JP2008238654A - 中空成形体およびその製造方法、製造装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】一次射出で半割り成形されたランプ本体4とレンズ部5とを互いに突き合わせた突き合わせ部に樹脂材7を二次射出してランプ1を製造するにあたり、レンズ部5の内部に積層樹脂材7を形成して肉厚なレンズ部5として視認性を向上する。
【解決手段】一次射出で成形されたレンズ部6に積層樹脂材7を射出するための型面10bを突き当てて射出空間Xを形成し、該空間に積層樹脂材7を射出して肉厚にした後、該肉厚になったレンズ部5とランプ本体4を突き合わせて二次射出をする。
【選択図】図4
【解決手段】一次射出で成形されたレンズ部6に積層樹脂材7を射出するための型面10bを突き当てて射出空間Xを形成し、該空間に積層樹脂材7を射出して肉厚にした後、該肉厚になったレンズ部5とランプ本体4を突き合わせて二次射出をする。
【選択図】図4
Description
本発明は、中空体内部を構成する少なくとも一方の半割り成形体に、さらに樹脂材を射出して積層したものにできる中空成形体およびその製造方法、製造装置の技術分野に属するものである。
今日、この種、中空成形体を樹脂材の射出成形で形成する場合、第一金型と該第一金型に相対的に移動自在な第二金型とを型合せして、中空成形体を半割りした一対の半割り成形体を一次射出して成形した後、該半割り成形体同士を突き合せた突き合わせ部に二次射出をして一体化するようにしたものが知られている(例えば特許文献1参照)。
特開2003−272417号公報
ところでこのものにおいて、中空状成形体が例えば車両用のランプである場合、レンズ部を肉厚にしてレンズ効果を発揮させたい場合があり、このようなとき、一次の射出工程で初めから肉厚のレンズ部を形成した場合、二次の射出公邸に移るべく金型を脱型した場合、肉厚なレンズ部は内部温度の冷却が進まず、このため樹脂材の熱収縮によって表面に凹みを生じてしまうという問題がある。これを避けるには内部が冷却するまで充分に時間をおく必要があるが、このようにすると生産性が劣るという問題があり、ここに本発明が解決しようとする課題がある。
本発明は、上記の如き実情に鑑みこれらの課題を解決することを目的として創作されたものであって、請求項1の発明は、第一金型と該第一金型に相対的に移動自在な第二金型とを型合せして、中空成形体を半割りした一対の半割り成形体を一次射出して成形する一次射出工程と、該半割り成形体同士を突き合せた突き合わせ部に二次射出をして一体化する二次射出工程とで成形する中空成形体の製造方法において、前記少なくとも一方の半割り成形体の表面もしくは内面に、一次射出工程から二次射出工程までのあいだに、樹脂材を射出して積層する射出積層工程が少なくとも1回あることを特徴とする中空成形体の製造方法である。
請求項2の発明は、射出積層工程は、少なくとも一方の半割り成形体を成形するための金型の一方を離型した後、該離型面に積層樹脂材を射出する射出空間を形成するための型面を有した金型を他方の金型に型合わせして行われるものであることを特徴とする請求項1記載の中空成形体の製造方法である。
請求項3の発明は、第一金型と該第一金型に相対的に移動自在な第二金型とを型合せして、中空成形体を半割りした一対の半割り成形体を一次射出して成形する一次射出工程と、該半割り成形体同士を突き合せた突き合わせ部に二次射出をして一体化する二次射出工程とで成形する中空成形体の製造方法において、一次射出工程後、前記少なくとも一方の半割り成形体の金型が離型された離型面にマスキング材を組込みんで、一対の半割り成形体を突き合わせたとき、一方の半割り成形体の離型面およびマスキング材の表面と他方の半割り成形体の金型が離型された離型面との間に樹脂材を射出して積層するための積層射出空間を形成して、前記二次射出工程で一対の半割り成形体同士を一体化することに合わせて積層射出空間に樹脂材を二次射出するようにしたことを特徴とする中空成形体の製造方法である。
請求項4の発明は、一次射出して成形された一対の半割り成形体同士を突き合せた突き合わせ部に二次射出をして一体化してなる中空成形体において、前記少なくとも一方の半割り成形体の表面もしくは内面に、樹脂材を射出することで積層された射出積層層が少なくとも1層あることを特徴とする中空成形体である。
請求項5の発明は、第一金型と該第一金型に相対的に移動自在な第二金型とを供え、これら金型に、一次射出工程で中空成形体を形成するため一対の半割り成形体を形成するための型面と、該半割り成形体同士を突き合せた突き合わせ部に二次射出をして一体化するための型面とを備えて構成される中空成形体の製造装置において、前記少なくとも一方の型面には、他方の半割り成形体の内面に樹脂材を射出して積層する射出積層層を形成するための型面を備えていることを特徴とする中空成形体の製造装置である。
請求項2の発明は、射出積層工程は、少なくとも一方の半割り成形体を成形するための金型の一方を離型した後、該離型面に積層樹脂材を射出する射出空間を形成するための型面を有した金型を他方の金型に型合わせして行われるものであることを特徴とする請求項1記載の中空成形体の製造方法である。
請求項3の発明は、第一金型と該第一金型に相対的に移動自在な第二金型とを型合せして、中空成形体を半割りした一対の半割り成形体を一次射出して成形する一次射出工程と、該半割り成形体同士を突き合せた突き合わせ部に二次射出をして一体化する二次射出工程とで成形する中空成形体の製造方法において、一次射出工程後、前記少なくとも一方の半割り成形体の金型が離型された離型面にマスキング材を組込みんで、一対の半割り成形体を突き合わせたとき、一方の半割り成形体の離型面およびマスキング材の表面と他方の半割り成形体の金型が離型された離型面との間に樹脂材を射出して積層するための積層射出空間を形成して、前記二次射出工程で一対の半割り成形体同士を一体化することに合わせて積層射出空間に樹脂材を二次射出するようにしたことを特徴とする中空成形体の製造方法である。
請求項4の発明は、一次射出して成形された一対の半割り成形体同士を突き合せた突き合わせ部に二次射出をして一体化してなる中空成形体において、前記少なくとも一方の半割り成形体の表面もしくは内面に、樹脂材を射出することで積層された射出積層層が少なくとも1層あることを特徴とする中空成形体である。
請求項5の発明は、第一金型と該第一金型に相対的に移動自在な第二金型とを供え、これら金型に、一次射出工程で中空成形体を形成するため一対の半割り成形体を形成するための型面と、該半割り成形体同士を突き合せた突き合わせ部に二次射出をして一体化するための型面とを備えて構成される中空成形体の製造装置において、前記少なくとも一方の型面には、他方の半割り成形体の内面に樹脂材を射出して積層する射出積層層を形成するための型面を備えていることを特徴とする中空成形体の製造装置である。
これらの発明にすることにより、中空成形体を形成する少なくとも一方の半割り成形体に樹脂材を積層形成した肉厚になったものを簡単に提供できることになる。
次に、本発明の実施の形態について、図1(A)、(B)は第一の実施の形態のサイドウインカーランプ(以下、単に「ランプ」という)を示すものであるが、図1(A)の第一の実施の形態のランプ1は、光源(本実施の形態ではバルブ(電球)であるが、発光ダイオード等の各種の発光体を用いることができる)2および端子3が組込まれるランプ本体4と、透光性樹脂材によって形成されるレンズ部5とを用いて形成されているが、レンズ部5の内面に透光性の樹脂材6が積層されたものになっている。尚、7はランプ本体4とレンズ部5とを一体化するための二次射出された樹脂材である。
図2〜4に、第一の実施の形態のランプを製造する手法を説明する。10、11は互いに相対移動をする第一、第二金型であるが、ここでは第一金型10を固定金型、第二金型11を可動金型として記載する。尚、図2、3ではこれら金型の型面の形状については、ここでは説明を簡単にするため概略化したものを記載し、図4では具体的なものとして部分的な記載をする。前記固定金型10には、ランプ本体4の表面(ランプ1の背面)4aを形成するための型面10a、積層樹脂材6のランプ本体内面4bとの対向面6aを形成するための型面10b、そしてレンズ体5の内面5aを形成するための型面10cが形成されている。
一方、可動金型11には、ランプ本体4の内面4bを形成するための型面11a、型合わせしたときに積層樹脂材用型面10bが入り込むための型面11b、そしてレンズ部5の表面(ランプ1の正面)5bを形成するための型面11cが形成されている(図2(A)参照)。そして一次射出して各半割り成形体となるランプ本体4およびレンズ部5を成形すべく対応する型面10a、11a同士、10c、11c同士が型合わせすべく可動金型11を移動させた後、樹脂材を一次射出してランプ本体4およびレンズ部5を成形する(図2(B)、図4(A)参照)。ランプの性格上、ランプ本体4は不透光性樹脂材で形成し、レンズ部5は透光性樹脂材で形成することは勿論である。
しかる後、可動金型11について、脱型移動、該可動金型11に残ったレンズ部5を固定金型10の積層樹脂材用型面10bに対向する移動、そして型合わせ移動をすると、レンズ部内面5aと積層樹脂材用型面10bとの間に積層樹脂材層6を形成するための射出空間Xが形成され(図2(C)参照)、該空間Xに積層樹脂材6を形成するための透光性の樹脂材6を射出することになり、これによってレンズ部内面5aに樹脂材6が積層されたものになる(図3(A)、図4(B)参照)。ついで可動金型11の脱型移動、樹脂材6が積層されたレンズ部5とランプ本体4とが対向するための移動、型合わせ移動(図3(B)、図4(C)参照)をした後、両者の突き合わせ部位に樹脂材7を二次射出して一体化し、これによって肉厚なレンズが形成されたレンズ部5を備えたランプ1を成形できるようになっている(図3(C)、図4(D)参照)。
叙述のごとく構成された本発明の実施の形態において、一次射出で形成されたレンズ部5は、二次射出工程に至る前において、その内面5aに、樹脂材6が積層されて肉厚になったものとなり、この肉厚になったレンズ部5をランプ本体4に突き合わせた状態で二次射出して一体化なされることになる。この結果、レンズ部5は、一次射出しただけでは肉厚があるため熱収縮によって凹みができてしまうものであっても、二段階の射出工程に分散した射出によって形成できるため、凹みのないものを簡単にしかも効率よく製造することができ、ランプとして視認性を向上できる。
しかもこの様なランプを製造する場合、レンズ部5については、前記第一の実施の形態では積層工程を含めて二回の射出成形となったが、これを三回、四回、・・・等の多数回に分けての射出も勿論可能であり、このようにすることで、より肉厚とし、積層数が多いものを簡単に製造できることになる。またこのものではレンズ部内面5aに積層樹脂材6を射出したがこれに限定されず、一次成形されたレンズ部5を固定金型10側に残すようにすることで、積層樹脂材6をレンズ部表面5bに射出形成することもできるが、この場合には積層樹脂材6を積層成形したレンズ部5について、今度は可動金型11側に残すようにして二次射出する必要があることは勿論である。さらには、前記同様にしてランプ本体4側に樹脂材を積層することができる。
さらにまた前記型面11bに真空蒸着装置等の成膜装置を設け、積層樹脂材6の射出工程に合わせてランプ本体4の内面に反射膜を成膜するようにしてもよい。
さらにまた前記型面11bに真空蒸着装置等の成膜装置を設け、積層樹脂材6の射出工程に合わせてランプ本体4の内面に反射膜を成膜するようにしてもよい。
図5に第二の実施の形態のランプ1を示すが、このものは、ランプ本体4の光源部位をマスキングするマスキング材8が用いられ、該マスキング材8およびランプ部本体4の内面とレンズ部5の内面との間に透光性の樹脂材9が積層される状態で充填されたものになっている。尚、このものではランプ本体4とレンズ部5とは、積層樹脂材9を射出する際に同時に一体化されるものであるが、これらは別体にしてもよいことは勿論である。
このものは、前記一次の射出工程で成形されたランプ部本体4の光源部位にマスキング材8を組込んだ後、ランプ部本体4とレンズ部5とを突き合わせる(図6(A)参照)ことで、マスキング材8の表面8aおよびランプ部本体内面(マスキング材8によってマスキングされている部位は除く)4bと、レンズ部5の内面との間に形成された積層樹脂材9の射出空間Yに透光性の樹脂材9を射出することで肉厚なレンズ部6を形成することができる。
そしてこのものでは、ランプ部本体内面4bとレンズ部5内面5aとのあいだに積層樹脂材9が射出されるため、該射出時点でランプ部本体4とレンズ部5とが一体化されることになる、つまり積層樹脂材9を射出成形するための工程が二次射出工程と兼用化されることになって、工程の簡略化が図れることになる。
さらにこの場合において、図7に示すように、ランプ部本体4とレンズ部5との対向周縁部全体を離間させたものとし、ここに積層樹脂材9を充填させる構成にすることができる。
1 ランプ
4 ランプ本体
5 レンズ部
6 積層樹脂材
8 マスキング材
9 積層樹脂材
10 固定金型
11 可動金型
4 ランプ本体
5 レンズ部
6 積層樹脂材
8 マスキング材
9 積層樹脂材
10 固定金型
11 可動金型
Claims (5)
- 第一金型と該第一金型に相対的に移動自在な第二金型とを型合せして、中空成形体を半割りした一対の半割り成形体を一次射出して成形する一次射出工程と、該半割り成形体同士を突き合せた突き合わせ部に二次射出をして一体化する二次射出工程とで成形する中空成形体の製造方法において、
前記少なくとも一方の半割り成形体の表面もしくは内面に、一次射出工程から二次射出工程までのあいだに、樹脂材を射出して積層する射出積層工程が少なくとも1回あることを特徴とする中空成形体の製造方法。 - 射出積層工程は、少なくとも一方の半割り成形体を成形するための金型の一方を離型した後、該離型面に積層樹脂材を射出する射出空間を形成するための型面を有した金型を他方の金型に型合わせして行われるものであることを特徴とする請求項1記載の中空成形体の製造方法。
- 第一金型と該第一金型に相対的に移動自在な第二金型とを型合せして、中空成形体を半割りした一対の半割り成形体を一次射出して成形する一次射出工程と、該半割り成形体同士を突き合せた突き合わせ部に二次射出をして一体化する二次射出工程とで成形する中空成形体の製造方法において、
一次射出工程後、前記少なくとも一方の半割り成形体の金型が離型された離型面にマスキング材を組込みんで、一対の半割り成形体を突き合わせたとき、一方の半割り成形体の離型面およびマスキング材の表面と他方の半割り成形体の金型が離型された離型面との間に樹脂材を射出して積層するための積層射出空間を形成して、前記二次射出工程で一対の半割り成形体同士を一体化することに合わせて積層射出空間に樹脂材を二次射出するようにしたことを特徴とする中空成形体の製造方法。 - 一次射出して成形された一対の半割り成形体同士を突き合せた突き合わせ部に二次射出をして一体化してなる中空成形体において、
前記少なくとも一方の半割り成形体の表面もしくは内面に、樹脂材を射出することで積層された射出積層層が少なくとも1層あることを特徴とする中空成形体。 - 第一金型と該第一金型に相対的に移動自在な第二金型とを供え、これら金型に、一次射出工程で中空成形体を形成するため一対の半割り成形体を形成するための型面と、該半割り成形体同士を突き合せた突き合わせ部に二次射出をして一体化するための型面とを備えて構成される中空成形体の製造装置において、
前記少なくとも一方の型面には、他方の半割り成形体の内面に樹脂材を射出して積層する射出積層層を形成するための型面を備えていることを特徴とする中空成形体の製造装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2007083962A JP2008238654A (ja) | 2007-03-28 | 2007-03-28 | 中空成形体およびその製造方法、製造装置 |
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JP2008238654A true JP2008238654A (ja) | 2008-10-09 |
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Family Applications (1)
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JP2007083962A Pending JP2008238654A (ja) | 2007-03-28 | 2007-03-28 | 中空成形体およびその製造方法、製造装置 |
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JP (1) | JP2008238654A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPWO2012111381A1 (ja) * | 2011-02-18 | 2014-07-03 | 南部化成株式会社 | 多層成形品用ロータリー式射出成形機、多層成形品の成形方法及び多層成形品 |
JP2014182199A (ja) * | 2013-03-18 | 2014-09-29 | Stanley Electric Co Ltd | 非球面レンズ及びその製造方法 |
-
2007
- 2007-03-28 JP JP2007083962A patent/JP2008238654A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JPWO2012111381A1 (ja) * | 2011-02-18 | 2014-07-03 | 南部化成株式会社 | 多層成形品用ロータリー式射出成形機、多層成形品の成形方法及び多層成形品 |
JP5755665B2 (ja) * | 2011-02-18 | 2015-07-29 | 南部化成株式会社 | 多層成形品用ロータリー式射出成形機、多層成形品の成形方法及び多層成形品 |
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