JP2000114527A - 半導体装置及びその作製方法 - Google Patents
半導体装置及びその作製方法Info
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Abstract
Tで回路を組むことによって高性能な半導体装置を実現
する。 【解決手段】 半導体膜に対して熱アニールを行い結晶
を含む半導体膜を形成する工程と、結晶を含む半導体膜
に対して酸化処理を行う工程と、酸化処理を行った半導
体膜に対してレーザーアニール処理を行う工程と、レー
ザーアニール後の半導体膜に対してファーネスアニール
処理を行う工程とを有する。レーザーアニール処理は2
50〜5000mJ/cm2のエネルギー密度で行われる。
Description
た薄膜トランジスタ(以下、TFTと呼ぶ)を回路とし
て含む半導体装置及びその作製方法に関する技術であ
る。なお、本明細書において、半導体装置とは半導体を
用いて機能させる装置全般を指すものである。
文言には、TFTの如き単体の半導体素子のみならず、
TFTを有する電気光学装置、半導体回路及びそれらを
搭載した電子機器をも含むものとする。
装置の様な電気光学装置に用いられるTFTの開発が活
発に進められている。アクティブマトリクス型液晶表示
装置は、同一基板上に画素マトリクス回路とドライバー
回路とを設けたモノリシック型表示装置である。
来のICと同等の機能を持つ半導体回路を形成する試み
もなされている。例えばγ補正回路、メモリ回路、クロ
ック発生回路等のロジック回路を内蔵したシステムオン
パネルの開発が検討されている。
高速動作を行う必要があるので、活性層として非晶質半
導体膜(代表的にはアモルファスシリコン膜)を用いる
ことは不適当である。そのため、現状では結晶質半導体
膜(代表的にはポリシリコン膜)が検討されている。
で組む回路に対して従来のICに匹敵する回路性能を要
求される様になってくると、これまでの技術で形成され
た結晶質半導体膜では、回路の仕様を満たすに十分な性
能を有するTFTを作製することが困難な状況になって
きた。
膜を用いたTFTよりも電気特性の優れたTFTを作製
し、そのTFTで回路を組むことによって高性能な半導
体装置を実現することを課題とする。
の要旨は、結晶を含む半導体膜を形成する第1工程と、
前記結晶を含む半導体膜を酸化して膜厚を減じる第2工
程と、前記第2工程後の結晶を含む半導体膜に対して2
50〜5000mJ/cm2のエネルギー密度のレーザーアニ
ール処理を行う第3工程と、前記第3工程後の結晶を含
む半導体膜に対してファーネスアニール処理を行う第4
工程と、を含むことを特徴としている。
体膜を形成する第1工程と、前記結晶を含む半導体膜を
酸化して膜厚を減じる第2工程と、前記第2工程後の結
晶を含む半導体膜に対して250〜5000mJ/cm2のエ
ネルギー密度のレーザーアニール処理を行う第3工程
と、前記第3工程後の結晶を含む半導体膜に対して還元
雰囲気中において900〜1200℃のファーネスアニ
ール処理を行う第4工程と、を含むことを特徴としてい
る。
は結晶成分を含む半導体膜全てを含み、具体的には単結
晶半導体膜、多結晶半導体膜、微結晶半導体膜、非晶質
半導体膜の一部のみが結晶化している半導体膜、実質的
に単結晶と見なせる半導体膜を指す。
とは、複数の結晶粒が集合して形成された半導体膜であ
りながら、個々の結晶粒の面方位が揃っている様な結晶
性を有する、即ち膜面全体において特定の配向性を示す
様な半導体膜を指す。
分を含む半導体膜全てを含み、微結晶半導体膜、非晶質
半導体膜、非晶質半導体膜の一部のみが結晶化している
半導体膜を指す。
ン膜を代表的な例として挙げているが、ゲルマニウム膜
やシリコンゲルマニウム膜(Si1-xGex(0<X<1)で表
される)などの半導体膜も本願発明に用いることができ
ることは言うまでもない。
処理を行う工程ではKrF(波長248nm)、XeCl
(波長308nm)、ArF(波長193nm)などを励起
ガスとしたエキシマレーザー光を用いると良い。レーザ
ー光のビーム形状は線状であっても面状であっても良
い。
ネルギーはエキシマレーザー光に限ったものではなく、
紫外光又は赤外光を用いても構わない。その場合、レー
ザー光と同等の光強度を持つ強光を紫外光ランプや赤外
光ランプから照射すれば良い。
ル処理は処理雰囲気に特に限定はないが、還元雰囲気と
するのが好ましい。還元雰囲気とは水素雰囲気、アンモ
ニア雰囲気、水素又はアンモニアを含む不活性雰囲気
(水素と窒素の混合雰囲気や水素とアルゴンの混合雰囲
気など)を指している。また、処理温度は900〜12
00℃(好ましくは1000〜1100℃)とすること
が好ましい。
面を平坦化する効果がある。これは表面エネルギーを最
小化しようとする半導体原子の増速表面拡散の結果であ
る。また、同時にこの工程は結晶粒界や結晶粒内に存在
する欠陥を著しく低減するといった効果をも有する。こ
れは水素による未結合手の終端効果と、水素による不純
物の除去効果及びそれに伴う半導体原子同士の再結合と
による。これらの効果を得るには還元雰囲気中で900
〜1200℃の熱処理が必要である。
ム雰囲気又はアルゴン雰囲気)でも結晶を含む半導体膜
の表面の平坦化は可能である。しかし還元作用を利用し
て自然酸化膜の還元を行うとエネルギーの高いシリコン
原子が多く発生し、結果的に平坦化効果が高まるので好
ましい。
施形態について、以下に記載する実施例でもって詳細な
説明を行うこととする。
して基板上にTFTを作製する工程について説明する。
説明には図1を用いる。
しては耐熱性の高い材料を選択しなければならない。石
英基板の代わりにシリコン基板、セラミックス基板、結
晶化ガラス基板、金属基板等の耐熱性の高い材料を用い
ることもできる。
設けても設けなくても良いが、他の材料を用いる時は下
地膜として絶縁膜を設けることが好ましい。絶縁膜とし
ては、酸化珪素膜(SiOx )、窒化珪素膜(Six N
y )、酸化窒化珪素膜(SiOx Ny )、窒化アルミニ
ウム膜(AlxNy)のいずれか若しくはそれらの積層膜
を用いると良い。
した下地膜を用いると放熱効果が大幅に高まるので有効
である。放熱効果は上述の窒化アルミニウム膜と酸化珪
素膜との積層構造でも十分な効果を示す。
90nm厚の半導体膜(本実施例ではアモルファスシリコ
ン膜)102を形成し、その表面にニッケル含有層10
3を形成した。ニッケル含有層103の形成方法に関し
ては特開平7−130652号公報に記載された技術を
参考にすると良い。(図1(A))
2号公報に記載された技術を用いてニッケルを添加する
例を示すが、ニッケル膜を成膜して熱拡散させる方法や
イオン打ち込み法(イオンインプランテーション法(質
量分離あり)、プラズマドーピング法(質量分離なし)
又はレーザードーピング法など)を用いても良い。
2の成膜ガスとしてジシラン(Si 2H6)を用い、45
0℃の減圧熱CVD法により成膜した。この時、膜中に
混入するC(炭素)、N(窒素)及びO(酸素)といっ
た不純物の濃度を徹底的に管理することが重要である。
これらの不純物が多く存在すると結晶化の進行が妨げら
れるからである。
18atoms/cm3以下(好ましくは5×1017atoms/cm3以
下)、酸素の濃度が1×1019atoms/cm3以下(好まし
くは5×1018atoms/cm3以下)となる様に不純物濃度
を管理した。また、金属元素は1×1017atoms/cm3以
下となる様に管理した。成膜段階でこの様な濃度管理を
しておけば、外部汚染さえ防げばTFT作製工程中に不
純物濃度が増加する様なことはない。
コン膜102の全面(全部の領域)に対して重量換算で
10ppmのニッケルを含む酢酸ニッケル塩溶液をスピン
コート法により塗布し、450℃1時間程度の水素出し
を行った。
または酸素雰囲気において500〜700℃(代表的に
は550〜650℃)の温度で4〜24時間の加熱処理
を加えてポリシリコン膜104を得た。このポリシリコ
ン膜104にはニッケルが1×1018〜1×1019atom
s/cm3の濃度で残存する。(図1(B))
ではアモルファスシリコン膜中にニッケルは添加されて
いない。しかし、その後の水素だし工程でニッケルがア
モルファスシリコン膜中へと容易に拡散するので実質的
には添加工程と考えて良い。
ァスシリコン膜と同等の膜質が得られるのであればプラ
ズマCVD法を用いても良い。また、完全にアモルファ
ス状態の半導体である必要はなく、微結晶シリコン膜等
を形成しても良い。
にゲルマニウムを含有させたシリコンゲルマニウム(Si
x Ge1−x (0<X<1)で表される)等の半導体膜を用い
ても良い。その場合、シリコンゲルマニウム中に含まれ
るゲルマニウムは5atomic%以下にしておくことが望ま
しい。
o)、鉄(Fe)、パラジウム(Pd)、白金(P
t)、銅(Cu)、金(Au)といった格子侵入型の触
媒元素またはゲルマニウム(Ge)、鉛(Pb)、錫
(Sn)といった格子置換型(または溶融型)の触媒元
素から選ばれた一種または複数種を用いることもでき
る。
コン膜へ変化する温度を示差熱分析法(正確には示差熱
解析法)によって調べた結果を図9に示す。示差熱分析
法(DTA法とも呼ばれる)とは、基準物質と試料とを
同時に一定の速度で加熱しながら両者の間に生じる温度
差を測定し、試料物質の熱的特性を解析する方法であ
る。
ァスシリコン膜(膜厚500nm)からポリシリコン膜へ
の相変化を解析した結果、図9(A)の矢印で示す様
に、686.7℃で相変化を起こすことが確かめられ
た。ただし、図9(A)の結果は触媒等を用いずに結晶
化させた場合のデータである。
ン膜の結晶化を助長する触媒元素としてニッケルを用い
た場合の相変化の様子を図9(B)に示す。この時、ニ
ッケルの添加量は1〜2×1019atoms/cm3である。そ
の場合、相変化(結晶化)する温度が下がり、605.
0℃となっていたことが確かめられた。
ついても確認したところ、全て600℃前後(550〜
650℃)で相変化を起こし、結晶化することが確かめ
られた。本出願人が前述の様な温度範囲で結晶化工程を
行う理由はこういうデータの裏付けがある。
酸化性雰囲気中で1000℃30分のファーネスアニー
ル処理(電熱炉を用いた熱処理)を行った。この時、熱
酸化処理によってポリシリコン膜104の膜厚を減じ
(thinning処理)、ポリシリコン膜104よりも膜厚の
薄いポリシリコン膜105を形成した。(図1(C))
ポリシリコン膜105上には熱酸化膜が形成される。こ
の熱酸化膜は除去してしまっても良いし、次のレーザー
アニール工程で保護膜として活用しても良い。
に生じる余剰シリコン原子によってポリシリコン膜中の
欠陥等が修復され、非常に欠陥の少ないポリシリコン膜
を得ることができた。また、ポリシリコン膜の膜厚を薄
くすることで、当初90nm厚であった膜厚が60nm厚と
なった。
がら酸化反応が進行するので、形成されたポリシリコン
膜105は非常に平坦な表面を有する半導体膜となっ
た。この事は、今後、TFTの活性層/ゲート絶縁膜界
面の準位を低減する上で有効に働く。
リシリコン膜の平坦性がさらに向上する。その場合、熱
酸化工程と熱酸化膜の除去工程とを交互に繰り返す。
アモルファスシリコン膜を用いているため、thinning工
程を採用しているが、初期膜を50nm厚以下としてそれ
以上薄くする必要をなくせば、thinning工程を省略する
ことも可能である。
次にエキシマレーザー光をポリシリコン膜105に対し
て照射した。本実施例ではXeCl(波長308nm)を
励起ガスとしたパルス発振型のエキシマレーザー光によ
ってレーザーアニール処理を行った。エキシマレーザー
のビーム形状は線状ビームであっても良いが、処理の均
一性を高めるに面状ビームを用いても良い。(図1
(D))
ガスとしたエキシマレーザー光やその他の紫外光レーザ
ーを用いても構わない。また、赤外光を用いる場合には
赤外線ランプから発する強光をポリシリコン膜105に
対して照射すれば良い。
形状が145×0.41mmの線状レーザー光を用いた。また、
レーザー光は基板の一端から他端までを1.2mm/secで走
査し、隣接する線状レーザー光のオーバーラップを92
%とした。
ー密度は250〜5000mJ/cm2(好ましくは450〜
1000mJ/cm2)の条件で行うことが好ましい。本実施
例ではレーザーエネルギー密度を550mJ/cm2とした。
ここで本明細書中におけるレーザーエネルギー密度の測
定方法について説明する。
ザー光の光強度(E0)をパワーメーターによって実測
する。しかし、パワーメーターを通過した後のレーザー
光はアッテネーターの透過率(a)に応じて減光し、さ
らに光学系の透過率(b)に応じて減光する。この様に
して減光されたレーザー光の光強度をレーザー照射面積
(A)で割ったものがレーザーエネルギー密度(E)で
ある。これを式で表すと、E=(E0×a×b)/Aで
表される。
得たポリシリコン膜106に対して、1000℃2時間
のファーネスアニール処理を行った。本実施例では処理
雰囲気を水素雰囲気としたが、還元雰囲気であれば問題
はない。また、窒素雰囲気の様な不活性雰囲気であって
も結晶性を改善するという目的は果たされる。(図1
(E))
前に、ポリシリコン膜106の表面をフッ酸系エッチャ
ントによって洗浄しておくことが望ましい。即ち、自然
酸化膜を除去すると共に表面のシリコン原子を水素終端
しておき、実際の処理の前に自然酸化膜が形成されるの
を防ぐといった工夫が効果的である。
含まれる酸素又は酸素化合物(例えばOH基)の濃度を
10ppm以下(好ましくは1ppm以下)にしておくことで
ある。さもないと還元雰囲気で熱処理することによる平
坦化効果が弱まってしまう。
リシリコン膜107は1000℃という高い温度におけ
る水素アニールによって非常に平坦な表面を有してい
た。また、高い温度でアニールされるので、結晶粒内に
は殆ど積層欠陥等が存在しなかった。
リシリコン膜をラマン測定法で観察した結果、ラマンピ
ーク値は517〜520cm-1(代表的には518〜51
9cm -1)であった。また、半値半幅は2.2〜3.0cm
-1(代表的には2.4〜2.6cm-1)であった。
は非常に高波数側にあり、本実施例で得られたポリシリ
コン膜が非常に単結晶に近い結晶を有していることが判
る。また、2.4〜2.6cm-1という値も非常に小さく
(リファレンスとして測定した単結晶シリコン膜は2.
1cm-1であった。)、即ち結晶性が高いことを示してい
る。
とは、波長514.5cm-1のArレーザーを1.0×1
05〜1.3×105W/cm2の光強度で結晶を含む半導
体膜(本実施例ではポリシリコン膜)に照射した際に得
られるラマンスペクトルに対して、ローレンツ分布によ
るフィッティングを行った際に得られるピーク値であ
る。なお、実際の測定にはレニショー社の「ラマスコー
プ顕微ラマン装置システム2000」というラマン測定
装置を使用した。
Arレーザーを1.0×105〜1.3×105W/cm2
の光強度で結晶を含む半導体膜に照射した際に得られる
ラマンスペクトルに対して、ローレンツ分布によるフィ
ッティングを行った際に得られる半値幅の半分の値であ
る。こちらも前述のラマン測定装置で測定を行った。
幅であるが、本実施例のポリシリコン膜107はラマン
ピーク値と半値半幅との比(ラマンピーク値/半値半
幅)が170〜240(代表的には190〜220)で
あることが判明した。
膜107が得られたら、このポリシリコン膜107をパ
ターニングして活性層108を形成した。なお、本実施
例では活性層を形成する前に水素雰囲気中での熱処理を
行っているが、活性層を形成した後に行うこともでき
る。その場合、パターン化されていることによってポリ
シリコン膜に発生する応力が緩和されるため好ましい。
表面に10nm厚の酸化シリコン膜109を形成した。こ
の酸化シリコン膜109はゲート絶縁膜として機能す
る。また、活性層108はこの酸化により5nmの厚さだ
け膜減りするため膜厚は45nmとなった。最終的に10
〜50nm厚の活性層(特にチャネル形成領域)が残る様
に、熱酸化による膜減りを考慮して初期半導体膜(最も
初めに成膜された半導体膜)の膜厚を決定しておくこと
が必要である。
に導電性を有するポリシリコン膜を形成し、パターニン
グによりゲート配線110を形成した。(図2(A))
導電性を持たせたポリシリコンを利用するが、材料はこ
れに限定されるものではない。特に、ゲート配線の抵抗
を下げるにはタンタル、タンタル合金又はタンタルと窒
化タンタルとの積層膜を用いることも有効である。さら
に低抵抗なゲート配線を狙うならば銅や銅合金を用いて
も有効である。
性又はP型導電性を付与する不純物を添加して不純物領
域111を形成した。この時の不純物濃度は後のLDD
領域の不純物濃度を鑑みて決定した。本実施例では1×
1018atoms/cm3の濃度で砒素を添加したが、不純物も
濃度も本実施例に限定される必要はない。
nm程度の薄い酸化シリコン膜112を形成した。これは
熱酸化法やプラズマ酸化法を用いて形成すれば良い。こ
の酸化シリコン膜112は、次のサイドウォール形成工
程でエッチングストッパーとして機能する。
膜112を形成したら、窒化シリコン膜を形成してエッ
チバックを行い、サイドウォール113を形成した。こ
うして図2(B)の状態を得た。
窒化シリコン膜を用いたが、ポリシリコン膜やアモルフ
ァスシリコン膜を用いることもできる。勿論、ゲート配
線の材料が変われば、それに応じてサイドウォールとし
て用いることのできる材料も変わることは言うまでもな
い。
加した。この時に添加する不純物濃度は先程の工程より
も高い濃度とした。本実施例では不純物として砒素を用
い、濃度は1×1021atoms/cm3とするがこれに限定す
る必要はない。この不純物の添加工程によりソース領域
114、ドレイン領域115、LDD領域116及びチ
ャネル形成領域117が画定した。(図2(C))
ーネスアニール、レーザーアニール又はランプアニール
等の熱処理により不純物の活性化を行った。
4及びドレイン領域115の表面に形成された酸化シリ
コン膜を除去し、それらの表面を露呈させた。そして、
5nm程度のコバルト膜(図示せず)を形成して熱処理工
程を行った。この熱処理によりコバルトとシリコンとの
反応が起こり、シリサイド層(コバルトシリサイド層)
118が形成された。(図2(D))
従って、コバルトの代わりにチタンやタングステンを用
いても構わないし、アニール条件等は公知技術を参考に
すれば良い。本実施例では赤外光を照射してランプアニ
ール処理工程を行った。
ら、コバルト膜を除去した。その後、1μm厚の層間絶
縁膜119を形成した。層間絶縁膜119としては、酸
化シリコン膜、窒化シリコン膜、酸化窒化シリコン膜又
は樹脂膜(ポリイミド、アクリル、ポリアミド、ポリイ
ミドアミド、ベンゾシクロブテン(BCB)等)を用い
れば良い。また、これらの絶縁膜を自由な組み合わせで
積層しても良い。
ルを形成してアルミニウムを主成分とする材料でなるソ
ース配線120及びドレイン配線121を形成した。最
後に素子全体に対して水素雰囲気中で300℃2時間の
ファーネスアニールを行い、水素化を完了した。
得られた。なお、本実施例で説明した構造は一例であっ
て本願発明を適用しうるTFT構造はこれに限定されな
い。従って、公知のあらゆる構造のTFTに対して適用
可能である。また、ポリシリコン膜107を形成した以
降の工程における数値条件も本実施例に限定される必要
はない。さらには、公知のチャネルドープ工程(しきい
値電圧を制御するための不純物添加工程)を本実施例の
どこかに導入してもなんら問題はない。
ァスシリコン膜を成膜する段階で徹底的にC、N、Oと
いった不純物の濃度を管理しているため、完成したTF
Tの活性層中に含まれる各不純物濃度は、炭素及び窒素
の濃度が5×1018atoms/cm 3以下(好ましくは5×1
018atoms/cm3以下)、酸素の濃度が5×1018atoms/c
m3以下(好ましくは5×1018atoms/cm3以下)のまま
であった。また、ニッケルを除く金属元素は1×1017
atoms/cm3以下であった。
ず、逆スタガ型TFTに代表されるボトムゲート構造に
対しても容易に適用することが可能であることは言うま
でもない。
例にとって説明したが、公知技術と組み合わせればPチ
ャネル型TFTを作製することも容易である。さらに公
知技術を組み合わせれば同一基板上にNチャネル型TF
TとPチャネル型TFTとを形成して相補的に組み合わ
せ、CMOS回路を形成することも可能である。
ン配線121と電気的に接続する画素電極(図示せず)
を公知の手段で形成すればアクティブマトリクス型表示
装置の画素スイッチング素子を形成することも容易であ
る。即ち、本願発明は液晶表示装置やEL(エレクトロ
ルミネッセンス)表示装置などのアクティブマトリクス
型の電気光学装置を作製する際にも実施することが可能
である。
成膜する初期膜をポリシリコン膜とする場合の例につい
て図3を用いて説明する。
板)301上に酸化シリコン膜でなる下地膜302、7
5nm厚のポリシリコン膜303、保護膜304を大気開
放しないで連続的に積層形成する。なお、本実施例では
真空ロードロックと共通室を持ったマルチチャンバー方
式の減圧熱CVD装置で成膜を行う。(図3(A))
う。本実施例では応力を緩和しつつ熱処理を行うため
に、水蒸気を含んだウェット酸化法を用いた。この工程
を経たポリシリコン膜305の膜厚は酸化されることに
よって膜厚が減って50nm厚となる。また、保護膜30
6は形成された熱酸化膜の分だけ膜厚が増す。(図3
(B))
さらに薄膜化するためのthinning工程として行われてい
る。また、このthinning工程は複数回行うとポリシリコ
ン膜の平坦性がさらに向上する。その場合、熱酸化工程
と熱酸化膜の除去工程とを交互に繰り返せば良い。
キシマレーザー光によりレーザーアニール工程を行う。
本実施例のレーザー照射条件は発振周波数30Hz、ビ
ーム形状が145×0.41mmの線状レーザー光を用いた。ま
た、レーザー光は基板の一端から他端までを1.2mm/sec
で走査し、隣接する線状レーザー光のオーバーラップを
92%とした。
ー密度は450〜5000mJ/cm2(好ましくは500〜
1000mJ/cm2)の条件で行う。本実施例では600mJ
/cm2とする。なお、レーザーエネルギー密度の測定方法
は実施例1と同様である。こうしてポリシリコン膜30
7が形成される。(図3(C))
ら、窒素雰囲気中で1100℃2時間のファーネスアニ
ール処理を行い、ポリシリコン膜307の結晶性を改善
する。この工程によりポリシリコン膜308が得られ
る。こうして得られたポリシリコン膜308は膜面全体
において特定の配向性を示し、実質的に単結晶と見なせ
る半導体膜となる。
308は図3(A)〜図3(D)に至るまでの全ての工
程で外気に触れずに処理されるため、極めて清浄な界面
を有している。これは本実施例において、図3(A)
の工程を大気開放しない連続成膜で行う、保護膜を介
して一切の処理を行う、という二つの構成の効果であ
る。
1で説明した範囲に収まるものとなる。
膜する半導体膜)としてポリシリコン膜を用いている
が、微結晶シリコン膜やアモルファスシリコン膜とし、
保護膜を介してレーザー結晶化させることも可能であ
る。勿論、シリコン以外の半導体材料を用いても良い。
ら、あとは実施例1と同様の手順でTFTを作製すれば
良い。勿論、実施例1だけでなく、公知の手段でTFT
を作
アモルファスシリコン膜の結晶化を特開平8−7832
9号公報に記載された技術で行った場合の例について図
4を用いて説明する。
1を用意し、その上にアモルファスシリコン膜(図示せ
ず)及び酸化シリコン膜(図示せず)を大気開放しない
で連続的に積層形成する。次に、酸化シリコン膜をパタ
ーニングして開口部を有するマスク402を形成する。
含んだ溶液をスピンコート法により塗布し、前述の開口
部の底部でアモルファスシリコン膜とニッケルとが接し
た状態を得る。その後、570℃14時間のファーネス
アニール工程を行い、横成長領域403を得る。
とほぼ平行な方向に結晶成長しているため、ランダムに
核発生したポリシリコン膜に較べて欠陥やトラップ準位
の少
成分のまま残る領域と、横成長領域(結晶成分を有する
領域)とが混在した半導体膜が得られる。本明細書中で
はこの様な膜も半導体膜(又は結晶を含む半導体膜)と
呼ぶ。
マスク402をそのままマスクとしてプラズマドーピン
グ法又はイオン注入法によりリンを添加する。リンの添
加量は、シリコン膜中の濃度がSIMSで1×1019〜
1×1021atoms/cm3となる様に調節する。
本明細書中ではゲッタリング領域404と呼ぶ。(図4
(B))
00℃12時間のファーネスアニール工程を行い、横成
長領域403中に存在するニッケルをゲッタリング領域
404へとゲッタリングさせる。こうして、膜中のニッ
ケル濃度が1×1017atoms/cm3以下にmで低減された
横成長領域405を得る。(図4(C))
05のみで形成された島状半導体膜406を得る。この
時、ゲッタリング領域はリンやニッケルを高濃度に含ん
でいるので、完全に除去することが望ましい。
酸素雰囲気中で1000℃30分のファーネスアニール
処理を行い、熱酸化工程(thinning工程)を行う。この
時形成される熱酸化膜(図示せず)はここで除去しても
良いし、次のレーザーアニール処理を行う時まで残して
おいても良い。(図4(E))
された島状半導体膜407を得たら、次に、XeClエ
キシマレーザー光を用いてレーザーアニール処理を行
う。本実施例のレーザー照射条件は実施例1と同様とす
る。(図4(F))
半導体膜408を得たら、さらに、水素と窒素を混合し
た雰囲気中で1100℃2時間のファーネスアニール処
理を行う。こうして島状半導体膜409を得る。(図4
(G))
09は実施例1及び実施例2で説明したポリシリコン膜
と同等の結晶性を有している。即ち、膜面全体が特定の
配向性を示し、実質的に単結晶と見なせる半導体膜とな
っている。
ピーク値や半値半幅も実施例1で説明したものと同様の
ものとなる。
期膜の結晶化に際して結晶化を助長する触媒元素(具体
的にはニッケル)を用いているが、自然核発生により結
晶化させたポリシリコン膜(これも結晶を含む半導体膜
である)に対して本願発明の工程を施しても十分な効果
が得られる。
膜、保護膜を大気開放しないで連続的に積層形成し、6
00℃24時間のファーネスアニール処理によってアモ
ルファスシリコン膜をポリシリコン膜に結晶化させるこ
とで、界面の清浄なポリシリコン膜を得ることもでき
る。
体膜の結晶化を行う場合には80〜120nm(典型的に
は90〜100nm)の膜厚を有することが望ましい。即
ち、初期膜が最初から薄いと結晶化の効率が低下するこ
とが経験的に知られている。
入れて結晶を含む半導体膜のthinning(膜厚を減じるこ
と)を行うことは重要である。そうすることで結晶化は
効率良く行われ、その後で所望の膜厚のポリシリコン膜
を得ることができる。
例3のどちらの構成とも組み合わせることができる。
って作製された反射型液晶表示装置の例を図5に示す。
画素TFT(画素スイッチング素子)の作製方法やセル
組工程は公知の手段を用いれば良いので詳細な説明は省
略する。
る基板(酸化珪素膜を設けたセラミックス基板)、12
は画素マトリクス回路、13はソースドライバー回路、
14はゲイトドライバー回路、15は対向基板、16は
FPC(フレキシブルプリントサーキット)、17は信
号処理回路である。信号処理回路17としては、D/A
コンバータ、γ補正回路、信号分割回路などの従来IC
で代用していた様な処理を行う回路を形成することがで
きる。勿論、基板上にICチップを設けて、ICチップ
上で信号処理を行うことも可能である。
挙げて説明しているが、アクティブマトリクス型の表示
装置であればEL(エレクトロルミネッセンス)表示装
置やEC(エレクトロクロミックス)表示装置に本願発
明を適用することも可能であることは言うまでもない。
14を構成する回路の一例を図5(B)に示す。なお、
TFT部分については既に実施例1で説明しているの
で、ここでは必要箇所のみの説明を行う。
チャネル型TFT、503はPチャネル型TFTであ
り、501と503のTFTでCMOS回路を構成して
いる。504は窒化珪素膜/酸化珪素膜/樹脂膜の積層
膜でなる絶縁層、その上にはチタン配線505が設けら
れ、前述のCMOS回路とTFT502とが電気的に接
続されている。チタン配線はさらに樹脂膜でなる絶縁層
506で覆われている。二つの絶縁層504、506は
平坦化膜としての機能も有している。
2を構成する回路の一部を図5(C)に示す。図5
(C)において、507はダブルゲート構造のNチャネ
ル型TFTでなる画素TFTであり、画素領域内に大き
く広がる様にしてドレイン配線508が形成されてい
る。なお、ダブルゲート構造以外にシングルゲート構造
やトリプルゲート構造などを採用しても構わない。
上にチタン配線405が設けられている。この時、絶縁
層504の一部には凹部が落とし込み部が形成され、最
下層の窒化シリコン及び酸化シリコンのみが残される。
これによりドレイン配線508とチタン配線505との
間で補助容量が形成される。
チタン配線505はソース・ドレイン配線と後の画素電
極との間において電界遮蔽効果をもたらす。さらに、複
数設けられた画素電極間の隙間ではブラックマスクとし
ても機能する。
506が設けられ、その上に反射性導電膜でなる画素電
極509が形成される。勿論、画素電極509の表面に
反射率を上げるための工夫をなしても構わない。
膜や液晶層が設けられるが、ここでの説明は省略する。
射型液晶表示装置を作製することができる。勿論、公知
の技術と組み合わせれば容易に透過型液晶表示装置を作
製することもできる。
リクス回路を構成する画素TFTと、ドライバー回路や
信号処理回路を構成するCMOS回路とでゲート絶縁膜
の膜厚を異ならせることも可能である。
る駆動電圧が高い(10V以上)ので50〜200nm
(好ましくは100〜150nm)の膜厚のゲート絶縁膜
が必要である。一方、ドライバー回路や信号処理回路で
はTFTに印加される駆動電圧は低く(1〜5V)、逆
に高速動作が求められるのでゲート絶縁膜の膜厚を3〜
30nm(好ましくは5〜10nm)と画素TFTよりも薄
くすることが有効である。
般に適用することが可能である。即ち、現在市場に流通
している全ての半導体回路に適用できる。例えば、ワン
チップ上に集積化されたRISCプロセッサ、ASIC
プロセッサ等のマイクロプロセッサに適用しても良い
し、液晶用ドライバー回路(D/Aコンバータ、γ補正
回路、信号分割回路等)に代表される信号処理回路や携
帯機器(携帯電話、PHS、モバイルコンピュータ)用
の高周波回路に適用しても良い。
例である。マイクロプロセッサは典型的にはCPUコア
21、RAM22、クロックコントローラ23、キャッ
シュメモリ24、キャッシュコントローラ25、シリア
ルインターフェース26、I/Oポート27等から構成
される。
略化した一例であり、実際のマイクロプロセッサはその
用途によって多種多様な回路設計が行われる。
ロセッサであっても中枢として機能するのはIC(Inte
grated Circuit)28である。IC28は半導体チップ
29上に形成された集積化回路をセラミック等で保護し
た機能回路である。
れた集積化回路を構成するのが本願発明の構造を有する
Nチャネル型TFT30、Pチャネル型TFT31であ
る。なお、基本的な回路はCMOS回路を最小単位とし
て構成することで消費電力を抑えることができる。
サは様々な電子機器に搭載されて中枢回路として機能す
る。代表的な電子機器としてはパーソナルコンピュー
タ、携帯型情報端末機器、その他あらゆる家電製品が挙
げられる。また、車両(自動車や電車等)の制御用コン
ピュータなども挙げられる。
様々な電子機器のディスプレイとして利用される。その
様な電子機器としては、ビデオカメラ、デジタルカメ
ラ、フロント型プロジェクター、リア型プロジェクター
(プロジェクションTV)、ゴーグルディスプレイ、カ
ーナビゲーション、パーソナルコンピュータ、携帯情報
端末(モバイルコンピュータ、携帯電話、電子書籍等)
などが挙げられる。それらの一例を図7に示す。
1、音声出力部2002、音声入力部2003、表示装
置2004、操作スイッチ2005、アンテナ2006
で構成される。本願発明を音声出力部2002、音声入
力部2003、表示装置2004やその他の信号制御回
路に適用することができる。
101、表示装置2102、音声入力部2103、操作
スイッチ2104、バッテリー2105、受像部210
6で構成される。本願発明を表示装置2102、音声入
力部2103やその他の信号制御回路に適用することが
できる。
ビルコンピュータ)であり、本体2201、カメラ部2
202、受像部2203、操作スイッチ2204、表示
装置2205で構成される。本願発明は表示装置220
5やその他の信号制御回路に適用できる。
り、本体2301、表示装置2302、アーム部230
3で構成される。本発明は表示装置2302やその他の
信号制御回路に適用することができる。
り、本体2401、光源2402、表示装置2403、
偏光ビームスプリッタ2404、リフレクター240
5、2406、スクリーン2407で構成される。本発
明は表示装置2403やその他の信号制御回路に適用す
ることができる。
り、本体2501、表示装置2502、2503、記憶
媒体2504、操作スイッチ2505、アンテナ250
6で構成される。本発明は表示装置2502、2503
やその他の信号制御回路に適用することができる。
広く、あらゆる分野の電子機器に適用することが可能で
ある。
た工程で得られる結晶を含む半導体膜は膜面全体におい
て特定の配向性を示す。即ち、個々の結晶粒が集合して
形成された多結晶半導体膜の如き形態であったとして
も、全体の80%以上(典型的には90%以上)の結晶
粒が同一の結晶面(配向面)を示すという特徴を有す
る。このように全体の80%以上を占める結晶面を主た
る配向面と呼ぶ。
(結晶を含む半導体膜)のとりうる主たる結晶面は、
{110}面、{100}面、{111}面、{31
1}面、{511}面、又は{110}面と{100}
面とが混在した結晶面のいずれかである。実際にいずれ
の結晶面が主たる配向面であるかは、現在のところ判明
していない。
導体膜(結晶を含む半導体膜)は、上記6種類のいずれ
かの結晶面が、膜面に存在しうる結晶面全体の80%以
上(典型的には90%以上)を占める。
る様に、結晶面によって界面物性は異なる。界面準位密
度(Qss)が最も小さくなる面方位は{100}面で
あり、次いで{511}面、{311}面、{111}
面、{110}面と{100}面との混在した結晶面、
{110}面の順に大きくなる。なお、{511}面は
{100}面に匹敵する界面準位密度を持つことが知ら
れている。
半導体膜の主たる配向面が{100}面であれば、活性
層とゲート絶縁膜との界面は非常に界面準位密度が小さ
くなる。その場合、従来のICに匹敵する性能を有する
半導体装置が実現しうる。後述するが、実際に本願発明
を用いて試作したTFTは従来のICに匹敵する電気特
性を示す回路を形成可能としている。
ーアニール処理の後に行う還元雰囲気又は不活性雰囲気
でのファーネスアニール処理は、活性層とゲート絶縁膜
との界面を平坦なものとするに非常に有効である。特
に、還元雰囲気で行う場合には半導体膜表面における半
導体原子の増速表面拡散によって極めて平坦な面が得ら
れる。
いて表面凹凸を測定した結果、1μm2の範囲内で凹凸の
P−V値(凸部の頂上部と凹部の底部との高さの差)が
10nm以下(典型的には5nm以下)であり、10μm2の
範囲内で凹凸のP−V値が20nm以下(典型的には10
nm以下)であった。
たTFTの代表的な電気特性は以下の様なものであっ
た。 (1)スイッチング性能(オン/オフ動作切り換えの俊
敏性)の指標となるサブスレッショルド係数が、ドレイ
ン電圧が1Vの時にNチャネル型TFTおよびPチャネ
ル型TFTともに60〜150mV/decade(代表的には80〜10
0mV/decade)と小さい。 (2)TFTの動作速度の指標となる電界効果移動度
(μFE)が、ドレイン電圧が1Vの時にNチャネル型
TFTで 200〜500cm2/Vs (代表的には 300〜400cm2/V
s )、Pチャネル型TFTで100〜300cm2/Vs (代表的
には 150〜200cm2/Vs )と大きい。 (3)TFTの駆動電圧の指標となるしきい値電圧(V
th)が、ドレイン電圧が14Vの時にNチャネル型T
FTで-1.0〜2.5V(代表的には-0.5〜1.5V)、Pチャ
ネル型TFTで-2.5〜1.0V(代表的には-1.5〜0.5V)
と小さい。
たデータを元に正規確率グラフを作成し、そのグラフを
使って特性ばらつきを推定した。その結果、100個中
の90個(典型的には95個)が上記電気特性の範囲内
に収まることが判った。
性および高速動作特性が実現可能であることが確認され
ている。
ー回路であるシフトレジスタを作製して動作周波数を確
認した。その結果、電源電圧5V、段数50段のシフト
レジスタ回路において動作周波数80〜200MHz
(典型的には100〜150MHz)の出力パルスが得
られた。
シリコン膜の結晶化に際して、結晶化を助長する触媒元
素としてニッケルを用いる例を示したが、本実施例では
触媒元素としてゲルマニウムを用いる例を図8に示す。
01上に80nm厚のアモルファスシリコン膜802を形
成する。そして、アモルファスシリコン膜802に対し
てゲルマニウムを添加する。(図8(A))
テーション法、プラズマドーピング法又はレーザードー
ピング法を用いることが好ましい。
散させる方法を採用しても良いし、実施例1の様にゲル
マニウム塩溶液をスピンコートしてゲルマニウムをアモ
ルファスシリコン上に吸着させた後で熱拡散させる方法
を採用しても良い。また、アモルファスシリコン膜の成
膜時に予め添加してしまう方法でも良い。
H4)を用い、加速電圧30keV、RF電力5W、ドーズ量
1×1014atoms/cm2でイオンインプランテーション法
を用いてゲルマニウムを添加する。勿論、この条件に限
定する必要はなく、アモルファスシリコン膜802中へ
は1×1014〜5×1019atoms/cm3(代表的には1×
1016〜5×1018atoms/cm3)の濃度でゲルマニウム
が添加される様に調節すれば良い。
るゲルマニウムは1×1014atoms/cm3以上(代表的に
は1×1016atoms/cm3以上)でないと触媒として結晶
化の助長効果を活用することができない。また、添加が
5×1019atoms/cm3を超えるとアモルファスシリコン
膜の融点が下がりすぎ、900℃程度の温度でも溶融し
てしまう恐れがあり好ましくない。従って、添加量の上
限は安全を見て1×10 18atoms/cm3程度としておくこ
とが望ましい。
スアニール)を行って、アモルファスシリコン膜802
をポリシリコン膜803に変化させる。勿論、この条件
に限定する必要はなく、実施例1に示した様な温度範囲
の熱処理を行えば良い。(図8(B))
性雰囲気または還元雰囲気とすることが望ましい。この
理由は後述する。
工程を終えたら、実施例1に従ってポリシリコン膜80
3のthinning工程(熱酸化工程)を行う。実際には熱酸
化膜が形成されるが、ここでは図示していない。こうし
てthinning工程を経たポリシリコン膜804が得られ
る。(図8(C))
いた場合に注目すべき特徴がある。ゲルマニウムは70
0℃以上の熱処理により酸化ゲルマニウムとなって昇華
する。即ち、ポリシリコン膜803のthinning工程を行
う際に必然的にゲルマニウムは昇華してしまい、ポリシ
リコン膜803中から離脱する。
気または還元雰囲気とすることが望ましいとした理由
は、極力酸化ゲルマニウムを形成しない方がゲルマニウ
ムの触媒作用を最も効率良く用いることができるからに
他ならない。
用いた場合、アモルファスシリコン膜が結晶化する温度
は600℃前後であることが確かめられている。実際に
は処理温度によって多少変動するので、550〜650
℃が結晶化に要する温度と考えて良い。即ち、結晶化時
の温度を650℃までしか上げなければ結晶化時にゲル
マニウムが昇華してしまうということは殆ど起こり得な
い。
触媒元素としてニッケルを用いているため、リンを用い
てゲッタリングする例を示しているが、本実施例の場合
には熱処理のみで触媒元素のゲッタリング工程に相当す
る効果が得られる。
ーアニール又はランプアニールのいずれかの手段を用い
れば良い。また、結晶化工程の後で熱処理温度を変える
だけで、大気開放しないままに連続的にゲルマニウムを
昇華させることも可能である。
ても良い。ハロゲン元素はゲルマニウムと結合して揮発
性のハロゲン化ゲルマニウムを形成するため、ゲッタリ
ング効果を助長することができる。
時に、アモルファスシリコン膜の結晶化時に用いた触媒
元素(ゲルマニウム)を工程数を増やすことなくポリシ
リコン膜中から除去することができる。
図2(D)に示される様なTFTを形成すれば良い。勿
論、実施例2、実施例3の構成と組み合わせることも可
能であるし、実施例5〜実施例7に示した半導体装置を
作製するにあたって、本実施例を用いても良い。
膜の結晶化を助長する触媒元素としてゲルマニウムのみ
を用いる例を示したが、その他の触媒元素(ニッケル、
コバルト、鉄、パラジウム、白金、銅、金、鉛、錫な
ど)とゲルマニウムとを同時に用いても構わない。その
場合には本実施例に実施例3に示した様なゲッタリング
手段を組み合わせる必要がありうる。
スシリコン膜中へゲルマニウムを添加する手段としてイ
オンインプランテーション法等を用いる場合について説
明したが、本実施例ではゲルマニウム膜を成膜した後に
熱拡散によって添加する例を示す。
を成膜したら、その上に1〜50nm(代表的には10〜
20nm)のゲルマニウム膜を形成する。成膜方法はプラ
ズマCVD法、減圧熱CVD法、スパッタ法などの気相
法を用いることができる。
シリコン膜に触れる様に形成しても良いし、絶縁膜を介
して設けられていても良い。絶縁膜を形成する場合、絶
縁膜が厚すぎるとゲルマニウムのシリコン膜中への熱拡
散を阻害することになるので、10〜30nmとしておく
ことが好ましい。
を行うと、加熱されることによってゲルマニウムがアモ
ルファスシリコン膜中へ熱拡散し、結晶化を助長する触
媒元素として働く。
て除去しても良いし、硫酸過水溶液(H2SO4:H2O2=
1:1)で除去しても良い。その後で、700℃以上の
熱処理を行えば、形成されたポリシリコン膜中のゲルマ
ニウムを除去又は低減される。
どの実施例との組み合わせも可能であり、どの実施例に
も適用できる。
シリコン膜中へゲルマニウムを添加する手段として溶液
塗布によるスピンコート法と熱拡散法を用いる場合につ
いて説明する。
を成膜したら、その上にゲルマニウムを含む溶液を塗布
する。その様な溶液としては酸化ゲルマニウム(GeOx、
代表的にはGeO2)、塩化ゲルマニウム(GeCl4)、臭化
ゲルマニウム(GeBr4)、硫化ゲルマニウム(GeS2)、
酢酸ゲルマニウム(Ge(CH3CO2))などのゲルマニウム塩
水溶液がある。
ルアルコール等のアルコール系溶媒を用いても良い。
マニウム水溶液を作製してアモルファスシリコン膜上
(絶縁膜を介しても良い)に塗布し、スピンコートする
ことでゲルマニウム含有層を形成する。
示すため、スピンコートの前にシリコン膜表面に絶縁膜
を形成しておいて、濡れ性を高めておくことは有効であ
る。この場合、絶縁膜が厚すぎるとゲルマニウムのシリ
コン膜中への熱拡散を阻害することになるので、10〜
30nmとしておくことが好ましい。
で結晶化工程を行うと、加熱されることによってゲルマ
ニウムがアモルファスシリコン膜中へ熱拡散し、結晶化
を助長する触媒元素として働く。
どの実施例との組み合わせも可能であり、どの実施例に
も適用できる。
結晶と見なせる結晶性を有する半導体膜を得ることがで
きる。そして、その様な半導体膜を活性層とするTFT
で回路を組み、高性能な半導体装置を実現することが可
能となる。
Claims (15)
- 【請求項1】結晶を含む半導体膜を活性層とするTFT
で形成された回路を有する半導体装置であって、 前記結晶を含む半導体膜のラマンピーク値は517〜5
20cm-1であり、半値半幅は2.2〜3.0cm-1である
ことを特徴とする半導体装置。 - 【請求項2】結晶を含む半導体膜を活性層とするTFT
で形成された回路を有する半導体装置であって、 前記結晶を含む半導体膜のラマンピーク値と半値半幅と
の比(ラマンピーク値/半値半幅)が170〜240で
あることを特徴とする半導体装置。 - 【請求項3】請求項1又は請求項2において、前記ラマ
ンピーク値は、波長514.5cm-1のArレーザーを
1.0×105〜1.3×105W/cm2の光強度で前記
結晶を含む半導体膜に照射した際に得られるラマンスペ
クトルに対して、ローレンツ分布によるフィッティング
を行った際に得られるピーク値であることを特徴とする
半導体装置。 - 【請求項4】請求項1乃至請求項2において、前記半値
半幅は、波長514.5cm-1のArレーザーを1.0×
105〜1.3×105W/cm2の光強度で前記結晶を含
む半導体膜に照射した際に得られるラマンスペクトルに
対して、ローレンツ分布によるフィッティングを行った
際に得られる半値幅の半分の値であることを特徴とする
半導体装置。 - 【請求項5】請求項1乃至請求項4において、前記半導
体装置は液晶表示装置、EL表示装置又はEC表示装置
であることを特徴とする半導体装置。 - 【請求項6】請求項1乃至請求項4において、前記半導
体装置はマイクロプロセッサ、信号処理回路又は高周波
回路であることを特徴とする半導体装置。 - 【請求項7】請求項1乃至請求項4において、前記半導
体装置はビデオカメラ、デジタルカメラ、プロジェクタ
ー、ゴーグルディスプレイ、カーナビゲーション、パー
ソナルコンピューター又は携帯情報端末であることを特
徴とする半導体装置。 - 【請求項8】結晶を含む半導体膜を形成する第1工程
と、 前記結晶を含む半導体膜を酸化して膜厚を減じる第2工
程と、 前記第2工程後の結晶を含む半導体膜に対して250〜
5000mJ/cm2のエネルギー密度のレーザーアニール処
理を行う第3工程と、 前記第3工程後の結晶を含む半導体膜に対してファーネ
スアニール処理を行う第4工程と、 を含むことを特徴とする半導体装置の作製方法。 - 【請求項9】結晶を含む半導体膜を形成する第1工程
と、 前記結晶を含む半導体膜を酸化して膜厚を減じる第2工
程と、 前記第2工程後の結晶を含む半導体膜に対して250〜
5000mJ/cm2のエネルギー密度のレーザーアニール処
理を行う第3工程と、 前記第3工程後の結晶を含む半導体膜に対して還元雰囲
気中において900〜1200℃のファーネスアニール
処理を行う第4工程と、 を含むことを特徴とする半導体装置の作製方法。 - 【請求項10】請求項8又は請求項9において、前記第
1工程は非晶質を含む半導体膜を熱アニール処理によっ
て結晶化させる工程であることを特徴とする半導体装置
の作製方法。 - 【請求項11】請求項10において前記熱アニール処理
を行う際に、前記非晶質を含む半導体膜中に、ニッケ
ル、コバルト、鉄、パラジウム、白金、銅、金、ゲルマ
ニウム、鉛、錫が添加されていることを特徴とする半導
体装置の作製方法。 - 【請求項12】請求項10において、前記熱アニール処
理を行う前に前記非晶質を含む半導体膜中にイオンイン
プランテーション法、プラズマドーピング法又はレーザ
ードーピング法によってゲルマニウムが添加されること
を特徴とする半導体装置の作製方法。 - 【請求項13】請求項8又は請求項9において、前記第
2工程は複数回の熱酸化工程によって行われることを特
徴とする半導体装置の作製方法。 - 【請求項14】請求項7又は請求項8において、前記エ
ネルギー密度(E)はレーザー発振器から発振されたレ
ーザー光の光強度(E0)、アッテネーターの透過率
(a)、光学系の透過率(b)、レーザー照射面積
(A)を用いてE=(E0×a×b)/Aで表されるこ
とを特徴とする半導体装置の作製方法。 - 【請求項15】請求項9において、前記還元雰囲気とは
水素雰囲気、アンモニア雰囲気、水素と窒素の混合雰囲
気又は水素とアルゴンの混合雰囲気であることを特徴と
する半導体装置の作製方法。
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