すなわち、本発明に基づく実施例におけるチップ抵抗器Aは、図1〜図3、図5に示されるように構成され、絶縁基板(基板)10と、抵抗体(「抵抗体層」としてもよい)(機能素子)20と、上面電極(「上面電極層」としてもよい)30、32と、保護膜(「保護層」としてもよい)40と、下面電極50、52と、側面電極60、62と、メッキ70、72と、を有している。
なお、図1は、チップ抵抗器Aの平面図であるが、厳密には、保護膜40と側面電極60、62とメッキ70、72とを除いた状態の図であるといえる。また、図3は、チップ抵抗器Aの平面図であるが、厳密には、メッキ70、72を除いた状態の図であるといえる。図4も図3と同様である。また、図5は、チップ抵抗器Aの底面図であるが、厳密には、メッキ70、72と側面電極60、62を除いた状態の図であるといえる。
ここで、上記絶縁基板10は、含有率96%程度のアルミナにて形成された絶縁体である。この絶縁基板10は、直方体形状を呈しており、平面視すると、略長方形形状を呈している。この絶縁基板10は、上記チップ抵抗器Aの基礎部材、すなわち、基体として用いられている。
また、抵抗体20は、絶縁基板10の上面に設けられていて、蛇行状に形成されている。つまり、この抵抗体20は、略N字状に形成されていて、帯状部20a、20cと、幅広部20bと、接続部20d、20eとを有している。すなわち、帯状部20aは、上面電極32と接続され、Y1−Y2方向(「縦方向」、「絶縁基板の短手方向」としてもよい)に帯状に形成されている。また、帯状部20cは、上面電極30と接続され、Y1−Y2方向に帯状に形成されている。また、幅広部20bは、帯状部20aと帯状部20cの中間の位置に設けられていて、方形状の相対する角部を斜めに欠切した形状を呈している。なお、この幅広部20bの形状は、相対する角部を斜めに欠切したものでなく、方形状の形状としてもよい。なお、この場合には、当然幅広部20bが上面電極30、32と接しない形状とする必要がある。また、接続部20dは、帯状を呈し、帯状部20aと幅広部20bとを接続し、また、接続部20eは、帯状を呈し、帯状部20cと幅広部20bとを接続する。また、幅広部20bには、トリミング溝Tが形成される。
また、上面電極30は、方形状を呈し、絶縁基板10の上面の一方の長辺側の辺部に沿って形成され、該長辺側の辺部における一方の短辺側に偏った位置に形成されている。つまり、上面電極30は、Y2側の長辺側の辺部に沿った領域であって、絶縁基板の上面の角部に近くに形成されている。より具体的には、上面電極30のX1−X2方向の中心位置と絶縁基板10のX1側の端部間の距離α1は、絶縁基板10のX1−X2方向(「横方向」、「絶縁基板の長手方向」、「長辺方向」としてもよい)の長さの半分よりも長くなっている。また、上面電極30のX1−X2方向の中心位置と絶縁基板10のX2側の端部間の距離α2は、当然絶縁基板10のX1−X2方向の長さの半分よりも短くなっている。また、上面電極30は、長辺に沿った方向に、絶縁基板の長辺の長さの半分以下(半分よりも小さいとしてもよい)の幅を有し、該長辺の中心位置(つまり、平面視の絶縁基板10の長辺方向における中心位置、この中心位置が上記「基板の該辺部に沿った方向における中心位置」に当たる)を跨がないように偏って形成されているといえる。これにより、上面電極30のX1側の端部と絶縁基板10のX1側の端部間の距離は、絶縁基板10のX1−X2方向の長さの半分よりも長くなっている。また、上面電極30のX2側の端部と絶縁基板10のX2側の端部間には、隙間が設けられているが、この隙間が設けられない構成でもよい。
また、上面電極32は、方形状を呈し、絶縁基板10の上面の他方の長辺側の辺部に沿って形成され、該長辺側の辺部における他方の短辺側に偏った位置に形成されている。つまり、上面電極32は、Y1側の長辺側の辺部に沿った領域であって、絶縁基板の上面の角部に近くに形成されている。より具体的には、上面電極32のX1−X2方向の中心位置と絶縁基板10のX2側の端部間の距離β1は、絶縁基板10のX1−X2方向の長さの半分よりも長くなっている。また、上面電極32のX1−X2方向の中心位置と絶縁基板10のX1側の端部間の距離β2は、当然絶縁基板10のX1−X2方向の長さの半分よりも短くなっている。また、上面電極32は、長辺に沿った方向に、絶縁基板の長辺の長さの半分以下(半分よりも小さいとしてもよい)の幅を有し、該長辺の中心位置つまり、平面視の絶縁基板10の長辺方向における中心位置、この中心位置が上記「基板の該辺部に沿った方向における中心位置」に当たる)を跨がないように偏って形成されているといえる。これにより、上面電極32のX2側の端部と絶縁基板10のX2側の端部間の距離は、絶縁基板10のX1−X2方向の長さの半分よりも長くなっている。また、上面電極32のX1側の端部と絶縁基板10のX1側の端部間には、隙間が設けられているが、この隙間が設けられない構成でもよい。
また、上面電極30、32ともに、Y1−Y2方向の幅は、少なくとも絶縁基板10のY1−Y2方向の長さの半分以下(半分よりも小さいとしてもよい)となっていて、上面電極30、32は、平面視の絶縁基板10の短辺方向における中心位置を跨がないように形成されている。この場合のY1−Y2方向が上記第2方向となる。
以上のように、上面電極30と上面電極32とは、ともに絶縁基板10の長辺に沿って形成されていて、上面電極30と上面電極32とは絶縁基板10の対角位置、つまり、絶縁基板10の平面視における中心位置を介して点対称の位置に形成されているといえる。なお、上面電極30及び上面電極32は、抵抗体20との接続部分においては、抵抗体20の上側に形成されている。
また、保護膜40は、抵抗体20及び上面電極30、32の上面に設けられていて、方形状の形状に方形状の切欠部を2つ設けた形状を呈している。つまり、保護膜40は、方形状の形状に上面電極30、32の位置に対応する位置に方形状の切欠部42、44を形成した形状を呈し、抵抗体20が露出しないように形成されている。上記切欠部42、44は、凹状に形成されているといえる。つまり、保護膜40のX1−X2方向の長さは、絶縁基板10のX1−X2方向の長さよりも若干短く形成されているが、抵抗体20のX1−X2方向の最大幅よりも長く形成されているとともに、保護膜40のY1−Y2方向の長さは、絶縁基板10のY1−Y2方向の長さよりも若干短く形成されているが、抵抗体20のY1−Y2方向の最大幅よりも長く形成されている。なお、図1に示すように、保護膜40と抵抗体20とを平面視において比べると、帯状部20a、20cの端部は保護膜40からはみ出すようになっているが、この部分は上面電極30、32にカバーされているので、抵抗体20が露出することはない。なお、図1、図3に示すように、平面視において、保護膜40の外形が絶縁基板10の外形よりも若干小さく形成されているが、これにより、分割時のバリを防止することができ、チップ抵抗器の形状が良好となる。なお、保護膜40は、絶縁基板10の端縁まで形成したものでもよい。
また、下面電極50と下面電極52とは、図2、図5に示すように、絶縁基板10の底面に形成されていて、帯状を呈している。つまり、下面電極50は、Y2側の長辺に沿ってX1−X2方向に帯状に形成されていて、X1側の端部からX2側の端部にまで形成されている。また、下面電極52は、Y1側の長辺に沿ってX1−X2方向に帯状に形成されていて、X1側の端部からX2側の端部にまで形成されている。なお、下面電極50、52の長辺方向の長さは、絶縁基板10の長辺の方向の長さよりも若干短くてもよい。
また、側面電極60、62は、上面電極の一部と、下面電極の一部と、保護膜40の一部と、絶縁基板10の側面や上面の一部を被覆するように断面略コ字状に層状に形成されている。すなわち、図2、図3等に示すように、側面電極60は、上面電極30の一部と、下面電極50の一部と、保護膜40の一部と、絶縁基板10の側面や上面の一部を被覆するように断面略コ字状に層状に形成されており、また、側面電極62は、上面電極32の一部と、下面電極52の一部と、保護膜40の一部と、絶縁基板10の側面や上面の一部を被覆するように断面略コ字状に層状に形成されている。なお、図3に示すように、側面電極60は、保護膜40に形成された切欠部42の全てを被覆してはおらず、また、側面電極62は、保護膜40に形成された切欠部44の全てを被覆してはいない。これにより、上面電極30は側面電極60により全て被覆されているものではなく、また、上面電極32は側面電極62により全て被覆されているものではない。
なお、図3に示す場合とは異なり、図4に示すように、側面電極60が切欠部42を被覆し、側面電極層62が切欠部44を被覆するようにして、上面電極30、32が側面電極層60、62により被覆されるようにしてもよい。
なお、保護膜40に切欠部42、44が形成されていて、上面電極30は切欠部42により保護膜40から露出し、上面電極32は切欠部44により保護膜40から露出しているので、側面電極60は確実に上面電極30と接続され、側面電極62は確実に上面電極32と接続されている。また、抵抗体20と上面電極30、32との接続部分においては、抵抗体20が上面電極30、32の下側に設けられているため、切欠部42、44からは上面電極が露出するので、側面電極との接続状態を良好とすることができる。つまり、抵抗体20と上面電極30、32との接続部分において、抵抗体20が上面電極30、32の上側に形成されていると、抵抗体20が切欠部42、44から露出する可能性があり、そうすると、メッキ形成に際して抵抗体20にメッキを施すことになり、抵抗体20とメッキ70、72の接合が良好でないことからメッキ形成が正しく行うことができないおそれがあるが、本実施例の場合には、そのようなおそれがない。
また、メッキ70は、ニッケルメッキ80と、錫メッキ90とから構成されていて、Y2側の端部にそれぞれ設けられている。ニッケルメッキ80は、保護膜40の一部と、上面電極30の一部と、側面電極60と、下面電極50の一部とを被覆するように形成されている。つまり、上面電極30と側面電極60と下面電極50の露出部分を被覆するように形成されている。このニッケルメッキ80は、電気メッキにより略均一の膜厚で配設されている。このニッケルメッキ80は、ニッケルにて形成されており、上面電極30等の内部電極のはんだ食われを防止するために形成されている。このニッケルメッキ80は、ニッケル以外にも銅メッキが用いられる場合もある。また、錫メッキ90は、ニッケルメッキ80の上面を被覆するように略均一の膜厚で配設されている。この錫メッキ90は、上記チップ抵抗器Aの配線基板へのはんだ付けを良好に行うために形成されている。なお、この錫メッキ90は、錫メッキ以外に、はんだが用いられる場合もある。
また、同様に、メッキ72は、ニッケルメッキ82と、錫メッキ92とから構成されていて、Y1側の端部にそれぞれ設けられている。ニッケルメッキ82は、保護膜40の一部と、上面電極32の一部と、側面電極62と、下面電極52の一部とを被覆するように形成されている。つまり、上面電極32と側面電極62と下面電極52の露出部分を被覆するように形成されている。このニッケルメッキ82は、電気メッキにより略均一の膜厚で配設されている。このニッケルメッキ82は、ニッケルにて形成されており、上面電極32等の内部電極のはんだ食われを防止するために形成されている。このニッケルメッキ82は、ニッケル以外にも銅メッキが用いられる場合もある。また、錫メッキ92は、ニッケルメッキ82の上面を被覆するように略均一の膜厚で配設されている。この錫メッキ92は、上記チップ抵抗器Aの配線基板へのはんだ付けを良好に行うために形成されている。なお、この錫メッキ92は、錫メッキ以外に、はんだが用いられる場合もある。
上記チップ抵抗器Aの製造方法としてとしては、通常のチップ固定抵抗器の製造方法とほぼ同様であるが、特に、上面電極30と上面電極32とを絶縁基板10上に対角状に形成する点が異なる。
つまり、複数の絶縁基板10の大きさを有する大判の基板上に所定の範囲に抵抗体を形成する。つまり、抵抗ペーストを印刷して乾燥した後に焼成することによって抵抗体20を形成する(抵抗層形成工程)。続いて、上面電極をその一部を抵抗体20に重ねるようにして形成する。つまり、上面電極ペーストをその一部を抵抗層20に重ねるようにして印刷して乾燥した後に焼成して上記上面電極30、32を形成する。なお、隣接するチップ抵抗器における上面電極とともに1つの印刷領域で形成するのが好ましい。
続いて、抵抗体20についてトリミングを行って抵抗値調整を行った後に、保護層40を形成し、基板を一次分割する。その後、側面電極を形成する。つまり、側面電極用ペーストを印刷して乾燥した後に焼成(焼成ではなく硬化としてもよい)することにより側面電極を形成する。その後、二次分割を行い、個々のチップ片とした後に、メッキ70、72を形成する。
なお、このチップ抵抗器Aの実装に際しては、従来と同様に、配線基板にチップ抵抗器Aの側部にはんだにより形成したフィレットを設けることにより配線基板上のランドと接続させて実装を行う。
上記構成のチップ抵抗器Aにおいては、上面電極が対角状に形成されているので、上面電極が形成されている辺部に沿ったスペースも抵抗体形成領域に有効に利用することができ、抵抗体の面積を大きくすることができるので、チップ抵抗器のサイズを小型としつつ耐サージ性に優れ、高電力化が可能なチップ抵抗器を得ることが可能となる。つまり、上面電極30も上面電極32も各上面電極が形成されている絶縁基板10の辺部においてその一部にのみ設けられているので、図6に示すように、上面電極30、32のX1−X2方向の領域、すなわち、ハッチングに示す領域を得ることができ、この領域を抵抗体形成領域として利用することができる。つまり、上面電極が小さく形成されているので、その分抵抗体を大きく形成できるといえる。特に、上面電極30は、X2側に偏った位置に設けられているので、上面電極30においては、上面電極30のX1側の領域を広く取ることができ、また、上面電極32は、X1側に偏った位置に設けられているので、上面電極32においては、上面電極32のX2側の領域を広く取ることができる。つまり、抵抗体の形成領域を広く確保できることによって、抵抗体20のY1−Y2方向の最大長N(より厳密には、抵抗体20において上面電極30、32と積層していない領域の最大長)は、上面電極32と上面電極30間の距離Mよりも大きくすることができる。
また、上面電極30と上面電極32とは対角状に設けられていて、絶縁基板10の平面視における中心位置を介して点対称の位置に設けられているので、180度の回転方向には同一の構成となり、トリミングに際して180度回転してしまった場合でも正しくトリミング溝を形成することができる。
また、上記のように、保護膜40に切欠部42、44を設けることにより、上面電極30と側面電極60との接続及び上面電極32と側面電極62との接続を良好にすることができるとともに、保護膜40を絶縁基板10上に大きく形成することができるので、これに伴い、抵抗体20も大きく形成することができ、これによっても、耐サージ性を良好にすることができる。
また、上記の構成においては、絶縁基板10の長辺側に上面電極30、32や側面電極60、62が形成されているので、チップ抵抗器Aの実装に際して、フィレットを長く形成することができ、これにより、配線基板との接続面積を大きくすることができ、よって、抵抗体の発熱時の放熱を良好とすることができる。
なお、上記チップ抵抗器Aにおいて、図1に示すように、トリミング溝Tを2つ設けるものとして説明したが、1つとしてもよいし、3つ以上としてもよい。また、図1に示すトリミング溝により形成される溝部の1つをトリミング溝の代わりに印刷パターンにより形成し、他をトリミングにより形成する等一部を印刷パターンにより形成してもよい。
また、上記チップ抵抗器Aにおいて、保護膜40には切欠部42、44が形成されているとしたが、切欠部42、44を有しない構成としてもよい。すなわち、保護膜40を方形状としてもよい。この場合には、上面電極30、32を保護膜40から露出させる必要があるので、保護膜40の縦方向の幅は、図3に示す場合よりも短くする必要がある。
また、図3、図4に示す例においては、側面電極60、62が保護膜40に接するものとして説明したが、側面電極60、62が保護膜40に接しない構成としてもよい。
また、上記チップ抵抗器Aにおいては、抵抗体20が縦方向に蛇行する形状であるとして説明したが、図7に示すように横方向に蛇行する方向としてもよい。
つまり、図7に示すチップ抵抗器A1においては、抵抗体20は、帯状部120a、120b、120cと、接続部120dと、幅広部120eとが形成されていて、帯状部120a、120b、120cが横方向、すなわち、X1−X2方向に形成されていて、帯状部120aと帯状部120b間に接続部120dが形成され、帯状部120bと帯状部120c間に幅広部120eが形成されていることにより、抵抗体20が全体に蛇行状に形成されている。なお、この幅広部120eには、1本のトリミング溝Tが形成されている。
このチップ抵抗器A1において抵抗体20以外の構成は上記チップ抵抗器Aと同様の構成であるので、詳しい説明を省略する。
このチップ抵抗器A1においても、上面電極が対角状に形成されているので、上面電極が形成されている辺部に沿ったスペースも抵抗体形成領域に有効に利用することができ、抵抗体の面積を大きくすることができるので、チップ抵抗器のサイズを小型としつつ耐サージ性に優れたチップ抵抗器を得ることが可能となる。また、絶縁基板10の長辺側に上面電極30、32や側面電極60、62が形成されているので、上記チップ抵抗器Aの場合と同様に、フィレットを長く形成することができ、これにより、抵抗体の発熱時の放熱を良好とすることができる。
また、抵抗体の形状として、図8に示すように、縦方向の蛇行と横方向の蛇行とを有する構成としてもよい。
すなわち、図8に示すチップ抵抗器A2における抵抗体20は、縦方向(Y1−Y2方向)に形成された帯状部220aと、縦方向に形成された帯状部220cと、横方向(X1−X2方向)に形成された帯状部220dと、横方向に形成された帯状部220fと、横方向に形成された帯状部220hと、帯状部220aと帯状部220c間を接続する帯状部220bと、帯状部220fと帯状部220hとを接続する接続部220gとを有して、抵抗体20は、全体に蛇行状に形成されている。これにより、抵抗体20には、帯状の溝部R1、R3やL字状の溝部R2が形成されている。なお、図8に示す例では、蛇行パターンは抵抗体ペーストを印刷することにより形成され、溝部R1、R2、R3も印刷により形成されているが、この溝部R1や溝部R2や溝部R3やそれらの一部を、抵抗値調整の際のトリミング溝により形成するようにしてもよい。帯状部220dと帯状部220f間の折り返し部分が、基板(絶縁基板10)の短辺側に形成された折り返し部分を構成し、帯状部220aと帯状部220c間の折り返し部分が、基板の長辺側に形成された折り返し部分を構成する。2つの折り返し部分は、直列に接続されている。また、基板の長辺側に形成された折り返し部分は、絶縁基板10における上面電極30が形成された長辺における上面電極が形成されていない部分と対向している。つまり、図8に示すように、抵抗体20における基板10の長辺側(図8の下側の長辺側)に形成された折返し部分(ターン部)と該折返し部分が対向する基板10の長辺との間には上面電極が形成されていない。
このチップ抵抗器A2において抵抗体20以外の構成は上記チップ抵抗器Aと同様の構成であるので、詳しい説明を省略する。
このチップ抵抗器A2においても、上面電極が対角状に形成されているので、上面電極が形成されている辺部に沿ったスペースも抵抗体形成領域に有効に利用することができ、抵抗体の面積を大きくすることができるので、チップ抵抗器のサイズを小型としつつ耐サージ性に優れたチップ抵抗器を得ることが可能となる。また、絶縁基板10の長辺側に上面電極30、32や側面電極60、62が形成されているので、上記チップ抵抗器Aの場合と同様に、フィレットを長く形成することができ、これにより、抵抗体の発熱時の放熱を良好とすることができる。
また、上記の各チップ抵抗器における抵抗体の説明においては、抵抗体が平面視において蛇行状であるとして説明したが、これには限られず、図9に示すように、方形状であってもよい。つまり、図9に示すチップ抵抗器A3においては、抵抗体20は、方形状(具体的には、長方形状)を呈し、対角線上の角部において上面電極30、32と接続している。なお、この場合においても、抵抗体20と上面電極30、32との接続部分においては、抵抗体20が上面電極30、32の下側となっている。なお、図9において、保護膜40は方形状を呈し、切欠部が形成されていない形状として示しているが、上記チップ抵抗器Aのように対角位置に切欠部を設けるようにしてもよい。また、図9においては、上面電極30と接続している側面電極60や上面電極32と接続している側面電極62は、保護膜40と接していないが、側面電極60、62をよりY1−Y2方向の中央よりまで伸ばして、側面電極60、62が保護膜40の上面に接するような構成としてもよい。
また、上記の各チップ抵抗器においては、上面電極30、32のY1−Y2方向の長さは、絶縁基板10のY1−Y2方向の長さの半分以下(又は半分よりも小さい)として説明したが、図10に示すように、絶縁基板10のY1−Y2方向の長さの半分以上(又は半分よりも長い)としてもよい。つまり、図10に示すチップ抵抗器A4においては、上面電極30、32のY1−Y2方向の長さは、絶縁基板10のY1−Y2方向の長さの半分以上の長さに形成されていて、これにより、上面電極30、32は、平面視の絶縁基板10の短辺方向における中心位置を跨ぐように形成されている。このような構成であっても、絶縁基板10の上面における長辺に沿った領域を抵抗体形成領域に利用することができ、抵抗体の面積を大きくすることができるので、チップ抵抗器のサイズを小型としつつ耐サージ性に優れたチップ抵抗器を得ることが可能となる。また、図10の構成の場合には、抵抗体が上面電極と接続する部分を長く取ることができるので、抵抗体全体を実質的な抵抗路としてに広く利用できるので、抵抗体における負荷を小さくすることができ、また、抵抗値の低いチップ抵抗器の適している。
また、上記チップ抵抗器A、A1、A3、A4においては、対角状に設けられた上面電極は平面視において右上方向と左下方向に形成されているものとして説明したが、チップ抵抗器A2のように、左上方向と右下方向に形成してもよい。また、上記チップ抵抗器A2においては、対角状に設けられた上面電極は平面視において左上方向と右下方向に形成されているものとして説明したが、チップ抵抗器A、A1、A3、A4のように、右上方向と左下方向に形成してもよい。
なお、図7〜図10は、チップ抵抗器の平面図であるが、厳密には、保護膜40と側面電極60、62とメッキ70、72とを除いた状態の図であるといえる。
なお、上記の説明においては、上面電極30、32は、長辺に沿った方向に、絶縁基板の長辺の長さの半分以下(半分よりも小さいとしてもよい)の幅を有するとしたが、絶縁基板の長辺の長さの半分以上(半分を超えるとしてもよい)の幅を有し、該長辺の中心位置を跨ぐものとしてもよい。
また、上面電極30のX1側の端部と絶縁基板10のX1側の端部間の距離は、絶縁基板10のX1−X2方向の長さの半分よりも長くなっているとしたが、絶縁基板10のX1−X2方向の長さの半分以下の長さであるとしてもよい。また、上面電極32のX2側の端部と絶縁基板10のX2側の端部間の距離は、絶縁基板10のX1−X2方向の長さの半分よりも長くなっているとしたが、絶縁基板10のX1−X2方向の長さの半分以下の長さであるとしてもよい。
なお、上記各チップ抵抗器においては、上面電極や側面電極を絶縁基板の長辺側に設けるものとして説明したが、絶縁基板の短辺側に形成してもよい。以下では、上面電極や側面電極を絶縁基板の短辺側に設ける例を実施例2として説明する。
すなわち、本実施例におけるチップ抵抗器Bは、図11〜図13、図15に示されるように構成され、絶縁基板(基板)510と、抵抗体(「抵抗体層」としてもよい)(機能素子)520と、上面電極(「上面電極層」としてもよい)530、532と、保護膜(「保護層」としてもよい)540と、下面電極550、552と、側面電極560、562と、メッキ570、572と、を有している。
なお、図11は、チップ抵抗器Bの平面図であるが、厳密には、保護膜540と側面電極560、562とメッキ570、572とを除いた状態の図であるといえる。また、図13は、チップ抵抗器Bの平面図であるが、厳密には、メッキ570、572を除いた状態の図であるといえる。図14も図13と同様である。また、図15は、チップ抵抗器Bの底面図であるが、厳密には、メッキ570、572と側面電極560、562を除いた状態の図であるといえる。
ここで、上記絶縁基板510は、上記絶縁基板10と同様の構成であり、含有率96%程度のアルミナにて形成された絶縁体である。この絶縁基板510は、直方体形状を呈しており、平面視すると、略長方形形状を呈している。この絶縁基板510は、上記チップ抵抗器Bの基礎部材、すなわち、基体として用いられている。
また、抵抗体520は、絶縁基板510の上面に設けられていて、蛇行状に形成されている。つまり、この抵抗体520は、略N字状に形成されていて、帯状部520a、520cと、幅広部520bと、接続部520d、520eとを有している。すなわち、帯状部520aは、上面電極532と接続され、Y1−Y2方向(「縦方向」、「絶縁基板の短手方向」としてもよい)に帯状に形成されている。また、帯状部520cは、上面電極530と接続され、Y1−Y2方向に帯状に形成されている。また、幅広部520bは、帯状部520aと帯状部520cの中間の位置に設けられていて、方形状を呈している。また、接続部520dは、帯状を呈し、帯状部520aと幅広部520bとを接続し、また、接続部520eは、帯状を呈し、帯状部520cと幅広部520bとを接続する。また、幅広部520bには、トリミング溝Tが形成される。
また、上面電極530は、方形状を呈し、絶縁基板510の上面の一方の短辺側の辺部に沿って形成され、該短辺側の辺部における一方の長辺側に偏った位置に形成されている。つまり、上面電極530は、X2側の短辺側の辺部に沿った領域であって、絶縁基板の上面の角部に近くに形成されている。より具体的には、上面電極530のY1−Y2方向の中心位置と絶縁基板510のY1側の端部間の距離α11は、絶縁基板510のY1−Y2方向(「縦方向」、「絶縁基板の短手方向」、「短辺方向」としてもよい)の長さの半分よりも長くなっている。また、上面電極530のY1−Y2方向の中心位置と絶縁基板510のY2側の端部間の距離α12は、当然絶縁基板510のY1−Y2方向の長さの半分よりも短くなっている。また、上面電極530は、絶縁基板の短辺の長さの半分以下(半分よりも小さいとしてもよい)の幅を有し、該短辺の中心位置(つまり、平面視の絶縁基板510の短辺方向における中心位置、この中心位置が上記「基板の該辺部に沿った方向における中心位置」に当たる)を跨がないように偏って形成されているといえる。これにより、また、上面電極530のY1側の端部と絶縁基板510のY1側の端部間の距離は、絶縁基板510のY1−Y2方向の長さの半分よりも長くなっている。また、上面電極530のY2側の端部と絶縁基板510のY2側の端部間には、隙間が設けられているが、この隙間が設けられない構成でもよい。
また、上面電極532は、方形状を呈し、絶縁基板510の上面の他方の短辺側の辺部に沿って形成され、該短辺側の辺部における他方の長辺側に偏った位置に形成されている。つまり、上面電極532は、X1側の短辺側の辺部に沿った領域であって、絶縁基板の上面の角部に近くに形成されている。より具体的には、上面電極532のY1−Y2方向の中心位置と絶縁基板510のY2側の端部間の距離β11は、絶縁基板510のY1−Y2方向の長さの半分よりも長くなっている。また、上面電極532のY1−Y2方向の中心位置と絶縁基板510のY1側の端部間の距離β12は、当然絶縁基板510のY1−Y2方向の長さの半分よりも短くなっている。また、上面電極532は、短辺に沿った方向に、絶縁基板の短辺の長さの半分以下(半分よりも小さいとしてもよい)の幅を有し、該短辺の中心位置(つまり、平面視の絶縁基板510の短辺方向における中心位置、この中心位置が上記「基板の該辺部に沿った方向における中心位置」に当たる)を跨がないように偏って形成されているといえる。これにより、また、上面電極532のY2側の端部と絶縁基板510のY2側の端部間の距離は、絶縁基板510のY1−Y2方向の長さの半分よりも長くなっている。また、上面電極532のY1側の端部と絶縁基板510のY1側の端部間には、隙間が設けられているが、この隙間が設けられない構成でもよい。
また、上面電極530、532ともに、X1−X2方向の幅は、少なくとも絶縁基板510のX1−X2方向の長さの半分以下(半分よりも小さいとしてもよい)となっていて、上面電極530、532は、平面視の絶縁基板510の長辺方向における中心位置を跨がないように形成されている。この場合のX1−X2方向が上記第2方向となる。
以上のように、上面電極530と上面電極532とは、ともに絶縁基板510の短辺に沿って形成されていて、上面電極530と上面電極532とは絶縁基板510の対角位置、つまり、絶縁基板510の平面視における中心位置を介して点対称の位置に形成されているといえる。なお、上面電極530及び上面電極532は、抵抗体520との接続部分においては、抵抗体520の上側に形成されている。
また、保護膜540は、抵抗体520及び上面電極530、532の上面に設けられていて、方形状の形状に方形状の切欠部を2つ設けた形状を呈している。つまり、保護膜540は、方形状の形状に上面電極530、532の位置に対応する位置に方形状の切欠部542、544を形成した形状を呈し、抵抗体520が露出しないように形成されている。上記切欠部542、544は、凹状に形成されているといえる。つまり、保護膜540のX1−X2方向の長さは、絶縁基板510のX1−X2方向の長さよりも若干短く形成されているが、抵抗体520のX1−X2方向の最大幅よりも長く形成されているとともに、保護膜540のY1−Y2方向の長さは、絶縁基板510のY1−Y2方向の長さよりも若干短く形成されているが、抵抗体520のY1−Y2方向の最大幅よりも長く形成されている。なお、図11に示すように、保護膜540と抵抗体520とを平面視において比べると、帯状部520a、520cの端部は保護膜540からはみ出すようになっているが、この部分は上面電極530、532にカバーされているので、抵抗体520が露出することはない。なお、図11、図13に示すように、平面視において、保護膜540の外形が絶縁基板510の外形よりも若干小さく形成されているが、これにより、分割時のバリを防止することができ、チップ抵抗器の形状が良好となる。なお、保護膜540は、絶縁基板510の端縁まで形成したものでもよい。
また、下面電極550と下面電極552とは、図12、図15に示すように、絶縁基板510の底面に形成されていて、帯状を呈している。つまり、下面電極550は、X2側の短辺に沿ってY1−Y2方向に帯状に形成されていて、Y1側の端部からY2側の端部にまで形成されている。また、下面電極552は、X1側の短辺に沿ってY1−Y2方向に帯状に形成されていて、Y1側の端部からY2側の端部にまで形成されている。なお、下面電極550、552の長辺方向の長さは、絶縁基板510の長辺の方向の長さよりも若干短くてもよい。
また、側面電極560、562は、上面電極の一部と、下面電極の一部と、保護膜540の一部と、絶縁基板510の側面や上面の一部を被覆するように断面略コ字状に層状に形成されている。すなわち、図12、図13等に示すように、側面電極560は、上面電極530の一部と、下面電極550の一部と、保護膜540の一部と、絶縁基板510の側面や上面の一部を被覆するように断面略コ字状に層状に形成されており、また、側面電極562は、上面電極532の一部と、下面電極552の一部と、保護膜540の一部と、絶縁基板510の側面や上面の一部を被覆するように断面略コ字状に層状に形成されている。なお、図13に示すように、側面電極560は、保護膜540に形成された切欠部542の全てを被覆してはおらず、また、側面電極562は、保護膜540に形成された切欠部544の全てを被覆してはいない。これにより、上面電極530は側面電極560により全て被覆されているものではなく、また、上面電極532は側面電極562により全て被覆されているものではない。
なお、図13に示す場合とは異なり、図14に示すように、側面電極560が切欠部542を被覆し、側面電極層562が切欠部544を被覆するようにして、上面電極530、532が側面電極層560、562により被覆されるようにしてもよい。
なお、保護膜540に切欠部542、544が形成されていて、上面電極530は切欠部542により保護膜540から露出し、上面電極532は切欠部544により保護膜540から露出しているので、側面電極560は確実に上面電極530と接続され、側面電極562は確実に上面電極532と接続されている。また、抵抗体520と上面電極530、532との接続部分においては、抵抗体520が上面電極530、532の下側に設けられているため、切欠部542、544からは上面電極が露出するので、側面電極との接続状態を良好とすることができる。つまり、抵抗体520と上面電極530、532との接続部分において、抵抗体520が上面電極530、532の上側に形成されていると、抵抗体520が切欠部542、544から露出する可能性があり、そうすると、メッキ形成に際して抵抗体520にメッキを施すことになり、抵抗体520とメッキ570、572の接合が良好でないことからメッキ形成が正しく行うことができないおそれがあるが、本実施例の場合には、そのようなおそれがない。
また、メッキ570は、ニッケルメッキ580と、錫メッキ590とから構成されていて、Y2側の端部にそれぞれ設けられている。ニッケルメッキ580は、保護膜540の一部と、上面電極530の一部と、側面電極560と、下面電極550の一部とを被覆するように形成されている。つまり、上面電極530と側面電極560と下面電極550の露出部分を被覆するように形成されている。このニッケルメッキ580は、電気メッキにより略均一の膜厚で配設されている。このニッケルメッキ580は、ニッケルにて形成されており、上面電極530等の内部電極のはんだ食われを防止するために形成されている。このニッケルメッキ580は、ニッケル以外にも銅メッキが用いられる場合もある。また、錫メッキ590は、ニッケルメッキ580の上面を被覆するように略均一の膜厚で配設されている。この錫メッキ590は、上記チップ抵抗器Bの配線基板へのはんだ付けを良好に行うために形成されている。なお、この錫メッキ590は、錫メッキ以外に、はんだが用いられる場合もある。
また、同様に、メッキ572は、ニッケルメッキ582と、錫メッキ592とから構成されていて、Y1側の端部にそれぞれ設けられている。ニッケルメッキ582は、保護膜540の一部と、上面電極532の一部と、側面電極562と、下面電極552の一部とを被覆するように形成されている。つまり、上面電極532と側面電極562と下面電極552の露出部分を被覆するように形成されている。このニッケルメッキ582は、電気メッキにより略均一の膜厚で配設されている。このニッケルメッキ582は、ニッケルにて形成されており、上面電極532等の内部電極のはんだ食われを防止するために形成されている。このニッケルメッキ582は、ニッケル以外にも銅メッキが用いられる場合もある。また、錫メッキ592は、ニッケルメッキ582の上面を被覆するように略均一の膜厚で配設されている。この錫メッキ592は、上記チップ抵抗器Bの配線基板へのはんだ付けを良好に行うために形成されている。なお、この錫メッキ592は、錫メッキ以外に、はんだが用いられる場合もある。
上記チップ抵抗器Bの製造方法としてとしては、上記実施例1の場合と同様であるので、詳しい説明を省略する。
上記構成のチップ抵抗器Bにおいては、上面電極が対角状に形成されているので、上面電極が形成されている辺部に沿ったスペースも抵抗体形成領域に有効に利用することができ、抵抗体の面積を大きくすることができるので、チップ抵抗器のサイズを小型としつつ耐サージ性に優れ、高電力化が可能なチップ抵抗器を得ることが可能となる。つまり、上面電極530も上面電極532も各上面電極が形成されている絶縁基板510の辺部においてその一部にのみ設けられているので、図16に示すように、上面電極530、532のY1−Y2方向の領域、すなわち、ハッチングに示す領域を得ることができ、この領域を抵抗体形成領域として利用することができる。つまり、上面電極が小さく形成されているので、その分抵抗体を大きく形成できるといえる。特に、上面電極530は、Y2側に偏った位置に設けられているので、上面電極530においては、上面電極530のY1側の領域を広く取ることができ、また、上面電極532は、Y1側に偏った位置に設けられているので、上面電極532においては、上面電極532のY2側の領域を広く取ることができる。つまり、抵抗体の形成領域を広く確保できることによって、抵抗体520のX1−X2方向の最大長N(より厳密には、抵抗体520において上面電極530、532と積層していない領域の最大長)は、上面電極532と上面電極530間の距離Mよりも大きくすることができる。
また、上面電極530と上面電極532とは対角状に設けられていて、絶縁基板510の平面視における中心位置を介して点対称の位置に設けられているので、180度の回転方向には同一の構成となり、トリミングに際して180度回転してしまった場合でも正しくトリミング溝を形成することができる。
また、上記のように、保護膜540に切欠部542、544を設けることにより、上面電極530と側面電極560との接続及び上面電極532と側面電極562との接続を良好にすることができるとともに、保護膜540を絶縁基板510上に大きく形成することができるので、これに伴い、抵抗体520も大きく形成することができ、これによっても、耐サージ性を良好にすることができる。
なお、上記チップ抵抗器Bにおいて、図11に示すように、トリミング溝Tを2つ設けるものとして説明したが、1つとしてもよいし、3つ以上としてもよい。また、図11に示すトリミング溝により形成される溝部の1つをトリミング溝の代わりに印刷パターンにより形成し、他をトリミングにより形成する等一部を印刷パターンにより形成してもよい。
また、上記チップ抵抗器Bにおいて、保護膜540には切欠部542、544が形成されているとしたが、切欠部542、544を有しない構成としてもよい。すなわち、保護膜540を方形状としてもよい。この場合には、上面電極530、532を保護膜540から露出させる必要があるので、保護膜540の横方向の幅は、図13に示す場合よりも短くする必要がある。
また、図13、図14に示す例においては、側面電極560、562が保護膜540に接するものとして説明したが、側面電極560、562が保護膜540に接しない構成としてもよい。
また、上記チップ抵抗器Bにおいては、抵抗体520が縦方向に蛇行する形状であるとして説明したが、図17に示すように横方向に蛇行する方向としてもよい。
つまり、図17に示すチップ抵抗器B1においては、抵抗体520は、帯状部620a、620b、620cと、接続部620dと、接続部620eとが形成されていて、帯状部620a、620b、620cが横方向、すなわち、X1−X2方向に形成されていて、帯状部620aと帯状部620b間に接続部620dが形成され、帯状部620bと帯状部620c間に接続部620eが形成されていることにより、抵抗体520が全体に蛇行状に形成されている。上記のように形成されていることにより、溝部R11や溝部R12は印刷パターンにより形成された構成となっているが、溝部R11、溝部R12のいずれか又は両方は抵抗値調整の際のトリミング溝により形成するようにしてもよい。
このチップ抵抗器B1において抵抗体520以外の構成は上記チップ抵抗器Bと同様の構成であるので、詳しい説明を省略する。
このチップ抵抗器B1においても、上面電極が対角状に形成されているので、上面電極が形成されている辺部に沿ったスペースも抵抗体形成領域に有効に利用することができ、抵抗体の面積を大きくすることができるので、チップ抵抗器のサイズを小型としつつ耐サージ性に優れたチップ抵抗器を得ることが可能となる。
また、抵抗体の形状として、図18に示すように、縦方向の蛇行と横方向の蛇行とを有する構成としてもよい。
すなわち、図18に示すチップ抵抗器B2における抵抗体520は、縦方向(Y1−Y2方向)に形成された帯状部720aと、縦方向に形成された帯状部720cと、横方向(X1−X2方向)に形成された帯状部720dと、横方向に形成された帯状部720fと、横方向に形成された帯状部720hと、帯状部720aと帯状部720c間を接続する接続部720bと、帯状部720fと帯状部720hとを接続する接続部720gとを有して、抵抗体520は、全体に蛇行状に形成されている。これにより、抵抗体520には、帯状の溝部R21、R23やL字状の溝部R22が形成されている。なお、図18に示す例では、蛇行パターンは抵抗体ペーストを印刷することにより形成され、溝部R21、R22、R23も印刷により形成されているが、この溝部R21や溝部R22や溝部R23やそれらの一部を、抵抗値調整の際のトリミング溝により形成するようにしてもよい。帯状部720aと帯状部720c間の折り返し部分が、基板(絶縁基板10)の長辺側に形成された折り返し部分を構成し、帯状部720dと帯状部720f間の折り返し部分が、基板の短辺側に形成された折り返し部分を構成する。2つの折り返し部分は、直列に接続されている。また、基板の短辺側に形成された折り返し部分は、絶縁基板10における上面電極30が形成された短辺における上面電極が形成されていない部分と対向している。つまり、図18に示すように、抵抗体520における基板の短辺側(図18の右側の短辺側)に形成された折返し部分(ターン部)と該折返し部分が対向する基板の短辺との間には上面電極が形成されていない。
このチップ抵抗器B2において抵抗体520以外の構成は上記チップ抵抗器Bと同様の構成であるので、詳しい説明を省略する。
このチップ抵抗器B2においても、上面電極が対角状に形成されているので、上面電極が形成されている辺部に沿ったスペースも抵抗体形成領域に有効に利用することができ、抵抗体の面積を大きくすることができるので、チップ抵抗器のサイズを小型としつつ耐サージ性に優れたチップ抵抗器を得ることが可能となる。
また、上記の各チップ抵抗器における抵抗体の説明においては、抵抗体が平面視において蛇行状であるとして説明したが、これには限られず、図19に示すように、方形状であってもよい。つまり、図19に示すチップ抵抗器B3においては、抵抗体520は、方形状(具体的には、長方形状)を呈し、対角線上の角部において上面電極530、532と接続している。なお、この場合においても、抵抗体20と上面電極30、32との接続部分においては、抵抗体520が上面電極530、532の下側となっている。また、上面電極530、532の形成位置は、上記チップ抵抗器B、B1、B2と異なり、絶縁基板510の平面視において左上方向と右下方向となっている。なお、図19において、保護膜540は方形状を呈し、切欠部が形成されていない形状として示しているが、上記チップ抵抗器Bのように対角位置に切欠部を設けるようにしてもよい。また、図19においては、上面電極530と接続している側面電極560や上面電極532と接続している側面電極562は、保護膜540と接していないが、側面電極560、562をよりX1−X2方向の中央よりまで伸ばして、側面電極560、562が保護膜540の上面に接するような構成としてもよい。
また、上記の各チップ抵抗器においては、上面電極530、532のX1−X2方向の長さは、絶縁基板510のX1−X2方向の長さの半分以下(又は半分よりも小さい)として説明したが、図20に示すように、絶縁基板510のX1−X2方向の長さの半分以上(又は半分よりも長い)としてもよい。つまり、図20に示すチップ抵抗器B4においては、上面電極530、532のX1−X2方向の長さは、絶縁基板510のX1−X2方向の長さの半分以上の長さに形成されていて、これにより、上面電極530、532は、平面視の絶縁基板510の長辺方向における中心位置を跨ぐように形成されている。このような構成であっても、絶縁基板510の上面における短辺に沿った領域を抵抗体形成領域に利用することができ、抵抗体の面積を大きくすることができるので、チップ抵抗器のサイズを小型としつつ耐サージ性に優れたチップ抵抗器を得ることが可能となる。また、図20の構成の場合には、抵抗体が上面電極と接続する部分を長く取ることができるので、抵抗体全体を実質的な抵抗路としてに広く利用できるので、抵抗体における負荷を小さくすることができ、また、抵抗値の低いチップ抵抗器の適している。
また、上記チップ抵抗器B、B1、B2においては、対角状に設けられた上面電極は平面視において右上方向と左下方向に形成されているものとして説明したが、チップ抵抗器B3、B4のように、左上方向と右下方向に形成してもよい。また、上記チップ抵抗器B3、B4においては、対角状に設けられた上面電極は平面視において左上方向と右下方向に形成されているものとして説明したが、チップ抵抗器B、B1、B2のように、右上方向と左下方向に形成してもよい。
なお、図17〜図20は、チップ抵抗器の平面図であるが、厳密には、保護膜540と側面電極560、562とメッキ570、572とを除いた状態の図であるといえる。
なお、上記の説明においては、上面電極530、532は、短辺に沿った方向に、絶縁基板の短辺の長さの半分以下(半分よりも小さいとしてもよい)の幅を有するとしたが、絶縁基板の短辺の長さの半分以上(半分を超えるとしてもよい)の幅を有し、該短辺の中心位置を跨ぐものとしてもよい。
また、上記チップ抵抗器B、B1、B2において、上面電極530のY1側の端部と絶縁基板510のY1側の端部間の距離は、絶縁基板10のY1−Y2方向の長さの半分よりも長くなっているとしたが、絶縁基板510のY1−Y2方向の長さの半分以下の長さであるとしてもよい。また、上面電極532のY2側の端部と絶縁基板510のY2側の端部間の距離は、絶縁基板510のY1−Y2方向の長さの半分よりも長くなっているとしたが、絶縁基板510のY1−Y2方向の長さの半分以下の長さであるとしてもよい。また、上記チップ抵抗器B3、B4において、上面電極530のY2側の端部と絶縁基板510のY2側の端部間の距離は、絶縁基板10のY1−Y2方向の長さの半分よりも長くなっているとしたが、絶縁基板510のY1−Y2方向の長さの半分以下の長さであるとしてもよい。また、上面電極532のY1側の端部と絶縁基板510のY1側の端部間の距離は、絶縁基板510のY1−Y2方向の長さの半分よりも長くなっているとしたが、絶縁基板510のY1−Y2方向の長さの半分以下の長さであるとしてもよい。
また、上記の説明において、2つの上面電極は互いに対角状に形成されているとしたが、対角状に形成されたものでなくてもよく、互いに対向する辺部に沿って形成されたものであればよい。例えば、実施例3として、2つの上面電極が互いに対向する位置に設けられている場合でもよい。
2つの上面電極が互いに対向する位置に設けられている場合の例としては、図21に示すような構成が考えられる。つまり、上面電極1030は、方形状を呈し、絶縁基板1010の上面の一方の長辺側の辺部に沿って形成され、該長辺側の辺部における一方の短辺側(つまり、X1側の短辺側)に偏った位置に形成されている。つまり、上面電極1030は、Y2側の長辺側の辺部に沿った領域であって、絶縁基板の上面の角部に近くに形成されている。より具体的には、上面電極1030のX1−X2方向の中心位置と絶縁基板1010のX2側の端部間の距離α21は、絶縁基板1010のX1−X2方向の長さの半分よりも長くなっている。また、上面電極1030のX1−X2方向の中心位置と絶縁基板1010のX1側の端部間の距離α22は、当然絶縁基板1010のX1−X2方向の長さの半分よりも短くなっている。また、上面電極1030は、長辺に沿った方向に、絶縁基板の長辺の長さの半分以下(半分よりも小さいとしてもよい)の幅を有し、該長辺の中心位置(つまり、平面視の絶縁基板1010の長辺方向における中心位置、この中心位置が上記「基板の該辺部に沿った方向における中心位置」に当たる)を跨がないように偏って形成されているといえる。これにより、上面電極1030のX2側の端部と絶縁基板1010のX2側の端部間の距離は、絶縁基板1010のX1−X2方向の長さの半分よりも長くなっている。また、上面電極1030のX1側の端部と絶縁基板1010のX1側の端部間には、隙間が設けられているが、この隙間が設けられない構成でもよい。
また、上面電極1032も、同様に、方形状を呈し、絶縁基板1010の上面の他方の長辺側の辺部に沿って形成され、該長辺側の辺部における一方の短辺側(つまり、X1側の短辺側)に偏った位置に形成されている。つまり、上面電極1032は、Y1側の長辺側の辺部に沿った領域であって、絶縁基板の上面の角部に近くに形成されている。より具体的には、上面電極1032のX1−X2方向の中心位置と絶縁基板1010のX2側の端部間の距離β21は、絶縁基板1010のX1−X2方向の長さの半分よりも長くなっている。また、上面電極1032のX1−X2方向の中心位置と絶縁基板1010のX1側の端部間の距離β22は、当然絶縁基板1010のX1−X2方向の長さの半分よりも短くなっている。また、上面電極1032は、長辺に沿った方向に、絶縁基板の長辺の長さの半分以下(半分よりも小さいとしてもよい)の幅を有し、該長辺の中心位置(つまり、平面視の絶縁基板1010の長辺方向における中心位置、この中心位置が上記「基板の該辺部に沿った方向における中心位置」に当たる)を跨がないように偏って形成されているといえる。これにより、上面電極1032のX2側の端部と絶縁基板1010のX2側の端部間の距離は、絶縁基板1010のX1−X2方向の長さの半分よりも長くなっている。また、上面電極1032のX1側の端部と絶縁基板1010のX1側の端部間には、隙間が設けられているが、この隙間が設けられない構成でもよい。
これにより、上面電極1030と上面電極1032とは、互いに対向した位置に設けられている。つまり、上面電極1030と上面電極1032とは、X1−X2方向には同じ位置に設けられている。
また、上面電極1030、1032ともに、Y1−Y2方向の幅は、少なくとも絶縁基板1010のY1−Y2方向の長さの半分以下(半分よりも小さいとしてもよい)となっていて、上面電極1030、1032は、平面視の絶縁基板1010の短辺方向における中心位置を跨がないように形成されている。この場合のY1−Y2方向が上記第2方向となる。
また、抵抗体1020は、絶縁基板1010の上面に設けられていて、帯状部1020aと、幅広部1020bと、帯状部1020cと、接続部1020dと、接続部1020eとを有している。すなわち、帯状部1020aは、上面電極1032と接続され、X1−X2方向に帯状に形成されている。また、帯状部1020cは、上面電極1030と接続され、X1−X2方向に帯状に形成されている。また、幅広部1020bは、帯状部1020aと帯状部1020cの中間の位置に設けられていて、方形状を呈している。また、接続部1020dは、帯状を呈し、帯状部1020aと幅広部1020bとを接続し、また、接続部1020eは、帯状を呈し、帯状部1020cと幅広部1020bとを接続する。また、幅広部1020bには、トリミング溝Tが形成される。
また、保護膜1040は、抵抗体1020及び上面電極1030、1032の上面に設けられていて、方形状の形状に方形状の切欠部を2つ設けた形状を呈している。つまり、保護膜1040は、方形状の形状に上面電極1030、1032の位置に対応する位置に方形状の切欠部1042、1044を形成した形状を呈し、抵抗体1020が露出しないように形成されている。上記切欠部1042、1044は、凹状に形成されているといえる。つまり、保護膜1040のX1−X2方向の長さは、絶縁基板1010のX1−X2方向の長さよりも若干短く形成されているが、抵抗体1020のX1−X2方向の最大幅よりも長く形成されているとともに、保護膜1040のY1−Y2方向の長さは、絶縁基板1010のY1−Y2方向の長さよりも若干短く形成されているが、抵抗体1020のY1−Y2方向の最大幅よりも長く形成されている。なお、図21に示すように、保護膜1040と抵抗体1020とを平面視において比べると、帯状部1020a、1020cの端部は保護膜1040からはみ出すようになっているが、この部分は上面電極1030、1032にカバーされているので、抵抗体1020が露出することはない。なお、切欠部1042と切欠部1044とは、互いに対向した位置に設けられていて、X1−X2方向には同じ位置に設けられているといえる。
このチップ抵抗器Cにおいて上記以外の構成は上記チップ抵抗器Aと同様の構成であるので、詳しい説明を省略する。
上記構成のチップ抵抗器Cにおいても、上面電極が形成されている辺部において偏った位置に対向して形成されているので、上面電極が形成されている辺部に沿ったスペースも抵抗体形成領域に有効に利用することができ、抵抗体の面積を大きくすることができるので、チップ抵抗器のサイズを小型としつつ耐サージ性に優れ、高電力化が可能なチップ抵抗器を得ることが可能となる。つまり、上面電極1030も上面電極1032も各上面電極が形成されている絶縁基板1010の辺部においてその一部にのみ設けられているので、上面電極1030、1032のX1−X2方向の領域を得ることができ、この領域を抵抗体形成領域として利用することができる。つまり、上面電極が小さく形成されているので、その分抵抗体を大きく形成できるといえる。特に、上面電極1030、1032ともに、X1側に偏った位置に設けられているので、X2側の領域を広く取ることができる。
また、上記のように、保護膜1040に切欠部1042、1044を設けることにより、上面電極1030と側面電極との接続及び上面電極1032と側面電極との接続を良好にすることができるとともに、保護膜1040を絶縁基板1010上に大きく形成することができるので、これに伴い、抵抗体1020も大きく形成することができ、これによっても、耐サージ性を良好にすることができる。
また、上記の構成においては、絶縁基板1010の長辺側に上面電極1030、1032や側面電極が形成されているので、チップ抵抗器Cの実装に際して、フィレットを長く形成することができ、これにより、配線基板との接続面積を大きくすることができ、よって、抵抗体の発熱時の放熱を良好とすることができる。
なお、上記チップ抵抗器Cにおける抵抗体の形状は図21に示すものには限られず、図22のチップ抵抗器C1に示す形状であってもよい。
つまり、このチップ抵抗器C1においては、抵抗体1020は、帯状部1120aと、帯状部1120bと、帯状部1120cと、帯状部1120dと、接続部1120eと、接続部1120fとを有している。つまり、帯状部1120a、1120b、1120c、1120dはともにX1−X2方向に帯状に形成されており、接続部1120eは、帯状部1120aと帯状部1120bとを接続し、接続部1120fは、帯状部1120bと帯状部1120cとを接続し、接続部1120gは、帯状部1120cと帯状部1120dとを接続している。抵抗体1020が上記のように形成されていることにより、抵抗体1020は全体に蛇行した形状となっており、また、抵抗体1020には、溝部R31、R32、R33が形成された構成となっている。なお、このチップ抵抗器C1における上面電極1030、1032等他の構成はチップ抵抗器Cと同様である。
また、上記チップ抵抗器C、C1とは異なり、図23に示すチップ抵抗器C2に示すように抵抗体1020が全体に方形状を呈するものであってもよい。つまり、抵抗体1020は、全体に方形状を呈し、上面電極1030、1032は、抵抗体1020の一方の短辺側の角部において、抵抗体1020と接続されている。なお、このチップ抵抗器C2における上面電極1030、1032等他の構成はチップ抵抗器Cと同様である。
また、上記チップ抵抗器C、C1、C2とは異なり、図24に示すチップ抵抗器C3に示すように抵抗体1020が全体に方形状に帯状の切欠部を形成した形状を呈するものであってもよい。つまり、抵抗体1020は、方形状に帯状の切欠部を横方向に設けた形状を呈していて、具体的には、帯状部1220aと、帯状部1220bと、接続部1220Cとを有している。これにより、抵抗体1020には、溝部R41が形成された形状となっている。なお、このチップ抵抗器C3における上面電極1030、1032等他の構成はチップ抵抗器Cと同様である。
さらに、上記チップ抵抗器C、C1、C2、C3においては、上面電極が絶縁基板の上面の長辺側の辺部に沿って形成されているとしたが、チップ抵抗器C、C1、C2、C3と同様の構成であって、上面電極が絶縁基板の短辺側の辺部に沿って形成されているものとしてもよい。
なお、上記チップ抵抗器C、C1、C2、C3は、上面電極が互いに対向する辺部に沿って形成されていて、2つの上面電極が互いに対向して設けられているものであるが、実施例1、2のように対角状に設けられているものや、実施例3のように対向して設けられているもの以外の構成でも、2つの上面電極が互いに対向する辺部に沿って設けられているものであればよい。
なお、上記実施例1、実施例2、実施例3の説明においては、抵抗体と上面電極の接続部分においては、抵抗体が上面電極の下側に形成されるとして説明したが、抵抗体が上面電極の上側になるように形成してもよい。
このように上面電極の上側に抵抗体を形成する場合には、抵抗体が露出してメッキ形成に支障を来すおそれがあるので、抵抗体の上側にカバー電極を形成するのが好ましい。このカバー電極は抵抗体が露出しない程度の大きさ・形状であればよいが、基本的に上面電極と同大同形状とする。
このようにカバー電極を設けた例を示すと、図25、図26に示すようになる。ここで、図25は、チップ抵抗器Aにおいて抵抗体20を上面電極30の上側に設けるとともにさらにカバー電極34を設けた例である。この上面電極30とカバー電極34は、平面視において同大同形状となっている。また、同様に上面電極32についても、上面電極32の上側に抵抗体20が形成され、抵抗体20の上側にカバー電極を設ける。このように構成することにより、メッキ70、72が抵抗体20に接することがないので、メッキを良好に行うことが可能となる。
また、図26は、チップ抵抗器Bにおいて抵抗体520を上面電極530の上側に設けるとともにさらにカバー電極534を設けた例である。この上面電極530とカバー電極534は、平面視において同大同形状となっている。また、同様に上面電極532についても、上面電極532の上側に抵抗体520が形成され、抵抗体520の上側にカバー電極を設ける。このように構成することにより、メッキ570、572が抵抗体520に接することがないので、メッキを良好に行うことが可能となる。
なお、図25や図26のように、抵抗体と上面電極の接続部分において、抵抗体が上面電極の上側になるように形成し、さらに、抵抗体の上側にカバー電極を形成する場合にあっては、上面電極を形成後に抵抗体を形成し、さらに、カバー電極を形成することになるので、カバー電極の形成温度は抵抗体の形成温度よりも低くするのが好ましい。
なお、上記実施例3のチップ抵抗器において、上記のようにカバー電極を設けるようにしてもよい。
さらには、上記の説明においては、上面電極は方形状であるとして説明したが、これには限られず、平面視において凸状の形状としてもよく、また、L字状の形状としてもよい。
また、上記の説明においては、保護膜40に切欠部42、44が形成され、保護膜540に切欠部542、544が形成されているとしたが、切欠部の代わりに開口部とすることも考えられる。また、上記の説明では、保護膜40に切欠部42、44が凹状に設けられており、また、保護膜540に切欠部542、544が凹状に設けられているとしたが、保護膜40、540の角部に切欠部(例えば、方形状の切欠部)を設けて、保護膜40、540の角部をL字状に形成したものでもよい。
また、上記の説明においては、上面電極30、32、530、532、1030、1032は、方形状であるとして説明したが、方形状の一部を欠切して湾曲状や傾斜状にしてもよい。つまり、一対の上面電極において、一方の上面電極における他方の上面電極側を湾曲状又は傾斜状とする。この場合に、湾曲状とはR面を形成するものといえ、傾斜状とはC面を形成するものといえる。
例えば、上記チップ抵抗器A3において上面電極30、32に湾曲状部を形成した場合の例を示すと、図27に示すチップ抵抗器A3−1に示すようになる。
このチップ抵抗器A3−1の上面電極30−1においては、湾曲状部30−1aが形成されている。すなわち、上面電極30−1における上面電極32−1側に湾曲状部30−1aが形成されている。つまり、上面電極30−1は、方形状の形状における上面電極32−1側の角部を切り欠いて湾曲状に形成した形状となっている。この湾曲状部30−1aは、平面視において曲線状に湾曲した辺部となっていて、この湾曲状部30−1aとしての湾曲した辺部は、上面電極32−1側を向いている。この湾曲状部30−1aは、上面電極30−1のX2側の端部から曲線状にX1方向でかつY2方向に湾曲していき、Y2方向には上面電極30−1のY2側の端部よりも手前の位置まで形成されている。これにより、上面電極30−1は、X2側とX1側とY2側に直線状の辺部としての直線状部を有し、湾曲状部30−1aと、直線状部30−1bと、直線状部30−1cと、直線状部30−1dとにより囲まれた形状を呈している。
同様に、チップ抵抗器A3−1の上面電極32−1においては、湾曲状部32−1aが形成されている。すなわち、上面電極32−1における上面電極30−1側に湾曲状部32−1aが形成されている。つまり、上面電極32−1は、方形状の形状における上面電極30−1側の角部を切り欠いて湾曲状に形成した形状となっている。この湾曲状部32−1aは、平面視において曲線状に湾曲した辺部となっていて、この湾曲状部32−1aとしての湾曲した辺部は、上面電極30−1側を向いている。この湾曲状部32−1aは、上面電極32−1のX1側の端部から曲線状にX2方向でかつY1方向に湾曲していき、Y1方向には上面電極32−1のY1側の端部よりも手前の位置まで形成されている。これにより、上面電極32−1は、X1側とX2側とY1側に直線状の辺部としての直線状部を有し、湾曲状部32−1aと、直線状部32−1bと、直線状部32−1cと、直線状部32−1dとにより囲まれた形状を呈している。
なお、このチップ抵抗器A3−1における上面電極以外の構成は、チップ抵抗器A3と同様の構成であるので詳しい説明を省略する。
このように、対角状に設けられた一対の上面電極における各上面電極において、他方の上面電極側に湾曲状部が形成されているので、上面電極間距離の差が小さくなり、また、該上面電極における他方の上面電極側には角部が形成されないので、上面電極における特定の領域への電流集中を軽減することができ、電気的特性、特に、負荷特性をさらに向上させることが可能となる。
つまり、図28のように、対角状に設けられた一対の上面電極30、32が方形状である場合には、各上面電極において他方の上面電極側に角部が形成されていることから、上面電極間距離が差が大きく、上面電極間距離が短い部分に電流が集中し、また、角部が形成されていることから、角の部分に電流が集中する。これにより、上面電極30、32における他方の上面電極側の角部の領域(図28における円内に示す領域)に電流が集中してしまい、電気特性が低下する場合がある。つまり、電流が該角部に集中することにより、集中した部分の温度が上がり、温度が所定の電気的特性を示す範囲を超えた場合には、所定の電気的特性、特に、負荷特性を得られなくなる。
これに対して、図27に示すように、上面電極30、32に湾曲状部を形成した場合には、各上面電極において、他方の上面電極側の角部に湾曲状部が形成されているので、上面電極間距離の差が小さくなり、また、他方の上面電極側には角部が形成されないので、上面電極における特定の領域への電流集中を軽減することができるので、電気特性、特に、負荷特性をさらに向上させることが可能となる。
なお、チップ抵抗器A3−1における上面電極30−1の変形例として以下のようにしてもよい。つまり、上面電極30−1において、上記の説明では、湾曲状部30−1aは、上面電極30−1におけるX2側の端部から形成されているとしたが、X1−X2方向の途中の位置から形成されるものとしてもよい。つまり、X2側でかつY1側の角部からは途中まで直線状部が形成され、該直線状部のX1側の端部から湾曲状部が形成されるようにしてもよい。また、湾曲状部30−1aは、上記の説明では、X1側の端部においては、Y1−Y2方向の途中の位置まで形成されているとしたが、上面電極30−1のY2側の端部まで湾曲状部30−1aが形成され、直線状部30−1cの構成が省略される構成としてもよい。上記のような上面電極30−1の変形例は、上面電極32−1に適用してもよい。つまり、湾曲状部32−1aは、X1−X2方向の途中の位置から形成されるものとしてもよく(つまり、X1側でかつY2側の角部からは途中まで直線状部が形成され、該直線状部のX2側の端部から湾曲状部が形成されるようにしてもよい。)、また、湾曲状部32−1aは、X2側の端部においては、上面電極32−1のY1側の端部まで形成され、直線状部32−1cの構成が省略される構成としてもよい。
なお、上記のようなチップ抵抗器A3−1における上面電極30−1、32−1の変形例は、後述するチップ抵抗器A4−1に適用してもよい。
また、上記チップ抵抗器A3において上面電極30、32に傾斜状部を形成した場合の例を示すと、図29に示すチップ抵抗器A3−2に示すようになる。
すなわち、チップ抵抗器A3−2の上面電極30−2においては、傾斜状部30−2aが形成されている。すなわち、上面電極30−2における上面電極32−2側に傾斜状部30−2aが形成されている。つまり、上面電極30−2は、方形状の形状における上面電極32−2側の角部を三角形状に切り欠いて傾斜状に形成した形状となっている。この傾斜状部30−2aは、平面視において絶縁基板10の辺部(つまり、長辺及び短辺)に対して斜めの直線状の辺部となっていて、この傾斜状部30−2aとしての斜めの辺部は、上面電極32−2側を向いている。この傾斜状部30−2aは、X2側においては、上面電極30−2のX2側の端部よりもややX1側の位置から斜めに直線状に形成され、X1側においては、上面電極30−2のY2側の端部よりもややY1側の位置まで形成されている。
同様に、チップ抵抗器A3−2の上面電極32−2においては、傾斜状部32−2aが形成されている。すなわち、上面電極32−2における上面電極30−2側に傾斜状部32−2aが形成されている。つまり、上面電極32−2は、方形状の形状における上面電極30−2側の角部を三角形状に切り欠いて傾斜状に形成した形状となっている。この傾斜状部32−2aは、平面視において絶縁基板10の辺部(つまり、長辺及び短辺)に対して斜めの直線状の辺部となっていて、この傾斜状部32−2aとしての斜めの辺部は、上面電極30−2側を向いている。この傾斜状部32−2aは、X1側においては、上面電極32−2のX1側の端部よりもややX2側の位置から斜めに直線状に形成され、X2側においては、上面電極32−2のY1側の端部よりもややY2側の位置まで形成されている。
なお、このチップ抵抗器A3−2における上面電極以外の構成は、チップ抵抗器A3と同様の構成であるので詳しい説明を省略する。
このように、対角状に設けられた一対の上面電極における各上面電極において、他方の上面電極側に傾斜状部が形成されているので、上面電極間距離の差が小さくなり、また、該上面電極における他方の上面電極側には角部が形成されないので、上面電極における特定の領域への電流集中を軽減することができ、電気的特性、特に、負荷特性をさらに向上させることが可能となる。
なお、チップ抵抗器A3−2における上面電極30−2の変形例として以下のようにしてもよい。つまり、上記の説明では、傾斜状部30−2aは、X2側においては、上面電極30−2のX2側の端部よりもややX1側の位置から形成されているとしたが、X2側の端部から形成されているものとしてもよく、また、上記の説明では、傾斜状部30−2aは、X1側においては、上面電極30−2のY2側の端部よりもややY1側の位置まで形成されているとしたが、Y2側の端部にまで形成されているものとしてもよい。上記のような上面電極30−2の変形例は、上面電極32−2に適用してもよい。つまり、傾斜状部32−2aは、上面電極32−2のX2側の端部から形成されているものとしてもよく、また、傾斜状部32−2aは、Y2側の端部にまで形成されているものとしてもよい。
なお、上記のようなチップ抵抗器A3−2における上面電極30−2、32−2の変形例は、後述するチップ抵抗器A4−2に適用してもよい。
なお、図27に示すチップ抵抗器A3−1や図29に示すチップ抵抗器A3−2は、チップ抵抗器A3の変形例として説明したが、チップ抵抗器A3−1における上面電極30−1、32−1のように上面電極に湾曲状部を設ける点や、チップ抵抗器A3−2における上面電極30−2、32−2のように上面電極に傾斜状部を設ける点は、上記チップ抵抗器Aや、チップ抵抗器A1や、チップ抵抗器A2に適用してもよい。
なお、上記チップ抵抗器A3−1やチップ抵抗器A3−2は、チップ抵抗器A3の変形例であり、上面電極のY1−Y2方向の長さが絶縁基板10のY1−Y2方向の長さの半分以下(又は半分よりも小さい)のものであるが、上面電極のY1−Y2方向の長さが絶縁基板10のY1−Y2方向の長さの半分以上(又は半分よりも長い)のものに適用してもよい。すなわち、チップ抵抗器A4の変形例として、以下に示すチップ抵抗器A4−1やチップ抵抗器A4−2が挙げられる。
例えば、上記チップ抵抗器A4において上面電極30、32に湾曲状部を形成した場合の例を示すと、図30に示すチップ抵抗器A4−1に示すようになる。
このチップ抵抗器A4−1の上面電極30−3においては、湾曲状部30−3aが形成されている。すなわち、上面電極30−3における上面電極32−3側に湾曲状部30−3aが形成されている。つまり、上面電極30−3は、方形状の形状における上面電極32−3側の角部を切り欠いて湾曲状に形成した形状となっている。この湾曲状部30−3aは、平面視において曲線状に湾曲した辺部となっていて、この湾曲状部30−3aとしての湾曲した辺部は、上面電極32−3側を向いている。この湾曲状部30−3aは、上面電極30−3のX2側の端部から曲線状にX1方向でかつY2方向に湾曲していき、Y2方向には上面電極30−3のY2側の端部よりも手前の位置まで形成されている。これにより、上面電極30−3は、X2側とX1側とY2側に直線状の辺部としての直線状部を有し、湾曲状部30−3aと、直線状部30−3bと、直線状部30−3cと、直線状部30−3dとにより囲まれた形状を呈している。
同様に、チップ抵抗器A4−1の上面電極32−3においては、湾曲状部32−3aが形成されている。すなわち、上面電極32−3における上面電極30−3側に湾曲状部32−3aが形成されている。つまり、上面電極32−3は、方形状の形状における上面電極30−3側の角部を切り欠いて湾曲状に形成した形状となっている。この湾曲状部32−3aは、平面視において曲線状に湾曲した辺部となっていて、この湾曲状部32−3aとしての湾曲した辺部は、上面電極30−3側を向いている。この湾曲状部32−3aは、上面電極32−3のX1側の端部から曲線状にX2方向でかつY1方向に湾曲していき、Y1方向には上面電極32−3のY1側の端部よりも手前の位置まで形成されている。これにより、上面電極32−3は、X1側とX2側とY1側に直線状の辺部としての直線状部を有し、湾曲状部32−3aと、直線状部32−3bと、直線状部32−3cと、直線状部32−3dとにより囲まれた形状を呈している。
なお、このチップ抵抗器A4−1における上面電極以外の構成は、チップ抵抗器A4と同様の構成であるので詳しい説明を省略する。
このように、対角状に設けられた一対の上面電極における各上面電極において、他方の上面電極側に湾曲状部が形成されているので、上面電極間距離の差が小さくなり、また、該上面電極における他方の上面電極側には角部が形成されないので、上面電極における特定の領域への電流集中を軽減することができ、電気的特性、特に、負荷特性をさらに向上させることが可能となる。
また、上記チップ抵抗器A4において上面電極30、32に傾斜状部を形成した場合の例を示すと、図31に示すチップ抵抗器A4−2に示すようになる。
すなわち、チップ抵抗器A4−2の上面電極30−4においては、傾斜状部30−4aが形成されている。すなわち、上面電極30−4における上面電極32−4側に傾斜状部30−4aが形成されている。つまり、上面電極30−4は、方形状の形状における上面電極32−4側の角部を三角形状に切り欠いて傾斜状に形成した形状となっている。この傾斜状部30−4aは、平面視において絶縁基板10の辺部(つまり、長辺及び短辺)に対して斜めの直線状の辺部となっていて、この傾斜状部30−4aとしての斜めの辺部は、上面電極32−4側を向いている。
同様に、チップ抵抗器A4−2の上面電極32−4においては、傾斜状部32−4aが形成されている。すなわち、上面電極32−4における上面電極30−4側に傾斜状部32−4aが形成されている。つまり、上面電極32−4は、方形状の形状における上面電極30−4側の角部を三角形状に切り欠いて傾斜状に形成した形状となっている。この傾斜状部32−4aは、平面視において絶縁基板10の辺部(つまり、長辺及び短辺)に対して斜めの直線状の辺部となっていて、この傾斜状部32−4aとしての斜めの辺部は、上面電極30−4側を向いている。
なお、このチップ抵抗器A4−2における上面電極以外の構成は、チップ抵抗器A4と同様の構成であるので詳しい説明を省略する。
このように、対角状に設けられた一対の上面電極における各上面電極において、他方の上面電極側に傾斜状部が形成されているので、上面電極間距離の差が小さくなり、また、該上面電極における他方の上面電極側には角部が形成されないので、上面電極における特定の領域への電流集中を軽減することができ、電気的特性、特に、負荷特性をさらに向上させることが可能となる。
なお、上記チップ抵抗器A3−1、A3−2、A4−1、A4−2やこれらの変形例においても、上面電極の幅が、該上面電極が形成された、絶縁基板の辺部の長さよりも小さく形成されているので、該辺部に沿ったスペースを抵抗体形成領域に有効に利用でき、抵抗体の面積を大きくすることができるので、チップ抵抗器のサイズを小型としつつ耐サージ性に優れ、高電力化が可能なチップ抵抗器を得ることができることはいうまでもない。なお、上記チップ抵抗器A3−1、A3−2、A4−1、A4−2やこれらの変形例においては、特に、上面電極の形状に特徴があるものであり、抵抗体の形状は任意であるといえる。
なお、上記チップ抵抗器A3−1、A3−2、A4−1、A4−2においては、対角状に設けられた上面電極は平面視において右上方向と左下方向に形成されているものとして説明したが、チップ抵抗器A2のように、左上方向と右下方向に形成してもよい。また、上面電極に湾曲状部や傾斜状部を設ける点を上記チップ抵抗器A2に適用する場合において、チップ抵抗器A2では、対角状に設けられた上面電極は平面視において左上方向と右下方向に形成されているものとして説明したが、右上方向と左下方向に形成してもよい。
また、図27〜図31は、チップ抵抗器の平面図であるが、厳密には、保護膜40と側面電極60、62とメッキ70、72とを除いた状態の図であるといえる。
なお、上記の説明においては、チップ抵抗器A3−1、A3−2、A4−1、A4−2における上面電極は、長辺に沿った方向に、絶縁基板の長辺の長さの半分以下(半分よりも小さいとしてもよい)の幅を有するとしたが、絶縁基板の長辺の長さの半分以上(半分を超えるとしてもよい)の幅を有し、該長辺の中心位置を跨ぐものとしてもよい。
また、上記の説明において、上面電極30−1、30−2、30−3、30−4のX1側の端部と絶縁基板10のX1側の端部間の距離は、絶縁基板10のX1−X2方向の長さの半分よりも長くなっているとしたが、絶縁基板10のX1−X2方向の長さの半分以下の長さであるとしてもよい。また、上面電極32−1、32−2、32−3、32−4のX2側の端部と絶縁基板10のX2側の端部間の距離は、絶縁基板10のX1−X2方向の長さの半分よりも長くなっているとしたが、絶縁基板10のX1−X2方向の長さの半分以下の長さであるとしてもよい。
なお、上記チップ抵抗器A3−1、A3−2、A4−1、A4−2は、実施例1における変形例であるが、上面電極に湾曲状部や傾斜状部を設ける点を実施例2に適用してもよい。
例えば、上記チップ抵抗器B3において上面電極530、532に湾曲状部を形成した場合の例を示すと、図32に示すチップ抵抗器B3−1に示すようになる。
このチップ抵抗器B3−1の上面電極530−1においては、湾曲状部530−1aが形成されている。すなわち、上面電極530−1における上面電極532−1側に湾曲状部530−1aが形成されている。つまり、上面電極530−1は、方形状の形状における上面電極532−1側の角部を切り欠いて湾曲状に形成した形状となっている。この湾曲状部530−1aは、平面視において曲線状に湾曲した辺部となっていて、この湾曲状部530−1aとしての湾曲した辺部は、上面電極532−1側を向いている。この湾曲状部530−1aは、上面電極530−1のY1側の端部から曲線状にY2方向でかつX2方向に湾曲していき、X2方向には上面電極530−1のX2側の端部よりも手前の位置まで形成されている。これにより、上面電極530−1は、Y1側とY2側とX2側に直線状の辺部としての直線状部を有し、湾曲状部530−1aと、直線状部530−1bと、直線状部530−1cと、直線状部530−1dとにより囲まれた形状を呈している。
同様に、チップ抵抗器B3−1の上面電極532−1においては、湾曲状部532−1aが形成されている。すなわち、上面電極532−1における上面電極530−1側に湾曲状部532−1aが形成されている。つまり、上面電極532−1は、方形状の形状における上面電極530−1側の角部を切り欠いて湾曲状に形成した形状となっている。この湾曲状部532−1aは、平面視において曲線状に湾曲した辺部となっていて、この湾曲状部532−1aとしての湾曲した辺部は、上面電極530−1側を向いている。この湾曲状部532−1aは、上面電極532−1のY2側の端部から曲線状にY1方向でかつX1方向に湾曲していき、X1方向には上面電極532−1のX1側の端部よりも手前の位置まで形成されている。これにより、上面電極532−1は、X1側とY1側とY2側に直線状の辺部としての直線状部を有し、湾曲状部532−1aと、直線状部532−1bと、直線状部532−1cと、直線状部532−1dとにより囲まれた形状を呈している。
なお、このチップ抵抗器B3−1における上面電極以外の構成は、チップ抵抗器B3と同様の構成であるので詳しい説明を省略する。
このように、対角状に設けられた一対の上面電極における各上面電極において、他方の上面電極側に湾曲状部が形成されているので、上面電極間距離の差が小さくなり、また、該上面電極における他方の上面電極側には角部が形成されないので、上面電極における特定の領域への電流集中を軽減することができ、電気的特性、特に、負荷特性をさらに向上させることが可能となる。
なお、チップ抵抗器B3−1における上面電極530−1の変形例として以下のようにしてもよい。つまり、上面電極530−1において、上記の説明では、湾曲状部530−1aは、上面電極530−1におけるY1側の端部から形成されているとしたが、Y1−Y2方向の途中の位置から形成されるものとしてもよい。つまり、Y1側でかつX1側の角部からは途中まで直線状部が形成され、該直線状部のY2側の端部から湾曲状部が形成されるようにしてもよい。また、湾曲状部530−1aは、上記の説明では、Y2側の端部においては、X1−X2方向の途中の位置まで形成されているとしたが、上面電極532−1のX2側の端部まで湾曲状部530−1aが形成され、直線状部530−1cの構成が省略される構成としてもよい。上記のような上面電極530−1の変形例は、上面電極532−1に適用してもよい。つまり、湾曲状部532−1aは、Y1−Y2方向の途中の位置から形成されるものとしてもよく(つまり、Y2側でかつX2側の角部からは途中まで直線状部が形成され、該直線状部のY1側の端部から湾曲状部が形成されるようにしてもよい。)、また、湾曲状部532−1aは、Y1側の端部においては、上面電極532−1のX1側の端部まで形成され、直線状部532−1cの構成が省略される構成としてもよい。
なお、上記のようなチップ抵抗器B3−1における上面電極530−1、532−1の変形例は、後述するチップ抵抗器B4−1に適用してもよい。
また、上記チップ抵抗器B3において上面電極530、532に傾斜状部を形成した場合の例を示すと、図33に示すチップ抵抗器B3−2に示すようになる。
すなわち、チップ抵抗器B3−2の上面電極530−2においては、傾斜状部530−2aが形成されている。すなわち、上面電極530−2における上面電極532−2側に傾斜状部530−2aが形成されている。つまり、上面電極530−2は、方形状の形状における上面電極532−2側の角部を三角形状に切り欠いて傾斜状に形成した形状となっている。この傾斜状部530−2aは、平面視において絶縁基板510の辺部(つまり、長辺及び短辺)に対して斜めの直線状の辺部となっていて、この傾斜状部530−2aとしての斜めの辺部は、上面電極532−2側を向いている。この傾斜状部530−2aは、Y1側においては、上面電極530−2のY1側の端部よりもややY2側の位置から斜めに直線状に形成され、Y2側においては、上面電極530−2のX2側の端部よりもややX1側の位置まで形成されている。
同様に、チップ抵抗器B3−2の上面電極532−2においては、傾斜状部532−2aが形成されている。すなわち、上面電極532−2における上面電極530−2側に傾斜状部532−2aが形成されている。つまり、上面電極532−2は、方形状の形状における上面電極530−2側の角部を三角形状に切り欠いて傾斜状に形成した形状となっている。この傾斜状部532−2aは、平面視において絶縁基板510の辺部(つまり、長辺及び短辺)に対して斜めの直線状の辺部となっていて、この傾斜状部532−2aとしての斜めの辺部は、上面電極530−2側を向いている。この傾斜状部532−2aは、Y2側においては、上面電極532−2のY2側の端部よりもややY1側の位置から斜めに直線状に形成され、Y1側においては、上面電極532−2のX1側の端部よりもややX2側の位置まで形成されている。
なお、このチップ抵抗器B3−2における上面電極以外の構成は、チップ抵抗器B3と同様の構成であるので詳しい説明を省略する。
このように、対角状に設けられた一対の上面電極における各上面電極において、他方の上面電極側に傾斜状部が形成されているので、上面電極間距離の差が小さくなり、また、該上面電極における他方の上面電極側には角部が形成されないので、上面電極における特定の領域への電流集中を軽減することができ、電気的特性、特に、負荷特性をさらに向上させることが可能となる。
なお、チップ抵抗器B3−2における上面電極530−2の変形例として以下のようにしてもよい。つまり、上記の説明では、傾斜状部530−2aは、Y1側においては、上面電極530−2のY1側の端部よりもややY2側の位置から形成されているとしたが、Y1側の端部から形成されているものとしてもよく、また、上記の説明では、傾斜状部530−2aは、Y2側においては、上面電極530−2のX2側の端部よりもややX1側の位置まで形成されているとしたが、X2側の端部にまで形成されているものとしてもよい。上記のような上面電極530−2の変形例は、上面電極532−2に適用してもよい。つまり、傾斜状部532−2aは、上面電極532−2のY2側の端部から形成されているものとしてもよく、また、傾斜状部532−2aは、上面電極532−2のX1側の端部にまで形成されているものとしてもよい。
なお、上記のようなチップ抵抗器B3−2における上面電極530−2、532−2の変形例は、後述するチップ抵抗器B4−2に適用してもよい。
なお、図32に示すチップ抵抗器B3−1や図33に示すチップ抵抗器B3−2は、チップ抵抗器B3の変形例として説明したが、チップ抵抗器B3−1における上面電極530−1、532−1のように上面電極に湾曲状部を設ける点や、チップ抵抗器B3−2における上面電極530−2、532−2のように上面電極に傾斜状部を設ける点は、上記チップ抵抗器Bや、チップ抵抗器B1や、チップ抵抗器B2に適用してもよい。
なお、上記チップ抵抗器B3−1やチップ抵抗器B3−2は、チップ抵抗器B3の変形例であり、上面電極のX1−X2方向の長さが絶縁基板510のX1−X2方向の長さの半分以下(又は半分よりも小さい)のものであるが、上面電極のX1−X2方向の長さが絶縁基板510のX1−X2方向の長さの半分以上(又は半分よりも長い)のものに適用してもよい。すなわち、チップ抵抗器B4の変形例として、以下に示すチップ抵抗器B4−1やチップ抵抗器B4−2が挙げられる。
例えば、上記チップ抵抗器B4において上面電極530、532に湾曲状部を形成した場合の例を示すと、図34に示すチップ抵抗器B4−1に示すようになる。
このチップ抵抗器B4−1の上面電極530−3においては、湾曲状部530−3aが形成されている。すなわち、上面電極530−3における上面電極532−3側に湾曲状部530−3aが形成されている。つまり、上面電極530−3は、方形状の形状における上面電極532−3側の角部を切り欠いて湾曲状に形成した形状となっている。この湾曲状部530−3aは、平面視において曲線状に湾曲した辺部となっていて、この湾曲状部530−3aとしての湾曲した辺部は、上面電極532−3側を向いている。この湾曲状部530−3aは、上面電極530−3のY1側の端部から曲線状にY2方向でかつX2方向に湾曲していき、X2方向には上面電極530−3のX2側の端部よりも手前の位置まで形成されている。これにより、上面電極530−3は、Y1側とY2側とX2側に直線状の辺部としての直線状部を有し、湾曲状部530−3aと、直線状部530−3bと、直線状部530−3cと、直線状部530−3dとにより囲まれた形状を呈している。
同様に、チップ抵抗器B4−1の上面電極532−3においては、湾曲状部532−3aが形成されている。すなわち、上面電極532−3における上面電極530−3側に湾曲状部532−3aが形成されている。つまり、上面電極532−3は、方形状の形状における上面電極530−3側の角部を切り欠いて湾曲状に形成した形状となっている。この湾曲状部532−3aは、平面視において曲線状に湾曲した辺部となっていて、この湾曲状部532−3aとしての湾曲した辺部は、上面電極530−3側を向いている。この湾曲状部532−3aは、上面電極532−3のY2側の端部から曲線状にY1方向でかつX1方向に湾曲していき、X1方向には上面電極532−3のX1側の端部よりも手前の位置まで形成されている。これにより、上面電極532−3は、Y2側とY1側とX1側に直線状の辺部としての直線状部を有し、湾曲状部532−3aと、直線状部532−3bと、直線状部532−3cと、直線状部532−3dとにより囲まれた形状を呈している。
なお、このチップ抵抗器B4−1における上面電極以外の構成は、チップ抵抗器B4と同様の構成であるので詳しい説明を省略する。
このように、対角状に設けられた一対の上面電極における各上面電極において、他方の上面電極側に湾曲状部が形成されているので、上面電極間距離の差が小さくなり、また、該上面電極における他方の上面電極側には角部が形成されないので、上面電極における特定の領域への電流集中を軽減することができ、電気特性、特に、負荷特性をさらに向上させることが可能となる。
また、上記チップ抵抗器B4において上面電極530、532に傾斜状部を形成した場合の例を示すと、図35に示すチップ抵抗器B4−2に示すようになる。
すなわち、チップ抵抗器B4−2の上面電極530−4においては、傾斜状部530−4aが形成されている。すなわち、上面電極530−4における上面電極532−4側に傾斜状部530−4aが形成されている。つまり、上面電極530−4は、方形状の形状における上面電極532−4側の角部を三角形状に切り欠いて傾斜状に形成した形状となっている。この傾斜状部530−4aは、平面視において絶縁基板510の辺部(つまり、長辺及び短辺)に対して斜めの直線状の辺部となっていて、この傾斜状部530−4aとしての斜めの辺部は、上面電極532−4側を向いている。
同様に、チップ抵抗器B4−2の上面電極532−4においては、傾斜状部532−4aが形成されている。すなわち、上面電極532−4における上面電極530−4側に傾斜状部532−4aが形成されている。つまり、上面電極532−4は、方形状の形状における上面電極530−4側の角部を三角形状に切り欠いて傾斜状に形成した形状となっている。この傾斜状部532−4aは、平面視において絶縁基板510の辺部(つまり、長辺及び短辺)に対して斜めの直線状の辺部となっていて、この傾斜状部532−4aとしての斜めの辺部は、上面電極530−4側を向いている。
なお、このチップ抵抗器B4−2における上面電極以外の構成は、チップ抵抗器B4と同様の構成であるので詳しい説明を省略する。
このように、対角状に設けられた一対の上面電極における各上面電極において、他方の上面電極側に傾斜状部が形成されているので、上面電極間距離の差が小さくなり、また、該上面電極における他方の上面電極側には角部が形成されないので、上面電極における特定の領域への電流集中を軽減することができ、電気的特性、特に、負荷特性をさらに向上させることが可能となる。
なお、上記チップ抵抗器B3−1、B3−2、B4−1、B4−2やこれらの変形例においても、上面電極の幅が、該上面電極が形成された、絶縁基板の辺部の長さよりも小さく形成されているので、該辺部に沿ったスペースを抵抗体形成領域に有効に利用でき、抵抗体の面積を大きくすることができるので、チップ抵抗器のサイズを小型としつつ耐サージ性に優れ、高電力化が可能なチップ抵抗器を得ることができることはいうまでもない。なお、上記チップ抵抗器B3−1、B3−2、B4−1、B4−2やこれらの変形例においては、特に、上面電極の形状に特徴があるものであり、抵抗体の形状は任意であるといえる。
なお、上記チップ抵抗器B3−1、B3−2、B4−1、B4−2においては、対角状に設けられた上面電極は平面視において左上方向と右下方向に形成されているものとして説明したが、チップ抵抗器B、B1、B2のように、右上方向と左下方向に形成してもよい。また、上面電極に湾曲状部や傾斜状部を設ける点を上記チップ抵抗器B、B1、B2に適用する場合において、チップ抵抗器B、B1、B2では、対角状に設けられた上面電極は平面視において右上方向と左下方向に形成されているものとして説明したが、左上方向と右下方向に形成してもよい。
また、図32〜図35は、チップ抵抗器の平面図であるが、厳密には、保護膜40と側面電極60、62とメッキ70、72とを除いた状態の図であるといえる。
なお、上記の説明においては、チップ抵抗器B3−1、B3−2、B4−1、B4−2における上面電極は、短辺に沿った方向に、絶縁基板の短辺の長さの半分以下(半分よりも小さいとしてもよい)の幅を有するとしたが、絶縁基板の短辺の長さの半分以上(半分を超えるとしてもよい)の幅を有し、該短辺の中心位置を跨ぐものとしてもよい。
また、上記の説明において、上面電極530−1、530−2、530−3、530−4のY2側の端部と絶縁基板510のY2側の端部間の距離は、絶縁基板510のY1−Y2方向の長さの半分よりも長くなっているとしたが、絶縁基板510のY1−Y2方向の長さの半分以下の長さであるとしてもよい。また、上面電極532−1、532−2、532−3、532−4のY1側の端部と絶縁基板510のY1側の端部間の距離は、絶縁基板510のY1−Y2方向の長さの半分よりも長くなっているとしたが、絶縁基板510のY1−Y2方向の長さの半分以下の長さであるとしてもよい。