JP2008238909A - 車両用シートシステム - Google Patents

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Masashi Sakakida
昌史 榊田
Katsunori Kadota
勝典 門田
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Abstract

【課題】ヘッドレストの前方移動に伴い乗員の頸部をより確実に保護し得る車両用シートシステムを提供する車両用シートシステムを提供する。
【解決手段】シートクッション,シートバック及びヘッドレストを備えた車両用シートと、シートベルト及びプリテンショナ機構部とを備えたシートベルト装置とを有する車両用シートシステムにおいて、後突時における着座乗員の後方移動を検出して、上記ヘッドレストを着座乗員の頭部に近接するように移動させるヘッドレスト可動機構部が設けられており、上記プリテンショナ機構部は、上記着座乗員の後方移動検出時に、乗員をシート座面に対して拘束すべく所定以上の張力をシートベルトに瞬時に付加する。
【選択図】図6

Description

本発明は、車両用シートシステムに、より詳しくは、シートクッションと該シートクッションに対して傾倒可能に取り付けられるシートバックと、該シートバックの上端に取り付けられたヘッドレストと、を備えた車両用シートと、上記シートに着座した乗員を拘束可能なシートベルトと、車両の所定状態の検出時に、該乗員を拘束する張力をシートベルトに付加するプリテンショナ機構部とを有する車両用シートシステムに関する。
従来、自車両に対する後方車両の衝突(後突)に際し、乗員の胴体が相対的にシートバックに押しつけられた場合に、乗員の頸部を保護する技術が種々提案されている。例えば下記特許文献1では、後突検出時、シートバック上端部のエアバッグをヘッドレスト前に展開させて、頸部保護を行うと同時に、乗員を拘束すべくシートベルトに張力を付加するようにプリテンショナ機構を作動させる車両用乗員保護装置が開示されている。しかし、この技術では、エアバッグを採用するため比較的大掛かりであり、また、エアバッグを頭部とヘッドレストとの間に介在させるため、頭部を確実に保持し得ない可能性がある。また、一方、例えば下記特許文献2では、後突時の乗員の後方移動により押圧板を移動させてヘッドレストを前方移動させるアクティブヘッドレスト機構を採用し、後突が予知された場合に、モータプリテンショナ機構を作動させる車両用乗員保護装置が開示されている。
特開平11−334503号公報 特開2005−263017号公報
ところで、上記特許文献2に開示されるようなアクティブヘッドレスト機構を採用した場合に、乗員の頸部を確実に保護するには、後突時の着座乗員の後方移動により押圧板が後方移動するに伴いヘッドレストが前方移動した後にも、乗員の臀部及び胴体がシート座面に対して接触し、頭部がヘッドレストに接触した状態に保持されることが望ましい。しかし、乗員からのシートバックに対する後方荷重に対しては、例えばシートバックのパッド材やそのフレーム構造に取り付けられた背面支持部材等の反発力が生じ、これにより、乗員の胴体が前方へ押し出され、押圧板から離れる可能性がある。例えば押圧板を元の状態に復帰させる付勢部材が設けられたアクティブヘッドレスト機構では、かかる状況において、付勢部材の付勢力が作用し、押圧板が前方へ移動する結果、乗員の胴体が更に前方へ押し出されることとなる。このとき、胴体が前方に押し出されるも、頭部側ではヘッドレストが後方に移動するのみで力は作用せず、胴体と頭部との動きの違いにより頸部に負担が加わるおそれがある。
この発明は、上記技術的課題に鑑みてなされたもので、ヘッドレストの前方移動に伴い乗員の頸部をより確実に保護し得る車両用シートシステムを提供することを目的とする。
そこで、本願の請求項1に係る発明は、シートクッションと、該シートクッションに対して傾倒可能に取り付けられるシートバックと、該シートバックの上端に取り付けられたヘッドレストと、を備えた車両用シートと、上記シートに着座した乗員を拘束可能なシートベルトと、車両の所定状態の検出時に、該乗員を拘束する張力をシートベルトに付加するプリテンショナ機構部とを備えたシートベルト装置とを有する車両用シートシステムにおいて、後突時における着座乗員の後方移動を検出して、上記ヘッドレストを着座乗員の頭部に近接するように移動させるヘッドレスト可動機構部を有しており、上記プリテンショナ機構部は、上記着座乗員の後方移動検出時に、乗員をシート座面に対して拘束すべく所定以上の張力をシートベルトに瞬時に付加する、ことを特徴としたものである。
また、本願の請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明において、上記ヘッドレスト可動機構部は、後突時における着座乗員の後方移動を、着座乗員からの後方荷重を受けるべく上記シートバックに設置された受圧部材の後方移動により検出するように構成されており、上記受圧部材には、該受圧部材を後突に伴う後方移動後の位置から後突前の位置近傍に復帰させる付勢部材が設けられる、ことを特徴としたものである。
更に、本願の請求項3に係る発明は、請求項2に係る発明において、上記受圧部材は、上記シートクッションに対して傾倒可能に設けられたシートバック支持フレームにおける所定位置を揺動中心として揺動可能に支持された連結部材を介して、上記ヘッドレストと連結されている、ことを特徴としたものである。
また、更に、本願の請求項4に係る発明は、請求項3に係る発明において、上記連結部材の揺動中心は、上記シートバックの上側に設定されている、ことを特徴としたものである。
また、更に、本願の請求項5に係る発明は、請求項1に係る発明において、上記ヘッドレスト可動機構部は、後突時における着座乗員の後方移動を、着座乗員からの後方荷重を受けるべく上記シートバックに設置された受圧部材の後方移動により検出するように構成されるとともに、上記受圧部材は、上記シートクッションに対して傾倒可能に設けられたシートバック支持フレームにおける所定位置を揺動中心として揺動可能に支持された連結部材を介して、上記ヘッドレストと連結されており、上記シートバックには、通常の着座状態で乗員背面の後方荷重を前方に付勢可能に支持する背面支持部材が設けられ、該背面支持部材は、上記連結部材の揺動中心より下側で支持される、ことを特徴としたものである。
また、更に、本願の請求項6に係る発明は、請求項1に係る発明において、上記ヘッドレスト可動機構部は、後突時における着座乗員の後方移動を、着座乗員からの後方荷重を受けるべく上記シートバックに設置された受圧部材の後方移動により検出するように構成されるとともに、上記受圧部材には、該受圧部材を後突に伴う後方移動後の位置から後突前の位置近傍に復帰させる付勢部材が設けられ、上記受圧部材は、上記シートクッションに対して傾倒可能に設けられたシートバック支持フレームにおける所定位置を揺動中心として揺動可能に支持された連結部材を介して、上記ヘッドレストと連結され、上記シートバックには、通常の着座状態で乗員背面の後方荷重を前方に付勢可能に支持する背面支持部材が、上記受圧部材と上記連結部材の揺動中心との間に設けられている、ことを特徴としたものである。
本願の請求項1に係る発明によれば、後突時、プリテンショナ機構部により所定以上の張力がシートベルトに瞬時に付加され、乗員がシート座面に接触するように拘束されるため、ヘッドレスト可動機構部によりヘッドレストが着座乗員の頭部に近接するように一旦移動させられた後にも、乗員の頭部を確実にヘッドレストで支持し頸部を保護することが可能である。
また、本願の請求項2に係る発明によれば、付勢部材により、後突に伴いヘッドレスト可動機構部が作動した後に受圧部材の位置を容易に復帰させ得るというリペア性を確保しつつ、プリテンション機構部により乗員の前方移動を抑制して、付勢部材の付勢力による乗員の前方移動を防止し、ヘッドレストにより乗員の頭部を確実に支持して頸部を保護することができる。
更に、本願の請求項3に係る発明によれば、ヘッドレストが前方移動するように連結部材が揺動することで、ヘッドレストの移動量を容易に確保しつつ、プリテンション機構部により乗員の前方移動を抑制して、付勢部材の付勢力による乗員の前方移動を防止し、ヘッドレストにより乗員の頭部を確実に支持して頸部を保護することができる。
また、更に、本願の請求項4に係る発明によれば、シートバック上部の揺動幅が小さく、乗員の胴体上部の前後移動量が小さいため、頭部の前後移動を抑制するとともに、シートベルトによる拘束性を向上させることができる。
また、更に、本願の請求項5に係る発明によれば、背面支持部材により後突時には連結部材が揺動し易くなり、ヘッドレストの前方移動量を大きくすることができる。また、乗員の着座性を向上させる背面支持部材が揺動可能な連結部材にてその揺動中心より下側で支持されることで、背面支持部材による乗員を前方移動させる付勢作用を抑制することができる。
また、更に、本願の請求項6に係る発明によれば、背面支持部材により後突時には連結部材が揺動し易くなり、ヘッドレストの前方移動量を大きくすることができ、また、背面支持部材による乗員を前方移動させる付勢作用を抑制することができる。
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照しながら説明する。
図1及び2は、それぞれ、本発明の実施形態に係る車両用シートのフレーム構造を示す組立斜視図及び分解斜視図である。
この車両用シートは、シートクッションとシートクッションに対し傾倒自在に取り付けられたシートバックと、該シートバックの上端に取り付けられたヘッドレストを有するもので、そのフレーム構造Fは、フロアパネル側に設置されたスライドレール11上でスライド可能に支持されるシートクッションフレーム2と、シートクッションフレーム2にリクライニングアジャスタ4を介して傾倒自在に取り付けられた左右一対のサイドフレーム6と、サイドフレーム6に対して揺動可能に取り付けられたシートバックフレーム8と、を備えている。そして、シートバックフレーム8の上端には、ヘッドレスト10が取り付けられている。
左右のリクライニングアジャスタ4は連結軸12(図1参照)を介して連結されており、一方のリクライニングアジャスタ4に取り付けられた操作レバー(不図示)を操作することにより、左右のリクライニングアジャスタ4は連動してサイドフレーム6は所望の角度に設定される。リクライニングアジャスタ4は、シートクッションフレーム2に取り付けられる下部ブラケット16と、下端側で下部ブラケット16に対し傾倒自在に取り付けられる一方、上端側でサイドフレーム6の下端に固定された上部ブラケット18とを備えている。なお、リクライニングアジャスタ4は、本発明の主眼ではないので、ここでは、その詳細説明を省略する。
サイドフレーム6には、シートバックフレーム8の下端部近傍に取り付けられたボルト24が遊挿されるガイド孔6aが形成されるとともに、サイドフレーム6の上部には回転ヒンジ挿入孔6bが形成されている。ここで、ガイド孔6aは、回転ヒンジ挿入孔6bを中心とする円弧状の長孔形状に形成されている。
また、上端にヘッドレスト10が取り付けられたシートバックフレーム8は、略逆U字状に形成されており、サイドフレーム6に形成されたガイド孔6aに対向する部位には、ガイド孔6aに向かって突出する第1のボルト24が取り付けられ、更に、サイドフレーム6に形成された回転ヒンジ挿入孔6bに対向する部位には、回転ヒンジ挿入孔6bに向かって突出する回転ヒンジとしての第2のボルト26が取り付けられている。
また、更に、シートバックフレーム8には、その幅方向に沿って、乗員の背面を支持するS字バネ28が設けられている。このS字バネ28は、サイドフレーム6に対するシートバックフレーム8の揺動中心に対応した第2のボルト26よりも下側に取り付けられている。また、シートバックフレーム8には、S字バネ28とともに、その幅方向に沿って、着座乗員のほぼ腰部に対向する樹脂製若しくは金属製の受圧板29が設けられている。この受圧板29は、シートバックフレーム8の下端近傍に取り付けられている。なお、S字バネ28は、シートバックフレーム8をカバーするパッド材の裏面に当接しているのに対し、受圧板29はパッド材の裏面とは離隔しており、人が座ったときに初めてパッド材と当接する。
加えて、シートバックフレーム8の左右の下端にはコイルバネ30の一端が係止され、コイルバネ30の他端は、左右のサイドフレーム6の後端に係止されている。かかるコイルバネ30により、シートバックフレーム8の両下端が常時前方に付勢されることとなる。
シートバックフレーム8をサイドフレーム6に取り付けるに際し、第1のボルト24がサイドフレーム6のガイド孔6aに挿通されるとともに、第2のボルト26がサイドフレーム6の回転ヒンジ挿入孔6bに挿通され、各孔6a,6bから外方に突出した第1及び第2のボルト24,26には、それぞれ、ナット34,36が螺合される。これにより、フレーム構造Fの組立状態では、図2に示すように、シートバックフレーム8が、サイドフレーム6に対して、第2のボルト26に対応した軸(符号Cで示す)を中心とし、矢印Aで示す方向に揺動可能に支持される。なお、図2には、通常の状態が示されており、この状態では、シートバックフレーム8が、その下端側でコイルバネ30により前方へ付勢されるため、第1のボルト24がガイド孔6a内で前端側に位置している。
かかる構造によれば、自車両に対する後方車両の衝突(後突)等により後方から所定値以上の荷重が入力された場合に、乗員が相対的にシートバックに押しつけられると、乗員の臀部がコイルバネ30の付勢力に抗して受圧板29を後方に押すことになり、シートバックフレーム8は第2のボルト26を回転ヒンジとして軸Cまわりに揺動し、それに伴い、ヘッドレスト10が乗員の頭部に向かって移動させられて乗員の頭部を支持し、頸部が保護されることになる。以下では、このような機構をアクティブヘッドレスト機構と呼ぶ。
また、図3は、車両用シート及びシートに着座した乗員の通常の状態を示す側面図である。なお、図3〜6では、シートクッション及びシートバックを、それぞれ、符号3及び5を付して示すが、それらは、共に、各フレーム構造を含む構成及びそれらをカバーするパッド材を含めたものをあらわすものとする。また、図面の明瞭化を図り、図3,4及び6では、シートバック5内のシートバックフレーム8及びそれに直接に連結される構成を実線で示す。
図3からよく分かるように、通常の状態において、シートベルト43を装着した乗員Pは、臀部及び腰部がシートクッション3及びシートバック5の座面に接触するように着座する。この状態で、シートバック5のシートバックフレーム8に対してコイルバネ30の付勢力を上回る荷重はかかっておらず、シートバックフレーム8は、サイドフレーム6に対して揺動することなく保持される。また、この状態では、シートバックフレーム8の上端に取り付けられたヘッドレスト10が、乗員Pの頭部とは所定の間隔をおいて離隔している(若しくは軽く接触している)。
前述したように、重後突等により後方から所定値以上の荷重が入力された場合、乗員の胴体は相対的にシートバック5に押しつけられ、このとき、乗員の胴体の後方への移動により腰部がコイルバネ30の付勢力に抗して受圧板29を後方に押すことになるので、シートバックフレーム8は第2のボルト26を回転ヒンジとして揺動し、ヘッドレスト10は乗員の頭部に向かって移動して乗員の頭部を支持することになる。
本実施形態では、図3に示すように、受圧板29の高さ方向の中心とシートバックフレーム8の揺動中心となる第2のボルト26との離間距離(符号Yで示す)が、第2のボルト26とヘッドレスト10の高さ方向の中心(符号Gで示す)との離間距離(符号Xで示す)以上であるように各構成が寸法設定されている。
ところで、前述したようなアクティブヘッドレスト機構を採用した場合に、乗員の頸部を確実に保護するには、後突時の着座乗員の後方移動により受圧板29が後方移動するに伴いヘッドレスト10が前方移動した後にも、乗員Pの臀部及び胴体がシート座面に対して接触し、頭部がヘッドレスト10に接触した状態に保持されることが望ましい。しかし、乗員Pからのシートバック5に対する後方荷重に対しては、シートバック5のパッド材やそのシートバックフレーム8に取り付けられたS字バネ28の反発力が生じ、これにより、乗員Pの胴体が前方へ押し出され、受圧板29から離れる可能性がある。ここでは、受圧板29を元の状態に復帰させるコイルバネ30が設けられ、かかる状況においては、コイルバネ30の付勢力が作用し、受圧板29が前方へ移動する結果、乗員Pの胴体が更に前方へ押し出されることとなる。このとき、胴体が前方に押し出されるも、頭部側ではヘッドレスト10が後方に移動するのみで力は作用せず、胴体と頭部との動きの違いにより頸部に負担が加わるおそれがある。参考までに、図4には、本発明に係る車両用シートシステムを採用しない場合につき、軽後突時に、ヘッドレスト10が前方移動した後に、シートバック5のパッド材やシートバックフレーム8に取り付けられたS字バネ28の反発力が生じることで、乗員Pの胴体が前方へ押し出された状態を示す。この状態から、コイルバネ30の付勢力が作用し、受圧板29が前方へ移動する結果、乗員Pの胴体が更に前方へ押し出されることとなる。
かかる問題に対処すべく、本実施形態では、所定以上の張力をシートベルトに瞬時に付加するプリテンショナ機構が装備され、アクティブヘッドレスト機構が作動する後突時にその機構が利用される。図5に、車両用シート及びプリテンショナ機構を含むシートベルト装置を備えた車両用シートシステムを概略的に示す。ここでは、シートベルト装置として、シートベルト43の途中に設けられたタングプレート45がシートクッション3の内側側部に設置されたバックル46に係合させられることで、着座した乗員Pがシートに拘束される3点式の装置が採用されている。かかる3点式のシートベルト装置では、シートベルト43が、タングプレート45を境に、乗員Pの腰部をシートクッション3側に拘束するラップベルト及び胴体をシートバック5側に固定するショルダベルトとして区別されるが、本実施形態では、プリンテンショナ装置50として、ショルダベルト側で張力を付加して乗員Pの胴体をシートバック5側に拘束するショルダプリテンショナが採用されている。つまり、図5に示すように、センターピラー40の下端近傍に設置されたリトラクタ42内にプリテンショナ装置50が設けられ、車両の所定状態に応じて、センターピラー40上方に設けられたアンカー44を通して、ショルダベルトをリトラクタ42内に引込むようになっている。
プリテンショナ装置50は、特に図示しないが、点火用ヒータ,点火薬,ピストン等から構成され、例えば所定以上の減速度が検出された場合若しくはリトラクタ42からの所定速度以上のシートベルト43の引出しが検出された場合などの車両の所定状態に応じて、点火を行う。この点火により発生するガス圧によってシリンダのピストンが押し上げられ、シートベルト43の引き込みの作動力が生じる。かかるプリンテンショナ装置50の作動により、シートベルト43がリトラクタ42内に引き込まれ、特に乗員Pの胴体がシートバック5側に拘束され、その状態で保持されることとなる。このプリンテンショナ装置50は、衝突が予知された場合に乗員Pの操作性を著しく悪化させないようにシートベルト43の拘束力を弱い張力で高めるモータ式のプリテンショナよりも数倍も高い張力をシートベルト43に付加し、乗員Pを拘束する。
本実施形態では、軽後突時など、乗員Pの後方移動が生じ、前述したヘッドレスト機構によりヘッドレスト10が前方移動するに伴い、プリテンショナ装置50が作動させられ、乗員Pの胴体がシートバック8側に拘束されるようになっている。図6には、本発明に係る車両用シートシステムを採用した場合につき、軽後突時にプリテンショナ装置50が作動し、乗員Pの胴体がシートバック8側に拘束された状態を示す。
すなわち、軽後突時など、例えば所定以上の減速度が検出される場合などの車両の状態に応じて、プリテンショナ装置50が、シートベルト43が矢印Dの方向に引き込まれるように、かつ、シートベルト43に所定以上の張力が付加されるように、瞬時に作動させられる。これにより、乗員Pの胴体が、シートバック5のパッド材やシートバックフレーム8に取り付けられたS字バネ28の反発力によって前方へ押し出される前にシートベルト43が引き込まれ、乗員Pの胴体がシートバック5側に拘束される。その結果、乗員Pの腰部が受圧板29を移動させ得る位置から外れることはなく、受圧板29は一旦後方へ移動させられた後に後方位置に保持され、これにより、ヘッドレスト10は前方位置に保持されるため、乗員Pの頭部が確実に支持され頸部に負担がかかることが防止され得る。
以上の説明から明らかなように、本実施形態によれば、軽後突時など、乗員Pの後方移動が生じて、アクティブヘッドレスト機構が作動した後に、シートバック5のパッド材やシートバックフレーム8に取り付けられたS字バネ28の反発力によって乗員Pの胴体が前方へ押し出され、乗員Pの後方移動の検出が不十分となることに対処して、プリテンショナ装置50の作動により、シートベルト43に大きな張力を瞬時に付加し、乗員Pをシート座面に接触するようにシートバック5側に拘束するため、乗員Pの腰部が受圧板29を移動させ得る位置に保持され、乗員Pの後方移動が確実に検出され、ヘッドレスト10により頭部を確実に支持して頸部の保護性を向上させることができる。
また、本実施形態では、受圧板29にコイルバネ30が設けられ、後突に伴いヘッドレスト機構が作動した後に受圧板29の位置を容易に復帰させ得るというリペア性を確保しつつ、プリテンション装置50により乗員Pの胴体の前方移動を抑制して、コイルバネ30の付勢力による乗員Pの前方移動を防止し、ヘッドレスト10により乗員Pの頭部を確実に支持して頸部の保護性を向上させることができる。
更に、本実施形態では、受圧板29が、揺動可能に支持されたシートバックフレーム8を介してヘッドレスト10と連結されるため、ヘッドレスト10が前方移動するようにシートバックフレーム8が揺動することで、ヘッドレスト10の移動量を容易に確保しつつ、プリテンション装置50により乗員Pの前方移動を抑制して、コイルバネ30の付勢力による乗員Pの前方移動を防止し、ヘッドレスト10により乗員Pの頭部を確実に支持して頸部を保護することができる。加えて、本実施形態では、受圧板29がシートバック5の下端側に設けられるため、軽後突時に、乗員Pからコイルバネ30の付勢力を上回る後方荷重がシートバック5に対して加わった場合に、ヘッドレスト10を早期に前方へ移動させることができる。
また、更に、本実施形態では、シートバックフレーム8の揺動中心が、シートバック5の上側に設定されるため、シートバック上部の揺動幅が小さく、乗員Pの胴体上部の前後移動量が小さいため、頭部の前後移動を抑制するとともに、シートベルト43による乗員Pの拘束性を向上させることができる。
また、更に、本実施形態では、通常の着座状態で乗員背面の後方荷重を前方に付勢可能に支持するS字バネ28が、シートバックフレーム8の揺動中心より下側にかつ第2ボルト26と受圧部材29との間に支持されるため、後突時にシートバックフレーム8が揺動し易く、ヘッドレスト10の前方移動量を容易に確保することができる。また、S字バネ28及び受圧部材29による乗員Pを前方移動させる付勢作用を抑制することができる。かかるS字バネ28の代用としては、前後方向に移動して乗員Pの腰部の支持位置を調整する部材(所謂ランバーサポート)を採用することも可能である。
なお、本発明は、例示された実施形態に限定されるものでなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々の改良及び設計上の変更が可能であることは言うまでもない。
例えば、前述した実施形態では、シートバックフレーム8の揺動中心がフレーム8の高さ方向における途中部に設定されていたが、シートバックフレーム8をサイドフレーム6を介さずにその下端がシートクッションフレーム2にリクライニング可能に支持されるように構成し、揺動中心を、かかるフレーム8の上端でシート幅方向に延びる横フレームに対応して設けてもよい。
また、前述した実施形態では、ショルダベルトを直接に引き込むショルダプリテンショナ装置50が採用されたが、これに限定されることなく、バックル46を下方に引っ張ることでシートベルト43に張力を付加するバックルプリテンショナ装置、若しくは、ラップベルト側で張力を付加するようにシートベルト43を引き込むラッププリテンショナ装置を採用してもよい。
更に、前述した実施形態では、ヘッドレスト可動機構として、揺動可能に支持されたシートバックフレーム8の下端側に設けられた受圧板29が後方移動するに伴い、シートバックフレーム8の上端側に設けられたヘッドレスト10が前方移動するタイプものが採用されたが、これに限定されることなく、例えば、例えば所定以上の減速度が検出された場合若しくはリトラクタ45からの所定速度以上のシートベルト43の引出しが検出された場合などの車両の所定状態に応じて、モータ駆動でヘッドレスト10が前方へ押し出されるタイプのものを採用してもよい。また、本発明は、後突時の乗員Pの後方移動を検知して(応動して)ヘッドレスト10を前方かつ上方に移動させる場合にも適用可能であり、その際、乗員Pの後方移動の検出や受圧板29の位置がシートバック5の下部側に設定されていれば、その機構は、前述した実施形態のように、ヘッドレスト10を支持するシートバックフレーム8を軸Cにより回転可能とするものに限定されない。
本発明の実施形態に係る車両用シートのシートフレーム構造を示す分解斜視図である。 上記車両用シートのシートフレーム構造を示す組立斜視図である。 通常運転時の車両用シート及びシートに着座した乗員を示す側面図である。 上記実施形態に係る車両用シートシステムを採用しない場合につき、軽後突時に乗員が前方に押し出された状態を示す側面図である。 上記車両用シートとプリテンショナ機構を含むシートベルト装置とを備えた車両用シートシステムを概略的に示す側面図である。 上記実施形態に係る車両用シートシステムを採用した場合につき、軽後突時にヘッドレストの前方移動に伴い乗員がシート座面に接触するようにシートベルトで拘束された状態を示す側面図である。
符号の説明
2…シートクッション,5…シートバック,6…サイドフレーム,6a…ガイド孔,6b…回転ヒンジ挿入孔,8…シートバックフレーム,10…ヘッドレスト,24…第1のボルト,26…第2のボルト,28…S字バネ,29…受圧板,30…コイルバネ,43…シートベルト,45…タングプレート,46…バックル,50…プリテンショナ装置,52…ワイヤ,F…フレーム構造,P…乗員,X…第2のボルトとヘッドレストの高さ方向の中心との離間距離,Y…受圧板の高さ方向の中心と第2のボルトとの離間距離。

Claims (6)

  1. シートクッションと、該シートクッションに対して傾倒可能に取り付けられるシートバックと、該シートバックの上端に取り付けられたヘッドレストと、を備えた車両用シートと、
    上記シートに着座した乗員を拘束可能なシートベルトと、車両の所定状態の検出時に、該乗員を拘束する張力をシートベルトに付加するプリテンショナ機構部とを備えたシートベルト装置とを有する車両用シートシステムにおいて、
    後突時における着座乗員の後方移動を検出して、上記ヘッドレストを着座乗員の頭部に近接するように移動させるヘッドレスト可動機構部を有しており、
    上記プリテンショナ機構部は、上記着座乗員の後方移動検出時に、乗員をシート座面に対して拘束すべく所定以上の張力をシートベルトに瞬時に付加する、ことを特徴とする車両用シートシステム。
  2. 上記ヘッドレスト可動機構部は、後突時における着座乗員の後方移動を、着座乗員からの後方荷重を受けるべく上記シートバックに設置された受圧部材の後方移動により検出するように構成されており、
    上記受圧部材には、該受圧部材を後突に伴う後方移動後の位置から後突前の位置近傍に復帰させる付勢部材が設けられる、ことを特徴とする請求項1記載の車両用シートシステム。
  3. 上記受圧部材は、上記シートクッションに対して傾倒可能に設けられたシートバック支持フレームにおける所定位置を揺動中心として揺動可能に支持された連結部材を介して、上記ヘッドレストと連結されている、ことを特徴とする請求項2記載の車両用シートシステム。
  4. 上記連結部材の揺動中心は、上記シートバックの上側に設定されている、ことを特徴とする請求項3記載の車両用シートシステム。
  5. 上記ヘッドレスト可動機構部は、後突時における着座乗員の後方移動を、着座乗員からの後方荷重を受けるべく上記シートバックに設置された受圧部材の後方移動により検出するように構成されるとともに、
    上記受圧部材は、上記シートクッションに対して傾倒可能に設けられたシートバック支持フレームにおける所定位置を揺動中心として揺動可能に支持された連結部材を介して、上記ヘッドレストと連結されており、
    上記シートバックには、通常の着座状態で乗員背面の後方荷重を前方に付勢可能に支持する背面支持部材が設けられ、該背面支持部材は、上記連結部材の揺動中心より下側で支持される、ことを特徴とする請求項1記載の車両用シートシステム。
  6. 上記ヘッドレスト可動機構部は、後突時における着座乗員の後方移動を、着座乗員からの後方荷重を受けるべく上記シートバックに設置された受圧部材の後方移動により検出するように構成されるとともに、
    上記受圧部材には、該受圧部材を後突に伴う後方移動後の位置から後突前の位置近傍に復帰させる付勢部材が設けられ、
    上記受圧部材は、上記シートクッションに対して傾倒可能に設けられたシートバック支持フレームにおける所定位置を揺動中心として揺動可能に支持された連結部材を介して、上記ヘッドレストと連結され、
    上記シートバックには、通常の着座状態で乗員背面の後方荷重を前方に付勢可能に支持する背面支持部材が、上記受圧部材と上記連結部材の揺動中心との間に設けられている、ことを特徴とする請求項1記載の車両用シートシステム。
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