JP2004149284A - シート搬送装置及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】駆動ローラ12と従動ローラ13に巻き回され、往復動可能な搬送ベルト14にイオン分極や電子分極を固定化したエレクトレット材料16を埋設する。搬送ベルト14のエレクトレット材料16により記録紙18を静電吸着して搬送ベルト14に密着させ、記録紙18を安定して記録ヘッド3の位置に搬送し、位置ずれのない高画質の画像を記録紙17に安定して形成する。
【選択図】 図3
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、絶縁材料例えば文字や画像を記録する記録紙や原稿等のシート部材を搬送するシート搬送装置及びそれを使用した画像形成装置、特に搬送精度の向上に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】特開平4−201469号公報
【特許文献2】特開2000−25249号公報
【特許文献3】特開平11−218978号公報
例えばインクジェットプリンタ等で高画質の画像を形成するためには、インク液滴の記録紙に対する着弾位置の精度を高める必要があり、インク液滴を噴射する記録ヘッドの構造とともに記録紙も高精度で搬送する必要がある。インクジェット方式のシリアルプリンタでは、記録ヘッドが走査を行っている間は記録紙を停止しているため、記録紙の送りと停止の繰り返しとなる。したがって記録紙を所定量送ることと、記録紙を所定量送った後に所定の位置に停止させることが必要である。また、原稿読取装置で原稿の画像を高精度に読み取るために、原稿を安定して搬送することが必要である。
【0003】
この記録紙や原稿の搬送精度を高めるために、例えば特許文献1や特許文献2,特許文献3等に示すように、記録紙や原稿を搬送する搬送ベルトを帯電装置で一様に帯電させ、記録紙や原稿を静電力で吸着して記録紙の位置ずれを防止している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
前記のように搬送ベルトを一様に帯電させるためには帯電装置が必要になり、記録紙や原稿の搬送装置の構成が複雑になるという短所がある。
また、インクジェットプリンタのようにインクを使用したり湿式の記録装置ではインク等に含まれる水分が搬送ベルトの表面に付着し、この水分の影響で記録紙等が伸びるコックリングが生じ、このコックリングにより記録紙が波打ち、記録位置が変動して画像の劣化の原因になってしまう。
【0005】
この発明はこれらの短所を改善し、簡単な構成で記録紙等のシート部材の搬送精度を向上させるとともに良質な画像を安定して形成することができるシート搬送装置とそれを使用した画像形成装置を提供することを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この発明のシート搬送装置は、駆動ローラと従動ローラに巻き回された搬送ベルトにエレクトレット材料を有し、絶縁シートを搬送ベルトに静電吸着して搬送することを特徴とする。
【0007】
前記搬送ベルトを、有機フレキシベルトにエレクトレット材料を分散又は局部的に埋没させて形成し、有機材料の混合や混練りを自在とし、エレクトレット材料の混合比を最適に選択する。
【0008】
また、搬送ベルトを、有機フレキシベルト又は不織布や織布のベルトの表面に帯状のエレクトレット材料を部分的に貼り合せて形成し、搬送ベルトを強靭にして耐久性を高める。
【0009】
さらに、搬送ベルトを、有機フレキシベルト又は不織布や織布のベルトの表面全体に、エレクトレット材料を貼り合せて形成し、搬送ベルトの製作を容易にする。
【0010】
また、搬送ベルトを、有機フレキシベルト又は不織布や織布のベルトの表面に、帯状とスリット状及び粒状に形成されたエレクトレット材料を貼り合せて形成し、搬送する絶縁シートを適切に静電吸着する。
【0011】
また、搬送ベルトを、不織布や織布のベルトにエレクトレット材料を分散又は局部的に埋没させて形成し、搬送ベルトの可撓性や耐久性を高める。
【0012】
さらに、搬送ベルトの有機フレキシベルト又は不織布や織布のベルトに粘着材料を混成し、あるいは粘着材料を表面に塗布又は表面を部分被覆させて、搬送ベルトの表面に粘着性を持たせ、静電吸着した絶縁シートを搬送ベルトに固定する。
【0013】
また、搬送ベルトの表面に粘着材料を塗布する粘着性付与手段と、搬送ベルトの表面をクリーニングするクリーニング手段を設け、搬送ベルトの粘着性を高める。
【0014】
また、搬送ベルトの表面に吸湿性の大きい材料を被覆させ、搬送する絶縁シートの水分を吸収して静電吸着力を高める。
【0015】
この発明の画像形成装置は、前記シート搬送装置により記録媒体や原稿を静電吸着して搬送し、良質な画像を安定して形成する。
【0016】
【発明の実施の形態】
図1はこの発明のインクジェットプリンタの構成図である。図に示すように、シリアル型のインクジェットプリンタ1はシアンC,マゼンタM、イェローY,ブラックBkの各色のインクをそれぞれ収納した4個のインクカートリッジ2と、複数のノズル列を有し、各インクカートリッジ2からインクが供給される記録ヘッド3と、インクカートリッジ2と記録ヘッド3を搭載したキャリッジ4と、記録紙を収納した給紙トレイ5a,5bや手差しテーブル6から記録紙を印字部7に搬送する記録紙搬送装置8と、印字した記録紙を排紙トレイ9に排出する排出ローラ10を有する。そしてホスト装置から送られる画像データを記録紙に印字するときは、キャリッジ4をキャリッジガイドローラ11に倣って走査しながら、記録紙搬送装置8により印字部7に送られた記録紙に記録ヘッド3のノズルから画像データに応じてインク液滴を噴射して文字や画像を記録する。
【0017】
記録紙搬送装置8は、図2の構成図に示すように、駆動ローラ12と従動ローラ13に巻き回され、往復動可能な搬送ベルト14を有する。搬送ベルト14は図3の部分断面図に示すように、有機フレキシブルベルト15に、イオン分極や電子分極を固定化したエレクトレット材料16が埋設されている。
【0018】
この搬送ベルト14に有するエレクトレット材料16は、有機材料または無機材料の陽イオン性や負イオン性の材料、あるいは陽極性や負極性の分子団、電気陰性度の異なるイオン元素または原子団を含ませて結晶化させ、電界と温度処理を与えて配向分極やイオン分極または電子分極を固定化させた材料である。有機材料としては、フッソ樹脂系を始めナイロン11等の各種の樹脂を使用し、これらの樹脂の表面に、電子打ち込みやイオン打ち込みにより結晶構造に欠陥発生を誘起させて歪みを形成しイオン分極や電荷分極を行っている。特にポリフッ化ビニリデン(PVDF)やポリエステルはその結晶化が大きく、目的金属イオンをイオン打ち込み装置で選択的に打ち込んで組成化することができる。
【0019】
無機材料としては、ZnTiO4−SnO2Ti2,Fe2O3−NiO,Zn2TiO2,ZnNiTiO4,ZnFe2O4,K2OAl2O3,CaOAl2O3,BaTiO3,Al2O3TiO2,MgOAl2O3等多くの分極性無機材料がある。また、遷移金属系の添加により多価原子団によるイオン化や配向分極化が可能である。結晶構造としてはスピネル構造、ぺロブスカイト構造や焼結体の部分的に結晶化し、立方体、長方体、斜方体、菱面体等が存在する。
【0020】
また、TiO2,NiO,Al2O3,Fe2O3,MnO2,Co2O3/CoO,Sn2O3/SnO,ZnO等の金属酸化物やBaO,K2O,CaO,MgO等のアルカリ土類元素化合酸化物と強誘電体や誘電体、または固体電解質材料を含むZrTiO4−SnO2TiO2,Fe2O3−NiO,Zn2TiO2、さらにZnNiTiO4,ZnFe2O4,K2OAl2O3−SiO2,CaOAl2O3,BaTiO3,Al2O3TiO2,MgOAl2O3等多くの分極性無機材料の混合組成において、特にアルカリ土類元素の化合物はその元素イオン団が陽イオンとして、他の無機材料が負イオンとして働き、その結晶性も大きく、イオン配向性が高い材料である。
【0021】
この無機エレクトレットの作製方法の一例を、図4の工程図を参照して説明する。図4(a)に示すように、混合装置20で複合酸化物材料と添加物を混合し、この混合物を加圧成形装置21の回転ベルト22上にシート状に押出し、回転ベルト22で搬送されるシート23の表面をカバーシート24で覆い、加圧ローラ25で加圧して、(b)に示すように、セラミックグリーンシート26を作製する。このセラミックグリーンシート26からカバーシート24を剥離して(c)の脱水工程で脱水する。次に、(d)の一次焼成工程でセラミックグリーンシート26を例えば400℃〜500℃で焼成して添加剤を飛ばす。その後(e)の焼成工程で添加剤を飛ばしたセラミックグリーンシート26を例えば850℃〜1200℃で焼成してセラミック焼結体27を形成する。この焼成温度は、材料の組み合わせと組成比や原材料の出発材料、材料の粒子依存性による。このセラミック焼結体27の上面と下面に(f)に示すように電極28を設け、電極28を取り付けたセラミック焼結体27を加熱装置29で所定温度で加熱しながら上下電極28に直流電圧を印加する。このセラミック焼結体27を加熱する温度と印加電圧はセラミック焼結体27の膜厚によるが、膜厚が1μm〜300μmの場合は、300℃〜400℃の加熱温度で印加電圧はDC50V〜500Vで十分である。その後、上下電極28に直流電圧を印加した状態で室温まで自然冷却することにより、配向分極やイオン分極または電子分極を固定化したエレクトレット材料15が作製される。
【0022】
また、イオン注入法により結晶化してエレクトレット材料15を作製する方法を、図5の工程図を参照して説明する。図5(a)に示すように、複合酸化物30の表面にB,Sb,P,Ti,Bi,W,Mn等の加速イオンを打ち込む。この複合酸化物30の表面に打ち込まれた加速イオンは、(b)に示すように、複合酸化物30の表面からD1=10nm〜300nmだけ内部に入る。このイオンが打ち込まれた複合酸化物30を加熱処理すると、拡散とイオン化により、イオンは、(c)に示すように、複合酸化物30の表面からD2=0.5〜10μmの範囲に入る。この複合酸化物30の上下に、(f)に示すように、電極28を取り付け、(g)、(h)に示すように加熱と直流電圧の印加を同時に行った後、直流電圧を印加しながら室温まで自然冷却することにより、配向分極やイオン分極または電子分極を固定化したエレクトレット材料15を作製することができる。
【0023】
また、焼結させたイオン性の異方性微粉末を一次焼結させ、さらに高温で加圧して方向性を持たせ、二次加圧焼結結晶化させると配向性セラミックスが得られ分極した状態になる。
【0024】
搬送ベルト14を構成する有機フレキシブルベルト15の材料としては、イソプレンゴムやネオプレンゴム,クロロプレンゴム,シリコンゴム系,フッ素樹脂ゴム系,ブタジエンゴム,ビスフエノール系エポキシ樹脂、フエノールテルペン樹脂、フエノールエーテル樹脂、ポリ塩化ビニリデン、ポリプリピレン、ナイロン系等が選択される。さらに耐久性と塗布有機材料によるダメージ防止の観点からポリエチレンテレフタノート,ポリエーテルエーテルケトン,ポリフェニレンサルファイド,ポリエーテルニトリル,アラミド,ポリイミド,ポリエーテルイミド等が挙げられる。これらの有機材料に前記エレクトレット材料16を埋没させて、図6(a)に示すようにエレクトレット材料16を均一に分散して埋設させた搬送ベルト14や、(b)に示すように、エレクトレット材料16を局部的に埋設させた搬送ベルト14を作製する。このように有機材料にエレクトレット材料16を分散したり局部的に埋設することにより、有機材料の混合や混練りが自在で、その強度確保にもよるが、エレクトレット材料16の混合比を選択することができる。
【0025】
給紙トレイ5から分離部17で分離された記録紙18に、図7に示すように、電圧印加ローラ19で搬送ベルト14の外周側と逆電荷を帯電させ、この帯電した記録紙18が搬送ベルト14に接触すると、搬送ベルト14のエレクトレット材料16により記録紙18に静電力が作用し、この静電力により搬送ベルト14に記録紙18を吸着する。このように搬送ベルト14に記録紙18を静電吸着することにより、記録紙18を搬送ベルト14に安定して吸着させることができる。また、搬送ベルト14に外部電界印加しないで記録紙18を静電吸着することができ、記録紙搬送装置8の構成を簡略化することができる。
【0026】
搬送ベルト14に吸着された記録紙18は搬送ベルト14の回転により印字部7に搬送される。記録紙18の画像形成領域の先端部が記録ヘッド3の真下に達すると、駆動ローラ12の回転を停止して搬送ベルト14を停止させる。このように記録紙18を搬送して停止させた状態で記録ヘッド3をキャリッジ4により走査方向に往復移動させてインク液滴を噴射して記録紙18に画像を形成する。記録紙18の画像形成領域の先端部の画像形成が終了すると、再び駆動ローラ12を駆動して搬送ベルト14を回転し、記録紙18を搬送して次の画像形成領域が記録ヘッド3の真下にきたら、駆動ローラ12の回転を停止して搬送ベルト14を停止させ、記録紙18に対する画像形成を繰り返す。この搬送ベルト14による記録紙18の搬送と停止を繰り返して記録紙18に画像を形成する。
【0027】
このように記録紙18の搬送と停止を繰り返して記録紙18に画像を形成するときに、エレクトレット材料16により静電力で記録紙18を搬送ベルト14に静電吸着して固定するから、記録紙18を搬送ベルト14に密着させることができ、記録紙18を安定して記録ヘッド3の位置に搬送することができる。したがって位置ずれのない高画質の画像を記録紙17に安定して形成することができる。
【0028】
前記説明では有機フレキシブルベルト15にエレクトレット材料16を分散したり局部的に埋設した場合について説明したが、図8に示すように、有機フレキシベルト15や、金属や無機,有機繊維の不織布や織布のベルトの表面に、帯状のエレクトレット材料16を、記録紙18の搬送方向や搬送方向と直交する方向又は搬送方向に対して傾けて貼り合せたり、全面に貼り合せて搬送ベルト14を構成しても良い。特に金属ベルトについては、図9に示すように、例えばSUSやNi等の金属合金のベルト材料31上にAl膜32を製膜し、これを陽極酸化処理して酸化物を生成する。この酸化物は使用する無機酸(塩酸、硫酸、硝酸、過塩素酸)や無機酸と有機酸(蟻酸、酢酸、琥珀酸、蓚酸)とPH1〜6により、酸化物膜中にポーラスサイズが5nm〜3μm程度のポーラス体33を形成することができる。また、酸化物の膜厚は陽極酸化反応の電解電流の電圧制御で規制できる。この陽極酸化工程で、分極に必要な金属イオンを添加し、このイオンを電気泳動で酸化物のポーラス孔に電着させ酸化物中に取り込み、必要に応じてポーラスの封孔を行なう。次に上電極を蒸着法やホトリソ法で形成し、加熱と電界により無機エレクトレットを作ることができる。
【0029】
このようにエレクトレット材料16を貼り合せることにより、搬送ベルト14を強靭にして耐久性を高めることができる。また、エレクトレット材料16を部分的に貼り合せることにより、記録紙18を吸着しない領域を部分的に有し、画像形成後に搬送ベルト14から記録紙18を容易に剥離することができる。さらに、エレクトレット材料16を全面に貼り合せることにより、搬送ベルト14を容易に作製することができるとともに吸着性を高めることができる。
【0030】
また、図10に示すように、有機フレキシベルト15や、金属や無機,有機繊維の不織布や織布のベルト34の表面に、帯状やスリット状及び粒状のエレクトレット材料16を搬送する記録紙18に合わせて貼り合せても良い。
【0031】
さらに、図11に示すように、無機や有機の不織布や織布のベルト34の厚さ内にエレクトレット材料16を均一分散したり局部的に埋没させても良い。このように不織布や織布のベルト34にエレクトレット材料16を埋没させることにより、搬送ベルト14の可撓性や耐久性を高めるとともに材料の選択の幅を大きくすることができる。
【0032】
また、図12に示すように、記録紙搬送装置8に、スポンジ等で形成された粘着性付与ローラ35と、例えばポリウレタンやポリエステルで形成されたスキージやブレードからなるダスト除去手段36を設け、搬送ベルト14の表面に粘着性付与ローラ35で粘着剤を塗布し、記録紙18を搬送ベルト14に静電吸着するとともに粘着剤の粘着性により固定することにより、記録紙18が高吸湿したり導電性シートの場合、搬送途中で剥離することを防ぐことができる。また、搬送ベルト14の表面の粘着剤に付着したダストをダスト除去手段36で除去して粘着性付与ローラ35で粘着剤を塗布することにより、記録紙18を搬送ベルト14に安定して固定することができる。この粘着剤としては、アルキルフエノール系としてクレゾール類、キシレノール類P−4ブチルフエノールやホルムアルデヒド系樹脂があり、SP値を合わせ適正混合組成化する。その他、クマロンやインデン樹脂,スチレン,シクロペンタジエン,低級の脂肪酸,フタール酸,カルボン酸,マレイン酸,C5以上の石油樹脂を使用すれば良い。
【0033】
また、図13(a)に示すように、有機フレキシベルト15や、不織布や織布のベルト34の表面にエレクトレット材料16を貼り合せるとともに、多孔質シリカやゼオライト等の吸湿材料37の薄膜を被覆することにより、記録紙18に吸着したインク中の水分を除去して、記録紙18の搬送ベルト14に対する静電吸着を向上することができる。
【0034】
さらに、図13(b)に示すように、有機フレキシベルト15や、不織布や織布のベルト34の表面に、炭酸カルシュウムや酸化マグネシュウム,リン酸カルシュウム等の潮解性材料38を成膜し、その表面にエレクトレット材料16を貼り合せるとともに、多孔質シリカやゼオライト等の吸湿材料37の薄膜を被覆することにより、吸湿材料37で吸湿した水分を潮解性材料38で吸収して揮発させることができ、記録紙18の水分を除去するとともに搬送ベルト14の表面で吸収した水分も除去することができ静電吸着性をより向上することができるとともに水分の影響で記録紙18にコックリングが生じることを防ぐことができ、記録位置を変動させずに良質な画像を形成することができる。
【0035】
また、搬送ベルト14で吸収した水分を湿度センサで検出し、水分が一定量を越えたときに装置内の加温乾燥気流や赤外線ランプ等を利用して乾燥するようにすると良い。
【0036】
前記説明はインクジェットプリンタ1に付いて説明したが、電子写真方式を使用した複写機やプリンタの記録紙搬送装置に同様に適用することができる。さらみ、記録紙だけでなく他の絶縁シートも同様にして搬送することができる。
【0037】
【発明の効果】
この発明は以上説明したように、シート搬送装置の駆動ローラと従動ローラに巻き回された搬送ベルトにエレクトレット材料を有し、エレクトレット材料の電子分極等により絶縁シートを搬送ベルトに静電吸着して搬送するから、外部電界を印加しないで済み、シート搬送装置の構成を簡略化することができる。
【0038】
また、搬送ベルトを、有機フレキシベルトにエレクトレット材料を分散又は局部的に埋没させて形成することにより、有機材料の混合や混練りを自在にすることができ、エレクトレット材料の混合比を最適に選択することができ、安定した静電吸着力を得ることができる。
【0039】
また、搬送ベルトを、有機フレキシベルト又は不織布や織布のベルトの表面に帯状のエレクトレット材料を部分的に貼り合せて形成することにより、搬送ベルトを強靭にして耐久性を高めることができる。
【0040】
さらに、搬送ベルトを、有機フレキシベルト又は不織布や織布のベルトの表面全体に、エレクトレット材料を貼り合せて形成することにより、搬送ベルトを容易に製作することができる。
【0041】
また、搬送ベルトを、有機フレキシベルト又は不織布や織布のベルトの表面に、帯状とスリット状及び粒状に形成されたエレクトレット材料を貼り合せて形成することにより、搬送する絶縁シートに応じたせ遺伝吸着力を得ることができ、絶縁シートを適切に静電吸着することができる。
【0042】
また、搬送ベルトを、不織布や織布のベルトにエレクトレット材料を分散又は局部的に埋没させて形成することにより、搬送ベルトの可撓性や耐久性を高めることができる。
【0043】
さらに、搬送ベルトの有機フレキシベルト又は不織布や織布のベルトに粘着材料を混成し、あるいは粘着材料を表面に塗布又は表面を部分被覆させて、搬送ベルトの表面に粘着性を持たせることにより、静電吸着した絶縁シートを搬送ベルトに固定することができ、絶縁シートが搬送中に搬送ベルトから剥離することを防ぐ。
【0044】
また、搬送ベルトの表面に粘着材料を塗布する粘着性付与手段と、搬送ベルトの表面をクリーニングするクリーニング手段を設け、搬送ベルトに付着したダスト等を除去するとともに粘着材料を再生することにより、搬送ベルトの粘着性を高めることができる。
【0045】
また、搬送ベルトの表面に吸湿性の大きい材料を被覆させ、搬送する絶縁シートの水分を吸収することにより、搬送ベルトの静電吸着力を高めることができる。
【0046】
さらに、このシート搬送装置を複写機やプリンタ等の画像形成装置に設け、記録媒体や原稿を静電吸着して搬送することにより、良質な画像を安定して形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明のインクジェットプリンタの構成図である。
【図2】記録紙搬送装置の構成図である。
【図3】搬送ベルトの構成を示す部分断面図である。
【図4】無機エレクトレットの作製方法を示す工程図である。
【図5】エレクトレットの他の作製方法を示す工程図である。
【図6】有機フレキシブルベルトに埋設されたエレクトレット材料を示す断面図である。
【図7】記録紙の搬送状態を示す構成図である。
【図8】エレクトレット材料を貼り合せた搬送ベルトの構成図である。
【図9】金属ベルトにエレクトレットを作製する状態を示す断面図である。
【図10】帯状とスリット状及び粒状に形成されたエレクトレット材料を貼り合せた搬送ベルトの構成図である。
【図11】不織布や織布のベルトにエレクトレット材料を埋設した搬送ベルトの構成図である。
【図12】搬送ベルトに粘着性を付与する記録紙搬送装置の構成図である。
【図13】吸湿性を有する搬送ベルトの構成を示す断面図である。
【符号の説明】
1;インクジェットプリンタ、2;インクカートリッジ、3;記録ヘッド、
4;キャリッジ、5;給紙トレイ、7;印字部、8;記録紙搬送装置、
9;排紙トレイ、12;駆動ローラ、13;従動ローラ、
14;搬送ベルト、15;有機フレキシブルベルト、
16;エレクトレット材料。
Claims (11)
- 駆動ローラと従動ローラに巻き回された搬送ベルトにエレクトレット材料を有し、絶縁シートを搬送ベルトに静電吸着して搬送することを特徴とするシート搬送装置。
- 前記搬送ベルトは、有機フレキシベルトにエレクトレット材料を分散又は局部的に埋没させて形成された請求項1記載のシート搬送装置。
- 前記搬送ベルトは、有機フレキシベルト又は不織布や織布のベルトの表面に、帯状のエレクトレット材料を部分的に貼り合せて形成された請求項1記載のシート搬送装置。
- 前記搬送ベルトは、有機フレキシベルト又は不織布や織布のベルトの表面全体に、エレクトレット材料を貼り合せて形成された請求項1記載のシート搬送装置。
- 前記搬送ベルトは、有機フレキシベルト又は不織布や織布のベルトの表面に、帯状とスリット状及び粒状に形成されたエレクトレット材料を貼り合せて形成された請求項1記載のシート搬送装置。
- 前記搬送ベルトは、不織布や織布のベルトにエレクトレット材料を分散又は局部的に埋没させて形成された請求項1記載のシート搬送装置。
- 前記搬送ベルトの有機フレキシベルト又は不織布や織布のベルトに粘着材料を混成し、あるいは粘着材料を表面に塗布又は表面を部分被覆させて、搬送ベルトの表面に粘着性を持たせた請求項1乃至6のいずれかに記載のシート搬送装置。
- 前記搬送ベルトの表面に粘着材料を塗布する粘着性付与手段と、搬送ベルトの表面をクリーニングするクリーニング手段を有する請求項1乃至6のいずれかに記載のシート搬送装置。
- 前記搬送ベルトの表面に吸湿性の大きい材料を被覆させた請求項1乃至8のいずれかに記載のシート搬送装置。
- 請求項1乃至9のいずれかに記載のシート搬送装置により記録媒体を搬送することを特徴とする画像形成装置。
- 請求項1乃至9のいずれかに記載のシート搬送装置により原稿を搬送することを特徴とする画像形成装置。
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