JPH0564541A - おから、脱脂大豆粕、あん粕、ぬか、脱脂ぬか又はふすまを成分とする漬物床、それより得られる調味液及び固形調味剤及びそれらを用いて製造される野菜、魚貝又は肉類の漬物類及び浸漬物類 - Google Patents

おから、脱脂大豆粕、あん粕、ぬか、脱脂ぬか又はふすまを成分とする漬物床、それより得られる調味液及び固形調味剤及びそれらを用いて製造される野菜、魚貝又は肉類の漬物類及び浸漬物類

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JPH0564541A
JPH0564541A JP30137491A JP30137491A JPH0564541A JP H0564541 A JPH0564541 A JP H0564541A JP 30137491 A JP30137491 A JP 30137491A JP 30137491 A JP30137491 A JP 30137491A JP H0564541 A JPH0564541 A JP H0564541A
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pickled
floor
bed
seasoning
pickle
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Hisanao Zenno
久直 禅野
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ぬか等を用いる従来の漬物製造時の異臭その
他の不快さがなく、香風味が良好な新規な漬物類、浸漬
物類を得る事を目的とする。 【構成】 おから、熱湯洗浄脱脂大豆粕、あん粕、熱湯
洗浄ぬか、熱湯洗浄脱脂ぬか又は熱湯洗浄ふすま等の漬
物床成分、熟成促進菌、剤として乳酸菌、こうじ菌、酵
母等の添加と、これら漬物床よりの調味液、固形調味剤
の作製及び各種素材の漬け込み、浸漬により製造される
漬物類、浸漬物類。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、豆腐、豆乳の製造に際
し副生するおから、熱湯洗浄した脱脂大豆粕、あん類の
製造に際し副生するあん粕、熱湯洗浄したぬか、熱湯洗
浄した脱脂ぬか又は熱湯洗浄したふすまを成分とする漬
物床、それらに乳酸菌、こうじ菌、酵母、生みそ、生も
ろみ又はペクチナーゼを添加した漬物床又はそれぞれの
成分の乾燥物よりなる乾燥漬物床に関する。
【0002】次に、前記の漬物床を熟成させた後、圧
縮、抽出して得られる漬物床調味液又はそれらを乾燥、
固化して得られる固形漬物床調味剤に関する。
【0003】更に、前記の漬物床、漬物床調味液、固形
漬物床調味剤を用いて製造される野菜、魚貝又は肉類の
漬物類及び浸漬物類に関する。
【0004】
【従来の技術】おからを成分とする漬物床を用いた魚類
の漬物については、既に、小だい、あじ或はきす等を漬
け込んだうのはなづけが知られている。殊にたいを漬け
込んだものは、たいずしと称し、賞用されている。然
し、野菜、貝或は肉類を漬け込んだ例はない。
【0005】熱湯洗浄したふすまを成分とする漬物床に
ついては、床の変色防止を目的に、たくあん製造に試み
た例が、小川敏男著、最新漬物製造技術、改訂3版、8
5頁並びに262頁、昭和48年、食品研究社に記載さ
れているが、その他の関連知見はない。
【0006】以上の従来技術以外に、本発明に関する漬
物床、それらの関連技術及びそれらを用いて得られる漬
物類及び浸漬物類の技術は知られていない。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】おから、脱脂大豆粕、
あん粕等は、豆腐、豆乳、油脂或はあん類等の製造に際
し、大量に副生するが、前記の従来技術以外は、飼料等
に一部使用されるだけで、広く有効な利用方法がない。
本発明は、これら廃物の有効利用法でもある。又、ぬ
か、ふすま、酒粕等を成分とする従来の漬物床、漬物類
は、床成分の分解臭と、床熟成に伴い繁殖する細菌群の
生成物臭との混合した異臭を呈し、時により不快感を与
える。又、こうした漬物類は、好ましくない着色を招
く。従って、従来の漬物床の作製、保存、漬け込み工程
は、必ずしも快適な作業とは云い難い。本発明は、おか
ら、熱湯洗浄した脱脂大豆粕、あん粕、熱湯洗浄したぬ
か、熱湯洗浄した脱脂ぬか又は熱湯洗浄したふすまを漬
物床成分とするので、異臭の発生、漬物類の着色が抑え
られ、作業も快適である。
【0008】然し、熱湯での処理を受けた漬物床成分
は、熟成が容易でない。この点を補うために、本発明に
於いては、乳酸菌、こうじ菌或は酵母等を添加する事が
重要な課題である。これらの熟成促進菌、剤の添加によ
って、熟成時聞は短縮され、菌叢中の優位菌を操作する
事が可能で、異臭がなく、良好な香風味と旨味を呈する
漬物類が製造出来る。
【0009】おから、あん粕等本発明の漬物床成分は、
通常、湿ったままの状態で入手され、保存に不便であ
る。従って、乾燥したおから、熱湯洗浄脱脂大豆粕、あ
ん粕、熱湯洗浄ぬか、熱湯洗浄脱脂ぬか又は熱湯洗浄ふ
すまを用い、これらに乾燥状の熟成促進菌、剤、場合に
よりその他の添加物をあらかじめ又は使用時に混合した
ものを乾燥漬物床とし、使用時、水を加えて練和すれ
ば、直ちに漬物床として使用が可能である。
【0010】漬物類の製造のためには、その原料素材が
必ずしも漬物床中に存在する必要はなく、熟成した漬物
床を、圧縮、抽出して得られる調味液に浸漬して、十分
に味覚、香風味が良好な漬物類を得る事が出来る。又、
この調味液を乾燥、固化したものは、そのまま長期保存
が可能で、使用時、水を加えて溶液にすれば、直ちに漬
物床調味液として使用が可能である。
【0011】以上の様に、本発明は、おから、あん粕、
大豆粕等の廃物の有効利用と云う面だけでなく、漬物加
工の快適化、漬物床の管理、維持、良好な香風味を有す
る漬物類、浸漬物類の製造も課題とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の漬物床は、豆
類、ぬか、ふすまを熱湯処理したものを成分とするの
で、農産物である故の雑菌の汚染がなく、成分自体が有
する酵素類も失活している。従って通常のぬか床等に見
受けられる漬物床成分の酸敗、異臭の発生がない。又添
加した熟成促進菌の生成物が香風味の中心を占めるの
で、その菌の選択が適当な漬物床からは、短時日で良
好、軽快な香気が発生し、得られる野菜、魚貝、肉類の
漬物類、浸漬物類は、淡白な味覚と素材の色調そのまま
を示す。又、その製造作業も不快さがない。
【0013】本発明に於いて使用される漬物床成分は、
次の通りである。大豆より得られる豆腐粕、豆乳粕、即
ちおから。熱湯洗浄した脱脂大豆粕。あずき、いんげん
豆、ささげ、えんどう豆、そら豆からあん類を製造する
際に得られるあん粕。又は熱湯洗浄したぬか、同脱脂ぬ
か、同ふすまである。又は、これらに熟成菌、剤を添加
したものであり、食塩、甘味料等は適宜追加される。こ
れらの漬物床が従来のぬか漬物床と特に異なる点は、熱
湯洗浄処理を受けた成分なので、水可溶物が殆どなく、
通常のぬか等とは蛋白質、脂質、炭水化物の含量に相違
がある事、農産物であるが故の雑菌汚染が一旦消毒さ
れ、又、成分自身が有するリパーゼ等の分解酵素が熱に
より失活して酸敗、異臭発生が起こり難い点である。こ
の事は又、本発明の漬物床がそのままでは熟成に比較的
長時間を要し、床発酵を早め、熟成を促進する菌の接種
或は他の促進菌剤の添加が、その後の熟成と得られる漬
物類の香風味に大きな影響を与える事と関係がある。
【0014】通常、おから、あん粕は、品柄によって水
分、固形分の含量がそれぞれ異なる。本発明の実施例に
用いるおからの天日乾燥減量は88.0乃至91.0
%、加熱乾燥減量は90.0乃至91.5%、全平均9
0.0%、あずきあん粕の天日乾燥減量は85.0乃至
86.0%、加熱乾燥減量は85.0乃至88.0%、
全平均85.0%、いんげん豆あん粕の天日乾燥減量は
82.0乃至83.0%、加熱乾燥減量は82.5乃至
85.0%、全平均82.5%である。従って、実際に
は水を加えて平均乾燥減量90.0%になる様に調整し
て使用するのが好ましい。漬物床として適当な固さ、柔
らかさは、食塩、砂糖その他を加えて練和した際、おか
ら漬物床については、所謂おはぎもちのあんこと同じ程
度の手触りが、あん粕漬物床についてはシャーペットと
同じ程度の手触りが好適である。これらの固さを得るた
めには、平均乾燥減量90.0%の各成分に更に差し水
が必要な場合と必要でない場合がある。それは、豆の種
類によって保水能力に差があるためと考えられる。
【0015】脱脂大豆粕の熱湯洗浄は、脱脂大豆粕を3
0倍重量の熱湯中約30分間煮沸又は練和し、濾布を用
いて圧搾、この操作を2,3回繰り返す。得られる洗浄
物は、おからと全く同一の性状を示す。従って、これも
水を加えて平均乾燥減量90.0%になる様に調整し、
おからと全く同様に漬物床成分として取り扱う。
【0016】ぬか、脱脂ぬか及びふすまの熱湯洗浄は、
ぬか、脱脂ぬか、ふすまを10倍重量の熱湯中約30分
間煮沸又は練和し、濾布等を用いて圧搾、この操作を
2,3回繰り返すとぬか臭或はふすま臭が殆どない洗浄
物を得る。湿った状態での重量は、洗浄前重量に対し、
ぬかの場合は1.6倍、ふすまの場合は1.7倍で、こ
のぬかの天日乾燥減量は82.0%、加熱乾燥減量は8
0.0%、全平均81.0%、洗浄脱脂ぬかの値も、ほ
ぼこれと同じである。洗浄ふすまの天日乾燥減量は8
8.0%、加熱乾燥減量は86.0%、全平均85.0
%である。これらも、おからと同様あんこ程度の固さに
なる様水を加えて漬物床とする。
【0017】以上のおから、熱湯洗浄脱脂大豆粕、あん
粕、熱湯洗浄ぬか、熱湯洗浄脱脂ぬか及び熱湯洗浄ふす
まの乾燥物は、いずれも水を加えて再膨潤すれば、直ち
に漬物床成分として使用する事が出来る。
【0018】先に述べた様に、本発明に於ける漬物床成
分は、そのままでは熟成が困難である。熟成促進菌、剤
を添加しないで漬物床の自己発酵、自己熟成させる方法
として、前もって野菜断片等を小量づつ繰り返し漬け込
み、野菜等に付着している菌を利用する事も可能である
が、この前操作は、やや煩雑であり、繁殖優位菌のコン
トロールが容易でない。その点、熟成促進菌、剤の使用
は、種々の点で便利である。
【0019】本発明に於いては、熟成促進菌、剤として
乳酸菌、こうじ菌、酵母を使用するが、特に、アスペル
ギルス属米こうじ菌、サツカロミセス属酵母菌の添加
が、漬物床、それよりの調味液、調味剤、製品の香風味
に最も良好な結果を与える。生みそ、生もろみの添加も
独特の漬物類を生成する。ペクチナーゼの添加は、米こ
うじ接種漬物床と同じ様な香風味の漬物類を与えるが、
漬物床成分、漬け込み素材の分解が進み過ぎる傾向があ
って、加熱失活が必要であり、米こうじの添加で代用出
来る。又これら熟成促進菌は、既にそれらを含む熟成漬
物床の一部によって代替えする事が出来る。
【0020】実施例に於いて使用する促進菌、剤の銘
柄、品名を列挙すると次の通りである。アシドフイルス
菌含有乳酸菌飲料、オレンジのフルーツ畑、生活協同組
合コープこうべ販売。ビフイズス菌含有はっ酵乳、ビヒ
ダスヨーグルト、森永乳業株式会社販売。ビフイズス
菌、アシドフイルス菌含有はっ酵乳、ナチユレ、雪印乳
業株式会社製造。ビフイズス菌、アシドフイルス菌及び
サルモフイルス菌含有錠、新ビオフエルミンS錠、ビオ
フエルミン製薬株式会社製造。ジアスターゼ、プロテア
ーゼ及びリパーゼ混合錠、強力わかもと、わかもと製薬
株式会社製造。米こうじ、禅本造りこうじ、カネジユウ
食品株式会社製造。顆粒パン酵母、ドライイースト、日
本製粉株式会社販売。ビール酵母錠、エビオス錠、田辺
製薬株式会社販売。生みそ、コープみそ汁、生活協同組
合コープこうべ販売。生もろみ、沢井の京もろみ、株式
会社メルシーマルギン販売。ペクチナーゼ粉末、ペクチ
ナーゼ、和光純薬株式会社販売。
【0021】又、本発明の漬物床成分に、ぬか、ふす
ま、酒粕等の従来の漬物床成分を混合して使用しても、
熟成時間の短縮等に効果がある。然し、従来成分の割合
が、おから、あん粕等と同量以上になると、漬物床、漬
物類は従来のものと同じ香風味になり、おから、あん粕
等の特徴は失われる。その他特に混合使用する積極的な
意義は、通常見当らない。
【0022】漬物、つまり塩蔵品に必須の食塩の量は、
漬け込み素材、季節、貯蔵期間或は嗜好によって変動す
る。一般に、夏期或は長期保存を目的とする場合は食塩
量は多く、冬期或は浅漬けの場合は少ない。概略的に
は、素材と漬物床合計重量の2乃至15%の範囲が適当
で、漬け込み実施に際しては、これに当る量の食塩を前
もって漬物床に添加するが、特にこの量には限定されな
い。砂糖、ステビアサイド類等の甘味料の量も、嗜好に
よって著しく相違し、通常、素材と漬物床合計重量の5
%以下が適当であるが、併存する食塩量によっても左右
される。特に、所謂べったら漬けに近似の漬物類又は魚
肉類味淋乾しに類似の浸漬物類を製造するに当っては、
調味液に10乃至20%近い重量の砂糖を添加する。グ
ルタミン酸ソーダー、昆布、アミノ酸液等の調味料の添
加量も、好みによって変動し、グルタミン酸ソーダーの
場合は、素材と漬物床合計重量の0.1%以下が適当と
思われる。保存等を目的として素材、漬物床合計重量の
1%以下のアルコール添加も有意である。
【0023】以上の漬物床成分とそれらの保水能、熟成
促進菌、剤、食塩及び砂糖等が漬物類の風味、味覚に影
響を及ぼす量を勘案して、本発明に於いては、次の内容
の処方を標準漬物床とし、実施例に於いても、主にこの
標準漬物床の使用例を例示する。即ち、標準漬物床A、
おから、熱湯洗浄脱脂大豆粕、熱湯洗浄ぬか、熱湯洗浄
脱脂ぬか又は熱湯洗浄ふすま200g、熟成促進菌、剤
若干量、食塩20g、砂糖20g、グルタミン酸ソーダ
ー0.4g、湯ざまし160g。但し熟成促進菌、剤が
1gを超える場合は、その量だけ湯ざましを減量する。
標準漬物床B、あん粕360g、熟成促進菌、剤若干
量、食塩20g、砂糖20g、グルタミン酸ソーダー
0.4g。但し熟成促進菌、剤が1gを超える場合は、
その量だけあん粕を量する。
【0024】これら漬物床は、多量の水分を含有してい
るので、長期保存に耐えないが、乾燥した成分を用い、
熟成菌、剤も液状のものは乾燥物として添加、混合すれ
ば、保存が可能で、使用にも便利である。例えば、標準
乾燥漬物床C、加熱乾燥したおから、熱湯洗浄脱脂大豆
粕、熱湯洗浄ぬか、熱湯洗浄脱脂ぬか又は熱湯洗浄ふす
ま20g、ドライイースト等熟成促進菌、剤若干量、食
塩20g、砂糖20g、グルタミン酸ソーダー0.4
g。標準乾燥漬物床D、加熱乾燥したあん粕36g、ド
ライイースト等熟成促進菌、剤若干量、食塩20g、砂
糖20g、グルタミン酸ソーダー0.4g。これら乾燥
漬物床は、使用時、湯ざましを加えて全量約400gと
すれば、直ちに、それぞれ対応する標準漬物床として使
用する事が出来る。
【0025】漬物床の熟成は、促進菌、剤の種類によっ
て温度、期間が異なるが、大よそ室温25℃、1日1回
攪拌しつつ3日乃至7日間の放置が必要である。又、熟
成後数回以上の野菜等の素材の漬け込みが可能で、又、
漬物床の一部を新しい成分で入れ替えると長期、反復し
て使用する事が出来る。
【0026】既に、通常のぬか漬物床の浸出液から調
理、調味料を得る試みは、実用化されているが、この場
合もぬか特有の異臭が伴う。本発明の熟成漬物床から
も、圧縮或は水、熱湯で抽出して発酵浸出液を得、濾
過、滅菌、希釈等の処理を施し、或は施さないで漬物床
調味液を作製する事が出来る。更にこの浸出液を蒸発乾
固すると、固形漬物床調味剤が得られ、これは使用時、
水を加えて再希釈すると、元の漬物床調味液にもどす事
が可能である。これらの調味液に野菜、魚貝又は肉類を
漬け込み或は浸漬すると、容易且つ清潔に各種の漬物
類、浸漬物類が得られ、ぬか臭等の不快さはなく、香風
味が良好である。この際、おから、あん粕等に食塩、甘
味料を加えずに熟成させ、これから一旦、調味液を抽出
し、随時、食塩、甘味料を添加して使用してもよいが、
漬物床熟成時の菌叢からして、食塩は当初から添加して
熟成させた方が、より良好な調味液、調味剤が得られ
る。
【0027】例えば、標準漬物床調味液E、前述の標準
漬物床A400gを熟成させた後、圧縮して浸出液を
得、濾過して濾液190gを得、圧縮残分に湯ざまし1
90gを加えてよく混和し、可溶物を抽出、第2の瀘液
190gを得、両液を合わせ、食塩、砂糖各10g弱、
グルタミン酸ソーダー0.2gを追加して全量を400
gとした後、95℃、30分間加熱滅菌する。pH約
3.0を示す。標準漬物床調味液F、前述の標準漬物床
B400gを熟成させた後、圧縮して浸出液を得、濾過
して濾液160gを得、圧縮残分に湯ざまし220gを
加えてよく混和し、可溶物を抽出、第2の濾液220g
を得、両液を合わせ、食塩、砂糖各10g強、グルタミ
ン酸ソーダー0.2gを追加して全量を400gとした
後、95℃、30分間加熱滅菌する。味淋乾し様調味
液、例えば、前述のおからを成分とする標準漬物床Aよ
り調味液Eを作製する際の圧縮残分抽出液を焼酎150
gに代替し、2種濾液を合わせ、食塩10g、砂糖50
g追加して全量を400gとした後、95℃、30分間
加熱滅菌する。標準漬物床Bからも、同様の操作を経て
焼酎220gを代替え使用して対応する味淋乾し様調味
液を得る。
【0028】以上の漬物床調味液を蒸発乾固すると、そ
れぞれ対応する固形潰物床調味剤が作製される。その蒸
発乾固は、調味液作製時の第1及び第2の濾液を合併し
た直後、即ち食塩、砂糖等を追加する以前に行うのが適
当である。例えば標準固形漬物床調味剤G、前述の標準
漬物床調味液Eの作製時の合併濾液380gを注意深く
蒸発乾固し、残留する飴状物質に食塩、砂糖各10g、
グルタミン酸ソーダー0.2gを加えて練和すると、室
温放置して固形化する。おからを成分とする漬物床より
の調味液を固形化した場合、その重量は、約46gであ
る。標準固形漬物床調味剤H、同様にして前述の標準漬
物床調味液F作製時の合併濾液380gより得。これら
の固形漬物床調味剤は、湯ざましで400gに希釈して
用いるが、野菜等を数回、反復して漬け込む事が出来
る。又、湯ざまし、焼酎半量づつの液で希釈すると、ほ
ぼ平均的な味淋乾し様調味液を作製する事が可能であ
る。
【0029】以上の漬物床、漬物床調味液を用いて漬物
類、浸漬物類を製造するに当り、漬け込み、浸漬の操作
は、原料素材或は嗜好等によってそれぞれ若干異なる。
野菜の場合、その漬け込み量は漬物床と同重量程度、重
石は掛けないか又は野菜の0.5乃至3倍重量程度、品
温15℃乃至30℃前後が適当である。漬け込み時間も
原料素材、塩蔵目的によって相違し、きうり等の浅漬け
で15℃乃至20℃、1乃至2日間の漬け込みが、大根
漬物では25℃以上、3日間以上の漬け込みが好適であ
る。魚貝、肉類では、20℃乃至25℃、数時間乃至1
日の浸漬が良好である。調味液を用いる場合は、標準調
味液に原料素材の全体がほぼ浸る程度の素材量、液量を
使用する。魚貝、肉類の漬け込み、浸漬には重石は使用
しない。又、味淋乾し様調味液は、魚類等に塗布又は短
時間浸漬した後、魚類等を天日乾燥する。
【0030】本発明に於ける原料素材としては、従来か
ら漬物類、浸漬物類に使用される大根、かぶら、きう
り、なす、白菜その他の野菜類が漬け込み可能である。
又、魚貝、肉類としては、いわし、さんま、さば、あ
じ、その他所謂高級魚類、しじみ、はまぐり等の貝類、
鶏肉、豚肉、牛肉、羊肉いずれの肉類も利用する事が出
来、それぞれに良好な漬物類、浸漬物類、浸漬乾物類を
製造し得る。
【0031】以上述べた各種の処方に従ってそれぞれの
漬物床を練和、調製し、熟成させ或は熟成させた後、調
味液、固形調味剤を作製し、これら漬物床、漬物床調味
液を用いて、以上述べた操作に従って各種の原料素材を
漬け込み或は浸漬すると、従来にない特徴的な香風味と
良好な旨味を示すそれぞれの漬物類、浸漬物類が快適に
製造する事が出来る。
【0032】
【実施例】以下、本発明を実施例で具体的に説明する
が、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
【0033】実施例1 前述の標準漬物床Aの処方に準じて、熱湯洗浄脱脂大豆
粕200g、食塩、砂糖各20g、グルタミン酸ソーダ
ー0.4g、湯ざまし160gを練和し、熟成促進菌、
剤を添加しない熱湯洗浄脱脂大豆粕漬物床約400gを
調製した。これに3片に切断した青首大根約400gを
混和し、重石400gを掛け、室温25℃、1日1回攪
拌しつつ5日間漬け込む。その後、大根を取り出し、若
干の特徴的な香風味を有する大根漬物約310gを得
た。
【0034】実施例2 前述の標準漬物床Bの処方に準じて、あずきあん粕36
0g、食塩、砂糖各20g、グルタミン酸ソーダー0.
4gを練和し、熟成促進菌、剤を添加しないあずきあん
粕漬物床約400gを調製した。これに3片に切断した
青首大根約400gを混和し、重石400gを掛け、室
温25℃、1日1回攪拌しつつ5日間漬け込む。その
後、大根を取り出し、若干の特徴的な香風味を有し、味
覚も良好な白色の大根あん粕漬け約320gを得た。
【0035】実施例3 前述の標準漬物床Aの処方に準じて、熱湯洗浄ぬか20
0g、食塩、砂糖各20g、グルタミン酸ソーダー0.
4g湯ざまし160gを練和し、熟成促進菌、剤を添加
しない熱湯洗浄ぬか漬物床約400gを調製した。これ
に3片に切断した青首大根約400gを混和し、重石4
00gを掛け、室温25℃、1日1回攪拌しつつ5日間
漬け込む。その後、大根を取り出し、僅かなぬか臭と若
干の特徴的な香風味を有し、味覚も良好な白色の大根漬
物約320gを得た。
【0036】実施例4 実施例3に於ける熱湯洗浄ぬか200gの代りに熱湯洗
浄脱脂ぬか200gを使用し、他は全く実施例3と同様
に操作して同様の味覚、外観を示す大根漬物約310g
を得た。
【0037】実施例5 前述の標準漬物床Bの処方に準じて、まず加熱乾燥した
あずきあん粕36gに湯ざまし324gを加えて再膨潤
してあずきあん粕360gとし、以下実施例2と全く同
様に処理して同様の大根あん粕漬け約320gを得た。
【0038】実施例6 前述の標準漬物床Bの処方に準じてあずきあん粕360
g、食塩、砂糖各20g、グルタミン酸ソーダー0.4
gを練和し、熟成促進菌、剤を添加しないあずきあん粕
漬物床約400gを調製した。これに青首大根の皮付き
小切片50gを混和し、重石100gを掛け、室温25
℃、1日1回攪拌しつつ3日間放置し、大根切片を取り
出した後、再び新たな青首大根の皮付き小切片50gを
混和し、同様に操作し、更に3日後同じ操作を繰り返し
た。この前操作3回によって漬物床は特徴ある香風臭を
呈する様になった。その後、実施例2と全く同様の処
理、操作を行って同様の大根あん粕漬け約330gを得
た。
【0039】実施例7 前述の処方に従っておからを成分とし、湯ざまし120
gをオレンジのフルーツ畑120gに置き換えた標準漬
物床A約400gを練和、調製した。その後、室温20
℃、1日1回攪拌しつつ7日間熟成させた。漬物床の外
観、性状に変化はなく、酸臭その他の香臭気は殆ど認め
ない。菜の花約400gを混和し、重石を掛けないで2
日間漬け込む。その後、菜の花を取り出したが、菜の花
は黄色に変化、軟化し、やや腐敗臭に近い臭気があっ
た。繊維質は固い。
【0040】実施例8 前述の処方に従っておからを成分とし、湯ざまし120
gをビヒダスヨーグルト120gに置き換えた標準漬物
床A約400gを練和、調製した。その後、室温20
℃、1日1回攪拌しつつ7日間熟成させた。漬物床は、
僅かに腐敗臭を示す。ブロッコリー約400gを混和
し、重石を掛けないで2日間漬け込む。その後ブロッコ
リーを取り出し、やや腐敗臭に似た臭気はあるが、漬物
らしい香風味を示す製品を得た。色調は鮮明である。
【0041】実施例9 前述の処方に従っておからを成分とし、湯ざまし120
gをナチユレ120gに置き換えた標準漬物床A約40
0gを練和、調製した。その後、室温20℃、1日1回
攪拌しつつ7日間熟成させた。漬物床はやや腐敗臭に近
い臭気を呈するが、特異な酸臭、香気も認める。3片に
切断した青首大根約400gを混和し、重石を掛けない
で3日間漬け込む。その後、大根を取り出し、弱い臭気
と特徴的な香風味を有し、味覚、歯切れも悪くない大根
漬物約360gを得た。僅かに茶褐色を帯びている。
【0042】実施例10 前述の処方に従っておからを成分とし、湯ざましを15
5gに減量し、新ビオフエルミンS錠12錠を粉砕、添
加した標準漬物床A約400gを練和、調製した。その
後、室温20℃、1日1回攪拌しつつ10日間熟成させ
た。漬物床は、やや腐敗臭に近い臭気と特異な酸臭と香
気が混合した臭気を呈する。3片に切断した青首大根約
400gを混和し、重石を掛けないで3日間漬け込む。
その後、大根を取り出し、弱い臭気と特徴的な香風味を
有する大根漬物約350gを得た。外観は、白色であ
る。
【0043】実施例11 前述の処方に従っておからを成分とし、湯ざましを15
5gに減量し、強力わかもと12錠を粉砕、添加した標
準漬物床A約400gを練和、調製した。その後、室温
20℃、1日1回攪拌しつつ10日間熟成させた。漬物
床は、やや腐敗臭に近い臭気と特異な酸臭と香気が混合
した臭気を呈する。3片に切断した青首大根約400g
を混和し、重石を掛けないで3日間漬け込む。その後、
大根を取り出し、特異な香風味は有するが、歯切れはさ
程よくない大根漬物約360gを得た。外観は白色であ
る。
【0044】実施例12 前述の処方に従っておからを成分とし、湯ざましを14
5gに減量し、禅本造りこうじ15gを加えた標準漬物
床A約400gを練和、調製した。その後、室温25
℃、1日1回攪拌しつつ7日間熟成させた。漬物床は、
特徴的な香臭気と若干のアルコール臭及び酸臭も示す。
3片に切断した青首大根約400gを混和し、重石を掛
けないで3日間漬け込む。その後、大根を取り出し、特
徴的な香気とやや強い酸臭、酸味がある大根漬物約35
0gを得た。外観は、白色である。
【0045】実施例13 前述の処方に従っておからを成分とし、湯ざましを15
6gに減量し、ドライイースト4gを加えた標準漬物床
A約400gを練和、調製した。その後、室温25℃、
1日1回攪拌しつつ7日間熟成させた。3片に切断した
青首大根約400gを混和し、重石を掛けないで3日間
漬け込む。その後、大根を取り出し、強い特徴的な香風
味と良好で淡白な旨味を有する大根漬物約350gを得
た。塩加減、甘味も好適で、外観も白色、美麗である。
【0046】実施例14 前述の処方に従っておからを成分とし、湯ざましを15
5gに減量し、エビオス錠12錠を粉砕、添加した標準
漬物床A約400gを練和、調製した。その後、室温2
5℃、1日1回攪拌しつつ7日間熟成させた。漬物床
は、特異な香臭気と若干の酸臭を呈する。3片に切断し
た青首大根約400gを混和し、重石を掛けないで3日
間漬け込む。その後、大根を取り出し、やや腐敗臭に近
い臭気と特異な香風味を有し、歯切れもまず良好な大根
漬物約370gを得た。外観は、白色である。
【0047】実施例15 前述の処方に従っておからを成分とし、湯ざましを14
0gに減量し、生みそ20gを加えた標準漬物床A約4
00gを練和、調製した。その後、室温25℃、1日1
回攪拌しつつ7日間熟成させた。漬物床は、みそ臭を呈
するが、若干異なった臭気も混在する。3片に切断した
青首大根約400gを混和し、重石400gを掛けて3
日間漬け込む。その後、大根を取り出し、みそ臭は残る
が独特の香風味を示す大根漬物約320gを得た。
【0048】実施例16 前述の処方に従っておからを成分とし、湯ざましを14
0gに減量し、生もろみ20gを加えた標準漬物床A約
400gを練和、調製した。その後、室温25℃、1日
1回攪拌しつつ7日間熟成させた。漬物床は、こうじ添
加漬物床の臭気と、生みそ添加漬物床の臭気とが混合し
た様な特異な臭気を示す。3片に切断した青首大根約4
00gを混和し、重石400gを掛けて3日間漬け込
む。その後、大根を取り出し、特異な香風味を有する大
根漬物約320gを得た。外観は、やや茶褐色を帯びて
いた。
【0049】実施例17 前述の処方に従っておからを成分とし、ペクチナーゼ
0.5gを加えた標準漬物床A約400gを練和、調製
した。その後、室温30℃、1日1回攪拌しつつ3日間
熟成させた。漬物床を適当な大きさの容器に移し、蒸し
器中で1時間蒸気加熱してペクチナーゼを失活させ、冷
後3片に切断した青首大根約400gを混和し、重石を
掛けないで3日間漬け込む。その後、大根を取り出し、
特徴的な香気と強い酸味を呈する大根漬物約360gを
得た。漬物床はペースト状である。
【0050】実施例18 実施例13に記載したおから、ドライイースト標準漬物
床Aの熟成させたものの一部50gを、あらためておか
ら150g、食塩、砂糖各15g、グルタミン酸ソーダ
ー0.3g、湯ざまし170gと練和し、標準漬物床A
を再現した。室温25℃、1日1回攪拌しつつ7日間熟
成させた。きうり5本約400gを混和し、重石を掛け
ないで24時間漬け込む。漬物床は水分が増え、ペース
ト状になるが、取り出したきうり浅漬けは、香風味が良
好で、歯切れ色調も好適であった。
【0051】実施例19 前述の処方に従って熱湯洗浄脱脂大豆粕を成分とし、湯
ざましを156gに減量し、ドライイースト4gを加え
た標準漬物床A約400gを練和、調製した。その後、
室温25℃、1日1回攪拌しつつ7日間熟成させた。3
片に切断した青首大根約400gを混和し、重石400
gを掛けて3日間漬け込む。その後、大根を取り出し、
白色で、良好な香風味を示す大根漬物約320gを得
た。
【0052】実施例20 前述の処方に従ってあずきあん粕330gを成分とし、
禅本造りこうじ30gを加えた標準漬物床B約400g
を練和、調製した。その後、室温25℃、1日1回攪拌
しつつ7日間熟成させた。漬物床は、ペースト状にな
り、強い特徴的な香気を示す。根切りした白菜約400
gを混和し、重石400gを掛けて24時間漬け込む。
その後、白菜を取り出し、風味、歯触りいずれも良好な
白菜浅漬け約250gを得た。特徴的な香気は少ない。
【0053】実施例21 前述の処方に従ってあずきあん粕356gにドライイー
スト4gを加えた標準漬物床B約400gを練和、調製
した。その後、室温25℃、1日1回攪拌しつつ7日間
熟成させた。漬物床は特異な酸臭を呈する。3片に切断
した青首大根約400gを混和し、重石400gを掛け
て3日間漬け込む。その後、大根を取り出し、特徴的な
香風味と適度の塩味、甘味、酸味、旨味を有する大根漬
物約350gを得た。歯切れもよく、外観は、白色であ
る。
【0054】実施例22 前述の処方に従ってあずきあん粕355gにエビオス錠
12錠を粉砕、添加した標準漬物床B約400gを練
和、調製した。その後、室温25℃、1日1回攪拌しつ
つ7日間熟成させた。たて切りした長なす約400gを
混和し、重石400gを掛けて2日間漬け込む。漬物床
は当初、若干昇温する。その後、なすを取り出した所、
形がくずれ、皮部はそのまま残存していたが、中身は軟
化していた。皮部は香風味が良好である。漬物床は、水
分が増え完全にペースト状になっていた。
【0055】実施例23 前述の処方に従ってあずきあん粕360gにペクチナー
ゼ0.5gを加えた標準漬物床B約400gを練和、調
製した。その後室温25℃、1日1回攪拌しつつ3日間
熟成させた。漬物床は、ペースト状を呈する。適当な大
きさの容器に移し、蒸し器中、1時間蒸気加熱してペク
チナーゼを失活させ、冷後3片に切断した青首大根約4
00gを混和し、重石400gを掛けて3日間漬け込
む。大根を取り出し、弱いながら特徴的な香風味を有
し、強い酸味も呈する白色の大根漬物約300gを得
た。
【0056】実施例24 前述の処方に従っていんげん豆あん粕330gに禅本造
りこうじ30gを加えた標準漬物床B約400gを練
和、調製した。その後、室温25℃、1日1回攪拌しつ
つ7日間熟成させた。漬物床はペースト状になり、強く
はないが特徴的な香気を呈する。3片に切断した青首大
根約400gを混和し、重石400gを掛けて3日間漬
け込む。その後、大根を取り出し、特徴的な香風味と適
度の塩味、甘味、酸味、旨味を有する大根漬物約320
gを得た。歯切れもよく、外観は、白色である。残った
漬物床に再び食塩、砂糖各10gと青首大根約400g
を漬け込み、3日後、第1回目と殆ど同じ大根漬物約3
30gを得た。漬物床は水分が増えており、これを濾出
し、漬物床を元の固さにもどせば、尚数回、大根等の漬
け込みは、可能と思われた。
【0057】実施例25 前述の処方に従っていんげん豆あん粕356gにドライ
イースト4gを加えた標準漬物床B約400gを練和、
調製した。その後、室温25℃、1日1回攪拌しつつ5
日間熟成させた。漬物床は、ペースト状になり、強い特
徴的な香気と若干アルコール臭に似た臭気が認められ
る。たて切りした小かぶら約400gを混和し、重石6
00gを掛けて3日間漬け込む。その後、小かぶらを取
り出し、強い香風味と適度の甘味、淡白な旨味がある小
かぶら漬物約360gを得た。外観は美麗であるが、か
ぶら中心部はやや褐色を呈する。概括的に云って、いん
げん豆あん粕漬物床の方が、おから、あずきあん粕漬物
床より熟成、漬け上がりが早く、香風味も強い様に思わ
れた。残った漬物床は、ペースト状で非常に湿潤であ
る。引き続き漬物床として使用するには、水分の除去、
あん粕と食塩の追加が必要と考えられた。
【0058】実施例26 前述の処方に従っていんげん豆あん粕355gにエビオ
ス錠12錠を加えた標準漬物床B約400gを練和、調
製した。その後、室温25℃、1日1回攪拌しつつ5日
間熟成させた。漬物床は殆どペースト状であるが、臭気
はさ程強くない。きうり5本約400gを混和し、重石
400gを掛けて24時間漬け込む。その後きうりを取
り出し、香風味はあまり強くないが、旨味、歯触りは良
好なきうり浅漬け約340gを得た。残った漬物床に食
塩、砂糖各10gを追加し、きうり約400gを漬け込
んで同様の結果を得た。
【0059】実施例27 前述の処方に従って熱湯洗浄ぬかを成分とし、湯ざまし
を145gに減量し、禅本造りこうじ15gを加えた標
準漬物床A約400gを練和、調製した。その後、室温
25℃、1日1回攪拌しつつ7日間熟成させた。漬物床
は僅かにぬか臭を残すが、良好な特徴ある香風味も若干
示す。3片に切断した青首大根約400gを混和し、重
石400gを掛けて3日間漬け込む。その後、大根を取
り出し、白色でぬか臭は殆どなく、良好な香風味と淡白
な旨味を有する大根漬物約310gを得た。
【0060】実施例28 前述の処方に従って熱湯洗浄ぬかを成分とし、湯ざまし
を156gに減量し、ドライイースト4gを加えた標準
漬物床A約400gを練和、調製した。その後、室温2
5℃、1日1回攪拌しつつ7日間熟成させた。漬物床か
ら若干のガスが発生する。3片に切断した青首大根約4
00gを混和し、重石400gを掛けて3日間漬け込
む。その後、大根を取り出し、白色、美麗で、弱いが特
徴的な香風味と好ましい旨味を示す大根漬物約320g
を得た。おから漬物床より得られる大根漬物とは、やや
異なった味覚である。
【0061】実施例29 前述の処方に従って熱湯洗浄脱脂ぬかを成分とし、湯ざ
ましを156gに減量し、ドライイースト4gを加えた
標準漬物床A約400gを練和、調製した。その後、室
温25℃、1日1回攪拌しつつ7日間熟成させた。3片
に切断した青首大根約400gを混和し、重石400g
を掛けて3日間漬け込む。その後、大根を取り出し、白
色で好ましい香風味を有する大根漬物約310gを得
た。
【0062】実施例30 前述の処方に従って熱湯洗浄ふすまを成分とし、湯ざま
しを156gに減量し、ドライイースト4gを加えた標
準漬物床A約400gを練和、調製した。その後、室温
25℃、1日1回攪拌しつつ7日間熟成させた。きうり
5本約400gを混和し、重石400gを掛けて24時
間漬け込む。その後、きうりを取り出し、弱いながら特
徴的な香風味を呈するきうり浅漬け約300gを得た。
歯切れ、色調は良好である。
【0063】実施例31 前述の処方に従っておからを成分とし、湯ざましを14
5gに減量し、禅本造りこうじ15gを加えた標準漬物
床A約400gを練和、調製した。その後、室温25
℃、1日1回攪拌しつつ7日間熟成させた。骨付きの一
夜乾し開きさんま約400gを混和し、15℃にて一昼
夜浸漬した。その後、さんまを取り出し、風乾してから
焼くと、塩味、甘味いずれも良好な焼き魚を得た。魚臭
はやや残り、骨と身肉が若干剥離傾向にあるが、身肉そ
のものは引きしまっている。
【0064】実施例32 前述の処方に従っておからを成分とし、湯ざましを15
6gに減量し、ドライイースト4gを加えた標準漬物床
A約400gを練和、調製した。その後、室温25℃、
1日1回攪拌しつつ7日間熟成させた。塩さば約400
gを混和し、15℃にて一昼夜浸漬した。その後、さば
を取り出し、付着した漬物床を除去、水洗1回、風乾し
てから焼くと、弱い魚臭は残るが、特徴的な香風味とう
すい酸味を有する焼き魚を得た。表皮部分が若干くずれ
ているが、旨味、口触りは良好であった。
【0065】実施例33 前述の処方に従っておからを成分とし、湯ざましを15
6gに減量し、ドライイースト4gを加えた標準漬物床
A約400gを練和、調製した。その後、室温25℃、
1日1回攪拌しつつ7日間熟成させた。若鶏ささ身約4
00gを混和し、25℃、6時間浸漬した。ささ身を取
り出し、付着した漬物床を除去した後焼くと、生臭さが
全くなく、穏やかな塩味、甘味、酸味と鮮明な色調を示
し、特徴的な香風味も感じられる焼き鳥を得た。
【0066】実施例34 前述の処方に従っておからを成分とし、湯ざましを15
6gに減量し、ドライイースト4gを加えた標準漬物床
A約400gを練和、調製した。その後、室温25℃、
1日1回攪拌しつつ7日間熟成させた。うす切り牛肉約
400gを混和し、25℃、6時間浸漬した。牛肉を取
り出し、付着した漬物床を除去した後焼くと、塩味、甘
味、旨味いずれも良好な焼き肉を得た。風味、味覚もよ
い。
【0067】実施例35 前述の処方に従っておからを成分とし、湯ざましを15
5gに減量し、エビオス錠12錠を粉砕、添加した標準
漬物床A約400gを練和、調製した。その後、室温2
5℃、1日1回攪拌しつつ7日間熟成させた。うす塩開
きかます約400gを混和し、一昼夜浸漬した。その
後、かますを取り出し、付着した漬物床を除去した後焼
くと、生臭さが殆どなく、弱いながら特徴的な香風味を
有する焼き魚を得た。
【0068】実施例36 前述の処方に従っておからを成分とし、ペクチナーゼ
0.5gを加えた標準漬物床A約400gを練和、調製
した。その後、室温30℃、1日1回攪拌しつつ3日間
熟成させた。漬物床を適当な大きさの容器に移し、蒸し
器中で1時間蒸気加熱してペクチナーゼを失活させ、冷
後、さわら切り身約400gを混和し、25℃、3時間
浸漬した。その後、さわらを取り出し、付着した漬物床
を除去した後焼くと、魚臭がせず、良好な塩味、甘味、
酸味、香風味を示す焼き魚を得た。但し身肉は若干ゆる
んでいた。
【0069】実施例37 加熱乾燥したおから20g、顆粒パン酵母、ドライイー
スト4g、食塩20g、砂糖20g、グルタミン酸ソー
ダー0.4gを混合して標準乾燥漬物床Cを作製し、こ
れを相当期間密閉保存した後、湯ざまし336gを加え
て練和し、標準漬物床A約400gに戻した。その後、
室温25℃、1日1回攪拌しつつ7日間熟成させた。漬
物床の香気その他は、対応する標準漬物床Aを直接調製
し、熟成させた場合と全く変りがない。3片に切断した
青首大根約400gを混和し、重石を掛けないで3日間
漬け込む。その後、大根を取り出し、実施例13と同様
の大根漬物約350gを得た。
【0070】実施例38 加熱乾燥したあずきあん粕36g、顆粒パン酵母、ドラ
イイースト4g、食塩20g、砂糖20g、グルタミン
酸ソーダー0.4gを混合して標準乾燥漬物床Dを作製
し、これを相当期間密閉保存した後、湯ざまし320g
を加えて練和し、標準漬物床B約400gに戻した。そ
の後、室温25℃、1日1回攪拌しつつ7日間熟成させ
た。漬物床の香気その他は、対応する標準漬物床Bを直
接調製し、熟成させた場合と全く変りがない。3片に切
断した青首大根約400gを混和し、重石400gを掛
けて3日間漬け込む。その後、大根を取り出し、実施例
21と同様の大根漬物約340gを得た。
【0071】実施例39 おからを成分とする前述の標準漬物床Aに於いて、おか
らを100gに減量してその代替えにぬか100gを混
合し、熟成促進菌、剤は添加しない漬物床を練和、調製
した。その後、室温25℃、1日1回攪拌しつつ7日間
自己発酵、熟成を行った。漬物床は弱いながらぬか床特
有の異臭を示す。3片に切断した青首大根約400gを
混和し、重石400gを掛けて3日間漬け込む。その
後、大根を取り出し、明らかにぬか臭を示すやや茶褐色
の大根漬物約370gを得た。この実施例と同様の操作
で、おから140g、ぬか60gを成分とする漬物床に
大根を漬け込んだが、得られた漬物には尚若干ながらぬ
か異臭が残存していた。
【0072】実施例40 おからを成分とする前述の標準漬物床Aに於いて、おか
らを100gに減量してその代替えに酒粕100gを混
合し、湯ざまし160gは、アルコール分25%の焼酎
160gに置き換え、熟成促進菌、剤は添加しない漬物
床を練和、調製した。その後、室温25℃、1日1回攪
拌しつつ7日間自己発酵、熟成を行った。漬物床は強い
酒粕とアルコールの臭気を示す。2片に輪切りしたとう
がん約400gを混和し、重石を掛けないで3日間漬け
込む。その後、とうがんを取り出し、弱い酒粕臭と若干
の特徴的な香風味を示すとうがん漬物約280gを得
た。中心部はややくずれ、うすい茶褐色を帯びていた。
【0073】実施例41 前述の処方に従っておからを成分とし、湯ざましを15
6gに減量し、ドライイースト4gを加えた標準漬物床
A約400gを練和、調製し、その後、室温25℃、1
日1回攪拌しつつ7日間熟成させた。これを前述の操作
に従って圧縮して浸出液を得、濾過して濾液190gを
得、圧縮残分に湯ざまし190gを加えてよく混和し、
可溶物を抽出、第2の濾液190gを得、両液を合わ
せ、食塩、砂糖各10g弱、グルタミン酸ソーダー0.
2gを追加して全量を400gとした後、95℃、30
分間加熱滅菌しておから標準漬物床調味液E約400g
を作製した。この液に3片に切断した青首大根約400
gを混和し、重石400gを掛けて室温25℃、3日間
漬け込む。その後大根を取り出し、特徴的な強い香風味
を有する大根漬物約320gを得た。塩味、甘味、酸味
いずれも良好で、歯切れもよく、外観は白色、美麗であ
った。
【0074】実施例42 前述の処方に従ってあずきあん粕330gを成分とし、
禅本造りこうじ30gを加えた標準漬物床B約400g
を練和、調製し、その後、室温25℃、1日1回攪拌し
つつ7日間熟成させた。これを前述の操作に従って圧縮
して浸出液を得、濾過して濾液160gを得、圧縮残分
に湯ざまし220gを加えて混和し、可溶物を抽出、第
2の濾液220gを得、両液を合わせ、食塩、砂糖各1
0g強、グルタミン酸ソーダー0.2gを追加して全量
を400gとした後、95℃、30分間加熱滅菌してあ
ずきあん粕標準漬物床調味液F約400gを作成した。
この液に3片に切断した青首大根約400gを混和し、
重石400gを掛けて室温25℃、3日間漬け込む。そ
の後、大根を取り出し、特徴的な香風味を有する大根漬
物約310gを得た。塩味、旨味は良好で、歯触り、外
観もよく、ドライイーストを加えたあずきあん粕漬物床
調味液Eよりの漬物より美味な様に感じられた。
【0075】実施例43 実施例41に記載したおから、ドライイースト標準漬物
床調味液Eを作製する際の圧縮残分抽出液をアルコール
分25%の焼酎150gとし、その第2の濾液150g
と第1の濾液190gを合わせ、食塩10g、砂糖50
gを加えて全量を約400gとした後、加熱滅菌してお
から、ドライイースト漬物床味淋乾し様調味液約400
gを作製した。この液に、腹開きした小あじ10尾約4
00gを室温25℃、6時間浸漬した。あじを取り出
し、調味液を流去し、3日間天日乾燥した。この乾物
は、焼いて生臭さが殆どなく、特徴的な風味と適度の塩
味、強い甘味を有し、良好であった。
【0076】実施例44 実施例42に記載したあずきあん粕、こうじ標準漬物床
調味液Fを作製する際の圧縮残分抽出液をアルコール分
25%の焼酎180gとし、その第2の濾液180gと
第1の濾液160gを合わせ、食塩10g、砂糖50g
を加えて全量を約400gとした後、加熱滅菌してあん
粕、こうじ漬物床味淋乾し様調味液約400gを作製し
た。この液に、うす塩開きさんま約400gを室温25
℃、1時間浸漬した。さんまを取り出し、調味液を流去
し、3日間天日乾燥した。この乾物は、焼いて生臭さが
殆どなく、特徴的な風味と強い甘味を有する良好な焼き
乾物であった。
【0077】実施例45 実施例41に記載したおから、ドライイースト標準漬物
床調味液Eを作製する際の第1の濾液と第2の濾液の合
併液380gを食塩、砂糖等を追加する以前に注意深く
加熱、蒸発乾固した。水分が殆どなくなる直前の飴状残
分がまだ熱いうちに食塩、砂糖各10g弱、グルタミン
酸ソーダー0.2gを加え、よく練和しつつ放冷してお
から、ドライイースト標準固形漬物床調味剤G約43g
を得た。その後、この調味剤に湯ざまし約360gを加
えて調味液400gに復活し、3片に切断した青首約4
00gを混和し、重石400gを掛けて3日間漬け込
む。大根を取り出し、特徴的な香風味を有する大根漬物
約310gを得た。味覚その他いずれも良好で、外観は
白色美麗である。
【0078】実施例46 実施例42に記載したあずきあん粕、こうじ標準漬物床
調味液Fを作製する際の第1の濾液と第2の濾液の合併
液380gを食塩、砂糖等を追加する以前に注意深く加
熱、蒸発乾固した。その後、実施例45に記載した操作
と全く同じ処理を経てあずきあん粕、こうじ標準固形漬
物床調味剤H約41gを得た。その後、この調味剤に湯
ざまし約360gを加えて調味液約400gに復活し、
きうり5本約400gを混和し、重石400gを掛けて
室温25℃、24時間漬け込む。きうりを取り出し、特
徴的な香風味を有するきうり浅漬け約340gを得た。
歯切れ、色調いずれも良好であった。
【0079】実施例47 実施例46に記載したあずきあん粕、こうじ標準固形漬
物床調味剤H約41gに砂糖40gを追加し、湯ざまし
約160g、アルコール分25%の焼酎約160gを加
えてあずきあん粕、こうじ漬物床味淋乾し様調味液約4
00gに復活し、この液にうす塩開きさんま約400g
を室温25℃、1時間浸漬した。その後、実施例44と
全く同様に処理して同様の乾物を得た。焼いたものの味
覚も殆ど変らない。
【0080】実施例48 前述の標準漬物床Aの処方に準じておから200g、食
塩、砂糖各20g、グルタミン酸ナトリウム、リボヌク
レオタイドナトリウム調味料、味の素、味の素株式会社
O販売、0.4g、湯ざまし160gを練和し、熟成促
進菌、剤を添加しないおから漬物床約400gを調製し
た。これに青首大根の皮付き小切片50gを混和し、重
石100gを掛け、室温25℃、1日1回攪拌しつつ3
日間放置し、大根切片を取り出した後、再び新たな青首
大根の皮付き小切片50gを混和し、同様に操作し、更
に3日後同じ操作を繰り返した。この前操作3回によっ
て漬物床は特徴ある香風味を呈する様になった。95%
アルコール約8gと3片に切断した青首大根約400g
を混和し、重石400gを掛けて3日間漬け込む。その
後、大根を取り出し、香風味、味覚いずれも良好な大根
漬物約300gを得た。外観は白色、美麗である。3日
間室温保存して味覚、風味にさ程変化はない。
【0081】実施例49 実施例48に記載した熟成促進菌、剤を添加せず、大根
小切片を漬け込んで熟成させたおから漬物床約400g
を前述の操作に従って圧縮して浸出液を得、濾過して濾
液190gを得、圧縮残分に湯ざまし190gを加えて
よく混和し、可溶物を抽出、第2の濾液190gを得、
両液を合わせ、食塩、砂糖各10g弱、グルタミン酸ソ
ーダー0.2gを追加して全量を400gとした後、9
5℃、30分間加熱滅菌しておから漬物床調味液約40
0gを作製した。この液に95%アルコール約8gとき
うり5本約400gを混和し、重石400gを掛けて2
4時間漬け込む。その後、きうりを取り出し、特徴ある
香風味を呈するきうり浅漬け約300gを得た。保存性
も悪くない。
【0082】実施例50 実施例49に記載した操作と全く同じ操作によって同様
のおから漬物床調味液約400gを作製し、更に95%
アルコール約8gを追加した。この液にさわら切り身約
400gを混和し、室温25℃、3時間浸漬した。その
後、さわらを取り出し、暫時風乾した後焼くと、生臭さ
が殆どなく、適度の塩味、香風味を示す焼き魚を得た。
【0083】実施例51 実施例49に記載した操作と全く同じ操作によって同様
のおから漬物床調味液約400gを作成し、この液に若
鶏ささ身約400gを混和し、室温25℃、6時間浸漬
した。その後、ささ身を取り出し、付着した漬物床を除
去し、焼くと生臭さが全くなく、塩味、甘味が良好で、
色調も鮮明な焼き鳥を得た。
【0084】実施例49に記載した熟成菌、剤を添加せ
ず、大根小切片を漬け込んで熟成させたおから漬物床調
味液を作製する際の第1の濾液と第2の瀘液の合併液3
80gを食塩、砂糖等を追加する以前に注意深く加熱、
蒸発乾固した。水分が殆どなくなる直前の飴状残分がま
だ熱いうちに食塩、砂糖各10g弱、グルタミン酸ソー
ダー0.2gを加え、よく練和しつつ放冷しておから固
形漬物床調味剤約42gを得た。その後、この調味剤に
湯ざまし約360gを加えて調味液約400gに復活
し、うす切り牛肉約400gを混和し、室温25℃、6
時間浸漬した。牛肉を取り出し、暫時風乾した後焼く
と、塩味、風味が良好な焼き肉を得た。
【0085】実施例53 前述の操作に従って10倍重量の熱湯で3回洗浄したふ
すま200gを成分とし、前述の標準漬物床Aの処方に
準じて食塩、砂糖各20g、グルタミン酸ソーダー0.
4g、湯ざまし160gを練和し、熟成促進菌、剤を添
加しない熱湯洗ふすま漬物床約400gを調製した。こ
れに青首大根の皮付き小切片50gを混和し、重石10
0gを掛け、室温25℃、1日1回攪拌しつつ3日間放
置し、大根切片を取り出した後、再び新たな青首大根の
皮付き小切片50gを混和し、同様に操作し、更に3日
後同じ操作を繰り返した。この前操作3回によって漬物
床は若干香風味を示す様になった。これにぶり切り身約
400gを混和し、室温25℃、3時間浸漬した。その
後ぶりを取り出し、付着した漬物床を除去し、暫時風乾
した後焼くと、生臭さが殆どなく、魚油臭が少なく、適
度の塩味を示す焼き魚を得た。
【0086】実施例54 実施例53に記載した操作と全く同じ操作によって同様
の熟成促進菌、剤を添加しないで熟成させた熱湯洗浄ふ
すま漬物床約400gを作製し、これにうす切り牛肉約
400gを混和し、室温25℃、6時間浸漬した。牛肉
を取り出し、付着した漬物床を除去し、焼くと、塩味、
甘味、旨味いずれも良好な焼き肉を得た。
【0087】実施例55 実施例53に記載した操作と全く同じ操作によって同様
の熟成促進菌、剤を添加しないで熟成させた熱湯洗浄ふ
すま漬物床約400gを作製し、これを前述の操作に従
って圧縮して浸出液を得、濾過して濾液190gを得、
圧縮残分に湯ざまし190gを加えてよく混和し、可溶
物を抽出、第2の濾液190gを得、両液を合わせ、食
塩、砂糖各10g弱、グルタミン酸ソーダー0.2gを
追加して全量を400gとした後、95℃、30分間加
熱滅菌して熱湯洗浄ふすま漬物床調味液約400gを作
製した。この液に3片に切断した青首大根約400gを
混和し、重石400gを掛けて室温25℃、3日間漬け
込む。大根を取り出し、塩味、甘味が適当で、香風味も
ある大根漬物約320gを得た。
【0088】実施例56 実施例55に記載した熟成菌、剤を添加せず、大根小切
片を漬け込んで熟成させた熱湯洗浄ふすま漬物床調味液
を作製する際の第1の濾液と第2の濾液の合併液約38
0gを食塩、砂糖等を追加する以前に注意深く加熱、蒸
発乾固した。水分が殆どなくなる直前の飴状残分がまだ
熱いうちに食塩、砂糖各10g弱、グルタミン酸ソーダ
ー0.2gを加え、よく練和しつつ放冷して熱湯洗浄ふ
すま固形漬物床調味剤約43gを得た。その後、この調
味剤に湯ざまし約360gを加えて調味液約400gに
復活し、きうり5本約400gを混和し、重石400g
を掛けて室温25℃、24時間漬け込む。きうりを取り
出し、良好な香風味を有するきうり浅漬け約350gを
得た。
【0089】実施例57 実施例56に記載した熱湯洗浄ふすま固形漬物床調味剤
と同じ操作によって得た調味剤約43gを調味液約40
0gに復活し、若鶏ささ身約400gを混和し、室温2
5℃、6時間浸漬した。ささ身を取り出し、暫時風乾し
た後焼くと、生臭さが全くなく、塩味、旨味、色調いず
れも良好な焼き鳥が得られた。
【0090】
【発明の効果】本発明によると、従来廃棄されていたお
から、脱脂大豆粕、あん粕等が、食品、殊に野菜漬物
類、魚貝、肉類の浸漬物類の製造に有効に利用出来る。
得られた漬物類、浸漬物類は適度の酸味、低い辛み、特
徴ある香気と淡白で独特の風味を有し、良好な旨味を示
す。歯切れ等の食感、口触りもよく、外観、色調は鮮明
である。特に魚肉類では、生臭さ、異臭が消失してお
り、原料素材の本来の味覚が強調され、新規で好ましい
食品、加工食品が得られる。これらの製造に際しては、
従来のぬか潰け等を製造する際に伴う異臭、不快さがな
く、操作上誠に有意である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.5 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 A23L 1/325 A 7236−4B 1/33 C 7236−4B // A23L 1/20 Z 6977−4B F 6977−4B (54)【発明の名称】 おから、脱脂大豆粕、あん粕、ぬか、脱脂ぬか又はふすまを成分とする漬物床、それより得られ る調味液及び固形調味剤及びそれらを用いて製造される野菜、魚貝又は肉類の漬物類及び浸漬物 類

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱湯洗浄した脱脂大豆粕、あん粕、熱湯
    洗浄したぬか又は熱湯洗浄した脱脂ぬかを成分とする漬
    物床。
  2. 【請求項2】 乳酸菌、こうじ菌、酵母、生みそ、生も
    ろみ又はペクチナーゼを添加したおから、熱湯洗浄した
    脱脂大豆粕、あん粕、熱湯洗浄したぬか、熱湯洗浄した
    脱脂ぬか又は熱湯洗浄したふすまを成分とする漬物床。
  3. 【請求項3】 請求項1又は請求項2に記載した漬物
    床、おから又は熱湯洗浄したふすまを成分とする漬物床
    のそれぞれの成分の乾燥物よりなる乾燥漬物床。
  4. 【請求項4】 請求項1、請求項2及び請求項3の何れ
    か1項に記載した漬物床を熟成させた後、圧縮、抽出し
    て得られる漬物床調味液。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載した漬物床調味液を乾
    燥、固化して得られる固形漬物床調味剤。
  6. 【請求項6】 請求項1、請求項2、請求項3、請求項
    4及び請求項5の何れか1項に記載した漬物床、乾燥漬
    物床、漬物床調味液又は固形漬物床調味剤を用いて製造
    される野菜、魚貝又は肉類の漬物類及び浸漬物類。
  7. 【請求項7】 おからを成分とする漬物床を用いて製造
    される野菜の漬物類。
  8. 【請求項8】 おからを成分とする漬物床を熟成させた
    後、圧縮、抽出して得られる漬物床調味液。
  9. 【請求項9】 請求項8に記載した漬物床調味液を乾
    燥、固化して得られる固形漬物床調味剤。
  10. 【請求項10】 請求項8又は請求項9に記載した漬物
    床調味液又は固形漬物床調味剤を用いて製造される野
    菜、魚貝又は肉類の漬物類及び浸漬物類。
  11. 【請求項11】 熱湯洗浄したふすまを成分とする漬物
    床を用いて製造される魚貝又は肉類の漬物類及び浸漬物
    類。
  12. 【請求項12】 熱湯洗浄したふすま漬物床を熟成させ
    た後、圧縮、抽出して得られる漬物床調味液。
  13. 【請求項13】 請求項12に記載した漬物床調味液を
    乾燥、固化して得られる固形漬物床調味剤。
  14. 【請求項14】 請求項12又は請求項13に記載した
    漬物床調味液又は固形漬物床調味剤を用いて製造される
    野菜、魚貝又は肉類の漬物類及び浸漬物類。
JP30137491A 1991-09-03 1991-09-03 おから、脱脂大豆粕、あん粕、ぬか、脱脂ぬか又はふすまを成分とする漬物床、それより得られる調味液及び固形調味剤及びそれらを用いて製造される野菜、魚貝又は肉類の漬物類及び浸漬物類 Pending JPH0564541A (ja)

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