JP2008283864A - 豆ち醤の製造方法および豆ち醤利用食品 - Google Patents

豆ち醤の製造方法および豆ち醤利用食品 Download PDF

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Abstract

【課題】 コク味深い豆ち醤の製造方法、及び、該製造方法により製造された豆ち醤を用いた食品を提供すること。
【解決手段】 豆ち醤の製造工程中に、バクテリオシンを存在させ、かつ、食塩濃度を調整する工程を導入すること。
【選択図】 なし

Description

本発明は、豆ち醤の製造方法及び豆ち醤を利用した食品に関するものである。より詳しくは、豆ち醤の製造工程において、食塩濃度を調整し、かつ、バクテリオシンを利用する、コク味深い豆ち醤の製造方法、及び、該製造方法により製造された豆ち醤を用いた食品に関するものである。
醤のルーツは中国であると言われている。古来では、大豆、そら豆を主原料とし、必要に応じて小麦粉を加えて天然発酵させて麹を作製していた。そして、この麹に塩水を加えたものを壺に入れ、その壷を室外において、日にさらし、夜露を浴びさせることにより発酵させて醤を製造してきた。
醤の一種である豆ち醤は、大豆(黄豆、黒豆など)、そら豆、緑豆、エンドウなどを主要原料として製造され、旨味があり、栄養が豊富で、人に好まれる調味食品である。しかも、豆ち醤を食べると食欲が増進し、漢方薬として寒気をなくし、風邪を駆逐し、多くの疾病に対して治療効果が上がるとされている。
豆ち醤の製造においては、中国の四川省の永川県が有名である。この永川県の豆ち醤は300年余りの歴史を持ち、タンパク及び必須アミノ酸を豊富に含み、旨味、コク味が濃厚であり、非常に高品質の豆ち醤とされている。発酵期間が長期にわたる程、濃厚なコク味が醸し出されるため味を重視する場合には、発酵期間が数年にもわたる豆ち醤が使用されている。一方、味よりも量産を重視する場合には、発酵期間が1ヶ月程度の豆ち醤が使用されている。
このように四川料理に欠かすことのできない豆ち醤は、自然発酵法や高温短期間発酵法などいくつかの製造方法が検討されてきた。現在では、ほとんどは高温短期間発酵法が用いられている。
自然発酵法は、例えば以下のような製造工程からなる。まず、水浸漬、蒸煮した大豆等穀類を竹ザルに均一に薄めに乗せ、麹室に置く。室温2〜7℃、品温6〜12℃で15日間製麹させることにより、麹菌が穀類の表面に菌糸を伸ばし、麹が生じる。麹を陶器製のかめに入れ、水、白酒、食塩等を加え、約1年間熟成発酵させ豆ち醤を製造する。
高温にて短期間発酵で製造する方法は、一般に以下のような製造工程からなる。まず、大豆等穀類を水浸漬し、蒸煮し、冷却した後、麹菌を接種し、30〜38℃で数日間通風製麹することにより固体麹を作製する。固体麹に、水、白酒、食塩等を加えて諸味を形成させる。該諸味を発酵槽で35〜55℃で15〜30日間発酵させて豆ち醤を製造する。高温短期間発酵法は伝統的な自然発酵法よりも貯蔵発酵時の平均温度が高いのが特徴である。このように高温で発酵させる製造方法は、発酵サイクルが短縮され設備利用率も向上させることができる為、量産化に適している。しかしながら、コク味といった官能の面では、伝統的な自然発酵法で製造された豆ち醤には及ばないことが多い。
また、豆ち醤の原料には穀類が用いられるが、穀類には芽胞菌が存在している。例えば、大豆にはバチルス・ズブチリス(Bacillus subtilis)が、そら豆にはバチルス・セレウス(Bacillus cereus)が生息していることが知られている。その為、大豆やそら豆等の穀類を原料に製麹した麹は、通常は芽胞菌に汚染されてしまう。しかし、麹に生息している芽胞菌は、諸味に添加される食塩によって芽胞を形成するため、増殖することができない。そのため豆ち醤の品質にはほとんど影響しない。ところで一般に加工食品は、豆ち醤と比較して塩分濃度が低く、芽胞菌が増殖しやすい環境にある。そのため加工食品において豆ち醤を使用する場合は、通常、芽胞を死滅させる条件で豆ち醤を殺菌した後に使用されている。この殺菌工程で、豆ち醤のコク味、色といった品質が著しく低下してしまう。
このような従来技術のもと、コク味深い豆ち醤の製造方法が待ち望まれていた。
ところで、1992年に食品の微生物制御の手段としてバイオプリザベーションを利用しようとする試みがB. Rayらによって提唱された。なかでも、バイオプリザバティブとしてバクテリオシンの利用が試みられている。例えば、ラクトコッカス(Lactococcus)属やラクトバルス(Lactobacillus)属によって産生されるナイシン(クラスIに属するランチビオティック系のバクテリオシン)は、グラム陽性菌に対して幅広い静菌効果を有することが知られている(非特許文献1参照)。
グラム陽性菌に属する芽胞菌バチルス(Bacillus)属は、ナイシンによって殺菌されることが期待できるため、近年、ナイシンを麹の静菌剤として利用することが検討されつつある。例えば、バクテリオシンなどの乳酸発酵液と水溶性カルシウム又は水溶性マグネシウムを麹の培養過程で添加する事を特徴とする、麹の雑菌阻止方法が知られている(特許文献1参照)。この方法では、速効性の殺菌効果を有する乳酸発酵液と効力が持続する塩化カルシウム等を併用して、麹の雑菌の繁殖を阻止している。
しかしながら、この方法は、水溶性カルシウム又は水溶性マグネシウムが必須の構成要件であるため、水溶性カルシウム又は水溶性マグネシウムの添加量が多いと麹の風味に悪影響を与えてしまうという課題がある。また、当該発明は、酒、味噌、醤油等の中間原料とする麹を製造することを目的としており、蒸煮した大豆を磨砕した後に麹菌を添加した製造方法のみが開示されている。しかしながら、豆ち醤の製法においてその様な工程をとると風味の点で好ましくなく豆ち醤の製造に適したものではなかった。
麹菌接種と発芽誘導物質の添加を行った後に、乳酸発酵液等を添加して培養することを特徴とする麹の製造方法が知られている(特許文献2参照)。この方法では、乳酸発酵液がバクテリオシンを含有しても良いとの記載がある。
しかしながら、この方法は、芽胞に対する発芽誘導物質であるアラニンを蒸煮後、35℃程度に温度が低下した段階で、或いは種麹と共に添加し、時間差を保って乳酸発酵液を添加することで、芽胞菌を減少させることに特徴があるものである。また、当該発明は、酒、味噌、醤油等の中間原料とする麹を製造することを目的としており、蒸煮した大豆を磨砕した後に麹菌を添加した製造方法のみが開示されている。しかしながら、豆ち醤の製法においてその様な工程をとると風味の点で好ましくなく豆ち醤の製造に適したものではなかった。更には、発芽誘導物質を添加して休眠状態の芽胞菌を出芽させ、増殖させる為、芽胞菌が産生する不必要な成分が豆ち醤に含まれてしまうという課題がある。
穀類を、ナイシン生産能を有する乳酸菌の存在下で水浸漬し、これを常法により加熱変性して得られる穀類を麹基質として用いることを特徴とする、微生物汚染の少ない麹の製造方法が知られている(特許文献3参照)。この方法は、麹の原料である穀類の汚染菌の生育抑制を行うことで、その後の汚染菌の生育も抑制している。
しかしながら、この方法は、穀類の汚染菌の生育抑制を行うために、穀類を乳酸菌の存在下で、長時間(例えば10〜50時間)水浸漬する必要があり、量産化に不都合である。また、水浸漬温度が15℃以下では、乳酸菌の増殖が緩慢となり、得られた穀類の汚染菌の生育抑制効果が得にくくなり、反対に、浸漬温度が35℃以上では、穀類の成分が浸漬水に溶出し、原料利用率が低下すると同時に乳酸菌の生育も抑制される。そのため、この方法では温度管理も必要であるという課題があった。更には、15〜35℃という乳酸菌の至適温度かつ麹菌非存在下であらかじめ水浸漬するため、乳酸菌の過度の増殖を招き、製麹後の固体麹のpHが低くなるという欠点もあった。
米味噌あるいは豆味噌の製法において、その製造工程中にバチルス属細菌の汚染を受けるという課題を解決する方法として、発酵調味料の原料自体を乳酸発酵させる、発酵調味料の製造方法が知られている(特許文献4参照)。
しかしながら、この方法は、バチルス属細菌の汚染を防ぐために、原料自体を乳酸発酵させている。該発明には、乳酸発酵に3日間及び24時間かかる旨の開示があるように、乳酸発酵の時間が必要であるという課題があり、量産化に不都合である。
このようにバクテリオシン等の食品への利用は、検討されているが、豆ち醤の製造にバクテリオシンを利用することにより、豆ち醤のコク味をより深くすることで豆ち醤の品質を向上させる方法は知られていなかった。
「食品の非加熱殺菌応用ハンドブック」、発行元:株式会社サイエンスフォーラム、発行:2001年7月31日、第181頁〜第194頁 特開2002−369678号公報 特開2002−330715号公報 特開2000−116375号公報 特開平11−075754号公報 特開2001−224359号公報
本発明は、コク味深い豆ち醤の製造方法、及び、該製造方法により製造された豆ち醤を用いた食品を提供するものである。
本発明者らは、上記課題を解決するために検討した結果、豆ち醤の製造工程中に、バクテリオシンを存在させ、かつ、食塩濃度を調整する工程を導入することで、コク味深い豆ち醤が製造できることを見出した。本発明は以下の内容を包含する。
(1)1)穀類に麹菌を接種して製麹し固体麹を作製する工程、2)該固体麹に必要により1種以上の食品素材を混合し諸味とする工程、3)該諸味を発酵熟成させる工程、を含む豆ち醤の製造において、1)の固体麹作製工程、又は、1)の固体麹作製工程及び2)の諸味作製工程においてバクテリオシンを存在させ、2)の諸味作製工程において、0重量%から25重量%の食塩濃度で行なわれる工程を特徴とする、豆ち醤の製造方法。
(2)2)の諸味作製工程を、0.1重量%から15重量%の食塩濃度で行うことを特徴とする(1)記載の豆ち醤の製造方法。
(3)(1)記載の製造方法により得られた豆ち醤を用いた食品
(4)製造工程において殺菌工程を有することを特徴とする(3)記載の食品
本発明の効果として、コク味深い豆ち醤の製造方法、及び、該製造方法により製造された豆ち醤を用いた食品を提供することが可能である。
以下に、本発明の実施の形態について説明する。
本発明において麹原料として使用する穀類は、通常の豆ち醤の製造に用いられる原料を使用することができる。例えば、大豆(黄豆、黒豆など)、そら豆、緑豆、エンドウ、小麦、米、麦などを用いることが出来る。必要により、これらの原料を水浸漬処理、蒸煮処理してもよい。穀類は1種類のみ使用してもよいし、2種類以上併用してもよい。豆ち醤らしさを強めるためには、大豆(黄豆、黒豆など)を使用することが好ましい。
本発明において使用する麹菌は、通常の豆ち醤の製造に用いられるものであればとくに制限されない。一例として、アスペルギルス・オリゼ(Aspergillus oryzae), アスペルギルス・ソヤ(Aspergillus sojae), アスペルギルス・ニドランス(Aspergillus nidulans), アスペルギルス・ニガー(Aspergillus niger),アスペルギルス・アワモリ(Aspergillus awamori)等のアスペルギルス(Aspergillus)属、リゾパス・オリゼ(Rhizopus oryzae)、リゾパス・オリゴスポラス(Rhizopus oligosporus)等のリゾパス(Rizopsu)属、モナスカス・アンカ(Monascus anka), モナスカス・プルプレウス(Monascus purpureus)等のモナスカス(Monascus)属、ムコール・ルキシ(Mucor rouxii)等のムコール(Mucor)属を挙げることができる。優良菌株の育種例の多い、アスペルギルス・オリゼが汎用性が高く好ましい。
本発明において、固体麹を作製する工程とは、通常の固体麹の作製方法と同様に穀類に麹菌を接種して、一定の温度に制御して培養することを意味する。制御温度は豆ち醤が製造できる条件である限り特に制限されないが、22〜45℃、好ましくは25〜40℃、より好ましくは29〜35℃の温度に制御して培養することにより高品質の豆ち醤を製造することができる。温度が低すぎると麹菌の増殖度合いが悪く、穀類が十分に分解されず豆ち醤の深いコク味が得られず好ましくない。一方、温度が高すぎると麹菌以外の雑菌の増殖がすすみ、官能上異風味を感じ好ましくない。なお、一定の温度に制御するとは、その温度幅で管理することを意味し、麹菌の発熱等によって一時的に設定温度幅を逸脱してもよい。逸脱した場合は、加熱・冷却することによって一定の設定温度幅になるように培養管理されていればよい。培養期間は、通常の場合と同様に菌糸が穀物原料を覆い固体麹が製麹される期間とすることができる。使用する麹菌、使用する製麹装置等によって異なるため、通常は経験者が製麹中の固体麹を指でさわり水分量などを判断して製麹期間を決定している。一例として、15〜240時間、好ましくは20〜120時間、より好ましくは30〜72時間、更に好ましくは35〜60時間と設定することができる。培養期間が短すぎると、麹菌が十分に増殖できず、豆ち醤の深いコク味が得られない。培養期間が長すぎると、汚染菌を制御するために必要なバクテリオシン量が増大し、コスト増を招くため好ましくない。
本発明において、諸味を作製する方法は、通常の作製方法と同様に、固体麹に仕込み水、必要に応じて1種類以上の食品素材を加えて混合することを意味する。なお、食品素材とは、食塩、白酒、酒粕、花椒、唐辛子、生姜等が挙げられるが、これらにより何ら限定されるものではない。
本発明において、諸味を発酵熟成させる工程とは、通常の諸味の発酵熟成工程と同じく、一定の温度に制御された状態で、一定期間保温することを意味する。本工程において、諸味が加水分解され、諸味中でコク味が発現してくる。制御温度は、20〜50℃、好ましくは25〜45℃とすることができる。温度が低すぎると諸味の加水分解が進行せず十分なコク味が発現しない。一方、温度が高すぎると諸味に含まれる糖とアミノ酸によるメイラード反応が進行し褐変臭が強まり、更にコク味も弱くなるため好ましくない。なお、一定の温度に制御するとは、その温度幅で管理することを意味し、一時的に設定温度幅を逸脱してもよい。逸脱した場合は、加熱・冷却することによって一定の設定温度幅になるように管理すればよい。発酵熟成期間は、十分にコク味が発現する期間と設定することができる。後述する実施例によると、7〜365日、好ましくは14〜365日、より好ましくは14〜180日、更に好ましくは14〜90日とすることができる。
本発明において、1)の固体麹作製工程、又は、1)の固体麹作製工程及び2)の諸味作製工程にバクテリオシンを存在させることによって、原料に含まれる芽胞菌及び各工程中に混入する可能性のある芽胞菌を殺菌することができる。バクテリオシンを存在させるとは、バクテリオシン含有物を添加するだけでなく、バクテリオシン生産菌を添加することでバクテリオシンを存在させることも含まれる。バクテリオシン生産菌をあらかじめ最適条件で培養し、バクテリオシンを含有する培養物として添加することが操作性の観点から好ましい。バクテリオシンの種類は、豆ち醤の製造工程において汚染菌である芽胞菌を殺菌し、豆ち醤が製造可能である限りにおいて特に制限されない。そのようなバクテリオシンとしてグラム陽性菌に作用するバクテリオシンをあげることができる。グラム陽性菌に作用するバクテリオシンとしては、ナイシン、ラクティシン、ペディオシン、サカシン、ヌカシンなどがあり、中でも、ナイシンは世界各国で食品添加物として認可されていることから市場の受容性から考えても好ましい。なお、ナイシンのようにナイシンA、ナイシンZ、ナイシンQなど類縁体を有するものもあるが、芽胞菌を殺菌できる限りにおいていずれでもかまわない。バクテリオシン生産菌としては、ラクトコッカス・ラクティス(Lactococcus lactis)、ペディオコッカス・ペントーサス(Pediococcus pentosaceus)、ラクトバチルス・サケイ(Lacotobacillus sakei)、ラクトバチラス・アシドフィラス(Lactobacillus acidophilus)等の乳酸菌、ビフィドバクテリウム・ビフィダム(Bifidobacterium bifidum)等のビフィズス菌、プロピオニバクテリウム・ソエニ(Propionibacterium thoenii)等のプロピオン酸菌をあげることができる。バクテリオシンの培養方法が広く確立されている乳酸菌を使用することが好ましい。バクテリオシンの至適存在量は、その種類によって異なるが、固体麹作製工程、又は固体麹作成工程及び諸味作製工程に存在し、芽胞菌を殺菌できればよい。その存在量が多いほど微生物の混入や増殖を防ぐことができるため、効果の観点からは存在量が多いほど好ましい。例えば、ナイシンの場合は、固体麹作製工程、好ましくは固体麹作製工程及び諸味作製工程に存在していればよい。具体的には、穀類1gあたり1IU以上、好ましくは10IU以上、より好ましくは100IU以上、更に好ましくは1,000IU以上存在していればよい。上限は特にないが、100,000IU以下、好ましくは10,000IU以下に制限することが製造コストの観点から好ましい。
本発明において、2)の諸味作成工程において、食塩濃度は0重量%から25重量%、好ましくは0.1重量%から15重量%、より好ましくは2重量%から15重量%に制御することが重要である。食塩濃度が高すぎると食塩が析出してしまい豆ち醤の発酵熟成を妨げ、コク味の発現を妨げたり、発酵熟成期間が長期間に及んでしまうので好ましくない。食塩濃度は、諸味に食塩や食塩水を加えることによって制御してもよい。
本発明の方法で製造された豆ち醤は、芽胞菌が大幅に少ないため、過度に殺菌する必要がなく、コク味を損なうことなく広く加工食品に使用することができる。
本発明において、豆ち醤を用いた食品とは特に限定はなく、通常の豆ち醤と同様に使用することができる。各種蒸し物、各種炒め物、各種揚げ物、或いは各種あわせ調味料に使用することができる。調理中に加熱工程を経る料理では、豆ち醤の風味がより際だち好ましい。例えば、麻婆豆腐、回鍋肉、豆ちとマナガツオの蒸し物、豆ちと苦瓜の炒め物などがあげられる。
本発明において、豆ち醤を用いた食品の製造工程において殺菌工程を有するとは、食品の品質を維持する為に汚染微生物を死滅させる工程を有することを意味する。原料としての豆ち醤をあらかじめ殺菌してから使用してもよいし、豆ち醤はあらかじめ殺菌せず出来上がった食品を殺菌してもよい。或いは、両方を併用してもよい。殺菌条件は、汚染微生物を死滅させる限りにおいて制限されないが、60℃で30分間、70℃で30分間、80℃で10分間、90℃で10分間等が用いられる。殺菌工程は、目的の品質を達成できる条件であればよい。例えば、レトルト食品では、水分活性0.94以上、pH4.6以上の食品では120℃4分の加熱殺菌条件などである。
(実施例)
以下に、実施例に基づいて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらにより何ら限定されるものではない。
(バクテリオシン粉末の調製)
ナイシンZを含有するラクティスエイドDL7溶液(オーム乳業社製、ナイシン活性7,000IU/ml)480Lを常法に従い、CPスケールUFモジュール(SAP−3013:分画分子量4,000Da)を用い、25Lまで濃縮し、次にBPスケールUFモジュール(SAP−1013:分画分子量4,000Da)を用い、15Lまで濃縮した後、凍結乾燥することにより、260万IU/gの抗菌活性を有するナイシンZ粉末を調製した。ナイシンZ活性は、HPLCによる定量及びバイオアッセイ法(Appl. Microbiol. Biotechnol. (1996) 45:36-40 A. Ishizaki et al.)により調べた。
(バクテリオシン乳酸菌培養液の調製)
バクテリオシン乳酸菌培養液は、ラクトコッカス・ラクティス(Lactococcus lactis) AJ110212(FERM BP-8552)株をTioglycolate without glucose培地(Difco社製)にて37℃で24時間培養し、その培養液を50mLのYD培地(0.5%酵母エキス、0.5%塩化ナトリウム、3.0%グルコース、1.5%炭酸カルシウム、pH7.0に調製、坂口フラスコ)にシードして100rpmで振とうし、約20時間のバッチ培養を行った(ナイシン活性約11,000IU/ml)。まれに培養ロットによっては、ナイシン活性が11,000IU/mlにならない場合もあるが、その時は実施例1で調製したナイシンを添加することによってナイシン活性を11,000IU/mlになるように調製した。
(乳酸菌体の調製)
ナイシン非生産菌であるラクトバチルス・サケイ(Lactobacillus sakei)AJ3158をTioglycolate without glucose培地(Difco社製)にて37℃で24時間培養し、その培養液を50mLのYD培地(0.5%酵母エキス、0.5%塩化ナトリウム、3.0%グルコース、1.5%炭酸カルシウム、pH7.0に調製、坂口フラスコ)にシードして100rpmで振とうし、約20時間のバッチ培養を行った。遠心分離により、乳酸菌体を回収し、上清を除去した。乳酸菌体を生理食塩水(食塩濃度0.9%)で洗浄し、再度遠心分離により乳酸菌体を集菌して、乳酸菌体を調製した。
(製麹時バクテリオシン添加効果の検証)
水に浸漬した黒豆を蒸気釜にて114℃、90分蒸煮した。蒸煮黒豆1kg、実施例2で調製した培養液或いは滅菌水12.5ml、種麹(ビオック社製、豆味噌用種麹)0.0625gをビニール袋にいれてよく混合した。混合物を麹フタに移し、30℃、90%RHにて45時間製麹した(二葉科学社製、恒温恒室槽)。手入れは製麹開始後17時間後、24時間後、38時間後に行った。1番手入れ後に麹フタを少しあけ水分が蒸発するようにして製麹した。得られた固体麹800gに、滅菌水30ml、酵母(ビオック社製、強力味噌用酵母)1ml、白酒30ml、及び食塩を5%の条件になるように加え混合した。これをラミネートパウチに1袋につき500gとなるように充填した。このパウチを35℃、28日間保温することにより諸味を発酵熟成した。
出来上がった豆ち醤の可溶化した窒素(可溶化TN)及びグルタミン酸濃度を測定した。また、出来上がった豆ち醤の官能評価を行った。官能評価は、12名からなる専門パネラーにより、コク味を評価した。評価は直接、2つの対象品を食べることにより比較する2点嗜好法によって行なった。
その結果、うま味の指標となるグルタミン酸濃度/可溶化TNは、製麹時に実施例2で調製した培養液(ナイシン含有)を添加した豆ち醤の方が高かった(培養液添加豆ち醤の場合0.37、滅菌水添加豆ち醤の場合0.27)。また12名中12名が製麹時に実施例2で調製した培養液(ナイシン含有)を添加した豆ち醤のコク味が勝っていると評価した。
(発酵熟成時食塩添加効果の確認)
水に浸漬した黒豆を蒸気釜にて114℃、90分蒸煮した。蒸煮黒豆1kg、実施例2で調製した培養液12.5ml、種麹(ビオック社製、豆味噌用種麹)0.0625gをビニール袋にいれてよく混合した。混合物を麹フタに移し、30℃、90%RHにて45時間製麹した(二葉科学社製、恒温恒室槽)。手入れは製麹開始後17時間後、24時間後、38時間後に行った。1番手入れ後に麹フタを少しあけ水分が蒸発するようにして製麹した。得られた固体麹800gに、滅菌水30ml、酵母(ビオック社製、強力味噌用酵母)1ml、白酒30ml、及び食塩を0%、2%、3%、4%、5%、6%、7%の条件になるように各々加え混合した。これをラミネートパウチに1袋につき500gとなるように充填した。このパウチを35℃、28日間保温することにより諸味を発酵熟成した。
出来上がった豆ち醤の可溶化した窒素(可溶化TN)及びグルタミン酸濃度を測定した。また、出来上がった豆ち醤の官能評価を行った。官能評価は12名からなる専門パネラーにより、実施例4と同様に直なめにより官能の好ましさを評価した。その結果、うま味の指標となるグルタミン酸濃度/可溶化TNは、食塩0%の条件で諸味を分解・発酵熟成した豆ち醤が高かった(食塩0%の場合0.44、食塩2%、3%、4%の場合0.40、食塩5%の場合0.37、6%、7%の場合0.32)が、食塩濃度が高くなるにつれてコク味が強くなり、食塩濃度5%で最も味のまとまりがよく、コク味を含めた官能の総合的な好ましさは勝っていた。食塩濃度6%以上では、逆にコク味が弱くなり、塩味が強く感じられた。(12名中10名が食塩濃度5%条件の豆ち醤のコク味が一番勝っていると評価した。)。このことより、実施例2で調製した培養液(ナイシン含有)を用いて製麹した固体麹を用いた諸味の発酵熟成を適当な有塩下で行うことによって、官能が更によくなることがわかった。
(大豆での検討)
水に浸漬した大豆を蒸気釜にて114℃、90分蒸煮した。蒸煮大豆1kg、実施例2で調製した培養液或いは滅菌水12.5ml、種麹(ビオック社製、豆味噌用種麹)0.0625gをビニール袋にいれてよく混合した。混合物を麹フタに移し、30℃、90%RHにて45時間製麹した(二葉科学社製、恒温恒室槽)。手入れは製麹開始後17時間後、24時間後、38時間後に行った。1番手入れ後に麹フタを少しあけ水分が蒸発するようにして製麹した。得られた固体麹800gに、滅菌水30ml、酵母(ビオック社製、強力味噌用酵母)1ml、白酒30ml、及び食塩を5%の条件になるように加え混合した。これをラミネートパウチに1袋につき500gとなるように充填した。このパウチを35℃、28日間保温することにより諸味を発酵熟成した。
出来上がった豆ち醤の可溶化した窒素(可溶化TN)及びグルタミン酸濃度を測定した。また、出来上がった豆ち醤の官能評価を行った。官能評価は12名からなる専門パネラーにより、コク味を評価した。評価は直接、2つの対象品を食べることにより比較する2点嗜好法によって行なった。
その結果、うま味の指標となるグルタミン酸濃度/可溶化TNは、製麹時に実施例2で調製した培養液(ナイシン含有)を添加した豆ち醤と滅菌水を添加した豆ち醤で大差はなかった(培養液添加豆ち醤の場合0.26、滅菌水添加豆ち醤の場合0.29)が、12名中12名が製麹時に実施例2で調製した培養液(ナイシン含有)を添加した豆ち醤のコク味が勝っていると評価し、コク味を含めた官能の総合的な好ましさは勝っていた。このことから大豆を用いた検討でも、好ましい結果が得られることが判明した。
(白酒添加効果の検証)
水に浸漬した黒豆を蒸気釜にて114℃、90分蒸煮した。蒸煮黒豆1kg、実施例2で調製した培養液12.5ml、種麹(ビオック社製、豆味噌用種麹)0.0625gをビニール袋にいれてよく混合した。混合物を麹フタに移し、30℃、90%RHにて45時間製麹した(二葉科学社製、恒温恒室槽)。手入れは製麹開始後17時間後、24時間後、38時間後に行った。1番手入れ後に麹フタを少しあけ水分が蒸発するようにして製麹した。得られた固体麹800gに、白酒30mlと滅菌水30ml或いは滅菌水60ml、酵母(ビオック社製、強力味噌用酵母)1ml、及び食塩を5%の条件になるように加え混合した。これをラミネートパウチに1袋につき500gとなるように充填した。このパウチを35℃、28日間保温することにより諸味を発酵熟成した。
出来上がった豆ち醤の官能評価を行った。官能評価は12名からなる専門パネラーにより、コク味を評価した。評価は直接、2つの対象品を食べることにより比較する2点嗜好法によって行なった。その結果、12名中9名が白酒を添加した豆ち醤のコク味が強く、豆ち風味を強く感じると評価した。
(市販四川豆ち醤との比較)
水に浸漬した黒豆を蒸気釜にて114℃、90分蒸煮した。蒸煮黒豆1kg、実施例2で調製した培養液12.5ml、種麹(ビオック社製、豆味噌用種麹)0.0625gをビニール袋にいれてよく混合した。混合物を麹フタに移し、30℃、90%RHにて45時間製麹した(二葉科学社製、恒温恒室槽)。手入れは製麹開始後17時間後、24時間後、38時間後に行った。1番手入れ後に麹フタを少しあけ水分が蒸発するようにして製麹した。得られた固体麹800gに、滅菌水30ml、酵母(ビオック社製、強力味噌用酵母)1ml、白酒30ml、及び食塩を5%の条件になるように各々加え混合した。これをラミネートパウチに1袋につき500gとなるように充填した。このパウチを35℃、28日間保温することにより諸味を発酵熟成した。
出来上がった試作豆ち醤、購入した1年もの四川豆ち醤(ブランド名:永川豆ち。永川豆ち食品有限公司製。本発明において市販豆ち醤は、特に限定がなければこの豆ち醤を意味する)の可溶化した窒素(可溶化TN)及びグルタミン酸濃度を測定した。また、出来上がった試作豆ち醤、市販豆ち醤の官能評価を行った。12名からなる専門パネラーにより、実施例4と同様に直なめにより官能の好ましさを評価した。その結果、うま味の指標となるグルタミン酸濃度/可溶化TNは、試作豆ち醤の方が高かった(試作豆ち醤の場合0.37、市販豆ち醤の場合0.22)。また12名中7名が試作豆ち醤のコク味が勝っていると評価した。この結果より、試作豆ちは市販豆ち醤以上のうま味をもち、かつ市販豆ち醤と同等以上のコク味をもつことが分かった。
(メニュー系での評価:豆ち醤とばら肉蒸し物)
実施例9で作製した試作豆ち醤、市販豆ち醤を用いて、豆ち醤とばら肉蒸し物を試作した。材料と、作り方は以下の通りである。材料:豚のばら肉(茹でたもの) 300g、大蒜 10.5g、鶏がらスープ 5g、砂糖 5g、紹興酒 20g、豆ち醤 38g、水 40g、食塩 適量、サラダ油 適量。作り方:豚のばら肉を茹でて、骨をとり、ぶつ切りにした。皿に食塩、鶏がらスープ、紹興酒、砂糖を入れ、豚ばら肉を浸漬した。 火にかけた鍋に、サラダ油、豆ち醤みじん切り、大蒜みじん切りを入れ、香りが出るまで炒め、豚ばら肉の上にかけた。さらに水をかけてかき混ぜ、蒸し器で15分間蒸した。
メニューに添加する食塩量を調整して、いずれの豆ち醤を用いた場合でもメニュー中の塩分濃度が同一になるように調整した。
出来上がった、豆ち醤ばら肉蒸し物のコク味を12名の専門パネラーにて実施例14と同様に評価した。
その結果、12名中10名が試作豆ち醤のうま味が勝っていると評価し、12名中6名が試作豆ち醤使用品のコク味が勝っていると評価した。この結果より、試作豆ち使用品は市販豆ち醤使用品以上のうま味をもち、かつ市販豆ち醤使用品と同等以上のコク味をもつことが分かった。また市販豆ち醤使用品は豆ち醤の粒が溶け、料理が全体的にどろどろとした物性となり、また外観の色が茶色となった。
(メニュー系での評価:豆ち醤と牛肉の炒め物)
実施例9で作製した試作豆ち醤、市販豆ち醤を用いて、豆ち醤と牛肉の炒め物を試作した。材料と、作り方は以下の通りである。材料:牛肉 350g、醤油 3g、砂糖 4g、大蒜 6g、豆ち醤 18.5g、紹興酒 適量、片栗粉 適量、水 適量、食塩 適量、サラダ油 適量。作り方: 鍋にサラダ油を大量に入れて火にかけ、スライスした牛肉を油通しした。火にかけた鍋にサラダ油を入れ、豆ち醤みじん切り、大蒜みじん切りをいれ炒めた。更に水、砂糖、紹興酒、醤油、油通しした牛肉を入れ炒め、片栗粉でとろみをつけた。
メニューに添加する食塩量を調整して、いずれの豆ち醤を用いた場合でもメニュー中の塩分濃度が同一になるように調整した。
出来上がった、豆ち醤と牛肉の炒め物のコク味を12名の専門パネラーにて実施例14と同様に評価した。
その結果、12名中11名が試作豆ち醤のうま味が勝っていると評価し、12名中6名が試作豆ち醤使用品のコク味が勝っていると評価した。この結果より、試作豆ち使用品は市販豆ち醤使用品以上のうま味をもち、かつ市販豆ち醤使用品と同等以上のコク味をもつことが分かった。
(メニュー系での評価:豆ちとマナガツオの蒸し物)
実施例9で作製した試作豆ち醤、市販豆ち醤を用いて、豆ちとマナガツオの蒸し物を試作した。材料と、作り方は以下の通りである。材料:マナガツオ 2匹、大蒜 10g、醤油 5.5g、砂糖 1.1g、鶏がらスープ 1.8g、陳皮 0.95g、醤油 12g、紹興酒 15.2g、豆ち醤 18.3g、葱 適量、唐辛子 適量、生姜 適量、食塩 適量、サラダ油 適量。作り方: マナガツオに食塩、紹興酒をかけて10分間漬けた。火にかけた鍋にサラダ油を入れ、豆ち醤みじん切り、大蒜みじん切り、陳皮みじん切りを入れ、香りが出るまで炒め、マナガツオの上にかけた。更に葱、生姜、唐辛子千切りを載せ、蒸し器で7分間蒸した。火にかけた鍋にサラダ油を入れ、葱みじん切りをいれ、香りが出るまで炒め、蒸したマナガツオの上にかけた。
メニューに添加する食塩量を調整して、いずれの豆ち醤を用いた場合でもメニュー中の塩分濃度が同一になるように調整した。
出来上がった、豆ちとマナガツオの蒸し物のコク味を12名の専門パネラーにて実施例14と同様に評価した。
その結果、12名中9名が試作豆ち醤のうま味が勝っていると評価し、12名中7名が試作豆ち醤使用品のコク味が勝っていると評価した。この結果より、試作豆ち使用品は市販豆ち醤使用品以上のうま味をもち、かつ市販豆ち醤使用品と同等以上のコク味をもつことが分かった。

Claims (4)

  1. 1)穀類に麹菌を接種して製麹し固体麹を作製する工程、
    2)該固体麹に必要により1種以上の食品素材を混合し諸味とする工程、
    3)該諸味を発酵熟成させる工程、
    を含む豆ち醤の製造において、
    1)の固体麹作製工程、又は、1)の固体麹作製工程及び2)の諸味作製工程においてバクテリオシンを存在させ、
    2)の諸味作製工程を、0重量%から25重量%の食塩濃度で行うことを特徴とする、
    豆ち醤の製造方法。
  2. 2)の諸味作製工程を、0.1重量%から15重量%の食塩濃度で行うことを特徴とする請求項1記載の豆ち醤の製造方法。
  3. 請求項1記載の製造方法により得られた豆ち醤を用いた食品
  4. 製造工程において殺菌工程を有することを特徴とする請求項3記載の食品
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