JPH0955510A - 薄膜トランジスタ回路およびアクティブマトリクス型画像表示装置 - Google Patents
薄膜トランジスタ回路およびアクティブマトリクス型画像表示装置Info
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- JPH0955510A JPH0955510A JP20720595A JP20720595A JPH0955510A JP H0955510 A JPH0955510 A JP H0955510A JP 20720595 A JP20720595 A JP 20720595A JP 20720595 A JP20720595 A JP 20720595A JP H0955510 A JPH0955510 A JP H0955510A
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- thin film
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- film transistor
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 多結晶シリコンからなる薄膜トランジスタ回
路において、動作速度と保持性能を両立させ、表示性能
に優れた画像表示装置を得る。 【解決手段】 薄膜トランジスタ回路10において、高
速動作が要求されるスタティック回路12を、結晶化を
助長する金属元素が添加された多結晶シリコン膜からな
るチャネル領域を有するトランジスタを用いて構成し、
低リーク電流が要求されるダイナミック回路11を、結
晶化を助長する金属元素を含まない多結晶シリコン膜か
らなるチャネル領域を有するトランジスタを用いて構成
する。
路において、動作速度と保持性能を両立させ、表示性能
に優れた画像表示装置を得る。 【解決手段】 薄膜トランジスタ回路10において、高
速動作が要求されるスタティック回路12を、結晶化を
助長する金属元素が添加された多結晶シリコン膜からな
るチャネル領域を有するトランジスタを用いて構成し、
低リーク電流が要求されるダイナミック回路11を、結
晶化を助長する金属元素を含まない多結晶シリコン膜か
らなるチャネル領域を有するトランジスタを用いて構成
する。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多結晶シリコン薄
膜を用いたトランジスタ回路、及びそれを用いた表示品
位の高いアクティブマトリクス型画像表示装置に関す
る。
膜を用いたトランジスタ回路、及びそれを用いた表示品
位の高いアクティブマトリクス型画像表示装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】現在、液晶表示装置や密着型イメージセ
ンサー、フラッシュメモリーなど様々な分野において、
多結晶シリコン薄膜を用いた薄膜トランジスタ回路が開
発されている。従来の多結晶シリコン薄膜トランジスタ
は、石英基板上に1000℃程度の比較的高温のプロセ
スを用いて形成されていた。しかし、近年では、多結晶
シリコン薄膜トランジスタを組み込む回路やシステムを
大型化したり、低コストでトランジスタ回路を製造する
ために、600℃程度のガラス歪み点温度をもつガラス
基板上に600℃以下のプロセス温度で薄膜トランジス
タ回路を形成することが試みられている。
ンサー、フラッシュメモリーなど様々な分野において、
多結晶シリコン薄膜を用いた薄膜トランジスタ回路が開
発されている。従来の多結晶シリコン薄膜トランジスタ
は、石英基板上に1000℃程度の比較的高温のプロセ
スを用いて形成されていた。しかし、近年では、多結晶
シリコン薄膜トランジスタを組み込む回路やシステムを
大型化したり、低コストでトランジスタ回路を製造する
ために、600℃程度のガラス歪み点温度をもつガラス
基板上に600℃以下のプロセス温度で薄膜トランジス
タ回路を形成することが試みられている。
【0003】以下に、多結晶シリコン薄膜トランジスタ
の応用の一例として、液晶表示装置に用いられている背
景および課題について詳述する。他の幾つかの技術分野
においても同様の課題が存在する。
の応用の一例として、液晶表示装置に用いられている背
景および課題について詳述する。他の幾つかの技術分野
においても同様の課題が存在する。
【0004】従来の液晶表示装置の一つとして、アクテ
ィブマトリクス駆動方式の表示装置が知られている。図
9(a)に示すように、液晶表示装置100は、画素ア
レイ102と、走査信号線駆動回路104と、データ信
号線駆動回路106とからなる。画素アレイ102に
は、複数の走査信号線108と複数のデータ信号線11
0とがそれぞれ交差するように配列されており、隣接す
る2つの走査信号線108と隣接する2つのデータ信号
線110とによって囲まれる領域に、画素112がマト
リクス状に設けられている。
ィブマトリクス駆動方式の表示装置が知られている。図
9(a)に示すように、液晶表示装置100は、画素ア
レイ102と、走査信号線駆動回路104と、データ信
号線駆動回路106とからなる。画素アレイ102に
は、複数の走査信号線108と複数のデータ信号線11
0とがそれぞれ交差するように配列されており、隣接す
る2つの走査信号線108と隣接する2つのデータ信号
線110とによって囲まれる領域に、画素112がマト
リクス状に設けられている。
【0005】データ信号線駆動回路106は、クロック
信号CKS等のタイミング信号に同期して入力された映
像信号DATをサンプリングし、必要に応じて増幅し
て、各データ信号線110に書き込む。走査信号線駆動
回路104は、クロック信号CKG等のタイミング信号
に同期して走査信号線108を順次選択し、画素112
内に設けられたスイッチング素子を制御する。スイッチ
ング素子の動作により各データ信号線110に書き込ま
れた映像信号DATが各画素112に書き込まれ、映像
信号DATが各画素112に保持される。
信号CKS等のタイミング信号に同期して入力された映
像信号DATをサンプリングし、必要に応じて増幅し
て、各データ信号線110に書き込む。走査信号線駆動
回路104は、クロック信号CKG等のタイミング信号
に同期して走査信号線108を順次選択し、画素112
内に設けられたスイッチング素子を制御する。スイッチ
ング素子の動作により各データ信号線110に書き込ま
れた映像信号DATが各画素112に書き込まれ、映像
信号DATが各画素112に保持される。
【0006】各画素112は、図9(b)に示すように
スイッチング素子である電界効果トランジスタ114
と、液晶容量CLおよび必要によって付加される補助容
量CSよりなる画素容量116とを含んでいる。トラン
ジスタ114のドレイン及びソースを介してデータ信号
線110と画素容量116の一方の電極とが接続され、
トランジスタ114のゲートは走査信号線108に接続
される。画素容量116の他方の電極は全画素に共通の
共通電極線(図示せず)に接続されている。これによ
り、各液晶容量CLに電圧が印加され、液晶の透過率ま
たは反射率が変調されることによって、画素ごとに情報
が表示される。
スイッチング素子である電界効果トランジスタ114
と、液晶容量CLおよび必要によって付加される補助容
量CSよりなる画素容量116とを含んでいる。トラン
ジスタ114のドレイン及びソースを介してデータ信号
線110と画素容量116の一方の電極とが接続され、
トランジスタ114のゲートは走査信号線108に接続
される。画素容量116の他方の電極は全画素に共通の
共通電極線(図示せず)に接続されている。これによ
り、各液晶容量CLに電圧が印加され、液晶の透過率ま
たは反射率が変調されることによって、画素ごとに情報
が表示される。
【0007】この様なアクティブマトリクス型液晶表示
装置において、従来、トランジスタ114には液晶を保
持する透明基板上に形成された非晶質シリコン薄膜が用
いられ、一方、走査信号線駆動回路104やデータ信号
線駆動回路106は、従来、それぞれ外付けICで構成
されていた。これに対して、近年、大画面化に伴う画素
トランジスタの駆動力向上、駆動ICの実装コストの低
減、あるいは、実装における信頼性の向上等の要求か
ら、多結晶シリコン薄膜を用いて、モノリシックに画素
アレイと駆動回路とを透明基板上に形成する技術が報告
されている。更に、前述のように、より大画面化および
低コスト化をめざして、ガラスの歪み点(約600℃)
以下のプロセス温度で、素子をガラス基板上の多結晶シ
リコン薄膜で形成することも試みられている。
装置において、従来、トランジスタ114には液晶を保
持する透明基板上に形成された非晶質シリコン薄膜が用
いられ、一方、走査信号線駆動回路104やデータ信号
線駆動回路106は、従来、それぞれ外付けICで構成
されていた。これに対して、近年、大画面化に伴う画素
トランジスタの駆動力向上、駆動ICの実装コストの低
減、あるいは、実装における信頼性の向上等の要求か
ら、多結晶シリコン薄膜を用いて、モノリシックに画素
アレイと駆動回路とを透明基板上に形成する技術が報告
されている。更に、前述のように、より大画面化および
低コスト化をめざして、ガラスの歪み点(約600℃)
以下のプロセス温度で、素子をガラス基板上の多結晶シ
リコン薄膜で形成することも試みられている。
【0008】次に、データ信号線駆動回路について、更
に詳しく説明する。データ信号線の駆動方式としては、
点順次駆動方式と線順次駆動方式とがある。
に詳しく説明する。データ信号線の駆動方式としては、
点順次駆動方式と線順次駆動方式とがある。
【0009】点順次駆動方式では、図10に示すよう
に、サンプリング信号SPSをシフトレジスタ等からな
る走査回路116に入力し、走査回路116各段から得
られる出力パルスをバッファ回路118に入力する。バ
ッファ回路118は走査回路116から受け取った出力
パルスを保持、増幅するとともに、必要に応じて反転信
号を生成し、サンプルホールド回路120へ信号を出力
する。これにより、走査回路116の各段から得られる
出力パルスに同期してサンプルホールド回路120が開
閉され、映像信号線114に入力された映像信号DAT
がデータ信号線110に書き込まれる。
に、サンプリング信号SPSをシフトレジスタ等からな
る走査回路116に入力し、走査回路116各段から得
られる出力パルスをバッファ回路118に入力する。バ
ッファ回路118は走査回路116から受け取った出力
パルスを保持、増幅するとともに、必要に応じて反転信
号を生成し、サンプルホールド回路120へ信号を出力
する。これにより、走査回路116の各段から得られる
出力パルスに同期してサンプルホールド回路120が開
閉され、映像信号線114に入力された映像信号DAT
がデータ信号線110に書き込まれる。
【0010】この方式では、映像信号DATをデータ信
号線110に書き込む時間が、有効水平走査期間(水平
走査期間の約80%)のデータ線本数分の1しかないた
め、大画面化に伴いデータ信号線の時定数(容量と抵抗
の積)が大きくなる場合や、高精細化に伴いサンプリン
グ時間が短くなる場合には、十分な書き込みができなく
なり、表示品位を損なうおそれがある。特に、前述のよ
うに、多結晶シリコン薄膜トランジスタのような駆動能
力の小さいトランジスタでサンプルホールド回路を構成
した場合には、この影響が大きい。このため、サンプル
ホールド回路を構成するトランジスタのチャネル幅を大
きくすることによって、書き込み能力を確保している。
号線110に書き込む時間が、有効水平走査期間(水平
走査期間の約80%)のデータ線本数分の1しかないた
め、大画面化に伴いデータ信号線の時定数(容量と抵抗
の積)が大きくなる場合や、高精細化に伴いサンプリン
グ時間が短くなる場合には、十分な書き込みができなく
なり、表示品位を損なうおそれがある。特に、前述のよ
うに、多結晶シリコン薄膜トランジスタのような駆動能
力の小さいトランジスタでサンプルホールド回路を構成
した場合には、この影響が大きい。このため、サンプル
ホールド回路を構成するトランジスタのチャネル幅を大
きくすることによって、書き込み能力を確保している。
【0011】このとき、データ信号線110に書き込ま
れた映像信号DATは、走査信号によって画素電極への
書き込みが終了するまでの期間、すなわち最大で1水平
走査期間程度、保持されなければならない。
れた映像信号DATは、走査信号によって画素電極への
書き込みが終了するまでの期間、すなわち最大で1水平
走査期間程度、保持されなければならない。
【0012】これに対し、線順次駆動方式では、図11
に示すように、サンプルホールド回路120の出力は転
送信号124に接続されたサンプルホールド回路126
に接続され、更に信号増幅器130を介してデータ信号
線110に接続される。サンプルホールド回路120と
サンプルホールド回路126との間、及びサンプルホー
ルド回路126と信号増幅器130との間にはそれぞれ
サンプリング容量122及びホールド容量128が接続
されている。この様な構成によって、サンプルホールド
回路120から出力される映像信号DATはサンプリン
グ容量122にいったん蓄えられる。これを次の水平走
査期間において、サンプルホールド回路126を介して
ホールド容量128に転送し、更に信号増幅器130を
介してデータ信号線110に出力される。
に示すように、サンプルホールド回路120の出力は転
送信号124に接続されたサンプルホールド回路126
に接続され、更に信号増幅器130を介してデータ信号
線110に接続される。サンプルホールド回路120と
サンプルホールド回路126との間、及びサンプルホー
ルド回路126と信号増幅器130との間にはそれぞれ
サンプリング容量122及びホールド容量128が接続
されている。この様な構成によって、サンプルホールド
回路120から出力される映像信号DATはサンプリン
グ容量122にいったん蓄えられる。これを次の水平走
査期間において、サンプルホールド回路126を介して
ホールド容量128に転送し、更に信号増幅器130を
介してデータ信号線110に出力される。
【0013】一般に、サンプリング容量122はデータ
信号線110の容量よりも小さいので、点順次駆動方式
において発生しやすい書き込みが不十分になるという問
題は少なくなる。
信号線110の容量よりも小さいので、点順次駆動方式
において発生しやすい書き込みが不十分になるという問
題は少なくなる。
【0014】しかし、サンプリング容量122に保持さ
れた電荷がサンプルホールド回路120または126へ
リークするのを防止し、また、ホールド容量128へデ
ータ信号DATを転送することにより、容量が分割さ
れ、電荷が減少するのを防ぐためには、サンプリング容
量122の容量を増加させる必要がある。この場合に
は、点順次駆動方式の場合と同様の問題が発生してしま
う。従って、サンプリングホールド回路120を構成す
るトランジスタのチャネル幅を大きくすることによって
書き込み能力を確保することになる。
れた電荷がサンプルホールド回路120または126へ
リークするのを防止し、また、ホールド容量128へデ
ータ信号DATを転送することにより、容量が分割さ
れ、電荷が減少するのを防ぐためには、サンプリング容
量122の容量を増加させる必要がある。この場合に
は、点順次駆動方式の場合と同様の問題が発生してしま
う。従って、サンプリングホールド回路120を構成す
るトランジスタのチャネル幅を大きくすることによって
書き込み能力を確保することになる。
【0015】この場合にも、サンプリング容量に書き込
まれたデータ信号は、転送信号によってホールド容量へ
の書き込みが終了するまでの期間、すなわち最大で1水
平走査期間程度、保持されなければならない。更に、ホ
ールド容量に転送されたデータ信号も、信号増幅器を介
してデータ信号線への書き込みが終了するまでの期間、
すなわち最大で1水平期間程度保持されなければならな
い。
まれたデータ信号は、転送信号によってホールド容量へ
の書き込みが終了するまでの期間、すなわち最大で1水
平走査期間程度、保持されなければならない。更に、ホ
ールド容量に転送されたデータ信号も、信号増幅器を介
してデータ信号線への書き込みが終了するまでの期間、
すなわち最大で1水平期間程度保持されなければならな
い。
【0016】この様な薄膜トランジスタ回路を構成する
多結晶シリコンを用いた薄膜トランジスタは従来、以下
に示す方法により製造されていた。
多結晶シリコンを用いた薄膜トランジスタは従来、以下
に示す方法により製造されていた。
【0017】図12(a)に示すように、無アルカリガ
ラス基板(例えばコーニング7059ガラス)などの絶
縁性基板150上に汚染防止膜としてシリコン酸化膜1
52を堆積し、その上に非晶質シリコン薄膜154を堆
積する。次に、非晶質シリコン膜154を長時間熱処理
(例えば600℃で20時間程度)する。あるいはXe
ClやKrFなどのエキシマレーザを照射してもよく、
両者を併用することもできる。これにより、結晶化を促
進し、多結晶シリコン薄膜156を得る(図12
(b))。
ラス基板(例えばコーニング7059ガラス)などの絶
縁性基板150上に汚染防止膜としてシリコン酸化膜1
52を堆積し、その上に非晶質シリコン薄膜154を堆
積する。次に、非晶質シリコン膜154を長時間熱処理
(例えば600℃で20時間程度)する。あるいはXe
ClやKrFなどのエキシマレーザを照射してもよく、
両者を併用することもできる。これにより、結晶化を促
進し、多結晶シリコン薄膜156を得る(図12
(b))。
【0018】次に、図12(c)に示すように、多結晶
シリコン薄膜156を所望の形状に加工し、シリコン酸
化膜やシリコン窒化膜などからなるゲート絶縁膜158
を多結晶シリコン薄膜156上に形成する。図12
(d)に示すように、アルミニウム、タンタル、チタ
ン、あるいはタングステンなどからなるゲート電極16
0をゲート絶縁膜158上に形成した後、ゲート電極1
60をマスクとして不純物(ホウ素やリンなど)を多結
晶シリコン薄膜156に注入し、自己整合的にソース/
ドレイン領域162を多結晶シリコン薄膜156内に形
成する。
シリコン薄膜156を所望の形状に加工し、シリコン酸
化膜やシリコン窒化膜などからなるゲート絶縁膜158
を多結晶シリコン薄膜156上に形成する。図12
(d)に示すように、アルミニウム、タンタル、チタ
ン、あるいはタングステンなどからなるゲート電極16
0をゲート絶縁膜158上に形成した後、ゲート電極1
60をマスクとして不純物(ホウ素やリンなど)を多結
晶シリコン薄膜156に注入し、自己整合的にソース/
ドレイン領域162を多結晶シリコン薄膜156内に形
成する。
【0019】その後、図12(e)に示すように、ゲー
ト絶縁膜158及びゲート電極160上に層間絶縁膜1
64(シリコン酸化膜やシリコン窒化膜など)を形成
し、図12(f)に示すように、ソース/ドレイン領域
162の一部が露出するように層間絶縁膜164にコン
タクトホールを設け、金属配線166をコンタクトホー
ル内及び層間絶縁膜164上に形成する。これにより薄
膜トランジスタが完成する。必要に応じて上記工程の途
中に多結晶シリコン薄膜156に対して水素化処理を行
い、トランジスタの特性を向上させることもある。
ト絶縁膜158及びゲート電極160上に層間絶縁膜1
64(シリコン酸化膜やシリコン窒化膜など)を形成
し、図12(f)に示すように、ソース/ドレイン領域
162の一部が露出するように層間絶縁膜164にコン
タクトホールを設け、金属配線166をコンタクトホー
ル内及び層間絶縁膜164上に形成する。これにより薄
膜トランジスタが完成する。必要に応じて上記工程の途
中に多結晶シリコン薄膜156に対して水素化処理を行
い、トランジスタの特性を向上させることもある。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】上述の多結晶シリコン
を用いた薄膜トランジスタは、様々なプロセスの改善が
試みられ、トランジスタの特性が改善されてはいるが、
単結晶シリコンを用いたトランジスタに比べると、素子
特性はかなり劣る。例えば、多結晶シリコンを用いた薄
膜トランジスタは、単結晶シリコンを用いたトランジス
タに比べて、素子寸法が大きく、キャリア移動度が小さ
く、リーク電流が大きくなっている。
を用いた薄膜トランジスタは、様々なプロセスの改善が
試みられ、トランジスタの特性が改善されてはいるが、
単結晶シリコンを用いたトランジスタに比べると、素子
特性はかなり劣る。例えば、多結晶シリコンを用いた薄
膜トランジスタは、単結晶シリコンを用いたトランジス
タに比べて、素子寸法が大きく、キャリア移動度が小さ
く、リーク電流が大きくなっている。
【0021】したがって、従来、単結晶シリコンを用い
たトランジスタにより構成していた回路を、多結晶シリ
コンを用いた薄膜トランジスタによって構成しようとす
る場合、単結晶シリコンを用いたトランジスタと同程度
の駆動力を得るためにチャネル幅の大きな薄膜トランジ
スタを形成する必要がある。しかし、チャネル幅を大き
くするとリーク電流が増大するという問題が生じる。
たトランジスタにより構成していた回路を、多結晶シリ
コンを用いた薄膜トランジスタによって構成しようとす
る場合、単結晶シリコンを用いたトランジスタと同程度
の駆動力を得るためにチャネル幅の大きな薄膜トランジ
スタを形成する必要がある。しかし、チャネル幅を大き
くするとリーク電流が増大するという問題が生じる。
【0022】また、キャリア移動度を向上させるために
ニッケルや鉄、パラジウム、白金などの金属元素を非晶
質シリコン薄膜に導入して触媒作用により結晶化を促進
させる方法(特開平6−244103号公報など)が知
られているが、この場合、キャリア移動度は向上するも
のの同時にリーク電流も上昇するという問題がある。上
述のようなデータ信号線駆動回路において、走査回路に
は高い駆動能力のトランジスタが要求されるのに対し
て、サンプルホールド回路にはリーク電流の低いトラン
ジスタが要求される。しかし、上述したように、従来技
術による薄膜トランジスタではこれら2つの要求を満た
すことは困難であり、従って、良好な画像表示を実現す
るデータ信号駆動回路を得ることも困難であった。
ニッケルや鉄、パラジウム、白金などの金属元素を非晶
質シリコン薄膜に導入して触媒作用により結晶化を促進
させる方法(特開平6−244103号公報など)が知
られているが、この場合、キャリア移動度は向上するも
のの同時にリーク電流も上昇するという問題がある。上
述のようなデータ信号線駆動回路において、走査回路に
は高い駆動能力のトランジスタが要求されるのに対し
て、サンプルホールド回路にはリーク電流の低いトラン
ジスタが要求される。しかし、上述したように、従来技
術による薄膜トランジスタではこれら2つの要求を満た
すことは困難であり、従って、良好な画像表示を実現す
るデータ信号駆動回路を得ることも困難であった。
【0023】本発明は、上記課題を解決するためになさ
れたものであり、その目的とするところは、高い駆動能
力により高速動作を実現し、かつ低リーク電流により電
荷保持性能を高めることにより良好な特性を有する薄膜
トランジスタ回路、および、そのような薄膜トランジス
タ回路を有する画像表示装置を提供することにある。
れたものであり、その目的とするところは、高い駆動能
力により高速動作を実現し、かつ低リーク電流により電
荷保持性能を高めることにより良好な特性を有する薄膜
トランジスタ回路、および、そのような薄膜トランジス
タ回路を有する画像表示装置を提供することにある。
【0024】
【課題を解決するための手段】本発明の薄膜トランジス
タ回路は、絶縁性基板上に形成され、結晶化を助長する
金属元素が添加された多結晶シリコン膜からなるチャネ
ル領域を有する第1のトランジスタと、絶縁性基板上に
形成され、結晶化を助長する金属元素を含まない多結晶
シリコン膜からなるチャネル領域を有する第2のトラン
ジスタとを含んでおり、そのことにより、上記目的が達
成される。
タ回路は、絶縁性基板上に形成され、結晶化を助長する
金属元素が添加された多結晶シリコン膜からなるチャネ
ル領域を有する第1のトランジスタと、絶縁性基板上に
形成され、結晶化を助長する金属元素を含まない多結晶
シリコン膜からなるチャネル領域を有する第2のトラン
ジスタとを含んでおり、そのことにより、上記目的が達
成される。
【0025】前記薄膜トランジスタ回路は、スタティッ
ク回路部とダイナミック回路部とを含み、該スタティッ
ク回路部は少なくとも1つ以上の前記第1のトランジス
タから構成され、該ダイナミック回路部は少なくとも1
つ以上の前記第2のトランジスタから構成されているこ
とが好ましい。
ク回路部とダイナミック回路部とを含み、該スタティッ
ク回路部は少なくとも1つ以上の前記第1のトランジス
タから構成され、該ダイナミック回路部は少なくとも1
つ以上の前記第2のトランジスタから構成されているこ
とが好ましい。
【0026】前記薄膜トランジスタ回路は、画像表示装
置の表示部に画像データを供給するためのデータ信号線
駆動回路であって、該データ信号線駆動回路は、少なく
とも1つ以上の前記第2のトランジスタから構成される
サンプルホールド回路と、少なくとも1つ以上の前記第
1のトランジスタから構成される該サンプルホールド回
路以外の回路とから構成されていてもよい。
置の表示部に画像データを供給するためのデータ信号線
駆動回路であって、該データ信号線駆動回路は、少なく
とも1つ以上の前記第2のトランジスタから構成される
サンプルホールド回路と、少なくとも1つ以上の前記第
1のトランジスタから構成される該サンプルホールド回
路以外の回路とから構成されていてもよい。
【0027】本発明のアクティブマトリクス型画像表示
装置は、絶縁性基板と、該絶縁性基板上にマトリクス状
に配置された複数の画素と、該絶縁性基板上に形成さ
れ、該画素を駆動するためのデータ信号線駆動回路とを
備え、該データ信号線駆動回路は、絶縁性基板上に形成
され、結晶化を助長する金属元素が添加された多結晶シ
リコン膜からなるチャネル領域を有する第1のトランジ
スタから構成されるサンプルホールド回路と、絶縁性基
板上に形成され、結晶化を助長する金属元素を含まない
多結晶シリコン膜からなるチャネル領域を有する第2の
トランジスタから構成される該サンプルホールド回路以
外の回路とを含んでおり、そのことにより、上記目的が
達成される。
装置は、絶縁性基板と、該絶縁性基板上にマトリクス状
に配置された複数の画素と、該絶縁性基板上に形成さ
れ、該画素を駆動するためのデータ信号線駆動回路とを
備え、該データ信号線駆動回路は、絶縁性基板上に形成
され、結晶化を助長する金属元素が添加された多結晶シ
リコン膜からなるチャネル領域を有する第1のトランジ
スタから構成されるサンプルホールド回路と、絶縁性基
板上に形成され、結晶化を助長する金属元素を含まない
多結晶シリコン膜からなるチャネル領域を有する第2の
トランジスタから構成される該サンプルホールド回路以
外の回路とを含んでおり、そのことにより、上記目的が
達成される。
【0028】本発明の別なアクティブマトリクス型画像
表示装置は、絶縁性基板と、該絶縁性基板上にマトリク
ス状に配置された複数の画素と、該絶縁性基板上に形成
され、該画素を駆動するためのデータ信号線駆動回路と
走査信号線回路との少なくとも一方を備え、該データ信
号線駆動回路と該走査信号線回路との少なくとも一方の
回路の一部は、絶縁性基板上に形成され、結晶化を助長
する金属元素が添加された多結晶シリコン膜からなるチ
ャネル領域を有する第1のトランジスタから構成されて
おり、該複数の画素のそれぞれは結晶化を助長する金属
元素を含まない多結晶シリコン膜からなるチャネル領域
を有する第2のトランジスタを含んでおり、そのことに
より、上記目的が達成される。
表示装置は、絶縁性基板と、該絶縁性基板上にマトリク
ス状に配置された複数の画素と、該絶縁性基板上に形成
され、該画素を駆動するためのデータ信号線駆動回路と
走査信号線回路との少なくとも一方を備え、該データ信
号線駆動回路と該走査信号線回路との少なくとも一方の
回路の一部は、絶縁性基板上に形成され、結晶化を助長
する金属元素が添加された多結晶シリコン膜からなるチ
ャネル領域を有する第1のトランジスタから構成されて
おり、該複数の画素のそれぞれは結晶化を助長する金属
元素を含まない多結晶シリコン膜からなるチャネル領域
を有する第2のトランジスタを含んでおり、そのことに
より、上記目的が達成される。
【0029】前記結晶化を助長する金属元素はニッケル
(Ni)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、パラジウム
(Pd)、または白金(Pt)のうちの少なくとも1つ
以上を含んでいることが好ましい。
(Ni)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、パラジウム
(Pd)、または白金(Pt)のうちの少なくとも1つ
以上を含んでいることが好ましい。
【0030】
【発明の実施の形態】以下に、本発明の実施の形態につ
いて説明する。
いて説明する。
【0031】図1は、本発明による薄膜トランジスタ回
路10のブロック図である。この薄膜トランジスタ回路
10は、以下に詳述するようにダイナミック回路11と
スタティック回路12とを含む複数の回路から構成され
ている。スタティック回路12は、絶縁性基板上に形成
され、結晶化を助長する金属元素が添加された多結晶シ
リコン膜からなるチャネル領域を有する複数の薄膜トラ
ンジスタで構成されている。また、ダイナミック回路1
1は絶縁性基板上に形成され、結晶化を助長する金属元
素を含まない多結晶シリコン膜からなるチャネル領域を
有する薄膜トランジスタで構成されている。
路10のブロック図である。この薄膜トランジスタ回路
10は、以下に詳述するようにダイナミック回路11と
スタティック回路12とを含む複数の回路から構成され
ている。スタティック回路12は、絶縁性基板上に形成
され、結晶化を助長する金属元素が添加された多結晶シ
リコン膜からなるチャネル領域を有する複数の薄膜トラ
ンジスタで構成されている。また、ダイナミック回路1
1は絶縁性基板上に形成され、結晶化を助長する金属元
素を含まない多結晶シリコン膜からなるチャネル領域を
有する薄膜トランジスタで構成されている。
【0032】ダイナミック回路11は、その回路に信号
が入力されない状態、すなわち、その回路中のあるノー
ドがフローティングにある状態では、その直前に入力さ
れたデータを保持するように働く。例えば、図2(a)
に示す2入力のNAND(否定論理積)回路13はダイ
ナミック回路11である。NAND回路13において、
端子14に入力されるクロック信号Cに同期して、クロ
ック信号Cがハイレベルの時に端子15及び16に論理
信号X及びYが入力される。
が入力されない状態、すなわち、その回路中のあるノー
ドがフローティングにある状態では、その直前に入力さ
れたデータを保持するように働く。例えば、図2(a)
に示す2入力のNAND(否定論理積)回路13はダイ
ナミック回路11である。NAND回路13において、
端子14に入力されるクロック信号Cに同期して、クロ
ック信号Cがハイレベルの時に端子15及び16に論理
信号X及びYが入力される。
【0033】すなわち、論理信号X及びYが入力されな
いときは、クロック信号Cはハイレベルにあって、端子
17はフローティング状態にあるので、直前の状態を保
持している。例えば、直前の状態がハイレベルを出力す
る状態であれば、その状態を保持している。そして、論
理信号X及びYが入力される直前に、いったん、クロッ
ク信号Cがローレベルになって、端子17にハイレベル
が出力され、その後、クロック信号がハイレベルに戻る
とともに端子15及び16に論理信号X及びYが入力さ
れ、これに対応した出力信号Zが端子17から出力され
る。例えば、X及びYの両方がハイレベルであれば、端
子17の信号Zはローレベルとなる。また、X及びYの
少なくとも一方がローレベルであれば、端子17はフロ
ーティングの状態が維持されるので、直前の状態がハイ
レベルを出力する状態であれば、その状態を保持してい
る。
いときは、クロック信号Cはハイレベルにあって、端子
17はフローティング状態にあるので、直前の状態を保
持している。例えば、直前の状態がハイレベルを出力す
る状態であれば、その状態を保持している。そして、論
理信号X及びYが入力される直前に、いったん、クロッ
ク信号Cがローレベルになって、端子17にハイレベル
が出力され、その後、クロック信号がハイレベルに戻る
とともに端子15及び16に論理信号X及びYが入力さ
れ、これに対応した出力信号Zが端子17から出力され
る。例えば、X及びYの両方がハイレベルであれば、端
子17の信号Zはローレベルとなる。また、X及びYの
少なくとも一方がローレベルであれば、端子17はフロ
ーティングの状態が維持されるので、直前の状態がハイ
レベルを出力する状態であれば、その状態を保持してい
る。
【0034】一方、スタティック回路12では、常にそ
の回路に信号が入力されており、すべてのノードがハイ
レベルかローレベルかのいずれかの状態に安定してい
る。例えば図2(b)に示す2入力のNAND(否定論
理積)回路18はスタティック回路18である。NAN
D回路18において、端子19及び20にはそれぞれp
型及びn型トランジスタが接続されており、入力信号X
及びYがローレベルであるかハイレベルであるかに関わ
らず常に一方のトランジスタが動作する。従って、端子
21は常にハイレベルかローレベルの電源線に接続され
るため、出力信号Zも安定したハイレベルまたはローレ
ベルとなる。
の回路に信号が入力されており、すべてのノードがハイ
レベルかローレベルかのいずれかの状態に安定してい
る。例えば図2(b)に示す2入力のNAND(否定論
理積)回路18はスタティック回路18である。NAN
D回路18において、端子19及び20にはそれぞれp
型及びn型トランジスタが接続されており、入力信号X
及びYがローレベルであるかハイレベルであるかに関わ
らず常に一方のトランジスタが動作する。従って、端子
21は常にハイレベルかローレベルの電源線に接続され
るため、出力信号Zも安定したハイレベルまたはローレ
ベルとなる。
【0035】図2(a)のようなダイナミック回路で
は、上述のように、入力信号XおよびYの少なくとも一
方が低レベルのときには、出力ノードZはフローティン
グ状態となって高レベルを保持することになるので、ト
ランジスタのリーク電流が大きいと出力信号が逆転する
可能性がある。従って、ダイナミック回路においては、
リーク電流(オフ電流)の小さい、すなわち、保持特性
の高いトランジスタを用いる必要がある。
は、上述のように、入力信号XおよびYの少なくとも一
方が低レベルのときには、出力ノードZはフローティン
グ状態となって高レベルを保持することになるので、ト
ランジスタのリーク電流が大きいと出力信号が逆転する
可能性がある。従って、ダイナミック回路においては、
リーク電流(オフ電流)の小さい、すなわち、保持特性
の高いトランジスタを用いる必要がある。
【0036】一方、図2(b)のようなスタティック回
路においては、全てのノードは、常時、いずれかの電源
線に接続されているため、多少のリーク電流があっても
信号の逆転は生じない。従って、より駆動力の高いトラ
ンジスタを用いて高速動作を実現することが好ましい。
あるいは、同じ動作速度であれば、より小さなトランジ
スタを用いて回路規模の縮小をはかるほうが好ましい。
路においては、全てのノードは、常時、いずれかの電源
線に接続されているため、多少のリーク電流があっても
信号の逆転は生じない。従って、より駆動力の高いトラ
ンジスタを用いて高速動作を実現することが好ましい。
あるいは、同じ動作速度であれば、より小さなトランジ
スタを用いて回路規模の縮小をはかるほうが好ましい。
【0037】従って、動作速度と保持特性のどちらを優
先させるかという視点から考えると、スタティック回路
においては動作速度が優先し、ダイナミック回路におい
ては、保持特性が優先すると捉えることもできる。
先させるかという視点から考えると、スタティック回路
においては動作速度が優先し、ダイナミック回路におい
ては、保持特性が優先すると捉えることもできる。
【0038】このように異なる2つの特性を優先する回
路を含む薄膜トランジスタ回路に対して、本発明では異
なる2つの多結晶シリコン薄膜トランジスタを用いる。
非晶質シリコン薄膜を熱処理して多結晶シリコン薄膜を
形成する場合、非晶質シリコン薄膜にニッケルなどの結
晶化を助長する元素を添加しておくと結晶化が促進さ
れ、その結果、結晶性の高い多結晶シリコン薄膜が得ら
れる。この多結晶シリコン薄膜は高いキャリア移動度を
備えているために、金属元素が添加されていない多結晶
シリコン薄膜に比べて高速動作特性に優れ、また、駆動
能力に優れる。一方、金属元素が添加されていない多結
晶シリコン薄膜は、金属元素が添加された多結晶シリコ
ン薄膜に比べて、リーク電流が小さく、オフ電流特性に
優れる。
路を含む薄膜トランジスタ回路に対して、本発明では異
なる2つの多結晶シリコン薄膜トランジスタを用いる。
非晶質シリコン薄膜を熱処理して多結晶シリコン薄膜を
形成する場合、非晶質シリコン薄膜にニッケルなどの結
晶化を助長する元素を添加しておくと結晶化が促進さ
れ、その結果、結晶性の高い多結晶シリコン薄膜が得ら
れる。この多結晶シリコン薄膜は高いキャリア移動度を
備えているために、金属元素が添加されていない多結晶
シリコン薄膜に比べて高速動作特性に優れ、また、駆動
能力に優れる。一方、金属元素が添加されていない多結
晶シリコン薄膜は、金属元素が添加された多結晶シリコ
ン薄膜に比べて、リーク電流が小さく、オフ電流特性に
優れる。
【0039】従って、薄膜トランジスタ回路のうち、動
作速度を優先する部分においては、結晶化を助長する金
属元素が添加された多結晶シリコン膜からなるチャネル
領域を有する薄膜トランジスタを用いることにより、回
路全体の性能を高めることができる。また、保持特性を
優先する部分においては、結晶化を助長する金属元素を
含まない多結晶シリコン膜からなるチャネル領域を有す
る薄膜トランジスタを用いることにより、保持特性に優
れた回路を得ることができる。
作速度を優先する部分においては、結晶化を助長する金
属元素が添加された多結晶シリコン膜からなるチャネル
領域を有する薄膜トランジスタを用いることにより、回
路全体の性能を高めることができる。また、保持特性を
優先する部分においては、結晶化を助長する金属元素を
含まない多結晶シリコン膜からなるチャネル領域を有す
る薄膜トランジスタを用いることにより、保持特性に優
れた回路を得ることができる。
【0040】このような薄膜トランジスタ回路は、例え
ば以下のようにして製造される。
ば以下のようにして製造される。
【0041】図3(a)に示すように、まず、ガラス等
からなる絶縁性基板30上に、アルカリ金属等の不純物
の拡散による汚染を防ぐための汚染防止膜として、シリ
コン酸化膜31を形成し、次いで、非晶質シリコン薄膜
32をシリコン酸化膜31上に堆積する。
からなる絶縁性基板30上に、アルカリ金属等の不純物
の拡散による汚染を防ぐための汚染防止膜として、シリ
コン酸化膜31を形成し、次いで、非晶質シリコン薄膜
32をシリコン酸化膜31上に堆積する。
【0042】図3(b)に示すように、保持特性を優先
させる回路のためのトランジスタが形成される領域を覆
うように非晶質シリコン膜32上にマスク層33を設け
る。図3(b)は保持特性を優先させる回路のためのト
ランジスタが領域34に形成され、動作速度を優先させ
る回路のためのトランジスタが領域35に形成されるこ
とを示しているが、これらの領域は隣接している必要は
なく、離れていてもよい。また、複数の領域に分割され
ていてもよい。さらに、非晶質シリコン膜32は連続し
ている必要はなく、領域34及び35はエッチング等に
より分離されていてもよい。マスク層33のパターンの
大きさに特に制限はなく、領域34及び35は1つの薄
膜トランジスタを規定する程度の大きさであってもよい
し、複数のトランジスタが形成される領域を規定する大
きさであってもよい。
させる回路のためのトランジスタが形成される領域を覆
うように非晶質シリコン膜32上にマスク層33を設け
る。図3(b)は保持特性を優先させる回路のためのト
ランジスタが領域34に形成され、動作速度を優先させ
る回路のためのトランジスタが領域35に形成されるこ
とを示しているが、これらの領域は隣接している必要は
なく、離れていてもよい。また、複数の領域に分割され
ていてもよい。さらに、非晶質シリコン膜32は連続し
ている必要はなく、領域34及び35はエッチング等に
より分離されていてもよい。マスク層33のパターンの
大きさに特に制限はなく、領域34及び35は1つの薄
膜トランジスタを規定する程度の大きさであってもよい
し、複数のトランジスタが形成される領域を規定する大
きさであってもよい。
【0043】マスク層33をマスクとして、非晶質シリ
コン膜32に結晶化を促進する触媒作用を有する金属元
素を導入する。導入方法としては、スパッタ法や、金属
錯体を溶かした溶液の塗布などを用いることができる。
また、結晶化を促進する触媒作用を有する金属元素とし
て、ニッケル、鉄、コバルト、パラジウム、白金などを
用いることができる。
コン膜32に結晶化を促進する触媒作用を有する金属元
素を導入する。導入方法としては、スパッタ法や、金属
錯体を溶かした溶液の塗布などを用いることができる。
また、結晶化を促進する触媒作用を有する金属元素とし
て、ニッケル、鉄、コバルト、パラジウム、白金などを
用いることができる。
【0044】マスク層33を除去後、非晶質シリコン薄
膜32を、550〜600℃の温度で熱アニールするか
または、エキシマレーザによるアニールを行って多結晶
化する。熱アニールとエキシマレーザによるアニールと
を同時に行ってもよい。これにより、図3(c)に示す
ように、結晶化を促進する触媒作用を有する金属元素が
添加された多結晶シリコン膜37と結晶化を促進する触
媒作用を有する金属元素を含まない多結晶シリコン膜3
6が形成される。その後、トランジスタの形状に合わせ
てそれぞれの膜をエッチングする。さらに、多結晶シリ
コン膜37及び多結晶シリコン膜36を覆ってシリコン
酸化膜などからなるゲート絶縁膜38を形成する。
膜32を、550〜600℃の温度で熱アニールするか
または、エキシマレーザによるアニールを行って多結晶
化する。熱アニールとエキシマレーザによるアニールと
を同時に行ってもよい。これにより、図3(c)に示す
ように、結晶化を促進する触媒作用を有する金属元素が
添加された多結晶シリコン膜37と結晶化を促進する触
媒作用を有する金属元素を含まない多結晶シリコン膜3
6が形成される。その後、トランジスタの形状に合わせ
てそれぞれの膜をエッチングする。さらに、多結晶シリ
コン膜37及び多結晶シリコン膜36を覆ってシリコン
酸化膜などからなるゲート絶縁膜38を形成する。
【0045】図3(d)に示すように、アルミニウムや
タンタルなどを材料とするゲート電極39a及び39b
をゲート絶縁膜38上に形成する。ゲート電極39a及
び39bをマスクとして自己整合的に多結晶シリコン膜
36及び37に、リン(nチャネル型トランジスタの場
合)またはヒ素(pチャネル型トランジスタの場合)を
注入して、トランジスタのソース/ドレイン領域40及
び41をそれぞれ多結晶シリコン膜36及び37に形成
する。この工程により、ゲート電極39a及び39bの
下方の多結晶シリコン膜36及び37にチャネル領域4
6及び47が形成される。この工程の後に必要に応じ
て、水素化処理を行ってチャネル領域46及び47に水
素イオンを注入してもよい。
タンタルなどを材料とするゲート電極39a及び39b
をゲート絶縁膜38上に形成する。ゲート電極39a及
び39bをマスクとして自己整合的に多結晶シリコン膜
36及び37に、リン(nチャネル型トランジスタの場
合)またはヒ素(pチャネル型トランジスタの場合)を
注入して、トランジスタのソース/ドレイン領域40及
び41をそれぞれ多結晶シリコン膜36及び37に形成
する。この工程により、ゲート電極39a及び39bの
下方の多結晶シリコン膜36及び37にチャネル領域4
6及び47が形成される。この工程の後に必要に応じ
て、水素化処理を行ってチャネル領域46及び47に水
素イオンを注入してもよい。
【0046】その後、図3(e)に示すように、ゲート
電極39a及び39bを覆って、ゲート絶縁膜38上に
シリコン酸化膜、あるは、シリコン窒化膜などからなる
層間絶縁膜42を堆積する。ソース/ドレイン領域40
及び41の一部が露出するように層間絶縁膜42にコン
タクトホールを形成した後、ソース/ドレイン領域40
及び41に接続されたアルミニウムなどの金属配線43
を形成する。これにより、結晶化を助長する金属元素が
添加された多結晶シリコン膜37からなるチャネル領域
を有するトランジスタ45及び結晶化を助長する金属元
素を含まない多結晶シリコン膜36からなるチャネル領
域を有するトランジスタ44とを含む薄膜トランジスタ
回路が完成する。
電極39a及び39bを覆って、ゲート絶縁膜38上に
シリコン酸化膜、あるは、シリコン窒化膜などからなる
層間絶縁膜42を堆積する。ソース/ドレイン領域40
及び41の一部が露出するように層間絶縁膜42にコン
タクトホールを形成した後、ソース/ドレイン領域40
及び41に接続されたアルミニウムなどの金属配線43
を形成する。これにより、結晶化を助長する金属元素が
添加された多結晶シリコン膜37からなるチャネル領域
を有するトランジスタ45及び結晶化を助長する金属元
素を含まない多結晶シリコン膜36からなるチャネル領
域を有するトランジスタ44とを含む薄膜トランジスタ
回路が完成する。
【0047】上記製造方法では、多結晶シリコン膜38
となる非晶質シリコン膜32に全体に結晶化を促進する
触媒作用を有する金属元素を導入していたが、以下に示
す方法を用いてもよい。図4(a)に示すように、非晶
質シリコン膜52をシリコン酸化膜51を介して基板5
0上に形成した後、非晶質シリコン膜52の領域53に
のみ選択的に結晶化を促進する触媒作用を有する金属元
素を導入する。この場合には、上記方法よりも高い濃度
で金属元素を導入する方が好ましい。
となる非晶質シリコン膜32に全体に結晶化を促進する
触媒作用を有する金属元素を導入していたが、以下に示
す方法を用いてもよい。図4(a)に示すように、非晶
質シリコン膜52をシリコン酸化膜51を介して基板5
0上に形成した後、非晶質シリコン膜52の領域53に
のみ選択的に結晶化を促進する触媒作用を有する金属元
素を導入する。この場合には、上記方法よりも高い濃度
で金属元素を導入する方が好ましい。
【0048】その後、図4(b)に示すように、上述の
方法と同様に熱処理することによって、多結晶シリコン
膜54が形成される。このとき、領域53から結晶化が
始まり、導入された金属元素は結晶の成長にともなっ
て、基板50に対して横方向に拡散してゆく。その結
果、領域53以外の領域55及び56においても金属元
素が含まれるようになる。その後、領域55及び56の
一部をチャネル領域とする薄膜トランジスタを形成し、
結晶化を助長する金属元素が添加された多結晶シリコン
膜37からなるチャネル領域を有するトランジスタとし
てもよい。
方法と同様に熱処理することによって、多結晶シリコン
膜54が形成される。このとき、領域53から結晶化が
始まり、導入された金属元素は結晶の成長にともなっ
て、基板50に対して横方向に拡散してゆく。その結
果、領域53以外の領域55及び56においても金属元
素が含まれるようになる。その後、領域55及び56の
一部をチャネル領域とする薄膜トランジスタを形成し、
結晶化を助長する金属元素が添加された多結晶シリコン
膜37からなるチャネル領域を有するトランジスタとし
てもよい。
【0049】上記説明から明らかなように、本発明の薄
膜トランジスタ回路は、キャリア移動度の高いトランジ
スタとリーク電流の低いトランジスタとを備えているの
で、各ブロックごとに要求される仕様に応じて2種類の
トランジスタを使い分け、回路全体としての特性を向上
させることができる。また、2種類のトランジスタは実
質的に同時に形成されるので、種類が異なるにも関わら
ず製造工程が複雑化することがない。さらに、2種類の
トランジスタ設ける場所に特に制限はなく、異なる種類
のトランジスタが隣接してもよい。
膜トランジスタ回路は、キャリア移動度の高いトランジ
スタとリーク電流の低いトランジスタとを備えているの
で、各ブロックごとに要求される仕様に応じて2種類の
トランジスタを使い分け、回路全体としての特性を向上
させることができる。また、2種類のトランジスタは実
質的に同時に形成されるので、種類が異なるにも関わら
ず製造工程が複雑化することがない。さらに、2種類の
トランジスタ設ける場所に特に制限はなく、異なる種類
のトランジスタが隣接してもよい。
【0050】以下、本発明の薄膜トランジスタ回路を適
用した具体的な回路を説明する。
用した具体的な回路を説明する。
【0051】図5は液晶表示装置などの画像表示装置に
用いられる点順次駆動方式のデータ信号線駆動回路60
の一部を示している。
用いられる点順次駆動方式のデータ信号線駆動回路60
の一部を示している。
【0052】データ信号線駆動回路60は、シフトレジ
スタなどからなり、スタート信号線65とクロック信号
線64とに接続された走査回路61と、走査回路61の
各出力段に接続されたバッファ回路62と、各バッファ
回路62の出力に接続されたサンプルホールド回路63
とを有している。サンプルホールド回路63には映像信
号線66が接続されている。
スタなどからなり、スタート信号線65とクロック信号
線64とに接続された走査回路61と、走査回路61の
各出力段に接続されたバッファ回路62と、各バッファ
回路62の出力に接続されたサンプルホールド回路63
とを有している。サンプルホールド回路63には映像信
号線66が接続されている。
【0053】クロック信号線64に印加されたクロック
信号CKS及びスタート信号線65に印加されるスター
ト信号SPSによって、走査回路61の各段から得られ
る出力パルスをバッファ回路62に入力する。バッファ
回路62は走査回路61から受け取った出力パルス(サ
ンプリング信号)を保持、増幅するとともに、必要に応
じて反転信号を生成し、サンプルホールド回路63へ信
号を出力する。これにより、走査回路63の各段から得
られる出力パルスに同期してサンプルホールド回路63
が開閉され、映像信号線66に入力された映像信号DA
Tがデータ信号線67に書き込まれる。
信号CKS及びスタート信号線65に印加されるスター
ト信号SPSによって、走査回路61の各段から得られ
る出力パルスをバッファ回路62に入力する。バッファ
回路62は走査回路61から受け取った出力パルス(サ
ンプリング信号)を保持、増幅するとともに、必要に応
じて反転信号を生成し、サンプルホールド回路63へ信
号を出力する。これにより、走査回路63の各段から得
られる出力パルスに同期してサンプルホールド回路63
が開閉され、映像信号線66に入力された映像信号DA
Tがデータ信号線67に書き込まれる。
【0054】この回路において、サンプルホールド回路
63は、データ信号DATを最大で1水平走査期間の間
だけ保持する必要があるため、高い保持特性が要求され
る。一方、シフトレジスタなどで構成される走査回路6
1は、正常なサンプリング信号を生成するために高速動
作が要求される。したがって、サンプルホールド回路6
3は、非晶質シリコンの結晶化を促進する触媒作用のあ
る金属元素を導入していない多結晶シリコン薄膜からな
るチャネル領域を有する薄膜トランジスタを用いて構成
する。また、走査回路61及びバッファ回路62は、非
晶質シリコンの結晶化を促進する触媒作用のある金属元
素を導入した多結晶シリコン薄膜からなるチャネル領域
を有する薄膜トランジスタを用いて構成する。
63は、データ信号DATを最大で1水平走査期間の間
だけ保持する必要があるため、高い保持特性が要求され
る。一方、シフトレジスタなどで構成される走査回路6
1は、正常なサンプリング信号を生成するために高速動
作が要求される。したがって、サンプルホールド回路6
3は、非晶質シリコンの結晶化を促進する触媒作用のあ
る金属元素を導入していない多結晶シリコン薄膜からな
るチャネル領域を有する薄膜トランジスタを用いて構成
する。また、走査回路61及びバッファ回路62は、非
晶質シリコンの結晶化を促進する触媒作用のある金属元
素を導入した多結晶シリコン薄膜からなるチャネル領域
を有する薄膜トランジスタを用いて構成する。
【0055】この様に、異なる特性を備えていることが
要求される2つの回路をそれぞれに適した特性の薄膜ト
ランジスタで構成することにより、データ信号線駆動回
路60全体の特性を高めることができ、高品位の画像表
示が可能となる。
要求される2つの回路をそれぞれに適した特性の薄膜ト
ランジスタで構成することにより、データ信号線駆動回
路60全体の特性を高めることができ、高品位の画像表
示が可能となる。
【0056】図6は液晶表示装置などの画像表示装置に
用いられる線順駆動方式のデータ信号線駆動回路70の
一部を示している。
用いられる線順駆動方式のデータ信号線駆動回路70の
一部を示している。
【0057】データ信号線駆動回路70では点順次駆動
方式のデータ信号線駆動回路60の構成に加えて、サン
プルホールド回路63の出力は転送信号線72に接続さ
れたサンプリングホールド回路73に接続され、更に信
号増幅器75を介してデータ信号線67に接続される。
サンプルホールド回路63とサンプリングホールド回路
73との間、及びサンプリングホールド回路73と信号
増幅器75との間にはそれぞれサンプリング容量71及
びホールド容量74が接続されている。この様な構成に
よって、サンプルホールド回路63から出力される映像
信号DATはサンプリング容量71にいったん蓄えられ
る。これを次の水平走査期間において、サンプルホール
ド回路73を介してホールド容量74に転送し、更に信
号増幅器75を介してデータ信号線67に出力される。
方式のデータ信号線駆動回路60の構成に加えて、サン
プルホールド回路63の出力は転送信号線72に接続さ
れたサンプリングホールド回路73に接続され、更に信
号増幅器75を介してデータ信号線67に接続される。
サンプルホールド回路63とサンプリングホールド回路
73との間、及びサンプリングホールド回路73と信号
増幅器75との間にはそれぞれサンプリング容量71及
びホールド容量74が接続されている。この様な構成に
よって、サンプルホールド回路63から出力される映像
信号DATはサンプリング容量71にいったん蓄えられ
る。これを次の水平走査期間において、サンプルホール
ド回路73を介してホールド容量74に転送し、更に信
号増幅器75を介してデータ信号線67に出力される。
【0058】この回路において、2つのサンプルホール
ド回路63及び73は、データ信号DATを最大で1水
平走査期間の間だけ保持する必要があるため、高い保持
特性が要求される。一方、シフトレジスタなどで構成さ
れる走査回路61は、正常なサンプリング信号を生成す
るために高速動作が要求され、また、映像信号をデータ
信号線に出力する信号増幅器75は大きな負荷容量(デ
ータ信号線)を充放電するために高い駆動力が要求され
る。したがって、サンプルホールド回路63及び73
は、非晶質シリコンの結晶化を促進する触媒作用のある
金属元素を導入していない多結晶シリコン薄膜からなる
チャネル領域を有する薄膜トランジスタを用いて構成す
る。また、走査回路61、バッファ回路62、及び信号
増幅器75は、非晶質シリコンの結晶化を促進する触媒
作用のある金属元素を導入した多結晶シリコン薄膜から
なるチャネル領域を有する薄膜トランジスタを用いて構
成する。
ド回路63及び73は、データ信号DATを最大で1水
平走査期間の間だけ保持する必要があるため、高い保持
特性が要求される。一方、シフトレジスタなどで構成さ
れる走査回路61は、正常なサンプリング信号を生成す
るために高速動作が要求され、また、映像信号をデータ
信号線に出力する信号増幅器75は大きな負荷容量(デ
ータ信号線)を充放電するために高い駆動力が要求され
る。したがって、サンプルホールド回路63及び73
は、非晶質シリコンの結晶化を促進する触媒作用のある
金属元素を導入していない多結晶シリコン薄膜からなる
チャネル領域を有する薄膜トランジスタを用いて構成す
る。また、走査回路61、バッファ回路62、及び信号
増幅器75は、非晶質シリコンの結晶化を促進する触媒
作用のある金属元素を導入した多結晶シリコン薄膜から
なるチャネル領域を有する薄膜トランジスタを用いて構
成する。
【0059】この様に、異なる特性を備えていることが
要求される2つの回路をそれぞれに適した特性の薄膜ト
ランジスタで構成することにより、データ信号線駆動回
路60全体の特性を高めることができ、高品位の画像表
示が可能となる。
要求される2つの回路をそれぞれに適した特性の薄膜ト
ランジスタで構成することにより、データ信号線駆動回
路60全体の特性を高めることができ、高品位の画像表
示が可能となる。
【0060】図5及び図6を参照して説明したデータ信
号線駆動回路60及び70は液晶表示装置に好適に用い
ることができる。図7に示すように、液晶表示装置80
において、絶縁性基板81上に複数の画素82がマトリ
クス状に配置されている。また、画素82を駆動するた
めのデータ信号線駆動回路84及び走査信号線駆動回路
85が絶縁性基板81上に形成されている。各画素82
は、スイッチング素子として薄膜トランジスタ83を含
んでおり、薄膜トランジスタ83を介して、画素82
は、データ信号線駆動回路84及び走査信号線駆動回路
85に接続されている。
号線駆動回路60及び70は液晶表示装置に好適に用い
ることができる。図7に示すように、液晶表示装置80
において、絶縁性基板81上に複数の画素82がマトリ
クス状に配置されている。また、画素82を駆動するた
めのデータ信号線駆動回路84及び走査信号線駆動回路
85が絶縁性基板81上に形成されている。各画素82
は、スイッチング素子として薄膜トランジスタ83を含
んでおり、薄膜トランジスタ83を介して、画素82
は、データ信号線駆動回路84及び走査信号線駆動回路
85に接続されている。
【0061】データ信号線駆動回路84は図5あるいは
図6に示されるデータ信号線駆動回路と同様の構造を備
えている。データ信号線駆動回路84及び走査信号線駆
動回路85を構成する薄膜トランジスタは画素82の薄
膜トランジスタ83と同じ工程により、絶縁性基板81
上に形成される。このような構成によれば、低コストで
信頼性の高い液晶表示装置が実現できる。
図6に示されるデータ信号線駆動回路と同様の構造を備
えている。データ信号線駆動回路84及び走査信号線駆
動回路85を構成する薄膜トランジスタは画素82の薄
膜トランジスタ83と同じ工程により、絶縁性基板81
上に形成される。このような構成によれば、低コストで
信頼性の高い液晶表示装置が実現できる。
【0062】図8(a)及び(b)は、本発明による更
に別の液晶表示装置の構成を説明するブロック図であ
る。
に別の液晶表示装置の構成を説明するブロック図であ
る。
【0063】図8(a)に示される液晶表示装置90に
おいて、画素91をスイッチングする薄膜トランジスタ
92は、1フレーム期間の間だけ、画像信号を保持する
必要があるため、非常に高い保持性能が要求される。一
方、データ信号線駆動回路93及び走査信号線駆動回路
94は、比較的大きな負荷を駆動する必要があるため、
大きな駆動力が要求される。したがって、図8(a)の
ように、画素91を構成する薄膜トランジスタ92に
は、非晶質シリコンの結晶化を促進する触媒作用がある
金属元素が添加されていない多結晶シリコン薄膜からな
るチャネル領域を有する薄膜トランジスタを用い、デー
タ信号線駆動回路93及び走査信号線駆動回路94に
は、非晶質シリコンの結晶化を促進する触媒作用がある
金属元素が添加された多結晶シリコン薄膜からなるチャ
ネル領域を有する薄膜トランジスタを用いることによ
り、上記要求を同時に満たすことができる。その結果、
映像信号の画素への書き込み及び保持を高精度に行うこ
とができ、高品位の画像表示が可能となる液晶表示装置
が実現される。
おいて、画素91をスイッチングする薄膜トランジスタ
92は、1フレーム期間の間だけ、画像信号を保持する
必要があるため、非常に高い保持性能が要求される。一
方、データ信号線駆動回路93及び走査信号線駆動回路
94は、比較的大きな負荷を駆動する必要があるため、
大きな駆動力が要求される。したがって、図8(a)の
ように、画素91を構成する薄膜トランジスタ92に
は、非晶質シリコンの結晶化を促進する触媒作用がある
金属元素が添加されていない多結晶シリコン薄膜からな
るチャネル領域を有する薄膜トランジスタを用い、デー
タ信号線駆動回路93及び走査信号線駆動回路94に
は、非晶質シリコンの結晶化を促進する触媒作用がある
金属元素が添加された多結晶シリコン薄膜からなるチャ
ネル領域を有する薄膜トランジスタを用いることによ
り、上記要求を同時に満たすことができる。その結果、
映像信号の画素への書き込み及び保持を高精度に行うこ
とができ、高品位の画像表示が可能となる液晶表示装置
が実現される。
【0064】また、上述したように、データ信号線駆動
回路のサンプルホールド回路は、画素の薄膜トランジス
タほどではないにしても、比較的高い保持性能が要求さ
れるので、トランジスタの特性によっては、この部分を
構成する薄膜トランジスタも非晶質シリコンの結晶化を
促進する触媒作用がある金属元素が添加されていない多
結晶シリコン薄膜からなるチャネル領域を有する薄膜ト
ランジスタを用いることが好ましい場合がある。
回路のサンプルホールド回路は、画素の薄膜トランジス
タほどではないにしても、比較的高い保持性能が要求さ
れるので、トランジスタの特性によっては、この部分を
構成する薄膜トランジスタも非晶質シリコンの結晶化を
促進する触媒作用がある金属元素が添加されていない多
結晶シリコン薄膜からなるチャネル領域を有する薄膜ト
ランジスタを用いることが好ましい場合がある。
【0065】その場合には図8(b)に示すように、デ
ータ信号線駆動回路95のサンプルホールド回路96を
構成するトランジスタ及び画素の薄膜トランジスタ92
には、非晶質シリコンの結晶化を促進する触媒作用があ
る金属元素が添加されていない多結晶シリコン薄膜から
なるチャネル領域を有する薄膜トランジスタを用いれば
よい。これにより、上記要求を同時に満たし、映像信号
の画素への書き込み及び保持を高精度に行うことができ
るので、高品位の画像表示が可能となる液晶表示装置が
実現される。
ータ信号線駆動回路95のサンプルホールド回路96を
構成するトランジスタ及び画素の薄膜トランジスタ92
には、非晶質シリコンの結晶化を促進する触媒作用があ
る金属元素が添加されていない多結晶シリコン薄膜から
なるチャネル領域を有する薄膜トランジスタを用いれば
よい。これにより、上記要求を同時に満たし、映像信号
の画素への書き込み及び保持を高精度に行うことができ
るので、高品位の画像表示が可能となる液晶表示装置が
実現される。
【0066】本発明は上記説明から明らかなように、液
晶表示装置に用いられる薄膜トランジスタ回路のみなら
ず、高速動作あるいは高い駆動能力が要求される回路と
高い保持特性が要求される回路とを含む種々の用途の薄
膜トランジスタ回路に適用できる。例えば、電界放出素
子(FED)ディスプレイやデジタルミラーデバイス
(DMD)、発光ダイオード(LED)ティスプレイ、
ELディスプレイなどの画像表示装置に用いる薄膜トラ
ンジスタ回路にも適用できる。また、密着型イメージセ
ンサーやフラッシュメモリーなど結晶シリコン薄膜トラ
ンジスタを用いた他の様々な分野に応用できる。
晶表示装置に用いられる薄膜トランジスタ回路のみなら
ず、高速動作あるいは高い駆動能力が要求される回路と
高い保持特性が要求される回路とを含む種々の用途の薄
膜トランジスタ回路に適用できる。例えば、電界放出素
子(FED)ディスプレイやデジタルミラーデバイス
(DMD)、発光ダイオード(LED)ティスプレイ、
ELディスプレイなどの画像表示装置に用いる薄膜トラ
ンジスタ回路にも適用できる。また、密着型イメージセ
ンサーやフラッシュメモリーなど結晶シリコン薄膜トラ
ンジスタを用いた他の様々な分野に応用できる。
【0067】
【発明の効果】本発明によれば、高速動作速度あるいは
高い駆動力を備えた回路、及び高い保持特性を備えた回
路を含む特性の優れたモノリシックな薄膜トランジスタ
回路が得られる。
高い駆動力を備えた回路、及び高い保持特性を備えた回
路を含む特性の優れたモノリシックな薄膜トランジスタ
回路が得られる。
【0068】また、この多結晶シリコン薄膜トランジス
タ回路を、画像表示装置の駆動回路に適用することによ
り、表示性能の高い画像表示装置を得ることができる。
タ回路を、画像表示装置の駆動回路に適用することによ
り、表示性能の高い画像表示装置を得ることができる。
【図1】本発明の薄膜トランジスタ回路を示すブロック
図である。
図である。
【図2】(a)はダイナミック回路の一例を示す回路図
であり、(b)はスタティック回路の一例を示す回路図
である。
であり、(b)はスタティック回路の一例を示す回路図
である。
【図3】(a)から(f)は本発明の薄膜トランジスタ
回路を構成する薄膜トランジスタの製造方法を説明する
断面図である。
回路を構成する薄膜トランジスタの製造方法を説明する
断面図である。
【図4】(a)及び(b)は本発明の薄膜トランジスタ
回路を構成する薄膜トランジスタの別な製造方法を説明
する断面図である。
回路を構成する薄膜トランジスタの別な製造方法を説明
する断面図である。
【図5】本発明の薄膜トランジスタ回路の一例であるデ
ータ信号線駆動回路のブロック図である。
ータ信号線駆動回路のブロック図である。
【図6】本発明の薄膜トランジスタ回路の別な一例であ
るデータ信号線駆動回路のブロック図である。
るデータ信号線駆動回路のブロック図である。
【図7】本発明の画像表示装置の一例を示す液晶表示装
置の構成を概略的に説明する図である。
置の構成を概略的に説明する図である。
【図8】(a)及び(b)は本発明の画像表示装置の別
な一例を示す液晶表示装置のブロック図である。
な一例を示す液晶表示装置のブロック図である。
【図9】(a)は従来の液晶表示装置のブロック図であ
り、(b)はその画素部分の等価回路図である。
り、(b)はその画素部分の等価回路図である。
【図10】従来の画像表示装置のデータ信号線駆動回路
のブロック図である。
のブロック図である。
【図11】従来の画像表示装置の別なデータ信号線駆動
回路のブロック図である。
回路のブロック図である。
【図12】(a)から(f)は従来の薄膜トランジスタ
回路を構成する薄膜トランジスタの製造方法を説明する
断面図である。
回路を構成する薄膜トランジスタの製造方法を説明する
断面図である。
10 薄膜トランジスタ回路 11 ダイナミック回路 12 スタティック回路 60、70、84、93、95 データ信号線駆動回路 61 走査回路 62 バッファ回路 63、73、96 サンプルホールド回路 71 サンプリング容量 74 ホールド容量 75 信号増幅器 80、90 液晶表示装置 81 絶縁性基板 82、91 画素 83、92 薄膜トランジスタ 85、94 走査信号線駆動回路
Claims (7)
- 【請求項1】 絶縁性基板上に形成され、結晶化を助長
する金属元素が添加された多結晶シリコン膜からなるチ
ャネル領域を有する第1のトランジスタと、絶縁性基板
上に形成され、結晶化を助長する金属元素を含まない多
結晶シリコン膜からなるチャネル領域を有する第2のト
ランジスタとを含む薄膜トランジスタ回路。 - 【請求項2】 前記薄膜トランジスタ回路は、スタティ
ック回路部とダイナミック回路部とを含み、該スタティ
ック回路部は少なくとも1つ以上の前記第1のトランジ
スタから構成され、該ダイナミック回路部は少なくとも
1つ以上の前記第2のトランジスタから構成される請求
項1に記載の薄膜トランジスタ回路。 - 【請求項3】 前記薄膜トランジスタ回路は、画像表示
装置の表示部に画像データを供給するためのデータ信号
線駆動回路であって、該データ信号線駆動回路は、少な
くとも1つ以上の前記第2のトランジスタから構成され
るサンプルホールド回路と、少なくとも1つ以上の前記
第1のトランジスタから構成される該サンプルホールド
回路以外の回路とからなる請求項2に記載の薄膜トラン
ジスタ回路。 - 【請求項4】 前記結晶化を助長する金属元素はニッケ
ル(Ni)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、パラジウ
ム(Pd)、または白金(Pt)のうちの少なくとも1
つ以上を含む請求項1から3のいずれかに記載の薄膜ト
ランジスタ回路。 - 【請求項5】 絶縁性基板と、 該絶縁性基板上にマトリクス状に配置された複数の画素
と、 該絶縁性基板上に形成され、該画素を駆動するためのデ
ータ信号線駆動回路とを備えたアクティブマトリクス型
画像表示装置であって、 該データ信号線駆動回路は、該絶縁性基板上に形成さ
れ、結晶化を助長する金属元素が添加された多結晶シリ
コン膜からなるチャネル領域を有する第1のトランジス
タから構成されるサンプルホールド回路と、 該絶縁性基板上に形成され、結晶化を助長する金属元素
を含まない多結晶シリコン膜からなるチャネル領域を有
する第2のトランジスタから構成される該サンプルホー
ルド回路以外の回路とを含むアクティブマトリクス型画
像表示装置。 - 【請求項6】 絶縁性基板と、 該絶縁性基板上にマトリクス状に配置された複数の画素
と、 該絶縁性基板上に形成され、該画素を駆動するためのデ
ータ信号線駆動回路と走査信号線回路との少なくとも一
方を備えたアクティブマトリクス型画像表示装置であっ
て、 該データ信号線駆動回路と該走査信号線回路との少なく
とも一方の回路の一部は、該絶縁性基板上に形成され、
結晶化を助長する金属元素が添加された多結晶シリコン
膜からなるチャネル領域を有する第1のトランジスタか
ら構成されており、該複数の画素のそれぞれは結晶化を
助長する金属元素を含まない多結晶シリコン膜からなる
チャネル領域を有する第2のトランジスタを含むアクテ
ィブマトリクス型画像表示装置。 - 【請求項7】 前記結晶化を助長する金属元素はニッケ
ル(Ni)、鉄(Fe)、コバルト(Co)、パラジウ
ム(Pd)、または白金(Pt)のうちの少なくとも1
つ以上を含む請求項5または6のいずれかに記載のアク
ティブマトリクス型画像表示装置。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20720595A JPH0955510A (ja) | 1995-08-14 | 1995-08-14 | 薄膜トランジスタ回路およびアクティブマトリクス型画像表示装置 |
US08/531,626 US5818068A (en) | 1994-09-22 | 1995-09-21 | Thin film transistor circuit and an active matrix type display device |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP20720595A JPH0955510A (ja) | 1995-08-14 | 1995-08-14 | 薄膜トランジスタ回路およびアクティブマトリクス型画像表示装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0955510A true JPH0955510A (ja) | 1997-02-25 |
Family
ID=16535982
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP20720595A Withdrawn JPH0955510A (ja) | 1994-09-22 | 1995-08-14 | 薄膜トランジスタ回路およびアクティブマトリクス型画像表示装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0955510A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008243975A (ja) * | 2007-03-26 | 2008-10-09 | Japan Steel Works Ltd:The | アモルファス薄膜の結晶化方法および結晶化装置 |
-
1995
- 1995-08-14 JP JP20720595A patent/JPH0955510A/ja not_active Withdrawn
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008243975A (ja) * | 2007-03-26 | 2008-10-09 | Japan Steel Works Ltd:The | アモルファス薄膜の結晶化方法および結晶化装置 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20021105 |