JP5066965B2 - 自動伴奏装置および自動伴奏処理のプログラム - Google Patents
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Description
一方、音の明るさや暗さであるトーナリティ(調性)を具体的に表したものがキー(調:C、Am等)である。トーナリティは、トニック(主音)を取り巻くドミナント(属音)、サブドミナント(下属音)、およびこれらの上に構成されるコードによって確立される。よく知られている「メジャー・キー(長調)」は明るいトーナリティであり、「マイナー・キー(短調)」は暗いトーナリティである。
コードルートは、C、D♭、D、E♭、E、F、G♭、G、A♭、A、B♭、Bの12音をルート名とし、キーからの相対的な値(音程=音高差)である0、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11が各ルート名に割り当てられる。これに対して、実際のルート値は、音高(ピッチ)の値すなわち絶対値である。
例えば、ある提案の自動伴奏装置においては、予め記憶した伴奏パターンデータに対し、鍵情報からコードタイプおよびコードルートを検出するコード情報検出手段と、鍵情報を発生した操作鍵が、所定の鍵域ごとに分割された各ポジションの中のどこに該当するかを検出するポジション検出手段と、コード情報検出手段およびポジション検出手段での検出結果に応じて自動伴奏の音域を設定する伴奏音域設定手段とを設けたことを特徴としている。(特許文献1参照)
また、ある提案のコード選択装置およびそれを備えた電子楽器においては、任意のコードについて、キーとコードルートの距離を求める距離算出手段と、求めた距離およびコードタイプに基づき、コードの次に使用可能なコードを求めるコード選択手段とを備えたことを特徴としている。(特許文献2参照)
また、ある提案の電子楽器の自動伴奏装置においては、手操作用の手鍵盤と、足操作用の足鍵盤と、手鍵盤の操作および足鍵盤の操作に応じて、コードルートおよびコードタイプを検出するとともに、ベースルートの有無を検出するコード検出手段と、ベースルートが有りと検出されたときには、ベースルートのみならず、コードルートおよびコードタイプに応じて、ベースパートの発音処理を行うベースパート発音処理手段を備えたことを特徴としている。(特許文献3参照)
また、ある提案の自動伴奏装置においては、ルート情報(ルート)およびコード種類情報(コードタイプ)を有するコード情報を入力する入力手段と、複数の音符情報により構成される自動伴奏パターンを複数記憶する記憶手段と、その記憶手段に記憶された複数の自動伴奏パターンのうちから任意の自動伴奏パターンを選択する選択手段と、その選択手段により選択された自動伴奏パターンを記憶手段から読み出して、入力手段から入力されたコード情報に基づいて自動伴奏を行う自動伴奏手段と、記憶手段に記憶された自動伴奏パターンを構成する音符情報が示す音高が、入力手段により入力されたコード情報が有するコード種類情報によって特定されるコードの構成音のいずれにも一致しない場合に、その音高をコード構成音のいずれかの音高に変更するとともに、その音高を、入力手段により入力されたコード情報が有するルート情報に基づいて、入力手段により入力されたコード情報が有するコード種類情報によって特定されるコード構成音の他のコード構成音に変更する音高変更手段を備えたことを特徴としている。(特許文献4参照)
本発明は、このような従来の課題を解決するためのものであり、演奏者が左手等でコードを指定することなく、キーとコードルートを指定するだけで、演奏する曲に合った伴奏データを自動的に生成することを目的とする。
図1は、実施形態における自動伴奏装置の構成を示すブロック図である。図1において、キーボード1は、鍵盤および音色スイッチや音量スイッチ等のスイッチ群を含む入力装置である。コード/コードルート/調性決定手段2は、キーボード1から入力されたデータに対するデータ変換の方法(演算)を選択する。伴奏メモリ3は、伴奏データをMIDIデータの形式で記憶している。伴奏再生装置4は、伴奏メモリ3に記憶されている伴奏データを読み出す。伴奏変換装置5は、後述する各種の変換テーブルを内部のプログラムROM(図示せず)格納し、コード/コードルート/調性決定手段2によって選択されたデータ変換の方法によって、伴奏再生装置4が伴奏メモリ3から読み出した伴奏データの音高を変換して、MIDIデータとして出力する。音源6は、伴奏変換装置5から出力された変換後の伴奏データに対応する波形データを波形ROM(図示せず)から読み出して、デジタルの楽音データとして出力する。音響装置7は、音源6から出力された楽音データをデジタルからアナログに変換し、フィルタ処理や増幅処理などの信号処理を施して、スピーカ(図示せず)によって発音する。なお、コード/コードルート/調性決定手段2、伴奏再生装置4、および伴奏変換装置5は、プログラムROM、ワークRAMを含むワンチップのCPUなどの制御部8によって構成される。
図2は、メインルーチン(図示せず)の実行中において、キーボード1の入力に応じて実行される自動伴奏処理のフローチャートである。キーボード1から音程(音高?)が入力されると(ステップS1)、同時に入力された音数は、1音、2音、又は3音以上のいずれであるかを判別する(ステップS2)。
ルート値=(キー+変換後のコードルート)Mod12
図8(B)は、図2のステップS5において、コードタイプをメジャー、ルート値をFとした場合に、図7のコード変換テーブルを用いたステップS10におけるコード変換を示す楽譜である。この場合には、ルート値であるF(5)を加算したデータ(F4、G4、A4、B4、C5、D5、E4、F5)で、且つコードタイプがメジャーであるので、B4がB4♭に変換されて、A4との音高差が1(半音)にシフトされる。
したがって、演奏者が左手等でコードを指定することなく、キーとコードルートを指定するだけで、演奏する曲に合った伴奏データを自動的に生成することが可能になる。
したがって、演奏する曲に合った伴奏データについて把握できないフレーズと把握できるフレーズとが混在している場合であっても、伴奏データが把握できないフレーズにおいては1音又は2音を入力してキーとコードルートを指定し、伴奏データが把握できるフレーズにおいて3音以上のコードを直接入力することで、曲の進行に応じて臨機応変に、演奏する曲に合った伴奏データを自動的に生成することが可能になる。
したがって、比較的レベルの低い中級のユーザが、演奏する曲に合った伴奏データのキーだけしか把握できない場合でも、1つの鍵だけを用いて伴奏演奏を行うことで、演奏する曲に合った伴奏データを自動的に生成することが可能になる。
したがって、比較的レベルの高い中級のユーザが、演奏する曲に合った伴奏データのキーおよびルート値だけが把握できる場合には、2つの鍵だけを用いて伴奏演奏を行うことで、演奏する曲に合った伴奏データを自動的に生成することが可能になる。
したがって、ユーザが演奏する曲に合った伴奏データを把握できる場合には、従来の自動演奏装置と同様に、入力された3音以上の音高に基づいて、演奏する曲に合った伴奏データを自動的に生成することが可能になる。
したがって、高速のデータ変換処理が可能となり、音切れなどの不具合が発生するおそれがない。
したがって、実施形態における装置の発明と同様に、演奏者が左手等でコードを指定することなく、キーとコードルートを指定するだけで、演奏する曲に合った伴奏データを自動的に生成することが可能になる。
2 コード/コードルート/調性決定手段
3 伴奏メモリ
4 伴奏再生装置
5 伴奏変換装置
6 音源
7 音響装置
8 制御部
Claims (5)
- 所定の演奏手段から入力された伴奏の音高および入力数のデータを検出する検出手段と、
前記検出手段によって検出された入力数が2音の場合には、低い音高に基づいて調性を決定し、2つの音高の差分に基づいてコードルートの値を決定し、高い音高に基づいてルート値を決定するデータ変換の演算を選択し、前記検出手段によって検出された入力数が3音以上の場合には、当該3音以上の音高に基づいてルート値およびコードタイプを決定するデータ変換の演算を選択する選択手段と、
前記検出手段によって検出された入力数が2音の場合には、コードルートが長調の音階内であるか又は短調の音階内であるかを判別し、コードルートが長調の音階内である場合には、所定の記憶手段に記憶されている調性に対応する基準の伴奏データをコードルートに応じて変換して新たな伴奏データを生成し、コードルートが短調の音階内である場合には、前記記憶手段に記憶されている基準のコードルートを変換してセカンダリー・ドミナントの新たなコードルートを算出し、前記記憶手段に記憶されている調性に対応する基準のセカンダリー・ドミナントの伴奏データを算出した新たなコードルートに応じて変換して新たな伴奏データを生成するとともに、前記検出手段によって検出された入力数が3音以上の場合には、前記記憶手段に記憶されている調性に対応する基準の伴奏データを当該3音以上の音高に基づいて決定されたルート値およびコードタイプに応じて変換して新たな伴奏データを生成する生成手段と、
を備えたことを特徴とする自動伴奏装置。 - 前記選択手段は、前記検出手段によって検出された入力数が1音の場合には、当該1音の音高に基づいて調性を決定し、コードルートを0とし、調と同一のルート値を決定するデータ変換の演算を選択することを特徴とする請求項1に記載の自動伴奏装置。
- 前記生成手段は、前記検出手段によって検出された入力数が1音の場合には、前記記憶手段に記憶されている調性に対応する基準の伴奏データをコードルートに応じて変換して新たな伴奏データを生成することを特徴とする請求項2に記載の自動伴奏装置。
- 前記生成手段は、前記記憶手段に予め記憶されているデータ変換テーブルに基づいて伴奏データを生成することを特徴とする請求項1または3のいずれか1項に記載の自動伴奏装置。
- 所定の演奏手段から入力された伴奏の音高および入力数のデータを検出する第1のステップと、
前記第1のステップによって検出された入力数が2音の場合には、低い音高に基づいて調性を決定し、2つの音高の差分に基づいてコードルートの値を決定し、高い音高に基づいてルート値を決定するデータ変換の演算を選択し、前記第1のステップによって検出された入力数が3音以上の場合には、当該3音以上の音高に基づいてルート値およびコードタイプを決定するデータ変換の演算を選択する第2のステップと、
前記第1のステップによって検出された入力数が2音の場合には、コードルートが長調の音階内であるか又は短調の音階内であるかを判別し、コードルートが長調の音階内である場合には、所定の記憶手段に記憶されている調性に対応する基準の伴奏データをコードルートに応じて変換して新たな伴奏データを生成し、コードルートが短調の音階内である場合には、前記記憶手段に記憶されている基準のコードルートを変換してセカンダリー・ドミナントの新たなコードルートを算出し、前記記憶手段に記憶されている調性に対応する基準のセカンダリー・ドミナントの伴奏データを算出した新たなコードルートに応じて変換して新たな伴奏データを生成するとともに、前記第1のステップによって検出された入力数が3音以上の場合には、前記記憶手段に記憶されている調性に対応する基準の伴奏データを当該3音以上の音高に基づいて決定されたルート値およびコードタイプに応じて変換して新たな伴奏データを生成する第3のステップと、
をコンピュータに実行させることを特徴とする自動伴奏処理のプログラム。
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