JP2004191147A - 接触式プローブ - Google Patents

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Abstract

【課題】接触式プローブのプローブ先端を高周波振動させて、プローブ先端と被測定面間の摩擦力を低減するものにおいて、プローブの振動による接触式プローブ全体の振動を抑止すること。
【解決手段】被測定物体の表面にプローブ先端を接触させることによって前記被測定物体の表面形状を測定する接触式表面形状測定装置の接触式プローブを前提として、上記プローブに2個以上の伸縮機構を設け、その伸縮方向を互いに逆にすること。
プローブ2に配置した2個以上の伸縮機構を同じ周波数で振動させ、伸縮方向を互いに逆にすることで、両伸縮機構からプローブ2に加えられる振動が、その間で相殺される。したがって、プローブ2の先端部を微振動させるための下方の伸縮機構からの振動がプローブ2全体を振動させることなく、したがって、伸縮機構の振動に伴う接触式プローブ(全体)の振動が抑止される。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、形状測定用プローブ等の接触式プローブに関するもので、プローブの振動抑止あるいは振動減衰性能の向上を可能とするものであり、例えば形状測定装置に適用した場合、サブμmオーダの測定精度を有する形状測定装置用プローブとしても利用でき、また、被測定物体表面における力学的特性測定装置に適用することもできるものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、被測定面形状を高精度に測定できる装置に、接触式プローブがある。その一例が、特開平9−96518公報に振動減衰機構を搭載した触針式プローブが記載されているものであり、その概要は図8に示すとおりである。プローブ(触針子)2の下端に球1が固定されており、また、引張りコイルばね27、振動を減衰させるための粘性部材28、変位計6を備えている。さらに、プローブ2は給気孔8から給気される静圧空気による静圧空気軸受7で非接触支持されていて、摺動抵抗なく軸方向に運動する。なお、ハウジング3は移動用ステージ(図示略)に搭載され、この移動ステージによってプローブ2の球1が被測定面を倣って移動するように操作される。
【0003】
球1が被測定面(図示略)に押し付けられると、プローブ2は被測定面から受ける反力と引張りコイルばね27による力が釣り合う位置に変位し、この変位に伴って変位計6の出力が変化する。移動用ステージを駆動して、変位計6の上記出力が一定になるように、ハウジング3を上下方向に制御することによって、球1の被測定面に対する接触圧、すなわち測定圧が一定に保たれる。このようにプローブ2の測定圧を一定に保ちながら被測定面上を倣い動作させ、動作中の移動用ステージの軌跡を測定することにより、被測定面の形状が測定される。このものは粘性部材28を備えており、その粘性抵抗によってプローブ2の振動を抑制することができ、プローブ2が被測定面上を倣い動作する際の移動用ステージの位置制御動作、被測定面と球1間で生じるスティックスリップに起因するプローブ2の振動を抑止することにより、被測定面の測定における検出エラーを生じる可能性が低減される。このように、流体部材28よる振動抑制効果は大きいが、次のような問題もある。すなわち、その第1は、ハウジング内に流体部材28を備えているので、これが漏洩してプローブとプローブ周辺部を汚染する恐れがあることである。特に静圧空気軸受を用いる場合には、プローブと静圧空気軸受との空隙に流体部材が滲入すると、プローブのスムーズな動作が妨げられる。また、第2は、粘性部材28による減衰力の発生点がプローブ2から離れているために、減衰力が不均一に作用する場合は、この減衰力の不均一(偏り)によりプローブ2を傾けるようにモーメントがかかる。このようなモーメントがかかると、プローブ2が軸受の案内方向に対して傾斜する方向に付勢されるので、被測定面との接触状態が不安定になり、そのため検出エラーを生じる可能性がある。
【0004】
また、従来技術として、特開2000−298013号公報に記載されている「形状測定用プローブ」がある。このものは、プローブの振動を抑制するために、プローブに取りつけられたばねの表面に、減衰効果のある材料を付着させてばねの振動を減衰させ、また、プローブの被測定面に対する倣い方向を被測定面の傾斜面の上り方向に限定することによって、プローブのスティックスリップの発生を防止するようにし、あるいはまた、プローブと被測定面との間に潤滑剤を介在させることによって、プローブと被測定面間に生じる摩擦抵抗を低下させている。このものは振動抑止効果が顕著であるが、しかし、これについても次のような問題がある。まず、プローブに取りつけられたばねの表面に、減衰材料を付着させた場合、その減衰材料の単位量当たりの振動減衰効果は小さいので、上記ばねに対する所要の振動減衰効果を確保するには、多量の減衰材料をばねに付着させる必要があり、そうすると、ばねの性能が損なわれてしまうことになる。
【0005】
また、プローブの被測定面に対する倣い方向を傾斜面の上り方向に限定することによってプローブのスティックスリップの発生を防止することはできるが、この場合は、プローブの被測定面に対する倣い動作方向が限られるので、測定時間のロスが多く、したがって、面形状測定の効率が低下することになる。
また、プローブと被測定面間に潤滑剤を介在させることによって、プローブと被測定面間に摩擦抵抗を低下させる場合は、潤滑剤を均一に塗布することが難しく、さらに、潤滑剤を塗布された被測定面に大気中の塵埃が付着しやすくなり、この塵埃のために被測定面の形状測定精度が低下してしまう可能性がある。
【0006】
さらに、特開平5−256640号公報に記載されている「表面形状測定用トレーサ」がある。このものは、X,Y,Zの各軸におけるそれぞれの軸方向への動作干渉を防止する機構を備えた表面形状測定用トレーサであり、プローブ先端を圧電振動子で振動させることによって、プローブ先端と被測定表面間の摩擦抵抗を低減させるようにしているものである、しかし、圧電振動子でプローブ先端を軸方向に振動させるとき、プローブ全体が振動し、これがばね(図8におけるばね28)を介してハウジング3を振動させるので、このハウジング3の振動によって測定精度が低下してしまう可能性がある。
【0007】
さらに、公知のものではないが、特願2002−95089号明細書に記載された「接触式プローブ」がある。このものは、電磁アクチュエータ駆動により接触式プローブに対し推力を発生させることで、プローブの振動を抑制しているものであり、アクチュエータの応答性が高く、前記触針式プローブに生じる高周波帯域の振動にも対応できるものである。しかし、このものにも次のような問題が残されている。その第1は、電磁式アクチュエータの可動部を接触式プローブに固定する必要があるので、電磁式アクチュエータ可動部の質量分だけ接触式プローブの質量が増加することである。一般的に、電磁式アクチュエータの可動部は接触式プローブに対して重いので、接触式プローブの被測定物体形状に対する追従性が低下してしまい、その結果、被測定面形状の測定精度が低下する恐れがある。第2は、電磁式アクチュエータの可動軸と接触式プローブの摺動軸を高精度で合わせることが困難であり、これらが正確に合致していない場合は、接触式プローブの動特性に悪影響を与えることになり、また、更に、軸のずれ量が大きいと、接触式プローブが軸受内壁に接触し、軸受けを破損してしまう恐れがあることである。
【0008】
【特許文献1】特開平9−96518公報
【特許文献2】特開2000−298013号公報
【特許文献3】特開平5−256640号公報
【特許文献4】特願2002−95089号明細書
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
この発明は接触式プローブについて、以上のことを踏まえて、次のことをその課題とするものである。
【課題1】(請求項1に対応)
課題1は、接触式プローブのプローブ先端を高周波振動させて、プローブ先端と被測定面間の摩擦力を低減するものにおいて、プローブの振動による接触式プローブ全体の振動を抑止することである。
【課題2】(請求項2に対応)
課題2は、軽量かつ省スペースで、応答性の高いアクチュエータを用いることにより、高周波振動に対して優れた摩擦力低減機能、及び振動抑止機能を発揮させることである。
【課題3】(請求項3に対応)
課題3は、プローブの振動発生要因となるプローブの傾きを検知し、プローブの傾きを抑制できるようにすることである。
【課題4】(請求項4に対応)
課題4は、プローブの傾きを高精度で検知することができるようにすることである。
【課題5】(請求項5に対応)
課題5は、プローブ全体の振動を励起することなく触針子先端部の変位を生じさせ得るようにすることである。
【課題6】(請求項6に対応)
課題6は、被測定表面の傾斜角度に依存することのない振動抑止を可能にすることである。
【課題7】(請求項7に対応)
課題7は、被測定表面上での倣い動作方向に依存することのない振動抑止を可能にすることである。
【課題8】(請求項8)
課題8は、被測定表面上でのプローブの走査速度に依存することのない振動抑止を可能にすることである。
【課題9】(請求項9に対応)
課題9は、前記伸縮機構の動作を、動吸振器として機能させることにより、被測定面に対して非接触な状態においても速やかな振動減衰を可能にすることである。
【0010】
【課題解決のために講じた手段】
【解決手段1】(請求項1に対応)
解決手段1は、上記課題1の解決手段であり、被測定物体の表面にプローブ先端を接触させることによって前記被測定物体の表面形状を測定する接触式表面形状測定装置の接触式プローブを前提として、上記プローブに2個以上の伸縮機構を設け、その伸縮方向を互いに逆にすることである。
【0011】
【作用】
プローブ2に配置した2個以上の伸縮機構を同じ周波数で振動させ、伸縮方向を互いに逆にすることで、両伸縮機構からプローブ2に加えられる振動が、その間で相殺される。したがって、プローブ2の先端部を微振動させるための下方の伸縮機構からの振動がプローブ2全体を振動させることはなく、したがって、伸縮機構の振動に伴う接触式プローブ(全体)が振動することは抑止される。
【0012】
【実施態様1】(請求項2に対応)
実施態様1は、上記解決手段について、その伸縮機構が圧電素子で構成されていることである。
【作用】
伸縮機構が圧電素子で構成されていることによって、伸縮機構を付加することによって生じるプローブの重量増加と大型化が回避される。また、応答性の高い伸縮機構とすることができる。
【0013】
【実施態様2】(請求項3に対応)
実施態様2は上記解決手段について、上記接触式プローブの傾き量を検知する機構と、前記検知機構により検知した情報を用いて前記伸縮機構の動作量を算出する手段を備えていることである。
【作用】
上記接触式プローブの傾き量を検知する機構と、前記検知機構により検知した情報を用いて前記伸縮機構の動作量を算出する手段を備えていることによって、上記接触式プローブの傾き量を最小とする伸縮量となるように伸縮機構を駆動することができる。
【0014】
【実施態様3】(請求項4に対応)
実施態様3は、上記実施態様2について、上記のプローブの傾き量を検知する検知機構がレーザ変位計により構成されていることである。
【作用】
上記の接触式プローブの傾き量を検知する検知機構がレーザ変位計により構成されていることによって、プローブの傾きを高感度で検出することができる。
【0015】
【実施態様4】(請求項5に対応)
実施態様4は、上記解決手段について、その伸縮機構の一方を駆動した際に生じるプローブへの反力を、他方の伸縮機構の動作により発生する力により制御する為の伸縮機構の動作量を計算する動作量算出手段を備えていることである。
【作用】
上記伸縮機構の一方を駆動した際に生じるプローブへの反力を、他方の伸縮機構の動作により発生する力により制御する為の伸縮機構の動作量を計算する動作量算出手段を備えていることによって、上記伸縮機構の一方を駆動した際に生じるプローブへの反力で生じるプローブの振動が抑制される。
【0016】
【実施態様5】(請求項6に対応)
実施態様5は、上記解決手段について、その伸縮機構の伸縮量を被測定表面の傾斜角度によって変化させる伸縮量算出手段を備えていることである。
【作用】
上記伸縮機構の伸縮量を被測定表面の傾斜角度によって変化させる伸縮量算出手段を備えていることによって、被測定面傾斜角度に対応した伸縮補正量を算出することができ、したがって、被測定面傾斜角度の測定位置毎の相違い依存した、被測定面に対する倣い動作における追従誤差の発生が回避される。
【0017】
【実施態様6】(請求項7に対応)
実施態様6は、上記解決手段について、その伸縮機構の伸縮量を、測定時の倣い動作方向が被測定表面の上り下りのいずれの方向であるかによって変化させる伸縮量算出手段を備えていることである。
【作用】
上記伸縮機構の伸縮量を、測定時の倣い動作方向が被測定表面の上り下りのいずれの方向であるかによって変化させる伸縮量算出手段を備えていることによって、被測定面の上がり、下りのいずれの方向であるかに対応した伸縮補正量を算出することができ、したがって、被測定面の走査方向の相違に依存した、被測定面に対する倣い動作における追従誤差の発生が回避される。
【0018】
【実施態様7】(請求項8に対応)
実施態様7は、上記解決手段について、その伸縮機構の伸縮量を走査速度によって変化させる伸縮量算出手段を備えていることである。
【作用】
上記伸縮機構の伸縮量を走査速度によって変化させる伸縮量算出手段を備えていることによって、走査速度に対応した伸縮補正量を算出することができ、したがって、被測定面の走査速度の相違に依存した、被測定面に対する倣い動作における追従誤差の発生が回避される。
【0019】
【実施態様8】(請求項9に対応)
実施態様8は、上記解決手段について、その伸縮機構の動作によってプローブ軸方向の振動減衰力を発生させる伸縮機構動作量算出手段を備えていることである。
【作用】
上記伸縮機構の動作によってプローブ軸方向の振動減衰力を発生させる伸縮機構動作量算出手段を備えていることによって、被測定面に対して前記プローブが非接触の状態において、前記プローブの動吸振器として動作する。
【0020】
【実施の形態】
【実施例1】
実施例1は、従来の形状測定装置の接触式プローブにおいて、2個の伸縮機構9,10を用いたものであり、具体的には図1に示すものである。
同図において1はプローブ2の下端に固定された球である。また、4は板ばね、5はレーザ反射ミラー、6はレーザ変位計である。上記プローブ2は給気孔8から給気される静圧空気軸受7で非接触支持されることにより、その軸方向に摺動抵抗なく運動する。3はハウジングであり、移動用ステージ(図示略)に搭載される。
まず、例として荷重制御を用いた触針式形状測定装置の基本動作を説明する。
球1が被測定面(図示略)に押し付けられると、プローブ2は被測定面から受ける反力と、板ばね4による力とが釣り合う位置に変位する。このプローブ2の上下動に伴ってレーザ変位計6の出力が変化するが、移動用ステージを駆動してレーザ変位計6の出力が一定となるようにハウジング3の位置を制御して、測定圧を一定に保たせる。このようにプローブ2の測定圧を一定に保つようにハウジング3の位置を制御しながら被測定面上を倣い動作させ、動作中にハウジング3が固定された移動用ステージの軌跡を測定することによって、被測定面の形状が測定される。
【0021】
プローブ2には、被測定面倣い動作の際、球1と被測定面との間に走査方向とは逆向きの摩擦力が生じる。この摩擦力によって、静圧空気軸受7の案内方向に振動が発生し、この振動を変位として変位計6が検知してしまうことにより測定誤差となる。ここで、プローブ軸方向に伸縮する伸縮機構10を高い周波数(例えば10k〜25kHz)で駆動すると、球1の被測定面に対する接触圧が周期的に変化する。この際、接触圧の変動に伴って上記摩擦力も変動するから、この摩擦力が低減され、当該摩擦力によるプローブの振動が抑止される。
伸縮機構が1個の場合、伸縮機構動作時にプローブ全体に反力が伝達し、振動を励起してしまう可能性が生じる。これに対し、2個の伸縮機構9,10を備え、上側の伸縮機構9と下側の伸縮機構10をその振動方向が互いに逆になるように駆動することによって、伸縮機構10からプローブ全体に伝達される振動が伸縮機構9の振動によって相殺され、その結果、伸縮機構10からプローブ2全体を振動させることはない。したがって、伸縮機構10の振動で接触式プローブ全体が振動することが伸縮機構9を付加することによって抑止される。
なお、この場合の伸縮機構9,10の伸縮幅(振動振幅)は、被検材料の如何にもよるが、一般的には2〜20nmの範囲で適宜設定される。
【0022】
上記プローブ2に設けた伸縮機構9,10は、圧電素子によるものであって、これを付勢して高周波で振動させるものである。圧電素子は小型かつ軽量で、入力信号に対して高い応答性を有するので、伸縮機構9,10を付加することによるプローブ重量分は小さく、接触式プローブが大型化することもなしに、高周波振動を発生させることができる。したがって、プローブの被測定表面に対する追従性を損なわずに、高い接触摩擦低減効果が得られるという利点がある。
【0023】
【実施例2】
実施例2は、接触式プローブの傾きを検知した情報を基に伸縮機構の動作量を算出することにより、測定条件に依存することなく高い摩擦力低減効果が得られる構成としたものであり、具体的には図2に示すものである。
接触式プローブが被測定面15の上を倣い動作するとき、プローブ2の傾きを変位計12によって検出し、その情報に基づいて伸縮機構9,10を駆動している状態を模式的に示している。変位計12で検出したプローブ2の傾きについての情報は、伸縮量算出手段13に伝送され、伸縮量算出手段13で最適な伸縮量を算出した上で、その出力信号によって伸縮機構駆動手段14を制御して伸縮機構を駆動する。ここで、プローブ2の傾き量はプローブ先端部と被測定面の間に生じている摩擦力の大きさに比例するので、プローブ2の傾き量を必要最小限に小さくするように伸縮機構の伸縮量を制御することにより、上記摩擦力を低減させることができる。なお、プローブ2の傾き量を必要最小限にするような伸縮機構の伸縮幅(振動振幅)は、被測定物体の材料特性によって異なり、一様ではないから、プローブ2の傾きについての情報に基づいて伸縮機構の伸縮量を制御するための演算は、被測定物体の材料に応じたものでなければならない。
【0024】
【実施例3】
上記のプローブの傾きを検知する手段としては、高感度のものであることが必要であるから、レーザ変位計を用いるのが最も望ましく、その実施例3を図3に示している。
実施例3は、上記のレーザー反射ミラー5と上方の伸縮機構9との間に反射ミラー11を介在させ、その横にレーザ変位計12を設けてプローブ傾き検出機構を構成したものである。レーザ変位計12により検出された、レーザ変位計12と反射ミラー11の相対変位量、すなわちプローブ2上端部における横方向変位量と、プローブ2の長さと静圧空気軸受7の位置から予め算出したプローブ2の回転中心位置(概ね静圧空気軸受7の中心位置)の値に基づいてプローブ2の傾き量が演算される。プローブ2上端部における横方向変位量の検出にレーザ変位計を用いる実施例3は、例えば、電気マイクロメータによる場合等の他の方式によるプローブ傾き検出機構を用いる場合に比して、検出信号のS/Nが高く、高精度で伸縮機構の伸縮量を制御できるという利点がある。
【0025】
【実施例4】
実施例4は、接触式プローブに備える複数個の伸縮機構について、それぞれの動作により生じる反力の総和がゼロになるように、各伸縮機構を動作させることによって、プローブ全体が励振されることを防止しつつ、所望のプローブ先端部変位量を得ることができるものであり、具体的には図4に示すものである。
接触式プローブが被測定面15の上を倣い動作するときに、プローブ2の傾きを変位計12によって検出し、その検出情報に基づいて伸縮機構9,10を駆動する。上記変位計12で検出した情報は、伸縮量算出手段16に伝送され、伸縮量算出手段16においては、まず伸縮機構10について、変位計12で検出した情報に基づいて、触針式プローブ2の傾き量を最小とする伸縮量を算出する。その上で、伸縮機構10の伸縮量に基づいて、その動作によって生じる反力を相殺するために必要な伸縮機構9の伸縮量を算出する。駆動手段17では、これらの計算値を用いて伸縮機構9,10を駆動する。これによってプローブの振動を励起することなしに所望の摩擦力に低減させることができる。
また、何等かの外乱等により、プローブ全体に振動が生じた場合には、変位計6によりこの振動を検知し、当該振動を抑制するように伸縮機構の伸縮量を伸縮量算出手段16で演算し、その演算結果に基づいて駆動手段17で伸縮機構9を駆動する。これによって、発生する反力によるプローブ2全体の振動が抑制される。
【0026】
【実施例5】
実施例5は、接触式プローブに設けられた伸縮機構において、被測定面の傾斜角度情報を基に伸縮量を算出することにより、被測定面傾斜角度に依存しない振動抑止性能を得ることを可能にしたものであり、具体的には図5に示すものである。伸縮量算出手段19では、変位計12によって検出したプローブ2の傾きによる横方向変位量21と、予め被測定表面上を走査して取得した形状値から算出した各走査位置に対応した傾斜角度情報18を基に、被測定面傾斜角度に対応した伸縮補正量22を算出することができる。ここで得た伸縮補正量22を、実施例1において説明した摩擦低減を目的として伸縮動作量に加えた信号を用いて、伸縮機構駆動手段20により伸縮機構9,10を駆動することで、被測定面傾斜角度に依存することなく、被測定面15に対する倣い動作の追従性を向上させ、高い摩擦低減効果を得ることができる。
【0027】
さらに、図5の実施例では、接触式プローブに備えた伸縮機構において、被測定面上を倣い動作する際の走査方向が上り下りのいずれの方向であるかを基に伸縮量を変化させることにより、走査方向に依存しない振動抑止性能が得られるようにしてあり、具体的には、変位計12で検出したプローブ2の傾きによる横方向変位量21と、予め被測定表面上を走査して取得した形状値から算出した各走査位置に対応した傾斜角度情報18を基にして、上り下りのいずれの方向であるかに対応した伸縮補正量22を伸縮量算出手段19で演算する。そして上記伸縮補正量22を、実施例1における伸縮動作量に加えた信号を用いて、伸縮機構駆動手段20により伸縮機構9,10を駆動する。これによって、走査方向に関わりなく、被測定面15に対する倣い動作の追従性が向上され、高い摩擦低減効果が得られる。
【0028】
【実施例6】
実施例6は、伸縮機構を備えた接触式プローブが被測定面上を倣い動作するときに、走査速度情報を基に伸縮量を算出することにより、被測定面傾斜角度に依存しないで振動抑止性能を得られるようにしたものであり、具体的には、図6に示すものである。
変位計12で検出したプローブ2の傾きによる横方向変位量21と、予め被測定表面上を走査して取得した形状値から算出した各走査位置に対応した傾斜角度情報18と、走査方向変位センサ(図示略)によるプローブ2の走査速度情報23とに基づいてプローブの傾きを算出し、このプローブの傾きがゼロになるまでに生じるプローブ全体の移動量24から、被測定面の傾斜角度に対応した伸縮補正量22を算出する。走査速度が高い程、上記摩擦低減を目的とする伸縮動作量に伸縮補正量22を加えた信号を用いて、伸縮機構駆動手段20で伸縮機構9,10を駆動する。これによって、被測定面傾斜角度やプローブ走査速度設定値に関わりなく、被測定面15に対する倣い動作の追従性が向上され、高い摩擦低減効果が得られる。
【0029】
【実施例7】
実施例7は、接触式プローブに設けられた伸縮機構を、プローブ自身の動吸振器として動作させるための伸縮機構動作量算出手段を有し、これによって、前記接触式プローブに振動減衰機能を持たせたものであり、具体的には図7に示すものである。触針式プローブ2には、測定点移動の際等における、被測定面に対して非接触な状態で、静圧空気軸受7の案内方向の振動を生じる。この振動を変位として変位計6で検知し、検知した信号に応じて伸縮量算出手段25で伸縮機構9,10を駆動するための伸縮量を計算し、その信号値に基づいて駆動手段26により伸縮機構9,10を駆動する。伸縮機構の伸縮に伴って、上方の伸縮機構9と下方の伸縮機構10の質量が変位した際の反力を、プローブ全体の振動と逆位相になるように伸縮機構を駆動する。これによって、プローブ全体の振動が抑制される。
以上のようにすることで、プローブ自身の動吸振器として動作させるための伸縮機構動作量算出手段を有することになり、これによって、プローブ2の振動が抑制される。
【0030】
なお、以上の接触式プローブの伸縮機構への電源供給は、接触式プローブの支持部材を介して行うことが望ましく、これによって、電源供給機構でプローブの動作が妨げられることを回避できる。すなわち、伸縮機構を駆動するための電源を、支持部材を介して供給することによって、新たに電源用配線を付設した場合に生じる接触式プローブの動特性への影響が回避される。
【0031】
【発明の効果】
この発明の効果を各請求項毎に整理すれば次のとおりである。
1.請求項1に係る発明
接触式プローブについて、プローブに2個以上の伸縮機構を設け、その伸縮方向を互いに逆にすることにより、プローブ先端と被測定面間で摩擦力を低減しつつ、伸縮機構の振動によって接触式プローブが振動することを抑止することができる。
【0032】
2.請求項2に係る発明
請求項1の発明の効果の他、軽量かつ省スペースで、2個以上の応答性の高い振動機構をプローブに配置することができ、これによって、高周波振動に対して優れた摩擦力低減機能を発揮し、優れた振動抑止効果を生じさせることができる。
【0033】
3.請求項3に係る発明
請求項1に係る発明の他、プローブの振動発生要因となるプローブの傾きを検知し、これを効果的に抑制することができる。
【0034】
4.請求項4に係る発明
請求項1に係る発明の効果の他、プローブの傾きを高精度で検知することができる。
【0035】
5.請求項5に係る発明
請求項1に係る発明の効果の他、プローブ全体の振動を励起することなくプローブ先端の変位を生じさせることができる。
【0036】
6.請求項6に係る発明
請求項1に係る発明の効果の他、被測定表面の傾斜角度に依存することなく、プローブ全体の振動を抑止することができる。
【0037】
7.請求項7に係る発明
請求項1に係る発明の効果の他、被測定表面上での倣い動作方向に依存することなくプローブ全体の振動を抑止することができる。
【0038】
8.請求項8に係る発明
請求項1に係る発明の効果の他、被測定表面上でのプローブの走査速度に依存することなくプローブ全体の振動を抑止することができる。
【0039】
9.請求項9に係る発明
請求項1に係る発明の効果の他、前記伸縮機構の動作を、動吸振器として機能させることによって、被測定面に対して非接触状態で速やかに振動を減衰させることができる。
【0040】
10.請求項10に係る発明
請求項1に係る発明の効果の他、簡便な機構で、接触式プローブの動特性に影響を与えることなく、伸縮機構への給電機構を構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】は、実施例1を模式的に示す断面図である。
【図2】は、実施例2を模式的に示す断面図である。
【図3】は、実施例3を模式的に示す断面図である。
【図4】は、実施例4を模式的に示す断面図である。
【図5】は、実施例5を模式的に示す断面図である。
【図6】は、実施例6を模式的に示す断面図である。
【図7】は、実施例7を模式的に示す断面図である。
【図8】は、従来例を模式的に示す断面図である。
【符号の説明】
1:球
2:接触式プローブ
3:ハウジング
4:板ばね
5:レーザ反射ミラー
6:レーザ変位計
7:静圧空気軸受
8:給気孔
9,10:伸縮機構
11:反射ミラー
12:レーザ変位計
13:伸縮量算出手段
14:伸縮機構駆動手段
15:被測定面
16:伸縮量算出手段
17:駆動手段
18:傾斜角度情報
19:伸縮量算出手段
20:伸縮機構駆動手段
21:横方向変位量
22:伸縮補正量
23:走査速度情報
24:移動量
25:伸縮量算出手段
26:駆動手段
27:引張りコイルばね
28:粘性部材

Claims (10)

  1. 被測定物体の表面にプローブ先端を接触させることによって前記被測定物体の表面形状を測定する接触式表面形状測定装置の接触式プローブにおいて、
    前記プローブに2個以上の伸縮機構を設け、その伸縮方向を互いに逆にしたことを特徴とする接触式プローブ。
  2. 前記伸縮機構が圧電素子で構成されていることを特徴とする請求項1の接触式プローブ。
  3. 前記プローブの傾き量を検知する機構と、前記検知機構により検知した情報を用いて前記伸縮機構の動作量を算出する手段を備えていることを特徴とする請求項1の接触式プローブ。
  4. 前記検知機構がレーザ変位計により構成されていることを特徴とする請求項3の接触式プローブ。
  5. 前記伸縮機構の一方を駆動した際に生じるプローブへの反力を、他方の伸縮機構の動作により発生する力により制御する為の伸縮機構の動作量を計算する動作量算出手段を備えていることを特徴とする請求項1の接触式プローブ。
  6. 前記伸縮機構の伸縮量を被測定表面の傾斜角度によって変化させる伸縮量算出手段を備えていることを特徴とする請求項1の接触式プローブ。
  7. 前記伸縮機構の伸縮量を、測定時の倣い動作方向が被測定表面の上り下りのいずれの方向であるかによって変化させる伸縮量算出手段を備えていることを特徴とする請求項1の接触式プローブ。
  8. 前記伸縮機構の伸縮量を走査速度によって変化させる伸縮量算出手段を備えていることを特徴とする請求項1の接触式プローブ。
  9. 前記伸縮機構の動作によってプローブ軸方向の振動減衰力を発生させる伸縮機構動作量算出手段を備えていることを特徴とする請求項1の接触式プローブ。
  10. 接触式プローブの支持部材を介して伸縮機構への給電機構を構成したことを特徴とする請求項1の接触式プローブ。
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