JP2004338867A - 画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】用紙12を記録ヘッド4の下方側で排紙方向に搬送する第1搬送経路61と、一面に画像が形成された用紙12の他面に画像を形成するために用紙12を反転させる第2搬送経路62との間には、搬送ベルト21から用紙12を分離する搬送ガイド/分離爪23を設け、搬送ベルト21を用紙12の一面に画像を形成するための搬送方向と逆方向に回動させて、用紙12を搬送ガイド/分離爪23で搬送ベルト21から分離して、用紙12の他面に画像を形成するために第2搬送経路62に送り込む。
【選択図】 図3
Description
【産業上の利用分野】
本発明は画像形成装置に関し、特に搬送ベルトを用いて用紙を搬送する画像形成装置に関する。
【0002】
【特許文献1】特開平7−53082号公報
【0003】
【従来の技術】
プリンタ、ファクシミリ、複写装置等の画像形成装置(或いは画像記録装置ともいう。)として、例えばインクジェット記録装置が知られている。インクジェット記録装置は、インク記録ヘッドから用紙(紙に限定するものではなく、OHPなどを含むインク滴が付着可能なものの意味であり、被記録媒体あるいは記録媒体、記録紙などとも称される。)にインクを吐出して記録を行うものであり、高精細な画像を高速で記録することができ、ランニングコストが安く、騒音が少なく、しかも、多色のインクを使用してカラー画像を記録するのが容易であるなどの利点を有している。
【0004】
ところで、インクジェット記録方式ではインクを用紙にインクを付着させるために、画像を形成すると用紙はインクに含まれる水分によって伸びる現象がある。この現象をコックリングと呼んでいる。このコックリングによって用紙は波打ち、ヘッドのノズルと用紙表面の位置が場所場所で変化する。このコックリングの程度が悪くなると、最悪の場合、用紙がヘッドのノズル面と接触して、ヘッドのノズル面を汚したり、用紙自身も汚れてしまって画像品質が低下し、加えてコックリングの影響でインク滴の着弾位置がずれてしまうこともある。
【0005】
また、従来のインクジェット記録装置では用紙の送りをローラによって行っており、印字領域を挟んで2組のローラ(一方は前述のように拍車とコロの組み合わせ)が配置されている。しかし、この構成では用紙の送り精度を保証できるのは用紙がこの2組のローラに噛んでいる状態でのみである。
【0006】
ところが、近年は、画像印字領域の増大が望まれているため、印字領域を確保するために本来であれば用紙の送り精度を保証できない状態、つまり2組あるローラの内、一方のローラ対にしか用紙が噛んでいない状態で印字を行うようにしたインクジェット記録装置も存在する。しかしながら、片方のローラ対にしか用紙が噛んでいない状態では、用紙の浮きが発生した場合は、対処できなかったり、用紙搬送力が確保できないために送りの精度を保証できないので、画像品質も低下するという問題が生じる。
【0007】
そこで、
【特許文献1】に記載されているように、用紙の平面性を維持するために、無端状の帯電ベルトを備え、帯電ベルト表面を帯電して用紙を静電吸着させ、この状態で帯電ベルトを周回させることで用紙を搬送することにより、用紙の帯電ベルトからの浮き上がりを防止して、高い平面性を維持できるようにしたインクジェット記録装置が提案されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上述した従来のインクジェット記録装置のように搬送ベルトを用いて用紙(被記録媒体)を静電吸着した状態で搬送を行う場合、搬送ベルトから曲率分離で用紙を分離させているが、腰が弱い用紙や、ベタ画像などで腰が弱くなった用紙は曲率分離せず、搬送ベルトに吸着したままになり、巻き込みジャムが発生するという課題がある。
【0009】
特に、用紙の一面に画像を形成した後他面に画像を形成する両面印刷が可能な画像形成装置にあっては、一面への画像形成によって用紙を搬送ベルトから曲率分離することが困難であり、用紙の他面に画像を形成するために用紙を搬送する搬送経路に用紙を送り込むことが困難になるという課題がある。
【0010】
本発明は上記の課題に鑑みてなされたものであり、他面印刷のために搬送ベルトから用紙を確実に分離できるようにした画像形成装置を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、本発明に係る画像形成装置は、搬送ベルトを被記録媒体の一面に画像を形成するための搬送方向と逆方向に回動させて、被記録媒体の他面に画像を形成するために被記録媒体を反転させる反転搬送経路に送り込む画像形成装置であって、被記録媒体を反転搬送経路に送り込むために搬送ベルトから被記録媒体を分離する分離機構を備えた構成とした。
【0012】
ここで、分離機構は分離爪を有することが好ましく、この場合、分離爪は搬送ベルト表面に対して接離可能に配置することが好ましい。また、分離爪の倒れを規制する倒れ規制部材を設けることが好ましく、この場合、倒れ規制部材はローラ部材であることが好ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面を参照して説明する。図1は本発明に係る画像形成装置としてのインクジェット記録装置の全体構成を説明する構成図、図2は同記録装置の要部模式的平面説明図、図3は同記録装置の搬送経路の説明に供する模式的説明図である。
【0014】
このインクジェット記録装置は、図示しない左右の側板に横架したガイド部材であるガイドロッド1とステー2とでキャリッジ3を主走査方向に摺動自在に保持し、図示しない主走査モータによって図2で矢示方向に移動走査する。
【0015】
このキャリッジ3には、イエロー(Y)、シアン(C)、マゼンタ(M)、ブラック(Bk)の各色のインク滴を吐出する4個のインクジェットヘッドからなる記録ヘッド4を複数のインク吐出口を主走査方向と交叉する方向に配列し、インク滴吐出方向を下方に向けて装着している。
【0016】
記録ヘッド4を構成するインクジェットヘッドとしては、圧電素子などの圧電アクチュエータ、発熱抵抗体などの電気熱変換素子を用いて液体の膜沸騰による相変化を利用するサーマルアクチュエータ、温度変化による金属相変化を用いる形状記憶合金アクチュエータ、静電力を用いる静電アクチュエータなどをインクを吐出するためのエネルギー発生手段として備えたものなどを使用できる。
【0017】
また、キャリッジ3には、記録ヘッド4に各色のインクを供給するための各色のサブタンク5を搭載している。このサブタンク5には図示しないインク供給チューブを介してメインタンク(インクカートリッジ)からインクが補充供給される。
【0018】
一方、給紙カセット10などの用紙積載部(圧板)11上に積載した用紙12を給紙するための給紙部として、用紙積載部11から用紙12を1枚づつ分離給送する半月コロ(給紙コロ)13及び給紙コロ13に対向し、摩擦係数の大きな材質からなる分離パッド14を備え、この分離パッド14は給紙コロ13側に付勢されている。
【0019】
そして、この給紙部から給紙された用紙12を記録ヘッド4の下方側で搬送するために、用紙12を静電吸着して搬送するための搬送ベルト21と、給紙部からガイド15を介して送られる用紙12を搬送ベルト21との間で挟んで搬送するための倒れ規制部材を兼ねたカウンタローラ22と、略鉛直上方に送られる用紙12を略90°方向転換させて搬送ベルト21上に倣わせるガイド部材、及び後述するように搬送ベルト21から用紙12を分離するための分離爪を兼ねる搬送ガイド/分離爪23と、押さえ部材24で搬送ベルト21側に付勢された先端加圧コロ25とを備えている。また、搬送ベルト21表面を帯電させるための帯電手段である帯電ローラ26を備えている。
【0020】
ここで、搬送ベルト21は、無端状ベルトであり、搬送ローラ27とテンションローラ28との間に掛け渡されて、図2のベルト搬送方向に周回するように構成している。この搬送ベルト21は、抵抗制御を行っていない純粋な厚さ40μm程度の樹脂材、例えばETFEピュア材で形成した用紙吸着面となる表層と、この表層と同材質でカーボンによる抵抗制御を行った裏層(中抵抗層、アース層)とを有している。
【0021】
帯電ローラ26は、搬送ベルト21の表層に接触し、搬送ベルト21の回動に従動して回転するように配置され、加圧力として軸の両端に各2.5Nをかけている。また、搬送ローラ27は上述したアースローラの役目も担っており、搬送ベルト21の中抵抗層(裏層)と接触配置され接地している。
【0022】
また、搬送ベルト21の裏側には、記録ヘッド4による印写領域に対応してガイド部材31を配置している。このガイド部材31の主走査方向両端部は、搬送ローラ22及びテンションローラ28等を保持する枠部材35間で保持している。
【0023】
そして、このガイド部材31は、上面が搬送ベルト21を支持する2つのローラ(搬送ローラ27とテンションローラ28)の接線よりも記録ヘッド4側に突出している。これにより、搬送ベルト21は印写領域ではガイド部材31の上面にて押し上げられてガイドされる。
【0024】
さらに、記録ヘッド4で記録された用紙12を排紙するための排紙部として、搬送ベルト21から用紙12を分離するための分離機構となる分離爪41を搬送ベルト21に接触させて配置し、この分離爪41の下流側に排紙ローラ42及び排紙コロ43を配置して、更にこの下流側に排紙される用紙12をストックする排紙トレイ44とを備えている。ここで、分離爪41は支軸で揺動可能に支持し、ばね等の弾性体で搬送ベルト21側にテンションをかけて搬送ベルト21表面に当接させている。
【0025】
また、この装置本体には両面給紙ユニット51が着脱自在に装着されている。この両面給紙ユニット51は搬送ベルト21の逆方向回転で戻される用紙12を取り込んで反転させて再度カウンタローラ22と搬送ベルト21との間に給紙する。このとき、搬送ガイド23は搬送ベルト21から用紙12を分離して両面給紙ユニット51内に送り込むための分離爪を兼ねている。
【0026】
このように構成したインクジェット記録装置においては、給紙部から用紙12が1枚ずつ分離給紙され、略鉛直上方に給紙された用紙12はガイド15で案内され、搬送ベルト21とカウンタローラ22との間に挟まれて搬送され、更に先端を搬送ガイド23で案内されて先端加圧コロ25で搬送ベルト21に押し付けられ、略90°搬送方向を転換される。
【0027】
このとき、図示しない制御回路によって高圧電源から帯電ローラ26に対してプラス出力とマイナス出力とが交互に繰り返すように、つまり交番する電圧が印加され、搬送ベルト21が交番する帯電電圧パターン、すなわち、周回方向である副走査方向に、プラスとマイナスが所定の幅で帯状に交互に帯電されたものとなる。このプラス、マイナス交互に帯電した搬送ベルト21上に用紙12が給送されると、用紙12内で帯電パターンと反対の電荷に分極するので、平行接続されたコンデンサが形成されたこととなり、用紙12が搬送ベルト21に吸着され、搬送ベルト21の周回移動によって用紙12が副走査方向に搬送される。
【0028】
そこで、キャリッジ3を移動させながら画像信号に応じて記録ヘッド4を駆動することにより、停止している用紙12にインク滴を吐出して1行分を記録し、用紙12を所定量搬送後、次の行の記録を行う。記録終了信号又は用紙12の後端が記録領域に到達した信号を受けることにより、記録動作を終了する。
【0029】
このとき、片面印刷であれば、用紙12を排紙トレイ44に排紙する。これに対して、両面印刷であれば、搬送ベルト21を逆回転させて記録済みの用紙12を両面給紙ユニット51内に送り込んで反転させ(記録面が他面になるようにすること)、再度搬送ベルト21上に送って、上述したと同様にして、用紙12の他面にも記録を行って排紙する。
【0030】
ここで、図3を参照して、この記録装置における搬送経路及び分離機構について説明する。
この記録装置では、上述したように、両面印刷時には、搬送ベルト21を矢示A方向に回動することによって、用紙12に画像を形成するために、用紙12を記録ヘッド4の下方側で排紙方向に搬送する(この搬送経路を第1搬送経路61という。)。そして、搬送ベルト21を矢示B方向に回動して、一面に画像が形成された用紙12の他面に画像を形成するために用紙12を反転させる両面給紙ユニット51内に送り込み、この両面給紙ユニット51で用紙12を反転させて搬送し(この搬送経路を第2搬送経路(反転搬送経路)62という。)、再度、用紙12を第1搬送経路61に送り込む構成としている。
【0031】
そして、第1搬送経路61と第2搬送経路62との間には、搬送ガイド/分離爪23を設けている。この搬送ガイド/分離爪23は、図4に示すように、用紙12を搬送ベルト21側に案内するガイド面23aと、搬送ベルト21から用紙12を分離するための分離面23bとを一体に形成したものである。これにより、搬送ベルト21の矢示B方向への回動で搬送される用紙12は、この搬送ガイド/分離爪23によって搬送ベルト21表面から分離されて、第2搬送経路62に送り込まれる。
【0032】
このように、搬送ガイド/分離爪23によって搬送ベルト21から確実に用紙12を分離して反転搬送経路62内に送り込むことができ、搬送ベルト21を逆回動したときに用紙12が搬送ベルト21に密着したままになり、搬送ベルト21に巻き込まれたり、給紙トレイ10側に送られるなどのジャムの発生を防止することができる。この場合、分離機構として分離爪を用いることで簡単な構成で分離を行うことができる。
【0033】
次に、本発明の第2実施形態について図5を参照して説明する。なお、同図は同実施形態の要部説明図である。
この実施形態では、搬送ガイド/分離爪23は軸52で矢示方向に揺動可能に支持することで、搬送ベルト21に対して接離可能に配置している。このようにすることで、搬送ガイド/分離爪23を搬送ベルト21から用紙12を分離させるときだけ搬送ベルト21の表面に接触するようにする(例えばプランジャで直接あるいは間接に揺動させる構成とする)ことで、搬送ベルト21の表面が傷つくことを防止でき、搬送ベルト21の耐久性を向上することができる。
【0034】
次に、本発明の第3実施形態について図6を参照して説明する。なお、同図は同実施形態の要部説明図である。
ここで、分離爪53(前記各実施形態の搬送ガイド/分離爪23でもよい。)は、ジャム除去などのために開閉可能な部材(開閉部材)54に軸52で揺動可能に設けて、前記第2実施形態と同様に搬送ベルト21に対して接離可能に配置している。
【0035】
更に、この分離爪53の搬送ベルト21側への倒れを規制するために倒れ規制部材としてのローラ55を設けている。このローラ55は前記第1実施形態のカウンターコロ22と同様に用紙を搬送ベルト21に押し付けて送る機能をも有している。
【0036】
すなわち、分離爪53を開閉部材54に揺動可能に設けた場合、図7(a)に示すように開閉部材54を開いてジャム除去等を行った後、開閉部材54を閉じたときに、同図(b)に示すように、分離爪53が搬送ベルト21表面に衝突して搬送ベルト21を傷つけるおそれがある。そこで、この分離爪53の倒れを倒れ規制部材としてのローラ55で規制することによって、搬送ベルト21の損傷を防止できる。
【0037】
そして、この場合、倒れ規制部材をローラ部材とすることによって、用紙送りを行わせることができ、部品点数を削減することができる。
【0038】
なお、上記実施形態においては、分離機構として分離爪を用いたが、例えばエアーの吹き付けによるエアー分離機構なども用いることができる。また、本発明をキャリッジが走査するシリアル型(シャトル型)インクジェット記録装置に適用した例で説明したが、ライン型ヘッドを備えたライン型インクジェット記録装置にも同様に適用することができる。
【0039】
また、本発明に係る画像形成装置は、インクジェットプリンタ以外にも、ファクシミリ装置、複写装置、プリンタ/ファックス/コピア複合機などにも適用することができる。さらに、インク以外の液体、例えばレジスト、医療分野におけるDNA試料を吐出させる画像形成装置にも適用することができる。
【0040】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明に係る画像形成装置によれば、搬送ベルトを被記録媒体の一面に画像を形成するための搬送方向と逆方向に回動させて、被記録媒体の他面に画像を形成するために被記録媒体を反転させる反転搬送経路に送り込む画像形成装置であって、被記録媒体を反転搬送経路に送り込むために搬送ベルトから被記録媒体を分離する分離機構を備えたので、確実に被記録媒体を搬送ベルトから分離することができ、分離不良に起因するジャムなどを防止でき、更に安定した両面印刷が可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の模式的構成図
【図2】同記録装置の要部模式的平面説明図
【図3】同記録装置の要部説明図
【図4】同記録装置の搬送ガイド/分離爪の説明に供する説明図
【図5】本発明の第2実施形態の説明に供する要部説明図
【図6】本発明の第3実施形態の説明に供する要部説明図
【図7】同実施形態の作用説明に供する要部説明図
【符号の説明】
3…キャリッジ、4…記録ヘッド、12…用紙、21…搬送ベルト、22…カウンターコロ、23…搬送ガイド/分離爪、26…帯電ローラ、27…搬送ローラ、28…テンションローラ、44…排紙トレイ、53…分離爪、54…開閉部材、55…ローラ。
Claims (5)
- 被記録媒体を吸着して搬送する搬送ベルトを備え、この搬送ベルトを前記被記録媒体の一面に画像を形成するための搬送方向と逆方向に回動させて、前記被記録媒体の他面に画像を形成するために前記被記録媒体を反転させる反転搬送経路に送り込む画像形成装置において、前記被記録媒体を前記反転搬送経路に送り込むために前記搬送ベルトから前記被記録媒体を分離する分離機構を備えたことを特徴とする画像形成装置。
- 請求項1に記載の画像形成装置において、前記分離機構は分離爪を有することを特徴とする画像形成装置。
- 請求項2に記載の画像形成装置において、前記分離爪は前記搬送ベルト表面に対して接離可能に配置したことを特徴とする画像形成装置。
- 請求項2又は3に記載の画像形成装置において、前記分離爪の倒れを規制する倒れ規制部材を設けたことを特徴とする画像形成装置。
- 請求項4に記載の画像形成装置において、前記倒れ規制部材がローラ部材であることを特徴とする画像形成装置。
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