JP2003250500A - 納豆菌を用いた水産発酵食品および製造方法 - Google Patents

納豆菌を用いた水産発酵食品および製造方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ナットウキナーゼ等の有用成分を含む納豆菌
を魚介類材料に添加することによりなる、新規なる香
味、食感、健康機能性を備えた水産発酵食品およびその
製造方法を提供すること。 【解決手段】 魚介類材料1を殺菌処理するための殺菌
工程P2と、P2において殺菌処理された殺菌済み魚介
類材料2に納豆菌を接種するための納豆菌接種工程P3
と、P3において該納豆菌が接種された魚介類材料であ
る納豆菌添加魚介類材料3を発酵させて、発酵終了物4
を得るための発酵工程P4と、該発酵終了物4に対し
て、その水分活性を目標とする水分活性まで低下させ
て、中間水分食品たる水産発酵食品5を得るための、水
分活性低下工程P5により、水産発酵食品を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は水産発酵食品および
製造方法に係り、特に、ナットウキナーゼ等の有用成分
を含む納豆菌を魚介類材料に添加することにより新規な
る食品を得ることのできる、納豆菌を用いた水産発酵食
品および製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】蒸煮大豆に納豆菌および納豆菌胞子を摂
取し発酵せしめた納豆は、我が国の代表的な伝統的発酵
食品の一つである。また、近年納豆にはヒト血管中に生
成する血栓を強力に溶解する血栓溶解酵素であるナット
ウキナーゼが含まれていること(須見洋行、中島伸佳、
田谷直俊:醸造協会誌,Vol.88,No.6)、ま
た、骨粗鬆症に予防効果のあるビタミンK2が含まれて
いること(須見洋行、柳沢泰任、岸本憲明:日本農芸化
学会誌,Vol.73,No.6、他)、また抗菌物質
ジピコリン酸(2,6−ピリジンカルボン酸)が含まれ
ていること(須見洋行、大杉忠則:日本農芸化学会誌,
Vol.73,No.12)、等々が明らかにされ、納
豆は健康保持増進に有用な各種の機能性の食品成分を含
む伝統的発酵食品として、国内外で注目されている。
【0003】これらのうち特に注目を集めているナット
ウキナーゼを含む納豆菌の応用については、従来から、
ピーナッツ等の種実、グリーンピース等の大豆以外の豆
類に納豆菌を応用した発酵食品の記載例は見られ、また
動物タンパク質として畜肉を用い、小麦粉および蒸煮大
豆を混合し納豆菌により発酵させたミート納豆に関する
記載例は見られる(特開昭63−248367)。
【0004】一方で、水産発酵食品には、くさや、魚
醤、かつお節、塩辛、糠漬け、鮒ずし等の各種伝統的食
品が挙げられる。これらは、いずれも古くから我が国に
定着したものであって、その発酵には乳酸菌、酵母、あ
るいはカビといった微生物が深く関与し、それぞれの発
酵において特徴のある基質分解、副産物生成等の発酵過
程の相違により、それぞれに独自の香味、栄養成分、機
能性を有する。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかし、加熱殺菌した
魚介類の肉、内蔵またはこれらの混合物を調味せずその
ままか、あるいは調味した魚介類の肉、内蔵またはこれ
らの混合物のみ、といった魚介類材料に、納豆菌を添加
し発酵させた食品、またはそのような食品をさらに乾燥
させた食品は現存せず、文献等も見当たらない。したが
って、このような食品は、まったく新規なる香味や食感
を備えた水産発酵食品を提供することができる可能性が
ある。
【0006】しかも、納豆菌由来のナットウキナーゼ
が、発酵終了時においてもその活性を維持することので
きる水産発酵食品を提供することができれば、強力な血
栓溶解作用を有する健康機能性食品を、広く国民に提供
することとなり、国民の健康増進への貢献は大きい。
【0007】また、以上のような水産発酵食品およびそ
の製造方法を提供することにより、加工原料としての魚
介類の新たな需要拡大が期待できると共に、水産加工経
営の活性化に寄与することができるものと考えられる。
【0008】さらに、係る新規なる食品の発明が製品
化、商品化されるためには、食品衛生上の観点からの安
全性配慮が不可欠である。すなわち、発酵槽内での発酵
中に、雑菌が混入した場合にも、これを死滅させること
のできる手段が必要である。
【0009】また、品質保持期限を長期に設定する食品
保蔵上の観点、食品の旨味を濃縮して香味を高める観
点、適度の食感・テクスチャーを付与する観点、および
工業生産上仕上がり水分含量の再現性が求められること
から、水分含量や水分活性を管理する手段が必要にな
る。
【0010】したがって本発明の課題は、第一に、ナッ
トウキナーゼ等の有用成分を含む納豆菌を魚介類材料に
添加することによりなる、新規なる香味、食感、健康機
能性を備えた水産発酵食品およびその製造方法を提供す
ることである。
【0011】また、本発明の課題は、上記各観点を踏ま
え、食品衛生上の安全性が配慮され、かつ食品保蔵上の
配慮がなされた、水産発酵食品およびその製造方法を提
供することである。
【0012】さらに本発明の課題は、良好な食感と、水
分活性を低下させることによる日持ちの良さを併せ持
つ、乾き珍味様の、魚介肉を基質とした納豆菌による発
酵物をさらに乾燥した中間水分食品である水産発酵食
品、およびその製造方法を提供することである。
【0013】加えて本発明の別の課題は、中間水分食品
たる最終製品である上記水産発酵食品を工業生産する際
において、該水産発酵食品の仕上がり水分(以下、「目
標水分」ともいう。)を容易に管理することのできる、
中間水分食品の仕上がり水分管理方法を提供することで
ある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するた
め、本願において特許請求される発明は以下のとおりで
ある。
【0015】(1)発酵基質とするための魚介類材料
と、該魚介類材料を発酵させる作用を有する微生物と、
を備えた水産発酵食品において、該微生物が納豆菌であ
ることを特徴とする、水産発酵食品。
【0016】(2)前記水産発酵食品が、ナットウキナ
ーゼ活性を有することを特徴とする、(1)の水産発酵
食品。
【0017】(3)前記水産発酵食品において、該水産
発酵食品が乾燥していることを特徴とする、(1)また
は(2)の水産発酵食品。
【0018】(4)表面に、結着を防止する機能を有す
る多糖類、またはその他の結着防止機能を有する材料が
コーティングされていることを特徴とする、(1)ない
し(3)のいずれかの水産発酵食品。
【0019】(5)水産発酵食品の製造方法であって、
魚介類材料を殺菌処理する殺菌工程と、殺菌された該魚
介類材料に納豆菌を接種する納豆菌接種工程と、該納豆
菌が接種された魚介類材料を発酵させる発酵工程と、を
備えた、水産発酵食品の製造方法。
【0020】(6)前記発酵工程の後に、該工程までで
得られた発酵終了物の水分活性を低下させるための水分
活性低下工程を設けたことを特徴とする、(5)の水産
発酵食品の製造方法。
【0021】(7)前記殺菌処理が加熱処理であり、前
記水分活性低下工程における水分活性低下手段が加熱乾
燥手段によるものであることを特徴とする、(5)また
は(6)の水産発酵食品の製造方法。
【0022】加えて、(8)水分含有食品の水分活性を
調整して中間水分食品を製造する過程における、該水分
含有食品の乾燥歩留まり(乾燥による減量後の重量)変
化および水分活性変化を測定してその関係をあらかじめ
把握し、該中間水分食品における目標仕上がり水分含量
を乾燥歩留まりの量として設定しておき、実際の中間水
分食品の製造においては、原料である水分含有食品の乾
燥歩留まり変化を監視することによって、設定した目標
仕上がり水分含量で水分活性調整過程を終了させること
とする、中間水分食品の仕上がり水分含量制御方法。
【0023】すなわち本願発明者らが種々検討した結
果、調味その他の前処理の有無、魚種、または使用部位
に特に限定されず、魚介類材料を加熱処理等の手段によ
り殺菌し、殺菌された魚介類材料を、無菌的操作により
滅菌済みの容器に入れ、これにあらかじめ準備した所定
量の納豆菌懸濁液を無菌的に接種し、所定条件により発
酵させることにより、上記課題を解決することができる
本発明を完成するに至った。
【0024】また、上記方法により得られた発酵終了物
を、所定条件下の熱風乾燥処理等の水分活性低下手段に
より水分活性を食品衛生上および食品保蔵上の要求を満
たすレベルに低下させることにより、上記課題を解決す
ることができる本発明を完成するに至った。
【0025】例示すれば、調味せずにそのまま加熱殺菌
したか、あるいは調味してから加熱殺菌した魚介類材
料、たとえばイカ肉、ホタテ貝柱、サケ肉等の肉部、も
しくはこれらの内臓等、またはこれら肉部と内蔵等の混
合物を無菌的操作により乾熱滅菌したステンレス製容器
に入れ、これにあらかじめ前培養して増菌した納豆菌の
栄養細胞あるいは胞子を含む納豆菌懸濁液の所定量を、
無菌的に接種、添加し、所定温度で所定時間、好気条件
下で静置発酵させることにより、上記課題を解決するこ
とができる。またこのようにしてなる発酵終了物を、所
定温度で所定時間熱風乾燥して所望の中間水分とするこ
とにより、上記課題を解決することができる。
【0026】さらに、上記方法によりなる水産発酵食品
の表面に結着を防止する機能を有する多糖類、その他の
結着防止機能を有する材料をコーティングすることによ
り、水産発酵食品の表面に有する粘着性による結着を防
止することができる。
【0027】加えて、本発明の水産発酵食品等の中間水
分食品製造における、仕上がり水分含量の管理は、たと
えば、電子天秤等を用いて乾燥物の経時的な減量重量を
計測して乾燥歩留まり(乾燥による減量後の重量)を把
握しておき、一方で発酵の経時的乾燥水分を測定し、お
よび水分活性を測定し、これらのデータから設定した目
標仕上がり水分含量で乾燥を終了させることにより、達
成することができる。
【0028】本発明において魚介類材料とは、調味その
他の前処理の有無、魚種、または使用部位に特に限定さ
れない魚介類材料である。魚種としては魚介類全般を含
み、たとえば、エビ・カニ等の節足類、イカ・タコ類等
の頭足類、ホタテ等の二枚貝・巻き貝等の貝類、サケ等
の硬骨魚類・軟骨魚類等の魚類、等々、食品の材料とし
得るすべてのものが含まれる。また魚類の場合、骨や鱗
を除いた後の、魚肉、内臓、頭部、表皮等、食品の材料
とし得、可食部であるすべての部位が含まれ、かつ、こ
れらは単独で、あるいはこれらの任意の組み合わせによ
る混合物の形態で、含まれることができる。
【0029】また中間水分食品とは、通常、水分活性が
0.65から0.85までの範囲の食品の総称である。
水分活性が0.85以上では食品中への食中毒菌の侵害
を阻止できないこと、また、0.85から0.80まで
では、1〜2週間以内に種々のカビなどによる変敗が起
こること、また、0.75では変敗が遅れ、関与するカ
ビの種類も限られること、また、0.70では変敗が長
期間起こらないことが知られている(食品微生物学ハン
ドブックP79、技報堂出版、1995)。
【0030】
【発明の実施の形態】
【構成】以下、本発明をより詳細に説明する。図1は、
本発明の水産発酵食品の製造方法を示すフロー図であ
る。図において本発明の製造方法は、魚介類材料1を殺
菌処理するための殺菌工程P2と、P2において殺菌処
理された殺菌済み魚介類材料2に納豆菌を接種するため
の納豆菌接種工程P3と、P3において該納豆菌が接種
された魚介類材料である納豆菌添加魚介類材料3を発酵
させて、発酵終了物であり、かつ発酵終了をもって食品
とする水産発酵食品4を得るための発酵工程P4と、か
ら主として構成される。図において該納豆菌としては、
納豆菌株8をもとに適宜条件でこれを培養するための納
豆菌前培養工程P9によって得られる、液体培養納豆菌
9を用いることができる。
【0031】以下の説明において、前記発酵工程P4の
終了により得られる水産発酵食品4は、後記水分活性低
下工程P5による処理を受けるための中間体である場合
には、発酵終了物4という。
【0032】図2は、本発明の水産発酵食品の別の製造
方法を示すフロー図である。図において本発明の製造方
法は、図1において示す製造方法に加え、前記発酵工程
P4により得られた発酵終了物4に対して、該発酵終了
物4の水分活性を目標とする水分活性まで低下させて、
中間水分食品たる水産発酵食品5を得るための、水分活
性低下工程P5を設けて、構成される。
【0033】図1および図2において、前記殺菌工程P
2における殺菌処理は、適宜条件による加熱殺菌処理と
することができるが、本発明はこれに限定されず、たと
えば加圧殺菌など、他の公知の殺菌処理はすべて均等な
ものとして、本発明における殺菌処理に含まれる。
【0034】また、前記発酵工程P4は、適宜条件によ
る静置発酵とすることができるが、本発明はこれに限定
されず、他の公知の発酵手段はすべて均等なものとし
て、本発明における発酵手段に含まれる。
【0035】また、該水分活性低下工程P5における水
分活性低下処理は、適宜条件による加熱乾燥処理、もし
くは熱風乾燥処理とすることができるが、本発明はこれ
に限定されず、他の公知の乾燥手段、または水分活性低
下手段はすべて均等なものとして、本発明における水分
活性低下手段に含まれる。
【0036】また、前記納豆菌接種工程P3における納
豆菌接種処理は、前培養した前記液体培養納豆菌9を前
記殺菌済み魚介類材料2に添加し混合すること、また
は、該液体培養納豆菌9と無菌空気を用いて、該殺菌済
み魚介類材料2に噴霧することにより、行うことができ
るが、本発明はこれに限定されず、他の公知の接種処理
方法はすべて均等なものとして、本発明における納豆菌
接種処理に含まれる。
【0037】また、前記納豆菌前培養工程P9は、適宜
条件による液体培養により行うことができるが、本発明
はこれに限定されず、他の公知の培養方法はすべて均等
なものとして、本発明における前培養に含まれる。
【0038】図1において得られる、水分活性低下工程
P5を経ない水産発酵食品4、または図2において得ら
れる、水分活性低下工程P5を経て中間水分食品となる
水産発酵食品5には、さらにその表面に、結着を防止す
る機能を有するデキストリン等の多糖類、またはその他
の結着防止機能を有する材料をコーティングする、図示
しないコーティング工程を施して、図示しないコーティ
ング済み水産発酵食品とすることができる。
【0039】
【作用】図1において、本発明の製造方法は係る構成を
とることにより、魚介類材料1は殺菌工程P2におい
て、加熱殺菌等の処理により殺菌処理されて殺菌済み魚
介類材料2となり、該殺菌済み魚介類材料2は納豆菌接
種工程P3において、納豆菌接種工程P9にて得られた
液体培養納豆菌9を混合添加、または噴霧されて納豆菌
添加魚介類材料3となり、該納豆菌添加魚介類材料3は
発酵工程P14において、適宜条件による静置発酵等に
より発酵処理されて発酵終了物でありかつ発酵終了をも
って食品とする水産発酵食品4が得られる。
【0040】図2において、また本発明の製造方法は係
る構成をとることにより、発酵工程P4により得られた
発酵終了物4は水分活性低下工程P5において、適宜条
件による加熱乾燥あるいは熱風乾燥その他の水分活性低
下処理により水分活性を目標とする水分活性まで低下さ
れて、中間水分食品たる水産発酵食品5が得られる。
【0041】
【構成】図3は、本発明の水産発酵食品の断面の構成を
示す概念図である。図において本食品は、発酵基質とす
るための魚介類材料31と、該魚介類材料31に混合添
加されまたは噴霧されてその表面部またはその内部の少
なくともいずれか一方に存在し、該魚介類材料31を発
酵させる作用を有する微生物である納豆菌32と、から
主として構成される。本食品はまた、ナットウキナーゼ
活性を有するナットウキナーゼ33が該納豆菌32の菌
体内に存在したり、菌体外に排出されて該魚介類材料3
1において存在することにより、ナットウキナーゼ活性
を有する水産発酵食品とすることができる。
【0042】図において本食品は、加熱乾燥、熱風乾燥
等、本食品を中間水分食品とし得る適宜の乾燥手段によ
って、その全体が乾燥し、中間水分食品となっているも
のとすることができる。さらに、その表面には、粘着性
のある表面による結着を防止する機能を有するデキスト
リン等の多糖類、またはその他の結着防止機能を有する
材料がコーティングされている構成とすることができ
る。
【0043】
【作用】図3において本発明の水産発酵食品は上述のよ
うに構成されているため、発酵基質とするための魚介類
材料31は、その表面部またはその内部の少なくともい
ずれか一方に存在する納豆菌32の作用により、その作
用の程度に応じた度合いで発酵分解されており、魚介類
としての香味や食感に変化が生じたものとなっている。
また、該魚介類材料31に存在する納豆菌32により、
大豆納豆風の風味が加えられている。さらに本食品はま
た、血栓溶解酵素であるナットウキナーゼ活性を有する
ナットウキナーゼ33により、ナットウキナーゼ活性が
呈せられている。
【0044】また、本発明の水産発酵食品は上述のよう
な構成とすることができるため、その全体が乾燥したも
のとされ、中間水分食品ととすることができる。さら
に、その表面にコーティングされたデキストリン等の多
糖類、またはその他の結着防止機能を有する材料によ
り、粘着性のある本食品表面による結着が防止されるも
のとすることができる。
【0045】図4は、本発明の水産発酵食品の製造方法
について、魚類の肉を使用する場合の一例につきその概
要を示すフロー図である。以下の説明では、誤解の生じ
ない限り、符号付の各要素の名称を、適宜の省略形によ
り用いることがある。図の本発明の製造方法では、ま
ず、魚介類材料11は、よく洗浄され、頭部、骨および
鱗を除去され、次いで皮を除いてスキンフィレーに調製
され、適宜の大きさに切断された魚である。該魚介類材
料11は殺菌工程P12において、レトルトパウチ等の
容器に入れられ、二重釜を用いて90℃ないし95℃の
温度で30分間以上加熱殺菌され、容器入りの殺菌済み
魚介類材料12は、使用時まで冷凍保存される。
【0046】該殺菌済み魚介類材料12は使用時に解凍
され、容器の表面がアルコールを用いて殺菌された後、
クリーンルームまたはクリーンベンチに移され、無菌的
操作によって容器が開封され、殺菌工程P12における
加熱により生じた分離液が除去され、あらかじめ乾熱滅
菌等により殺菌したステンレス製蓋付発酵容器に該魚介
類材料12は移される。
【0047】一方、あらかじめ成瀬菌等の納豆菌株18
を、納豆菌前培養工程P19において、いずれも重量部
で、グルコース0.1%、酵母エキス0.25%、ペプ
トン0.5%を含む液体培地を用いて前培養して液体培
養納豆菌19としておき、該納豆菌19を、前記ステン
レス製蓋付発酵容器中の魚介類材料12の1gに対して
4×10個程度添加し混合するか、または除菌フィル
ターを使用して無菌空気を加圧送付して菌体を該魚介類
材料12に噴霧し、ステンレス製蓋を装着する。
【0048】該魚介類材料12が入れられたステンレス
製蓋付発酵容器は、続く発酵工程P14において、直ち
に相対湿度80%、温度40℃に調整した恒温器中に入
れられ、24時間静置される。これにより、該魚介類材
料12を静置発酵させる。
【0049】発酵工程P14による前記魚介類材料12
の発酵が終了した後、発酵終了物14はステンレス製網
バットに移されて均等にならして配置され、続く水分活
性低下工程P15において、80℃に温度設定された通
風乾燥機を用いて、適宜の時間熱風乾燥処理され、水産
発酵食品5が得られる。該食品5の表面には、粘着性の
ある表面による結着を防止する機能を有するデキストリ
ン等の多糖類、またはその他の結着防止機能を有する材
料をコーティングすることができる。
【0050】図5は、本発明の中間水分食品の仕上がり
水分含量制御方法を示すフロー図である。図において本
方法は、事前に水分活性と乾燥歩留まりとの関係を把握
したデータ51を得、これをもとにして、製造目的であ
る中間水分食品の目標仕上がり水分含量を乾燥歩留まり
の量として設定しておき(52)、実際の中間水分食品
の製造においては、原料である水分含有食品の乾燥歩留
まり変化を監視し(53)、該乾燥歩留まりが目標値に
到達したか否かを判断し(54)、未だ到達しない場合
は監視53を続行し、到達した場合には乾燥処理を停止
する(55)という各ステップを実行することにより、
中間水分食品製造における水分活性を制御することがで
きる。
【0051】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに具体的に
説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもの
ではない。 <供試験菌株>納豆菌(Bacillus subti
lis)は、財団法人発酵研究所(以下、「IFO」と
いう。)から入手したIFO3009株と、IFO30
13株、および成瀬発酵化学研究所から入手した成瀬
菌、の3菌株を供試した。各菌株は、日水製薬製標準寒
天培地を用いたスラント培地により、継代培養した。
【0052】<納豆菌の前培養>いずれも重量部で、酵
母エキス0.25%、ペプトン0.5%、グルコース
0.1%を含む液体培地を調製し、該液体培地50ミリ
リットルを300ミリリットル容の三角フラスコに入れ
て加圧加熱殺菌した。殺菌後の液体培地に、前記スラン
ト培地から菌隗を1白金耳掻き取り、接種した。次い
で、三角フラスコ入りの液体培地を、35℃で24時
間、220rpmの条件で振とう培養した。なお、菌数
測定は平板培養法に従った。
【0053】<水分活性測定法>得られた食品等の水分
活性は、水分活性測定器(rotronic ag製H
ygroskop BT)を用い、プラスチック製容器
に試料を入れ、25℃に30分間保持して測定した。
【0054】<ナットウキナーゼ(NK)活性測定法>
得られた食品試料のナットウキナーゼ活性(以下、「N
K活性」という。)は、人口血栓溶解法(フィブリンユ
ニット法。以下、「FU法」という。)により測定し
た。すなわち、0.05M4ホウ酸ナトリウム10水塩
−0.1M塩酸緩衝液(pH7.8)1.4ミリリット
ルに0.6%牛フィブリノーゲン(SIGMA製 F−
4753)溶液0.2ミリリットルを加え、37℃±
0.3で5分間プレインキュベーションした。次いで、
牛トロンビン溶液(SIGMA製 T−3399)0.
1ミリリットル(50U/ml−0.15M 塩化ナト
リウム(以下、「NaCl」という。)を加えて、ナッ
トウキナーゼの基質とするフィブリンを生成させるため
の牛フィブリノーゲン−牛トロンビン溶液とし、37℃
で正確に10分間保持した。
【0055】一方、納豆菌を添加して発酵処理した発酵
終了物に、0.15MのNaCl溶液を9倍量加え、こ
れにホモジナイザー(IKA LABORTECHNI
C製T−25)を用いた抽出処理を施して、発酵終了物
中からナットウキナーゼを含む粗酵素を抽出し、次いで
3000rpmで10分間遠心分離し、上清液を得た。
該上清液を粗酵素液とした。粗酵素液を得るための操作
は、すべて5℃以下で行った。
【0056】上記の牛フィブリノーゲン−牛トロンビン
溶液に、粗酵素液0.6ミリリットルを加えて5秒間攪
拌し、次いで37℃で60分間酵素反応を行った。酵素
反応は、ナットウキナーゼを含む粗酵素液によりフィブ
リンをアミノ酸等に分解する反応である。酵素反応停止
は、反応系に0.2Mトリクロロ酢酸溶液2.5ミリリ
ットルを添加することにより行い、反応停止処理後さら
に37℃で20分間保持した。次いで、15000×g
で10分間遠心分離し、処理後の液体を孔径0.45μ
mのフィルターを用いて濾過し、得られた濾液を波長2
75nmにおける吸光度(A)測定用の試料とし、吸
光度Aを測定した。
【0057】これとは別に、上述のように牛フィブリノ
ーゲン−牛トロンビン溶液における酵素反応によりフィ
ブリンを生成させた後、先に0.2Mトリクロロ酢酸溶
液2.5ミリリットルを添加しておき、さらに粗酵素液
0.6ミリリットルを加えて37℃で80分間保持する
処理を加えて、上記と同じ条件で遠心分離および濾過を
行って濾液を得、これを波長275nmにおける吸光度
(A)測定用の試料とし、吸光度Aを測定した。
【0058】NK活性はFUで表し、1FUは、酸不溶
性物質を除いた反応液の紫外部における吸光度を1分間
に0.01増加させる酵素量と定義した。酵素活性(N
K活性)は、乾物換算試料1g当たりのユニットで表し
た。Dを希釈倍率、Wを試料水分(重量%値)とする
と、NK活性を算出する計算式は、下記数式1のとおり
である。
【0059】
【数1】
【0060】<実施例1 アカイカと納豆菌による水産
発酵食品>凍結アカイカを解凍し、剥皮後、胴肉を1c
m×1.5cmのサイズに切断し、これにふりかけ調味
をした。ふりかけ調味は、前記魚介類材料である発酵基
質の重量(以下、「発酵基質重量」という。)に対し、
砂糖2%重量、ソルビトール2%重量、食塩0.8%重
量、グルタミン酸モノナトリウム(以下、「MSG」と
いう。)0.3%重量、リポタイド0.02%重量を添
加した。その後、一夜4℃以下でこれを放置した。次い
で、その500gをレトルトパウチに詰め、これに脱気
シールを施した後、二重釜を用い90〜95℃で30分
間加熱殺菌し、その後直ちに急冷して、使用時まで冷凍
保存した。
【0061】前記の冷凍アカイカ材料をレトルトパウチ
のまま解凍し、次に無菌的操作によりこれを開封し、レ
トルトパウチ袋中の分離ドリップ液を除いて、該材料を
乾熱滅菌したステンレス製蓋付深型容器に入れた。次
に、あらかじめ調製した液体培地(酵母エキス0.25
%、ペプトン0.5%、グルコース0.1%)を用いて
前培養した納豆菌(成瀬菌等)を、材料に対し4×10
個程度添加、混合し、または除菌フィルターを使用し
て無菌空気を加圧送付し、菌体を材料に噴霧した後、直
ちに深型容器にステンレス製蓋を装着した。次いで、直
ちに相対湿度80%、温度40℃に調整した恒温器に材
料入りの容器を入れ、24時間静置発酵させて、実施例
1の水産発酵食品とした。
【0062】<比較例 大豆納豆>大豆納豆は、干し大
豆(品種:ツルムスメ)を一夜蒸留水に浸漬し、これを
水切り後レトルトパウチ袋に入れ、脱気シールし、袋入
りの状態で121℃で20分間加圧加熱殺菌した。その
後、実施例1と同様の方法により、納豆菌接種および発
酵を行った。また、NK活性を測定した。実施例1およ
び比較例1のNK活性測定結果を、表1に示す。なお、
表2には、市販納豆のNK活性測定結果を本比較例との
比較として示す。
【0063】
【表1】
【0064】
【表2】
【0065】表1において、実施例1のアカイカによる
食品は「アカイカ胴肉」で示されている。他に、後述す
るホタテガイ貝柱等の実施例のNK活性も示されてい
る。実施例1のアカイカを、併せてNK活性を測定した
大豆の場合と比較すると、実施例1は、菌株3009お
よび3013を用いた場合に、大豆の約60%程度のN
K活性を有し、NK活性を有する食品となっていること
が示された。また、表2において市販納豆の菌株は不明
ではあるが、少なくとも本比較例における三種類の菌株
由来の大豆納豆は、各市販納豆と比較してNK活性値が
大きくかけ離れているとはいえず、したがって本比較例
は、本発明の各実施例との比較に充分用いることができ
ると判断された。
【0066】<実施例2 アカイカと納豆菌による水産
発酵食品(乾き珍味)>実施例1における発酵終了後、
発酵終了物をステンレス製網バットに移し、均等になら
して配置し、これを通風乾燥機(太昭農工機械(株)製
Phoenix)の庫内に入れて、80℃の温度設定に
より熱風乾燥することにより、本発明の一例である乾き
珍味を試作した。通風乾燥機中から試料を一定時間間隔
ごとにサンプリングし、水分含量(重量)および水分活
性を測定した。測定結果を図6に示す。また、熱風乾燥
中における乾燥歩留まりの変化(重量変化)を図7に示
す。
【0067】図6は、実施例2における乾燥時間と水
分、および水分活性の関係を示すグラフ図である。図よ
り、7時間乾燥後の水分含量は24.64%であり、水
分活性は0.711であった。この水分活性値は、保蔵
中の変質を抑制でき、食中毒の侵害も防止できるもので
ある。したがって、実施例2において、7時間の熱風乾
燥処理により、食品衛生上、および食品保蔵上好ましい
中間水分食品とすることができた。
【0068】図7は、実施例2における乾燥時間と歩留
まりの関係を示すグラフ図である。図より、7時間乾燥
後の歩留まりは42.52%であった。乾燥歩留まりま
たは水分含量は、本実施例2の乾き珍味のような乾燥処
理した食品の食感を評価することのできる、または食感
の評価を直接的もしくは間接的に支援し得る指標であ
る。このように、乾燥食品の食感またはこれと関連のあ
る歩留まりと、水分含量、および水分活性との関係を把
握しておけば、乾燥歩留まりをモニタリングすることに
より、目的の仕上がり水分を容易に管理、コントロール
することができることが示された。
【0069】<実施例3 アカイカと納豆菌による水産
発酵食品(コーティングした乾き珍味)>実施例2で得
られた乾き珍味に、デキストロース・エクィバレント
(dextrose equivalent。デキスト
ロース価の意。以下、「DE]という。)2〜8%のデ
キストリンをコーティングした。コーティングは、乾き
珍味上にデキストリンを適当量振りかけ、余分なデキス
トリンをふるって、乾き珍味の表面がむらなくコートさ
れる程度に行った。その結果、アカイカ乾き珍味の各片
間相互における結着を防止することができた。
【0070】<実施例4 ホタテガイ貝柱と納豆菌によ
る水産発酵食品>市販のホタテガイ冷凍貝柱を解凍し、
実施例1のアカイカと同様の処理により調味、殺菌、納
豆菌接種、および発酵を行い、実施例8の水産発酵食品
とした。また、実施例1と同様の方法でNK活性を測定
した。測定結果を前出の表1に示した。表1において、
併せてNK活性を測定した大豆の場合と比較すると、実
施例4は、菌株3013を用いた場合に、大豆の約50
%程度のNK活性を有し、NK活性を有する食品となっ
ていることが示された。また、菌株3009を用いた場
合にも、大豆の約30%程度のNK活性を示した。
【0071】<実施例5 ホタテガイ貝柱と納豆菌によ
る水産発酵食品(乾き珍味)>実施例4で得られた水産
発酵食品に、実施例2と同様の乾燥処理を施して乾き珍
味を得た。通風乾燥機中から試料を一定時間間隔ごとに
サンプリングし、水分含量および水分活性の測定に加え
て、食感について官能検査を行った。
【0072】官能検査は、次のような方法で行った。す
なわち、3名のパネリストが、サンプリングした各試料
の硬さについて、−2:柔らかい、−1:やや柔らか
い、0:どちらともいえない、+1:やや硬い、+2:
硬い、の5段階での評価を実施した。各試料について3
名の評価の平均値をとった。小数点第二位以下は四捨五
入した。表3に、官能検査の結果を示す。
【0073】
【表3】
【0074】その結果、乾燥時間4時間程度のものが、
官能検査における硬さの評価が、+0.7であった。適
度な硬さを有するものであり、テクスチャーが優れてい
ると判断された。このときの水分含量は18.94%、
水分活性は0.771であった。この水分活性値は保蔵
中の変質を抑制でき、食中毒菌の侵害を防止することも
できるものである。
【0075】<実施例6 ホタテガイ貝柱と納豆菌によ
る水産発酵食品(コーティングした乾き珍味)>実施例
5で得られた乾き珍味に、DE2〜8%のデキストリン
をコーティングした。コーティングは、実施例3と同様
の方法により行った。その結果、ホタテガイ貝柱乾き珍
味の各片間相互における結着を防止することができた。
【0076】<実施例7 サケ肉と納豆菌による水産発
酵食品>生のシロザケからスキンフィレーを調製後、適
度な大きさに切断し、実施例1のアカイカと同様の処理
により調味、殺菌、納豆菌摂取、および発酵を行い、実
施例7の水産発酵食品とした。また、実施例1と同様の
方法でNK活性を測定した。測定結果を前出の表1に示
した。表1において、併せてNK活性を測定した大豆の
場合と比較すると、実施例7は、菌株3013を用いた
場合に、大豆の約40%程度のNK活性を有し、NK活
性を有する食品となっていることが示された。
【0077】<実施例8 サケ肉と納豆菌による水産発
酵食品(乾燥品)>実施例7で得られた水産発酵食品
に、実施例2と同様の乾燥処理を施して乾き珍味を得
た。サケ肉の場合は、アカイカ、ホタテガイ貝柱の場合
と比べ、納豆菌により生産されるズブチリシン等のプロ
テアーゼの作用によって、魚肉を構成するタンパク質が
強度に加水分解されるため、発酵終了時点で一定の形態
を保持することが困難である。そこで、発酵終了後にサ
ケ肉の身をよくほぐし、水分含量を著しく低下させるよ
うにした。すなわち、熱風乾燥により、たとえば2時間
乾燥処理時点で水分含量9.76%、水分活性0.56
6とするような強力な乾燥条件を用いた。このようにし
て得られた乾燥食品は、その利用法の一つとして、納豆
風味のサケ茶漬け用素材として利用可能であった。
【0078】
【発明の効果】本発明の納豆菌を用いた水産発酵食品お
よび製造方法によれば、上述のように構成されているた
め、第一に、血栓溶解酵素であるナットウキナーゼ等の
有用成分を含む納豆菌を魚介類材料に添加することによ
りなる、新規なる香味、食感、健康機能性を備えた優れ
た水産発酵食品を、食品衛生上の安全性が配慮され、か
つ食品保蔵上の配慮がなされた形で提供することができ
る。
【0079】また本発明によれば、良好な食感と、水分
活性を低下させることによる日持ちの良さを併せ持つ、
乾き珍味様食品を提供することができる。さらに、加工
原料としての魚介類の新たな需要拡大が図られ、水産加
工経営の活性化に寄与することができる。
【0080】加えて本発明によれば、中間水分食品たる
最終製品である上記水産発酵食品を工業生産する際にお
いて、該水産発酵食品の仕上がり水分を容易に管理する
ことができ、生産の効率化、低労働化を図ることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の水産発酵食品の製造方法を示すフロ
ー図である。
【図2】 本発明の水産発酵食品の別の製造方法を示す
フロー図である。
【図3】 本発明の水産発酵食品の断面の構成を示す概
念図である。
【図4】 本発明において魚類の肉を使用する一例のフ
ロー図である。
【図5】 本発明の中間水分食品の仕上がり水分含量制
御方法を示すフロー図である。
【図6】 実施例2における乾燥時間と水分、および水
分活性の関係を示すグラフ図である。
【図7】 実施例2における乾燥時間と歩留まりの関係
を示すグラフ図である。
【符号の説明】
1、11…魚介類材料、 2、12…殺菌済み魚介類材
料、 3、13…納豆菌添加魚介類材料、 4、14…
水産発酵食品(発酵終了物)、 5、15…水産発酵食
品(乾燥済み)、 8、18…納豆菌株、 9、19…
液体培養納豆菌、P2、P12…殺菌工程、 P3、P
13…納豆菌接種工程、 P4、P14…発酵工程、
P5、P15…水分活性低下工程、 P9、P19…納
豆菌前培養工程、31…魚介類材料、 32…納豆菌、
33…ナットウキナーゼ、51…事前把握データ、
52…目標値設定ステップ、 53…乾燥歩留まり変化
監視ステップ、 54…目標値到達判断ステップ、 5
5…乾燥処理停止ステップ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 中谷 肇 青森県八戸市築港街二丁目10番地 青森県 水産物加工研究所内 Fターム(参考) 4B042 AC04 AD39 AG12 AK16 AP17 AP19 AP27

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 発酵基質とするための魚介類材料と、該
    魚介類材料を発酵させる作用を有する微生物と、を備え
    た水産発酵食品において、該微生物が納豆菌であること
    を特徴とする、水産発酵食品。
  2. 【請求項2】 前記水産発酵食品が、ナットウキナーゼ
    活性を有することを特徴とする、請求項1に記載の水産
    発酵食品。
  3. 【請求項3】 前記水産発酵食品において、該水産発酵
    食品が乾燥していることを特徴とする、請求項1または
    2に記載の水産発酵食品。
  4. 【請求項4】 表面に、結着を防止する機能を有する多
    糖類、またはその他の結着防止機能を有する材料がコー
    ティングされていることを特徴とする、請求項1ないし
    3のいずれかに記載の水産発酵食品。
  5. 【請求項5】 水産発酵食品の製造方法であって、魚介
    類材料を殺菌処理する殺菌工程と、殺菌された該魚介類
    材料に納豆菌を接種する納豆菌接種工程と、該納豆菌が
    接種された魚介類材料を発酵させる発酵工程と、を備え
    た、水産発酵食品の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記発酵工程の後に、該工程までで得ら
    れた発酵終了物の水分活性を低下させるための水分活性
    低下工程を設けたことを特徴とする、請求項5に記載の
    水産発酵食品の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記殺菌処理が加熱処理であり、前記水
    分活性低下工程における水分活性低下手段が加熱乾燥手
    段によるものであることを特徴とする、請求項5または
    6に記載の水産発酵食品の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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JP2011019477A (ja) * 2009-07-17 2011-02-03 Sanko Sangyo:Kk 牡蠣の乾燥方法
CN102028091A (zh) * 2010-11-16 2011-04-27 全然酵素科技发展(大连)有限公司 一种纳豆菌发酵法制备低分子鱼肽的方法

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