JP2008254991A - 酸化亜鉛及びその製造方法並びにそれを用いた化粧料 - Google Patents
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Abstract
【課題】形状、大きさの整った針状形状を有する酸化亜鉛粒子、また、その酸化亜鉛粒子が集積した特定形状を有する集積体を製造する。
【解決手段】亜鉛化合物水溶液とアミン化合物とを混合し水溶液のpHを7以上として沈殿物を析出させ、次いで、該水溶液を40℃以上に加熱して、平均短軸径が0.01〜2.0μmであり、平均長軸径が1〜30μmである針状形状を有する酸化亜鉛粒子、針状酸化亜鉛粒子が放射状に集積していがぐりに類似した形状を有する酸化亜鉛集積体や花びら形状を有する酸化亜鉛集積体を製造する。
【選択図】図1
【解決手段】亜鉛化合物水溶液とアミン化合物とを混合し水溶液のpHを7以上として沈殿物を析出させ、次いで、該水溶液を40℃以上に加熱して、平均短軸径が0.01〜2.0μmであり、平均長軸径が1〜30μmである針状形状を有する酸化亜鉛粒子、針状酸化亜鉛粒子が放射状に集積していがぐりに類似した形状を有する酸化亜鉛集積体や花びら形状を有する酸化亜鉛集積体を製造する。
【選択図】図1
Description
本発明は、酸化亜鉛及びその製造方法並びにそれを用いた化粧料に関する。
酸化亜鉛は、白色顔料、紫外線遮蔽材、充填剤、吸着剤、光触媒、触媒、セラミックス原料、導電材、圧電材料、ガスセンサー、電子写真感光材料、バリスタ、蛍光体、エミッタ、電子デバイス等種々の用途に用いられており、また、化粧料、外用剤、塗料、樹脂組成物等に配合して用いられている。
酸化亜鉛を製造するには、例えば、亜鉛塩を含む溶液をアルカリ中和剤で中和することにより、液中で直接酸化亜鉛を製造する方法が知られている(特許文献1参照)。また、特許文献2には、前記の酸化亜鉛を直接製造するに際し、レイノルズ数30以上の撹拌を行いながら、1秒〜15分間で亜鉛の塩を含む水溶液と沈殿剤とを混合し、pH11以上の母液から沈殿を生成させて、平均粒子径0.1〜0.88μm、平均粒子厚さ0.01〜0.2μm、平均板状比3以上の薄片状酸化亜鉛粉末を製造する方法が提案されており、沈殿生成に際し、クエン酸、エタノールアミン等の水溶性有機物を共存させることも開示している。更に、特許文献3には、亜鉛塩水溶液にアルカリを加え水酸化亜鉛[Zn(OH)2]の沈殿を得た後、水酸化亜鉛の沈殿が全部溶解するまでアルカリを更に加えて、透明で均一なテトラヒドロキシ亜鉛酸イオン[Zn(OH)4 2−]を生成し、次いで、30℃以上100℃未満で加熱することによって0.01μmから10μmの大きさを有する酸化亜鉛粒子や膜を製造する方法を開示している。
酸化亜鉛を製造するには、例えば、亜鉛塩を含む溶液をアルカリ中和剤で中和することにより、液中で直接酸化亜鉛を製造する方法が知られている(特許文献1参照)。また、特許文献2には、前記の酸化亜鉛を直接製造するに際し、レイノルズ数30以上の撹拌を行いながら、1秒〜15分間で亜鉛の塩を含む水溶液と沈殿剤とを混合し、pH11以上の母液から沈殿を生成させて、平均粒子径0.1〜0.88μm、平均粒子厚さ0.01〜0.2μm、平均板状比3以上の薄片状酸化亜鉛粉末を製造する方法が提案されており、沈殿生成に際し、クエン酸、エタノールアミン等の水溶性有機物を共存させることも開示している。更に、特許文献3には、亜鉛塩水溶液にアルカリを加え水酸化亜鉛[Zn(OH)2]の沈殿を得た後、水酸化亜鉛の沈殿が全部溶解するまでアルカリを更に加えて、透明で均一なテトラヒドロキシ亜鉛酸イオン[Zn(OH)4 2−]を生成し、次いで、30℃以上100℃未満で加熱することによって0.01μmから10μmの大きさを有する酸化亜鉛粒子や膜を製造する方法を開示している。
前記の従来技術は、亜鉛塩を含む溶液を水酸化ナトリウム、アンモニア等のアルカリ中和剤で中和して酸化亜鉛を直接析出させることにより、薄片状、針状の粒子形状を有する酸化亜鉛を製造することができるが、特許文献1の酸化亜鉛は、粒子径、形状のばらつきが大きく結晶性が低いなどの問題がある。特許文献2の薄片状酸化亜鉛は、かさ密度が高く充填性が低いなどの問題がある。また、特許文献3の針状酸化亜鉛は、凝集粒子になりやすく、また、かさ密度が高く充填性が低いなどの問題がある。
そのため、酸化亜鉛はそれぞれの用途に応じて、形状、大きさ、結晶性等の制御が求められている。例えば、充填剤、セラミックス原料等に用いる場合は、形状、大きさが整った、酸化亜鉛が求められている。また、光触媒、触媒、セラミックス原料、導電材、圧電材料等に用いる場合は、結晶性の良い酸化亜鉛が求められている。また、化粧料、外用剤、塗料、樹脂組成物等に配合して用いる場合は、分散性の良い酸化亜鉛が求められている。
そのため、酸化亜鉛はそれぞれの用途に応じて、形状、大きさ、結晶性等の制御が求められている。例えば、充填剤、セラミックス原料等に用いる場合は、形状、大きさが整った、酸化亜鉛が求められている。また、光触媒、触媒、セラミックス原料、導電材、圧電材料等に用いる場合は、結晶性の良い酸化亜鉛が求められている。また、化粧料、外用剤、塗料、樹脂組成物等に配合して用いる場合は、分散性の良い酸化亜鉛が求められている。
本発明者は、酸化亜鉛の粒子形状、粒子径やそれらの集積体の形状、大きさ等を制御する方法を探索した結果、亜鉛化合物水溶液とアミン化合物とを混合し水溶液のpHを7以上として沈殿物を析出させ、次いで、該水溶液を40℃以上に加熱すると、形状、大きさの整った針状形状を有する酸化亜鉛粒子が得られること、また、その酸化亜鉛粒子が集積した特定形状を有する集積体が得られることなどを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、
(1)亜鉛化合物水溶液とアミン化合物とを混合し水溶液のpHを7以上として沈殿物を析出させ、次いで、該水溶液を40℃以上に加熱することを特徴とする酸化亜鉛の製造方法、
(2)前記(1)の製造方法によって得られる、特定の長さの針状形状を有する酸化亜鉛粒子、その針状酸化亜鉛粒子が集積した酸化亜鉛集積体、特に、針状酸化亜鉛粒子が放射状に集積して、いがぐりに類似した形状を有する酸化亜鉛集積体、
(3)前記(1)の製造方法によって得られる、特定の長さの酸化亜鉛粒子が集積して花びら状を有する酸化亜鉛集積体、
(4)前記の酸化亜鉛を含有する化粧料、などである。
(1)亜鉛化合物水溶液とアミン化合物とを混合し水溶液のpHを7以上として沈殿物を析出させ、次いで、該水溶液を40℃以上に加熱することを特徴とする酸化亜鉛の製造方法、
(2)前記(1)の製造方法によって得られる、特定の長さの針状形状を有する酸化亜鉛粒子、その針状酸化亜鉛粒子が集積した酸化亜鉛集積体、特に、針状酸化亜鉛粒子が放射状に集積して、いがぐりに類似した形状を有する酸化亜鉛集積体、
(3)前記(1)の製造方法によって得られる、特定の長さの酸化亜鉛粒子が集積して花びら状を有する酸化亜鉛集積体、
(4)前記の酸化亜鉛を含有する化粧料、などである。
本発明の酸化亜鉛の製造方法は、形状、大きさの整った針状形状を有する酸化亜鉛粒子、その酸化亜鉛粒子が集積した種々の形状を有する酸化亜鉛集積体を水溶液から析出させることができることから、生産性良く製造することができる。
また、前記の製造方法によって得られた酸化亜鉛粒子やその集積体は、形状や大きさが整い、結晶性や配向性が良く、化粧料、外用剤、塗料、樹脂組成物等に充填剤、白色顔料等として配合する際に、あるいはセラミックス原料、導電材等に使用する際に、酸化亜鉛の特性を充分活用することができる。また、特定の大きさを有することから化粧料に配合すると、分散性が良く肌へのすべり感が良くなる。
また、前記の製造方法によって得られた酸化亜鉛粒子やその集積体は、形状や大きさが整い、結晶性や配向性が良く、化粧料、外用剤、塗料、樹脂組成物等に充填剤、白色顔料等として配合する際に、あるいはセラミックス原料、導電材等に使用する際に、酸化亜鉛の特性を充分活用することができる。また、特定の大きさを有することから化粧料に配合すると、分散性が良く肌へのすべり感が良くなる。
本発明の酸化亜鉛は、六方晶、立方晶、立方晶面心構造いずれかのX線回折パターンを示すZnOを少なくとも50重量%含むものであり、水酸化亜鉛や製造の際に使用する硫酸亜鉛、硝酸亜鉛、塩化亜鉛、酢酸亜鉛等の亜鉛化合物が含まれていても良い。また、製造の際に使用する亜鉛化合物を構成していた硫酸根、硝酸根、塩素、酢酸等が含まれていても良く、また、カルボン酸、その塩、アミン化合物等の材料が含まれていても良い。更に、酸化亜鉛の粒子表面にはシリカ、アルミナ等の無機化合物やシロキサン等の有機化合物の表面処理剤を被覆していても良い。
本発明の酸化亜鉛の製造方法は、亜鉛化合物水溶液とアミン化合物とを混合し水溶液のpHを7以上として沈殿物を析出させ、次いで、該水溶液を40℃以上に加熱することを特徴とする。亜鉛化合物は、水溶性のものであればどのようなものでも用いることができ、例えば硫酸亜鉛、硝酸亜鉛、塩化亜鉛、酢酸亜鉛等を用いることができる。種々の形状の酸化亜鉛粒子、その酸化亜鉛粒子が集積した種々の形状の集積体が得られ易いことから硫酸亜鉛が好ましい。また、金属亜鉛、酸化亜鉛、水酸化亜鉛等、中性の水に溶解しないものでも、酸、アルカリに溶解する化合物であれば、上記の亜鉛化合物と同様に用いることができる。
前記のアミン化合物は、アンモニア中の水素原子を炭化水素基で置換した化合物であって、その炭化水素基を水酸基、カルボキシル基、フェニル基、チオール基等で置換した誘導体を含む。具体的には第1アミン、第2アミン、第3アミンやそれらの誘導体であって、水溶性でありアルカリ性を呈するものが好ましく、第1アミン、第2アミン、それらの誘導体がより好ましい。例えば、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、エチレンジアミン等のアルキルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、モノプロパノールアミン、ジプロパノールアミン、トリプロパノールアミン等のアルカノールアミンが好ましく、モノエタノールアミン、ジエタノールアミンがより好ましい。アミン化合物の添加量は、亜鉛化合物水溶液と混合して水溶液のpHを7以上として沈殿物を析出させることができる量であり、亜鉛化合物の亜鉛原子に対するモル比で表して、2〜30の範囲の量が好ましく、2.01〜10程度の範囲の量がより好ましく、2.01〜7程度の範囲の量が更に好ましい。アミン化合物の量を2より少なくすると、酸化亜鉛が製造でき難いため好ましくない。また、アミン化合物の量を30より多くすると、沈殿物がアミン化合物により錯体となって再溶解し易くなり、収量が少なくなり易いため好ましくない。
前記の亜鉛化合物の水溶液を40℃以下に保持した後、撹拌下アミン化合物を添加して水溶液のpHは7以上となるようにして、沈殿物を析出させる。生成する沈殿物は亜鉛の水酸化物を主成分としたものである。前記の亜鉛化合物の水溶液とアミン化合物とを混合するには、亜鉛化合物水溶液に撹拌下アミン化合物又はその水溶液を添加し混合しても良く、また、アミン化合物又はその水溶液に撹拌下亜鉛化合物水溶液を添加し混合しても良いが、亜鉛化合物の水溶液とアミン化合物又はその水溶液とをいずれも40℃以下に保持して混合するのが好ましい。前記の温度が40℃よりも高いと、アミン化合物との混合により部分的に酸化亜鉛が析出し不均一な状態となり易いため好ましくなく、好ましい温度は10〜40℃、より好ましい温度は10〜30℃である。撹拌は通常の混合撹拌の手段を用いることができ、例えば撹拌羽根を付けた撹拌機等で行うことができる。その撹拌機の運転条件は適宜設定することができる。例えば、回転数は20〜2000rpm程度で行うことができ、また、下記のレイノルズ係数で表して10以上程度が好ましく、10〜50000程度がより好ましい。
レイノルズ係数=(翼径)2×撹拌速度×溶液密度/溶液粘度
添加時間は適宜設定できるが、例えば1秒〜1時間程度が好ましく、1秒〜30分程度がより好ましい。アミン化合物との混合によりpHを7以上に調整するが、7よりも低いと所望の酸化亜鉛が得られない。好ましいpHは8〜13程度、より好ましくは9〜12程度、更に好ましくは9〜11程度である。所定のpHに調整して沈殿物を析出させた後、必要に応じて10分〜5時間程度そのpHを保持しても良い。その後、撹拌しながら、前記の水溶液を40℃以上、好ましくは60〜250℃程度、より好ましくは80〜110℃程度に加温して、沈殿物を酸化亜鉛に変化させる。所定の温度に加温した後、必要に応じて10分〜5時間程度その温度を保持しても良い。
レイノルズ係数=(翼径)2×撹拌速度×溶液密度/溶液粘度
添加時間は適宜設定できるが、例えば1秒〜1時間程度が好ましく、1秒〜30分程度がより好ましい。アミン化合物との混合によりpHを7以上に調整するが、7よりも低いと所望の酸化亜鉛が得られない。好ましいpHは8〜13程度、より好ましくは9〜12程度、更に好ましくは9〜11程度である。所定のpHに調整して沈殿物を析出させた後、必要に応じて10分〜5時間程度そのpHを保持しても良い。その後、撹拌しながら、前記の水溶液を40℃以上、好ましくは60〜250℃程度、より好ましくは80〜110℃程度に加温して、沈殿物を酸化亜鉛に変化させる。所定の温度に加温した後、必要に応じて10分〜5時間程度その温度を保持しても良い。
亜鉛化合物とアミン化合物の混合水溶液には更に、塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、硝酸ナトリウム、塩化カリウム、硫酸カリウム、硝酸カリウム、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウム等の塩類やカルボン酸及び/又はその塩を混合しても良く、アミン化合物と混合する前の亜鉛化合物水溶液に塩類、カルボン酸及び/又はその塩を添加するのが好ましい。塩類、カルボン酸及び/又はその塩の添加量は、亜鉛化合物の亜鉛原子に対するモル比で表して、0.0001以上の範囲が好ましく、0.001〜10程度がより好ましく、カルボン酸及び/又はその塩の添加量により、生成する酸化亜鉛の粒子形状、集積体の形状が変化する。
前記のカルボン酸はカルボキシル基を有する化合物であり、制限なく用いることができるが、例えば、次のようなものを用いることができ、特にクエン酸及び/又はその塩を用いると種々の形状の酸化亜鉛を製造することができるため好ましい。
(1)ポリカルボン酸、特にジカルボン酸、トリカルボン酸、例えば、シュウ酸、フマル酸。
(2)ヒドロキシポリカルボン酸、特にヒドロキシジ−又はヒドロキシトリ−カルボン酸、例えばリンゴ酸、クエン酸又はタルトロン酸。
(3)(ポリヒドロキシ)モノカルボン酸、例えばグルコヘプトン酸又はグルコン酸。
(4)ポリ(ヒドロキシカルボン酸)、例えば酒石酸。
(5)ジカルボキシルアミノ酸及びその対応するアミド、例えばアスパラギン酸、アスパラギン又はグルタミン酸。
(6)ヒドロキシル化され又はヒドロキシル化されていないモノカルボキシルアミノ酸、例えばリジン、セリン又はトレオニン。
カルボン酸塩としては、どのような塩でも制限なく用いることができるが、例えばナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩、アンモニウム塩等を用いることができる。
(1)ポリカルボン酸、特にジカルボン酸、トリカルボン酸、例えば、シュウ酸、フマル酸。
(2)ヒドロキシポリカルボン酸、特にヒドロキシジ−又はヒドロキシトリ−カルボン酸、例えばリンゴ酸、クエン酸又はタルトロン酸。
(3)(ポリヒドロキシ)モノカルボン酸、例えばグルコヘプトン酸又はグルコン酸。
(4)ポリ(ヒドロキシカルボン酸)、例えば酒石酸。
(5)ジカルボキシルアミノ酸及びその対応するアミド、例えばアスパラギン酸、アスパラギン又はグルタミン酸。
(6)ヒドロキシル化され又はヒドロキシル化されていないモノカルボキシルアミノ酸、例えばリジン、セリン又はトレオニン。
カルボン酸塩としては、どのような塩でも制限なく用いることができるが、例えばナトリウム、カリウム等のアルカリ金属塩、アンモニウム塩等を用いることができる。
このようにして得られた酸化亜鉛は、必要に応じて濾過・洗浄して固液分離し、乾燥、乾式粉砕を行うと、酸化亜鉛粉末が得られる。固液分離には、フィルタープレス、ロールプレス等の通常工業的に用いられる濾過器を用いることができる。乾燥にはバンド式ヒーター、バッチ式ヒーター、噴霧乾燥機等が、乾式粉砕にはハンマーミル、ピンミル等の衝撃粉砕機、ローラーミル、パルペライザー、解砕機等の摩砕粉砕機、ロールクラッシャー、ジョークラッシャー等の圧縮粉砕機、ジェットミル等の気流粉砕機等を用いることができる。乾燥温度は適宜設定することができるが、80〜200℃程度が適当である。また、必要に応じて前記の酸化亜鉛粉末を200〜800℃程度の温度で焼成しても良く、結晶性を更に高めることができるため好ましい。焼成は通常、空気、酸素、窒素等の雰囲気下で行うことができ、焼成時間は10分〜10時間程度が適当である。
前記の製造方法の条件を適宜選択することによって、種々の形状の酸化亜鉛が得られる。例えば、亜鉛化合物の種類、アミン化合物の量や種類等を選択することにより、次のような酸化亜鉛を製造することができる。
(1)平均短軸径が0.01〜2.0μmであり、平均長軸径が1〜30μmである針状形状を有する酸化亜鉛
針状形状を有する酸化亜鉛の粒子は長軸径が短軸径より大きく、軸比(長軸径/短軸径)を有するものである。その針状の形状とは針状以外に柱状、棒状、紡錘状、繊維状等と呼ばれる軸比を有するものも包含する。このような粒子形状は電子顕微鏡写真で確認することができ、それらの大きさは、少なくとも20個の粒子の長軸径、短軸径を計測して、それらの粒子を角柱相当体と仮定し、下記式によって重量平均長軸径、重量平均短軸径を算出する。
重量平均長軸径=Σ(Ln・Ln・Dn2)/Σ(Ln・Dn2)
重量平均短軸径=Σ(Dn・Ln・Dn2)/Σ(Ln・Dn2)
上記式中、nは計測した個々の粒子の番号を表し、Lnは第n番目の粒子の長軸径、Dnは第n番目の粒子の短軸径をそれぞれ表す。
針状形状を有する酸化亜鉛の平均短軸径は、0.01〜2.0μmであり、0.05〜1.0μm程度が好ましい。また、平均長軸径は1〜30μmであり、2〜15μm程度が好ましい。
(1)平均短軸径が0.01〜2.0μmであり、平均長軸径が1〜30μmである針状形状を有する酸化亜鉛
針状形状を有する酸化亜鉛の粒子は長軸径が短軸径より大きく、軸比(長軸径/短軸径)を有するものである。その針状の形状とは針状以外に柱状、棒状、紡錘状、繊維状等と呼ばれる軸比を有するものも包含する。このような粒子形状は電子顕微鏡写真で確認することができ、それらの大きさは、少なくとも20個の粒子の長軸径、短軸径を計測して、それらの粒子を角柱相当体と仮定し、下記式によって重量平均長軸径、重量平均短軸径を算出する。
重量平均長軸径=Σ(Ln・Ln・Dn2)/Σ(Ln・Dn2)
重量平均短軸径=Σ(Dn・Ln・Dn2)/Σ(Ln・Dn2)
上記式中、nは計測した個々の粒子の番号を表し、Lnは第n番目の粒子の長軸径、Dnは第n番目の粒子の短軸径をそれぞれ表す。
針状形状を有する酸化亜鉛の平均短軸径は、0.01〜2.0μmであり、0.05〜1.0μm程度が好ましい。また、平均長軸径は1〜30μmであり、2〜15μm程度が好ましい。
(2)平均短軸径が0.01〜2.0μmであり、平均長軸径が1〜30μmである針状形状を有する酸化亜鉛粒子が集積した酸化亜鉛、特に、針状形状を有する酸化亜鉛粒子が放射状に集積して、いがぐりに類似した形状を有する酸化亜鉛
前記(1)の針状形状を有する酸化亜鉛粒子が少なくとも二個集積した集積体であって、酸化亜鉛粒子が成長する際に樹枝状結晶成長が起こったような形状をしており、酸化亜鉛粒子が少なくとも二個、好ましくは複数個〜数十個集合して外見上一個の粒子とみなされる集合体である。具体的には、針状形状を有する酸化亜鉛粒子二つが放射状に集積したローマ字Xに類似した形状、ローマ字Xの交点に対して垂直方向に更に少なくとも一個集積した形状、針状形状を有する酸化亜鉛粒子が複数個束なった形状、複数個集積して二つの円錐が頂点で重なったような形状、二つの扇の骨が要部分で重なったような形状(二枚扇状)あるいは数個又はそれ以上集積したいがぐりに類似した形状(栗のいが状)などを有するものが好ましい。このような集積体の大きさは0.5μm以上が好ましく、1〜50μmがより好ましい。
前記(1)の針状形状を有する酸化亜鉛粒子が少なくとも二個集積した集積体であって、酸化亜鉛粒子が成長する際に樹枝状結晶成長が起こったような形状をしており、酸化亜鉛粒子が少なくとも二個、好ましくは複数個〜数十個集合して外見上一個の粒子とみなされる集合体である。具体的には、針状形状を有する酸化亜鉛粒子二つが放射状に集積したローマ字Xに類似した形状、ローマ字Xの交点に対して垂直方向に更に少なくとも一個集積した形状、針状形状を有する酸化亜鉛粒子が複数個束なった形状、複数個集積して二つの円錐が頂点で重なったような形状、二つの扇の骨が要部分で重なったような形状(二枚扇状)あるいは数個又はそれ以上集積したいがぐりに類似した形状(栗のいが状)などを有するものが好ましい。このような集積体の大きさは0.5μm以上が好ましく、1〜50μmがより好ましい。
(3)0.1〜5μmの酸化亜鉛粒子が集積して1〜20μmの花びら状を有する酸化亜鉛
酸化亜鉛粒子が複数枚集積して、花びらに類似する構造を有する酸化亜鉛集積体であって、酸化亜鉛粒子が成長する際に樹枝状結晶成長が起こったような形状をしており、酸化亜鉛粒子が少なくとも二個、好ましくは数個集合して外見上一個の粒子とみなされる集合体である。このような集積体の大きさは0.5μm以上が好ましく、1〜20μmがより好ましい。花びら状酸化亜鉛を構成する一枚一枚の花びらを花弁と称し、花弁のような形状を有する酸化亜鉛粒子で形成される。
酸化亜鉛粒子が複数枚集積して、花びらに類似する構造を有する酸化亜鉛集積体であって、酸化亜鉛粒子が成長する際に樹枝状結晶成長が起こったような形状をしており、酸化亜鉛粒子が少なくとも二個、好ましくは数個集合して外見上一個の粒子とみなされる集合体である。このような集積体の大きさは0.5μm以上が好ましく、1〜20μmがより好ましい。花びら状酸化亜鉛を構成する一枚一枚の花びらを花弁と称し、花弁のような形状を有する酸化亜鉛粒子で形成される。
本発明の酸化亜鉛は、針状形状を有する酸化亜鉛粒子、花弁状形状を有する酸化亜鉛粒子、それらの集積体であることから、酸化亜鉛結晶の(100)面への配向度合いが強く、下記式により算出する配向性指数が30以上であり、好ましくは35以上である。一方、酸化亜鉛結晶がランダムに集合した場合では、配向性指数が25程度である。
配向性指数=31.88°/(31.88°+34.56°+36.36°)×100
(式中の各数値は、X線回折における2θ角の強度を表わす。)
配向性指数=31.88°/(31.88°+34.56°+36.36°)×100
(式中の各数値は、X線回折における2θ角の強度を表わす。)
本発明の酸化亜鉛は、その粒子表面に必要に応じてケイ素、チタン、アルミニウム、ジルコニウム、スズ等の酸化物あるいはそれらのリン酸塩等の無機化合物の被覆層を設けることもできる。また、溶媒、塗料やプラスチックス等への分散性を付与するなどの目的で、有機化合物を被覆しても良く、前記の無機化合物と有機化合物の両者を被覆しても良い。有機化合物としては、例えば、(1)有機ケイ素化合物((a)オルガノポリシロキサン類(ジメチルポリシロキサン、メチル水素ポリシロキサン、メチルメトキシポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、ジメチルポリシロキサンジオール、ジメチルポリシロキサンジハイドロジェン等又はそれらの共重合体)、(b)オルガノシラン類(アミノシラン、エポキシシラン、メタクリルシラン、ビニルシラン、メルカプトシラン、クロロアルキルシラン、アルキルシラン、フルオロアルキルシラン等又はそれらの加水分解生成物)、(c)オルガノシラザン類(ヘキサメチルシラザン、ヘキサメチルシクロトリシラザン等)、(2)有機金属化合物((a)有機チタニウム化合物(アミノアルコキシチタニウム、リン酸エステルチタニウム、カルボン酸エステルチタニウム、スルホン酸エステルチタニウム、チタニウムキレート、亜リン酸エステルチタニウム錯体等)、(b)有機アルミニウム化合物(アルミニウムキレート等)、(c)有機ジルコニウム化合物(カルボン酸エステルジルコニウム、ジルコニウムキレート等)等)、(3)ポリオール類(トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトール等)、(4)アルカノールアミン類(モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、モノプロパノールアミン、ジプロパノールアミン、トリプロパノールアミン等)又はその誘導体(酢酸塩、シュウ酸塩、酒石酸塩、ギ酸塩、安息香酸塩等の有機酸塩等)、(5)高級脂肪酸類(ステアリン酸、ラウリン酸、オレイン酸等)又はその金属塩(アルミニウム塩、亜鉛塩、マグネシウム塩、カルシウム塩、バリウム塩等)、(6)高級炭化水素類(パラフィンワックス、ポリエチレンワックス等)又はその誘導体(パーフルオロ化物等)が挙げられる。これらの有機化合物は1種を用いても、2種以上を積層又は混合して用いても良い。化粧料に用いる場合は、オルガノポリシロキサン類、高級脂肪酸類を用いるのが好ましい。無機化合物、有機化合物の被覆量は、酸化亜鉛に対し、0.1〜50重量%の範囲が好ましく、0.1〜30重量%の範囲が更に好ましい。酸化亜鉛の粒子表面に前記の無機化合物や有機化合物を被覆させるには、酸化亜鉛の水性スラリー中で、無機化合物あるいは有機化合物を添加し中和するなどして被覆することができる。また、有機化合物を被覆するには別の方法として、前述の乾式粉砕の際に有機化合物を添加し混合することもできる。
本発明の酸化亜鉛は、日焼け止め化粧料、基礎化粧料等の化粧料に適量配合して用いられる。例えば、前記の酸化亜鉛以外に、通常化粧料の用いられる公知の成分、例えば、(1)溶媒(水、低級アルコール類等)、(2)油剤(高級脂肪酸類、高級アルコール類、オルガノポリシロキサン類(シリコーンオイル)、炭化水素類、油脂類等)、(3)界面活性剤(アニオン性、カチオン性、両性、非イオン性等)、(4)保湿剤(グリセリン類、グリコール等のポリオール系、ピロリドンカルボン酸類等の非ポリオール系等)(5)有機紫外線吸収剤(ベンゾフェノン誘導体、パラアミノ安息香酸誘導体、サリチル酸誘導体等)、(6)酸化防止剤(フェノール系、有機酸又はその塩、酸アミド系、リン酸系等)、(7)増粘剤、(8)香料、(9)着色剤(顔料、色素、染料等)、(10)生理活性成分(ビタミン類、ホルモン類、アミノ酸類等)、(11)抗菌剤等が配合されていても良い。化粧料の様態は、固形状、液状、ジェル状等特に制限なく、液状やジェル状の場合、その分散形態も油中水型エマルジョン、水中油型エマルジョン、油型等のいずれでも良い。化粧料中の酸化亜鉛の配合量は、0.1〜50重量%の範囲が好ましい。
以下に本発明の実施例を示すが、本発明はこれらに制限されるものではない。
実施例1
硫酸亜鉛0.3モルと塩化ナトリウム0.17モルを150ccの純水で溶解した。次に2Lの四つ口フラスコに純水500ccを入れ、その中に前記の硫酸亜鉛水溶液を添加し、翼径12cmの2枚羽根の撹拌機を用いて回転数200rpmで撹拌下、室温で0.7モルのモノエタノールアミンを含む350ccの水溶液を添加し、水溶液のpHを9.7に調整し、30分間保持して沈殿物を析出させた。その後、100℃に昇温し1時間熟成した後、冷却し、濾過・水洗・乾燥して、本発明の酸化亜鉛粉末(試料A)を得た。
この試料Aは、X線回折の結果、結晶性の良い酸化亜鉛であることを確認した。また、電子顕微鏡写真(図1)から、平均短軸径が0.7μmであり、平均長軸径が6.7μmである針状形状を有する酸化亜鉛粒子であり、また、その酸化亜鉛粒子の一部が集積し、いがぐり状等の形状を有する酸化亜鉛であった。
硫酸亜鉛0.3モルと塩化ナトリウム0.17モルを150ccの純水で溶解した。次に2Lの四つ口フラスコに純水500ccを入れ、その中に前記の硫酸亜鉛水溶液を添加し、翼径12cmの2枚羽根の撹拌機を用いて回転数200rpmで撹拌下、室温で0.7モルのモノエタノールアミンを含む350ccの水溶液を添加し、水溶液のpHを9.7に調整し、30分間保持して沈殿物を析出させた。その後、100℃に昇温し1時間熟成した後、冷却し、濾過・水洗・乾燥して、本発明の酸化亜鉛粉末(試料A)を得た。
この試料Aは、X線回折の結果、結晶性の良い酸化亜鉛であることを確認した。また、電子顕微鏡写真(図1)から、平均短軸径が0.7μmであり、平均長軸径が6.7μmである針状形状を有する酸化亜鉛粒子であり、また、その酸化亜鉛粒子の一部が集積し、いがぐり状等の形状を有する酸化亜鉛であった。
実施例2
実施例1において使用したモノエタノールアミンの量0.7モルを1.3モルに代えpHを10.0に調整したこと以外は、実施例1と同様にして、本発明の酸化亜鉛粉末(試料B)を得た。
この試料Bは、X線回折の結果、結晶性の良い酸化亜鉛であることを確認した。また、電子顕微鏡写真(図2)から、平均短軸径が0.8μmであり、平均長軸径が3.1μmである針状形状を有する酸化亜鉛粒子であり、また、その酸化亜鉛粒子の一部が集積し、いがぐり状等の形状を有する酸化亜鉛であった。
実施例1において使用したモノエタノールアミンの量0.7モルを1.3モルに代えpHを10.0に調整したこと以外は、実施例1と同様にして、本発明の酸化亜鉛粉末(試料B)を得た。
この試料Bは、X線回折の結果、結晶性の良い酸化亜鉛であることを確認した。また、電子顕微鏡写真(図2)から、平均短軸径が0.8μmであり、平均長軸径が3.1μmである針状形状を有する酸化亜鉛粒子であり、また、その酸化亜鉛粒子の一部が集積し、いがぐり状等の形状を有する酸化亜鉛であった。
実施例3
実施例2において塩化ナトリウムを添加しないこと以外は実施例2と同様にして、本発明の酸化亜鉛粉末(試料C)を得た。
この試料Cは、X線回折の結果、結晶性の良い酸化亜鉛であることを確認した。また、電子顕微鏡写真(図3)から、平均短軸径が1.4μmであり、平均長軸径が4.6μmである針状形状を有する酸化亜鉛粒子であり、また、その酸化亜鉛粒子の一部が集積し、いがぐり状等の形状を有する酸化亜鉛であった。
実施例2において塩化ナトリウムを添加しないこと以外は実施例2と同様にして、本発明の酸化亜鉛粉末(試料C)を得た。
この試料Cは、X線回折の結果、結晶性の良い酸化亜鉛であることを確認した。また、電子顕微鏡写真(図3)から、平均短軸径が1.4μmであり、平均長軸径が4.6μmである針状形状を有する酸化亜鉛粒子であり、また、その酸化亜鉛粒子の一部が集積し、いがぐり状等の形状を有する酸化亜鉛であった。
実施例4
実施例3においてモノエタノールアミンをジエタノールアミンに代えpHを8.8に調整したこと以外は実施例3と同様にして、本発明の酸化亜鉛粉末(試料D)を得た。
この試料Dは、X線回折の結果、結晶性の良い酸化亜鉛であることを確認した。また、電子顕微鏡写真(図4)から、平均短軸径が0.4μmであり、平均長軸径が2.6μmである針状形状を有する酸化亜鉛粒子であり、また、その酸化亜鉛粒子の一部が集積し、いがぐり状等の形状を有する酸化亜鉛であった。
実施例3においてモノエタノールアミンをジエタノールアミンに代えpHを8.8に調整したこと以外は実施例3と同様にして、本発明の酸化亜鉛粉末(試料D)を得た。
この試料Dは、X線回折の結果、結晶性の良い酸化亜鉛であることを確認した。また、電子顕微鏡写真(図4)から、平均短軸径が0.4μmであり、平均長軸径が2.6μmである針状形状を有する酸化亜鉛粒子であり、また、その酸化亜鉛粒子の一部が集積し、いがぐり状等の形状を有する酸化亜鉛であった。
実施例5
実施例1においてモノエタノールアミンをエチレンジアミンに代えpHを9.4に調整したこと以外は実施例1と同様にして、本発明の酸化亜鉛粉末(試料E)を得た。
この試料Eは、X線回折の結果、結晶性の良い酸化亜鉛であることを確認した。また、電子顕微鏡写真(図5、6)から、平均短軸径が0.4μmであり、平均長軸径が7.2μmである針状形状を有する酸化亜鉛粒子であり、また、その酸化亜鉛粒子の一部が集積し、いがぐり状等の形状を有する酸化亜鉛であった。
実施例1においてモノエタノールアミンをエチレンジアミンに代えpHを9.4に調整したこと以外は実施例1と同様にして、本発明の酸化亜鉛粉末(試料E)を得た。
この試料Eは、X線回折の結果、結晶性の良い酸化亜鉛であることを確認した。また、電子顕微鏡写真(図5、6)から、平均短軸径が0.4μmであり、平均長軸径が7.2μmである針状形状を有する酸化亜鉛粒子であり、また、その酸化亜鉛粒子の一部が集積し、いがぐり状等の形状を有する酸化亜鉛であった。
実施例6
実施例3において使用したモノエタノールアミンの量1.3モルを0.9モルに代えpHを9.7に調整したこと以外は実施例3と同様にして、本発明の酸化亜鉛粉末(試料F)を得た。
この試料Fは、X線回折の結果、結晶性の良い酸化亜鉛であることを確認した。また、電子顕微鏡写真(図7)から、平均短軸径が1.0μmであり、平均長軸径が6.4μmである針状形状を有する酸化亜鉛粒子であり、また、その酸化亜鉛粒子の一部が集積し、いがぐり状等の形状を有する酸化亜鉛であった。
実施例3において使用したモノエタノールアミンの量1.3モルを0.9モルに代えpHを9.7に調整したこと以外は実施例3と同様にして、本発明の酸化亜鉛粉末(試料F)を得た。
この試料Fは、X線回折の結果、結晶性の良い酸化亜鉛であることを確認した。また、電子顕微鏡写真(図7)から、平均短軸径が1.0μmであり、平均長軸径が6.4μmである針状形状を有する酸化亜鉛粒子であり、また、その酸化亜鉛粒子の一部が集積し、いがぐり状等の形状を有する酸化亜鉛であった。
実施例7
実施例3において使用したモノエタノールアミンの量1.3モルを1.6モルに代えpHを10.2に調整したこと以外は実施例3と同様にして、本発明の酸化亜鉛粉末(試料G)を得た。
この試料Gは、X線回折の結果、結晶性の良い酸化亜鉛であることを確認した。また、電子顕微鏡写真(図8)から、平均短軸径が0.8μmであり、平均長軸径が2.5μmである針状形状を有する酸化亜鉛粒子であり、また、その酸化亜鉛粒子の一部が集積し、いがぐり状等の形状を有する酸化亜鉛であった。
実施例3において使用したモノエタノールアミンの量1.3モルを1.6モルに代えpHを10.2に調整したこと以外は実施例3と同様にして、本発明の酸化亜鉛粉末(試料G)を得た。
この試料Gは、X線回折の結果、結晶性の良い酸化亜鉛であることを確認した。また、電子顕微鏡写真(図8)から、平均短軸径が0.8μmであり、平均長軸径が2.5μmである針状形状を有する酸化亜鉛粒子であり、また、その酸化亜鉛粒子の一部が集積し、いがぐり状等の形状を有する酸化亜鉛であった。
実施例8
実施例3において使用したモノエタノールアミンの量1.3モルを2.6モルに代えpHを10.5に調整したこと以外は実施例3と同様にして、本発明の酸化亜鉛粉末(試料H)を得た。
この試料Hは、X線回折の結果、結晶性の良い酸化亜鉛であることを確認した。また、電子顕微鏡写真(図9)から、0.1〜5μmの花弁状酸化亜鉛粒子が複数枚集積して1〜20μmの花びら状を有する酸化亜鉛であった。
実施例3において使用したモノエタノールアミンの量1.3モルを2.6モルに代えpHを10.5に調整したこと以外は実施例3と同様にして、本発明の酸化亜鉛粉末(試料H)を得た。
この試料Hは、X線回折の結果、結晶性の良い酸化亜鉛であることを確認した。また、電子顕微鏡写真(図9)から、0.1〜5μmの花弁状酸化亜鉛粒子が複数枚集積して1〜20μmの花びら状を有する酸化亜鉛であった。
実施例9
実施例1において使用した塩化ナトリウムの量0.17モルを0.6モルに代えたこと以外は実施例1と同様にして、本発明の酸化亜鉛粉末(試料I)を得た。
この試料Iは、X線回折の結果、結晶性の良い酸化亜鉛であることを確認した。また、電子顕微鏡写真(図10)から、平均短軸径が0.7μmであり、平均長軸径が5.7μmである針状形状を有する酸化亜鉛粒子であり、また、その酸化亜鉛粒子の一部が集積し、いがぐり状等の形状を有する酸化亜鉛であった。
実施例1において使用した塩化ナトリウムの量0.17モルを0.6モルに代えたこと以外は実施例1と同様にして、本発明の酸化亜鉛粉末(試料I)を得た。
この試料Iは、X線回折の結果、結晶性の良い酸化亜鉛であることを確認した。また、電子顕微鏡写真(図10)から、平均短軸径が0.7μmであり、平均長軸径が5.7μmである針状形状を有する酸化亜鉛粒子であり、また、その酸化亜鉛粒子の一部が集積し、いがぐり状等の形状を有する酸化亜鉛であった。
実施例10
実施例1において使用した塩化ナトリウムに代えて塩化カリウムを用いたこと以外は実施例1と同様にして、本発明の酸化亜鉛粉末(試料J)を得た。
この試料Jは、X線回折の結果、結晶性の良い酸化亜鉛であることを確認した。また、電子顕微鏡写真(図11)から、平均短軸径が1.0μmであり、平均長軸径が6.1μmである針状形状を有する酸化亜鉛粒子であり、また、その酸化亜鉛粒子の一部が集積し、いがぐり状等の形状を有する酸化亜鉛であった。
実施例1において使用した塩化ナトリウムに代えて塩化カリウムを用いたこと以外は実施例1と同様にして、本発明の酸化亜鉛粉末(試料J)を得た。
この試料Jは、X線回折の結果、結晶性の良い酸化亜鉛であることを確認した。また、電子顕微鏡写真(図11)から、平均短軸径が1.0μmであり、平均長軸径が6.1μmである針状形状を有する酸化亜鉛粒子であり、また、その酸化亜鉛粒子の一部が集積し、いがぐり状等の形状を有する酸化亜鉛であった。
実施例11
実施例1において100℃の温度の熟成をオートクレーブを用いて200℃で行ったこと以外は実施例1と同様にして、本発明の酸化亜鉛粉末(試料K)を得た。
この試料Kは、X線回折の結果、結晶性の良い酸化亜鉛であることを確認した。また、電子顕微鏡写真(図12)から、平均短軸径が1.1μmであり、平均長軸径が6.2μmである針状形状を有する酸化亜鉛粒子であり、また、その酸化亜鉛粒子の一部が集積し、いがぐり状等の形状を有する酸化亜鉛であった。
実施例1において100℃の温度の熟成をオートクレーブを用いて200℃で行ったこと以外は実施例1と同様にして、本発明の酸化亜鉛粉末(試料K)を得た。
この試料Kは、X線回折の結果、結晶性の良い酸化亜鉛であることを確認した。また、電子顕微鏡写真(図12)から、平均短軸径が1.1μmであり、平均長軸径が6.2μmである針状形状を有する酸化亜鉛粒子であり、また、その酸化亜鉛粒子の一部が集積し、いがぐり状等の形状を有する酸化亜鉛であった。
比較例1
実施例1においてモノエタノールアミンに代えて水酸化ナトリウム0.7モルを用いてpHを13.0に調整すること以外は実施例1と同様にして、酸化亜鉛粉末(試料L)を得た。
この試料Lは、電子顕微鏡写真(図13)から形状及び粒径のばらつきが大きい薄片状の酸化亜鉛であった。
実施例1においてモノエタノールアミンに代えて水酸化ナトリウム0.7モルを用いてpHを13.0に調整すること以外は実施例1と同様にして、酸化亜鉛粉末(試料L)を得た。
この試料Lは、電子顕微鏡写真(図13)から形状及び粒径のばらつきが大きい薄片状の酸化亜鉛であった。
比較例2
実施例1においてモノエタノールアミンに代えてヘキサメチレンテトラミン0.7モルを用いてpHを6.0に調整すること以外は実施例1と同様にして、粉末の試料Mを得た。
この試料Mは、X線回折の結果、酸化亜鉛は存在しなかった。
実施例1においてモノエタノールアミンに代えてヘキサメチレンテトラミン0.7モルを用いてpHを6.0に調整すること以外は実施例1と同様にして、粉末の試料Mを得た。
この試料Mは、X線回折の結果、酸化亜鉛は存在しなかった。
実施例1、2の試料A、B、比較例1の試料LのX線回折強度(図14、15)を比較すると、実施例の試料は比較例の試料に比べ約2倍程度あり、結晶性の良い酸化亜鉛であり、また、実施例1〜11の試料A〜Kは、比較例1の試料Lに比べ配向性指数が高い(表1)。
また、試料A〜Lを直接肌にのせてこすった際の感触を評価したところ、のびは良好であり、化粧料に配合すると分散性が良く肌へのすべり感が良くなることがわかった。
また、試料A〜Lを直接肌にのせてこすった際の感触を評価したところ、のびは良好であり、化粧料に配合すると分散性が良く肌へのすべり感が良くなることがわかった。
本発明は、形状、大きさの整った針状形状を有する酸化亜鉛粒子、その酸化亜鉛粒子が集積した種々の形状を有する酸化亜鉛集積体であり、種々の用途に利用することができる。
Claims (10)
- 亜鉛化合物水溶液とアミン化合物とを混合し水溶液のpHを7以上として沈殿物を析出させ、次いで、該水溶液を40℃以上に加熱することを特徴とする酸化亜鉛の製造方法。
- 前記の亜鉛化合物が硫酸亜鉛であることを特徴とする請求項1に記載の酸化亜鉛の製造方法。
- 請求項1に記載の製造方法で得られた酸化亜鉛を200〜800℃の温度で焼成することを特徴とする酸化亜鉛の製造方法。
- 請求項1に記載の製造方法によって得られる、平均短軸径が0.01〜2.0μmであり、平均長軸径が1〜30μmである針状形状を有する酸化亜鉛。
- 請求項1に記載の製造方法によって得られる、平均短軸径が0.01〜2.0μmであり、平均長軸径が1〜30μmである針状形状を有する酸化亜鉛粒子が集積した酸化亜鉛。
- 針状形状を有する酸化亜鉛粒子が放射状に集積して、いがぐりに類似した形状を有する請求項5に記載の酸化亜鉛。
- 下記式により求められる配向性指数が30以上である請求項4又は5に記載の酸化亜鉛。
配向性指数=31.88°/(31.88°+34.56°+36.36°)×100
(式中の各数値は、X線回折における2θ角の強度を表わす。) - 酸化亜鉛粒子が集積した集積体の大きさが1〜50μmである請求項5に記載の酸化亜鉛。
- 請求項1に記載の製造方法によって得られる、0.1〜5μmの酸化亜鉛粒子が集積して1〜20μmの花びら状を有する酸化亜鉛。
- 請求項4〜9のいずれか一項に記載の酸化亜鉛を含有する化粧料。
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