JP4237386B2 - 電子楽器のコード検出装置、コード検出方法及び記録媒体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子楽器のコード検出技術に関し、特に手鍵盤及び足鍵盤の操作に応じてコードを検出する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子楽器には、手操作用の手鍵盤と足操作用の足鍵盤とを有するものがある。手鍵盤は、2段鍵盤になっており、上鍵盤でメロディラインを演奏し、下鍵盤でコードラインを演奏する。自動伴奏機能を有する電子楽器では、下鍵盤及び足鍵盤の操作に応じてコード検出を行い、検出されたコードに応じた自動伴奏が行われる。コード検出方法の一例は、特公平5−84920に記載されている。
【0003】
コード検出されるコードには、分数コード(例えばC/B)と分数コードではない通常のコードとがある。分数コードは、分子のコードが楽譜の上パート(手鍵盤に相当)のコードであり、分母のコードが楽譜の下パート(足鍵盤に相当)のコードである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
電子楽器では、手鍵盤のコードルートと足鍵盤のコードルートを検出する。手鍵盤で検出されたコードルートと足鍵盤で検出されたコードルートとが異なるときには、分数コード(例えばC/B)として検出される。逆に、手鍵盤で検出されたコードルートと足鍵盤で検出されたコードルートとが同じときには、分数コードではない通常のコードとして検出される。しかし、この方法により検出されたコードは完全ではなく、結果的に不適切なコードとして検出されてしまうことがある。
【0005】
本発明の目的は、手鍵盤及び足鍵盤の操作に応じて適切なコードを検出することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明の一観点によれば、手操作用の手鍵盤と、足操作用の足鍵盤と、前記手鍵盤の操作に応じて仮の手鍵盤コードルート及び仮の手鍵盤コードタイプを検出する手鍵盤検出手段と、前記足鍵盤の操作に応じて仮の足鍵盤ベースルートを検出する足鍵盤検出手段と、前記仮の手鍵盤コードルート、手鍵盤コードタイプ及び足鍵盤ベースルートに応じて、真のコードルート及びコードタイプを決定すると共に、ベースルートの有無を決定する決定手段とを有し、前記決定手段は、ベースルートが有ると決定するときには、前記仮の足鍵盤ベースルートを真のベースルートとして決定する電子楽器のコード検出装置が提供される。
【0007】
本発明の他の観点によれば、手操作用の手鍵盤と足操作用の足鍵盤とを有する電子楽器のコード検出方法であって、(a)前記手鍵盤の操作に応じて仮の手鍵盤コードルート及び仮の手鍵盤コードタイプを検出するステップと、(b)前記足鍵盤の操作に応じて仮の足鍵盤ベースルートを検出するステップと、(c)前記仮の手鍵盤コードルート、手鍵盤コードタイプ及び足鍵盤ベースルートに応じて、真のコードルート及びコードタイプを決定すると共に、ベースルートの有無を決定する決定ステップとを有し、前記決定ステップは、ベースルートが有ると決定するときには、前記仮の足鍵盤ベースルートを真のベースルートとして決定する電子楽器のコード検出方法が提供される。
【0008】
本発明のさらに他の観点によれば、手操作用の手鍵盤と足操作用の足鍵盤とを有する電子楽器のプログラムを記録した記録媒体であって、(a)前記手鍵盤の操作に応じて仮の手鍵盤コードルート及び仮の手鍵盤コードタイプを検出する手順と、(b)前記足鍵盤の操作に応じて仮の足鍵盤ベースルートを検出する手順と、(c)前記仮の手鍵盤コードルート、手鍵盤コードタイプ及び足鍵盤ベースルートに応じて、真のコードルート及びコードタイプを決定すると共に、ベースルートの有無を決定する決定手順とをコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、前記決定手順は、ベースルートが有ると決定するときには、前記仮の足鍵盤ベースルートを真のベースルートとして決定するコンピュータ読み取り可能な記録媒体が提供される。
【0009】
本発明によれば、手鍵盤の操作に応じて仮の手鍵盤コードルート及び仮の手鍵盤コードタイプを検出し、足鍵盤の操作に応じて仮の足鍵盤ベースルートを検出する。これらのコードはあくまでも仮のものとして、その後に、上記の仮の手鍵盤コードルート、手鍵盤コードタイプ及び足鍵盤ベースルートに応じて、真のコードルート及びコードタイプを決定すると共にベースルートの有無を決定するので、適切なコードを検出することができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明の実施形態による電子楽器の構成例を示す。電子楽器は、手操作用の手鍵盤と足操作用の足鍵盤2とを有する。手鍵盤は、2段鍵盤であり、メロディラインを演奏するための上鍵盤とコードラインを演奏するための下鍵盤1を有する。
【0011】
下鍵盤1で押鍵操作がされると下鍵盤1はキーオンイベントを出力し、下鍵盤1で離鍵操作がされると下鍵盤1はキーオフイベントを出力する。コード決定処理手段4は、下鍵盤1のキーオン/オフイベントに応じて、仮の下鍵盤コードルート及び仮の下鍵盤コードタイプを検出する。
【0012】
足鍵盤2で押鍵操作がされると足鍵盤2はキーオンイベントを出力し、足鍵盤2で離鍵操作がされると足鍵盤2はキーオフイベントを出力する。コード決定処理手段4は、足鍵盤2のキーオン/オフイベントに応じて、仮の足鍵盤ベースルートを検出する。
【0013】
次に、コード決定処理手段4は、上記の仮の下鍵盤コードルート、下鍵盤コードタイプ及び足鍵盤ベースルートに応じて、真のコードルート及び真のコードタイプを決定すると共に、ベースルートの有無を決定する。ベースルートが有るときには、上記の仮の足鍵盤ベースルートが真のベースルートとして決定され、分数コードとなる。分数コードの分母がベースルートになり、分子が上記の真のコードルートになる。ベースが無しと決定されると、分数コードではない通常のコードとなる。
【0014】
スタイル番号スイッチ3は、例えばロックやジャズ等の自動伴奏のスタイルを選択するためのスイッチであり、そのスイッチ操作に応じてスタイル番号を出力する。
【0015】
自動伴奏発音処理手段5は、上記のスタイル番号に応じた自動伴奏パターンを読み出し、上記の真のコードルート、真のコードタイプ及びベースルートに応じて自動伴奏を発音する。自動伴奏は、例えばドラム、コード(ピアノ音やギター音等)、ベースの所定パターンを繰り返し発音することにより行う。コードは上記の真のコードルート及びコードタイプに応じて発音され、ベースは上記のベースルートに応じて発音される。
【0016】
図2は、図1のコード決定処理手段4の具体的構成を示す。下鍵盤で3音以上が同時に押鍵されると、その押鍵に基づくコードルート及びコードタイプを検出することが可能である。しかし、下鍵盤で1音又は2音のみの押鍵がされると、その押鍵に基づくコードルート及びコードタイプを検出することが困難であるので、下鍵盤と足鍵盤の操作に応じてコード検出を行う。
【0017】
まず、下鍵盤で3音以上が同時に押鍵された場合を説明する。第1のキーオンビットマップ作成手段11は、下鍵盤のキーオン/オフイベントを入力すると、下鍵盤で押鍵されてキーオンになっているすべてのキーナンバ(音高)を第1のキーオンビットマップとして作成する。その際、キーオンになっているキーナンバのビットを1にし、キーオフになっているキーナンバのビットを0にする。
【0018】
第2のキーオンビットマップ作成手段12は、上記の第1のキーオンビットマップのうちのコード検出範囲にあるキーナンバのみを検出して、第2のキーオンビットマップを作成する。
【0019】
仮コードルート作成手段20は、上記の第2のキーオンビットマップのうちの最低音を仮のコードルートとして検出する。一方、第3のキーオンビットマップ作成手段13は、上記の第2のキーオンビットマップを基に1オクターブの範囲内に圧縮された第3のキーオンビットマップを作成する。すなわち、上記の仮のコードルートとなる最低音から始まる1オクターブ内の音名として表現する。その際、仮のコードルートとなる最低音は必ずビットが1になることがわかっているので、その最低音のビットを省略して11ビットで第3のキーオンビットマップを作成することができる。
【0020】
アドレス作成手段14は、上記の第3のキーオンビットマップを基に、テーブルを参照するために必要なアドレスを作成する。テーブル15は、上記のアドレスに応じて、下鍵盤コードタイプ及びオフセットを出力する。決定手段16は、仮コードルート作成手段20から仮のコードルートを入力し、テーブル15から下鍵盤コードタイプ及びオフセットを入力する。そして、決定手段16は、仮のコードルートにオフセットを加算して修正し、下鍵盤コードルート及び下鍵盤コードタイプを記憶手段21及び22に出力する。
【0021】
コードルート記憶手段21は、上記の修正された下鍵盤のコードルートを記憶する。コードタイプ記憶手段22は、上記の下鍵盤コードタイプを記憶する。ベースオフセット値作成手段23は、足鍵盤のキーオン/オフイベントを入力し、足鍵盤のキーオンイベント中のキーナンバ(ベースルート)からコードルート記憶手段21内の下鍵盤コードルートを減算(差分)し、ベースオフセット値を作成する。このベースオフセット値は、図3のテーブル内の第2項目のベースオフセット値(BASS ofset)に相当する。
【0022】
テーブル24は、コードタイプ記憶手段22内の下鍵盤コードタイプ(図3の第1項目)及びベースオフセット値作成手段23が作成したベースオフセット値(図3の第2項目)を入力し、ベースルートのオン/オフ(図3の第3項目)、コードルートオフセット値(図3の第4項目)及びコードタイプ(図3の第5項目)を出力する。
【0023】
決定手段25は、テーブル24に応じて、真のコードルート及び真のコードタイプを決定すると共に、ベースルートのオン/オフ(有無)を決定する。真のコードルートは、コードルート記憶手段21内の下鍵盤コードルートに図3の第4項目のコードルートオフセット値を加算したものである。真のコードタイプは、図3の第5項目のコードタイプになる。ベースルートのオン/オフは、図3の第3項目のベースルートのオン/オフになる。ベースルートがオン(有り)のときには、足鍵盤のキーナンバ(ベースルート)を真のベースルートにする。
【0024】
記憶手段26には、真のコードルート、真のコードタイプ及びベースルートのオン/オフが記憶され、ベースルートがオンのときにはベースルートも記憶される。
【0025】
例えば、図3において、コードタイプがメジャー(Major)であり、ベースオフセット値が0のときは、例えば下鍵盤で「C」のコードが検出され、足鍵盤で「C」が押鍵された場合には、真のコードルートが「C」になり、真のコードタイプがメジャーになる。ベースルートがオフになる。
【0026】
また、コードタイプがメジャー(Major)であり、ベースオフセット値が11のときは、例えば下鍵盤で「C」のコードが検出され、足鍵盤で「B」が押鍵された場合には、真のコードルートが「C」になり、真のコードタイプがメジャーになり、ベースルートがBになる。
【0027】
また、コードタイプがaugであり、ベースオフセット値が4のときは、例えば下鍵盤で「Caug」のコードが検出され、足鍵盤で「E」が押鍵された場合には、真のコードルートが「E」になり、真のコードタイプがaugになり、ベースルートがオフになる。この場合、単純処理では、「Caug/E」になってしまうが、それでは適切ではないためコードルートを修正している。さらに、下鍵盤コードルートと足鍵盤ベースルートとが異なる場合であっても、ベースルートをオフにしている。
【0028】
同様に、コードタイプがaugであり、ベースオフセット値が8のときは、例えば下鍵盤で「Caug」のコードが検出され、足鍵盤で「A♭」が押鍵された場合には、真のコードルートが「A♭」になり、真のコードタイプがaugになり、ベースルートがオフになる。この場合も、コードルートを修正し、ベースルートをオフにしている。
【0029】
また、コードタイプがaugであり、ベースオフセット値が11のときは、例えば下鍵盤で「Caug」のコードが検出され、足鍵盤で「B」が押鍵された場合には、真のコードルートが「C」になり、真のコードタイプがaugになり、ベースルートがBになる。
【0030】
また、コードタイプがm♯5であり、ベースオフセット値が8のときは、例えば下鍵盤で「Cm♯5」のコードが検出され、足鍵盤で「A♭」が押鍵された場合には、真のコードルートが「A♭」になり、真のコードタイプがΔ7になり、ベースルートがオフになる。この場合、コードルート及びコードタイプを修正し、ベースルートをオフにしている。
【0031】
また、コードタイプがm♯5であり、ベースオフセット値が11のときは、例えば下鍵盤で「Cm♯5」のコードが検出され、足鍵盤で「B」が押鍵された場合には、真のコードルートが「C」になり、真のコードタイプがm♯5になり、ベースルートがBになる。
【0032】
以上のように、テーブル24は、仮の手鍵盤コードルートと仮の足鍵盤ベースルートとが同じか否かにかかわらずにベースルートの有無を決定し、仮の手鍵盤コードルートと仮の足鍵盤ベースルートとが異なるときでもベースルートが無しであると決定することがある。また、テーブル24は、仮のコードタイプ及びベースオフセット値に応じて、仮のコードルート及びコードタイプとは異なる真のコードルート及びコードタイプを出力することがある。
【0033】
次に、図2において、下鍵盤で1音又は2音のみの押鍵がされた場合に、下鍵盤と足鍵盤の操作に応じてコード検出を行う方法を説明する。第4のキーオンビットマップ作成手段18は、第2のキーオンビットマップ作成手段12が作成した第2のキーオンビットマップ及び足鍵盤のキーオン/オフイベントを基に、下鍵盤及び足鍵盤のコード検出範囲にあるキーナンバのみを検出して、第4のキーオンビットマップを作成する。
【0034】
仮コードルート作成手段20は、足鍵盤の1鍵(例えば最低音)を仮のコードルートとして検出する。一方、第5のキーオンビットマップ作成手段19は、上記の第4のキーオンビットマップを基に1オクターブの範囲内に圧縮された第5のキーオンビットマップを作成する。その際、仮のコードルートとなる最低音は必ずビットが1になることがわかっているので、その最低音のビットを省略して11ビットで第5のキーオンビットマップを作成することができる。
【0035】
アドレス作成手段14は、上記の第5のキーオンビットマップを基に、テーブルを参照するために必要なアドレスを作成する。テーブル15は、上記のアドレスに応じて、下鍵盤コードタイプ及びオフセットを出力する。決定手段16は、仮コードルート作成手段20から仮のコードルートを入力し、テーブル15から下鍵盤コードタイプ及びオフセットを入力する。そして、決定手段16は、仮のコードルートにオフセットを加算して修正し、下鍵盤コードルート及び下鍵盤コードタイプを記憶手段17に記憶させる。この場合、ベースルートはオフになる。
【0036】
図4は、本実施形態による電子楽器のハードウエア構成を示すブロック図である。バス31には、音源(TG)32、CPU33、パネルスイッチ34、鍵盤35、ROM36、RAM37、及びD/A変換器38が接続されている。
【0037】
CPU33は、種々の演算又は処理を行い、ROM36に記憶されているコンピュータプログラムに応じて後に説明する図5〜図9のフローチャート等の処理を実行する。RAM37は、CPU33のワーキングエリアとして使用される。パネルスイッチ34は、自動伴奏スタイル番号を決定するスタイル番号スイッチ3(図1)等の操作子を有する。
【0038】
鍵盤35は、上鍵盤35aと下鍵盤35bとからなる手鍵盤及び足鍵盤35cを有し、押鍵及び離鍵が可能な複数の鍵を有する。鍵盤35が押鍵されるとベロシティ(押鍵速度)及びキーコード(音高)を含むキーオンイベントをCPU33に伝え、鍵盤35が離鍵されるとキーオフイベントをCPU33に伝える。
【0039】
音源32は、鍵盤35の操作又はROM36内の自動伴奏データに応じて、楽音信号を生成する。D/A変換器38は、音源32で生成されたデジタル形式の楽音信号をアナログ形式に変換し、アンプ39に出力する。アンプ39は、楽音信号の増幅を行い、スピーカ40にて楽音が発音される。
【0040】
図5は、図4のCPU33が行うコード検出処理を示すフローチャートである。ステップSA1では、パネルスイッチ34(図4)内の1フィンガースイッチが押されているか否かをチェックする。押されているときには、ステップSA14で1フィンガー検出処理を行い、ステップSA15でコードルートおよびコードタイプが決定する。ステップSA14の処理の詳細は、後に図6のフローチャートを参照しながら説明する。
【0041】
1フィンガースイッチが押されていないときには、ステップSA2へ進む。ステップSA2では、下鍵盤のキーオンビットマップより下鍵盤の最低音の鍵を最下位ビットとして、1オクターブのビットマップを作成する。
【0042】
ステップSA3では、足鍵盤の押鍵があるか否かをチェックする。足鍵盤の押鍵があるときにはステップSA6へ進み、足鍵盤の押鍵がないときにはステップSA4へ進む。
【0043】
ステップSA6では、下鍵盤でコードが成立するか否かをチェックする。成立するときにはステップSA7へ進み、成立しないときにはステップSA12へ進む。
【0044】
ステップSA7では、足鍵盤の音名から、下鍵盤で確定したコードルートを減算し、ベースオフセット値を求める。ステップSA8では、上記の下鍵盤のコードルートとベースオフセット値に応じてテーブルを参照し、ステップSA9でコードルート及びコードタイプを変更する。コードルートは、変換テーブルからのコードオフセット値を上記のコードルートに加算することにより変更する。
【0045】
ステップSA10では、変換テーブルによりベースルートがオンか否かをチェックする。オンであるときにはステップSA11へ進み、オフであるときにはステップSA5へ進む。
【0046】
ステップSA11では、コードタイプ、コードルート(下鍵盤)及びベースルート(足鍵盤)を確定する。その後、ステップSA16へ進み、終了する。
【0047】
ステップSA5では、コードタイプ及びコードタイプを確定し、ベースルートをオフにする。その後、ステップSA16へ進み、終了する。
【0048】
ステップSA12では、下鍵盤及び足鍵盤の操作によりコードが成立するか否かをチェックする。成立する場合はステップSA13へ進み、成立しない場合にはステップSA17へ進み、コード未定とし、前回のコードを変更しない。
【0049】
ステップSA13では、下鍵盤及び足鍵盤の操作に応じて、コードタイプ、コードルートを確定し、ベースルートをオフにする。その後、ステップSA16へ進み、終了する。
【0050】
ステップSA4では、下鍵盤だけでコードが成立するか否かをチェックする。成立するときには、ステップSA5でコードタイプ及びコードルートを確定し、ベースルートをオフにする。その後、ステップSA16へ進み、終了する。成立しないときには、ステップSA17へ進み、コード未定とし、前回のコードを変更しない。
【0051】
図6は、図5のステップSA14に示す1フィンガー検出処理の詳細を示すフローチャートである。ステップSB1では、下鍵盤又は足鍵盤で押鍵された1つの鍵をコードルートとして確定する。仮に、2以上の鍵が押鍵された場合には、最後に押鍵された鍵をコードルートとして確定する。ステップSB2では、上記のコードルートに応じて、テーブルを参照してコードタイプを確定する。例えば、テーブルは、Cメジャーの曲のコード展開を記憶しており、コードルートがCであればコードが「C」、コードルートがDであればコードが「Dm」、コードルートがEであればコードが「Em」、コードルートがFであればコードが「F」等である。以上のように、コードルート及びコードタイプが決定する。
【0052】
図7は、図4のCPU33が行う自動伴奏発音処理を示すフローチャートである。ステップSC1では、検出されたコードに関係なくドラムパートの発音処理を行う。ステップSC2では、検出されたコードに応じて、コードパートの発音処理を行う。この処理の詳細は、後に図8にフローチャートを参照しながら説明する。ステップSC3では、検出されたコードに応じて、ベースパートの発音処理を行う。この処理の詳細は、後に図9のフローチャートを参照しながら説明する。
【0053】
図8は、図7のステップSC2に示すコードパート発音処理の詳細を示すフローチャートである。ステップSD1では、ROM36(図4)内のコードパターンデータよりキーナンバ等のデータを読み出す。ステップSD2では、検出されたコードルートとコードタイプに応じて、上記のパターンデータに対応した展開テーブルを用いてコード展開する。ステップSD3では、発音処理を行う。
【0054】
図9は、図7のステップSC3に示すベースパート発音処理の詳細を示すフローチャートである。ステップSE1では、ROM36(図4)内のベースパターンデータよりキーナンバ等のデータを読み出す。ステップSE2では、上記のコード検出によりベースルートが決定されているか否かをチェックする。
【0055】
ベースルートが決定されている場合には、ステップSE3で、上記の読み出したキーナンバをそのオクターブ(同一のオクターブ)範囲内のベースルートと同じ音名にする。すなわち、音名は、常にベースルートとなり、オクターブだけが変化することになる。ステップSE4では、発音処理を行う。
【0056】
ベースルートが決定されていない場合には、ステップSE5へ進む。ステップSE5では、リトリガー要求(コード変更要求)がされているか否かをチェックする。
【0057】
リトリガー要求がされている場合にはステップSE6へ進む。ステップSE6では、上記の読み出したキーナンバをそのオクターブ範囲内のコードルートと同じ音名にする。すなわち、コード変更時には、コードルートの音を発音させることにより、コード変更を明確化する。その後、ステップSE4で発音処理を行う。
【0058】
リトリガー要求がされていない場合には、ステップSE7へ進む。ステップSE7では、上記の読み出したキーナンバをコードタイプに応じてベーススケールテーブルを通し、テーブル値を得る。ステップSE8では、上記のベースパターンから読み出されたキーナンバに、上記のテーブル値とコードルートを加算する。この際、コードルートは、「C」を0で表し、「D」を2等で表す。その後、ステップSE4で発音処理を行う。
【0059】
本実施形態によれば、手鍵盤(下鍵盤)の操作に応じて仮の手鍵盤コードルート及び仮の手鍵盤コードタイプを検出し、足鍵盤の操作に応じて仮の足鍵盤ベースルートを検出する。これらのコードはあくまでも仮のものとして、その後に、上記の仮の手鍵盤コードルート、手鍵盤コードタイプ及び足鍵盤ベースルートに応じて、真のコードルート及びコードタイプを決定すると共にベースルートの有無を決定するので、適切なコードを検出することができる。
【0060】
ベースルートの有無を決定する際には、仮の手鍵盤コードルートと仮の足鍵盤ベースルートとが同じか否かにかかわらずにベースルートの有無を決定し、仮の手鍵盤コードルートと仮の足鍵盤ベースルートとが異なるときでもベースルートが無しであると決定することがある。
【0061】
また、仮の手鍵盤コードルート、手鍵盤コードタイプ及び足鍵盤ベースルートに応じて、仮の手鍵盤コードルートとは異なる真のコードルートを決定し、仮の手鍵盤コードタイプとは異なる真のコードタイプを決定することがある。
【0062】
上記実施形態の機能を実現するためのソフトウェアのプログラムコードを供給し、電子楽器のコンピュータ(CPUあるいはMPU)に格納されたプログラムに従って動作させることによって実施したものも、本発明の範疇に含まれる。
【0063】
この場合、上記ソフトウェアのプログラムコード自体が上述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコード自体、およびそのプログラムコードをコンピュータに供給するための手段、例えばかかるプログラムコードを格納した記録媒体は本発明を構成する。かかるプログラムコードを記憶する記録媒体としては、例えばフロッピーディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。
【0064】
上記実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化のほんの一例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【0065】
【発明の効果】
以上説明したように本発明によれば、手鍵盤の操作に応じて仮の手鍵盤コードルート及び仮の手鍵盤コードタイプを検出し、足鍵盤の操作に応じて仮の足鍵盤ベースルートを検出する。これらのコードはあくまでも仮のものとして、その後に、上記の仮の手鍵盤コードルート、手鍵盤コードタイプ及び足鍵盤ベースルートに応じて、真のコードルート及びコードタイプを決定すると共にベースルートの有無を決定するので、適切なコードを検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態による電子楽器の構成例を示す図である。
【図2】コード決定処理手段の構成を示すブロック図である。
【図3】テーブルの内容を示す図である。
【図4】電子楽器のハードウエア構成を示す図である。
【図5】コード検出処理を示すフローチャートである。
【図6】1フィンガー検出処理を示すフローチャートである。
【図7】自動伴奏発音処理を示すフローチャートである。
【図8】コードパート発音処理を示すフローチャートである。
【図9】ベースパート発音処理を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 下鍵盤
2 足鍵盤
3 スタイル番号スイッチ
4 コード決定処理手段
5 自動伴奏発音処理手段
31 バス
32 音源
33 CPU
34 パネルスイッチ
35 鍵盤
35a 上鍵盤
35b 下鍵盤
35c 足鍵盤
36 ROM
37 RAM
38 D/A変換器
39 アンプ
40 スピーカ
Claims (12)
- 手操作用の手鍵盤と、
足操作用の足鍵盤と、
前記手鍵盤の操作に応じて仮の手鍵盤コードルート及び仮の手鍵盤コードタイプを検出する手鍵盤検出手段と、
前記足鍵盤の操作に応じて仮の足鍵盤ベースルートを検出する足鍵盤検出手段と、
前記仮の手鍵盤コードルート、手鍵盤コードタイプ及び足鍵盤ベースルートに応じて、真のコードルート及びコードタイプを決定すると共に、ベースルートの有無を決定する決定手段とを有し、
前記決定手段は、ベースルートが有ると決定するときには、前記仮の足鍵盤ベースルートを真のベースルートとして決定する電子楽器のコード検出装置。 - 前記決定手段は、前記仮の手鍵盤コードルートと前記仮の足鍵盤ベースルートとが同じか否かにかかわらずにベースルートの有無を決定し、前記仮の手鍵盤コードルートと前記仮の足鍵盤ベースルートとが異なるときでもベースルートが無しであると決定することがある請求項1記載の電子楽器のコード検出装置。
- 前記決定手段は、前記仮の手鍵盤コードルートと前記仮の足鍵盤ベースルートとの差分に応じて、ベースルートの有無を決定する請求項1又は2記載の電子楽器のコード検出装置。
- 前記決定手段は、テーブルに応じてベースルートの有無を決定する請求項1〜3のいずれか1項に記載の電子楽器のコード検出装置。
- 前記決定手段は、前記仮の手鍵盤コードルート、手鍵盤コードタイプ及び足鍵盤ベースルートに応じて、前記仮の手鍵盤コードルートとは異なる真のコードルートを決定する請求項1〜4のいずれか1項に記載の電子楽器のコード検出装置。
- 前記決定手段は、前記仮の手鍵盤コードルートと前記仮の足鍵盤ベースルートとの差分に応じて、真のコードルートを決定する請求項5記載の電子楽器のコード検出装置。
- 前記決定手段は、テーブルに応じて真のコードルートを決定する請求項6記載の電子楽器のコード検出装置。
- 前記決定手段は、前記仮の手鍵盤コードルート、手鍵盤コードタイプ及び足鍵盤ベースルートに応じて、前記仮の手鍵盤コードタイプとは異なる真のコードタイプを決定する請求項1〜7のいずれか1項に記載の電子楽器のコード検出装置。
- 前記決定手段は、前記仮の手鍵盤コードルートと前記仮の足鍵盤ベースルートとの差分に応じて、真のコードタイプを決定する請求項8記載の電子楽器のコード検出装置。
- 前記決定手段は、テーブルに応じて真のコードタイプを決定する請求項9記載の電子楽器のコード検出装置。
- 手操作用の手鍵盤と足操作用の足鍵盤とを有する電子楽器のコード検出方法であって、
(a)前記手鍵盤の操作に応じて仮の手鍵盤コードルート及び仮の手鍵盤コードタイプを検出するステップと、
(b)前記足鍵盤の操作に応じて仮の足鍵盤ベースルートを検出するステップと、
(c)前記仮の手鍵盤コードルート、手鍵盤コードタイプ及び足鍵盤ベースルートに応じて、真のコードルート及びコードタイプを決定すると共に、ベースルートの有無を決定する決定ステップとを有し、
前記決定ステップは、ベースルートが有ると決定するときには、前記仮の足鍵盤ベースルートを真のベースルートとして決定する電子楽器のコード検出方法。 - 手操作用の手鍵盤と足操作用の足鍵盤とを有する電子楽器のプログラムを記録した記録媒体であって、
(a)前記手鍵盤の操作に応じて仮の手鍵盤コードルート及び仮の手鍵盤コードタイプを検出する手順と、
(b)前記足鍵盤の操作に応じて仮の足鍵盤ベースルートを検出する手順と、
(c)前記仮の手鍵盤コードルート、手鍵盤コードタイプ及び足鍵盤ベースルートに応じて、真のコードルート及びコードタイプを決定すると共に、ベースルートの有無を決定する決定手順と
をコンピュータに実行させるためのプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であって、
前記決定手順は、ベースルートが有ると決定するときには、前記仮の足鍵盤ベースルートを真のベースルートとして決定するコンピュータ読み取り可能な記録媒体。
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