JPH10189306A - チップ抵抗器 - Google Patents

チップ抵抗器

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JPH10189306A
JPH10189306A JP10012536A JP1253698A JPH10189306A JP H10189306 A JPH10189306 A JP H10189306A JP 10012536 A JP10012536 A JP 10012536A JP 1253698 A JP1253698 A JP 1253698A JP H10189306 A JPH10189306 A JP H10189306A
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resistor
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electrodes
resin
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Sunao Osato
直 大郷
Koji Azuma
紘二 東
Mitsuru Yokoyama
充 横山
Yozo Obara
陽三 小原
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ハンダくわれに強く、回路基板にハンダ付け
した際の固着力が大きく、また電極の表面部にメッキを
形成した場合にも抵抗値の変化や剥離が生じず、更にオ
ーバコートの上にメッキが付着することのないチップ抵
抗器を得る。 【解決手段】 基板2の表面にメタルグレーズ系の第1
電極6を印刷形成する。基板2の裏面に第1電極6と対
向する位置にもメタルグレーズ系の第2電極7を印刷形
成する。第1電極6が直接接続される抵抗体3を印刷形
成した後、その上をガラスコート11で覆う。抵抗体3
にトリミングを施す。トリミング溝を埋めるようにガラ
スコートの上にレジンコートを施す。第1及び第2電極
に跨がって基板の側端部にレジン含有銀塗料を用いて第
3電極8を形成する。第1、第2及び第3電極の外面に
Niメッキ及びハンダメッキを形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、チップ状の絶縁
体基板の表面に抵抗体が設けられ、この基板の両端部に
電極が形成されたチップ抵抗器に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、チップ抵抗器の電極の構造は、ガ
ラスをバインダに用いてAg−Pt等を成分とするいわ
ゆるメタルグレーズペーストを塗布し焼成して形成した
ものである。
【0003】また、特公昭58−46161号公報に開
示されているように、メタルグレーズによる電極を、熱
硬化性樹脂中にAgを混入したAg−レジン系の導電性
ペーストによって内包し加熱硬化させて電極を形成した
ものがある。
【0004】そして従来から、回路基板への半田付けに
用いる電極構造としては、種々のものが提案されてい
る。また抵抗体をレーザトリミングするために、抵抗体
の表面にガラスコートを施すことも行われている。更
に、トリミングを終了した後に、前述のガラスコートの
上に更にガラスコートからなるオーバーコートを施した
構造のチップ抵抗器も提案されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】上記従来の技術の前者
の場合、ハンダ付けの際にメタルグレーズ中のAg粒子
がハンダと合金し、いわゆるハンダくわれが生じ、ハン
ダ強度が低下するとともに、ハンダの付け直しもできな
いという問題点がある。さらに、この場合電極は抵抗体
が設けられた際にのみ形成されているので、回路基板に
ハンダ付けした際の固着力強度が低いという問題点があ
る。
【0006】また、上記従来の技術の後者の場合、メタ
ルグレーズの電極をAg−レジンペーストで全体的に被
わなければならず、極めて小さいチップ抵抗器の電極部
を正確に内包するように塗布するのは比較的難しい上、
樹脂で電極全体を被うため電極をハンダ付けした後のハ
ンダ強度が弱いという問題点がある。
【0007】また従来は、下側ガラスコートの上を更に
覆う材料としては、下側ガラスコートと性質が同じガラ
スコートが最もよいとの考えから、抵抗体の上に二重ま
たはそれ以上のガラスコートを施していた。しかしなが
らオーバコートとしての上側ガラスコートを施した場合
には、レーザトリミングの痕跡(トリミング溝)が深い
場合、また広い場合に痕跡中に気泡を取り込んだ状態で
焼成されることがあり、上側ガラスコートにひび割れが
発生しやすい。また気泡を残さずにトリミング溝中にガ
ラスを流し込んだとしてもどうしても段差ができやすく
なるため、この段差が原因となってひび割れを起こしや
すいという問題もある。またオーバーコートをガラスコ
ートにすると、トリミング溝の部分が薄くなるため、オ
ーバーコートをガラスコートとした場合に、トリミング
溝に対応する部分に局部的に外力が加わった場合には、
ガラスコートのその部分にひび割れが発生するおそれが
高い。電極の表面部にメッキ層を形成するような場合
に、このようなひび割れがあると、メッキ液がひび割れ
に沿って浸入し、メッキ液による化学変化により抵抗値
が変化したり剥離してしまう不具合が発生する。またト
リミング溝の部分が完全にオーバコートで充填されてい
ない場合には、その部分に角部が形成され、その角部に
電極を施すメッキが部分的に付着してしまう問題も発生
する。メッキを複数回繰り返す場合には、前述の問題の
発生率は非常に高くなる。
【0008】本発明の目的は、ハンダくわれに強く、回
路基板にハンダ付けした際の固着力が大きく、また電極
の表面部にメッキを形成した場合にも抵抗値の変化や剥
離が生じず、更にオーバコートの上にメッキが付着する
ことのないチップ抵抗器を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、絶縁性セラミ
ック基板の基板表面に印刷形成された抵抗体の両端にそ
れぞれ多層構造の電極が設けられ、抵抗体を覆うように
ガラスコートが設けられ、更にガラスコートを覆うよう
にオーバーコートが設けられているチップ抵抗器を改良
の対象とする。
【0010】本発明で用いる多層構造の電極は、絶縁性
セラミック基板の表面の端部に抵抗体と直接に接続され
るように形成されたメタルグレーズ系の第1電極と、基
板を挟んで第1電極と対向する基板の裏面の位置に形成
されたメタルグレーズ系の第2電極と、第1及び第2電
極と一部重畳して両者を接続するように基板の端部に設
けられたAg−レジン系の第3電極と、第1及び第2電
極並びに第3電極を全体的に覆うNiメッキ層と、Ni
メッキ層の上に積層されたハンダメッキ層とを有してい
る。そして本発明では、オーバコートをレジンコートに
より形成する。本発明のチップ抵抗器では、絶縁性セラ
ミック基板の両端部の表裏面及び端面に設けた第1、第
2、第3電極をNiメッキで覆ってハンダくわれを防
ぎ、さらにハンダメッキ処理してNiメッキ層のハンダ
濡れ性を改善してある。また基板の下面側では第3電極
を第2電極に一部重畳して設けてあるため、電極が段状
に形成され、本発明のチップ抵抗器をプリント回路基板
に取り付けた際、電極の下面側と回路基板との間に生じ
た隙間にハンダが回り込み、チップ抵抗器が小さくても
充分な固着力が得られる。さらに本発明のチップ抵抗器
では、低温で加熱処理できるAg−レジン系により即ち
レジン含有銀塗料を第3電極を形成しているので、第3
電極を形成する際の熱で抵抗体の抵抗値が変化するのを
防ぐことができる。またAg−レジン系の電極は、適度
の柔軟性を有しているので、基板に対する固着力が強
く、半田付け時及びその後に基板に大きなストレスが加
わっても剥がれ難いという利点がある。
【0011】また本発明では、オーバコートをレジンコ
ートにより形成しているので、トリミング溝からのメッ
キ液の浸透を防ぐことができ、またオーバーコート上に
電極を覆うメッキが付着するのを防止できる。
【0012】また本発明の構造では、第2電極の第3電
極が重畳しない部分と第3電極との間に段差が形成され
る。そこでNiメッキ層及びNiメッキ層をこの段差を
残すように形成すると、次の様な利点がある。すなわち
本発明のチップ抵抗器を回路基板の半田付け電極上にク
リーム半田を用いてハンダ付け接続する場合に、前述の
段差が回路基板の半田付け電極とメッキ層によって覆わ
れた第2電極の第3電極と重畳しない部分との間に僅か
な隙間が形成される。この隙間は、溶融した半田を溜め
る作用をして、溶融した半田が他方の電極側に移動する
のを防止することができる。そのため半田付け後の一対
の電極間の絶縁性の低下を阻止できる。またこの隙間に
溶融半田が溜まると、溶融半田が自由に動くのを抑制で
きるため、半田付け時にチップ抵抗器が大きく移動する
ことがなくなり、許容できる範囲内にチップ抵抗器を位
置決めできる効果が得られる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下本発明の一実施例について図
面に基づいて説明する。
【0014】この実施例で製造するチップ抵抗器1は、
図1に示すように、セラミックの基板2の表面に凸型の
抵抗体3が印刷形成され、この両端に電極4が設けられ
ている。抵抗体3は、酸化ルテニウム約10μの厚みに
設け、レーザー又はサンドブラストにより凸型の底辺か
ら上方に向ってトリミング溝5を形成し、抵抗値のトリ
ミングが成されている。
【0015】このチップ抵抗器1の電極4は、抵抗体3
が直接接続している第1電極6と、この第1電極6と基
板2をはさんで対向して形成された第2電極7を有し、
この第1、第2電極6,7は、Ag−Pd、Ag−Pt
等のメタルグレーズペーストを印刷形成したものであ
る。さらに、第1、第2電極6,7をはさんで基板の端
面に、キシレン又はエポキシフェノール樹脂にAgを混
入したAg−レジン系の導電性ペーストによる第3電極
8が設けられ、この第3電極8は、第1、第2電極6,
7を一部被覆するように設けられ、両者の導通を図って
いる。そして、この第1、第2、第3電極全体を覆って
Niメッキ9及びハンダメッキ10が施されている。
【0016】また、抵抗体3の表面には、ガラスコート
11及びレジンコート12を施して保護している。
【0017】このチップ抵抗器の製造方法は、図3Aな
いしFに示すように、先ず、基板となるセラミック板1
3のスリット14を挟んで所定間隔で第1電極6となる
メタルグレーズペーストを複数列印刷して、900℃近
い温度で焼成する。さらに同様にして第2電極7も第1
電極6と対向する位置に形成する。次に、図3Bに示す
ように、第1電極6の間のセラミック板13上にマトリ
ックス状に抵抗体3を印刷形成し、平均850℃の温度
で焼成する。そして、図3Cに示すように、抵抗体3の
表面にガラスコート11を施し平均650℃の温度で焼
成する。この後、セラミック板13を各チップ抵抗器毎
に縦横に設けられたスリット14に沿って切断(スクラ
イブ)し、図3Dに示すように、基板2の端面にAg−
レジン系の導電性ペーストの第3電極8を20μ程度の
厚みに塗布し、200℃程度の温度で硬化させる。そし
て、図3E,Fに示すように、Niメッキ9、ハンダメ
ッキ10を各々順次施し、第1、第2、第3電極6,
7,8を被覆する。
【0018】この場合、スリット14は基板の両側より
設けられているため、セラミック基板端面に、樹脂を一
部重畳する状態で塗布すると、電気的にも機械的にも良
好な状態が得られる。
【0019】このようにするとセラミック基板端面にお
いて、端子電極が剥がれやスラック等の欠陥が生じなく
なる。なお図1のように端子電極は側端部5面に形成す
ることもできる。
【0020】最後に、各チップ抵抗器の抵抗体3をトリ
ミングして抵抗値を調整し、エポキシ樹脂等のレジンコ
ート12を施し200℃付近の温度で硬化させる。
【0021】また、トリミングは、図3Cの状態で行う
こともあり、この場合はその後レジンコート12を施し
て図3D以下の工程を行う。これによって、セラミック
板13をチップ毎に分離しない状態で抵抗値のトリミン
グを行うので効率良くトリミング作業を行うことがで
き、しかもレジンコート12によって、後のメッキ作業
時にも抵抗体に悪影響を与えることもない。
【0022】この実施例のチップ抵抗器によれば、ハン
ダくわれに対して電極4の耐性が向上し、しかも、回路
基板の曲げに対しても、メタルグレーズ系のみででき電
極とを比べ柔軟性が高いので強い。また、ハンダ付けの
際の回路基板に対する固着力も第1、第2電極6,7が
回路基板に強固にハンダ付けされるので、極めて強く、
第3電極をAg−レジン系にしたことによる固着力の低
下は生じない。
【0023】尚、この発明のチップの抵抗器の抵抗体
は、金属皮膜抵抗体、炭素皮膜抵抗体等その用途に合わ
せて適宜選択し得るものである。またメタルグレーズペ
ースト、Ag−レジン系導電性ペーストの成分は、適宜
他の添加物が入っていても良い。 このチップ抵抗器
は、基板の両面に設けたメタルグレーズ系の第1、第2
電極にまたがって基板の端面にAg−レジン系の第3電
極を設け、この第1、第2、第3電極を覆うNiメッキ
層及び該Niメッキ層を覆うハンダメッキ層を形成した
ので、ハンダくわれに強く、回路基板への付け直しが可
能である。また基板の下面側の第2電極に一部重畳して
第3電極を設けたので、基板の下面側の電極で段差が形
成され、回路基板へハンダ付けした際、下面側電極と回
路基板の間に生じる隙間にハンダが回り込んで強い固着
力が得られる。しかも基板の端面に設けたAg−レジン
系の第3電極が適度の柔軟性を有するので、回路基板の
曲げに対しても十分に耐え得るものである。
【0024】
【発明の効果】本発明によれば、ハンダくわれに強く、
回路基板にハンダ付けした際の固着力が大きく、また電
極の表面部にメッキを形成した場合にも抵抗値の変化や
剥離が生じず、更にオーバコートの上にメッキが付着す
ることのないチップ抵抗器を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は本発明のチップ抵抗器の一実施例の平
面図である。
【図2】 図2は図1のA−A断面図である。
【図3】 (A),(B),(C),(D),(E),
(F)は本発明のチップ抵抗器の製造工程を示す横断面
図である。
【符号の説明】
1 チップ抵抗器 2 基板 3 抵抗体 4 電極 5 トリミング溝 6 第1電極 7 第2電極 8 第3電極 9 Niメッキ 10 ハンダメッキ 11 ガラスコート 12 レジンコート 13 セラミック板 14 スリット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小原 陽三 富山県上新川郡大沢野町下大久保3158番地 北陸電気工業株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 絶縁性セラミック基板の基板表面に印刷
    形成された抵抗体の両端にそれぞれ多層構造の電極が設
    けられ、前記抵抗体を覆うようにガラスコートが設けら
    れ、更に前記ガラスコートを覆うようにオーバーコート
    が設けられているチップ抵抗器において、 前記多層構造の電極は、前記絶縁性セラミック基板の表
    面の端部に前記抵抗体と直接に接続されるように形成さ
    れたメタルグレーズ系の第1電極と、前記基板を挟んで
    前記第1電極と対向する前記基板の裏面の位置に形成さ
    れたメタルグレーズ系の第2電極と、前記第1及び第2
    電極と一部重畳して両者を接続するように前記基板の端
    部に設けられたAg−レジン系の第3電極と、前記第1
    及び第2電極並びに前記第3電極を全体的に覆うNiメ
    ッキ層と、前記Niメッキ層の上に積層されたハンダメ
    ッキ層とを有しており、 前記オーバコートがレジンコートからなることを特徴と
    するチップ抵抗器。
  2. 【請求項2】 前記第2電極の前記第3電極が重畳しな
    い部分と前記第3電極との間に段差が形成されており、
    前記Niメッキ層及び前記Niメッキ層はこの段差を残
    すように形成されている請求項1に記載のチップ抵抗
    器。
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