JP2008247491A - 画像記録装置 - Google Patents

Abstract

【課題】様々な種類の記録媒体を適切に搬送することを可能とする。
【解決手段】無端の搬送ベルト８が、互いに平行な回転軸を有する２つのベルトローラ６、７の間に架け渡されている。搬送ベルト８の外周面には粘着領域８１と帯電領域８２とが形成されている。粘着領域８１は用紙Ｐを粘着させる粘着性を有している。帯電領域８２は、ベルトローラ７の下方に配置された帯電装置２１により帯電することで、その静電力により用紙Ｐを吸着させる。
【選択図】図２

Description

本発明は、記録媒体に画像を記録する画像記録装置に関する。

記録用紙等の記録媒体に画像を記録する画像記録装置としては、２つのローラと、２つのローラに架け渡されているとともに、外周面が記録用紙の搬送面となっている無端の搬送ベルトとを有するものが知られている（例えば、特許文献１参照）。この搬送ベルトは、搬送面が粘着性を有する粘着ベルトであり、記録用紙が搬送面に確実に支持されるようになっている。これにより、記録用紙の搬送精度が向上する。

特開２００６−３４１５８６号公報（図１）

上述した粘着ベルトによると、普通紙のように剛性が小さく表面に凹凸がない記録用紙を搬送する場合、記録用紙が搬送面に強く粘着されて、搬送面から記録用紙を容易に剥離することができなくなる。また、記録用紙から発生する粉塵が搬送面に強固に粘着されるため、その粉塵を除去するため、搬送面を強く洗浄する必要が生じ、コスト高になるばかりか、粘着ベルトの寿命を縮めることになる。そこで、静電力により記録用紙を吸着させる帯電ベルトを用いることが考えられる。しかしながら、帯電ベルトは吸着力が弱いため、インクジェット写真用紙のように剛性が高く平面状に保持しにくい記録用紙や、クラフト紙のように表面に凹凸が形成された記録用紙は、確実に支持するのが難しい。

そこで、本発明は、様々な種類の記録媒体（普通紙、インクジェット専用紙、封筒、アート紙、クラフト紙、インクジェット写真用紙等）を適切に搬送することが可能な画像記録装置を提供することを目的とする。

本発明の画像記録装置は、記録媒体に画像を記録する記録ヘッドと、互いに平行な回転軸を有する第１及び第２ローラと、前記第１及び第２ローラに架け渡されており、粘着性を有する粘着領域、及び、帯電装置により帯電する帯電領域が形成された外周面を有していると共に、前記外周面上に支持された記録媒体を前記第１ローラから前記第２ローラに向かう搬送方向に搬送する無端の搬送ベルトと、記録媒体を前記搬送ベルトに供給する媒体供給機構とを備えている。

本発明によると、粘着領域と帯電領域との両方が搬送ベルトに設けられているために、様々な種類の記録媒体を、それぞれの特性に合わせて、搬送ベルトの外周面上の適切な位置に支持させることにより、記録媒体を適切に搬送することが可能となる。

本発明においては、前記粘着領域及び前記帯電領域が、前記搬送方向と直交する方向に沿って交互に形成されていることが好ましい。

このとき、前記粘着領域及び前記帯電領域の少なくとも一方が複数設けられていることがより好ましい。

さらに、このとき、前記粘着領域が複数設けられており、矩形の記録媒体の両側部が前記粘着領域に支持されるように記録媒体を位置決めする第１位置決め機構をさらに備えていることがより一層好ましい。これによると、記録媒体の両側部を粘着領域上に配置して記録媒体の浮き上がりを防止することができる。

また、本発明においては、隣り合う前記粘着領域及び前記帯電領域の間に間隙が形成されていることが好ましい。これによると、記録媒体から発生する粉塵が、間隙から落下するので、粘着領域に粉塵が粘着することを抑制できる。

このとき、矩形の記録媒体の両側部が前記間隙上に配置されるように記録媒体を位置決めする第２位置決め機構をさらに備えていることがより好ましい。これによると、記録ヘッドがインクジェットヘッドである場合に、記録媒体の全域に印刷を行っても（縁なし印刷）、搬送ベルトにインクが付着することがない。

さらに、本発明においては、前記粘着領域及び前記帯電領域が、前記搬送方向に沿って交互に形成されていてもよい。

このとき、前記粘着領域及び帯電領域の位置を検知する検知手段と、前記検知手段の検知結果に基づいて、前記記録媒体の全部が、前記粘着領域及び帯電領域のいずれかに支持されるように、前記媒体供給機構を制御する第１媒体供給制御手段とをさらに備えていることが好ましい。これによると、種類の異なる記録媒体を粘着領域と帯電領域とに交互に搬送させることが可能となる。

または、前記粘着領域及び前記帯電領域の位置を検知する検知手段と、前記検知手段の検知結果に基づいて、前記記録媒体が、前記粘着領域及び帯電領域に跨って支持されるように、前記媒体供給機構を制御する第２媒体供給制御手段とをさらに備えていてもよい。

このとき、前記第２媒体供給制御手段は、前記記録媒体の先端部が、前記帯電領域に支持されるように、前記媒体供給機構を制御することがより好ましい。これによると、記録媒体が搬送ベルトから剥離されやすくなる。

なお、本発明においては、前記記録ヘッドがラインヘッドであってもよい。

以下、本発明の好適な実施の形態について、図面を参照しつつ説明する。

＜第１実施形態＞

図１は、本発明の第１実施形態に係る画像記録装置であるインクジェットプリンタの全体的な構成を示す概略側面図である。図２は、図１に示すインクジェットプリンタの平面図である。図１及び図２に示すように、インクジェットプリンタ１０１は、記録媒体である定形の用紙Ｐを供給する給紙装置１１と、給紙装置１１から供給された用紙Ｐを搬送ベルト８の外周面上に支持しつつ搬送するベルト搬送機構１３と、ベルト搬送機構１３によって搬送されている用紙Ｐに対してインク滴を吐出する４つのインクジェットヘッド１と、印刷済みの用紙Ｐを受け取る排紙トレイ１２とを有している。本実施形態において、定形の用紙Ｐは、規格によって定められた矩形形状（Ａ４サイズ、Ｂ５サイズなど）を有しているものとする。

インクジェットプリンタ１０１の内部には、給紙装置１１から排紙トレイ１２に向かう搬送方向（図１及び図２において右から左へと向かう方向）に沿って用紙Ｐが搬送される用紙搬送経路が形成されている。インクジェットプリンタ１０１の各部の動作は、制御装置２０によって制御される。

４つのインクジェットヘッド１は、それぞれ、互いに異なる４色（イエロー、シアン、マゼンタ、ブラック）のインク滴を吐出する。つまり、インクジェットプリンタ１０１はカラーインクジェットプリンタである。このインクジェットプリンタ１０１は、４つのインクジェットヘッド１の長手方向が搬送方向と直交するようにインクジェットヘッド１（ラインヘッド）が固定されたライン式プリンタである。４つのインクジェットヘッド１の下部には、ヘッド本体２がそれぞれ固定されている。ヘッド本体２は、搬送方向に直交した方向に長尺な細長い直方体形状となっている。ヘッド本体２の底面は、インク滴を吐出する吐出口が多数形成された吐出面２ａとなっている。

給紙装置１１は、用紙トレイ１１ａと、用紙収容箱１１ｂと、複数のコイルバネ１１ｃと、ピックアップローラ（媒体供給機構）１１ｄと、一対の位置決めプレート（第１位置決め機構）１１ｅとを含んでいる。用紙トレイ１１ａ上には、積層された複数の用紙Ｐが載置される。用紙トレイ１１ａは、用紙収容箱１１ｂの内部に配置されており、上方に開口が形成された用紙収容箱１１ｂは、用紙トレイ１１ａ上に積層された複数の用紙を収容可能となっている。複数のコイルバネ１１ｃは、用紙トレイ１１ａを上方に向けて付勢している。ピックアップローラ１１ｄは、コイルバネ１１ｃの弾性力によって、用紙収容箱１１ｂ内に収納された複数の用紙Ｐのうちで最も上の用紙Ｐと常に当接している。各位置決めプレート１１ｅは、用紙収容箱１１ｂとほぼ同じ高さを有しており、用紙収容箱１１ｂの下流端部付近において、用紙収容箱１１ｂの側壁からやや内側に離れた位置に配置されている。各位置決めプレート１１ｅは、その内側面が用紙Ｐの搬送方向に沿った側部と当接している。後述するように、位置決めプレート１１ｅは、用紙Ｐの両側部がそれぞれ粘着領域８１上に位置するように位置決めされている。

ピックアップローラ１１ｄは、制御装置２０からの命令に従って、最も上の用紙Ｐを所定タイミングで左方へと送り出す。給紙装置１１の左方には、一対の送りローラ５ａ、５ｂが配置されている。一対の送りローラ５ａ、５ｂは、用紙Ｐを給紙装置１１からさらに左方へと送り出す。一対の送りローラ５ａ、５ｂによって左方へと送り出された用紙Ｐは、用紙Ｐが通過可能な隙間を介して互いに上下方向に対向する一対のガイドプレート１０を通過し、ベルト搬送機構１３に到達する。

ベルト搬送機構１３は、互いに平行な回転軸６ａ、７ａを有する２つのベルトローラ６、７と、両ローラ６、７の間に架け渡された無端の搬送ベルト８と、プラテン１５と、モータ９とを含んでいる。ベルトローラ６は、４つのインクジェットヘッド１を挟んでベルトローラ７よりも下流に位置している。

搬送ベルト８の外周面には粘着領域８１と帯電領域８２とが形成されている。粘着領域８１は、エチレンプロピレンゴム（ＥＰＤＭ）などのゴム素材の表面に凹凸及びマイクロポーラス（微細孔）が設けられたものであり、用紙Ｐを粘着させることが可能な粘着性を有している。帯電領域８２は、ポリカーボネートなど高絶縁抵抗を有する高分子材料からなるものであり、高い帯電性を有している。そして、帯電領域８２は、ベルトローラ７の下方に配置された帯電装置２１により帯電することで、その静電力により用紙Ｐを吸着させ、ベルトローラ６の上方に配置された除電装置２２により除電されることで、静電力による吸着力が除去される。なお、粘着領域８１の吸着性は、帯電した帯電領域８２の吸着性より高くなっている。粘着領域８１及び帯電領域８２は、搬送方向に延在するように形成されており、１つの帯電領域８２が、２つの粘着領域８１に挟まれるように配置されている。つまり、粘着領域８１及び帯電領域８２が、搬送ベルト８の幅方向に沿って交互に形成されている。そして、用紙Ｐの両側部がそれぞれ粘着領域８１上に位置するように、給紙装置１１の位置決めプレート１１ｅが用紙Ｐを位置決めしている。

ベルトローラ７の上方には、ニップローラ４が配置されている。ニップローラ４は、送りローラ５ａ、５ｂによって送り出されてニップローラ４とベルトローラ７との間に挟持された用紙Ｐを、搬送ベルト８の外周面に対して押さえ付ける。

モータ９は、その出力シャフトとベルトローラ６と同心の伝動ローラ１９とに架け渡された無端の伝動ベルト１６を介して、ベルトローラ６の回転軸６ａを駆動する。その結果、ベルトローラ６は、駆動ローラとして、回転軸６ａの回りを反時計回りに回転する。これに伴って、ベルトローラ７は、従動ローラとして、回転軸７ａの回りを反時計回りに回転する。ニップローラ４によって搬送ベルト８の外周面に対して押さえ付けられた用紙Ｐは、ベルトローラ６、７の反時計回りへの回転に伴って、搬送ベルト８の外周面において吐出面２ａと平行に延在する上側平面である支持面上に支持されつつ、ベルトローラ７からベルトローラ６に向かって左方へと搬送される。本実施の形態では、２つのベルトローラ６、７のうち下流にあるベルトローラ６を駆動ローラとしているので、搬送ベルト８における用紙Ｐの支持面に安定した張力がかかるため、支持面が脈動するのを抑制することができる。

プラテン１５は、搬送ベルト８の内周面によって囲まれた領域内に配置されており、インクジェットヘッド１の吐出面２ａに対向する上平面を有している。プラテン１５の上平面は、搬送ベルト８の支持面が対向する領域において搬送ベルト８が下方に撓まないように、搬送ベルト８を支持する。

搬送ベルト８によって搬送される用紙Ｐが４つのヘッド本体２の下方を順に通過する際に、用紙Ｐの上面すなわち印刷面に向けて吐出面２ａから各色のインク滴が吐出される。その結果、用紙Ｐの印刷面に所望のカラー画像が形成される。

搬送ベルト８の支持面上を搬送されてきた用紙Ｐは、その先端部がベルトローラ６の左方に配置された剥離プレート１４に乗り上がることによって搬送ベルト８の支持面から剥離され、ベルト搬送機構１３から排出される。ベルト搬送機構１３から排出された用紙Ｐは、排紙トレイ１２に受け取られる。

搬送ベルト８の下方には、ベルトローラ６からベルトローラ７に向かって、洗浄ユニット２３、ワイパ２４及び拭き取りローラ２６が順に配置されている。これらは、搬送ベルト８の外周面に付着した用紙Ｐの粉塵などを含む不純物を除去するクリーニング作業を行うものである。なお、クリーニング作業は、制御装置２０からの指令により、除電装置２２により帯電領域８２が除電された状態で行われることもある。洗浄ユニット２３は、搬送ベルト８の外周面に接する洗浄ローラ２３ａと、洗浄ローラ２３ａの外周面に接しつつ洗浄ローラ２３ａに洗浄液を供給する供給ローラ２３ｂと、洗浄液が貯留されているとともに供給ローラ２３ｂに洗浄液を供給する洗浄液タンク２３ｃとを有している。ワイパ２４は、ゴムなどの弾性材料で形成された板部材であり、その端部が搬送ベルト８の外周面に接している。また、ワイパ２４は、搬送ベルト８の駆動方向（ベルトローラ６からベルトローラ７に向かう方向）の反対方向に向かって下方に傾斜している。ワイパ２４の下方端部のさらに下方には廃液タンク２５が配置されている。拭き取りローラ２６は、吸湿性を有するものであり、搬送ベルト８の外周面に接している。

搬送ベルト８が駆動（反時計回りに回転）することにより、これに接する洗浄ローラ２３ａが時計回りに回転し、洗浄ローラ２３ａに接する供給ローラ２３ｂが反時計回りに回転する。このとき、洗浄液タンク２３ｃに貯留された洗浄液が、供給ローラ２３ｂ及び洗浄ローラ２３ａを介して搬送ベルト８の外周面に塗布される。次に、搬送ベルト８の外周面に塗布された洗浄液が、搬送ベルト８の外周面に付着した不純物とともにワイパ２４に掻き取られる。ワイパ２４に掻き取られた不純物を含む洗浄液は、ワイパ２４の上面を伝って廃液インク２５に流れ落ちる。最後に、ワイパ２４に掻き取られた搬送ベルト８の外周面が拭き取りローラ２６により拭き上げられる。これにより、搬送ベルトの外周面に付着した用紙Ｐの粉塵などの不純物が除去される。

以上説明した、本実施形態によると、１つの帯電領域８２が２つの粘着領域８１に挟まれるように、粘着領域８１及び帯電領域８２が形成されており、給紙装置１１の位置決めプレート１１ｅが、用紙Ｐの両側部が粘着領域８１に支持されるように用紙Ｐを位置決めするため、用紙Ｐの両側部が粘着領域８１に支持され、用紙Ｐの浮き上がりを防止することができる。また、粘着領域８１のみで用紙Ｐを搬送する場合よりも、全体としての吸着力が小さくなるため、用紙Ｐを搬送ベルト８から剥離させやすくなる。さらに、粘着領域８１のみで用紙Ｐを搬送する場合よりも、記録用紙から発生する粉塵が粘着領域８１に粘着する量が低減するため、ベルトとしての寿命を延ばすことができる。

＜第１実施形態の変形例＞
上述した本実施形態においては、帯電領域は１つであり、粘着領域は２つであるが、帯電領域及び粘着領域の数は、少なくとも各々１つ以上あればよく、いくつ形成されていてもよい。例えば、図３に示すように、２つの粘着領域１８１及び３つの帯電領域１８２が搬送ベルト８の幅方向に沿って交互に形成された外周面を有していてもよい。このように、粘着領域１８１及び帯電領域１８２の数を増やすことで、搬送ベルト１０８の幅方向に関する様々なサイズの用紙Ｐに対応可能となる。

また、上述した本実施形態においては、給紙装置１１の位置決めプレート１１ｅにより、帯電領域と粘着領域に跨って用紙Ｐが支持されるように、用紙Ｐは位置決めされているが、帯電領域あるいは粘着領域のいずれか一方にのみ用紙Ｐが支持されるように、用紙Ｐが位置決めされるようにしてもよい。このようにすれば、例えば、搬送ベルト８の外周面に１つの粘着領域と１つの帯電領域とを形成し、種類の異なる用紙Ｐを、それぞれの特性に合わせて、粘着領域と帯電領域とに並列搬送させることが可能となる。

＜第２実施形態＞
次に、図４及び図５を参照しつつ本発明に係る第２実施形態について説明する。図４は、本実施形態に係るインクジェットプリンタの平面図である。図５は、図４に示すV-V線に関する断面図である。なお、第１実施形態と実質的に同じ部材については、同一の符号を付して説明を省略する。図４に示すように、搬送ベルト２０８の外周面には２つの粘着領域２８１及び３つの帯電領域２８２が形成されている。粘着領域２８１及び帯電領域２８２は、搬送方向に延在するように形成されており、搬送ベルト２０８の幅方向に沿って交互に配置されている。さらに、粘着領域２８１と帯電領域２８２との間に間隙８５が形成されるように、粘着領域２８１及び帯電領域２８２が搬送方向に直交する方向に関して互いに離隔している。そして、用紙Ｐの両側部が間隙８５上に配置されるように、給紙装置１１の位置決めプレート（第２位置決め機構）１１ｅが用紙Ｐを位置決めしている。

図５に示すように、搬送ベルト２０８の内周面によって囲まれた領域内に配置されたプラテン２１５の上平面には、４つの間隙８５と対向しつつ搬送方向に延在する４つの溝１５ａが形成されている。溝１５ａにはスポンジ状のインク吸収材が充填されている。このように、間隙８５の下方に溝１５ａに充填されたインク吸収材が配置されているため、インクジェットヘッド１が、用紙Ｐの全域にインク滴を吐出する縁なし印刷を行った場合に、用紙Ｐの両側部の外側に吐出されたインク滴が間隙８５から落下して溝１５ａに充填されたインク吸収材に吸収される。

以上説明した、本実施形態によると、粘着領域２８１と帯電領域２８２との間に間隙８５が形成されているため、用紙Ｐから発生する粉塵が間隙８５から落下する。このため、粘着領域２８１に粉塵が粘着することを抑制できる。

さらに、給紙装置１１の位置決めプレート１１ｅが、用紙Ｐの両側部が間隙８５上に配置されるように用紙Ｐを位置決めしているため、インクジェットヘッド１が用紙Ｐの全域にインク滴を吐出する縁なし印刷を行った場合に、用紙Ｐの両側部の外側に吐出されたインク滴が間隙８５に落下して、プラテン２１５の溝１５ａに充填されたインク吸収材に吸収される。これにより、搬送ベルト２０８にインクが付着することがない。

＜第３実施形態＞
次に、図６を参照しつつ本発明に係る第３実施形態について説明する。図６は、本実施形態に係るインクジェットプリンタの平面図である。なお、第１実施形態と実質的に同じ部材については、同一の符号を付して説明を省略する。図６に示すように、搬送ベルト３０８の外周面には、粘着領域３８１及び帯電領域３８２が形成されている。粘着領域３８１及び帯電領域３８２は、搬送ベルト３０８の幅方向に関する全域を占有しつつ、搬送方向に関して隣接するように配置されている。また、粘着領域３８１及び帯電領域３８２の搬送方向に関する長さは、用紙Ｐの搬送方向に関する長さをよりも長くなっている。

ベルトローラ７の近傍には、粘着領域３８１及び帯電領域３８２の位置を検知する光学センサ２７が設けられている。粘着領域３８１及び帯電領域３８２は互い異なる反射率を有しており、光学センサ２７は、この反射率の差を検出することにより粘着領域３８１及び帯電領域３８２の位置を検知している。制御装置（第１媒体供給制御手段）１６は、用紙Ｐの種類及び光学センサ２７からの検知結果に基づいて、用紙Ｐの全部が、粘着領域３８１及び帯電領域３８２のいずれかに載置されるように、ピックアップローラ１１ｄの駆動を制御する（図１及び図２参照）。具体的には、制御装置２０は、用紙Ｐが普通紙である場合には、用紙Ｐの全部が粘着領域３８１よりも吸着力の弱い帯電領域３８２上に載置されるように、ピックアップローラ１１ｄを駆動する。また、用紙Ｐが、インクジェット写真用紙のように剛性が高く平面に保持しにくい紙や、クラフト紙のように表面に凹凸が形成された紙である場合には、用紙Ｐの全部を吸着力の強い粘着領域３８１上に載置されるように、ピックアップローラ１１ｄを駆動する。

以上説明した、本実施形態によると、様々な種類の用紙Ｐを、それぞれの特性に合わせて、粘着領域３８１及び帯電領域３８２のいずれかに載置することにより、用紙Ｐを適切に搬送することが可能となる。

＜第３実施形態の変形例＞
給紙機構を、２種類の用紙Ｐが搬送ベルト４０８に対して並列に供給されるように構成し、図７に示すように、普通紙が帯電領域４８２上に、クラフト紙が粘着領域４８１上に、交互に載置されるように、制御装置２０がピックアップローラを駆動してもよい。

このように、種類の異なる用紙Ｐを粘着領域４８１と帯電領域４８２とに交互に搬送させて、印刷効率を向上させることが可能となる。

＜第４実施形態＞
次に、図８を参照しつつ本発明に係る第４実施形態について説明する。図８は、本実施形態に係るインクジェットプリンタの平面図である。なお、第１実施形態と実質的に同じ部材については、同一の符号を付して説明を省略する。図８に示すように、搬送ベルト４０８の外周面に、複数の粘着領域４８１及び複数の帯電領域４８２が形成されている。そして、複数の粘着領域４８１及び複数の帯電領域４８２は、搬送ベルト３０８の幅方向に関する全域を占有しつつ、搬送方向に沿って交互に配置されている。

ベルトローラ７の下流側には、粘着領域４８１及び帯電領域４８２の位置を検知する光学センサ２７が設けられている。制御装置（第２媒体供給制御手段）１６は、光学センサ２７からの検知結果に基づいて、用紙Ｐの先端部が帯電領域４８２に載置されるように、且つ、用紙Ｐのそれ以外の部分が粘着領域４８１に載置されるように、ピックアップローラ１１ｄの駆動を制御する（図１及び図２参照）。

以上説明した、本実施形態によると、用紙Ｐの先端部が帯電領域４８２に載置されるとともに、用紙Ｐのそれ以外の部分が粘着領域４８１に載置されるため、用紙Ｐの先端部以外の部分が粘着領域３８１により確実に支持されるとともに、用紙Ｐが用紙Ｐの先端部を起点に帯電領域４８２から剥離されやすくなる。

以上は、本発明の好適な実施の形態についての説明であるが、本発明は上述の実施の形態に限られるものではなく、課題を解決するための手段に記載された内容の限りにおいて様々な変更が可能なものである。

さらに、上述の第１〜第４実施形態においては、粘着領域８１、１８１、２８１、３８１、４８１の粘着領域が粘着性により用紙Ｐを吸着させる構成であるが、粘着領域に貫通孔を設け、プラテンにエア吸引機能を組み込むことで、粘着領域にエア吸着機能を付加してもよい。これによると、粘着領域における用紙Ｐの吸着力を調整することができるため、さらに様々な種類の用紙Ｐを適切に搬送することができる。

また、例えば、粘着領域と帯電領域との境界線が搬送方向に対して傾斜するように、粘着領域と帯電領域とが配置されていてもよい。また、粘着領域と帯電領域とが、搬送ベルトの幅方向及び搬送方向に関してマトリックス状に形成されていてもよい。また、搬送ベルトの外周面において、部分的に粘着領域と帯電領域とが形成されていてもよい。

上述の実施形態は、ラインヘッドのインクジェットヘッド１を有するインクジェットプリンタ１０１に本発明を適用した例を説明したものであるが、シリアルヘッドのインクジェットヘッドやサーマルヘッドなど他の種類の記録ヘッドを備える画像記録装置にも本発明は適用可能である。

本発明の第１実施形態であるインクジェットプリンタの概略構成図である。 図１に示すインクジェットプリンタの平面図である。 図１に示すインクジェットプリンタの変形例に係る平面図である。 本発明の第２実施形態であるインクジェットプリンタの平面図である。 図４に示すV-V線に関する断面図である。 本発明の第３実施形態であるインクジェットプリンタの平面図である。 図６に示すインクジェットプリンタの変形例に係る平面図である。 本発明の第４実施形態であるインクジェットプリンタの平面図である。

符号の説明

１ インクジェットヘッド
６、７ ベルトローラ
８、１０８、２０８、３０８、４０８ 搬送ベルト
９ モータ
１１ 給紙装置
１１ａ 用紙トレイ
１１ｂ 用紙収容箱
１１ｃ コイルバネ
１１ｄ ピックアップローラ
１１ｅ 位置決めプレート
１３ ベルト搬送機構
１５、２１５ プラテン
１５ａ 溝
２０ 制御装置
２１ 帯電装置
２２ 除電装置
２３ 洗浄ユニット
２４ ワイパ
２５ 廃液タンク
２６ 拭き取りローラ
２７ 光学センサ
８１、１８１、２８１、３８１、４８１ 粘着領域
８２、１８２、２８２、３８２、４８２ 帯電領域
８５ 間隙
１０１ インクジェットプリンタ

Claims (11)

1. 記録媒体に画像を記録する記録ヘッドと、
   互いに平行な回転軸を有する第１及び第２ローラと、
   前記第１及び第２ローラに架け渡されており、粘着性を有する粘着領域、及び、帯電装置により帯電する帯電領域が形成された外周面を有していると共に、前記外周面上に支持された記録媒体を前記第１ローラから前記第２ローラに向かう搬送方向に搬送する無端の搬送ベルトと、
   記録媒体を前記搬送ベルトに供給する媒体供給機構とを備えていることを特徴とする画像記録装置。
2. 前記粘着領域及び前記帯電領域が、前記搬送方向と直交する方向に沿って交互に形成されていることを特徴とする請求項１に記載の画像記録装置。
3. 前記粘着領域及び前記帯電領域の少なくとも一方が複数設けられていることを特徴とする請求項２に記載の画像記録装置。
4. 前記粘着領域が複数設けられており、
   矩形の記録媒体の両側部が前記粘着領域に支持されるように記録媒体を位置決めする第１位置決め機構をさらに備えていることを特徴とする請求項３に記載の画像記録装置。
5. 隣り合う前記粘着領域及び前記帯電領域の間に間隙が形成されていることを特徴とする請求項２乃至４のいずれかに記載の画像記録装置。
6. 矩形の記録媒体の両側部が前記間隙上に配置されるように記録媒体を位置決めする第２位置決め機構をさらに備えていることを特徴とする請求項５に記載の画像記録装置。
7. 前記粘着領域及び前記帯電領域が、前記搬送方向に沿って交互に形成されていることを特徴とする請求項１に記載の画像記録装置。
8. 前記粘着領域及び前記帯電領域の位置を検知する検知手段と、
   前記検知手段の検知結果に基づいて、前記記録媒体の全部が、前記粘着領域及び前記帯電領域のいずれかに支持されるように、前記媒体供給機構を制御する第１媒体供給制御手段とをさらに備えていることを特徴とする請求項７に記載の画像記録装置。
9. 前記粘着領域及び前記帯電領域の位置を検知する検知手段と、
   前記検知手段の検知結果に基づいて、前記記録媒体が、前記粘着領域及び前記帯電領域に跨って支持されるように、前記媒体供給機構を制御する第２媒体供給制御手段とをさらに備えていることを特徴とする請求項７に記載の画像記録装置。
10. 前記第２媒体供給制御手段は、前記記録媒体の先端部が、前記帯電領域に支持されるように、前記媒体供給機構を制御することを特徴とする請求項９に記載の画像記録装置。
11. 前記記録ヘッドがラインヘッドであることを特徴とする請求項１乃至１０のいずれかに記載の画像記録装置。

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