JP2008265943A - 作業機の作動油量制御装置 - Google Patents

作業機の作動油量制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2008265943A
JP2008265943A JP2007110718A JP2007110718A JP2008265943A JP 2008265943 A JP2008265943 A JP 2008265943A JP 2007110718 A JP2007110718 A JP 2007110718A JP 2007110718 A JP2007110718 A JP 2007110718A JP 2008265943 A JP2008265943 A JP 2008265943A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
oil amount
boom
amount
hydraulic
oil
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2007110718A
Other languages
English (en)
Other versions
JP4966081B2 (ja
Inventor
Yasuhiro Maeda
泰宏 前田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tadano Ltd
Original Assignee
Tadano Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tadano Ltd filed Critical Tadano Ltd
Priority to JP2007110718A priority Critical patent/JP4966081B2/ja
Publication of JP2008265943A publication Critical patent/JP2008265943A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4966081B2 publication Critical patent/JP4966081B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Control And Safety Of Cranes (AREA)
  • Jib Cranes (AREA)

Abstract

【課題】作動油の油量不足の発生を未然に回避し、作業機の動作上の信頼性を高めること。
【解決手段】複数の油圧シリンダによって駆動される作業機の作動油量制御装置において、作動油タンク内の残油量を取得する残油量取得手段20と、残油量と予め設定した残油量下限値とを比較し残油量が残油量下限値以下に低下した場合に動作規制信号を出力する動作規制信号出力手段23と、動作規制信号を受けたとき残油量が減少する方向への油圧シリンダの駆動を規制すべくシリンダ駆動手段に駆動制御信号を出力する駆動制御手段24を備える。残油量が残油量下限値以下に低下した場合には、動作規制信号出力手段23から動作規制信号が出力され、この動作規制信号を受けたとき、駆動制御手段24から駆動制御信号が出力され、油圧シリンダの残油量が減少する方向への駆動が規制され、作動油の油量不足が未然に防止され、作業機の動作上の信頼性が確保される。
【選択図】図2

Description

本願発明は、例えば、クレーン車の如く複数の油圧シリンダによって駆動される作業機において、作動油量不足の発生を未然に回避し得るようにした作動油量制御装置に関するものである。
例えば、クレーン車の如く複数の油圧シリンダによって駆動される作業機においては、これら油圧シリンダに供給される作動油を貯留する作動油タンクを備えている(例えば、特許文献1、特許文献2参照)。
ところで、クレーン車のように車両上に作業装置を搭載してなる作業機においては、車両重量が法的に規制されている一方、作業装置の大型化あるいは多機能化によって作業装置の重量が嵩む傾向にある。このため、作業機においては、これら相反する要求を満足させる一つの手段として、作動油タンクへの作動油の貯留量を、複数の油圧シリンダを含む全油圧アクチュエータの同時駆動時に必要な作動油量よりも少ない量に設定して作動油重量の減量分だけ車両重量の軽減を図るとか、作動油重量の減量分を作業装置の大型化あるいは多機能化に振り向け、法定の車両重量範囲内での大型化あるいは多機能化を実現するようにしている。
ところが、このように作動油タンクへの作動油の貯留量を制限した場合には、当然のことながら、各油圧アクチュエータの作動状況によっては、作動油量が不足する事態が生じることになる。例えば、油圧シリンダにおいてはその全伸状態においては作動油使用量が最大となるため、幾つかの油圧シリンダが共に全伸状態近くにある場合において、さらに他の油圧シリンダが作動油使用量の増加側(即ち、伸長側)へ作動されたような場合には、作動油の油量不足が発生することも考えられる。
しかるに、このような作動油量不足の発生を回避するための有効な技術は未だ提案されておらず、従って、作業機の動作上の信頼性の確保という点において問題があった。
尚、特許文献2には、作業装置の稼動中における作動油の漏洩による油圧ポンプの空転とか焼き付きを回避するために、油圧シリンダにおける使用油量と作動油タンクの残油量の合計量が、所定油量(即ち、油圧ポンプの空転とか焼き付きが発生しない最少油量)よりも低下したときに、作動油不足と判断し、警報を発するようにした技術が提案されているが、係る技術は作動油の漏洩による作動油不足の対処法であって、油圧アクチュエータの作動状況によって発生し得る作動油の油圧シリンダ量不足を未然の一方回避する有効な手段とはなり得ない。
また、特許文献3には、伸縮ブームを一本の油圧シリンダで一段ずつ伸縮させる伸縮機構に関する技術が提案されている。この伸縮機構における作動を、図8を参照して簡単に説明する。
同図(イ)は、伸縮ブーム3の全縮状態を示している。ここで、この伸縮ブーム3は、ベースブーム3Aに対して中間ブーム3Bとトップブーム3Cを伸縮可能に嵌挿して構成されている。
そして、この伸縮ブーム3内に一本のブーム伸縮シリンダ7が嵌装されている。このブーム伸縮シリンダ7は、そのロッド7Bの端部を支点ピン11によって上記ベースブーム3Aの基端部に連結する一方、そのシリンダチューブ7Aのロッド側端部を連結ピン12によって上記トップブーム3Cの基端部に連結している。尚、この場合、この連結ピン12は、上記トップブーム3Cの基端部と上記中間ブーム3Bの基端部(同図(ニ)参照)に対して選択的に連結可能とされている。
この伸縮ブーム3を全縮状態から全伸させる場合、先ず、上記ブーム伸縮シリンダ7を伸長させる。すると、このブーム伸縮シリンダ7の伸長によって、同図(ロ)に示すように上記中間ブーム3Bを残したまま、上記トップブーム3Cのみが伸長し、その全伸位置で停止する。ここで、上記中間ブーム3Bの先端部と上記トップブーム3Cの基端部を図示しない固定ピンによって連結固定し、これら両者を一体化させる。
しかる後、上記連結ピン12を上記トップブーム3Cの基端部から取り外し、上記ブーム伸縮シリンダ7を全縮させる(同図(ハ)参照)。
つぎに、上記連結ピン12を上記中間ブーム3Bの基端部に連結し、再び上記ブーム伸縮シリンダ7を伸長させる。すると、同図(ニ)に示すように、上記ブーム伸縮シリンダ7の伸長によって上記中間ブーム3Bが上記トップブーム3Cと共に伸長され、上記伸縮ブーム3が全伸状態とされる。
ここで、上記中間ブーム3Bの基端部と上記ベースブーム3Aの先端部を図示しない固定ピンによって連結固定し、これら両者を一体化させる。これによって、上記伸縮ブーム3の上記ベースブーム3Aと上記中間ブーム3B及び上記トップブーム3Cの三者は全伸状態で一体化される。
しかる後、上記連結ピン12を上記中間ブーム3Bの基端部から取り外し、上記ブーム伸縮シリンダ7を全縮させると、同図(ホ)に示すように、上記伸縮ブーム3が全伸状態とされたまま、上記ブーム伸縮シリンダ7は全縮状態で上記ベースブーム3A側に位置されることになる。尚、この場合、伸縮ブーム3の縮小動作を考慮して、上記連結ピン12による上記中間ブーム3Bの基端部と上記ブーム伸縮シリンダ7との連結状態を維持することもある。以上で、上記伸縮ブーム3の伸長動作が完了する。
このような伸縮機構を備えた場合には、上記ブーム伸縮シリンダ7が一本であり、しかも伸縮ブーム3の全伸状態においては該ブーム伸縮シリンダ7を全縮状態(即ち、作動油使用量が少ない状態)とすることができるため、例えば、上記伸縮ブーム3を複数本のブーム伸縮シリンダで伸縮させる構成のように、全伸状態では各ブーム伸縮シリンダが共に全伸状態(即ち、作動油使用量が多い状態)に保持される場合に比して、作動油の使用量が少なくて済むことになり、作動油タンクの作動油貯留量の低減という点においては有利である。
しかし、この伸縮機構の技術を、油圧アクチュエータの作動状況によって発生し得る作動油の油量不足を未然回避する技術としてそのまま適用しても有用な効果を得ることはできない。
実開昭59−64891号公報 特開平4−238921号公報 特開2003−2583号公報。
そこで本願発明は、油圧シリンダの稼動状況によっては作動油の残油量が下限値近くまで減少することがあり得ることを前提とし、残油量が下限値近くからさらに減少するのを規制すれば油量不足の発生を回避し得る、との観点から、作動油の油量不足の発生が懸念される状態においては作動油がさらに減少する方向への油圧シリンダの動作を規制することで、作動油の油量不足の発生を未然に回避し、もって作業機の動作上の信頼性を高めることを目的としてなされたものである。
本願発明ではかかる課題を解決するための具体的手段として次のような構成を採用している。
本願の第1の発明では、複数の油圧シリンダによって駆動される作業機の作動油量制御装置において、作動油タンク内の残油量を取得する残油量取得手段と、上記残油量と予め設定した残油量下限値とを比較し残油量が残油量下限値以下に低下した場合に動作規制信号を出力する動作規制信号出力手段と、上記動作規制信号を受けたとき上記残油量が減少する方向への上記油圧シリンダの駆動を規制すべくシリンダ駆動手段に駆動制御信号を出力する駆動制御手段と備えたことを特徴としている。
本願の第2の発明では、上記第1の発明に係る作業機の作動油量制御装置において、上記残油量取得手段を、上記各油圧シリンダにおいて使用されている全使用油量と作動油タンクに貯留されるタンク総油量とに基づいて演算により上記残油量を取得する構成としたことを特徴としている。
本願の第3の発明では、上記第1の発明に係る作業機の作動油量制御装置において、上記残油量取得手段を、作動油タンク内の残油量を直接検出する構成としたことを特徴としている。
本願の第4の発明では、上記第3の発明に係る作業機の作動油量制御装置において、上記残油量の検出に、作動油タンク内の作動油の油温を反映させることを特徴としている。
本願の第5の発明では、上記第1、第2、第3又は第4の発明に係る作業機の作動油量制御装置において、上記各油圧シリンダの一つがベースブーム内に順次複数の先端側ブームをそれぞれ伸縮自在に嵌挿してなる伸縮ブームに内挿された伸縮駆動用油圧シリンダであって、該伸縮駆動用油圧シリンダはそのロッド端部がベースブーム基端部に軸支される一方、シリンダチューブのロッド側端部は目的とするブームの基端部と連結・解除可能とされるとともに、上記伸縮ブームの隣接するブーム同士が固定・解除可能とされ、上記伸縮駆動用油圧シリンダの伸縮によって上記複数の先端側ブームが上記ベースブームに対して一段ずつ伸縮駆動されるように構成した伸縮機構を備えたものにあっては、上記動作規制信号を受けたとき上記伸縮駆動用油圧シリンダを縮小作動させることを特徴としている。
本願の第6の発明では、上記第5の発明に係る作業機の作動油量制御装置において、上記伸縮駆動用油圧シリンダの長さ検出手段を備え、上記動作規制信号を受けたとき、上記伸縮駆動用油圧シリンダの長さが予め設定した所定長さ以下であるか否かを判断し、所定長さ以下でないときに上記伸縮駆動用油圧シリンダの縮小作動を実行させることを特徴としている。
本願発明では次のような効果が得られる。
(a)本願の第1の発明に係る作業機の作動油量制御装置によれば、残油量取得手段によって取得される作動油タンク内の作動油の残油量と、予め設定した残油量下限値を比較し、残油量が残油量下限値以下に低下した場合には、動作規制信号出力手段から動作規制信号が出力され、この動作規制信号を受けたとき、駆動制御手段から駆動制御信号が出力され、上記残油量が減少する方向への上記油圧シリンダの駆動が規制されるので、残油量が下限値以下に低下した状態においてさらに残油量が減少して作動油の油量不足に至ることが未然に且つ確実に防止され、延いては、作業機の動作上の信頼性が確保されることになる。
(b)本願の第2の発明に係る作業機の作動油量制御装置によれば、上記残油量取得手段を、上記各油圧シリンダにおいて使用されている全使用油量と作動油タンクに貯留されるタンク総油量とに基づいて演算により上記残油量を取得する構成としているので、作業機の動作に伴って時々刻々と変化する残油量を常時連続的に取得することができ、作動油の油量不足をより一層確実に回避でき、上記(a)に記載の効果がさらに確実ならしめられる。
(c)本願の第3の発明に係る作業機の作動油量制御装置によれば、上記残油量取得手段を、作動油タンク内の残油量を直接検出する構成としているので、該残油量取得手段の構成及び制御系がより簡単となり、延いてはより安価に上記(a)に記載の効果を得ることができる。
(d)本願の第4の発明に係る作業機の作動油量制御装置によれば、上記(c)に記載の効果に加えて以下のような特有の効果が得られる。即ち、この発明では、上記残油量の検出に、作動油タンク内の作動油の油温を反映させるようにしているので、作動油の油量は油温に基づく体積膨張によって増減変化するものであることからして、より精度良く残油量を検出することができる。
(e)本願の第5の発明に係る作業機の作動油量制御装置によれば、上記第1、第2、第3又は第4の発明に係る作業機の作動油量制御装置において、上記各油圧シリンダの一つがベースブーム内に順次複数の先端側ブームをそれぞれ伸縮自在に嵌挿してなる伸縮ブームに内挿された伸縮駆動用油圧シリンダであって、該伸縮駆動用油圧シリンダはそのロッド端部がベースブーム基端部に軸支される一方、シリンダチューブのロッド側端部は目的とするブームの基端部と連結・解除可能とされるとともに、上記伸縮ブームの隣接するブーム同士が固定・解除可能とされ、上記伸縮駆動用油圧シリンダの伸縮によって上記複数の先端側ブームが上記ベースブームに対して一段ずつ伸縮駆動されるように構成した伸縮機構を備えたものにあっては、上記動作規制信号を受けたとき上記伸縮駆動用油圧シリンダを縮小作動させるようにしているので、該伸縮駆動用油圧シリンダの縮小によって、例えば、該伸縮駆動用油圧シリンダが全伸状態のまま保持される構成の場合に比して、該伸縮駆動用油圧シリンダの伸長側油室と縮小側油室の容積差に相当する油量だけ残油量が増加し、油量不足に至るのが抑制されることから、上記(a)、(b)、(c)又は(d)に記載の効果がさらに促進される。
(f)本願の第6の発明に係る作業機の作動油量制御装置によれば、上記第5の発明に係る作業機の作動油量制御装置において、上記伸縮駆動用油圧シリンダの長さ検出手段を備え、上記動作規制信号を受けたとき、上記伸縮駆動用油圧シリンダの長さが予め設定した所定長さ以下であるか否かを判断し、所定長さ以下でないときに上記伸縮駆動用油圧シリンダの縮小作動を実行させるように構成しているので、上記伸縮駆動用油圧シリンダの縮小に伴ってその縮小分だけ残油量が増加し、該残油量が減少する方向への上記複数の油圧シリンダの駆動規制が解除され、該複数の油圧シリンダの駆動が可能となる。
以下、本願発明を好適な実施形態に基づいて具体的に説明する。
図1には、本願発明に係る作動油量制御装置が装備された作業機としてのクレーン車Zを示している。このクレーン車Zは、車両1上に搭載した旋回台2に、伸縮ブーム3の基端部を起伏可能に連結するとともに、該伸縮ブーム3の先端にはジブ4を起伏可能に連結して構成される。
上記伸縮ブーム3は、該伸縮ブーム3の基端側に位置しその基端部が上記旋回台2側に連結されたベースブーム3Aと、該ベースブーム3A内に伸縮自在に嵌挿された中間ブーム3Bと、該中間ブーム3B内に伸縮自在に嵌挿されたトップブーム3Cを備えて構成され、上記ベースブーム3Aと上記旋回台2の間に配置したブーム起伏シリンダ5の伸縮によって起伏駆動される。また、この伸縮ブーム3の伸縮動作は、単一の油圧シリンダを用いて上記ベースブーム3Aに対して上記トップブーム3Cと上記中間ブーム3Bを一段ずつ伸縮させるようにした既述の伸縮機構(図8参照)によって行なわれるようになっている。このため、上記ベースブーム3A内には、該ベースブーム3Aの基端部にそのロッド端が連結された一本のブーム伸縮シリンダ7が配置されている。また、このブーム伸縮シリンダ7のシリンダチューブのロッド側端部は、上記中間ブーム3Bの基端部と上記トップブーム3Cの基端部に対して選択的に連結・解除可能とされている。さらに、上記ベースブーム3Aの先端部と上記中間ブーム3Bの基端部、上記中間ブーム3Bの先端部と上記トップブーム3Cの基端部は、それぞれ選択的に連結・解除可能とされており、係る構成は既述の通りである。
尚、上記伸縮ブーム3を従来一般的な伸縮機構、即ち、各ブームを複数の油圧シリンダとワイヤロープの協働によって伸縮させる構成も採用し得ることは言うまでも無い。
上記ジブ4は、多段伸縮構成とされ、上記トップブーム3Cの先端部との間に配置されたジブ起伏シリンダ6によって起伏駆動される。また、このジブ4には、従来公知の伸縮機構、即ち、内蔵された複数本のジブ伸縮シリンダ8(図1には、作図の便宜上、基端側の油圧シリンダのみを示している)と各段のジブ間に掛け回されたワイヤーロープで構成される伸縮機構が装備されており、上記各油圧シリンダの伸縮動作と各ワイヤーロープの引張動作の協働によって伸縮駆動される。
また、上記旋回台2の後部には、上記各油圧シリンダ5〜8の他、旋回用油圧モータとかアウトリガ10用の油圧シリンダ等の油圧アクチュエータに供給される作動油を貯留する作動油タンク9が備えられている。
ところで、このクレーン車Zにおいては、車両重量を抑える等の観点から、上記作動油タンク9には、上記各油圧アクチュエータの全てを同時駆動させるに十分な油量は貯留されておらず、従って、これら各油圧アクチュエータの全てが同時に駆動されたような場合には油量不足が発生する可能性がある。そして、上記作動油タンク9内の残油量が少なくなった状態下において駆動されたとき、油量不足を引き起こす可能性のある油圧アクチュエータは、上記ブーム起伏シリンダ5とジブ起伏シリンダ6とブーム伸縮シリンダ7及びジブ伸縮シリンダ8であって、これ以外の油圧アクチュエータのうち、旋回用油圧モータは如何なる駆動状態においてもその使用油量は一定であるため、また上記アウトリガ10のジャッキ用油圧シリンダ及びスライド用油圧シリンダはその使用油量そのものが少ないことから、その駆動によって油量不足を引き起こす可能性は少ない。
そこで、上記各油圧アクチュエータの使用油量を勘案して、このクレーン車Zにおいては、上記ブーム起伏シリンダ5とジブ起伏シリンダ6とブーム伸縮シリンダ7及びジブ伸縮シリンダ8のそれぞれについて、上記作動油タンク9の残油量が一定以下に低下した状態における、残油量が減少する方向への駆動を規制することとし、これによって油量不足の発生を未然に且つ確実に回避するようにしている。以下、この作動油の油量制御を具体的に説明する。
先ず、本願発明に係る作動油量制御装置の制御思想について説明する。
第1の制御思想としては、油圧アクチュエータの駆動に伴う作動油の油量不足を未然に回避する具体的手法に関するもので、油量不足を未然に回避するに際して、作動油タンク9内の残油量を取得し、この残油量と予め設定した残油量下限値を比較し、残油量が残油量下限値以下に低下した場合には油圧アクチュエータの駆動に伴って作動油量不足が発生する可能性があるものと判断し、その場合には残油量の更なる低下につながる方向への油圧アクチュエータの動作を禁止するものである。
ここで、上記「残油量下限値」は、作業機の作業状況等に応じて任意に設定できるものであって、上述のように「油圧ポンプの空転とか焼き付きが発生しない程度の最少油量」に設定する他に、例えば、最も使用油量が多い上記伸縮ブーム3の全伸状態、即ち、上記ブーム伸縮シリンダ7が全伸している状態下において、さらに上記ジブ4を駆動させることができるような最少油量に設定することもできる。
また、このように残油量下限値を、上記ジブ4を駆動させることができるような最少油量に設定した場合には、例え上記ジブ4を駆動させることができても、このジブ4の駆動に伴って残油量が減少するため、これが上記残油量下限値以下に低下すると該ジブ4の駆動を継続できないという事態も起こり得るが、この場合の一つの対策として、例えば、上記残油量下限値を、当初設定値よりさらに低い値に変更設定することが考えられ、これによって上記ジブ4の駆動を継続させることができる。
そして、この第1の制御思想の下、残油量の取得手法として以下の二つの手法を採用している。その一つは、油圧アクチュエータにおける現在の使用油量を検出し、この使用油量と作動油タンク9に当初貯留されたタンク総油量とに基づき演算にて残油量を算出して取得するものである(以下、「第1の残油量取得手法」という)。他のひとつは、残油量を検出器によって直接検出するとともに、その場合、油温による残油量の体積変化を考慮して残油量を取得する手法である(以下、「第2の残油量取得手法」という)。
第2の制御思想は、作動油の油量不足を引き起こす可能性が高い油圧アクチュエータ、即ち、ブーム起伏シリンダ5とジブ起伏シリンダ6とブーム伸縮シリンダ7及びジブ伸縮シリンダ8のみを制御対象とし、旋回用油圧モータ等を制御対処から除外し、これによって簡易且つ安価な制御で油量不足を回避するものである。従って、後述する実施形態においては、アウトリガ10のスライドシリンダは制御対象としていないが、スライドシリンダの構造によってはこれも制御対象に含め得ることは勿論である(これについては後述する)。
第3の制御思想は、伸縮ブーム3の伸縮機構に関する思想である。即ち、油圧シリンダの伸縮機構としては、各ブームを個別の油圧シリンダを用いて伸縮させる従来一般的な伸縮機構(以下、「第1の伸縮機構」という)と、図8を参照して説明したように、各ブームを一本の油圧シリンダで一段ずつ伸縮させる伸縮機構(以下、「第2の伸縮機構」という)がある。前者においては、ブーム伸長状態では各油圧シリンダもそれぞれ伸長状態を保持し多量の作動油を使用した状態にある。これに対して、後者においては、ブーム伸長状態においては油圧シリンダを縮小させて保持することができるので、該油圧シリンダの使用油量は少なく、その分だけ作動油タンク9の残油量が増加することになる。このような伸縮ブーム3の伸縮機構の相違を油量不足の回避制御に反映させるのが第3の制御思想である。
ここで、上記油圧シリンダの縮小に伴って残油量の増加が望めるとしても、例えば、残油量下限値を、上述のように上記ジブ4を駆動させ得るような油量に設定した場合には、油圧シリンダの縮小に伴う増加油量が上記ジブ4を駆動させ得ない油量であると油圧シリンダを縮小させる意味が無くなるため、以下の第1及び第3実施形態においては、上記油圧シリンダを縮小作動させる場合の最少長さを「所定長さ」として予め設定し、上記油圧シリンダの現時点での長さが所定長さ以下である場合には該油圧シリンダの縮小作動を行なわないようにしている。尚、このように上記油圧シリンダの縮小作動の基準となる上記「所定長さ」は、上記「残油量下限値」との関係から設定されるものであるため、例えば、残油量を多く確保するために残油量下限値をより高油量側に設定したいような場合には、上記「所定長さ」をさらに短く設定すれば良く、場合によっては上記「所定長さ」を「全縮状態」に設定することもできる。
以上の各制御思想を踏まえて、実際の作動油量制御を第1〜第4の実施形態に基づいて具体的に説明する。
尚、第1の実施形態は、「第1の残油量取得手法」を採用し、且つ上記伸縮ブーム3を「第2の伸縮機構」により伸縮させるものを対象としている。
第2の実施形態は、「第1の残油量取得手法」を採用し、且つ上記伸縮ブーム3を「第1の伸縮機構」により伸縮させるものを対象としている。
第3の実施形態は、「第2の残油量取得手法」を採用し、且つ上記伸縮ブーム3を「第2の伸縮機構」により伸縮させるものを対象としている。
第4の実施形態は、「第2の残油量取得手法」を採用し、且つ上記伸縮ブーム3を「第1の伸縮機構」により伸縮させるものを対象としている。
A:第1の実施形態
第1の実施形態に係る作動油量制御装置は、上述のように、「第1の残油量取得手法」を採用し、且つ上記伸縮ブーム3を「第2の伸縮機構」により伸縮させるものを対象としており、図2にはその制御ブロックを示している。
この第1の実施形態の制御ではコントローラ30を備え、このコントローラ30に対して各種の入力要素と出力要素が付設されている。
入力要素としては、伸縮ブーム3の操作入力(伸縮操作と起伏操作に関する入力)を検出するブーム操作入力検出器31と、ジブ4の操作入力(伸縮操作と起伏操作に関する入力)を検出するジブ操作入力検出器32と、ブーム伸縮シリンダ7の長さを検出するブーム伸縮シリンダ長さ検出器33と、伸縮ブーム3の起伏角(即ち、間接的にブーム起伏シリンダ5の長さ)を検出するブーム起伏角検出器34と、ジブ伸縮シリンダ8の長さを検出するジブ長さ検出器35と、ジブ4の起伏角(即ち、間接的にジブ起伏シリンダ6の長さ)を検出するジブ長さ検出器35が備えられている。
尚、上記ジブ伸縮シリンダ8は、上述のようにジブ4に備えられた複数の油圧シリンダの集合体として便宜的に把握されるものであり、またジブ長さ検出器35もこの複数の油圧シリンダの長さの集合として便宜的に把握されるものである。
出力要素としては、ブーム伸縮シリンダ7への作動油の給排を制御する制御弁で構成されるブーム伸縮シリンダ駆動手段41と、ブーム起伏シリンダ5への作動油の給排を制御する制御弁で構成されるブーム起伏シリンダ駆動手段42と、ジブ伸縮シリンダ8への作動油の給排を制御する制御弁で構成されるジブ伸縮シリンダ駆動手段43と、ジブ起伏シリンダ6への作動油の給排を制御する制御弁で構成されるジブ起伏シリンダ駆動手段44と、油量不足の可能性を表示し、且つ警報を発する表示・警報手段45が備えられている。
上記コントローラ30には、使用油量算出手段21と残油量算出手段22と動作規制信号出力手段23と駆動制御手段24の各手段と、タンク総油量メモリ25と残油量下限値メモリ26が備えられている。
上記使用油量算出手段21は、上記ブーム伸縮シリンダ長さ検出器33からのブーム伸縮シリンダ7の使用油量と、上記ブーム起伏角検出器34からのブーム起伏シリンダ5の使用油量と、上記ジブ長さ検出器35からのジブ伸縮シリンダ8の使用油量と、上記ジブ起伏角検出器36からのジブ起伏シリンダ6の使用油量を受けて、これら各使用油量の総和である全使用油量Qaを算出し、これを次述の残油量算出手段22に出力する。尚、上記ブーム起伏シリンダ5の使用油量は、ブーム起伏角に対応するブーム起伏シリンダ5の長さに基づいて算出され、また、上記ジブ起伏シリンダ6の使用油量は、ジブ起伏角に対応するジブ起伏シリンダ6の長さに基づいて算出されることは言うまでもない。
上記残油量算出手段22は、上記使用油量算出手段21からの全使用油量Qaと、上記タンク総油量メモリ25から読み出されるタンク総油量Qtを受けて、演算により現在の作動油タンク9内の残油量Qbを算出し、これを次述の動作規制信号出力手段23へ出力する。
上記動作規制信号出力手段23は、上記残油量算出手段22からの残油量Qbと上記残油量下限値メモリ26からの残油量下限値Qmを受けてこれらを比較し、残油量Qbが残油量下限値Qmと同じか少なくなった場合に、動作規制信号Cを次述の駆動制御手段24に出力する。
上記駆動制御手段24には、上記ブーム操作入力検出器31からの上記伸縮ブーム3に関する操作入力と上記ジブ操作入力検出器32からの上記ジブ4に関する操作入力が常時入力されており、上記動作規制信号出力手段23から上記動作規制信号Cを受けたときには、上記ブーム伸縮シリンダ駆動手段41とブーム起伏シリンダ駆動手段42とジブ伸縮シリンダ駆動手段43及びジブ起伏シリンダ駆動手段44のうち、使用油量が増加する方向に操作されようとしている油圧シリンダに対して駆動制御信号を出力し、その動作を規制し、これによって作動油の油量不足の発生を未然に且つ確実に防止するものである。
尚、この実施形態では、上記ブーム伸縮シリンダ長さ検出器33とブーム起伏角検出器34とジブ長さ検出器35とジブ起伏角検出器36と使用油量算出手段21と残油量算出手段22及びタンク総油量メモリ25によって特許請求の範囲中の「残油量取得手段20」が構成される。
続いて、図3に示すフローチャートに基づいて、実際の作動油量制御を説明する。
制御開始後、先ずステップS1において、ブーム長さとブーム起伏角とジブ長さとジブ起伏角、及びブーム操作入力とジブ操作入力をそれぞれ読み込む。
次に、ステップS2において、各油圧シリンダ5〜8の使用油量を求め、さらにその全使用油量Qaを求める。そして、ステップS3においては、全使用油量Qaとタンク総油量Qtから現在の残油量Qbを求める。
しかる後、ステップS4において、上記残油量Qbとメモリから読み出される残油量下限値Qmを対比する。ここで、「Qm<Qb」である場合には、残油量Qbに余裕があり油量不足に陥る恐れがないため、油圧シリンダの動作を禁止することなくこれを許容する(ステップS5)。
これに対して、「Qm≧Qb」である場合、即ち、残油量Qbが残油量下限値Qm以下に低下し、さらに残油量Qbが減少する方向に油圧シリンダが動作すると油量不足に陥る恐れがある場合には、油圧シリンダの動作禁止制御あるいは残油量の回復制御に移行する。
即ち、ステップS6においては、これ以上に残油量を増加させることはできないため、上記各油圧シリンダ5〜8の使用油量が増加する方向の動作、例えば、伸縮ブーム3の起仰動作と伸長動作、及び上記ジブ4の起仰動作と伸長動作を禁止し、油圧シリンダの駆動に伴って油量不足に陥るのを未然に回避する。
さらに、ステップS7において、ブーム伸縮シリンダ7が所定長さ以下に縮小したかどうかが判断される。ここで、上記ブーム伸縮シリンダ7が所定長さ以下に縮小していると判断された場合には、これ以上に有効な(即ち、上記ジブ4を作動させ得るような)残油量の増加は望めないので、制御をリターンさせる。
これに対して、上記ブーム伸縮シリンダ7が所定長さ以下まで縮小していないと判断された場合には、該ブーム伸縮シリンダ7が所定長さ以下に縮小するまで該ブーム伸縮シリンダ7の縮小作動を継続し(ステップS8)、有効な残油量の増加を図り、これが所定以下に縮小した時点で制御をリターンさせる(ステップS7)。
このような制御が継続されることで、各油圧シリンダの駆動に伴って油量不足に陥るのが未然に且つ確実に回避され、延いてはクレーン車Zの動作上の信頼性が確保されるものである。
B:第2の実施形態
第2の実施形態に係る作動油量制御は、上述のように、「第1の残油量取得手法」を採用し、且つ上記伸縮ブーム3を「第1の伸縮機構」により伸縮させるものを対象とするものであって、制御ブロック図及びその説明は上記第1の実施形態における制御ブロック図及びその説明を援用し、ここでは図4に示すフローチャートに基づいて実際の制御を説明する。
即ち、制御開始後、先ずステップS1において、ブーム長さとブーム起伏角とジブ長さとジブ起伏角、及びブーム操作入力とジブ操作入力をそれぞれ読み込む。
次に、ステップS2において、各油圧シリンダ5〜8の使用油量を求め、さらにその全使用油量Qaを求める。そして、ステップS3においては、全使用油量Qaとタンク総油量Qtから現在の残油量Qbを求める。
しかる後、ステップS4において、上記残油量Qbとメモリから読み出される残油量下限値Qmを対比する。ここで、「Qm<Qb」である場合には、残油量Qbに余裕があり油量不足に陥る恐れがないため、油圧シリンダの動作を禁止することなくこれを許容する(ステップS5)。
これに対して、「Qm≧Qb」である場合、即ち、残油量Qbが残油量下限値Qm以下に低下し、さらに残油量Qbが減少する方向に油圧シリンダが動作すると油量不足に陥る恐れがあるため、上記各油圧シリンダ5〜8の使用油量が増加する方向の動作を禁止する(ステップS6)。
このような制御が継続されることで、各油圧シリンダの駆動に伴って油量不足に陥るのが未然に且つ確実に回避され、延いてはクレーン車Zの動作上の信頼性が確保されるものである。
C:第3の実施形態
第3の実施形態に係る作動油量制御装置は、上述のように、「第2の残油量取得手法」を採用し、且つ上記伸縮ブーム3を「第2の伸縮機構」により伸縮させるものを対象としており、図5にはその制御ブロックを示している。
この第3の実施形態の制御ではコントローラ30を備え、このコントローラ30に対して各種の入力要素と出力要素が付設されている。
入力要素としては、伸縮ブーム3の操作入力(伸縮操作と起伏操作に関する入力)を検出するブーム操作入力検出器31と、ジブ4の操作入力(伸縮操作と起伏操作に関する入力)を検出するジブ操作入力検出器32と、作動油タンク9内に貯留された作動油の油温を検出するタンク油温検出器37及び上記作動油タンク9内の残油量を直接検出するタンク残油量検出器38が備えられている。
出力要素としては、ブーム伸縮シリンダ7への作動油の給排を制御する制御弁で構成されるブーム伸縮シリンダ駆動手段41と、ブーム起伏シリンダ5への作動油の給排を制御する制御弁で構成されるブーム起伏シリンダ駆動手段42と、ジブ伸縮シリンダ8への作動油の給排を制御する制御弁で構成されるジブ伸縮シリンダ駆動手段43と、ジブ起伏シリンダ6への作動油の給排を制御する制御弁で構成されるジブ起伏シリンダ駆動手段44と、油量不足の可能性を表示し、且つ警報を発する表示・警報手段45が備えられている。
上記コントローラ30には、演算手段27と動作規制信号出力手段23と駆動制御手段24の各手段及び残油量下限値メモリ26が備えられている。
上記演算手段27は、上記タンク油温検出器37からの作動油温と上記タンク残油量検出器38からの残油量を受けて、油温を考慮した正確な残油量Qbを演算により求め、これを次述の動作規制信号出力手段23へ出力する。
上記動作規制信号出力手段23は、上記演算手段27からの残油量Qbと上記残油量下限値メモリ26からの残油量下限値Qmを受けてこれらを比較し、残油量Qbが残油量下限値Qmと同じか少なくなった場合に、動作規制信号Cを次述の駆動制御手段24に出力する。
上記駆動制御手段24には、上記ブーム操作入力検出器31からの上記伸縮ブーム3に関する操作入力と上記ジブ操作入力検出器32からの上記ジブ4に関する操作入力が常時入力されており、上記動作規制信号出力手段23から上記動作規制信号Cを受けたときには、上記ブーム伸縮シリンダ駆動手段41とブーム起伏シリンダ駆動手段42とジブ伸縮シリンダ駆動手段43及びジブ起伏シリンダ駆動手段44のうち、使用油量が増加する方向に操作されようとしている油圧シリンダに対して駆動制御信号を出力し、その動作を規制し、これによって作動油の油量不足の発生が未然に且つ確実に防止されるものである。
尚、この実施形態では、上記タンク油温検出器37とタンク残油量検出器38及び演算手段27によって特許請求の範囲中の「残油量取得手段20」が構成される。
続いて、図6に示すフローチャートに基づいて、実際の作動油量制御を説明する。
制御開始後、先ずステップS1において、ブーム操作入力とジブ操作入力と作動油温及び残油量をそれぞれ読み込む。
次に、ステップS2において、読み込まれた残油量に作動油温を考慮して正確な残油量Qbを求める。
しかる後、ステップS3において、上記残油量Qbとメモリから読み出される残油量下限値Qmを対比する。ここで、「Qm<Qb」である場合には、残油量Qbに余裕があり油量不足に陥る恐れがないため、油圧シリンダの動作を禁止することなくこれを許容する(ステップS4)。
これに対して、「Qm≧Qb」である場合、即ち、残油量Qbが残油量下限値Qm以下に低下し、さらに残油量Qbが減少する方向に油圧シリンダが動作すると油量不足に陥る恐れがある場合には、油圧シリンダの動作禁止制御あるいは残油量の回復制御に移行する。
即ち、ステップS5においては、これ以上に残油量を増加させることはできないため、上記各油圧シリンダ5〜8の使用油量が増加する方向の動作、例えば、伸縮ブーム3の起仰動作と伸長動作、及び上記ジブ4の起仰動作と伸長動作を禁止し、油圧シリンダの駆動に伴って油量不足に陥るのを未然に回避する。
さらに、ステップS6において、ブーム伸縮シリンダ7が所定長さ以下に縮小したかどうかが判断される。ここで、上記ブーム伸縮シリンダ7が所定長さ以下に縮小していると判断された場合には、これ以上に有効な(即ち、上記ジブ4を作動させ得るような)残油量の増加は望めないので、制御をリターンさせる。
これに対して、上記ブーム伸縮シリンダ7が所定長さ以下まで縮小していないと判断された場合には、該ブーム伸縮シリンダ7が所定長さ以下に縮小するまで該ブーム伸縮シリンダ7の縮小作動を継続し(ステップS7)、有効な残油量の増加を図り、これが所定以下に縮小した時点で制御をリターンさせる(ステップS6)。
このような制御が継続されることで、各油圧シリンダの駆動に伴って油量不足に陥るのが未然に且つ確実に回避され、延いてはクレーン車Zの動作上の信頼性が確保されるものである。
D:第4の実施形態
第4の実施形態に係る作動油量制御は、上述のように、「第2の残油量取得手法」を採用し、且つ上記伸縮ブーム3を「第1の伸縮機構」により伸縮させるものを対象とするものであって、制御ブロック図及びその説明は上記第3の実施形態における制御ブロック図及びその説明を援用し、ここでは図7に示すフローチャートに基づいて実際の制御を説明する。
制御開始後、先ずステップS1において、ブーム操作入力とジブ操作入力と作動油温及び残油量をそれぞれ読み込む。
次に、ステップS2において、読み込まれた残油量に作動油温を考慮して正確な残油量Qbを求める。
しかる後、ステップS3において、上記残油量Qbとメモリから読み出される残油量下限値Qmを対比する。ここで、「Qm<Qb」である場合には、残油量Qbに余裕があり油量不足に陥る恐れがないため、油圧シリンダの動作を禁止することなくこれを許容する(ステップS4)。
これに対して、「Qm≧Qb」である場合、即ち、残油量Qbが残油量下限値Qm以下に低下し、さらに残油量Qbが減少する方向に油圧シリンダが動作すると油量不足に陥る恐れがあるため、上記各油圧シリンダ5〜8の使用油量が増加する方向の動作を禁止する(ステップS5)。
このような制御が継続されることで、各油圧シリンダの駆動に伴って油量不足に陥るのが未然に且つ確実に回避され、延いてはクレーン車Zの動作上の信頼性が確保されるものである。
E:その他
上記各実施形態では、動作規制対象をブーム起伏シリンダ5とジブ起伏シリンダ6とブーム伸縮シリンダ7及びジブ伸縮シリンダ8の各油圧シリンダに特定しているが、他の実施形態においては、例えば、上記アウトリガ10のスライドビームを上記「第2の伸縮機構」を備えた構成とし、該スライドビームの伸縮駆動を行なうスライド用油圧シリンダ(図示省略)をも本願発明の作動油量制御における動作規制対象に含めることもできる。
本願発明に係る作動油量制御装置が装備されたクレーン車の全体図である。 本願発明の第1の実施形態に係る作動油量制御装置の制御ブロック図である。 本願発明の第1の実施形態に係る作動油量制御装置のフローチャートである。 本願発明の第2の実施形態に係る作動油量制御装置のフローチャートである。 本願発明の第3の実施形態に係る作動油量制御装置の制御ブロック図である。 本願発明の第3の実施形態に係る作動油量制御装置のフローチャートである。 本願発明の第4の実施形態に係る作動油量制御装置のフローチャートである。 ブーム伸縮シリンダによる伸縮ブームの伸縮動作説明図である。
符号の説明
1 ・・車両
2 ・・旋回台
3 ・・伸縮ブーム
4 ・・ジブ
5 ・・ブーム起伏シリンダ
6 ・・ジブ起伏シリンダ
7 ・・ブーム伸縮シリンダ
8 ・・ジブ伸縮シリンダ
9 ・・作動油タンク
10 ・・アウトリガ
11 ・・支点ピン
12 ・・連結ピン
21 ・・使用油量算出手段
22 ・・残油量算出手段
23 ・・動作規制信号出力手段
24 ・・駆動制御手段
25 ・・タンク総油量メモリ
26 ・・残油量下限値メモリ
27 ・・演算手段
30 ・・コントローラ
31 ・・ブーム操作入力検出器
32 ・・ジブ操作入力検出器
33 ・・ブーム伸縮シリンダ長さ検出器
34 ・・ブーム起伏角検出器
35 ・・ジブ長さ検出器
36 ・・ジブ起伏角検出器
37 ・・タンク油温検出器
38 ・・タンク残油量検出器
41 ・・ブーム伸縮シリンダ駆動手段
42 ・・ブーム起伏シリンダ駆動手段
43 ・・ジブ伸縮シリンダ駆動手段
44 ・・ジブ起伏シリンダ駆動手段
45 ・・表示・警報手段
Z ・・クレーン車(作業機)

Claims (6)

  1. 複数の油圧シリンダによって駆動される作業機の作動油量制御装置であって、
    作動油タンク内の残油量を取得する残油量取得手段と、
    上記残油量と予め設定した残油量下限値とを比較し残油量が残油量下限値以下に低下した場合に動作規制信号を出力する動作規制信号出力手段と、
    上記動作規制信号を受けたとき上記残油量が減少する方向への上記油圧シリンダの駆動を規制すべくシリンダ駆動手段に駆動制御信号を出力する駆動制御手段と備えたことを特徴とする作業機の作動油量制御装置。
  2. 請求項1において、
    上記残油量取得手段が、上記各油圧シリンダにおいて使用されている全使用油量と作動油タンクに貯留されるタンク総油量とに基づいて演算により上記残油量を取得する構成であることを特徴とする作業機の作動油量制御装置。
  3. 請求項1において、
    上記残油量取得手段が、作動油タンク内の残油量を直接検出する構成であることを特徴とする作業機の作動油量制御装置。
  4. 請求項3において、
    上記残油量の検出に、作動油タンク内の作動油の油温を反映させることを特徴とする作業機の作動油量制御装置。
  5. 請求項1、2、3又は4において、
    上記各油圧シリンダの一つがベースブーム内に順次複数の先端側ブームをそれぞれ伸縮自在に嵌挿してなる伸縮ブームに内挿された伸縮駆動用油圧シリンダであって、該伸縮駆動用油圧シリンダはそのロッド端部がベースブーム基端部に軸支される一方、シリンダチューブのロッド側端部は目的とするブームの基端部と連結・解除可能とされるとともに、上記伸縮ブームの隣接するブーム同士が固定・解除可能とされ、上記伸縮駆動用油圧シリンダの伸縮によって上記複数の先端側ブームが上記ベースブームに対して一段ずつ伸縮駆動されるように構成した伸縮機構を備えたものにあっては、上記動作規制信号を受けたとき上記伸縮駆動用油圧シリンダを縮小作動させることを特徴とする作業機の作動油量制御装置。
  6. 請求項5において、
    上記伸縮駆動用油圧シリンダの長さ検出手段を備え、上記動作規制信号を受けたとき、上記伸縮駆動用油圧シリンダの長さが予め設定した所定長さ以下であるか否かを判断し、所定長さ以下でないときに上記伸縮駆動用油圧シリンダの縮小作動を実行させることを特徴とする作業機の作動油量制御装置。
JP2007110718A 2007-04-19 2007-04-19 作業機の作動油量制御装置 Expired - Fee Related JP4966081B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007110718A JP4966081B2 (ja) 2007-04-19 2007-04-19 作業機の作動油量制御装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007110718A JP4966081B2 (ja) 2007-04-19 2007-04-19 作業機の作動油量制御装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008265943A true JP2008265943A (ja) 2008-11-06
JP4966081B2 JP4966081B2 (ja) 2012-07-04

Family

ID=40045987

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007110718A Expired - Fee Related JP4966081B2 (ja) 2007-04-19 2007-04-19 作業機の作動油量制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4966081B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016190712A (ja) * 2015-03-31 2016-11-10 株式会社タダノ アクチュエータの制御装置

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63174231A (ja) * 1987-01-14 1988-07-18 株式会社東芝 負荷時タツプ切換装置の絶縁油監視装置
JPH04238921A (ja) * 1991-01-14 1992-08-26 Hitachi Constr Mach Co Ltd 作業機の作動油量検出装置
JP2003095582A (ja) * 2001-09-27 2003-04-03 Tadano Ltd 伸縮ブームの伸縮制御装置
JP2006009813A (ja) * 2004-06-22 2006-01-12 Tadano Ltd 作業機の制御装置

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS63174231A (ja) * 1987-01-14 1988-07-18 株式会社東芝 負荷時タツプ切換装置の絶縁油監視装置
JPH04238921A (ja) * 1991-01-14 1992-08-26 Hitachi Constr Mach Co Ltd 作業機の作動油量検出装置
JP2003095582A (ja) * 2001-09-27 2003-04-03 Tadano Ltd 伸縮ブームの伸縮制御装置
JP2006009813A (ja) * 2004-06-22 2006-01-12 Tadano Ltd 作業機の制御装置

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016190712A (ja) * 2015-03-31 2016-11-10 株式会社タダノ アクチュエータの制御装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP4966081B2 (ja) 2012-07-04

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5502446B2 (ja) ブーム付き作業機
JP5882977B2 (ja) クレーンのブーム伸縮装置
JP5064843B2 (ja) 作業機ポンプの回転制御システム
EP2520536A1 (en) Lifting vehicle
JP2011016644A (ja) 建設機械の油圧制御装置
JP2011195236A (ja) ブーム付き作業機
JP5731152B2 (ja) 作業車両のアイドリングストップ装置
JP2011037565A (ja) クレーンの転倒防止装置
JP4966081B2 (ja) 作業機の作動油量制御装置
JP2007126962A (ja) 作業機械
JPH09216786A (ja) 油圧クレーンのブーム伸縮停止保持装置
CN108883914B (zh) 起重机
JP6259631B2 (ja) 作業機械の油圧ポンプの容量制御装置
JP2018131303A (ja) ジブ付きクレーン装置
JP6635244B1 (ja) 伸縮装置及びクレーン
JP3203457U (ja) 作業機の油漏れ検知装置
JP3202636U (ja) 油圧駆動作業機
JP2012250817A (ja) 油圧システムおよび該油圧システムを備えたフォークリフト
JP5590940B2 (ja) 作業機械
JP5538773B2 (ja) クレーンの衝撃緩和装置
JP2010254380A (ja) 移動式クレーンのホースリール巻き取り装置
JP2004244168A (ja) クレーンのアクセル制御装置
JP5205003B2 (ja) ブーム式クレーンの制御装置
JP4953500B2 (ja) 作業機の制御装置
JP5448769B2 (ja) ブーム付き作業機におけるブーム撓み抑制装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100304

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20111219

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120316

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20120327

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20120330

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4966081

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150406

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees