JP3684383B2 - 納豆菌を用いた水産発酵食品および製造方法 - Google Patents

納豆菌を用いた水産発酵食品および製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は水産発酵食品および製造方法に係り、特に、ナットウキナーゼ等の有用成分を含む納豆菌を魚介類材料に添加することにより新規なる食品を得ることのできる、納豆菌を用いた水産発酵食品および製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
蒸煮大豆に納豆菌および納豆菌胞子を摂取し発酵せしめた納豆は、我が国の代表的な伝統的発酵食品の一つである。また、近年納豆にはヒト血管中に生成する血栓を強力に溶解する血栓溶解酵素であるナットウキナーゼが含まれていること(須見洋行、中島伸佳、田谷直俊:醸造協会誌,Vol.88,No.6)、また、骨粗鬆症に予防効果のあるビタミンK が含まれていること(須見洋行、柳沢泰任、岸本憲明:日本農芸化学会誌,Vol.73,No.6、他)、また抗菌物質ジピコリン酸(2,6−ピリジンカルボン酸)が含まれていること(須見洋行、大杉忠則:日本農芸化学会誌,Vol.73,No.12)、等々が明らかにされ、納豆は健康保持増進に有用な各種の機能性の食品成分を含む伝統的発酵食品として、国内外で注目されている。
【0003】
これらのうち特に注目を集めているナットウキナーゼを含む納豆菌の応用については、従来から、ピーナッツ等の種実、グリーンピース等の大豆以外の豆類に納豆菌を応用した発酵食品の記載例は見られ、また動物タンパク質として畜肉を用い、小麦粉および蒸煮大豆を混合し納豆菌により発酵させたミート納豆に関する記載例は見られる(特開昭63−248367)。
【0004】
一方で、水産発酵食品には、くさや、魚醤、かつお節、塩辛、糠漬け、鮒ずし等の各種伝統的食品が挙げられる。これらは、いずれも古くから我が国に定着したものであって、その発酵には乳酸菌、酵母、あるいはカビといった微生物が深く関与し、それぞれの発酵において特徴のある基質分解、副産物生成等の発酵過程の相違により、それぞれに独自の香味、栄養成分、機能性を有する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、加熱殺菌した魚介類の肉、内蔵またはこれらの混合物を調味せずそのままか、あるいは調味した魚介類の肉、内蔵またはこれらの混合物のみ、といった魚介類材料に、納豆菌を添加し発酵させた食品、またはそのような食品をさらに乾燥させた食品は現存せず、文献等も見当たらない。したがって、このような食品は、まったく新規なる香味や食感を備えた水産発酵食品を提供することができる可能性がある。
【0006】
しかも、納豆菌由来のナットウキナーゼが、発酵終了時においてもその活性を維持することのできる水産発酵食品を提供することができれば、強力な血栓溶解作用を有する健康機能性食品を、広く国民に提供することとなり、国民の健康増進への貢献は大きい。
【0007】
また、以上のような水産発酵食品およびその製造方法を提供することにより、加工原料としての魚介類の新たな需要拡大が期待できると共に、水産加工経営の活性化に寄与することができるものと考えられる。
【0008】
さらに、係る新規なる食品の発明が製品化、商品化されるためには、食品衛生上の観点からの安全性配慮が不可欠である。すなわち、発酵槽内での発酵中に、雑菌が混入した場合にも、これを死滅させることのできる手段が必要である。
【0009】
また、品質保持期限を長期に設定する食品保蔵上の観点、食品の旨味を濃縮して香味を高める観点、適度の食感・テクスチャーを付与する観点、および工業生産上仕上がり水分含量の再現性が求められることから、水分含量や水分活性を管理する手段が必要になる。
【0010】
したがって本発明の課題は、第一に、ナットウキナーゼ等の有用成分を含む納豆菌を魚介類材料に添加することによりなる、新規なる香味、食感、健康機能性を備えた水産発酵食品およびその製造方法を提供することである。
【0011】
また、本発明の課題は、上記各観点を踏まえ、食品衛生上の安全性が配慮され、かつ食品保蔵上の配慮がなされた、水産発酵食品およびその製造方法を提供することである。
【0012】
さらに本発明の課題は、良好な食感と、水分活性を低下させることによる日持ちの良さを併せ持つ、乾き珍味様の、魚介肉を基質とした納豆菌による発酵物をさらに乾燥した中間水分食品である水産発酵食品、およびその製造方法を提供することである。
【0013】
加えて本発明の別の課題は、中間水分食品たる最終製品である上記水産発酵食品を工業生産する際において、該水産発酵食品の仕上がり水分(以下、「目標水分」ともいう。)を容易に管理することのできる、中間水分食品の仕上がり水分管理方法を提供することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本願において特許請求される発明は以下のとおりである。
【0015】
(1)発酵基質とするための魚介類材料と、該魚介類材料を発酵させる作用を有する微生物と、を備えた水産発酵食品であって、該微生物が納豆菌であり、該魚介類材料はイカ・タコ類等の頭足類、ホタテガイもしくはサケのいずれかであり、該魚介類材料は静置発酵されてその発酵前の形状が保持された固形状であることを特徴とする、水産発酵食品。
【0016】
(2)前記水産発酵食品が、ナットウキナーゼ活性を有することを特徴とする、(1)の水産発酵食品。
【0017】
(3)前記水産発酵食品において、該水産発酵食品が乾燥しており、その水分活性が0.80以下であることを特徴とする、(1)または(2)に記載の水産発酵食品。
【0018】
(4)発酵基質とするための魚介類材料と、該魚介類材料を発酵させる作用を有する微生物と、を備えた水産発酵食品であって、該微生物が納豆菌であり、表面に結着を防止する機能を有する多糖類、またはその他の結着防止機能を有する材料がコーティングされていることを特徴とする水産発酵食品。
【0019】
(5)前記水産発酵食品が、ナットウキナーゼ活性を有するか、または乾燥しているものであることを特徴とする、(4)に記載の水産醗酵食品。
【0020】
(6)水産発酵食品の製造方法であって、魚介類材料を殺菌処理する殺菌工程と、殺菌された該魚介類材料に納豆菌を接種する納豆菌接種工程と、該納豆菌が接種された魚介類材料を恒温機を用いて静置発酵させる発酵工程と、を備え、かかる工程を経ることにより、ナットウキナーゼ活性を有しかつ発酵工程前の魚介類材料の形状が分解されずに保持された水産醗酵食品を得ることができる、水産発酵食品の製造方法。
【0021】
(7)前記殺菌処理が加熱処理であり、前記発酵工程の後に、該工程までで得られた発酵終了物の水分活性を低下させるための、加熱乾燥手段による水分活性低下工程を設けたことを特徴とする、(6)に記載の水産発酵食品の製造方法。
【0022】
加えて、
(8)水分含有食品の水分活性を調整して中間水分食品を製造する過程における、該水分含有食品の乾燥歩留まり(乾燥による減量後の重量)変化および水分活性変化を測定してその関係をあらかじめ把握し、該中間水分食品における目標仕上がり水分含量を乾燥歩留まりの量として設定しておき、実際の中間水分食品の製造においては、原料である水分含有食品の乾燥歩留まり変化を監視することによって、設定した目標仕上がり水分含量で水分活性調整過程を終了させることとする、中間水分食品の仕上がり水分含量制御方法。
【0023】
すなわち本願発明者らが種々検討した結果、調味その他の前処理の有無、魚種、または使用部位に特に限定されず、魚介類材料を加熱処理等の手段により殺菌し、殺菌された魚介類材料を、無菌的操作により滅菌済みの容器に入れ、これにあらかじめ準備した所定量の納豆菌懸濁液を無菌的に接種し、所定条件により発酵させることにより、上記課題を解決することができる本発明を完成するに至った。
【0024】
また、上記方法により得られた発酵終了物を、所定条件下の熱風乾燥処理等の水分活性低下手段により水分活性を食品衛生上および食品保蔵上の要求を満たすレベルに低下させることにより、上記課題を解決することができる本発明を完成するに至った。
【0025】
例示すれば、調味せずにそのまま加熱殺菌したか、あるいは調味してから加熱殺菌した魚介類材料、たとえばイカ肉、ホタテガイ貝柱、サケ肉等の肉部、もしくはこれらの内臓等、またはこれら肉部と内蔵等の混合物を無菌的操作により乾熱滅菌したステンレス製容器に入れ、これにあらかじめ前培養して増菌した納豆菌の栄養細胞あるいは胞子を含む納豆菌懸濁液の所定量を、無菌的に接種、添加し、所定温度で所定時間、好気条件下で静置発酵させることにより、上記課題を解決することができる。またこのようにしてなる発酵終了物を、所定温度で所定時間熱風乾燥して所望の中間水分とすることにより、上記課題を解決することができる。
【0026】
さらに、上記方法によりなる水産発酵食品の表面に結着を防止する機能を有する多糖類、その他の結着防止機能を有する材料をコーティングすることにより、水産発酵食品の表面に有する粘着性による結着を防止することができる。
【0027】
加えて、本発明の水産発酵食品等の中間水分食品製造における、仕上がり水分含量の管理は、たとえば、電子天秤等を用いて乾燥物の経時的な減量重量を計測して乾燥歩留まり(乾燥による減量後の重量)を把握しておき、一方で発酵の経時的乾燥水分を測定し、および水分活性を測定し、これらのデータから設定した目標仕上がり水分含量で乾燥を終了させることにより、達成することができる。
【0028】
本発明において魚介類材料とは、調味その他の前処理の有無、魚種、または使用部位に特に限定されない魚介類材料である。魚種としては魚介類全般を含み、たとえば、エビ・カニ等の節足類、イカ・タコ類等の頭足類、ホタテ等の二枚貝・巻き貝等の貝類、サケ等の硬骨魚類・軟骨魚類等の魚類、等々、食品の材料とし得るすべてのものが含まれる。また魚類の場合、骨や鱗を除いた後の、魚肉、内臓、頭部、表皮等、食品の材料とし得、可食部であるすべての部位が含まれ、かつ、これらは単独で、あるいはこれらの任意の組み合わせによる混合物の形態で、含まれることができる。
【0029】
また中間水分食品とは、通常、水分活性が0.65から0.85までの範囲の食品の総称である。水分活性が0.85以上では食品中への食中毒菌の侵害を阻止できないこと、また、0.85から0.80まででは、1〜2週間以内に種々のカビなどによる変敗が起こること、また、0.75では変敗が遅れ、関与するカビの種類も限られること、また、0.70では変敗が長期間起こらないことが知られている(食品微生物学ハンドブックP79、技報堂出版、1995)。
【0030】
【発明の実施の形態】
【構成】
以下、本発明をより詳細に説明する。
図1は、本発明の水産発酵食品の製造方法を示すフロー図である。図において本発明の製造方法は、魚介類材料1を殺菌処理するための殺菌工程P2と、P2において殺菌処理された殺菌済み魚介類材料2に納豆菌を接種するための納豆菌接種工程P3と、P3において該納豆菌が接種された魚介類材料である納豆菌添加魚介類材料3を発酵させて、発酵終了物であり、かつ発酵終了をもって食品とする水産発酵食品4を得るための発酵工程P4と、から主として構成される。図において該納豆菌としては、納豆菌株8をもとに適宜条件でこれを培養するための納豆菌前培養工程P9によって得られる、液体培養納豆菌9を用いることができる。
【0031】
以下の説明において、前記発酵工程P4の終了により得られる水産発酵食品4は、後記水分活性低下工程P5による処理を受けるための中間体である場合には、発酵終了物4という。
【0032】
図2は、本発明の水産発酵食品の別の製造方法を示すフロー図である。図において本発明の製造方法は、図1において示す製造方法に加え、前記発酵工程P4により得られた発酵終了物4に対して、該発酵終了物4の水分活性を目標とする水分活性まで低下させて、中間水分食品たる水産発酵食品5を得るための、水分活性低下工程P5を設けて、構成される。
【0033】
図1および図2において、前記殺菌工程P2における殺菌処理は、適宜条件による加熱殺菌処理とすることができるが、本発明はこれに限定されず、たとえば加圧殺菌など、他の公知の殺菌処理はすべて均等なものとして、本発明における殺菌処理に含まれる。
【0034】
また、前記発酵工程P4は、適宜条件による静置発酵とすることができるが、本発明はこれに限定されず、他の公知の発酵手段はすべて均等なものとして、本発明における発酵手段に含まれる。
【0035】
また、該水分活性低下工程P5における水分活性低下処理は、適宜条件による加熱乾燥処理、もしくは熱風乾燥処理とすることができるが、本発明はこれに限定されず、他の公知の乾燥手段、または水分活性低下手段はすべて均等なものとして、本発明における水分活性低下手段に含まれる。
【0036】
また、前記納豆菌接種工程P3における納豆菌接種処理は、前培養した前記液体培養納豆菌9を前記殺菌済み魚介類材料2に添加し混合すること、または、該液体培養納豆菌9と無菌空気を用いて、該殺菌済み魚介類材料2に噴霧することにより、行うことができるが、本発明はこれに限定されず、他の公知の接種処理方法はすべて均等なものとして、本発明における納豆菌接種処理に含まれる。
【0037】
また、前記納豆菌前培養工程P9は、適宜条件による液体培養により行うことができるが、本発明はこれに限定されず、他の公知の培養方法はすべて均等なものとして、本発明における前培養に含まれる。
【0038】
図1において得られる、水分活性低下工程P5を経ない水産発酵食品4、または図2において得られる、水分活性低下工程P5を経て中間水分食品となる水産発酵食品5には、さらにその表面に、結着を防止する機能を有するデキストリン等の多糖類、またはその他の結着防止機能を有する材料をコーティングする、図示しないコーティング工程を施して、図示しないコーティング済み水産発酵食品とすることができる。
【0039】
【作用】
図1において、本発明の製造方法は係る構成をとることにより、魚介類材料1は殺菌工程P2において、加熱殺菌等の処理により殺菌処理されて殺菌済み魚介類材料2となり、該殺菌済み魚介類材料2は納豆菌接種工程P3において、納豆菌接種工程P9にて得られた液体培養納豆菌9を混合添加、または噴霧されて納豆菌添加魚介類材料3となり、該納豆菌添加魚介類材料3は発酵工程P14において、適宜条件による静置発酵等により発酵処理されて発酵終了物でありかつ発酵終了をもって食品とする水産発酵食品4が得られる。
【0040】
図2において、また本発明の製造方法は係る構成をとることにより、発酵工程P4により得られた発酵終了物4は水分活性低下工程P5において、適宜条件による加熱乾燥あるいは熱風乾燥その他の水分活性低下処理により水分活性を目標とする水分活性まで低下されて、中間水分食品たる水産発酵食品5が得られる。
【0041】
【構成】
図3は、本発明の水産発酵食品の断面の構成を示す概念図である。図において本食品は、発酵基質とするための魚介類材料31と、該魚介類材料31に混合添加されまたは噴霧されてその表面部またはその内部の少なくともいずれか一方に存在し、該魚介類材料31を発酵させる作用を有する微生物である納豆菌32と、から主として構成される。本食品はまた、ナットウキナーゼ活性を有するナットウキナーゼ33が該納豆菌32の菌体内に存在したり、菌体外に排出されて該魚介類材料31において存在することにより、ナットウキナーゼ活性を有する水産発酵食品とすることができる。
【0042】
図において本食品は、加熱乾燥、熱風乾燥等、本食品を中間水分食品とし得る適宜の乾燥手段によって、その全体が乾燥し、中間水分食品となっているものとすることができる。さらに、その表面には、粘着性のある表面による結着を防止する機能を有するデキストリン等の多糖類、またはその他の結着防止機能を有する材料がコーティングされている構成とすることができる。
【0043】
【作用】
図3において本発明の水産発酵食品は上述のように構成されているため、発酵基質とするための魚介類材料31は、その表面部またはその内部の少なくともいずれか一方に存在する納豆菌32の作用により、その作用の程度に応じた度合いで発酵分解されており、魚介類としての香味や食感に変化が生じたものとなっている。また、該魚介類材料31に存在する納豆菌32により、大豆納豆風の風味が加えられている。さらに本食品はまた、血栓溶解酵素であるナットウキナーゼ活性を有するナットウキナーゼ33により、ナットウキナーゼ活性が呈せられている。
【0044】
また、本発明の水産発酵食品は上述のような構成とすることができるため、その全体が乾燥したものとされ、中間水分食品ととすることができる。さらに、その表面にコーティングされたデキストリン等の多糖類、またはその他の結着防止機能を有する材料により、粘着性のある本食品表面による結着が防止されるものとすることができる。
【0045】
図4は、本発明の水産発酵食品の製造方法について、魚類の肉を使用する場合の一例につきその概要を示すフロー図である。以下の説明では、誤解の生じない限り、符号付の各要素の名称を、適宜の省略形により用いることがある。図の本発明の製造方法では、まず、魚介類材料11は、よく洗浄され、頭部、骨および鱗を除去され、次いで皮を除いてスキンレスフィレーに調製され、適宜の大きさに切断された魚である。該魚介類材料11は殺菌工程P12において、レトルトパウチ等の容器に入れられ、二重釜を用いて90℃ないし95℃の温度で30分間以上加熱殺菌され、容器入りの殺菌済み魚介類材料12は、使用時まで冷凍保存される。
【0046】
該殺菌済み魚介類材料12は使用時に解凍され、容器の表面がアルコールを用いて殺菌された後、クリーンルームまたはクリーンベンチに移され、無菌的操作によって容器が開封され、殺菌工程P12における加熱により生じた分離液が除去され、あらかじめ乾熱滅菌等により殺菌したステンレス製蓋付発酵容器に該魚介類材料12は移される。
【0047】
一方、あらかじめ成瀬菌等の納豆菌株18を、納豆菌前培養工程P19において、いずれも重量部で、グルコース0.1%、酵母エキス0.25%、ペプトン0.5%を含む液体培地を用いて前培養して液体培養納豆菌19としておき、該納豆菌19を、前記ステンレス製蓋付発酵容器中の魚介類材料12の1gに対して4×10個程度添加し混合するか、または除菌フィルターを使用して無菌空気を加圧送付して菌体を該魚介類材料12に噴霧し、ステンレス製蓋を装着する。
【0048】
該魚介類材料12が入れられたステンレス製蓋付発酵容器は、続く発酵工程P14において、直ちに相対湿度80%、温度40℃に調整した恒温器中に入れられ、24時間静置される。これにより、該魚介類材料12を静置発酵させる。
【0049】
発酵工程P14による前記魚介類材料12の発酵が終了した後、発酵終了物14はステンレス製網バットに移されて均等にならして配置され、続く水分活性低下工程P15において、80℃に温度設定された通風乾燥機を用いて、適宜の時間熱風乾燥処理され、水産発酵食品5が得られる。該食品5の表面には、粘着性のある表面による結着を防止する機能を有するデキストリン等の多糖類、またはその他の結着防止機能を有する材料をコーティングすることができる。
【0050】
図5は、本発明の中間水分食品の仕上がり水分含量制御方法を示すフロー図である。図において本方法は、事前に水分活性と乾燥歩留まりとの関係を把握したデータ51を得、これをもとにして、製造目的である中間水分食品の目標仕上がり水分含量を乾燥歩留まりの量として設定しておき(52)、実際の中間水分食品の製造においては、原料である水分含有食品の乾燥歩留まり変化を監視し(53)、該乾燥歩留まりが目標値に到達したか否かを判断し(54)、未だ到達しない場合は監視53を続行し、到達した場合には乾燥処理を停止する(55)という各ステップを実行することにより、中間水分食品製造における水分活性を制御することができる。
【0051】
【実施例】
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<供試験菌株>
納豆菌(Bacillus subtilis)は、財団法人発酵研究所(以下、「IFO」という。)から入手したIFO3009株と、IFO3013株、および成瀬発酵化学研究所から入手した成瀬菌、の3菌株を供試した。各菌株は、日水製薬製標準寒天培地を用いたスラント培地により、継代培養した。
【0052】
<納豆菌の前培養>
いずれも重量部で、酵母エキス0.25%、ペプトン0.5%、グルコース0.1%を含む液体培地を調製し、該液体培地50ミリリットルを300ミリリットル容の三角フラスコに入れて加圧加熱殺菌した。殺菌後の液体培地に、前記スラント培地から菌隗を1白金耳掻き取り、接種した。次いで、三角フラスコ入りの液体培地を、35℃で24時間、220rpmの条件で振とう培養した。なお、菌数測定は平板培養法に従った。
【0053】
<水分活性測定法>
得られた食品等の水分活性は、水分活性測定器(rotronic ag製 Hygroskop BT)を用い、プラスチック製容器に試料を入れ、25℃に30分間保持して測定した。
【0054】
<ナットウキナーゼ(NK)活性測定法>
得られた食品試料のナットウキナーゼ活性(以下、「NK活性」という。)は、人血栓溶解法(フィブリンユニット法。以下、「FU法」という。)により測定した。すなわち、0.05M4ホウ酸ナトリウム10水塩−0.1M塩酸緩衝液(pH7.8)1.4ミリリットルに0.6%牛フィブリノーゲン(SIGMA製 F−4753)溶液0.2ミリリットルを加え、37℃±0.3で5分間プレインキュベーションした。次いで、牛トロンビン溶液(SIGMA製 T−3399)0.1ミリリットル(50U/ml−0.15M 塩化ナトリウム(以下、「NaCl」という。)を加えて、ナットウキナーゼの基質とするフィブリンを生成させるための牛フィブリノーゲン−牛トロンビン溶液とし、37℃で正確に10分間保持した。
【0055】
一方、納豆菌を添加して発酵処理した発酵終了物に、0.15MのNaCl溶液を9倍量加え、これにホモジナイザー(IKA LABORTECHNIC製T−25)を用いた抽出処理を施して、発酵終了物中からナットウキナーゼを含む粗酵素を抽出し、次いで3000rpmで10分間遠心分離し、上清液を得た。該上清液を粗酵素液とした。粗酵素液を得るための操作は、すべて5℃以下で行った。
【0056】
上記の牛フィブリノーゲン−牛トロンビン溶液に、粗酵素液0.6ミリリットルを加えて5秒間攪拌し、次いで37℃で60分間酵素反応を行った。酵素反応は、ナットウキナーゼを含む粗酵素液によりフィブリンをアミノ酸等に分解する反応である。酵素反応停止は、反応系に0.2Mトリクロロ酢酸溶液2.5ミリリットルを添加することにより行い、反応停止処理後さらに37℃で20分間保持した。次いで、15000×gで10分間遠心分離し、処理後の液体を孔径0.45μmのフィルターを用いて濾過し、得られた濾液を波長275nmにおける吸光度(A)測定用の試料とし、吸光度Aを測定した。
【0057】
これとは別に、上述のように牛フィブリノーゲン−牛トロンビン溶液における酵素反応によりフィブリンを生成させた後、先に0.2Mトリクロロ酢酸溶液2.5ミリリットルを添加しておき、さらに粗酵素液0.6ミリリットルを加えて37℃で80分間保持する処理を加えて、上記と同じ条件で遠心分離および濾過を行って濾液を得、これを波長275nmにおける吸光度(A)測定用の試料とし、吸光度Aを測定した。
【0058】
NK活性はFUで表し、1FUは、酸不溶性物質を除いた反応液の紫外部における吸光度を1分間に0.01増加させる酵素量と定義した。酵素活性(NK活性)は、乾物換算試料1g当たりのユニットで表した。Dを希釈倍率、Wを試料水分(重量%値)とすると、NK活性を算出する計算式は、下記数式1のとおりである。
【0059】
【数1】
Figure 0003684383
【0060】
<実施例1 アカイカと納豆菌による水産発酵食品>
凍結アカイカを解凍し、剥皮後、胴肉を1cm×1.5cmのサイズに切断し、これにふりかけ調味をした。ふりかけ調味は、前記魚介類材料である発酵基質の重量(以下、「発酵基質重量」という。)に対し、砂糖2%重量、ソルビトール2%重量、食塩0.8%重量、グルタミン酸モノナトリウム(以下、「MSG」という。)0.3%重量、リポタイド0.02%重量を添加した。その後、一夜4℃以下でこれを放置した。次いで、その500gをレトルトパウチに詰め、これに脱気シールを施した後、二重釜を用い90〜95℃で30分間加熱殺菌し、その後直ちに急冷して、使用時まで冷凍保存した。
【0061】
前記の冷凍アカイカ材料をレトルトパウチのまま解凍し、次に無菌的操作によりこれを開封し、レトルトパウチ袋中の分離ドリップ液を除いて、該材料を乾熱滅菌したステンレス製蓋付深型容器に入れた。次に、あらかじめ調製した液体培地(酵母エキス0.25%、ペプトン0.5%、グルコース0.1%)を用いて前培養した納豆菌(成瀬菌等)を、材料に対し4×10個程度添加、混合し、または除菌フィルターを使用して無菌空気を加圧送付し、菌体を材料に噴霧した後、直ちに深型容器にステンレス製蓋を装着した。次いで、直ちに相対湿度80%、温度40℃に調整した恒温器に材料入りの容器を入れ、24時間静置発酵させて、実施例1の水産発酵食品とした。
【0062】
<比較例 大豆納豆>
大豆納豆は、干し大豆(品種:ツルムスメ)を一夜蒸留水に浸漬し、これを水切り後レトルトパウチ袋に入れ、脱気シールし、袋入りの状態で121℃で20分間加圧加熱殺菌した。その後、実施例1と同様の方法により、納豆菌接種および発酵を行った。また、NK活性を測定した。実施例1および比較例1のNK活性測定結果を、表1に示す。なお、表2には、市販納豆のNK活性測定結果を本比較例との比較として示す。
【0063】
【表1】
Figure 0003684383
【0064】
【表2】
Figure 0003684383
【0065】
表1において、実施例1のアカイカによる食品は「アカイカ胴肉」で示されている。他に、後述するホタテガイ貝柱等の実施例のNK活性も示されている。実施例1のアカイカを、併せてNK活性を測定した大豆の場合と比較すると、実施例1は、菌株3009および3013を用いた場合に、大豆の約60%程度のNK活性を有し、NK活性を有する食品となっていることが示された。また、表2において市販納豆の菌株は不明ではあるが、少なくとも本比較例における三種類の菌株由来の大豆納豆は、各市販納豆と比較してNK活性値が大きくかけ離れているとはいえず、したがって本比較例は、本発明の各実施例との比較に充分用いることができると判断された。
【0066】
<実施例2 アカイカと納豆菌による水産発酵食品(乾き珍味)>
実施例1における発酵終了後、発酵終了物をステンレス製網バットに移し、均等にならして配置し、これを通風乾燥機(太昭農工機械(株)製 Phoenix)の庫内に入れて、80℃の温度設定により熱風乾燥することにより、本発明の一例である乾き珍味を試作した。通風乾燥機中から試料を一定時間間隔ごとにサンプリングし、水分含量(重量)および水分活性を測定した。測定結果を図6に示す。また、熱風乾燥中における乾燥歩留まりの変化(重量変化)を図7に示す。
【0067】
図6は、実施例2における乾燥時間と水分、および水分活性の関係を示すグラフ図である。図より、7時間乾燥後の水分含量は24.64%であり、水分活性は0.711であった。この水分活性値は、保蔵中の変質を抑制でき、食中毒の侵害も防止できるものである。したがって、実施例2において、7時間の熱風乾燥処理により、食品衛生上、および食品保蔵上好ましい中間水分食品とすることができた。
【0068】
図7は、実施例2における乾燥時間と歩留まりの関係を示すグラフ図である。図より、7時間乾燥後の歩留まりは42.52%であった。乾燥歩留まりまたは水分含量は、本実施例2の乾き珍味のような乾燥処理した食品の食感を評価することのできる、または食感の評価を直接的もしくは間接的に支援し得る指標である。このように、乾燥食品の食感またはこれと関連のある歩留まりと、水分含量、および水分活性との関係を把握しておけば、乾燥歩留まりをモニタリングすることにより、目的の仕上がり水分を容易に管理、コントロールすることができることが示された。
【0069】
<実施例3 アカイカと納豆菌による水産発酵食品(コーティングした乾き珍味)>
実施例2で得られた乾き珍味に、デキストロース・エクィバレント(dextrose equivalent。デキストロース価の意。以下、「DE]という。)2〜8%のデキストリンをコーティングした。コーティングは、乾き珍味上にデキストリンを適当量振りかけ、余分なデキストリンをふるって、乾き珍味の表面がむらなくコートされる程度に行った。その結果、アカイカ乾き珍味の各片間相互における結着を防止することができた。
【0070】
<実施例4 ホタテガイ貝柱と納豆菌による水産発酵食品>
市販のホタテガイ冷凍貝柱を解凍し、実施例1のアカイカと同様の処理により調味、殺菌、納豆菌接種、および発酵を行い、実施例8の水産発酵食品とした。また、実施例1と同様の方法でNK活性を測定した。測定結果を前出の表1に示した。表1において、併せてNK活性を測定した大豆の場合と比較すると、実施例4は、菌株3013を用いた場合に、大豆の約50%程度のNK活性を有し、NK活性を有する食品となっていることが示された。また、菌株3009を用いた場合にも、大豆の約30%程度のNK活性を示した。
【0071】
<実施例5 ホタテガイ貝柱と納豆菌による水産発酵食品(乾き珍味)>
実施例4で得られた水産発酵食品に、実施例2と同様の乾燥処理を施して乾き珍味を得た。通風乾燥機中から試料を一定時間間隔ごとにサンプリングし、水分含量および水分活性の測定に加えて、食感について官能検査を行った。
【0072】
官能検査は、次のような方法で行った。すなわち、3名のパネリストが、サンプリングした各試料の硬さについて、−2:柔らかい、−1:やや柔らかい、0:どちらともいえない、+1:やや硬い、+2:硬い、の5段階での評価を実施した。各試料について3名の評価の平均値をとった。小数点第二位以下は四捨五入した。表3に、官能検査の結果を示す。
【0073】
【表3】
Figure 0003684383
【0074】
その結果、乾燥時間4時間程度のものが、官能検査における硬さの評価が、+0.7であった。適度な硬さを有するものであり、テクスチャーが優れていると判断された。このときの水分含量は18.94%、水分活性は0.771であった。この水分活性値は保蔵中の変質を抑制でき、食中毒菌の侵害を防止することもできるものである。
【0075】
<実施例6 ホタテガイ貝柱と納豆菌による水産発酵食品(コーティングした乾き珍味)>
実施例5で得られた乾き珍味に、DE2〜8%のデキストリンをコーティングした。コーティングは、実施例3と同様の方法により行った。その結果、ホタテガイ貝柱乾き珍味の各片間相互における結着を防止することができた。
【0076】
<実施例7 サケ肉と納豆菌による水産発酵食品>
生のシロザケからスキンレスフィレーを調製後、適度な大きさに切断し、実施例1のアカイカと同様の処理により調味、殺菌、納豆菌接種、および発酵を行い、実施例7の水産発酵食品とした。また、実施例1と同様の方法でNK活性を測定した。測定結果を前出の表1に示した。表1において、併せてNK活性を測定した大豆の場合と比較すると、実施例7は、菌株3013を用いた場合に、大豆の約40%程度のNK活性を有し、NK活性を有する食品となっていることが示された。
【0077】
<実施例8 サケ肉と納豆菌による水産発酵食品(乾燥品)>
実施例7で得られた水産発酵食品に、実施例2と同様の乾燥処理を施して乾き珍味を得た。サケ肉の場合は、アカイカ、ホタテガイ貝柱の場合と比べ、納豆菌により生産されるズブチリシン等のプロテアーゼの作用によって、魚肉を構成するタンパク質が強度に加水分解されるため、発酵終了時点で一定の形態を保持することが困難である。そこで、発酵終了後にサケ肉の身をよくほぐし、水分含量を著しく低下させるようにした。すなわち、熱風乾燥により、たとえば2時間乾燥処理時点で水分含量9.76%、水分活性0.566とするような強力な乾燥条件を用いた。このようにして得られた乾燥食品は、その利用法の一つとして、納豆風味のサケ茶漬け用素材として利用可能であった。
【0078】
【発明の効果】
本発明の納豆菌を用いた水産発酵食品および製造方法によれば、上述のように構成されているため、第一に、血栓溶解酵素であるナットウキナーゼ等の有用成分を含む納豆菌を魚介類材料に添加することによりなる、新規なる香味、食感、健康機能性を備えた優れた水産発酵食品を、食品衛生上の安全性が配慮され、かつ食品保蔵上の配慮がなされた形で提供することができる。
【0079】
また本発明によれば、良好な食感と、水分活性を低下させることによる日持ちの良さを併せ持つ、乾き珍味様食品を提供することができる。さらに、加工原料としての魚介類の新たな需要拡大が図られ、水産加工経営の活性化に寄与することができる。
【0080】
加えて本発明によれば、中間水分食品たる最終製品である上記水産発酵食品を工業生産する際において、該水産発酵食品の仕上がり水分を容易に管理することができ、生産の効率化、低労働化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の水産発酵食品の製造方法を示すフロー図である。
【図2】 本発明の水産発酵食品の別の製造方法を示すフロー図である。
【図3】 本発明の水産発酵食品の断面の構成を示す概念図である。
【図4】 本発明において魚類の肉を使用する一例のフロー図である。
【図5】 本発明の中間水分食品の仕上がり水分含量制御方法を示すフロー図である。
【図6】 実施例2における乾燥時間と水分、および水分活性の関係を示すグラフ図である。
【図7】 実施例2における乾燥時間と歩留まりの関係を示すグラフ図である。
【符号の説明】
1、11…魚介類材料、 2、12…殺菌済み魚介類材料、 3、13…納豆菌添加魚介類材料、 4、14…水産発酵食品(発酵終了物)、 5、15…水産発酵食品(乾燥済み)、 8、18…納豆菌株、 9、19…液体培養納豆菌、
P2、P12…殺菌工程、 P3、P13…納豆菌接種工程、 P4、P14…発酵工程、 P5、P15…水分活性低下工程、 P9、P19…納豆菌前培養工程、
31…魚介類材料、 32…納豆菌、 33…ナットウキナーゼ、
51…事前把握データ、 52…目標値設定ステップ、 53…乾燥歩留まり変化監視ステップ、 54…目標値到達判断ステップ、 55…乾燥処理停止ステップ

Claims (7)

  1. 発酵基質とするための魚介類材料と、該魚介類材料を発酵させる作用を有する微生物と、を備えた水産発酵食品であって、該微生物が納豆菌であり、該魚介類材料はイカ・タコ類等の頭足類、ホタテガイもしくはサケのいずれかであり、該魚介類材料は静置発酵されてその発酵前の形状が保持された固形状であることを特徴とする、水産発酵食品。
  2. 前記水産発酵食品が、ナットウキナーゼ活性を有することを特徴とする、請求項1に記載の水産発酵食品。
  3. 前記水産発酵食品において、該水産発酵食品が乾燥しており、その水分活性が0.80以下であることを特徴とする、請求項1または2に記載の水産発酵食品。
  4. 発酵基質とするための魚介類材料と、該魚介類材料を発酵させる作用を有する微生物と、を備えた水産発酵食品であって、該微生物が納豆菌であり、表面に結着を防止する機能を有する多糖類、またはその他の結着防止機能を有する材料がコーティングされていることを特徴とする水産発酵食品。
  5. 前記水産発酵食品が、ナットウキナーゼ活性を有するか、または乾燥しているものであることを特徴とする、請求項4に記載の水産醗酵食品。
  6. 水産発酵食品の製造方法であって、魚介類材料を殺菌処理する殺菌工程と、殺菌された該魚介類材料に納豆菌を接種する納豆菌接種工程と、該納豆菌が接種された魚介類材料を恒温機を用いて静置発酵させる発酵工程と、を備え、かかる工程を経ることにより、ナットウキナーゼ活性を有しかつ発酵工程前の魚介類材料の形状が分解されずに保持された水産醗酵食品を得ることができる、水産発酵食品の製造方法。
  7. 前記殺菌処理が加熱処理であり、前記発酵工程の後に、該工程までで得られた発酵終了物の水分活性を低下させるための、加熱乾燥手段による水分活性低下工程を設けたことを特徴とする、請求項に記載の水産発酵食品の製造方法。
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