JP2008243975A - アモルファス薄膜の結晶化方法および結晶化装置 - Google Patents

アモルファス薄膜の結晶化方法および結晶化装置 Download PDF

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正史 高橋
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孝 海老沢
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Abstract

【課題】シリコンなどのアモルファス薄膜を効率的に、かつ良質に結晶化させる。
【解決手段】アモルファス薄膜(a−シリコン薄膜2)を結晶化させる際に、結晶化を助長する触媒が含まれる環境下(溶液塗布層3)に該アモルファス薄膜を置いて該アモルファス薄膜に、レーザ光源20から照射されたレーザ光21を照射して、前記環境から得られる触媒を前記アモルファス薄膜中に導入する。その後、固相結晶化することにより微細に制御された触媒により良好かつ効率よく結晶化がなされる。必要最低量で導入された触媒は、その後、除去処理を不要にすることもでき、触媒を無駄なく使用できる。レーザ光21は、スポット状にして、面積、位置を微細に制御することで触媒の導入位置等を微細に制御できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、アモルファス薄膜の結晶化方法および結晶化装置に関するものであり、特に液晶パネル等に用いられているシリコン(Si)薄膜を用いたTFT(薄膜トランジスタ)の製造技術に関するもので、シリコンをアモルファス状態から結晶状態へ変化させることで特性向上を図る手段の一つである。
TFTの高性能化のためには母材となるSi薄膜の高品質化が欠かせない。一般的にTVやPCディスプレイで用いられているTFTはアモルファス(非結晶)シリコン(以降a−シリコン)であるが、何らかの手段でSiを結晶化(以降p−シリコン)して利用することでTFTとしての性能(ON−OFFスイッチング特性、リーク電流低減など)を格段に向上させることができる。現在はSi結晶化プロセスとしてエキシマレーザアニール技術がすでに実用化されており、携帯電話等の小型ディスプレイ向け用途で頻繁に利用されている。しかしながらレーザアニール技術により作製したp−シリコン薄膜の問題として、Si溶液からの結晶成長時に粒界が著しく盛り上がる等の問題が一部にあり、最良のプロセスとは言い難い。
レーザアニール以外の技術としてSPC(固相結晶化)がある。SPCは、シリコンを融点以下のある程度の高温で長時間熱処理することで、溶融過程を経ずにp−シリコンが成長するプロセスである。このプロセスはシリコン薄膜の基板として用いられるガラスが変質しないような500〜550℃前後の温度でも実現可能ではあるが、数時間〜数十時間もの長時間処理が必要な点に難があり、工業的には利用されていない。
上記SPCを改良して結晶化速度を向上させた方法がMILC(金属触媒による固相結晶化、例えば特許文献1参照)である。この技術はa−シリコン薄膜表面に微量な金属(Niが一般的)を点状に付着させた後、電気炉加熱等によりSPC成長させるものであり、シリコンとNiとの反応で生成されたNi−Si化合物がシリコンの結晶化を促進するために、高効率なプロセスを実現できる。
特開平9−55510号公報
しかし、このMILCの課題は、以下の点にある。
1.Ni量の制御や付着面積の微細制御が困難であり、付着導入する触媒の付着金属量の微小制御(膜厚数nm相当)や微細位置制御が困難である。
2.SPC後に余分なNiをエッチング等で除去しているが、ある程度残留したNiがTFT特性を低下させる。また、金属触媒を除去して捨てる無駄も多い。
3.Ni付着(PVD)とエッチング、SPC成長をそれぞれ別チャンバー・別エリアでおこなうため試料搬送の時間ロスが大きく、装置の設置スペースを大きく取る必要がある。
このため、MILCでは、プロセスが複雑となり、各装置のサイズあるいは設置面積を大きくとらなくてはならないという問題がある。
本発明は、上記事情を背景としてなされたものであり、シリコンなどのアモルファス薄膜を、微細に制御した、結晶化を助長する触媒によって結晶化させることを可能にし、よって、触媒用の物質を無駄なく使用し、かつアモルファス薄膜への触媒の過剰な導入を防止して、アモルファス薄膜の特性への悪影響をないものにして効率的にアモルファス薄膜を結晶化させることを目的とする。
すなわち、請求項1記載のアモルファス薄膜の結晶化方法の発明は、アモルファス薄膜を結晶化させる際に、結晶化を助長する触媒が含まれる環境下に該アモルファス薄膜を置いて該アモルファス薄膜にレーザ光を照射して、前記環境から得られる触媒を前記アモルファス薄膜中に導入することを特徴とする。
請求項2記載のアモルファス薄膜の結晶化方法の発明は、請求項1記載の発明において、前記環境が結晶化を助長する触媒が含まれるガス雰囲気内または溶液内であることを特徴とする。
請求項3記載のアモルファス薄膜の結晶化方法の発明は、請求項1記載の発明において、前記環境が結晶化を助長する触媒が含まれる物質がアモルファス薄膜に付着されたものであることを特徴とする。
請求項4記載のアモルファス薄膜の結晶化方法の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の発明において、前記結晶化を助長する触媒が、ニッケル(Ni)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、パラジウム(Pd)、または白金(Pt)のうちの少なくとも1つ以上を含む金属元素であることを特徴とする。
請求項5記載のアモルファス薄膜の結晶化方法の発明は、請求項1〜4のいずれかに記載の発明において、前記レーザ光は、スポット形状にして前記アモルファス薄膜に照射されるものであることを特徴とする。
請求項6記載のアモルファス薄膜の結晶化方法の発明は、請求項1〜5のいずれかに記載の発明において、前記レーザ光の照射に際し、前記アモルファス薄膜を加熱して該アモルファス薄膜への触媒の導入を制御することを特徴とする。
請求項7記載のアモルファス薄膜の結晶化方法の発明は、請求項1〜6のいずれかに記載の発明において、前記アモルファス薄膜への前記触媒の導入後に、固相結晶化処理を行うことを特徴とする。
請求項8記載のアモルファス薄膜の結晶化装置の発明は、結晶化を助長する触媒が含まれる環境下に置いてアモルファス薄膜を配置させる処理チャンバと、1つないしは複数の波長のレーザ発振が可能なレーザ光源と、該レーザ光源から出力されるレーザ光を前記処理チャンバに導くレーザ光学系とを備えることを特徴とする。
請求項9記載のアモルファス薄膜の結晶化装置の発明は、請求項8記載の発明において、前記アモルファス薄膜に照射する前記レーザ光と前記アモルファス薄膜とを相対的に移動させる移動装置を備えることを特徴とする。
請求項10記載のアモルファス薄膜の結晶化装置の発明は、請求項8または9記載の発明において、前記レーザ光学系に、前記レーザ光の径を細く整形するための光学マスクあるいは収束光学系を有することを特徴とする。
請求項11記載のアモルファス薄膜の結晶化装置の発明は、請求項8〜10のいずれかに記載の発明において、前記アモルファス薄膜に前記触媒を含む物質を付着させる触媒物質付着装置を備えることを特徴とする。
請求項12記載のアモルファス薄膜の結晶化装置の発明は、請求項8〜11のいずれかに記載の発明において、前記処理チャンバ内に対し、結晶化を助長する前記触媒が含まれる雰囲気ガスまたは溶液を導入、排出するフロー装置を備えることを特徴とする。
請求項13記載のアモルファス薄膜の結晶化装置の発明は、請求項8〜12のいずれかに記載の発明において、前記アモルファス膜を加熱する加熱装置を備えることを特徴とする。
すなわち、本発明によれば、アモルファス薄膜を結晶化を助長する触媒が含まれる環境下に置いてレーザ光を照射すると、照射エリアのみにおいて、該環境下にある雰囲気ガス分子や溶液分子、さらに付着成分の分解反応など(例えば(Ni(NHSO)→Ni(met.)+2NH+2SO+gasやNiCl→Ni(met.)+Cl)が起こり、金属原子などの触媒がアモルファス薄膜に付着堆積し、さらに拡散をして薄膜中に導入される。
レーザ光が照射されたエリア以外では、触媒の導入がなされないため、所望の位置にのみ触媒を微細位置制御して導入することができる。例えば、レーザ光をスポット状にして所定の間隔を置いてアモルファス薄膜に照射するようにすれば、アモルファス薄膜には、触媒を群状に点在させることができ、間隔を略均等にすることも可能になる。また、触媒が導入される面積は、レーザ光のスポット径を調整することにより微細かつ正確に制御することができる。さらに、レーザ光の照射エリアにおける触媒の導入深さは、レーザ照射条件と前記環境におけるガス濃度や溶液濃度、付着量、基板温度などにより制御可能である。
なお、本発明は、特にアモルファスシリコンを多結晶化させるのに有益である。しかし、本発明の対象がこれに限定されるものではなく、その他の材質のアモルファス薄膜を対象にして多結晶化することも可能である。
上記アモルファス薄膜は、適宜材料の基板の上層に形成されているものであるが、基板上に直接形成されているものの他、他の層を1層または2層以上介在させて形成されているものであってもよい。
また、上記アモルファス薄膜の結晶化を助長する触媒の種別も特に限定されるものではなく、本発明としては、前記アモルファス薄膜の種別に応じて適宜の触媒を選択することができる。なお、アモルファスシリコンなどの結晶化を助長する触媒としては、好適には、ニッケル、鉄、コバルト、パラジウム、白金の金属元素を例示するすることができる。
上記触媒は、レーザ光の照射によってアモルファス薄膜に堆積されて薄膜中に導入されることが必要になる。このため、レーザ光の照射によって適宜の反応が生じるなどして上記触媒導入がなされる場合には、該触媒は、触媒を含む適宜の化合物の形で上記環境下に提供される。この化合物の内容が本発明として特定のものに限定をされるものではなく、レーザ光の照射に伴って分解してアモルファス薄膜に所望の触媒が導入されるものであればよい。
また、アモルファス薄膜を、上記触媒が含まれる環境下に置く場合、該環境の形成としては、ガス雰囲気、溶液、付着物の形などにより行うことができる。すなわち、ガス雰囲気による場合、上記触媒を含むガスによりアモルファス薄膜を覆う雰囲気を形成する。また、溶液による場合、上記触媒を含む溶液内にアモルファス薄膜を浸漬したり、アモルファス薄膜に接触しつつ流動させたりする。これらの場合、アモルファス薄膜を配置する処理チャンバ内に、上記ガスや溶液を導入することで上記環境を形成することができる。さらに、付着物の場合には、上記触媒を含む溶液やスラリー、粘性物、固体などをアモルファス薄膜に付着させることができる。付着方法は特に限定されるものではなく、触媒付着装置を用いて塗布や噴霧などの適宜の方法を選択することができる。触媒付着装置は、付着方法に応じて既知のものを用いることができる。
本発明により触媒を導入したアモルファス薄膜は、従来と同様に適当な雰囲気中で高温保持してSPCによる結晶化をおこなうことができる。通常の成膜装置やLAチャンバと同様に基板を数百℃まで加熱機構を装備することで反応速度を速めることも可能である。アモルファス薄膜に導入された触媒は、例えば触媒であるNiと薄膜を構成するSiとの間でNi−Si化合物が生成され、これが結晶の核となってアモルファス構造が結晶化されて多結晶薄膜となる。この多結晶薄膜は、前記触媒元素を核をとして面方向に結晶化が進むのでの、盛り上がりなどの現象が生じることがなく、良質な多結晶薄膜が得られる。特に触媒を略均等に間隔をおいて点在させて結晶化することにより、均等な特性を有する多結晶薄膜が得られる。
なお、結晶化は、本発明の結晶化装置における加熱装置を用いて、触媒を導入したアモルファス薄膜を加熱することにより行うことができる。これにより、触媒を導入した装置をそのまま用いて、基板の搬出や他装置への搬送を伴うことなく結晶化の処理を行うことが可能になる。なお、所望により、触媒の導入を行った装置とは異なる他の装置で結晶化を行うことも可能であり、これも当然に本発明の範囲内となるものである
本発明により得られる多結晶薄膜は、その用途が特定のものに限定されるものではないが、好適には、薄膜トランジスタ回路などに適用することができる。
以上説明したように、本発明のアモルファス薄膜の結晶化方法によれば、アモルファス薄膜を結晶化させる際に、結晶化を助長する触媒が含まれる環境下に該アモルファス薄膜を置いて該アモルファス薄膜にレーザ光を照射して、前記環境から得られる触媒を前記アモルファス薄膜中に導入するので、触媒導入量・導入位置の微細制御が実現可能となる。また、レーザ光を微小な径(μmオーダー)に整形して照射すれば、触媒導入面積を著しく小さくできるため、「触媒の材料利用効率の高さ」と「触媒導入量・導入位置の微細制御」についてさらに高い効果が得られる。また、必要最低量の触媒をアモルファス薄膜に導入することが可能になるので、従来法のように触媒をエッチングで除去する工程を省略することができる。
また、触媒を導入する装置で、アモルファス薄膜を加熱することを可能にすれば、固相結晶化のために別チャンバなどを用意する必要がなくなるので、プロセスが簡略化され装置サイズをコンパクト化できる。同時にプロセスの所要時間を短縮することが可能となる。
(実施形態1)
以下に、本発明の一実施形態を図1、2に基づいて説明する。
出発材料であるa−シリコン薄膜2を表面に堆積させた基板1を用意する。該基板1には直接a−シリコン薄膜2を形成してよく、この他に、例えばガラス基板の表面にSiO等の絶縁層を化学気相堆積法などによって堆積させ、その上に化学気相堆積法などによって、a−シリコン薄膜2を数十〜数百nmの厚さで堆積させたものなどを用いることもできる。なお、a−シリコン薄膜の膜厚は、多結晶化させた薄膜を用いる用途などに応じて適宜選定される。
上記基板1は、触媒物質付着装置である溶液塗布装置(図示しない)内に設置した後、触媒元素を含有した溶液(例えばNi(NHSO)をディスペンサ等により基板1上のa−シリコン薄膜2に塗布・乾燥させ、付着層として溶液塗布層3を設ける。なお、該溶液の濃度や塗布量は、a−シリコン薄膜2に導入される触媒量にも影響するため、塗布による触媒元素の付着量を調整するのが望ましい。例えば、a−シリコン薄膜2への好適な触媒量を想定して、乾燥後の溶液塗布層3内に存在する触媒元素濃度を10〜1019atoms/cmとするのが望ましい。
該基板1はレーザ処理チャンバ10内へ搬送し設置される。レーザ処理チャンバ10には、配置された基板1を加熱するヒータ11を備えており、レーザ処理チャンバ10の外部には、所定波長のレーザ光を出力するレーザ光源20が配置されている。該レーザ光20から出力されるレーザ光21は、ミラー22、レンズ23、石英などの導入窓24などによって構成されるレーザ光学系を介してスポット形状にして、レーザ処理チャンバ10内に導入される。なお、レーザ光学系では、ミラー23、レンズ23などの移動によって導入窓24に照射されるレーザ光21の位置を制御することができる。以上により、本発明のアモルファス薄膜の結晶化装置が構成されている。
以下に、上記アモルファス薄膜の結晶化装置の作用について説明する。
レーザ光源20よりレーザ光21(例えば波長248nm、KrFレーザ光)を出力し、レーザ光学系を介して、スポット形状としたレーザ光をレーザ処理チャンバ10内に設置されたa−シリコン薄膜2に照射する。この際に、レーザ光21は、a−シリコン薄膜2表面にジャストフォーカスとなるように調整するのが望ましい。
なお、レーザ光のスポット形状(円形、楕円形や方形など)は、上記したレンズ23などによる絞り込みにより行うことができる。該スポット形状の大きさは、本発明としては特に限定されるものではないが、好適には0.1〜100μmのサイズが例示される。このサイズによる面積に応じて触媒がa−シリコン薄膜2に導入されて結晶の核として有効に機能する。
スポット形状のレーザ光21をアモルファス薄膜2の表面に照射すると、レーザ照射部の局所的な温度上昇および光分解反応により溶液塗布層3中の触媒元素がa−シリコン薄膜2の表面に付着・拡散し、a−シリコン薄膜2中に導入される。エキシマレーザを用いた場合、20〜300mJ/cmのエネルギー密度で照射をおこなえば、a−シリコン薄膜2を溶融させることなく効率的に触媒含有溶液の分子を分解させることが可能である。また、レーザ光は、移動を伴う場合、パルス状(例えば周波数1Hz)にして照射するのが望ましい。
上記レーザ光21は、光学系の位置移動によってa−シリコン薄膜2に対する照射位置を変更する。この際に照射位置の移動をレーザ光のパルスに同期させることで、所望の位置以外でa−シリコン薄膜2にレーザ光21が照射されないようにすることができる。なお、照射位置を移動させる場合、この実施形態では、レーザ光21を移動させるものとしたが、a−シリコン薄膜2側を移動させて照射位置を変えても良く、また、両者を移動させて照射位置を変更するものであってもよい。
上記レーザ光の照射および位置の調整によって、面方向に間隔を置いて群状に点在するように触媒3aが導入される。この際に、レーザ光とa−シリコン薄膜との相対的な移動速度の調整によって間隔を調整することができる(例えば1Hzのパルス周波数の場合、0.1mm/秒の移動により間隔を100μmとすることができる)。この際の間隔は、前記したレーザ光の照射エリアの面積や後の固相結晶化を考慮して設定するのが望ましく、好適には、1〜1000μmを示すことができる。
また、上記レーザ光21の照射エリアでは、溶液塗布層3での触媒濃度の調整によって、1エリア当たりで最大1018atmの触媒をa−シリコン薄膜2に導入することができる。
上記触媒導入後はレーザ処理チャンバ10内に不活性ガスを導入または真空排気した状態で、基板1をヒータ11によって500〜600℃の範囲でヒータ加熱し、固相結晶化を行う。この加熱によって、溶液塗布層3は初期に蒸散し、a−シリコン薄膜2には、図2(a)に示すように導入された触媒3aが間隔を置いて残存する。
この過程で、図2(b)に示すように、触媒3aとシリコンの化合物を核とするシリコン膜の結晶化が進行し、最終的に基板全体(もしくは所定位置のみ)にp−シリコン膜2aが形成される。この固相結晶化の処理は、例えば数分〜数十分というような短時間で行うことが可能である。
なお、前記した触媒導入過程では基板1の温度制御を必要としないが、触媒導入深さを精密に制御する場合には基板1全体をヒータ加熱することで高い効果が得られる。
上記により得られる多結晶薄膜は、導入された触媒が略均等に点在して面方向に結晶化が進行しており、所定位置のみを結晶化する場合を除いて、膜全体が均等に結晶化がなされている。この多結晶薄膜は、TFTなどの薄膜トランジスタ回路の作製材料として好適に用いることができる。
(実施形態2)
上記実施形態では、触媒が含まれる環境として、アモルファス薄膜の表面に触媒が含まれる物質を付着させた場合について説明をしたが、本発明では、触媒が含まれる環境がこれに限定されるものではない。以下では、触媒が含まれる環境がガス雰囲気である形態について説明する。なお、上記と同様の構成については同一の符号を付してその説明を省略または簡略化する。
この形態ではレーザ処理チャンバ10に、触媒ガスボンベ12とバッファガスボンベ13とがそれぞれガス送り管12a、13aにより接続されており、ガス送り管12a、13aには、それぞれ開閉弁12b、13bが介設されている。また、レーザ処理チャンバ10には排気管14が接続されており、排気管14には開閉弁14bが介設されている。
上記触媒ガスボンベ12には、触媒が含まれるガスがプロセスガスとして収納されており、この形態では、プロセスガスとしてNiClガスが用いられている。NiClガスは、例えば、NiClをメチルアルコールなどに溶解させた後、加熱(例えば80℃)して気化させることにより得ることができる。また、バッファガスボンベ13には、Arなどのバッファガスを収容しておく。
この実施形態でも前記実施形態で説明した基板1にa−シリコン薄膜2を形成したものを処理対象とする。
以下に、本実施形態の作用について説明する。
レーザ処理チャンバ10内に基板1を配置し、開閉弁12b、13bを開いて触媒ガスボンベ12およびバッファガスボンベ13よりガス送り管12a、13aを通してレーザ処理チャンバ10内にプロセスガスとバッファガスを導入する。レーザ処理チャンバ10内にガスが充填されると、該レーザ処理チャンバ10内のプロセスガス圧が一定に保たれるように、排気管14の開閉弁14bを開くとともに、プロセスガスとバッファガスを引き続き導入してガスをフローさせる。これによりガス雰囲気4に含まれる触媒の濃度も一定に保たれ、触媒導入処理が均等になされる。この際に、触媒の濃度は、レーザ光の照射により適度の触媒がa−シリコン薄膜に導入されることを想定して調整するのが望ましく、触媒が10〜1019atms/cmの濃度でガス雰囲気中に含まれているのが好適である。
このガス雰囲気4中で、前記実施形態1と同様に、レーザ処理チャンバ10内にレーザ光21を導入し、好適には0.1〜100μmのサイズでa−シリコン薄膜2にレーザ光21をスポット状に照射する。基板1上においては、レーザが照射されたスポットのみで雰囲気ガス分子の分解反応(たとえばNiCl→Ni(met.)+Cl)が起こり、触媒金属原子がa−シリコン薄膜上に堆積、拡散する。この際に、雰囲気ガス4はフローされているので、雰囲気ガス中の触媒の濃度が略一定に維持されており、照射位置を変更する場合にも、各照射位置で均等に触媒の堆積、拡散が生じる。これによりa−シリコン薄膜2には、最大で1018atoms/cmの触媒が照射エリアにおいて導入される
レーザ光21とa−シリコン薄膜2とは、上記実施形態1と同様に相対的に移動させることで面方向において触媒群を点在させることができ、その際の間隔は、上記実施形態と同様に好適には1〜1000μmとされる。
レーザ光の照射後には、プロセスガスの供給を停止し(開閉弁12bを閉じる)、レーザ処理チャンバ10内をバッファガスで置換する。この後、ヒータ11によって基板1を500〜550℃程度に加熱し、前記した触媒を核にしてa−シリコン薄膜2を結晶化させる。この固相結晶化によって、最終的に基板全体(もしくは所定位置のみ)にp−シリコン膜が形成される。
(実施形態3)
上記実施形態1、2では、レーザ光とアモルファス薄膜とを相対的に移動させることで、レーザ光の照射位置を変え、よって触媒の導入位置を所定の間隔を置いて設けたが、レーザ光を多数のスポットに整形して、各スポットを一度にアモルファス薄膜に照射するものであっても良い。
この形態では、マスク30を用いて多数のスポット状のレーザ光を得る。
すなわち、マスク30は、所定の間隔をおいて所定大きさのレーザ透過部30aが多数形成されており、レーザ透過部30a以外では、マスク30によってレーザ光31の透過が遮断されるように構成されている。
このマスク30を上記したレーザ処理チャンバ10などに設置して、該マスク30を通してアモルファス薄膜(図示しない)に大きなビームサイズのレーザ光31を照射すると、レーザ光31は、上記したレーザ透過部30aを通してのみ透過し、各レーザ透過部30aの大きさに応じたスポット状のレーザ光31aがアモルファス薄膜(図示しない)に照射される。なお、レーザ光31をレンズなどによって収束させるようにしておけば、レーザ透過部30aを通過した後、さらに小さなビームになってアモルファス薄膜に照射することができる。
この形態では、スポット状のレーザ光がアモルファス薄膜に一括して照射され、各照射エリアにおいて上記各実施形態と同様にして効率よく触媒がアモルファス薄膜に導入される。なお、レーザ光によって一度に多数のレーザ透過部30aに照射できない場合には、上記各実施形態と同様にレーザ光とアモルファス薄膜とを相対的に移動させることを組み合わせることで広い面積に亘ってアモルファス薄膜への触媒導入処理を行うことも可能である。
上記のようにして触媒を導入したアモルファス薄膜は、前記各実施形態と同様に構想結晶化によって良好に結晶化されて、多結晶薄膜が効率よく得られる。
本発明の一実施形態におけるアモルファス薄膜の結晶化装置を示すものである。 同じく、結晶化方法における触媒導入過程を示す図である。 本発明の他の実施形態におけるアモルファス薄膜の結晶化装置を示すものである。 さらに他の実施形態におけるアモルファス薄膜の結晶化装置に用いるマスクを示す図である。 同じく、上記マスクによりスポット状のレーザ光が得られる状態を示す図である。
符号の説明
1 基板
2 a−シリコン薄膜
3 溶液塗布層
4 ガス雰囲気
10 レーザ処理チャンバ
11 ヒータ
12 触媒ガスボンベ
20 レーザ光源
21 レーザ光
30 マスク
30a レーザ透過部
31 レーザ光
31a スポット状レーザ光

Claims (13)

  1. アモルファス薄膜を結晶化させる際に、結晶化を助長する触媒が含まれる環境下に該アモルファス薄膜を置いて該アモルファス薄膜にレーザ光を照射して、前記環境から得られる触媒を前記アモルファス薄膜中に導入することを特徴とするアモルファス薄膜の結晶化方法。
  2. 前記環境が結晶化を助長する触媒が含まれるガス雰囲気内または溶液内であることを特徴とする請求項1記載のアモルファス薄膜の結晶化方法。
  3. 前記環境が結晶化を助長する触媒が含まれる物質がアモルファス薄膜に付着されたものであることを特徴とする請求項1記載のアモルファス薄膜の結晶化方法。
  4. 前記結晶化を助長する触媒が、ニッケル(Ni)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、パラジウム(Pd)、または白金(Pt)のうちの少なくとも1つ以上を含む金属元素であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のアモルファス薄膜の結晶化方法。
  5. 前記レーザ光は、スポット形状にして前記アモルファス薄膜に照射されるものであることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のアモルファス薄膜の結晶化方法。
  6. 前記レーザ光の照射に際し、前記アモルファス薄膜を加熱して該アモルファス薄膜への触媒の導入を制御することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のアモルファス薄膜の結晶化方法。
  7. 前記アモルファス薄膜への前記触媒の導入後に、固相結晶化処理を行うことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のアモルファス薄膜の結晶化方法。
  8. 結晶化を助長する触媒が含まれる環境下に置いてアモルファス薄膜を配置させる処理チャンバと、1つないしは複数の波長のレーザ発振が可能なレーザ光源と、該レーザ光源から出力されるレーザ光を前記処理チャンバに導くレーザ光学系とを備えることを特徴とするアモルファス薄膜の結晶化装置。
  9. 前記アモルファス薄膜に照射する前記レーザ光と前記アモルファス薄膜とを相対的に移動させる移動装置を備えることを特徴とする請求項8記載のアモルファス薄膜の結晶化装置。
  10. 前記レーザ光学系に、前記レーザ光の径を細く整形するための光学マスクあるいは収束光学系を有することを特徴とする請求項8または9記載のアモルファス薄膜の結晶化装置。
  11. 前記アモルファス薄膜に前記触媒を含む物質を付着させる触媒物質付着装置を備えることを特徴とする請求項8〜10のいずれかに記載のアモルファス薄膜の結晶化装置。
  12. 前記処理チャンバ内に対し、結晶化を助長する前記触媒が含まれる雰囲気ガスまたは溶液を導入、排出するフロー装置を備えることを特徴とする請求項8〜11のいずれかに記載のアモルファス薄膜の結晶化装置。
  13. 前記アモルファス膜を加熱する加熱装置を備えることを特徴とする請求項8〜12のいずれかに記載のアモルファス薄膜の結晶化装置。
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