JP2010114167A - 低抵抗チップ抵抗器及びその製造方法 - Google Patents

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博之 坂田
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浩尚 南
Katsuhiro Kawakubo
勝弘 川久保
Masafumi Tanaka
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Abstract

【課題】量産可能な50mΩ〜1Ωの抵抗値領域においてTCRが±50ppm/℃以内の高精度な低抵抗のチップ抵抗器と、その製造方法を提供する。
【解決手段】セラミック製電気絶縁性基板の表面に接着層を介して設けられる、厚み50μm以で、銅を30mass%以上80mass%以下含む銅−ニッケル系合金、又はニッケルを50mass%以上含むニッケル−クロム系合金の金属箔からなる抵抗体膜と、チップ抵抗器の端子部の形成領域を除いて抵抗体膜を保護するように被覆される抵抗体保護膜と、抵抗体保護膜による抵抗体膜の未被覆部の一部及び電気絶縁性基板の両端部に設けられる外部電極膜と、抵抗体保護膜による抵抗体膜の未被覆部の残部及び外部電極膜上に設けられるニッケルメッキ膜と、ニッケルメッキ膜上に設けられる錫メッキ膜とから構成される端子部とからなる低抵抗チップ抵抗器。
【選択図】図1

Description

電気電子回路に広く使用される最も一般的な抵抗器は、小型で信頼性の高く、プリント基板に省スペースで実装可能なチップ抵抗器である。
本発明は、最近の省電力化、高精度化の傾向に伴い要求の強くなってきている、抵抗値の温度特性(以降、TCRと称す)が、±50ppm/℃以内の高精度なチップ抵抗器に関するものである。
図3は、一般的なチップ抵抗器の断面構造を示す。このチップ抵抗器20の抵抗体膜23には厚膜技術を用いたもの、或いは薄膜技術を用いたものが使用されている。
厚膜抵抗体膜には、ルテニウム系導電性酸化物、銀、パラジウム、銅、ニッケルなどの微粉末とガラス粉末を液状の有機物に分散したペーストが、印刷、乾燥、焼成といった工程を経ることにより10μm程度の厚みの抵抗体膜に形成される。この厚膜抵抗体膜で構成されたチップ抵抗器は、非常に広い抵抗値領域を発現可能である特徴を有し、0.1Ωから10MΩの抵抗器が可能である(例えば、特許文献1参照)。
しかし、抵抗器の最も重要な特性の1つであるTCRを、±50ppm/℃以内に収めようとすると1Ω以下の抵抗値領域における厚膜抵抗体膜を用いた抵抗器を製造するのは困難であった。
即ち、この抵抗値領域では、銀パラジウム若しくは銅ニッケルのTCRが低くなる合金比率で以って導電成分が含有されるが、その導電率は、この合金比率で決定されるために、抵抗値を低くするには膜厚を厚くしなくてはならない。しかし、厚膜抵抗体膜では印刷という塗布工法を採るため印刷ダレや滲みなどの発生により小型、高精度に印刷可能な厚みには限界があり、基板との密着性を改善するため絶縁体であるガラス微粉末の添加が必須である。このことも厚膜抵抗体膜の導電率を上昇させる要因であり、低抵抗領域の発現を困難にしている。
一方、薄膜抵抗体膜では、蒸着、スパッタリングなど真空プロセスによって、ニッケルクロム合金からなる1μm以下の薄い抵抗体膜が使われる。
この薄膜抵抗体膜を使用したチップ抵抗器の精度は優秀で、TCRは25ppm/℃までの高精度なものが製造可能である。
しかし、製造可能な抵抗値領域は厚膜抵抗体膜の抵抗器より狭く、一般的には10Ω〜数百kΩの領域であり、10Ω以下の抵抗値領域での製造は困難になる。理論上、膜厚を厚くすることにより抵抗値をより低くすることはできるが、もともと真空プロセスは成膜速度が遅いため多大な成膜時間を要するとともに、下地との固着成分を持たないため数μm以上成膜すると基板からの膜の剥離が多くなってしまう欠点を有している。
更に、これら2種類の抵抗器の他に金属板抵抗器がある。厚膜抵抗体膜抵抗器、薄膜抵抗体膜抵抗器、それら自体には形状が無いため基板を必要とするが、金属板抵抗器は、厚みが数百μmの金属板が、抵抗体膜の役割を果たすと同時に基板としての機能を果たすために、別途基板を必要としない。この金属板抵抗器は金属溶解によりTCRに優れる様々な合金を使えるため精度は良好であり、薄膜抵抗体膜を使う抵抗器と同等以上の高精度のTCRが可能である特徴を有する(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、金属特有の低い抵抗率を利用するため10mΩ以下の低抵抗の抵抗器しか製造できない。厚みを薄くすることにより抵抗値を高めることができるが、金属板をそのまま基材にしているため薄くなると基材としての形状を保てないために高抵抗値化が困難となってくる。
特開平10−144501号公報 特開平2−308501号公報
±50ppm/℃以内のTCRを示す高精度なチップ抵抗器において、50mΩ以下の抵抗器には、金属板抵抗器を用いることが可能であり、1Ω以上の抵抗値の場合には厚膜抵抗体膜抵抗器が使用できるが、その間の抵抗値領域において高精度な抵抗器が無く、強く求められていたが、50mΩから1Ωの抵抗値領域を有する抵抗体膜として、その抵抗率から金属板、即ち金属箔を抵抗体膜に使用した金属板抵抗器が望ましく、TCRに優れた合金組成は一般的に知られており、信頼性も高い。
この金属箔を厚み50μm以下にして用いることで上記領域の抵抗値が得られ、又TCRが±50ppm/℃の高精度である合金箔を基板に貼る抵抗器が知られているが、小さいチップ抵抗器の抵抗部分に箔を貼ることは非常に困難であり、また狭い抵抗値許容差を要求された場合に、このような小型のものでは、抵抗値の微調整を行なうレーザートリミングが難しいという問題があり、実用に供されていなかった。
そこで、50mΩ〜1Ωの抵抗値領域においてTCRが±50ppm/℃以内の高精度な低抵抗のチップ抵抗器の抵抗体膜にTCRに優れた金属箔を使い、量産可能な低抵抗のチップ抵抗器と、その製造方法を提供するものである。
そこで、本発明者らは金属箔の優れたTCR特性を利用するため、金属箔を基材に貼り付ける工法における、これらの欠点を克服する方法を勢力的に検討した結果、厚膜抵抗体や薄膜抵抗体を用いたチップ抵抗器の製造で使われる、所定のサイズに分割するためのスリットが入ったセラミック基板のようなスリット付き基板を基材にし、その面上にレーザーによりスリットの形成が可能な厚みである50μm以下の金属箔を貼り付けることにより、上記欠点を解消できることを見出し、本発明に至ったものである。
本発明に係る第一の発明は、セラミック製電気絶縁性基板と、この電気絶縁性基板の表面に接着層を介して設けられる、厚み50μm以下の金属箔からなる抵抗体膜は、30mass%以上80mass%以下の銅からなる銅−ニッケル系合金、或いは50mass%以上のニッケルからなるニッケル−クロム系合金からなる抵抗体膜と、それを保護する抵抗体保護膜と、抵抗体保護膜の抵抗体膜の未被覆部の一部を覆うように電気絶縁性基板の両端部に設けられる外部電極膜と、抵抗体膜の未被覆部の残部及び外部電極膜上に設けられるニッケルメッキ膜と、このニッケルメッキ膜上に設けられる錫メッキ膜とで構成される端子部とからなる低抵抗チップ抵抗器である。
本発明に係る第二の発明は、上記第一の発明において、接着層は熱硬化性樹脂、或いは熱硬化性樹脂及び熱硬化性樹脂に対して5mass%以上、60mass%以下の熱伝導性と電気絶縁性に優れる無機粉末を含む低抵抗チップ抵抗器である。
本発明の第三の発明は、分割スリットを表面に有する電気絶縁性基板の表面に、接着剤を介して厚み50μm以下の抵抗体膜となる、銅を30mass%以上80mass%以下含む銅−ニッケル系合金、又はニッケルを50mass%以上含むニッケル−クロム系合金の金属箔を接着して金属箔付き電気絶縁性基板を形成する工程と、接着した金属箔を分割スリットに沿って分割する工程と、分割した金属箔の端子部の形成領域を除いた金属箔面上に絶縁性熱硬化型樹脂ペーストを印刷し、加熱硬化させて抵抗体保護膜を形成する工程と、外部電極となる基板端面が外部に露出するように前記分割スリットに沿って金属箔付き電気絶縁性基板を中間形状に分割する工程と、中間形状に分割した金属箔付き電気絶縁性基板の基板端面における金属箔の外部電極膜の形成領域に導電性を有する導電性フィラー含有熱硬化型樹脂ペーストを塗布し、加熱硬化させて外部電極膜を形成する工程と、所定チップ抵抗器形状に分割する工程と、形成した外部電極膜及び金属箔の端子部の形成領域にニッケルメッキ膜、錫メッキ膜の順に被覆して端子部を形成する工程と、からなる製造方法によって作られる低抵抗チップ抵抗器である。
本発明の第四の発明は、係る低抵抗チップ抵抗体を外見的に特定したものであり、抵抗体として、厚さが50μm以下で、銅を30mass%以上80mass%以下含む銅−ニッケル系合金、又はニッケルを50mass%以上含むニッケル−クロム系合金の金属箔を用いた低抵抗チップ抵抗器であって、外形が略直方体であり、下面と左右側面中央部に電気絶縁性基板が露出しており、上面中央部に抵抗体保護膜が露出しており、当該各面の前後端部および前後側面が錫めっき膜に被覆されていることを特徴とする低抵抗チップ抵抗器である。
本発明の第五の発明は、低抵抗チップ抵抗器の製造方法であって、分割スリットを表面に有する電気絶縁性基板の表面に、接着剤を介して厚み50μm以下の抵抗体膜となる、銅を30mass%以上80mass%以下含む銅−ニッケル系合金、又はニッケルを50mass%以上含むニッケル−クロム系合金の金属箔を接着して金属箔付き電気絶縁性基板を形成する工程と、接着された金属箔を分割スリットに沿って分割する工程と、チップ抵抗器の端子部の形成領域を除いた金属箔面上に絶縁性熱硬化型樹脂ペーストを印刷し、加熱硬化させて抵抗体保護膜を形成する工程と、端子部を構成する外部電極膜となる基板端面が外部に露出するように分割スリットに沿って、金属箔付き電気絶縁性基板を中間形状に分割する工程と、中間形状に分割した金属箔付き電気絶縁性基板の基板端面における金属箔の外部電極膜の形成領域に導電性を有する導電性フィラー含有熱硬化型樹脂ペーストを塗布し、加熱硬化させて外部電極膜を形成する工程と、所定チップ抵抗器形状に分割する工程と、外部電極膜上及び金属箔の端子部の形成領域にニッケルめっき膜を設ける工程と、前記ニッケルメッキ膜上に錫めっき膜を設けて端子部を形成する工程と、からなる低抵抗チップ抵抗器の製造方法である。
尚、本発明における金属箔は、純金属箔及び合金箔を含むものである。
本発明によれば、抵抗値50mΩから1Ωを有し、抵抗値の温度依存特性に優れる小型、高信頼性のチップ抵抗器が得られ、且つ、その製造も容易である。
使用する電気絶縁性基板には、アルミナなどの絶縁性セラミック基板が用いられ、特にチップ抵抗器用に良く使われるスリット付きアルミナ基板が、コスト、入手のし易さ、ハンドリングの良さなどから望ましい。
ところで、チップ抵抗器の小さなものは、長さ1mm、幅0.5mmサイズのものであり、その1個1個に正確に金属箔を貼り付けるのは非常に困難であるが、分割スリット付き基板を用いれば、数百個のチップ抵抗器が採れるサイズで数cm角の基板となり、この基板と同等の大きさの金属箔を貼る作業性は、チップ抵抗器サイズの金属箔を個々に貼り付ける作業に比べて飛躍的に容易となる。
更に基板には、チップ抵抗器の個々の大きさに応じた分割スリットが入っており分割し易いが、その面上に抵抗体膜となる金属箔を貼るとチップ抵抗器への分割作業性は低下してしまう。そこで、その分割スリットに沿って貼り付けた金属箔を、貼り付けた後に予め分割しておくことで、チップ抵抗器サイズへの分割作業性や抵抗値調整のためのトリミング性を大きく向上させることができる。
このような構造の金属箔付き絶縁基板を用いることで、その後の製造工程は厚膜抵抗体や薄膜抵抗体を用いたチップ抵抗器の製造方法を、そのまま利用することを可能としている。
次に、抵抗体膜となる金属箔には、30mass%以上80mass%以下の銅からなる銅−ニッケル系合金、或いは50mass%以上のニッケルからなるニッケル−クロム系合金などのTCRに優れる合金の金属箔を用いる。
具体的には、ニッケル80(mass%:以下同じ)−クロム20合金、ニッケル65−クロム15−マンガン20合金、銅55−ニッケル45合金、銅86−ニッケル2−鉄12合金、銅67−ニッケル30−鉄3合金などである。
金属箔における銅の含有量が30mass%以上80mass%以下の範囲外、あるいはニッケルの含有量が50mass%未満であると、優れたTCRを得ることができない。
これらの金属箔は、所定の配合で溶解、鋳造され、繰り返しの鍛造或いは圧延を施され、厚み50μm以下の金属箔とする。50μmを超える厚みにすると、柔軟性に欠けるため基板に貼ることが困難になると共に、貼り付け後のレーザーによる箔の分割が困難になる。即ち、直線状の切断面を得ることが困難になり、抵抗値精度を悪化させ、又箔の一部が基板の分割スリット上に飛び出して、熱硬化性絶縁樹脂ペーストがうまく印刷できずに絶縁性に支障を及ぼす。逆に薄いと、チップ抵抗器の高抵抗値上限を広げることが可能であり望ましいが、圧延技術面で8μm程度が限界である。従って、金属箔の厚みは、10から30μm程度が望ましい。
抵抗体膜、即ち金属箔の抵抗値調整は、1個の抵抗器の金属箔にレーザーによりトリミングを行なって調整することも可能であるが、通常、抵抗値の調整は、金属箔の成分組成、金属箔の厚さ、そしてレーザートリミングによる3種類の調整手法を取ることができ、約50mΩから1Ωの抵抗値領域をTCR±50ppm/℃以内の特性を有するチップ抵抗器の製造を可能とする。
次に、電気絶縁性基板と金属箔を接着する接着層を構成する接着剤は、特別なものを用いる必要はないが、エポキシ樹脂など熱硬化型の樹脂が望ましい。更にチップ抵抗器は実使用の際に発熱を伴うが、用いる接着剤は有機物であり、熱伝導性に乏しいため、放熱性を高める目的で、この接着用の樹脂にAlN、SiO、Alなど電気絶縁性を有し熱伝導性に優れる粒子を、熱硬化性樹脂に対して5〜60mass%配合することが望ましい。
係る配合量が5mass%未満の場合、熱伝導性が不十分となり、60mass%を超えた場合、接着力が不十分となる。
抵抗体膜上の端子部形成領域を残して、抵抗体保護膜となる熱硬化性絶縁樹脂ペーストを印刷、加熱硬化させて、抵抗体保護膜を形成して抵抗体膜を保護するが、ここで、使用する熱硬化性絶縁樹脂ペーストは、特別に限定する必要は無いが、エポキシ樹脂など熱硬化型の樹脂が望ましい。SiOなどの樹脂への添加は抵抗体保護膜の強度向上には有効である。抵抗体保護膜の厚みは10μm以上あれば十分であるが、50μmを超えて厚いと表面が丸くなり、チップ抵抗器をプリント基板などに実装する際のハンドリング性に支障を来たす場合もあり、好ましくは、10から30μmが良い。
通常、チップ抵抗器では実装時の半田付け性を向上させた外部電極膜をベースとする端子部が設けられる。
端子部の形成は、抵抗体保護膜からはみ出した抵抗体膜部分に最低でも一部を覆うように銀樹脂ペーストを塗布し、100〜300℃で硬化させる。100℃の場合は20分〜2時間、300℃の場合は10分以内の加熱時間というように、加熱温度を高く設定する場合は加熱時間を短くする必要がある。このようにしてベースとなる外部電極膜を形成し、次いで、このベースとなる外部電極膜にニッケルメッキ膜、続いて錫メッキ膜を被覆することで外部電極を構成する。
以下、図を用いて、より詳細に本発明を説明する。
図1は、本発明のチップ抵抗器の一実施態様を示す模式断面図である。図2は本発明のチップ抵抗器の製造方法を示す図である。
図1において、1は電気絶縁性基板、2は接着層、3は抵抗体膜、4は抵抗体保護膜(絶縁体膜)、5は外部電極膜、6はニッケルメッキ膜、7は錫メッキ膜、8は金属箔付き電気絶縁性基板、9は端子部、10はチップ抵抗器である。
図1に示すチップ抵抗器10では、電気絶縁性基板1面上に接着層2を介して金属箔の抵抗体膜3が接着された金属箔付き電気絶縁性基板8を構成し、その表面にあたる抵抗体膜3上には抵抗体保護膜4が端子部9の形成部位を除いた範囲に設けられ、更にその端子部9の形成部位には、金属箔付き電気絶縁性基板8の端面を覆うように外部電極膜5が設けられている。この外部電極膜5を覆う形で、ニッケルメッキ膜6、錫メッキ膜7が形成された構造となっている。
次に、本発明のチップ抵抗器の製造方法について、図2を用いて説明する。()内は、図2の対応箇所を示している。
図2は、本発明のチップ抵抗器の製造方法を示しているが、先ず、チップ抵抗器10の形状に即した分割スリットを表面に有する電気絶縁性基板1に接着層2を介して抵抗体膜3となる金属箔を貼り付けるが、先ず電気絶縁性基板1に接着層2となる接着剤を薄く塗り(基板に接着剤塗布)、その大きさに合わせた抵抗体膜3となる金属箔を均一に貼る(抵抗体膜の貼り付け)。接着剤に熱硬化性樹脂を使用した場合、100℃以上150℃以下の温度で10分間から1時間保持して硬化させると、金属箔と電気絶縁性基板とが強固に接着される(硬化1)。
基板の分割スリットに沿い、レーザーを使用して貼り付けた金属箔を1個の抵抗器の大きさに分割する(分割スリットでの金属箔の分割)。この分割には、抵抗器の製造で一般に使われるYAGレーザートリミング装置を使う。分割条件は箔の厚みによっても異なるが、パワーは3W以上5W以下、Qレイト0.5kHz以上5kHz以下、分割スピード5mm/s以上50mm/s以下の条件で分割する。要求される抵抗値精度が高い場合は、抵抗体膜である個別分割された金属箔をトリミングして抵抗値精度を調整することも可能である。一般的に要求される抵抗値精度なら抵抗値調整のためのトリミングは不要である。
抵抗体膜3となる金属箔上に外部電極膜6をベースとする端子部9を設ける領域を除いて保護の目的で熱硬化性絶縁樹脂ペーストを印刷(樹脂ペースト印刷)し、100℃以上300℃以下の温度で硬化させて抵抗体保護膜4を形成する(硬化2)。
次に外部電極膜5を形成するために電気絶縁性基板1の分割スリットに沿って、短冊状に分割する(中間形状への分割)。これによりチップ抵抗器の端面部分が露出される。
この露出した端面部分に、先の設けられた抵抗体保護膜4からはみ出した抵抗体膜3を被覆するような形で、熱硬化性の銀樹脂ペーストを塗布(外部電極ペースト塗布)し、100℃以上300℃以下の温度で硬化させる。抵抗体保護膜の硬化と同様に、100℃の場合は20分〜2時間、300℃の場合は10分以内の加熱時間というように、加熱温度を高く設定する場合は加熱時間を短くする必要がある。このようにして、外部電極膜5を形成する(硬化3)。
(硬化2)の場合も、(硬化3)の場合も、温度が100℃未満であると、十分な硬化が得られず、300℃を超えると、樹脂の変質を生じるといった問題がある。
この外部電極膜5を形成した短冊状基板をチップ抵抗器の形状となるように分割(抵抗器形状への分割)し、最後に、実装時の半田付け性を向上させるために外部電極膜5、抵抗体膜4を覆う形にメッキを施し端子部9を形成する。一般にはニッケルメッキ膜6を形成し、その上に錫メッキ膜7が施され、チップ抵抗器となる。
以下、実施例を用いて本発明を説明する。
金属箔として、銅55mass%、ニッケル44mass%、鉄1mass%の成分組成の厚み23μm(実施例1)、13μm(実施例2)の2種類の金属箔を用いた。この金属箔を幅50mm、長さ60mm、厚み0.28mmの1005型チップ抵抗器用のスリット形成済みアルミナ基板面上に、熱硬化性液状エポキシ樹脂を250メッシュスクリーンで約40μmの厚みに印刷する。その印刷面にアルミナ基板と同じ大きさに切断した金属箔を均一に貼った。この際にゴムローラーで箔の上から圧力を付与して、貼り付け面の気泡を除去した。貼り付け後、ボックス炉を用いて150℃、30分間の加熱により、エポキシ樹脂を硬化させて、金属箔をアルミナ基板にしっかりと固着させた。
次に、YAGレーザートリミング装置を用いて、パワー3W、Qレイト3kHz、トリミングスピード20mm/sの作業条件で、アルミナ基板のスリットに沿って金属箔を、長さ1.0mm、幅0.5mmのサイズに分割した。
尚、実施例3として、初期抵抗値の約4倍の抵抗値に調整した厚み13μmの金属箔も用意した。この際のトリミング条件は金属箔の分割時と同条件である。
次に分割した金属箔の両端部から0.3mmずつを端子部の形成部位として残して、抵抗体保護膜となる熱硬化性絶縁樹脂ペーストの熱硬化性エポキシ樹脂を、幅0.4mmでチップ抵抗器の長さ方向に印刷した。印刷後、150℃で30分間の硬化条件でボックス炉で硬化処理し、硬化後に分割スリットに沿って基板を中間形状の短冊状に分割した。
この短冊状基板の分割端の両側に導電性樹脂ペーストを塗布した。塗布はガラス基板表面にペーストを平らに広げ、その部分に短冊状基板の分割端をディップすることによって行った。
塗布後、150℃で30分間の条件でボックス炉により加熱し、塗布樹脂を硬化させて、外部電極膜を形成した。外部電極膜形成後、短冊状基板を抵抗体形状に分割する。最後に外部電極膜を覆うように、バレルメッキ法を用いてニッケルメッキ膜、続いて錫メッキ膜を施して端子部を形成してチップ抵抗器を作製した。ニッケルメッキ膜は約10μm、錫メッキ膜は約2μmの厚みである。
作製した実施例1、2、3のチップ抵抗器のTCRを測定した。25℃を基準に低温は−55℃、高温は125℃の抵抗値を測定することにより、TCRは単位温度当りの抵抗値変化率として算出した。前者をCold TCR、後者をHot TCRとし、測定結果を表1に、使用した金属箔の形態と共に示す。
表1から明らかなように、本実施例のチップ抵抗器は、50mΩ〜1Ωの抵抗値を示す中で、−5から+15ppm/℃という非常に良好なTCR特性が得られていることがわかる。
本発明のチップ抵抗器の一実施態様を示す模式断面図である。 本発明のチップ抵抗器の製造方法を示すフロー図である。 従来のチップ抵抗器の模式断面図である。
符号の説明
1 電気絶縁性基板
2 接着層
3、23 抵抗体膜
4 抵抗体保護膜(絶縁体膜)
5、25 外部電極膜
6、26 ニッケルメッキ膜
7、27 錫メッキ膜
8 金属箔付き電気絶縁性基板
9 端子部
10、20 チップ抵抗器
21 セラミック基板
24 抵抗体保護膜
28 内部電極膜
29 保護膜

Claims (5)

  1. 低抵抗チップ抵抗器であって、
    セラミック製電気絶縁性基板と、
    前記セラミック製電気絶縁性基板の表面に接着層を介して設けられる、厚み50μm以下で、銅を30mass%以上80mass%以下含む銅−ニッケル系合金、又はニッケルを50mass%以上含むニッケル−クロム系合金の金属箔からなる抵抗体膜と、
    前記チップ抵抗器の端子部の形成領域を除いて、前記抵抗体膜を保護するように被覆される抵抗体保護膜と、
    前記抵抗体保護膜による前記抵抗体膜の未被覆部の一部及び前記電気絶縁性基板の両端部に設けられる外部電極膜と、前記抵抗体保護膜による前記抵抗体膜の未被覆部の残部及び前記外部電極膜上に設けられるニッケルメッキ膜と、前記ニッケルメッキ膜上に設けられる錫メッキ膜とから構成される端子部とからなることを特徴とする低抵抗チップ抵抗器。
  2. 前記接着層が、熱硬化性樹脂、或いは前記熱硬化性樹脂に対して5mass%以上、60mass%以下の熱伝導性と電気絶縁性に優れる無機粉末を含む無機粉末含有熱硬化性樹脂であることを特徴とする請求項1記載のチップ抵抗器。
  3. 分割スリットを表面に有する電気絶縁性基板の表面に、接着剤を介して厚み50μm以下の抵抗体膜となる、銅を30mass%以上80mass%以下含む銅−ニッケル系合金、又はニッケルを50mass%以上含むニッケル−クロム系合金の金属箔を接着して金属箔付き電気絶縁性基板を形成する工程と、前記金属箔を前記分割スリットに沿って分割する工程と、分割した前記金属箔の端子部の形成領域を除いた前記金属箔面上に絶縁性熱硬化型樹脂ペーストを印刷し、加熱硬化させて抵抗体保護膜を形成する工程と、外部電極となる基板端面が外部に露出するように前記分割スリットに沿って、前記金属箔付き電気絶縁性基板を中間形状に分割する工程と、中間形状に分割した前記金属箔付き電気絶縁性基板の基板端面における前記金属箔の外部電極膜の形成領域に導電性を有する導電性フィラー含有熱硬化型樹脂ペーストを塗布し、加熱硬化させて外部電極膜を形成する工程と、所定チップ抵抗器形状に分割する工程と、前記外部電極膜上及び前記金属箔の端子部形成領域にニッケルめっき膜、錫めっき膜の順に被覆して端子部を形成する工程と、からなる製造方法によって作られることを特徴とする低抵抗チップ抵抗器。
  4. 抵抗体として、厚みが50μm以下で、銅を30mass%以上80mass%以下含む銅−ニッケル系合金、又はニッケルを50mass%以上含むニッケル−クロム系合金の金属箔を用いた低抵抗チップ抵抗器であって、外形が略直方体であり、下面と左右側面中央部に電気絶縁性基板が露出しており、上面中央部に抵抗体保護膜が露出しており、当該各面の前後端部および前後側面が錫めっき膜に被覆されていることを特徴とする低抵抗チップ抵抗器。
  5. 低抵抗チップ抵抗器の製造方法であって、
    分割スリットを表面に有する電気絶縁性基板の表面に、接着剤を介して厚み50μm以下の抵抗体膜となる、銅を30mass%以上80mass%以下含む銅−ニッケル系合金、又はニッケルを50mass%以上含むニッケル−クロム系合金の金属箔を接着して金属箔付き電気絶縁性基板を形成する工程と、
    前記金属箔を前記分割スリットに沿って分割する工程と、
    前記分割した前記金属箔の端子部の形成領域を除いた前記金属箔面上に絶縁性熱硬化型樹脂ペーストを印刷し、加熱硬化させて抵抗体保護膜を形成する工程と、
    前記端子部を構成する外部電極膜となる基板端面が外部に露出するように前記分割スリットに沿って、前記金属箔付き電気絶縁性基板を中間形状に分割する工程と、
    中間形状に分割した前記金属箔付き電気絶縁性基板の基板端面における前記金属箔の外部電極膜の形成領域に導電性を有する導電性フィラー含有熱硬化型樹脂ペーストを塗布し、加熱硬化させて外部電極膜を形成する工程と、
    所定チップ抵抗器形状に分割する工程と、
    前記外部電極膜上及び前記金属箔の端子部形成領域にニッケルめっき膜を設ける工程と、
    前記ニッケルメッキ膜上に錫めっき膜を設けて端子部を形成する工程と、
    からなることを特徴とする低抵抗チップ抵抗器の製造方法。
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