップS15)。該「テキストファイル処理」とは、上記ステップS5及びステップS6に該当する処理である。すなわち、レジストファイル内に記録されていたテキストデータファイルのパスをデータメモリ(TXT_PATH)に記憶すると共に、該テキストファイルに基づき新たに先頭頁のテキスト画面データを作成する。さらに、「テキストファイル選択画面」が「テキスト表示画面」から切り替えられて表示されていた場合には、作成したテキスト画面データを画像メモリに転送し、ディスプレイ6A上の表示を「テキストファイル選択画面」から先頭頁の「テキスト表示画面」に表示を戻す。ステップS16では、その他のデータ設定を行う。すなわち、レジストファイルの「その他の設定データ」に基づき、該当する演奏環境の設定を行う。
図6Bに示すように、ステップS17では、「歌詞表示画面」又は「テキスト表示画面」表示中に、ユーザによる共通スイッチB、B´の操作に応じて、歌詞/テキスト表示の切り替えが指示されたか否かを判定する。切り替え指示されたと判定した場合には(ステップS17のYES)、該切り替え指示がテキストから歌詞への表示切り替えであるか否かを判定する(ステップS18)。テキストから歌詞への表示切り替え指示である場合には(ステップS18のYES)、画像バッファにある現在の歌詞画面データを画像メモリに転送することで、現在の演奏位置に対応した歌詞の頁を表示する(ステップS19)。一方、歌詞からテキストへの表示切り替え指示である場合には(ステップS18のNO)、画像バッファにある現在のテキスト画面データを画像メモリに転送することで、指示された該当頁のテキストを表示する(ステップS20)。
ステップS21では、ユーザによる「Back」スイッチF又は「Next」スイッチGの操作に応じて、ページ切り替えが指示されたか否かを判定する。ページ切り替えが指示されたと判定した場合には(ステップS21のYES)、該ページ切り替え指示が歌詞の表示中(「歌詞表示画面」)に指示されたものであるか否かを判定する(ステップS22)。歌詞表示中であると判定した場合には(ステップS22のYES)、さらに自動演奏停止中であるか否かを判定する(ステップS23)。自動演奏停止中である場合には(ステップS23のYES)、ページ切り替え指示に応じて前又は次の頁の歌詞画面データを作成し、これを画像バッファから画像メモリに転送して前又は次の頁の歌詞を表示させる(ステップS24)。そして、自動演奏の演奏位置を表示された歌詞の先頭位置に設定する(ステップS25)。上記ステップS23において、自動演奏停止中でないと判定した場合には(ステップS23のNO)、上記ステップS24及びステップS25の処理を行わない。すなわち、自動演奏中においては自動演奏にあわせて該当する歌詞を表示することから、ユーザによるページ切り替え指示を無視することで、自動演奏中の曲位置と表示中の歌詞とが異ならないようにしている。上記ステップS22において、歌詞表示中でないと判定した場合には(ステップS22のNO)、ページ切り替え指示がテキストの表示中(「テキスト表示画面」)に指示されたものであるか否かを判定する(ステップS26)。テキスト表示中であると判定した場合には(ステップS26のYES)、ページ切り替え指示に応じて前又は次の頁のテキスト画面データを作成し、これを画像バッファから画像メモリに転送して前又は次の頁のテキストを表示させる(ステップS27)。
図6Cに示すように、ステップS28では、ユーザによる自動演奏スイッチの操作に応じて、再生開始が指示されたか否かを判定する。再生開始が指示された場合には(ステップS28のYES)、データメモリ(AP_PATH)に記憶されたパスに基づき該当する自動演奏ファイルの再生を開始する(ステップS29)。この自動演奏処理については、後述する(図7参照)。ステップS30では、ユーザによる自動演奏スイッチの操作に応じて、再生停止が指示されたか否かを判定する。再生停止が指示された場合には(ステップS30のYES)、データメモリ(AP_PATH)に記憶されたパスに基づく自動演奏ファイルの再生を停止する(ステップS31)。以上の図6A〜図6Cまでの一連の処理が終了したら、図6AのステップS1の処理へ戻って、上記したステップS1〜ステップS31の各処理を繰り返し実行する。
ここで、上記「メイン処理」(図6参照)と並行して動作され、自動演奏ファイルを再生することにより自動演奏を実行する「自動演奏処理」について、図7を用いて説明する。図7は、「自動演奏処理」の一実施例を示すフローチャートである。ステップS41では、既に自動演奏が再生中であるか否かを判定する。再生中である場合には(ステップS41のYES)、データメモリ(AP_PATH)に従って自動演奏ファイルを読み出し楽音信号を形成すると共に、歌詞データに基づき現在の再生位置に応じた歌詞を含む頁の歌詞画面データを作成し、これを画像バッファに記憶する(ステップS42)。こうすることにより、画像バッファに記憶した現在の再生位置に応じた歌詞を含む頁の歌詞画面データを必要に応じて画像メモリに転送するだけで(例えば、上記ステップS19など)、再生中の自動演奏データ位置に対応した歌詞を表示することができる。
次に、ユーザによるスイッチ操作に応じた画面切り替え動作の具体例について、図8及び図9用いて説明する。図8は、レジストレーション選択スイッチの操作に応じた画面切り替え動作の具体例を示す概念図である。図9は、自動演奏中における各共通スイッチ、「Back」スイッチ、「Next」スイッチの操作に応じた画面切り替え動作の具体例を示す概念図である。
まず、図8(a)に示すように、「テキスト表示画面」の表示中に、ユーザによるレジストレーション選択スイッチの操作に応じてレジストファイルの読み込みが行われた場合には、その時点から前記スイッチ操作前に表示されていた「前のテキスト」から「レジストで指定された新テキスト」に表示を切り替える。ただし、この場合において、レジストファイル中にフリーズ設定対象として「テキストファイル」が指定されており、かつフリーズ指示スイッチによるフリーズを行うよう指示されている場合には、図8(b)に示すように、レジストファイルの読み込みが行われても、スイッチ操作前に表示されていた「前のテキスト」から「レジストで指定された新テキスト」に表示を切り替えることなく、「前のテキスト」の表示をそのまま続行する。他方、図8(c)及び図8(d)に示すように、「歌詞表示画面」の表示中に、ユーザによるレジストレーション選択スイッチの操作に応じてレジストファイルの読み込みが行われた場合には、その時点からスイッチ操作前に表示されていた「前の自動演奏データの歌詞」から「レジストで指定された新自動演奏データの歌詞」に表示を切り替える。さらに、「歌詞表示画面」からテキスト表示指示が行われた場合には、その時点で画面表示を「歌詞表示画面」から「テキスト表示画面」に切り替え、「レジストで指定された新テキスト」を表示する(図8(c))。ただし、選択されたレジストファイル中にフリーズ設定対象として「テキストファイル」が指定されており、かつフリーズ指示スイッチによるフリーズを行うよう指示されている場合には、図8(d)に示すように、「レジストで指定された新テキスト」を表示せずに、変更前のレジストファイルに指定されている「前のテキスト」をそのまま表示する。
図9(a)に示すように、自動演奏中に「歌詞表示画面」が表示されている場合には、自動演奏の演奏進行に応じて「再生位置の歌詞」を含む該当の頁に表示が更新される。「歌詞表示画面」からテキスト表示指示が行われた場合には、その時点で画面表示を「歌詞表示画面」から「テキスト表示画面」に切り替え、指定されている該当の頁を表示する(特に指定がない場合には「第1頁のテキスト」を表示する)。「テキスト表示画面」から歌詞表示指示が行われた場合には、その時点で画面表示を「テキスト表示画面」から「歌詞表示画面」に切り替え、自動演奏の演奏進行に応じた現在再生中の「再生位置の歌詞」を含む該当の頁を表示する。再度、「歌詞表示画面」からテキスト表示指示が行われた場合には、「歌詞表示画面」に切り替えた際に表示されていた該当頁のテキストを表示する(ここでは「第1頁のテキスト」)。他方、図9(b)に示すように、自動演奏中に「再生位置の歌詞」を含む該当の頁を表示している「歌詞表示画面」からテキストファイル選択指示が行われた場合には、その時点で画面表示を「歌詞表示画面」から「テキストファイル選択画面」に切り替える。「テキストファイル選択画面」からテキストファイルの選択が行われた場合には、その時点で画面表示を「テキストファイル選択画面」から「歌詞表示画面」に切り替え、自動演奏の演奏進行に応じた現在再生中の「再生位置の歌詞」を含む該当の頁を表示する。さらに、「歌詞表示画面」からテキスト表示指示が行われた場合には、新たに選択されたテキストファイルに基づき第1頁のテキストを表示する。このように、歌詞データを表示している状態からテキストファイルを選択できるようにしたため、歌詞表示状態を一旦中止し、その後にテキストファイルを選択するといった煩雑な操作をすることなく、歌詞表示状態からも簡単にテキストファイルを選択することができるようになる。
図9(c)に示すように、「テキスト表示画面」の表示中に、「Next」又は「Back」スイッチ(図5参照)が操作された場合には、操作に応じて表示対象の頁を切り替えて表示する。例えば、図示のように「第1頁のテキスト」表示中に「Next」スイッチが操作された場合には、その操作回数に応じて順次に「第2頁のテキスト」、「第3頁のテキスト」などのように頁を加算して表示する。また、図示のように「第3頁のテキスト」表示中に「Back」スイッチが操作された場合には、その操作回数に応じて順次に「第2頁のテキスト」(図示しない「第1頁のテキスト」)などのように頁を減算して表示する。他方、図9(d)に示すように、自動演奏中の「歌詞表示画面」の表示中に、「Next」又は「Back」スイッチ(図5参照)が操作された場合には、当該操作を無視して表示対象の頁を切り替えない。既に説明したように、自動演奏中においては自動演奏にあわせて該当する歌詞を含む頁を表示することから、ユーザによる頁切り替え指示を無視することで、自動演奏中の曲位置と表示中の歌詞とが異ならないようにしている。したがって、自動演奏停止中には、「Next」又は「Back」スイッチの操作に応じて表示対象の頁を切り替えて表示する。このように、自動演奏中における「Next」又は「Back」スイッチの操作に応じて、テキスト表示画面の頁切り替えを有効とする一方で、歌詞表示画面の頁切り替えについては無効としたため、テキスト内容が複数頁にわたる場合には頁を切り替えて表示させることができると共に、歌詞表示の際には誤って頁を切り替えてしまう(この場合、自動演奏の演奏位置もジャンプしてしまう)ことを防止することができる。
以上にように、レジストファイル中に、テキストファイル選択情報(実施例ではテキストデータファイルのパス)を含ませ、レジストファイルを選択することでテキストファイルも選択できるようにした。これにより、パーソナルコンピュータ等で作成した、演奏データのファイル名に拘束されることなく任意のファイル名を付したテキストファイル(内容は歌詞データに限らない)を、レジストファイルを選択するだけで、簡単に選択することができるようになる。特に、レジストファイル中にテキスト選択情報を含めたため、レジストファイル中で規定されている演奏(マニュアル演奏や自動演奏)に関するデータとテキストファイルとを関連付けることができ、演奏内容にあったテキストファイルを容易に選択することができる。
また、レジストファイルを選択したとき、テキスト表示画面であれば選択したテキストファイルの内容を直ちに表示させ、その他の表示画面(実施例では歌詞表示画面)であれば表示を変更せず、その後にテキスト表示画面になった際に、選択したテキストファイルの内容を表示する。これにより、適切なタイミング(テキスト表示画面であれば直ちに、その他の表示画面であればその後テキスト表示画面になった時)でテキストデータを表示させることができる。さらに、禁止設定(ここではフリーズ設定)がなされている場合に、レジストファイルの選択を禁止するようにしたことにより、同じテキストファイル選択情報が含まれているレジストファイルであっても、テキストファイルを選択したり、しなかったりといった制御を行うことが可能となる。
1…CPU、2…ROM、3…RAM、4、5…検出回路、4A…演奏操作子、5A…設定操作子、6…表示回路、6A…ディスプレイ、7…音源回路、8…効果回路、9…サウンドシステム、10…外部記憶装置、11…MIDIインタフェース、11A…MIDI機器、12…通信インタフェース、12A…サーバコンピュータ、X…通信ネットワーク、1D…通信バス(データ及びアドレスバス)