JP2008268118A - 形状測定方法及び装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】測定プローブを移動させる移動装置の基準点に対する測定プローブの測定球の位置ずれの影響を低減させ、正確な3次元座標の測定を可能にする。
【解決手段】基準球18上に設定された各格子点に対して、理論法線方向から測定プローブ15をアプローチさせて測定プローブ15の変位方向及び変位量を検出し、検出された変位方向と理論法線方向との差並びに検出された変位量と理論変位量との差を求め、これを各格子点における理論法線方向と関連付けて検出誤差データテーブルを作成する。測定プローブ15を被測定物13の基準形状に沿って移動させながら測定プローブ15の変位量及び変位方向を検出し、測定プローブ15と被測定物13の表面との摩擦が変位量に与える影響を補正するための摩擦補正量と検出誤差データテーブルとにより補正した変位量及び変位方向に基づいて、接触点の3次元座標を求める。
【選択図】図1

Description

本発明は、工作物のような被測定物と測定プローブとを接触させ被測定物の形状を測定する形状測定方法及び装置に関する。
工作機械により加工された工作物(ワーク)などは、所望の形状に加工されているか否かを確認するために、その3次元寸法を測定する必要がある。工作物の寸法測定の際には、工作物の表面の所定の位置の3次元座標を測定し、測定された3次元座標値に基づいて工作物の寸法を測定する。このような物体の表面の3次元座標を測定する場合には、3次元的に変位可能に測定ヘッドに支持された測定子の先端に球部(以下、測定球と呼ぶ)が設けられており、3次元座標系における測定ヘッドに対する測定球の変位量及び変位方向を検出可能になっている変位検出型測定プローブを用いることが一般的である。
一般に、3次元座標測定では、被測定物の表面に接触すると被測定物の表面から抗力を受けてその抗力の方向に変位する測定球を備えた測定プローブを用い、被測定物の表面の所望の点にその法線方向から測定プローブをアプローチさせ被測定物に接触させて所定押込量だけ押し込むことにより、測定ヘッドに対して測定球を変位させ、接触点を通る被測定物の表面の法線の延長上に実際の測定球の中心と変位していないと仮定したきの測定球の中心とが位置していると仮定して、測定ヘッドの基準点の3次元座標と、測定ヘッドの基準点と測定子の先端の測定球の中心との相対位置(相対座標)と、測定ヘッドの基準点に対する測定球の中心の変位量及び変位方向と、測定球の半径とから、接触点における被測定物の表面の3次元座標を求めている。
ところが、測定球が被測定物に接触すると測定子に微小な撓みが生じることに起因して、測定球の変位量及び変位方向に誤差が生じることがある。また、測定球が真球でない場合にも同様の誤差が生じることがある。このような誤差を補正するための方法が例えば特許文献1に開示されている。特許文献1に開示されている方法では、半径及び中心座標が既知の真球であるマスターボールの球面上に複数の格子点を設定し、各格子点からマスターボールの中心点に向かう方向に各格子点に向けてプローブを相対移動させ、プローブの接触部(測定球)を格子点に基準押込量まで押し込んだときの検出センサの出力値を検出し、検出された検出センサの出力値を格子点の座標位置に対比して、検出センサの出力値を補正する補正係数とプローブの接触部の中心(みかけ上の中心)から格子点までの補正半径を算出し、算出された補正係数及び補正半径を格子点に接触させる方向に対応づけて格納した補正テーブルを作成し、この補正テーブルを用いてプローブによって検出された出力値を補正し接触点の3次元座標を求めるようにしている。
また、複数の測定点において被測定物の3次元座標を測定する場合、各測定点について、被測定物から測定プローブを引き離した後に法線方向から測定プローブをアプローチさせることは手間となるので、被測定物の表面に沿って測定プローブを移動させ、測定プローブが測定点に到達したときに測定するようにできることが好ましい。しかしながら、測定プローブを被測定物の表面に沿って移動させると、測定プローブの測定ヘッドに対する測定球の変位量及び変位方向には、測定プローブの測定球と被測定物の表面との間に生じた摩擦の影響分が含まれることになり、正確な3次元座標を測定することができない。そこで、被測定物の表面に沿って測定プローブを移動させながら3次元座標を測定する場合には、特許文献2に記載されているように、モデル面における法線方向に対する測定プローブの測定球とモデル面とに生ずる摩擦によるスタイラスの倒れ角を求め、この倒れ角を用いて摩擦の影響のないときの測定球の変位ベクトルを求めるようにする。
特開2005−181293号公報 実開平4−120316号公報
変位検出型の測定プローブを用いた3次元座標の測定では、測定プローブを移動装置によって移動させることによって測定を行う。したがって、測定プローブを移動させる移動装置の基準点と測定プローブの測定ヘッドの基準点とが一致していないと、被測定物の3次元座標の測定に影響を与える問題が生じる。
本発明は前述の問題点を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、測定プローブを移動させる移動装置の基準点に対する測定プローブの測定球の位置ずれの影響を低減させ、正確な3次元座標の測定を可能にすることにある。
前述の目的を達成するため、本発明によれば、測定ヘッドに対して3次元変位可能に測定球を支持しており3次元座標系における前記測定ヘッドに対する測定球の変位量を検出可能になっている測定プローブを用い、被測定物の表面に沿って測定プローブを相対移動させて、予め定められた測定点ごとに測定ヘッドに対する測定球の変位量及び変位方向を前記測定プローブの変位量及び変位方向として検出し、検出された前記測定プローブの変位量及び変位方向と測定点の位置とに基づいて、被測定物の形状を測定する形状測定方法であって、寸法が既知の基準球上に設定された複数の格子点の各々に対して、各格子点における理論法線方向から測定プローブをアプローチさせて基準押込量分だけ押し込んだときに、前記測定プローブの変位量及び変位方向を検出するステップと、各格子点について、検出された前記測定プローブの変位量と理論変位量との変位量誤差並びに検出された前記測定プローブの変位方向と各格子点における理論法線方向との変位方向誤差を求め、前記変位量誤差及び前記変位方向誤差を各格子点における理論法線方向と関連付けて記憶し、検出誤差データテーブルを作成するステップと、基準形状が既知の被測定物の表面に沿って前記測定プローブを移動させたときに前記測定球と前記被測定物の表面との摩擦が前記測定プローブの変位量及び変位方向に与える影響を補正するための摩擦補正量及び摩擦補正方向を求めるステップと、前記被測定物に対して前記測定プローブを基準押込量分だけ押し込んだ状態で前記被測定物の基準形状に沿って前記測定プローブを移動させ、前記測定プローブが各測定点に到達したときに前記測定プローブの変位量及び変位方向を検出するステップと、前記検出誤差データテーブルに基づいて、前記測定点に対応する基準形状上の点における理論法線方向に対応する変位方向誤差及び変位量誤差を求めるステップと、求められた前記変位方向誤差及び変位量誤差と前記摩擦補正量とに基づいて、検出された前記測定プローブの変位量及び変位方向を補正するステップと、前記測定プローブの3次元座標位置と補正された前記測定プローブの変位量及び変位方向とに基づいて、前記被測定物の形状を演算するステップとを含む形状測定方法が提供される。
前記摩擦補正量及び前記摩擦補正方向は、前記被測定物の表面上の任意の点にその理論法線方向から前記測定プローブをアプローチさせ基準押込量分だけ押し込んだときに検出された前記測定プローブの変位量及び変位方向と、前記被測定物の基準形状に沿って前記測定プローブを移動させ前記理論法線方向からのアプローチ完了時の位置に前記測定プローブが到達したときに検出された前記測定プローブの変位量及び変位方向との差から求められてなることができる。
また、本発明によれば、被測定物の表面に沿って測定球を接触させながら相対移動させて、被測定物の形状を測定する形状測定装置であって、測定ヘッドに対して3次元変位可能に測定球を支持しており3次元座標系における前記測定ヘッドに対する測定球の変位量及び変位方向を測定プローブの変位量及び変位方向として検出可能になっている測定プローブと、前記測定プローブと被測定物とをX、Y及びZ軸方向に相対移動させ、前記測定プローブを任意の方向から目標点にアプローチさせ、前記測定プローブの前記測定球を前記被測定物と接触させて前記測定ヘッドに対して変位させる移動装置と、制御演算装置とを具備し、前記制御演算装置が、寸法が既知の基準球上に設定された複数の格子点の各々に対して、各格子点における理論法線方向から前記測定プローブをアプローチさせて基準押込量分だけ押し込んだときに実際に検出された前記測定プローブの変位量及び変位方向と該格子点において検出されるべき理論変位量及び該格子点における理論法線方向との差を、それぞれ、各格子点における理論法線方向と関連付けて検出誤差データテーブルとして記憶する検出誤差データテーブル記憶部と、基準形状が既知の被測定物の表面に沿って前記測定プローブを移動させたときに前記測定球と被測定物の表面との摩擦が前記測定プローブの変位量及び変位方向に与える影響を補正するための摩擦補正方向及び摩擦補正量を記憶する摩擦補正量及び摩擦補正方向記憶部とを備え、前記移動装置によって前記被測定物に対して前記測定プローブを基準押込量分だけ押し込んだ状態で前記被測定物の基準形状に沿って前記測定プローブを移動させ、前記測定プローブが各測定点に到達したときに前記測定プローブの変位量及び変位方向を検出し、前記検出誤差データテーブル記憶部に記憶された前記検出誤差データテーブルに基づいて、前記測定点に対応する基準形状上の点における理論法線方向に対応する変位量誤差及び変位方向誤差を求め、求められた前記変位量誤差及び前記変位方向誤差と前記摩擦補正量及び摩擦補正方向記憶部に記憶された摩擦補正量及び摩擦補正方向とに基づいて、検出された前記測定プローブの変位量及び変位方向を補正し、前記測定プローブの3次元座標位置と補正された前記測定プローブの変位量及び変位方向とに基づいて、前記被測定物の形状を演算するようにした形状測定装置が提供される。
本発明の形状測定方法及び装置では、寸法が既知の基準球を用いて、様々な方向から測定プローブをアプローチさせたときに実際に検出される測定プローブの変位方向と理論法線方向との変位方向誤差並びに検出される測定プローブの変位量と理論変位量との変位量誤差が求められ、求められた変位方向誤差及び変位量誤差を理論法線方向と関連付けて記憶し、検出誤差データテーブルを作成している。測定プローブの変位方向は法線方向となるはずであるから、実際に検出された測定プローブの変位方向と理論法線方向との変位方向誤差並びに検出される測定プローブの変位量と理論変位量との変位量誤差は、移動装置の基準位置に対する測定プローブの測定球の位置ずれによる影響や測定プローブの測定子のたわみなどの影響によるものを含んでいることになる。したがって、検出誤差データテーブルに基づいて、被測定物の表面の測定点に対応する基準形状上の点における理論法線方向に対応する変位方向誤差及び変位量誤差を求めれば、求められた変位方向誤差及び変位量誤差によって、実際に検出された測定プローブの変位量及び変位方向を補正し、移動装置に対する測定プローブの測定球の位置ずれや測定プローブの測定子のたわみなどが測定プローブの変位量及び変位方向に与える影響を低減させることが可能になる。
なお、本発明において、「測定プローブを基準押込量分押し込む」とは、測定球が被測定物の表面に接触しないと仮定した場合に、測定球を被測定物の表面上の所定の点からその点における法線方向に基準押込量分だけ被測定物の内部に向けてオフセットした点に測定球を到達させるように測定プローブの測定ヘッドを移動させることを意味する。
また、「基準球上に格子点を設定する」とは、基準球の表面を所定の間隔で分割した格子上の被数の格子点を記憶手段に記憶することを意味する。
また、「測定プローブを法線方向からアプローチさせる」とは、被測定物上の点に対してその法線方向から測定プローブの測定球をアプローチさせ接触させるように測定ヘッドを移動させることを意味する。
また、「理論変位量」とは、被測定物又は基準球の表面上の点に対してその法線方向から測定プローブを正確にアプローチさせて基準押込量分だけ押し込んだときに理論上検出されるべき測定プローブの測定ヘッドに対する測定球の変位量を意味する。
また、「基準形状」とは、図面やCADなどで予め寸法が与えられている形状を意味する。
また、「理論法線方向」とは、基準形状に基づいて理論上求められる法線方向を意味する。
本発明によれば、摩擦補正量及び摩擦補正方向によって、測定プローブを被測定物の表面に沿って移動させる際に発生する測定プローブと被測定物との間の摩擦が測定プローブの変位量及び変位方向に与える影響を相殺することができ、また、移動装置の基準点に対する測定プローブの測定球の位置ずれや測定プローブの測定子のたわみなどが測定プローブの変位量及び変位方向に与える影響を低減させることが可能になるから、より正確な3次元座標の測定が可能になる。
本発明を実施するための最良の形態を図面に基づいて説明する。図1は本発明の実施の形態を示す形状測定装置の機能ブロック図、図2は本発明による形状測定方法の手順を示すフローチャート、図3は本発明において使用する検出誤差データテーブルの一例を示す図、図4は測定プローブによる測定結果から3次元座標を求める原理を説明するための説明図である。
最初に、図1を参照して、本発明の好ましい実施の形態による形状測定装置11の全体構成を説明する。形状測定装置11は、被測定物13との接触を検出し測定を行うための測定プローブ15と、被測定物13と測定プローブ15とを相対移動させるための移動装置17と、検出誤差データテーブルの作成に使用するための基準球18と、移動装置17の動作を制御し測定プローブ15による測定結果と測定プローブ15の3次元座標位置とに基づいて被測定物13の形状を求める制御演算装置19とを備える。
図1に示されている実施の形態では、移動装置17として、ワークを加工するための工作機械が使用されている。工作機械は、ワークを戴置しY軸方向(図1の紙面に垂直な方向)に移動可能であるテーブル21と、ベッド23上に設置されたコラム25と、コラム25上にX軸方向(図1の左右方向)及びZ軸方向(図1の上下方向)に移動可能に支持された主軸27とを備える。また、ベッド23上には、基準球18が設定されている。工作機械の主軸27には、工具に代えて、測定プローブ15が装着されており、テーブル21上に被測定物13として戴置されたワークと測定プローブ15とをX軸、Y軸及びZ軸方向に相対移動させることができるようになっている。工作機械又は移動装置17は、被測定物13と測定プローブ15とをX軸、Y軸及びZ軸方向に相対移動できるようになっていれば、上記構成に限定される必要はなく、例えば、コラム25上の主軸27がX軸、Y軸及びZ軸方向に移動可能になっていてもよい。また、移動装置17として、工作機械ではなく、専用の装置を使用してもよい。
測定プローブ15は、移動装置17の主軸27などに装着される測定ヘッド29と、測定ヘッド29に対して3次元変位可能に支持された測定子31の先端に設けられた測定球33と、X軸、Y軸及びZ軸からなる3次元座標系における測定ヘッド29に対する測定球33の変位量を検出する変位量測定部35とを備え、初期位置(すなわち、測定ヘッド29に対して測定球33が変位していない位置)における測定ヘッド29の基準点と測定球33の中心との相対位置関係は既知になっている。
制御演算装置19は、変位量演算部37と、変位方向演算部39と、移動指令部41と、座標位置読取部43と、補正演算部45と、座標演算部47とを備える。
変位量演算部37は、測定プローブ15の測定球33が測定ヘッド29に対して移動すると、測定プローブ15の変位量測定部35からの出力に基づいて、測定ヘッド29の基準点に対する測定球33の中心の位置の変化量として、X軸方向変位量εX、Y軸方向変位量εY及びZ軸方向変位量εZを演算する。また、変位方向演算部39は、測定プローブ15の変位量測定部35からの出力に基づいて、測定ヘッド29の基準点に対する測定球33の中心の位置の変位方向を演算により求める。変位方向を表す単位ベクトルをθ(θX、θY、θZ)とすると、単位ベクトルθは以下の式(1)により定められる。
Figure 2008268118
移動指令部41は、実行されたプログラム又は入力された命令に従って移動装置17を作動させて、測定プローブ15を所望の位置に移動させる。詳細には、移動指令部41は、測定プローブ15の測定ヘッド29をプログラム又は入力された命令によって指定された位置に移動させる。また、座標位置読取部43は、移動指令部41からの指令に従って移動した測定プローブ15の測定ヘッド29の基準点又は移動装置17(工作機械)の主軸27の基準点の位置座標を読み取る。これによって、実際の測定プローブ15の位置の検出が可能になる。測定プローブ15の位置は、移動指令部41から発せられた命令から求めることも可能である。
補正演算部45は、後述する摩擦補正ベクトル及び検出誤差データテーブルに基づいて、変位量演算部37によって求められた測定プローブ15の測定ヘッド29の基準点に対する測定球33の中心の変位量(以下、測定プローブ15の変位量と記載する)及び変位方向演算部39によって求められた測定プローブ15の測定ヘッド29の基準点に対する測定球33の中心の変位方向(以下、測定プローブ15の変位方向と記載する)を補正することにより、被測定物13の表面と測定プローブ15の測定球33との間の摩擦や移動装置17の主軸27の基準点と測定プローブ15の測定ヘッド29の基準点との位置ずれなどの影響を軽減し、接触点に法線方向からアプローチして基準押込量分だけ押し込んだときの正確な測定プローブ15の変位量及び変位方向を求める。また、座標演算部47は、初期位置における測定プローブ15の基準点と測定プローブの測定球の中心との相対位置関係(相対座標)、測定プローブ15の3次元座標位置、補正演算部45によって補正された測定プローブ15の変位量及び変位方向、及び測定球33の半径に基づいて、接触点における被測定物13の3次元座標を演算により求める。なお、説明において、測定プローブ15の3次元座標位置とは、測定ヘッド29の基準点の3次元座標を意味するものとする。
さらに、制御演算装置19は、被測定物13の表面と測定プローブ15の測定球33との間の摩擦が測定プローブ15の変位量及び変位方向に与える影響を軽減するために、被測定物データ記憶部49と、被測定物理論法線方向演算部51と、摩擦補正量演算部53と、摩擦補正方向演算部55と、摩擦補正量及び摩擦補正方向記憶部57とを備える。
被測定物データ記憶部49は、測定対象となる被測定物13の基準形状に関するデータを記憶している。基準形状は、例えば加工後のワークの所望される形状や設計形状など加工済みのワークの合否を判定する際に基準とされるものであり、基準形状データには寸法も含まれる。
また、被測定物理論法線方向演算部51は、被測定物データ記憶部49に記憶された基準形状データに基づいて、測定プログラムにおいて指定される又は操作者によって入力される被測定物の基準形状上の任意の点における理論法線方向を演算により求める。
摩擦補正量演算部53及び摩擦補正方向演算部55は、被測定物13の表面に沿って測定プローブ15を移動させたときに測定球33と被測定物13の表面との間に生じた摩擦が測定プローブ15の測定ヘッド29に対する測定球33の変位ベクトル(変位量と変位方向からなる)に与える影響を補正するための摩擦補正量及び摩擦補正方向を演算により求める。また、摩擦補正量及び摩擦補正方向記憶部57は、摩擦補正量演算部53及び摩擦補正方向演算部55によって求められた摩擦補正量及び摩擦補正方向を摩擦補正ベクトルとして記憶する。
また、制御演算装置19は、移動装置17の主軸27の基準点に対する測定プローブ15の測定球33の位置ずれや測定プローブ15の測定子31のたわみなどが測定プローブ15の変位量及び変位方向に与える影響を軽減するために、基準球データ記憶部59と、基準球理論法線方向演算部61と、基準球変位量演算部63と、変位量誤差演算部65と、変位方向誤差演算部67と、検出誤差データテーブル記憶部69と、補正変位量演算部71と、補正変位方向演算部73とを備える。
基準球データ記憶部59は、後述する検出誤差データテーブルの作成に使用する基準球18の半径や中心位置座標などの寸法データを記憶する。なお、使用される基準球18は真球になっている。基準球データ記憶部59には、基準球18上に予め定められた複数の格子点の位置座標に関するデータがさらに記憶されていることが好ましい。基準球理論法線方向演算部61は、基準球データ記憶部59に記憶された基準球18の寸法データに基づいて、基準球18上に定められた各格子点における理論法線方向を演算により求める。また、基準球理論変位量演算部63は、既知となっている測定プローブ15の測定ヘッド29の基準点に対する測定球33の中心の相対位置関係と基準球データ記憶部59に記憶された基準球18の寸法データに基づいて、測定プローブ15を基準球18にアプローチさせ基準押込量分だけ押し込んだときの測定プローブ15の理論変位量を演算により求める。
ここで、「理論変位量」とは、基準球理論法線方向演算部61によって求められた各格子点における理論法線方向から各格子点に向けて測定プローブ15をアプローチさせて各格子点に接触させた後にさらに測定プローブ15を基準押込量分だけ押し込んだときに理論上検出されるべき測定プローブ15の変位量を意味する。また、「測定プローブ15を基準押込量分だけ押し込む」とは、測定球33が被測定物13の表面に接触しないと仮定した場合に、測定球33を被測定物13の表面上の所定の点からその点における法線方向に基準押込量分だけ被測定物13の内部に向けてオフセットした点に測定球33を到達させるように測定プローブ15の測定ヘッド29を移動させることを意味し、「測定プローブ15を法線方向からアプローチさせる」とは、被測定物13上の指定点に対してその法線方向から測定プローブ15の測定球33をアプローチさせその指定点に接触させるように測定ヘッド29を移動させることを意味する。
変位量誤差演算部65は、基準球18上に設定された複数の格子点の各々に対して、各格子点の理論法線方向から測定プローブ15をアプローチさせたときに実際に検出された測定プローブ15の変位量と基準球理論変位量演算部63によって求められた理論変位量との差を変位量誤差として演算により求める。また、変位方向誤差演算部67は、基準球18上に設定された複数の格子点の各々に対して、各格子点の理論法線方向から測定プローブ15をアプローチさせたときに実際に検出された測定プローブの変位方向と基準球理論法線方向演算部61によって求められたその格子点における理論法線方向との差を変位方向誤差として演算により求める。さらに、検出誤差データテーブル記憶部69は、図3に示されているように、変位量誤差演算部65によって求められた変位量誤差と変位方向誤差演算部67によって求められた変位方向誤差とをこれらを検出した格子点における理論法線方向と対応させて関連付けして検出誤差データテーブルを作成し、これを記憶する。
補正変位量演算部71及び補正変位方向演算部73は、被測定物13の各測定点に対応する基準形状上の点を求め、検出誤差データテーブル記憶部69に記憶された検出誤差データテーブルに基づいて、被測定物理論法線方向演算部51によって求められたその点における理論法線方向に対応する変位量誤差及び変位方向誤差をそれぞれ補正変位量及び補正変位方向として求める。
次に、図2を参照して、図1に示されている形状測定装置による形状測定方法を説明する。
まず、基準球18を用いて検出誤差データテーブルを作成し、これを検出誤差データテーブル記憶部69に記憶する(ステップS101)。
詳細には、まず、基準球法線方向演算部61が、基準球データ記憶部59に記憶された基準球18の寸法データに基づいて、基準球18の表面上に予め定められた複数の格子点の各々における理論法線方向を演算により求める。また、基準球理論変位量演算部63が、既知となっている測定ヘッド29の基準点に対する測定球33の中心の相対位置関係と基準球データ記憶部59に記憶された基準球18の寸法データに基づいて、基準球法線方向演算部61によって求められた各格子点の理論法線方向から基準球18上の各格子点に測定プローブ15をアプローチさせて測定球33を各格子点に接触させた後にさらに基準押込量分だけ測定プローブ15を押し込んだときに理論上検出されるべき測定プローブ15の変位量を求める。
次に、実際に移動指令部41からの指令に従って移動装置17を作動させて、基準球理論法線方向演算部61により求めた各格子点の理論法線方向から基準球18上の各格子点に測定プローブ15をアプローチさせて測定球33を各格子点に接触させた後にさらに基準押込量分だけ測定プローブ15を押し込み、変位量演算部37及び変位方向演算部39により測定プローブ15の実際の変位量及び変位方向を求める。そして、変位量誤差演算部65は、各格子点について、基準球理論変位量演算部63によって求められた理論変位量と変位量演算部37によって実際に検出された変位量との差を変位量誤差として演算により求める。また、変位方向誤差演算部67は、各格子点について、基準球理論法線方向演算部61によって求められた理論法線方向と変位方向演算部39によって実際に検出された変位方向との差を変位方向誤差として演算により求める。なお、測定プローブ15は、基準球18の表面に接触すると、その接触点における法線方向に抗力を受けて変位することから、各格子点における理論法線方向が理論変位方向となり、理論法線方向と実際に検出される変位方向との差が変位方向誤差となる。
最後に、検出誤差データテーブル記憶部69は、このようにして求められた各格子点における変位量誤差及び変位方向誤差を各格子点における理論法線方向と関連付けて検出誤差データテーブルを作成し、これを記憶する。記憶された検出誤差データテーブルは、各法線方向からアプローチしたときの検出値に含まれる移動装置17の主軸27の基準点に対する測定プローブ15の測定球33の位置ずれや測定プローブ15の測定子31のたわみなどの影響による誤差を補正し、実際に検出される測定プローブ15の変位量及び変位方向から本来検出されるべき理論変位量及び変位方向を求めるために使用される。
ステップS101の次に、制御演算装置19は、被測定物13の表面に沿って測定プローブ15を移動させながら変位量及び変位方向を検出するときに被測定物13の表面と測定プローブ15の測定球33との間の摩擦が測定プローブ15の変位に与える影響を軽減又は相殺させるための摩擦補正ベクトルを求める(ステップS103)。
詳細には、まず、被測定物データ記憶部49に記憶された被測定物13の基準形状データに基づいて、被測定物理論法線方向演算部51により、測定プログラムにおいて指定される又は操作者によって入力される被測定物13の基準形状上の任意の点における理論法線方向を演算により求める。次に、測定プログラムに従って、測定プログラムにおいて指定される又は操作者によって入力される被測定物13の基準形状上の任意の点に、被測定物理論法線方向演算部51によって求められた理論法線方向から測定プローブ15をアプローチさせて基準押込量分だけ押し込んだときに、変位量演算部37及び変位方向演算部39によって測定プローブ15の変位量及び変位方向を検出する。同時に、測定プローブのアプローチが完了して検出を行うときの移動装置17の主軸27の基準点の3次元座標が座標位置読取部43によって読み取られる。
次に、移動指令部41は、被測定物データ記憶部49に記憶された被測定物13の基準形状に基づき、測定プローブ15を基準押込量分だけ被測定物15に押し込んだ状態を保ちながら被測定物13の基準形状の表面に沿って測定プローブ15を移動させるように、測定プローブ15の測定ヘッド29の基準点の移動経路を作成し、移動装置17によってその経路に従って測定プローブ15を移動させる。次に、理論法線方向から測定プローブ15をアプローチさせて変位量及び変位方向の検出を行ったときのアプローチ完了位置に移動装置17の主軸27の基準点が到達したことが座標位置読取部43によって検出されると、その位置において変位量演算部37及び変位方向演算部39によって測定プローブ15の変位量及び変位方向が検出される。また、この検出時における測定プローブ15(詳細には、その測定ヘッド29)の移動方向も微小時間における座標位置読取部43の出力の変化から演算により求められる。
次に、摩擦補正量演算部53は、理論法線方向から測定プローブ15をアプローチさせたときに検出された変位量と被測定物13の基準形状に沿って測定プローブ15を移動させたときに検出された変位量との差を摩擦補正量として演算により求める。同様に、摩擦補正方向演算部55は、理論法線方向から測定プローブ15をアプローチさせたときに検出された変位方向と被測定物13の基準形状に沿って測定プローブ15を移動させたときに検出された変位方向との差を摩擦補正方向として演算により求める。そして、摩擦補正量演算部53によって求められた摩擦補正量と摩擦補正方向演算部55によって求められた摩擦補正方向とは、上述した測定プローブの移動方向と共に、摩擦補正ベクトルとして、摩擦補正量及び摩擦補正方向記憶部57に記憶される。
また、上述の方法で測定プローブの移動速度、押込量、被測定物の材質をそれぞれ変化させた複数の条件で摩擦補正ベクトルを測定し、摩擦補正データテーブルとして摩擦補正量及び摩擦補正方向記憶部57に記憶して、それぞれの条件に従って摩擦補正データテーブルから摩擦補正ベクトルを選択し、補正するようにしてもよい。
ステップS103の次に、移動指令部41は、被測定物データ記憶部49に記憶された被測定物13の基準形状に基づき、測定プローブ15を基準押込量分だけ被測定物15に押し込んだ状態を保ちながら被測定物13の基準形状の表面に沿って測定プローブ15を移動させるように、測定プローブ15の測定ヘッド29の基準点の移動経路を作成し、移動装置17によってその経路に従って測定プローブ15を移動させ、被測定物13の測定点の3次元座標の測定を開始する(ステップS105)。次に、測定プログラムによって又は操作者の指定によって移動経路上に定められた一つ又は複数の測定点に移動装置17の主軸27の基準点が到達したことが座標位置読取部43によって検出されると、その位置において変位量演算部37及び変位方向演算部39によって測定プローブ15の変位量及び変位方向が検出される(ステップS107)。
次に、補正変位量演算部71及び補正変位方向演算部73は、検出誤差データテーブル記憶部69に記憶された検出誤差データテーブルに基づいて、測定点に対応する被測定物13の基準形状上の点における理論法線方向に対応する変位量誤差及び変位方向誤差を補正変位量及び補正変位方向として求める(ステップS109)。測定点に対応する被測定物13の基準形状上の点は、既知となっている測定ヘッド29の基準点に対する測定球33の中心の相対位置関係と被測定物データ記憶部49に記憶される被測定物13の基準形状データとに基づいて、測定プローブ15の測定ヘッド29が基準点に位置するときに基準形状に合致すると仮定した被測定物13の表面と測定球33が理論上接触する点を演算することにより求められる。また、測定点に対応する被測定物13の基準形状上の点における理論法線方向は、被測定物データ記憶部49に記憶される被測定物13の基準形状データから、上述のようにして求められた点における被測定物13の理論法線方向を演算することにより求められる。
次に、補正演算部45は、ステップS107で検出された測定プローブ15の変位量及び変位方向角度にステップS109において求められた補正変位量及び補正変位方向角度を加算することにより、移動装置17の基準点と測定プローブ15の測定ヘッド29の基準点との位置ずれなどにより生じた測定プローブ15の変位量及び変位方向の誤差分を補正し、修整変位量及び修整変位方向を求める。同時に、補正演算部45は、摩擦による影響を相殺するように、摩擦補正量及び摩擦補正方向記憶部57に記憶された測定プローブ15の移動方向と測定点における測定プローブ15の移動方向との差分だけ摩擦補正量及び摩擦補正方向記憶部57に記憶された摩擦補正ベクトルを回転させたものを修整変位量及び修整変位方向からなる修整変位ベクトルに加算することにより、修整変位量及び修整変位方向を補正する(ステップS111)。
検出誤差データテーブルの変位量誤差及び変位方向誤差は、基準球を用いて、様々な方向から測定プローブをアプローチさせたときに実際に検出される測定プローブの変位方向と理論法線方向との差並びに検出される測定プローブの変位量と理論変位量との差を求め、求められた変位方向誤差及び変位量誤差を理論法線方向と関連付けることにより得られている。測定プローブの変位方向は法線方向となるはずであるから、実際に検出された測定プローブの変位方向と理論法線方向との変位方向誤差並びに検出される測定プローブの変位量と理論変位量との変位量誤差は、移動装置の基準位置に対する測定プローブの測定球の位置ずれによる影響や測定プローブの測定子のたわみなどの影響によるものを含んでいることになる。したがって、測定点に対応する基準形状上の点における理論法線方向に対応する変位方向誤差及び変位量誤差を用いて実際に検出された測定プローブの変位量及び変位方向を補正すれば、移動装置の基準位置に対する測定プローブの測定球の位置ずれや測定プローブの測定子のたわみなどが測定プローブの変位量及び変位方向に与える影響を低減させることが可能になり、より正確な三次元座標の測定が可能になる。
また、摩擦補正ベクトルは、法線方向からアプローチをしたときに検出される測定プローブ15の変位量及び変位方向と被測定物13の表面に沿って測定プローブ15を移動させ法線アプローチによる検出時と同じ位置に測定プローブ15があるときに検出される測定プローブ15の変位量及び変位方向との差であり、被測定物13の表面と測定球33との摩擦係数は被測定物13の表面の何れの位置でも同じである。したがって、被測定物13の表面に沿って測定プローブ15を移動させながら検出した測定プローブ15の変位量及び変位方向を摩擦補正ベクトルを用いて補正すれば、法線方向から測定プローブ15をアプローチさせたときに検出される測定プローブ15の変位量及び変位方向を求めることができ、複数の測定点における3次元座標の測定をより短い時間で行うことが可能になる。
補正された変位量及び変位方向は、測定プローブ15の変位量及び変位方向として座標演算部47に出力され、座標演算部47は、この補正された変位量及び変位方向に基づいて、測定プローブ15が測定点に位置するときの測定球33と被測定物13の表面との接触点の3次元座標を演算する(ステップS113)。このとき、補正後の変位方向は接触点における法線方向と一致しているとみなされる。必要に応じて、演算した複数の3次元座標を接続して、被測定物13の表面の形状を求める。
なお、3次元座標は以下のようにして求められる。
アプローチのときの測定プローブ15の姿勢が予め定められていることから、静止時(測定ヘッド29に対して測定球33が変位していないとき)における測定ヘッド29の基準点に対する測定球33の中心の相対位置(相対座標)は既知であり、3次元座標系における測定ヘッド29の基準点の座標は、座標位置読取部43の出力から求めることができる既知の座標である。したがって、アプローチ完了後の測定ヘッド29の基準点の座標から図4において点線で示される仮想測定球33の中心O´の3次元座標(x0,y0,z0)を求めることができる。また、アプローチ方向75と測定プローブ15の変位方向とは一致しているから、測定プローブ15の変位量として検出されるのは、仮想測定球33の中心O´から実際の測定球33の中心Oへの変位量である。したがって、仮想測定球33の中心O´の3次元座標と測定プローブの出力である測定ヘッド29に対する測定球33の変位量ε(εX,εY,εZ)から実際の測定球33の中心Oの3次元座標(x1,y1,z1)との関係は以下のようになる。
x1=x0+εX
y1=y0+εY
z1=z0+εZ
さらに、接触点は、中心O及びO´を通りアプローチ方向θに延びる軸線上にあることから、測定球33の半径をRとすると、接触点の3次元座標(x,y,z)は以下の式(2)により求められる。
Figure 2008268118
本発明の実施の形態を示す形状測定装置の機能ブロック図である。 本発明による形状測定方法の手順を示すフローチャートである。 本発明において使用する検出誤差データテーブルの一例を示す図である。 本発明による3次元座標測定原理を説明するための説明図である。
符号の説明
11 形状測定装置
13 被測定物
15 測定プローブ
19 制御演算装置
29 測定ヘッド
33 測定球
57 摩擦補正量及び摩擦補正方向記憶部
69 検出誤差データテーブル記憶部

Claims (3)

  1. 測定ヘッドに対して3次元変位可能に測定球を支持しており3次元座標系における前記測定ヘッドに対する測定球の変位量を検出可能になっている測定プローブを用い、被測定物の表面に沿って測定プローブを相対移動させて、予め定められた測定点ごとに測定ヘッドに対する測定球の変位量及び変位方向を前記測定プローブの変位量及び変位方向として検出し、検出された前記測定プローブの変位量及び変位方向と測定点の位置とに基づいて、被測定物の形状を測定する形状測定方法であって、
    寸法が既知の基準球上に設定された複数の格子点の各々に対して、各格子点における理論法線方向から測定プローブをアプローチさせて基準押込量分だけ押し込んだときに、前記測定プローブの変位量及び変位方向を検出するステップと、
    各格子点について、検出された前記測定プローブの変位量と理論変位量との変位量誤差並びに検出された前記測定プローブの変位方向と各格子点における理論法線方向との変位方向誤差を求め、前記変位量誤差及び前記変位方向誤差を各格子点における理論法線方向と関連付けて記憶し、検出誤差データテーブルを作成するステップと、
    基準形状が既知の被測定物の表面に沿って前記測定プローブを移動させたときに前記測定球と前記被測定物の表面との摩擦が前記測定プローブの変位量及び変位方向に与える影響を補正するための摩擦補正量及び摩擦補正方向を求めるステップと、
    前記被測定物に対して前記測定プローブを基準押込量分だけ押し込んだ状態で前記被測定物の基準形状に沿って前記測定プローブを移動させ、前記測定プローブが各測定点に到達したときに前記測定プローブの変位量及び変位方向を検出するステップと、
    前記検出誤差データテーブルに基づいて、前記測定点に対応する基準形状上の点における理論法線方向に対応する変位方向誤差及び変位量誤差を求めるステップと、
    求められた前記変位方向誤差及び変位量誤差と前記摩擦補正量とに基づいて、検出された前記測定プローブの変位量及び変位方向を補正するステップと、
    前記測定プローブの3次元座標位置と補正された前記測定プローブの変位量及び変位方向とに基づいて、前記被測定物の形状を演算するステップと、
    を含むことを特徴とした形状測定方法。
  2. 前記摩擦補正量及び前記摩擦補正方向は、前記被測定物の表面上の任意の点にその理論法線方向から前記測定プローブをアプローチさせ基準押込量分だけ押し込んだときに検出された前記測定プローブの変位量及び変位方向と、前記被測定物の基準形状に沿って前記測定プローブを移動させ前記理論法線方向からのアプローチ完了時の位置に前記測定プローブが到達したときに検出された前記測定プローブの変位量及び変位方向との差から求められてなる、請求項1に記載の形状測定方法。
  3. 被測定物の表面に沿って測定球を接触させながら相対移動させて、被測定物の形状を測定する形状測定装置であって、
    測定ヘッドに対して3次元変位可能に測定球を支持しており3次元座標系における前記測定ヘッドに対する測定球の変位量及び変位方向を測定プローブの変位量及び変位方向として検出可能になっている測定プローブと、
    前記測定プローブと被測定物とをX、Y及びZ軸方向に相対移動させ、前記測定プローブを任意の方向から目標点にアプローチさせ、前記測定プローブの前記測定球を前記被測定物と接触させて前記測定ヘッドに対して変位させる移動装置と、
    制御演算装置とを具備し、前記制御演算装置が、
    寸法が既知の基準球上に設定された複数の格子点の各々に対して、各格子点における理論法線方向から前記測定プローブをアプローチさせて基準押込量分だけ押し込んだときに実際に検出された前記測定プローブの変位量及び変位方向と該格子点において検出されるべき理論変位量及び該格子点における理論法線方向との差を、それぞれ、各格子点における理論法線方向と関連付けて検出誤差データテーブルとして記憶する検出誤差データテーブル記憶部と、
    基準形状が既知の被測定物の表面に沿って前記測定プローブを移動させたときに前記測定球と被測定物の表面との摩擦が前記測定プローブの変位量及び変位方向に与える影響を補正するための摩擦補正方向及び摩擦補正量を記憶する摩擦補正量及び摩擦補正方向記憶部とを備え、
    前記移動装置によって前記被測定物に対して前記測定プローブを基準押込量分だけ押し込んだ状態で前記被測定物の基準形状に沿って前記測定プローブを移動させ、前記測定プローブが各測定点に到達したときに前記測定プローブの変位量及び変位方向を検出し、前記検出誤差データテーブル記憶部に記憶された前記検出誤差データテーブルに基づいて、前記測定点に対応する基準形状上の点における理論法線方向に対応する変位量誤差及び変位方向誤差を求め、求められた前記変位量誤差及び前記変位方向誤差と前記摩擦補正量及び摩擦補正方向記憶部に記憶された摩擦補正量及び摩擦補正方向とに基づいて、検出された前記測定プローブの変位量及び変位方向を補正し、前記測定プローブの3次元座標位置と補正された前記測定プローブの変位量及び変位方向とに基づいて、前記被測定物の形状を演算することを特徴とした形状測定装置。
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