JP2008235523A - 抵抗素子を有する電子部品およびその製造法 - Google Patents

抵抗素子を有する電子部品およびその製造法 Download PDF

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Abstract

【課題】放熱の効率が高い抵抗素子を有する電子部品およびその製造法を提供する。
【解決手段】絶縁基板2の対向する端辺領域に設けられる対となる端子電極3および絶縁基板2の一方の面に配置され、端子電極の双方に接続される抵抗体4を有する抵抗素子と、抵抗素子の放熱のための放熱部材9と、を有し、放熱部材9は、絶縁基板2の一方の面とは反対側の絶縁基板2の他方の面、および絶縁基板2の一方の面と絶縁基板2の他方の面とを結ぶ端面2Bに一体として配置されている。また放熱部材9は、絶縁基板2の他方の面、および端面2Bに一体として配置されている。さらに端面2Bには凹部2Cが設けられ、凹部2Cには放熱部材9が配置されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、抵抗素子を有する電子部品およびその製造法に関する。
抵抗素子に通電することによって、ジュール熱が発生する。この熱が過剰に発生すると所望の抵抗素子特性を得られなくなる場合がある。そこで、この熱を実装回路板へと逃がす放熱手段を備えた抵抗器が提案されている。その抵抗器はたとえば図8に示すように、抵抗器21となる電子部品は、絶縁基板22と、その上面に端子電極24および抵抗体25を構成要素とする抵抗素子を有している。そして、実装状態で回路板(図示省略)と対向する面(図8(A)の絶縁基板22下面)に放熱部材23が形成され、回路板と放熱部材23とが接続されている(特許文献1参照)。
図8に示す抵抗器21は、端子電極24がジュール熱の放熱にある程度寄与していると考えられる。しかし、その放熱では十分でないため、端子電極24とは別に放熱部材23を従来から設けている。
実開昭64−6006号公報
図8に示す抵抗器21が有する放熱部材23は、抵抗素子が配置される絶縁基板22の一方の面とは反対側の面に放熱部材23が配置されている。よって、ジュール熱の発生位置からは遠い位置で放熱を行っているため、放熱の効率が低い。特に絶縁基板22の厚みが大きい場合にはその効率はさらに低くなる。
そこで本発明の目的は、放熱の効率が高い抵抗素子を有する電子部品およびその製造法を提供することである。
上記目的を達成するため、本発明の抵抗素子を有する電子部品は、絶縁基板の対向する端辺領域に設けられる対となる端子電極および絶縁基板の一方の面に配置され、端子電極の双方に接続される抵抗体を有する抵抗素子と、抵抗素子の放熱のための放熱部材と、を有し、放熱部材は、絶縁基板の一方の面、抵抗素子の上面、または一方の面とは反対側の絶縁基板の他方の面と一方の面とを結ぶ端面のいずれか1つの面に少なくとも配置されている。
この発明によれば、放熱部材が、通常は絶縁基板の他方の面(裏面)よりも抵抗素子からの距離が短い、抵抗素子が配置される絶縁基板の一方の面(表面)、抵抗素子の上面または絶縁基板の端面に配置されるため、抵抗素子が発するジュール熱の放熱の効率が高くなる。ここで、「抵抗素子の上面」には、抵抗素子の上面と放熱部材との間に介在物が存するときには、その介在物の上面を含むものとする。
上記目的を達成するため、本発明の抵抗素子を有する電子部品は、絶縁基板の対向する端辺領域に設けられる対となる端子電極および絶縁基板の一方の面に配置され、端子電極の双方に接続される抵抗体を有する抵抗素子と、抵抗素子の放熱のための放熱部材と、を有し、放熱部材は、絶縁基板の一方の面とは反対側の絶縁基板の他方の面、および絶縁基板の一方の面と絶縁基板の他方の面とを結ぶ端面に一体として配置されている。
この発明によれば、絶縁基板の他方の面に加え、通常は絶縁基板の他方の面よりも抵抗素子からの距離が短い絶縁基板の端面に放熱部材を配置するため、抵抗素子が発するジュール熱の放熱の効率が高くなる。また、放熱部材の配置面積を絶縁基板の他方の面および端面と広く確保できることから、抵抗素子が発するジュール熱の放熱の効率が高くなる。また、放熱部材表面にバレルめっき法によるめっき層を形成する場合には、放熱部材とダミーボールとが接触してめっき層が被着する確率が高くなる。
他の発明は、上述の抵抗素子を有する電子部品の発明に加え、端面には凹部が設けられ、凹部には放熱部材が配置されている。この構成を採用することによって、凹部に形成された放熱部材は、通常さらに抵抗素子からの距離が短いため、抵抗素子が発するジュール熱の放熱の効率が、より高くなる。
他の発明は、上述の抵抗素子を有する電子部品の発明に加え、抵抗素子を有する電子部品は、少なくとも抵抗体を保護する保護膜を有し、端面に配置された放熱部材は、保護膜の上面まで延在している。この構成を採用することによって、抵抗素子を取り囲むように放熱部材を配置するため、抵抗素子が発するジュール熱の放熱の効率が、より高くなる。
他の発明は、上述の抵抗素子を有する電子部品の発明に加え、端子電極および少なくとも絶縁基板の他方の面に配置された放熱部材の表面には、低融点金属膜が配置され、低融点金属膜の厚みが、3μm以上12μm以下である。低融点金属膜の厚みを3μm以上とすることによって、十分なはんだ濡れ性を確保できる。その結果、電子部品が実装される回路基板に、放熱部材と接続するための放熱用のランドがある場合、安定的に放熱部材との接続を実現できる。また、低融点金属膜の厚みを12μm以下とすることによって、過剰な低融点金属の被着とならず、一般の電子部品の外形寸法精度への影響を小さくできる。
また、上記目的を達成するため、本発明の抵抗素子を有する電子部品の製造法は、表面に縦横に交差する線状分割部および当該線状分割部の線上に複数のスルーホールを有する大型絶縁基板を用い、線状分割部で囲われる一単位の絶縁基板(以下、単位絶縁基板という)の各々の一方の面に少なくとも抵抗素子を含む一つまたは複数の回路素子を形成する回路素子形成工程と、抵抗素子の放熱のための導電性の放熱部材を、一方の面とは反対側の単位絶縁基板の各々の他方の面、および単位絶縁基板の一方の面と単位絶縁基板の他方の面とを結ぶスルーホール内壁面に一体として形成する放熱部材形成工程と、両工程の後に線状分割部に沿って大型絶縁基板を個々の単位絶縁基板へと分割する分割工程と、その後、抵抗素子と接触し、端子を構成する端子電極の表面および放熱部材の表面にバレルめっき法によって低融点金属膜を被着するめっき工程と、を有する。
この発明によれば、放熱部材形成工程で、絶縁基板の他方の面に加え、通常は絶縁基板の他方の面よりも抵抗素子からの距離が短い絶縁基板の端面に放熱部材を形成するため、抵抗素子が発するジュール熱の放熱の効率が高くなる。また、単位絶縁基板の他方の面から放熱部材の材料を供給すれば、同時にスルーホールの内壁面への放熱部材の材料の供給が可能となる。そのため、抵抗素子を有する電子部品を効率的に製造できる。また、大型絶縁基板を用いて複数の回路素子を形成するため、抵抗素子を有する電子部品を効率的に製造できる。また、放熱部材表面にバレルめっき法によるめっき層を形成する場合には、放熱部材とダミーボールとが接触してめっき層が被着する確率が高くなり、めっき速度が速くなる。
他の発明は、上述の抵抗素子を有する電子部品の製造法の発明に加え、回路素子を保護する保護膜を形成する保護膜形成工程を設け、その工程の後、放熱部材形成工程において、スルーホール内壁面に形成した放熱部材を、保護膜の上面まで延在させる。この方法を採用することによって、抵抗素子を取り囲むように放熱部材を配置するため、抵抗素子が発するジュール熱の放熱の効率が、より高くなる。
本発明によって、放熱の効率が高い抵抗素子を有する電子部品およびその製造法を提供することができる。
図1は、本発明の実施の形態に係る抵抗素子を有する電子部品の一例である抵抗器1を示し、図1(A)は、その表面実装型の抵抗器1の正面図である。そして、図1(B)は、この抵抗器1の底面図を示している。そして、図1(C)は、この抵抗器1の平面図を示している。抵抗器1は、板状の絶縁基板2を有している。そして、絶縁基板2の一方の面(図1では上側の面であり、以下「上面」という)の対向する端辺領域に設けられる対となる表面端子電極3Aを有している。そして、絶縁基板2の短辺側の面となる2つの第1の端面2Aの表面に形成された対となる端面端子電極3Bを有している。この端面端子電極3Bは、表面端子電極3Aの配置方向に対向して設けられている。そして、絶縁基板2の他方の面(図1では下側の面であり、以下「下面」という)の端辺領域(絶縁基板2を介した表面端子電極3Aとの対向位置)に設けられる対となる裏面端子電極3Cを有している。そして表面端子電極3Aと端面端子電極3B、および端面端子電極3Bと裏面端子電極3Cとはそれぞれ電気的に接続している。そして、表面端子電極3A、端面端子電極3Bおよび裏面端子電極3Cが一体となって、端子電極3を構成している。この端子電極3が、それぞれの第1の端面2Aを覆うようにして形成され、対となる端子電極3が形成されることとなる。
また図1(C)に示すように、抵抗器1は、対となる長方形の表面端子電極3Aの双方とそれぞれの一部が重なり合って接続される抵抗体4を有している。この抵抗体4は、表面端子電極3Aよりも若干幅狭の長方形の膜状となっている。そして、この抵抗体4および端子電極3とで抵抗素子が形成されている。そして、抵抗体4の全域は、長方形の膜状の第1のガラス皮膜5によって被覆されている。そして抵抗体4および第1のガラス皮膜5の長さ方向のほぼ中央には、トリミング溝14が形成されている。そして、長方形の膜状の第2のガラス皮膜6は、第1のガラス皮膜5の全域を被覆し、またトリミング溝14の内部に存在している。また対となる端子電極3は、ニッケルめっき層7で被覆され、そのニッケルめっき層7は低融点金属膜となる錫めっき層8で被覆されている。
さらに抵抗器1は、図1に示すように、2つの第1の端面2Aと隣り合う長辺側の2つの第2の端面2Bを有している。そして、2つの第2の端面2Bの中央領域には、半楕円柱形状の凹部2Cを有している。そして、放熱部材9が2つの凹部2Cを橋渡しするように、絶縁基板2の周囲を1周している。すなわち、放熱部材9は、凹部2Cによって幅が狭まった面の領域から両側の凹部2C面に渡って形成され、さらに絶縁基板2の上面の、凹部2Cによって幅が狭まった領域へと形成されることで、抵抗器1の凹部2C部分を通って帯状に取り囲むように配置されることとしている。凹部2Cは、端子電極3から離れた位置に配置されているため、放熱部材9と端子電極3は接触していない。放熱部材9は、第2のガラス皮膜6の上に配置されているため、放熱部材9と抵抗素子とは接触していない。なお、放熱部材9は、端子電極3と同様にニッケルめっき層7で被覆され、そのニッケルめっき層7は錫めっき層8で被覆されている。
図2(A)(B)は、抵抗器1が実装回路板10に実装されている状態を示している。図2(A)は、図1(C)におけるA−A’断面図である。図2(B)は、図1(B)(C)におけるB−B’断面図である。抵抗器1の抵抗素子が発するジュール熱の多くは、絶縁基板2、放熱部材9、放熱部材9を覆うニッケルめっき層7、およびそのニッケルめっき層7を覆う錫めっき層8を経由し、さらに、その錫めっき層8と一体となったはんだ11を経由して、ランド16および実装回路板10へと移動する。よって、ジュール熱が過剰に発生しても、そのジュール熱の多くを実装回路板10へ逃がすことができるため、所望の抵抗素子特性を維持することができる。また、4方向から抵抗器1を実装回路板10に固着できるため、抵抗器1と実装回路板10との固着強度が高くなる。また抵抗器1から発せられるジュール熱は上方へと主に移動する。ここで、電子機器等の内部では抵抗器1がどの方向に取り付けられるか予想が困難である。そこで、放熱部材9が抵抗器1を取り囲むように配置されることで、抵抗器1の上方に放熱部材9が配置される確率が高くなって、多くのジュール熱を吸収・放散(放熱)できることとなる。
ここで、凹部2C、基板2の上面(表面)および第2のガラス皮膜6の上に配置される放熱部材9は、基板2の下面(裏面)の上に配置される放熱部材9よりも効率的にジュール熱を吸収し放熱できている。その理由は、放熱部材9と抵抗素子との距離が近いためである。また、凹部2C、基板2の上面(表面)および第2のガラス皮膜6の上に配置された放熱部材9は、ニッケルめっき層7および錫めっき層8を介して大気と接触する。そのため、その放熱部材9は、ジュール熱をランド16および実装回路板10へと移動させるだけでなく、ヒートシンクまたはヒートスプレッダーとして機能し易くなり、ジュール熱を大気中へと放散させる。特に、放熱ファン等の大気を攪拌する手段が近くにある環境下では、その機能がより発揮され易い。よって、その機能によってジュール熱を放熱する効率はより高まる。よって放熱部材9は、凹部2C、基板2の上面(表面)および/または第2のガラス皮膜6の上への配置のみで足りる場合がある。
図2に示すように、凹部2Cの表面の放熱部材9と実装回路板10との接続が、はんだ11によってなされている。凹部2Cには、抵抗素子からの距離が短い位置に放熱部材9が配置されている。特に放熱部材9のうち、最も凹んだ凹部2Cの部分であって、抵抗素子が配置されている基板2の表面に近い部分は、抵抗素子からの距離が最も近い。このように抵抗器1は、抵抗素子からの距離が短い位置から放熱を行うことができるため、放熱の効率が高い。
また、放熱部材9は、絶縁基板2の下面から両側の凹部2Cへ、そして絶縁基板2の上面および抵抗素子の上面に渡って一体として配置されている。そのため、放熱部材9の形状が複雑となる。バレルめっき法は、めっき浴中に浸漬した籠体内に、多数の抵抗器1を、ダミーボールと呼ばれる金属の粒状体と一緒に投入し、籠体を回転または振動等させ、かつ通電しながらめっきするめっき法である。このダミーボールは、めっき層を形成する部分の形状が複雑であれば、その部分に接触する確率(通電頻度)が高まり、めっき層形成速度が速くなる。よって、バレルめっきを行って抵抗器1の放熱部材9の表面にめっき層(この実施の形態ではニッケルめっき層7と錫めっき層8)を形成する場合には、従来の抵抗器21の放熱部材23のような平面状のものを用いる場合よりも、放熱部材9とダミーボールおよび、ニッケルめっき層8とダミーボールとが接触してめっき層が被着する確率が高くなる。よって、抵抗器1の表面へのはんだ等の低融点金属膜を十分に形成することが可能となる。すると、実装回路板10と抵抗器1との接続状態が良好となって、実装回路板10への放熱が円滑になされる。
また放熱部材9は、第2の端面2Bに沿った方向の線であって、絶縁基板2の下面の中心領域を通る直線(A−A’)(図1(C)参照)を対称軸とする線対称の形状としている。そのことによって、放熱部材9が実装回路板10へ、はんだ11によって接続される、いわゆるリフロー工程を経た場合に、はんだ11の表面張力が偏らない。よって電子部品となる抵抗器1が実装回路板10のパターン(ランド16)上の正確な位置に移動する、いわゆるセルフアライメントの効果を害しない。また放熱部材9は、第1の端面2Aに沿った方向の線であって、絶縁基板2の他方の面の中心領域を通る直線(B−B’)(図1(C)参照)を対称軸とする線対称の形状としている。よって、放熱部材9が第2の端面2Bに沿った方向に偏って存していない。すると上述のリフロー工程を経た場合に、溶融はんだの表面張力の偏りに起因して、溶融はんだが溶断するツームストン現象が抑制される。
図3には、本発明の実施の形態に係る抵抗素子を有する電子部品(ここでは抵抗器1)の製造法の一例を示している。以下、順を追って抵抗器1を製造する過程を図3を参照しながら説明する。
図3(A)は、アルミナ製の大型絶縁基板12を示している。大型絶縁基板12の一方の面は、表面に縦横に交差する線状の分割用溝13を有している。また、縦横に交差する線状の分割用溝13で囲われた一単位である単位絶縁基板2Dの各々の分割用溝13の長辺上の中央部には、その長辺方向に長い楕円形のスルーホール17が形成されている。
図3(B)は、裏面端子電極3Cと放熱部材9の形成を示す図である。この図3(B)は、大型絶縁基板12の一方の面(以下、「表面」という)とは逆側の面(他方の面で、以下「裏面」という)に、Agを主構成材料とするメタルグレーズ系導電ペーストをスクリーン印刷法によって所定位置に配置させ、焼成した状態を示している。この所定位置の一つは、後の工程で分割用溝13に沿って分割を行い、単位絶縁基板(絶縁基板2)としたときに、絶縁基板2の裏面の端辺領域に設けられる対となる裏面端子電極3Cとなる位置である。隣接する絶縁基板2の端辺領域には、大型絶縁基板12の表面の分割用溝13に対応する部分を跨いで隣接する裏面端子電極3Cを一体とした帯状に形成している。その理由は、スクリーン印刷の際のパターンを大きくして、パターン設計を容易にする観点および印刷精度の安定化のためである。
所定位置のもう一つは、一体となった複数の帯状の裏面端子電極3Cの間であって、スルーホール17の上である。上述した裏面端子電極3Cを形成するためのスクリーン印刷の際には、複数の長方形の帯状の開口部を有する製版を用い、その一つの開口部が、スルーホール17とこの後に形成される第2のガラス皮膜6の位置に合うよう位置合わせする。そして、大型絶縁基板12の表面側から吸気し、スルーホール17の上に印刷されたメタルグレーズ系導電ペーストを、スルーホール17の内壁面へと導く(スルーホール印刷)。このスルーホール印刷によって、熱伝導率の高いAgを主構成材料とする膜を放熱部材9として、絶縁基板2の裏面、および絶縁基板2の端面2Cに一体として形成する。なお、放熱部材9の形成の際には、裏面端子電極3Cの帯状を形成するための印刷製版の開口部の寸法と同じ寸法の開口部を、放熱部材9の形成のために設けている。その開口部から供給されるメタルグレーズ系導電ペーストの一部が、スルーホール17の内壁面に付着して、放熱部材9が形成されたこととなる。
図3(C)は、表面端子電極3Aの形成を示す図である。この表面端子電極3Aは、裏面端子電極3Cおよび放熱部材9の裏面側と凹部2C側への形成後に行われる。この図3(C)は、大型絶縁基板12の表面に、Ag−Pd系合金を主構成材料とするメタルグレーズ系導電ペーストをスクリーン印刷法によって、単位絶縁基板2Dを取り囲む各々の分割用溝13の短辺上の中央部に長方形形状に配置させ、焼成した状態を示している。この結果、後の工程で分割用溝13に沿って分割を行い、単位絶縁基板(絶縁基板2)としたときに、絶縁基板2の表面の端辺領域に設けられる対となる表面端子電極3Aとなる。
ここで、隣接する絶縁基板2の端辺領域には、分割用溝13を跨いで隣接する表面端子電極3Aを一体として形成している。その理由は、スクリーン印刷の際のパターンを大きくして、パターン設計を容易にするため、および印刷精度を安定化させるためである。但しこの一体形成は、一体形成によって、隣接する抵抗素子が直列に接続される状態とするのみで、隣接する抵抗素子が並列に接続される状態とはしない。その理由は、後述する抵抗値調整のためのトリミング工程を的確に行うためである。
図3(D)は、図3(C)の状態の後、大型絶縁基板12の表面に、酸化ルテニウムを主構成材料とするメタルグレーズ系抵抗体用ペーストをスクリーン印刷法によって配置させ、焼成した状態を示している。この配置位置は、各々の単位絶縁基板2Dの表面端子電極3Aの双方に一部重なり合う位置であり、抵抗体4となる部分である。またこの段階では、対となる表面端子電極3Aの双方に接続する抵抗体4からなる抵抗素子が得られる。
図3(E)は、その後に第1のガラス皮膜5を設けた状態を示している。第1のガラス皮膜5を設ける際には、大型絶縁基板12の一方の面に、ガラスペーストをスクリーン印刷法によって、先に形成した抵抗体4の全面を覆う位置に配置させる。このスクリーン印刷工程後、大型絶縁基板12を焼成して第1のガラス皮膜5を得る。
図3(F)は、その後、抵抗素子の抵抗値調整のため、レーザー照射によって抵抗体4にトリミング溝14を形成した状態を示している。先に形成した第1のガラス皮膜5は、このレーザー照射による抵抗体4の過剰な破壊を防止するように機能している。
図3(G)は、その後、大型絶縁基板12の一方の面に、ガラスペーストをスクリーン印刷法によって、先に形成した第1のガラス皮膜5の全面を覆う位置に配置させ、このスクリーン印刷工程後、大型絶縁基板12を焼成して第2のガラス皮膜6を得た状態を示している。第2のガラス皮膜6は、トリミング溝14に入り込んだ状態で固化し、抵抗素子全体を保護するよう機能する。
図3(H)は、その後、大型絶縁基板12の表面および凹部2Cに、スクリーン印刷法によって放熱部材9を配置した状態を示している。スクリーン印刷の際には、複数の長方形の帯状の開口部を有する製版を用い、その一つの開口部が、スルーホール17と第2のガラス皮膜6の位置に合うよう位置合わせする。そして、スクリーン印刷の際には、Ag−Pd系合金を主構成材料とするメタルグレーズ系導電ペーストをインクとして用いる。そして、大型絶縁基板12の裏面からスルーホール17を通じて吸気して、上述のスルーホール印刷を行う。その結果、大型絶縁基板12の表面上、第2のガラス皮膜6上、および凹部2Cに、放熱部材9を配置することができる。これで、先に形成した放熱部材9と併せて、放熱部材9が個々の抵抗器1を取り囲む構成を実現できる。
図3(I)は、その後、大型絶縁基板12の表面に縦横に形成された分割用溝13のうち、スルーホール17を通過した側の分割用溝13に沿って分割した状態を示している。この分割では、分割用溝13を開く方向に大型絶縁基板12を曲げ、短冊状の絶縁基板15へと分割(以下、「一次分割」という。)する。一次分割の結果、分割用溝13に跨って形成されていた表面端子電極3Aおよび裏面端子電極3Cが、分割用溝13に沿って同時に破断する。そして、第1の端面2Aが露出する。ここで一次分割によって、大型絶縁基板12の裏面に形成した裏面端子電極3Cおよび表面端子電極3Aが絶縁基板2から剥離するおそれがあると考えられる。しかし、その剥離が生じたとしても、後述する第1の端面2Aに銀(Ag)をスパッタリング法によって被着させる工程で、短冊状の絶縁基板15から裏面端子電極3Cおよび表面端子電極3Aの一部が剥離した場合でも、その部分にもAgが被着されることから、抵抗器1として機能することができる。
図3(J)は、短冊状の絶縁基板15の平面図である。図3(J)は、一次分割の後、両側の第1の端面2Aにスパッタリング法によってAgを被着させ、端面端子電極3Bを形成した状態を示している。このとき、表面端子電極3Aおよび裏面端子電極3Cの破断面にもAgが被着される。そのため、表面端子電極3Aと端面端子電極3B、および端面端子電極3Bと裏面端子電極3Cとがそれぞれ電気的に接続する。その結果、表面端子電極3A、端面端子電極3Bおよび裏面端子電極3Cが一体となって、端子電極3が形成される。
図3(K)は、その後、短冊状の絶縁基板15に対し、スルーホール17を通過する分割用溝13に沿って分割した状態を示している。この分割は、分割用溝13を開く方向に応力付与して、単位絶縁基板(絶縁基板2)へと分割(以下、二次分割という。)することとなる。図3(K)の左側は、抵抗器1の表面を、同図右側は、抵抗器1の裏面を示している。二次分割の際には、分割用溝13に一部跨って形成されていた放熱部材9のうちスルーホール17の内壁の分割用溝13の延長上の部分、および裏面端子電極3Cのうち分割用溝13を跨ぐ部分が、分割用溝13に沿って同時に破断して、第2の端面2Bとしてそれらの破断面が露出する。ここで二次分割によって、大型絶縁基板12の裏面に形成した裏面端子電極3Cが絶縁基板2から剥離するおそれがあると考えられる。しかし、通常、裏面端子電極3Cの二次分割時の破断面の面積は小さいため、容易に破断し、その破断の際の衝撃が小さいことから、裏面端子電極3Cは、絶縁基板2面との剥離に至ることは殆ど無い。
その後、バレルめっき法によって、表面端子電極3A、端面端子電極3Bおよび裏面端子電極3Cの表面(この3つの電極が端子電極3を構成する)、および放熱部材9の表面に、ニッケルめっき層7を形成し、さらにニッケルめっき層7の表面に錫めっき層8を形成する。ニッケルめっき層7は、端子電極3と錫めっき層8との合金化による、端子電極3の、いわゆるはんだ喰われを防止するように機能する。また、錫めっき層8は、実装回路板10への表面実装の際に、固着部材となるはんだとの濡れ性を良好にするよう機能する。ここで、ニッケルめっき層7および錫めっき層8の厚みは、3μm以上12μm以下となるよう、めっき時間および/または通電電流値等を調整する。
以上の各工程を経て製造された抵抗器1(図1および図2参照)と、図8に示す従来の抵抗器21について、サンプル数n=20での比較検討を行った。従来の抵抗器21は、凹部2Cを有さず、かつ放熱部材23を長方形とし、絶縁基板22の裏面のみに、その裏面の端面に到達させない形状としている。それ以外は抵抗器1と同条件で製造されている。図4(A)はニッケルめっき層7の厚み、図4(B)は錫めっき層8の厚みを比較した結果を示している。従来の抵抗器21のめっき条件(めっき時間および通電電流値等)は、本実施の形態に係る抵抗器1のめっき条件と同一にしている。本実施の形態に係る放熱部材9の表面に被着したニッケルめっき層7の厚み(最大値8.3μm、最小値5.7μm、平均値6.9μm)および錫めっき層8の厚み(最大値7.2μm、最小値4.7μm、平均値6.1μm)は、明らかに従来の放熱部材23の表面に被着したニッケルめっき層の厚み(最大値6.9μm、最小値2.4μm、平均値4.2μm)、および錫めっき層の厚み(最大値1.7μm、最小値0.6μm、平均値1.3μm)よりも厚いことがわかる。このことから、本実施の形態に係る放熱部材9を基板2の両面(表裏面)上、第2のガラス皮膜6上、および凹部2Cに、放熱部材9を配置して、放熱部材9が抵抗器1を取り囲むことで、ダミーボールが放熱部材9へ接触しやすくなる効果が顕著に得られていることがわかる。
次に、本実施の形態に係る抵抗器1、上述の従来の抵抗器21および放熱部材9を設けない以外は抵抗器1と同条件で製造した抵抗器について、サンプル数n=20での温度衝撃試験を行った。温度衝撃試験は、ガラス繊維を混入したエポキシ系樹脂の板状成形物からなる実装回路板にこれら3種の抵抗器を実装し、常温で抵抗値測定をした後、125℃まで昇温してから30分で−55℃まで降温し、30分で125℃まで昇温するサイクルを1000回繰り返した後、再び常温で抵抗値測定をして、当初の抵抗値からの変化率を求める試験である。
図5に、この試験結果を示す。本実施の形態に係る抵抗器1の抵抗値変化率(最大値0.37%、最小値0.13%、平均値0.25%)は、放熱部材9を設けない以外は抵抗器1と同条件で製造した抵抗器の抵抗値変化率(最大値0.84%、最小値0.44%、平均値0.60%)に比べて明らかにが小さく、熱衝撃によっても抵抗素子特性を維持できていることがわかる。また本実施の形態に係る抵抗器1の抵抗値変化率は、上述の従来の抵抗器21の抵抗値変化率(最大値0.61%、最小値0.24%、平均値0.36%)よりも小さい。この理由は、上述の従来の抵抗器21の放熱部材23の表面に被着しためっき層の薄さが、実装回路板との固着状態において本実施の形態に係る抵抗器1との差異を生じさせ、その差異が従来の抵抗器21から実装回路板への熱移動阻害要因となっているものと考えられる。
次に、本実施の形態に係る抵抗器1と上述の従来の抵抗器21および放熱部材9を設けない以外は抵抗器1と同条件で製造した抵抗器の、計3種の抵抗器について、サンプル数n=1での定格電力印加時の上昇温度(ΔT(℃))の測定試験を行った。定格電力が、0.25W,0.5W,0.75W,1W,1.5W,2Wの抵抗器を計3種についてそれぞれ用意し、表面温度計を用いて、各々の抵抗器の上昇温度を同条件で測定した。
図6に、この試験結果を示す。いずれの定格電力においても本実施の形態に係る抵抗器1の上昇温度が最も低かった。そして、上述の従来の抵抗器21の上昇温度が、いずれの定格電力においても抵抗器1の次に低く、放熱部材9を設けない抵抗器は、いずれの定格電力においても最も高かった。また、各抵抗器は、定格電力値に比例して上昇温度値が高くなる傾向にあった。
以上、この実施の形態における抵抗器1およびその製造法について説明したが、本発明の要旨を逸脱しない限り種々変更実施可能である。図7には、本発明の実施の形態に係る抵抗器1の変形例を示している。なお、抵抗器1の構成部品と同一の部材、同一の機能を有する部材には、抵抗器1中の符号と同一の符号を付して説明する。図7(A)は、図3(H)に示す、放熱部材9を大型絶縁基板12の表面に形成する工程を省略し、基板2の裏面と端面の凹部2Cに放熱部材9を配置した抵抗器1Aが実装基板に実装された状態を示す図で、図2(B)に対応する断面図である。図7(B)は、図3(B)に示す、放熱部材9を大型絶縁基板12の裏面に形成せずに裏面電極3Cのみ形成し、基板2の表面と端面の凹部2Cに放熱部材9を配置した抵抗器1Bが実装基板に実装された状態を示す図で、図2(B)に対応する図である。抵抗器1A,1Bの双方ともスルーホール印刷によって放熱部材9を形成しているため、凹部2Cに放熱部材9が形成されている。
図7に示す抵抗器1の変形例の変形以外にも、種々の変形が可能である。たとえば、凹部2Cは無くてもよい。また、端面2Bには放熱部材9を配置せずに、抵抗素子の上面および/または抵抗素子が配置される基板2の面にのみ放熱部材9を配置しても良い。また、放熱部材9は、対向する両方または一方の端面2Bのみに配置されることとしても良い。また、放熱部材9は、端面2Bにおける、基板2の表裏面を結ぶ方向に連続して配置する必要は無く、途中で途切れる部分を有していても良い。さらに凹部2Cの形状は、半楕円形状でなく、半円形状等、他の形状を採択しうる。また、スルーホール17に代えて、有底の空洞を大型絶縁基板12に配置し、その空洞の内壁面に放熱部材9を形成することとしても良い。さらに、第2のガラス皮膜6に代えて、エポキシ系等の樹脂皮膜等とすることができる。その場合は、抵抗素子の上面に形成する放熱部材9は、樹脂皮膜等が焼失しないように、樹脂系の導電性接着剤等、熱伝導率の高い金属粉が混入された樹脂ペーストをスクリーン印刷法等で配置して、熱硬化させて形成するのが良い。また、この樹脂系の導電性接着剤等は、第2のガラス皮膜6を用いた場合にも放熱部材9を形成するのに用いても良い。
また、端面2Bへの放熱部材9の形成は、スルーホール印刷法以外の方法、たとえば塗布法、めっき法等を採択できる。また、大型絶縁基板12は必須の部材ではなく、単位絶縁基板2D(基板2)に対して各工程を行うことができる。よって、一次および二次分割の工程は必須の工程ではないため省略できる。また、第2のガラス皮膜6を形成する工程およびめっき工程についても必須の工程ではないため省略できる。さらに、抵抗器1が表面端子電極3Aのみを端子電極とする、いわゆるフェイスダウン型のものである場合には、裏面端子電極3Cを形成する工程および端面端子電極3Bを形成する工程は必須の工程ではないため省略できる。ただし、抵抗器1がフェイスダウン型のものである場合に端面端子電極3Bを形成しても良い。
また、表面端子電極3A、裏面端子電極3Cおよび抵抗体4をスクリーン印刷法による厚膜で形成したが、これらの全部または一部をスパッタリング法等による薄膜で形成しても良い。また、裏面端子電極3Cと放熱部材9とは、同時に形成しても良いが、別々に形成しても良い。また、図3(C)に示す表面端子電極3Aを形成する工程を、図3(B)に示す裏面端子電極3Cおよび放熱部材9を形成する工程の前に行っても良い。但し、焼成の際に大型絶縁基板12が金属製の搬送ベルト等に載置される場合には、搬送ベルト表面の金属錆が表面端子電極3Aへ付着する。すると、後に形成する抵抗体4との接触状態が不安定となる。それを防止するため、本実施の形態のように、裏面端子電極3Cおよび放熱部材9を形成する工程が表面端子電極3Aを形成する工程の前に行われることが好ましい。
端面端子電極3Bは、スパッタリング法以外の方法、例えば塗布法、スクリーン印刷法等によって形成することができる。さらに、上述した実施の形態では放熱部材9を形成する工程を抵抗素子を形成する工程の最中に行っているが、第2の工程を第1の工程の開始前または完了後に行っても良い。さらに、裏面端子電極3Cおよび放熱部材9は、マイグレーション抑制材料としての、たとえばAg−Pd系合金等のメタルグレーズ系ペーストを焼成したもので構成させることができる。そうすることによって、本実施の形態の抵抗器1のように裏面端子電極3Cと放熱部材9との距離が比較的短くても、対となる裏面端子電極3C同士のマイグレーションによる短絡を抑制できる。
また、絶縁基板2は、アルミナからなるものを用いている。しかし、より放熱性を良好にするためには、窒化アルミニウム等の熱伝導性の良好な材料を採択することが好適である。また、抵抗器1に設けた低融点金属膜には、錫めっき層8を用いているが、錫めっき層8に代えてはんだめっき層とすることができる。ここで「はんだ」には、Pb−Sn系合金を用いることができる。また、Sn−Cu系合金等のいわゆる鉛フリーはんだを用いることができる。
また抵抗器1は、抵抗素子一つからなる表面実装型のチップ抵抗器である。しかし他の抵抗器、例えば多連チップ抵抗器やチップネットワーク抵抗器等、単位絶縁基板に複数の抵抗素子を有する複合電子部品にも適用できる。この複合電子部品は、抵抗素子一つからなる抵抗器1に比べ、ジュール熱の発熱量が多く、絶縁基板にジュール熱が蓄積し易いため、ジュール熱を絶縁基板から逃がす必要性が高い場合がある。そのような場合には、本実施の形態に係る抵抗器1のように放熱部材9を設けることが非常に好ましいものとなる。また、抵抗素子と、コンデンサ等の他の回路素子との複合電子部品にも放熱部材9を設けることができる。
抵抗器1は、周囲温度が高温になりやすい環境下での使用によって、特に利点を発揮できる。例えば、高密度実装をする電子機器への用途、パーソナルコンピュータ等、高温になりやすいCPU(Central Processing Unit)の近くに抵抗器が実装される電子機器への用途、高温になりやすい車のエンジンルーム内の電子制御部等への用途が好適である。
また、図3(I)(K)に示す分割工程(それぞれ一次分割および二次分割)に際し、大型絶縁基板12および短冊状の絶縁基板15の分割を、分割用溝13を開く方向に応力を付与する方法によって実現している。しかしこの方法に代えて、ダイシング等の他の分割手段を採用できる。ダイシングを採用する利点は、分割の寸法精度を良好にできることである。また、分割用線(この線は、可視のものおよび不可視のものの双方を含む。)を跨いで形成された放熱部材9の部分を切断する際に比較的その部分に与える衝撃が小さく、絶縁基板2からの各種の部材の剥がれをより一層抑制できることである。また、一般に絶縁基板寸法精度の高い分割が困難な一次分割にダイシングを採用し、二次分割に製造コスト面で有利な分割用溝13を開く方向に応力を付与する方法を採用することができる。また、分割用溝13を大型絶縁基板12の表裏の2面に形成したり、裏面のみに形成することができる。
また抵抗器1では、放熱部材9を端子電極3の材料と同様に導電性材料としている。電子部品と実装回路板10との熱移動を低融点金属(はんだ)を介して行う場合には、放熱部材9を導電性材料とするのが適している。しかし、電子部品と実装回路板10との間に熱移動の介在物が無い場合等は、放熱部材9を、市販の放熱シリコンゲル等の絶縁物で構成することができる。放熱シリコンゲル等の絶縁物を用いることによって、絶縁基板2を用いない抵抗器、たとえばニクロム板(Ni−Cr系合金板)を、エポキシ系樹脂や液晶ポリマー等を用いて樹脂モールドした表面実装型の金属板抵抗器を対象として、そのモールド部分から実装回路板面への熱移動を実現できる。また、金属板抵抗器であって抵抗体がモールドされていないものであっても、放熱シリコンゲル等の絶縁物を直接抵抗体に接触させ、実装回路板と接続して金属板抵抗器のジュール熱を実装回路板へと移動する(逃がす)ことができる。
本発明の実施の形態に係る抵抗器を示す図であって、(A)は正面図、(B)は底面図、(C)は平面図である。 本発明の実施の形態に係る抵抗器が実装回路板に実装された状態を示す縦断面図であり、(A)は図1(C)に示すA−A’線で切断した断面図で、(B)は図1(C)のB−B’線で切断した断面図である。 本発明の実施の形態に係る抵抗器の製造過程の一例を示す図で、(A)から(K)へと工程が進行する様子を示す図である。 本発明の実施の形態に係る抵抗器と従来の抵抗器の放熱部材表面に被着しためっきによる金属膜の厚みを示す図で、(A)はニッケルめっき層の厚みを示す図で、(B)は錫めっき層の厚みを示す図である。 本発明の実施の形態に係る抵抗器と、従来の抵抗器と、放熱部材無しの抵抗器(放熱部材以外は本発明の実施の形態に係る抵抗器と同一)の温度衝撃試験の結果を示す図であり、抵抗値変化率を示す図である。 本発明の実施の形態に係る抵抗器と、従来の抵抗器と、放熱部材無しの抵抗器(放熱部材以外は本発明の実施の形態に係る抵抗器と同一)の定格電力印加時の上昇温度(ΔT(℃))の測定試験の結果を示す図である。 本発明の実施の形態に係る放熱部材の形状の各種の変形例を示す図である。 従来の抵抗器を示す図で、(A)は、従来の抵抗器の縦断面図、(B)は、(A)に示す抵抗器の底面図である。
符号の説明
1,1A,1B 抵抗器
2 絶縁基板
2B 第2の端面(端面)
2C 凹部
2D 単位絶縁基板
3 端子電極
3A 表面端子電極(端子電極の一部)
3B 端面端子電極(端子電極の一部)
3C 裏面端子電極(端子電極の一部)
4 抵抗体
5 第1のガラス皮膜(保護膜)
6 第2のガラス皮膜(保護膜)
7 ニッケルめっき層
8 錫めっき層(低融点金属膜)
9 放熱部材
12 大型絶縁基板
13 分割用溝(線状分割部)
17 スルーホール

Claims (7)

  1. 絶縁基板の対向する端辺領域に設けられる対となる端子電極および上記絶縁基板の一方の面に配置され、上記端子電極の双方に接続される抵抗体を有する抵抗素子と、上記抵抗素子の放熱のための放熱部材と、を有する電子部品において、
    上記放熱部材は、上記絶縁基板の一方の面、上記抵抗素子の上面、または上記一方の面とは反対側の上記絶縁基板の他方の面と上記一方の面とを結ぶ端面のいずれか1つの面に少なくとも配置されていることを特徴とする抵抗素子を有する電子部品。
  2. 絶縁基板の対向する端辺領域に設けられる対となる端子電極および上記絶縁基板の一方の面に配置され、上記端子電極の双方に接続される抵抗体を有する抵抗素子と、上記抵抗素子の放熱のための放熱部材と、を有する電子部品において、
    上記放熱部材は、上記絶縁基板の一方の面とは反対側の上記絶縁基板の他方の面、および上記絶縁基板の一方の面と上記絶縁基板の他方の面とを結ぶ端面に一体として配置されていることを特徴とする抵抗素子を有する電子部品。
  3. 前記端面には凹部が設けられ、上記凹部には前記放熱部材が配置されていることを特徴とする請求項1または2記載の抵抗素子を有する電子部品。
  4. 前記抵抗素子を有する電子部品は、少なくとも前記抵抗体を保護する保護膜を有し、前記端面に配置された前記放熱部材は、上記保護膜の上面まで延在していることを特徴とする請求項2または3記載の抵抗素子を有する電子部品。
  5. 前記端子電極および少なくとも前記絶縁基板の他方の面に配置された前記放熱部材の表面には、低融点金属膜が配置され、上記低融点金属膜の厚みが、3μm以上12μm以下であることを特徴とする請求項2または4記載の抵抗素子を有する電子部品。
  6. 表面に縦横に交差する線状分割部および当該線状分割部の線上に複数のスルーホールを有する大型絶縁基板を用い、
    上記線状分割部で囲われる一単位の絶縁基板(以下、単位絶縁基板という)の各々の一方の面に少なくとも抵抗素子を含む一つまたは複数の回路素子を形成する回路素子形成工程と、
    上記抵抗素子の放熱のための導電性の放熱部材を、上記一方の面とは反対側の上記単位絶縁基板の各々の他方の面、および上記単位絶縁基板の一方の面と上記単位絶縁基板の他方の面とを結ぶ上記スルーホール内壁面に一体として形成する放熱部材形成工程と、
    上記両工程の後に上記線状分割部に沿って上記大型絶縁基板を個々の上記単位絶縁基板へと分割する分割工程と、
    その後、上記抵抗素子と接触し、端子を構成する端子電極の表面および上記放熱部材の表面にバレルめっき法によって低融点金属膜を被着するめっき工程と、を有することを特徴とする抵抗素子を有する電子部品の製造法。
  7. 前記回路素子を保護する保護膜を形成する保護膜形成工程を設け、その工程の後、前記放熱部材形成工程において、前記スルーホール内壁面に形成した前記放熱部材を、上記保護膜の上面まで延在させることを特徴とする請求項6記載の抵抗素子を有する電子部品の製造法。
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