JP3843948B2 - 音楽コンテンツ利用装置および同装置に適用されるコンピュータプログラム - Google Patents

音楽コンテンツ利用装置および同装置に適用されるコンピュータプログラム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、音楽に関する複数種類のコンテンツ素材データを入力し、同入力したコンテンツ素材データを利用して音楽に関する情報をユーザに提示する音楽コンテンツ利用装置および同装置に適用されるコンピュータプログラムに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、楽曲データ(例えば、MIDIデータ)、動画データなどを組み合わせた音楽コンテンツを再生して、同音楽コンテンツをユーザに提示する音楽コンテンツ利用装置は知られている(特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】
特開平11−341350号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
このような従来の音楽コンテンツ利用装置においては、別の機能を付加するためにプラグイン形式で構成されることがある。例えば、MIDI楽曲を再生可能な装置に対して、動画データを再生可能な動画プラグインプログラムを付加することがある。しかしながら、同種の機能を有する複数のプラグインプログラムが音楽コンテンツ利用装置内に存在すると、適切なプラグインプログラムの利用ができなくなる。
【0005】
【発明の概要】
本発明は、上記問題に対処するためになされたもので、その目的は、常に適切のプラグインプログラムを利用できるようにした音楽コンテンツ利用装置および同装置に適用されるコンピュータプログラムを提供することにある。
【0006】
前記目的を達成するために、本発明の特徴は、音楽コンテンツをユーザに提示する音楽コンテンツ利用装置において、複数種類のコンテンツ素材データと、複数種類のコンテンツ素材データをそれぞれ読み出すための複数のパスデータおよびパスデータによって読み出されるコンテンツ素材データを利用する際に用いるプラグインプログラムを指定するプラグイン指定データを含むコンテンツ規定データとからなる音楽コンテンツパッケージを入力し、同入力したコンテンツ規定データ中のプラグイン指定データによって指定されるプラグインプログラムを用いて前記入力したコンテンツ素材データを処理し、前記コンテンツ素材データに関する音楽情報をユーザに提示するようにしたことにある。
【0007】
これによれば、種々のプラグインプログラムが音楽コンテンツ利用装置側に用意されていても、コンテンツ素材データを利用する際に用いるプラグインプログラムを指定するプラグイン指定データをコンテンツ規定データ内に定めておけば、音楽コンテンツ利用装置側にて簡単に適切なプラグインプログラムが利用されるようになる。したがって、コンテンツ素材データによる音楽に関する情報がユーザに適切に提示されるようになる。
【0008】
また、本発明の他の特徴は、コンテンツ規定データにプラグインプログラムの使用時に用いられるプラグインパラメータも含ませておいて、音楽コンテンツ利用装置側において、プラグインパラメータ用いて入力したコンテンツ素材データを処理するようにしたことにある。
【0009】
これによれば、プラグインプログラムの使用形態を表すパラメータを音楽コンテンツパッケージ側に準備しておくだけで、コンテンツ素材データに基づく音楽に関する情報を簡単かつ的確にユーザに提示することができるようになる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態について図面を用いて説明する。図1は、同実施形態に係る電子楽器の形態をした音楽コンテンツ利用装置の全体ブロック図である。この音楽コンテンツ利用装置は、音楽コンテンツを入力するための入力部10と、音楽コンテンツを利用するための利用部20と、この音楽コンテンツ利用装置の動作を指示するためにユーザによって操作される操作部30と、これらの入力部10、利用部20および操作部30をプログラム制御するコンピュータ本体部40とからなる。
【0011】
入力部10は、バス50に接続された通信インターフェース回路11およびインターフェース回路12を有する。通信インターフェース回路11は、サーバコンピュータ60に通信ネットワーク61を介して接続され、同サーバコンピュータ60に対して各種プログラムおよび各種データの送受信を許容する。インターフェース回路12は、この音楽コンテンツ利用装置に接続された他の音楽コンテンツ利用装置である他の機器70に接続されて、同機器70に対する各種プログラムおよび各種データの送受信を許容する。
【0012】
利用部20は、表示器21、音源回路22およびオーディオ信号再生回路23を有する。表示器21は、CRT表示器、液晶表示器などで構成されており、バス50に接続された表示制御回路24により制御されて、各種情報を視覚表示する。音源回路22は、バス50に接続されていて、バス50を介して供給される音楽コンテンツとしての演奏情報(キーコード、キーオン信号、キーオフ信号、音色制御情報など)に基づいて楽音信号を形成して出力する。オーディオ信号再生回路23も、バス50に接続されていて、バス50を介して供給される音楽コンテンツとしてのオーディオデータを再生して音声信号を出力する。これらの音源回路22およびオーディオ信号再生回路23には、アンプ、スピーカなどを含むサウンドシステム25が接続されており、同システム25は音源回路22からの楽音信号およびオーディオ信号再生回路23からの音声信号に対応した音を放音する。
【0013】
操作部30は、鍵盤31および制御操作子群32を有する。鍵盤31は、所定音域に対応した複数の鍵からなり、楽曲の演奏のために利用される。制御操作子群32は、この音楽コンテンツ利用装置の動作を指示するために操作される複数の操作子からなる。この制御操作子群32には、例えば、表示器21にて表示されるカーソルの移動キー(マウス、トラックボールなども含む)、各種作動モードを選択するためのモード選択キー、ユーザの指示を入力する指示入力キーなどが含まれる。なお、鍵盤31を、これらの移動キー、モード選択キーおよび指示入力キーとして用いるようにしてもよい。鍵盤31および制御操作子群32の操作は、バス50に接続された検出回路33,34によってそれぞれ検出されるようになっている。
【0014】
コンピュータ本体部40は、バス50にそれぞれ接続されたCPU41,ROM42、RAM43および外部記憶装置44からなる。CPU41,ROM42およびRAM43は、外部記憶装置44からRAM43に転送される各種プログラムを実行して、入力部10、利用部20および操作部30の動作を制御する。
【0015】
外部記憶装置44は、予め組み込まれたハードディスクHDなどの記録媒体、着脱可能に組み付けられるフレキシブルディスクFD、コンパクトディスグCDなどの各種記録媒体と、同記録媒体に対してプログラム及びデータの読み書きを可能とするドライブ装置からなる。外部記憶装置44には、本発明の音楽コンテンツがダウンロードされるとともに、この音楽コンテンツ利用装置の基本的な動作を制御するための基本的な制御プログラムおよび制御データが予め記憶されている。基本的な制御プログラムとしては、ブラウザを含む音楽コンテンツ利用プログラム、鍵および操作子の操作検出プログラム、楽音発生制御プログラムなどが挙げられる。なお、これらの基本的な制御プログラムおよび制御データをサーバコンピュータ60または他の機器70からダウンロードすることも可能である。
【0016】
また、外部記憶装置44には、入力した音楽コンテンツを再生するために必要なスタイルシートおよびプラグインプログラムが予め記憶されているとともに、適宜更新可能となっている。スタイルシートは、利用部20にて利用可能な音楽コンテンツを規定するとともに、入力した音楽コンテンツデータを利用部20にて利用可能にするためのフォーマット変換を規定するデータ群からなる。例えば、XMLフォーマットに従った音楽コンテンツデータを、この音楽コンテンツ利用装置が備えたブラウザで処理可能にするためにフォーマット変換するXSLTスタイルシートで構成される。また、XSLTスタイルシートを「CSS」すなわちカスケーディングスタイルシートで構成してもよい。プラグインプログラムは、入力した音楽コンテンツデータを利用部20にて利用するために利用されるプログラムで、例えば、表示器21にて楽譜を表示するための楽譜表示プログラム、表示器21にてビデオ表示するためのビデオプログラム、鍵盤31による演奏を採点するための採点プログラム、音源回路22を用いて楽曲を自動演奏するための自動演奏プログラムなどである。
【0017】
次に、上記のように構成した音楽コンテンツ利用装置を用いた音楽コンテンツの利用について説明する。まず、ユーザは、ブラウザを含む音楽コンテンツ利用プログラムを起動する。この音楽コンテンツ利用プログラムの起動により、図1の音楽コンテンツ利用装置は、図2の機能ブロック図に示すような機能を発揮し始める。したがって、この機能ブロック図は、外部記憶装置44に記憶されているプログラムの実行により、実現される機能をソフトおよびハードの両面から表している。言いかえれば、図1のハード構成を用いたプログラム処理の内容を表している。
【0018】
この音楽コンテンツ利用装置は、図2に示すように、データ入力部B11にて音楽コンテンツデータを入力する。このデータ入力部B11は、ユーザによる制御操作子群32の操作に従って、サーバコンピュータ60に蓄積されている音楽コンテンツデータを外部記憶装置44に取り込む処理に対応する。なお、ユーザは、表示器21にて表示されるブラウザ画面に従って音楽コンテンツデータの取り込みを指示する。
【0019】
ここで、音楽コンテンツデータについて説明しておく。音楽コンテンツデータは、予め用意されてサーバコンピュータ60に蓄積されているもので、パッケージごとに入手可能になっている。一組の音楽コンテンツパッケージには、複数種類のコンテンツ素材データと、1ページ分または複数ページ分のコンテンツ規定データとが含まれている。一組の音楽コンテンツパッケージは、例えば、練習用の一楽曲に関する音楽コンテンツであったり、演奏練習用の一楽器に関する音楽コンテンツであったりする。そして、一つの音楽コンテンツパッケージ内のコンテンツ素材データとしては、例えば、演奏データからなるMIDIデータ、音声信号からなるオーディオデータ、動画データからなるビデオデータ、楽譜を表す楽譜データ、静止画像を表す画像データ、その他のデータなどが挙げられる。なお、これらの各種類のコンテンツ素材データは、複数組用意されていても、一組だけ用意されていてもよい。
【0020】
1ページ分のコンテンツ規定データは、図3に示すように、タイトルデータ、複数組のコンテンツ素材指定データ、テキストデータ、および複数組の再生制御プラグイン指定データからなる。このコンテンツ規定データは、例えばXMLフォーマットによって記述されている。タイトルデータは、コンテンツのタイトルを示すものである。
【0021】
コンテンツ素材指定データは前述した複数種類のコンテンツ素材データに対応するもので、コンテンツ素材の指定をも含めて各種コンテンツの取り扱いを規定するものである。各コンテンツ素材指定データは、具体的には、利用するコンテンツ素材を指定するための素材データを読み出すためのパスデータ(ファイルやディレクトリの所在を示す経路を表すデータ“path data”)、同素材データの利用の際に用いられる利用処理用パラメータ、プラグインプログラムを指定するプラグイン指定データ、プラグインプログラムの起動時に利用されるプラグイン用パラメータ、およびその他のデータからなる。利用処理用パラメータおよびプラグイン用パラメータは、例えば、楽譜表示の大きさ、ビデオ表示の大きさ、採点のレベルなどを表すデータである。
【0022】
テキストデータは、表示器21にて表示される説明文(例えば、楽曲、楽器などの説明文)を表すものである。このテキストデータは、コンテンツ素材の取り扱いを規定するものではなく、コンテンツ素材そのものである。しかし、コンテンツ規定データ自体が、XMLフォーマットに従ってテキストファイルで構成されているために、本実施形態では、前記説明文をテキストデータとしてコンテンツ規定データ中に含ませてある。
【0023】
再生制御プラグイン指定データとは、外部記憶装置44に記憶されているプラグインプログラムを用いて、コンテンツ素材の再生を制御するための再生制御ツール21f、21g(図6参照)を表示器21に表示させるとともに、同再生制御ツール21f、21gによって制御されるコンテンツ素材を指定するためのものである。各再生制御プラグイン指定データは、表示器21にて表示されているコンテンツ素材の中で再生制御ツール21f、21gを対応させて表示するコンテンツ素材を指定するデータと、再生制御ツール21f、21gによって制御される1つまたは複数のコンテンツ素材を指定するデータとからなる。
【0024】
なお、一組の音楽コンテンツパッケージ中のコンテンツ素材データとしては、前述したMIDIデータ、オーディオデータ、ビデオデータ、楽譜データ、画像データおよびその他のデータが用意されている場合もあるが、それらの一部のみが用意されている場合もある。また、コンテンツ規定データにしても、タイトルデータ、コンテンツ素材指定データ、テキストデータ、および再生制御プラグイン指定データの全てを含む場合もあるが、その一部しか含んでいない場合もある。また、各コンテンツ素材指定データにしても、パスデータ、利用処理用パラメータ、プラグイン指定データ、プラグイン用パラメータ、およびその他のデータの全てを含む場合もあるが、その一部しか含んでいない場合もある。
【0025】
前述のように、データ入力部B11(すなわち外部記憶装置44)に取り込まれた音楽コンテンツパッケージを構成するコンテンツ素材データおよびコンテンツ規定データは、ユーザによる制御操作子群32の操作に従って、利用処理部B15に供給される。このとき、フィルタリング処理部B12は、スタイルシート記憶部B14に記憶されているスタイルシートによって規定されていて、この音楽コンテンツ利用装置の利用部20にて利用可能なコンテンツ素材データに関するデータのみを抽出して利用処理部B15に供給するように機能する。すなわち、フィルタリング処理部B12は、利用処理部B15に供給されるコンテンツ素材データおよびコンテンツ規定データにフィルタリング処理を施す。具体的には、利用部20にてあるコンテンツ素材データが利用不能な場合には、コンテンツ規定データ中の利用不能なコンテンツ素材に関する指定データを削除することにより、利用不能なコンテンツ素材データが利用処理部B15に供給されないようにする。
【0026】
また、変換処理部B13は、スタイルシート記憶部B14に記憶されているスタイルシートによって規定される変換ルールに従って、コンテンツ規定データを変換して利用処理部B15に供給する。すなわち、変換処理部B13は、コンテンツ規定データの構造(本実施形態ではXMLデータ構造)を、利用処理部B15(本実施形態ではブラウザ)が受け付ける構造に変換する。また、この変換処理部B13は、コンテンツ規定データでは規定されていない具体的な事項をスタイルシートに従って付加し、またはコンテンツ規定データには抽象的にしか規定されていない事項をスタイルシートに従って具体的な事項に変換する。
【0027】
この具体的事項の付加および変換について一例を挙げて説明すると、表示器21におけるビデオおよび静止画像の表示レイアウトについてはコンテンツ規定データでは規定されていない、または抽象的にしか規定されていない。したがって、変換処理部B13は、この音楽コンテンツ利用装置における表示器21のサイズ、形状、解像度などに応じて、ビデオ指定データ、楽譜指定データ、画像指定データなどを変更して、利用処理部B15(本実施形態ではブラウザ)に供給する。
【0028】
より具体的に説明すると、コンテンツ規定データは画像を単に表示する程度の抽象的な指定データであって、表示器21にて画像を表示するための具体的なプラグインプログラムを指定していなければ、この音楽コンテンツ利用装置に搭載されていて表示器21にて画像を表示するためのプラグインプログラムが指定される。コンテンツ規定データにより、ビデオ、楽譜、静止画像などの表示器21上の具体的な表示位置が指定されていなければ、スタイルシートによって前記表示位置が具体的に指定される。コンテンツ規定データにより表示器21にて表示される文字のフォントが規定されていない、または抽象的にしか規定されていなければ、スタイルシートによって同文字のフォントが具体的に指定される。
【0029】
次に、利用処理部Bの処理動作について説明する。前記変換されたコンテンツ規定データが入力されると、利用処理部B15は、同入力したコンテンツ規定データに従って各種コンテンツ素材に関する情報をユーザに提示する。この場合、コンテンツ規定データ中のタイトルデータおよびテキストデータが入力されると、変換処理部B13にてスタイルシートを用いて変換された指示(付加された指示がある場合には変換および付加された指示)に従って、表示器21においてタイトルデータおよびテキストデータによって表された情報が表示される。なお、このタイトルデータおよびテキストデータに関しては、プラグイン指定データおよびプラグイン用パラメータを含まないのが通常であり、基本的なコンテンツ利用プログラムに含まれるブラウザが利用される。
【0030】
また、コンテンツ規定データ中のMIDI指定データ、オーディオ指定データ、ビデオ指定データ、楽譜指定データ、画像指定データまたはその他の指定データが利用処理部B15に入力された場合には、前記各指定データ中に含まれる素材パスデータを用いて、データ入力部B11に入力された音楽コンテンツパッケージ中の該当するコンテンツ素材データが利用処理部B15に取り込まれる。利用処理部B15は、この入力されたコンテンツ素材データを処理して、利用部20を用いてコンテンツ素材データに関する音楽情報をユーザに提示する。
【0031】
この場合、コンテンツ指定データ中にプラグイン指定データが含まれていれば、プラグインプログラム記憶部B17に記憶されていてプラグイン指定データによって指定されるプラグインプログラムが起動されて、前記入力したコンテンツ素材データが処理される。コンテンツ指定データ中にプラグイン指定データが含まれていなければ、利用処理部B15に対応したブラウザを含む基本的なコンテンツ利用プログラムにより、前記入力したコンテンツ素材データが処理される。当然ながら、この場合のコンテンツ指定データによって指定されるコンテンツ素材データは、前記コンテンツ利用プログラムによって処理可能なデータである。また、コンテンツ指定データ中に、利用処理用パラメータまたはプラグイン用パラメータが含まれている場合には、これらのパラメータが前記コンテンツ素材の処理に利用される。
【0032】
具体的には、コンテンツ指定データがMIDI指定データであれば、データ入力部B11に入力された音楽コンテンツパッケージ中の素材パスデータによって指定されるMIDIデータが利用処理部B15に取り込まれる。そして、利用処理部B15は、MIDIデータの再生用のプラグインプログラムを起動して、楽曲の進行に従って、MIDIデータを構成する音高データ、キーオンデータ、キーオフデータ、音色制御データなどを音源回路22に順次供給して、音源回路22にこれらの供給されたデータに応じた楽音信号を形成させる。したがって、ユーザには、この形成された楽音信号に対応した楽音がサウンドシステム25を介して聴覚的に提示されることになる。
【0033】
コンテンツ指定データがオーディオ指定データであれば、データ入力部B11に入力された音楽コンテンツパッケージの中から素材パスデータによって指定されるオーディオデータが利用処理部B15に取り込まれる。そして、利用処理部B15は、オーディオ再生用のプラグインプログラムを起動して、オーディオデータによって表される音声信号(楽器の演奏音、合唱音、人間の声など)を表す音声データをオーディオ信号再生回路23に時間経過に従って供給し、オーディオ信号再生回路23に音声データを再生させる。したがって、ユーザには、再生された楽器の演奏音、合唱音、人間の声などの音声が、サウンドシステム25を介して提示されることになる。
【0034】
コンテンツ指定データがビデオ指定データであれば、データ入力部B11に入力された音楽コンテンツパッケージの中から素材パスデータによって指定されるビデオデータが利用処理部B15に取り込まれる。そして、利用処理部B15は、ビデオ再生用のプラグインプログラムを起動して、ビデオデータによって表される動画を表す動画データを表示制御回路24を介して表示器21に供給し、表示器21に動画を再生させる。したがって、ユーザには、ビデオデータにより表された動画が視覚的に提示されることになる。
【0035】
コンテンツ指定データが楽譜指定データであれば、データ入力部B11に入力された音楽コンテンツパッケージの中から素材パスデータによって指定される楽譜データが利用処理部B15に取り込まれる。そして、利用処理部B15は、楽譜表示用のプラグインプログラムを起動して、楽譜データによって表される楽譜に対応した画像データを表示制御回路24を介して表示器21に供給し、表示器21に楽譜を表示させる。したがって、ユーザには、楽譜が表示器21によって視覚的に提示されることになる。
【0036】
コンテンツ指定データがその他の指定データであれば、データ入力部B11に入力された音楽コンテンツパッケージの中から素材パスデータによって指定されるその他データが利用処理部B15に取り込まれる。そして、利用処理部B15は、その他のプラグインプログラムを起動して、その他データを処理してその他の出力部26に供給して、ユーザにその他の音楽情報を提示する。このその他の音楽情報としては、鍵盤31における押鍵指示、ユーザによる演奏の採点などが挙げられる。
【0037】
上記動作説明からも理解できるとおり、音楽コンテンツ利用装置内にて、スタイルシートを用いた変換処理部B13の処理により、利用処理部B15および利用部20にてコンテンツ素材データの利用を可能にするためにコンテンツ規定データが変換されるので、種々の音楽コンテンツ利用装置(すなわち種々のプラットフォーム)において共通の音楽コンテンツを利用できるようになる。また、種々の音楽コンテンツ利用装置ごとに専用の音楽コンテンツデータを作成しなくてもよくなるので、多種多様の音楽コンテンツデータを比較的簡単に用意できるようにもなる。
【0038】
例えば、図4(A)(B)に示すように、表示器21のサイズが相違して、テキスト(説明文)および楽譜を表示可能な領域が異なっていても、前記コンテンツ規定データの変換処理により、表示器21における自由な表示レイアウトを設定できる。したがって、音楽コンテンツデータが効率的に利用されて、音楽コンテンツデータの利用価値が高まる。
【0039】
また、図4(A)に示すように表示器21にてビデオ表示できるような音楽コンテンツ利用装置においては、ビデオも利用できる。これに対して、図4(B)に示すように表示器21にてビデオ表示できない音楽コンテンツ利用装置においては、前記変換処理によりビデオ表示しないようにする。特に、この場合、フィルタリング処理部B12におけるスタイルシートを用いたフィルタリング処理により、ビデオに関するデータはフィルタリングされて利用処理部B15に供給されないので、音楽コンテンツパッケージ内にこの音楽コンテンツ利用装置にて利用不能なコンテンツ素材およびコンテンツ指定データが含まれていても、入力したコンテンツ素材を効率的に利用できるようになる。
【0040】
さらに、上記実施形態では、スタイルシートを外部からスタイルシート記憶部B14に書き込み可能している。すなわち、本音楽コンテンツ利用装置内のスタイルシートを更新可能としている。したがって、この音楽コンテンツ利用装置の仕様が変更されても(例えば、ソフトウェアがバージョンアップされても)、このスタイルシートの更新により、音楽コンテンツを簡単かつ適切に利用できるようになる。
【0041】
また、上記実施形態においては、コンテンツ素材データを利用する際に使用するプラグインプログラムを指定するプラグイン指定データをコンテンツ規定データ中に含めておき、音楽コンテンツパッケージの入力時に、コンテンツ素材データと共にプラグイン指定データも音楽コンテンツ利用装置に供給されるようにした。そして、音楽コンテンツ利用装置内では、このプラグイン指定データに従ってプラグインプログラム記憶部B17に記憶されているプラグインプログラムを用いて、コンテンツ素材データに基づく音楽に関する情報をユーザに提示するようにした。したがって、種々のプラグインプログラムが音楽コンテンツ利用装置側に用意されていても、コンテンツ素材データを利用する際に用いるプラグインプログラムを指定するプラグイン指定をコンテンツ規定データ中に含ませておけば、音楽コンテンツ利用装置側にて簡単に適切なプラグインプログラムが利用されるようになる。
【0042】
また、コンテンツ規定データ中には、プラグインプログラムの使用時に用いられるプラグインパラメータも含ませておいて、音楽コンテンツ利用装置側において、プラグインパラメータを用いて入力したコンテンツ素材データに基づく音楽に関する情報をユーザに提示するようにした。したがって、プラグインプログラムの使用形態を表すパラメータを音楽コンテンツデータ側に準備しておくだけで、コンテンツ素材データに基づく音楽に関する情報を簡単かつ的確にユーザに提示することができるようになる。
【0043】
次に、コンテンツの利用の中でも、特に、表示器21にて再生制御ツールを利用した音楽コンテンツの第1および第2利用モードについて説明する。第1利用モードは、図5(A)(B)に示すように、ブラウザを用いて表示器21の画面上に再生制御ツール21aを表示するものであり、同画面上には複数の音楽コンテンツが表示される。本実施形態では、例えば、楽譜データに基づく楽譜およびビデオデータに基づく動画が表示器21に表示される。再生制御ツール21aは、図示左側から右側に向けて音楽コンテンツの巻き戻し、再生停止、再生開始および早送りをそれぞれ制御する複数の要素からなる。これらの巻き戻し、再生停止、再生開始および早送りは、ユーザによる制御操作子群32の操作に応じて表示画面上を移動するカーソルによって指定される。
【0044】
また、この第1利用モードにおいては、複数の音楽コンテンツのうちの任意の1つ又は複数の音楽コンテンツが、アクティブ素材指定部B16(図2参照)によってアクティブなものとして指定される。なお、アクティブとは、指定された音楽コンテンツが再生制御ツール21aの指示に従って制御されることを意味する。また、アクティブ素材指定部B16は、図1においては制御操作子群32に対応するものであり、例えば表示器21上で表示されているコンテンツ素材上にマウスでカーソルを移動させ、マウスボタンをクリックすることでアクティブ素材を指定する。図5(A)は楽譜21bのみがアクティブにされた状態を示し、図5(B)は楽譜21bおよび動画21cがアクティブにされた状態を示している。図1(A)では、動画21cが待機状態にされており、この場合の動画21cの全部または一部(例えば、ウインドウ枠など)は表示器21にて表示されない、または目立たないように表示される。また、待機状態にある動画21cを表示しない場合には、楽譜21bを表示器21の全体に表示するようにしてもよい。なお、この場合、楽譜21dおよび動画21eの表示に関しては、上述したコンテンツ規定データ中の楽譜指定データおよびビデオ指定データにより、それらの表示が指示される。
【0045】
そして、図5(A)の状態で、再生制御ツール21aによって巻き戻し、再生停止、再生開始または早送りが指示されると、楽譜コンテンツのみが巻き戻し、再生停止、再生開始または早送り制御される。この場合、例えば、楽譜における楽曲の進行位置を表すマーク21b1が前記巻き戻し、再生停止、再生開始または早送り制御に従って楽譜上を移動する。また、表示器21にて一部の楽譜のみが表示されている場合には、楽曲の進行に合わせて表示される楽譜の部分が切換えられる。一方、動画21cに関しては、その全部または一部が表示器21に表示されない、または目立たない表示状態に維持されるとともに、動画コンテンツは巻き戻し、再生停止、再生開始または早送り制御されない。なお、この状態で、MIDIコンテンツがアクティブに指定されていれば、同MIDIコンテンツも再生制御ツール21aの指示によって制御されて、楽曲の演奏が巻き戻し、再生停止、再生開始または早送り制御される。
【0046】
また、図5(B)の状態で、再生制御ツール21aによって巻き戻し、再生停止、再生開始または早送りが指示されると、前記楽譜コンテンツ(または楽譜コンテンツおよびMIDIコンテンツ)に加えて、動画コンテンツも巻き戻し、再生停止、再生開始または早送り制御される。すなわち、楽譜コンテンツ(または楽譜コンテンツおよびMIDIコンテンツ)と、動画コンテンツとが、再生制御ツール21aの巻き戻し、再生停止、再生開始または早送り指示に従って、同期制御される。
【0047】
なお、前記説明では、アクティブにするコンテンツの種類をアクティブ素材指定部B16(制御操作子群32)によって指定するようにしたが、この指定が入力した音楽コンテンツパッケージに従うようにしてもよい。この場合、音楽コンテンツパッケージ内のコンテンツ規定データ中に、再生制御ツール21aによって巻き戻し、再生停止、再生開始または早送りが指示されるコンテンツ素材を表すデータを含ませておいて、同データにより初期状態でアクティブになるコンテンツ素材の指定が利用処理部B15にて指示されるようにしておくとよい。その後は、ユーザの指示により他の素材をアクティブにすることができる。
【0048】
これによれば、表示器21に表示された複数のコンテンツ素材に共通に使用される再生制御ツール21aによって再生の制御されるコンテンツ素材がユーザ操作または自動的に選択され、コンテンツ素材の選択的な再生指示を簡単に行えるようになる。したがって、この音楽コンテンツ利用装置の使い勝手が良好となる。
【0049】
次に、再生制御ツールの第2利用モードについて説明する。この場合、コンテンツ規定データ中の再生制御プラグイン指定データにより、再生制御ツールを表示するコンテンツ素材および同表示された再生制御ツールで同期制御されるコンテンツ素材が指定される。
【0050】
例えば、再生制御ツール21aを表示するコンテンツ素材として楽譜データのみが指定されていれば(図3の例)、図6(A)に示すように、表示器21にて表示されている楽譜21dおよび動画21eのうちで楽譜21dの近傍位置に同楽譜21dに対応させて再生制御ツール21fが表示される。なお、この場合、楽譜21dおよび動画21eの表示に関しては、上述したコンテンツ規定データ中の楽譜指定データおよびビデオ指定データにより、それらの表示がそれぞれ指示される。そして、再生制御ツール21fによって同期制御されるコンテンツ素材として楽譜データおよびビデオデータが指定されていれば(図3の例1)、図6(A)の楽譜21dおよび動画21eが前記第1利用モードの場合と同様に、再生制御ツール21fの指示に従って同期制御される。すなわち、楽譜21dおよび動画21eの表示が同期して進行する。
【0051】
一方、この図6(A)の状態で、同期制御されるコンテンツ素材が楽譜データとMIDIデータであれば(図3の例2)、図6(A)の楽譜21dおよび自動演奏が前記第1利用モードの場合と同様に、再生制御ツール21fの指示に従って同期制御される。しかし、この場合には、動画データは再生制御ツール21fによって再生制御されない。
【0052】
これに代わり、再生制御プラグインデータが楽譜データおよび動画データの両方に再生制御ツールを表示することを指定していれば、図6(B)に示すように、表示器21にて表示されている楽譜21dおよび動画21eの各近傍位置に同楽譜21dおよび動画21eに対応させて再生制御ツール21f,21gが表示される。そして、この場合には、同期制御されるコンテンツ素材は、再生制御ツール21f,21gごとに、再生制御プラグイン指定データ中の同期制御する素材指定データによって指示される。
【0053】
例えば、再生制御ツール21fに対して楽譜データとMIDIデータが同期制御されるコンテンツ素材として指定されていれば、楽譜データとMIDIデータが、前記第1利用モードの場合と同様に、再生制御ツール21fによって同期制御される。また、再生制御ツール21gに対してビデオデータのみが同期制御されるコンテンツ素材として指定されていれば、ビデオデータのみが再生制御ツール21gによって制御される。
【0054】
これによれば、コンテンツ素材の表示指示(ビデオ指定データ、画像指定データなど)および再生制御ツールの表示指示(再生制御ツールを表示する素材指定データ)をコンテンツ規定データ中に含ませておくだけで、表示器21に表示された再生制御ツール21f,21gによって再生の制御されるコンテンツ素材が自動的に選択され、コンテンツ素材の選択的な再生指示を簡単に行えるようになる。
【0055】
さらに、前記再生制御ツールの表示指示に加えて、同期制御されるコンテンツ素材を指定するための同期制御コンテンツ指示(同期制御する素材指定データ)をコンテンツ規定データに含ませておくだけで、複数のコンテンツ素材を再生制御ツールを用いて簡単に同期制御することができ、音楽コンテンツ利用装置の使い勝手が良好となる。
【0056】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明の実施にあたっては、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変形も可能である。
【0057】
例えば、上記実施形態ではコンテンツ素材をユーザに提示するためのプログラムはプラグインプログラムとしたが、少なくとも一部のコンテンツ素材は基本的な制御プログラムによってユーザに提示されるようにしてもよい。この場合、例えば、MIDIデータを再生するシーケンサプログラムを基本的な制御プログラム中に含めてもよい。
【0058】
また、上記実施形態では、本発明に係る音楽コンテンツ利用装置として鍵盤31を有する電子楽器を採用したが、本発明は、音楽コンテンツを利用可能な装置であれば、如何なる形態を有する音楽コンテンツ利用装置にも適用できるものである。例えば、鍵盤31を有さない電子楽器、シーケンサ、リズムマシーンなどのコンピュータを内蔵する各種電子音楽装置を音楽コンテンツ利用装置として採用できるとともに、パーソナルコンピュータ、PDA,携帯電話などの各種携帯端末装置も音楽コンテンツ利用装置として採用できるものである。
【0059】
また、音楽コンテンツ利用装置としては、上記実施形態のような表示器21、音源回路22およびオーディオ信号再生回路23の全てを含ないで、その一部を含むものであってもよい。さらに、音楽コンテンツの他の利用装置を含むものであってもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態に係る音楽コンテンツ利用装置の全体ブロック図である。
【図2】 コンピュータプログラムによって実現される図1の音楽コンテンツ利用装置の機能ブロック図である。
【図3】 コンテンツ規定データのフォーマット図である。
【図4】 (A)および(B)は、図1の2種類の表示器の例を示す図である。
【図5】 (A)および(B)は、音楽コンテンツの具体的な利用例を示す表示器の表示画面を示す図である。
【図6】 (A)および(B)は、音楽コンテンツの具体的な他の利用例を示す表示器の表示画面を示す図である。
【符号の説明】
10…入力部、11…通信インターフェース回路、20…利用部、21…表示器、22…音源回路、23…オーディオ信号再生回路、30…操作部、31…鍵盤、32…制御操作子群、40…コンピュータ本体部、41…CPU、42…ROM、43…RAM、44…外部記憶装置、60…サーバコンピュータ、B11…データ入力部、B12…フィルタリング処理部、B13…変換処理部、B14…スタイルシート記憶部、B15…利用処理部、B16…アクティブ素材指定部、B17…プラグインプログラム記憶部。

Claims (3)

  1. 数種類のコンテンツ素材データと、前記複数種類のコンテンツ素材データをそれぞれ読み出すための複数のパスデータおよび前記パスデータによって読み出されるコンテンツ素材データを利用する際に用いるプラグインプログラムを指定するプラグイン指定データを含むコンテンツ規定データとからなる音楽コンテンツパッケージを入力する入力部と、
    前記入力したコンテンツ規定データ中のプラグイン指定データによって指定されるプラグインプログラムを用いて前記入力したコンテンツ素材データを処理し、前記コンテンツ素材データに関する音楽情報をユーザに提示する利用部と
    を備えたことを特徴とする音楽コンテンツ利用装置。
  2. 前記コンテンツ規定データはプラグインプログラムの使用時に用いられるプラグインパラメータも含んでおり、
    前記利用部は前記プラグインパラメータも用いて前記入力したコンテンツ素材データを処理する請求項1に記載した音楽コンテンツ利用装置。
  3. 音楽コンテンツをユーザに提示する音楽コンテンツ利用装置に適用されるコンピュータプログラムにおいて、
    コンピュータに、
    数種類のコンテンツ素材データと、前記複数種類のコンテンツ素材データをそれぞれ読み出すための複数のパスデータおよび前記パスデータによって読み出されるコンテンツ素材データを利用する際に用いるプラグインプログラムを指定するプラグイン指定データを含むコンテンツ規定データとからなる音楽コンテンツパッケージを入力させる入力処理と、
    前記入力させたコンテンツ規定データ中のプラグイン指定データによって指定されるプラグインプログラムを用いて前記入力したコンテンツ素材データを処理し、前記コンテンツ素材データに関する音楽情報をユーザに提示させる利用処理と
    を含むことを特徴とするコンピュータプログラム。
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