JP2022012055A - 抵抗器 - Google Patents

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瑛人 後藤
Akito Goto
光明 中尾
Mitsuaki Nakao
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Abstract

【課題】信頼性の低下を抑制する。【解決手段】抵抗器1は、基板11と、抵抗体12と、ガラス保護膜14と、樹脂保護膜15と、絶縁保護膜16と、を備える。抵抗体12は、基板11の上面111上に形成されている。ガラス保護膜14は、抵抗体12の少なくとも一部を覆う。樹脂保護膜15は、ガラス保護膜14の少なくとも一部を覆う。絶縁保護膜16は、電気絶縁性を有し、ガラス保護膜14と樹脂保護膜15との間に介在する。【選択図】図1

Description

本開示は、一般に抵抗器に関し、より詳細には、保護膜を備える抵抗器に関する。
特許文献1には、金属薄膜抵抗体を用いたチップ抵抗器が記載されている。特許文献1に記載のチップ抵抗器は、基板と、基板上に形成された抵抗体と、抵抗体と接続された一対の電極と、少なくとも一対の電極間における抵抗体を覆う保護膜(ガラス保護膜)と、一対の電極間を覆うオーバーコート膜(樹脂保護膜)と、を備える。保護膜は、窒化シリコンからなる第1の保護膜と、酸化シリコンからなる第2の保護膜と、を含む。オーバーコート膜は、樹脂製の保護膜である。
特開2017-135234号公報
特許文献1に記載のような抵抗器では、信頼性が低下する可能性があった。
本開示の目的は、信頼性の低下を抑制することが可能な抵抗器を提供することにある。
本開示の一態様に係る抵抗器は、基板と、抵抗体と、ガラス保護膜と、樹脂保護膜と、絶縁保護膜と、を備える。前記抵抗体は、前記基板の一面上に形成されている。前記ガラス保護膜は、前記抵抗体の少なくとも一部を覆う。前記樹脂保護膜は、前記ガラス保護膜の少なくとも一部を覆う。前記絶縁保護膜は、電気絶縁性を有し、前記ガラス保護膜と前記樹脂保護膜との間に介在する。
本開示によれば、信頼性の低下を抑制することが可能となる。
図1は、実施形態に係る抵抗器の断面図である。 図2Aは、同上の抵抗器を構成する基板を含む第1基板の模式図である。図2Bは、同上の抵抗器を構成する基板を含む第2基板の模式図である。図2Cは、同上の抵抗器を構成する第3基板の模式図である。 図3は、同上の抵抗器の製造方法を示すフローチャートである。 図4A~図4Hは、同上の抵抗器の製造方法を示す模式図である。
以下、実施形態に係る抵抗器について、図面を参照して説明する。ただし、以下に説明する実施形態及び変形例は、本開示の一例に過ぎず、本開示は、下記の実施形態及び変形例に限定されない。下記の実施形態及び変形例以外であっても、本開示の技術的思想を逸脱しない範囲であれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。
以下では、図1に示す向きにおいて、「上」、「下」、「左」、「右」の各方向を規定する。すなわち、実施形態に係る抵抗器1では、基板11の厚さ方向D1が上下方向であり、基板11の上面111上に形成されている一対の上面電極13が並ぶ方向が左右方向である。ただし、これらの方向は抵抗器1の使用方向を規定する趣旨ではない。また、図面中の各方向を示す矢印は説明のために表記しているに過ぎず、実体を伴わない。
また、図1、図2A~図2C、図4A~図4Hは、いずれも模式的な図であり、各図中の各構成要素の大きさ及び厚さそれぞれの比が、必ずしも実際の寸法比を反映しているとは限らない。
(実施形態)
実施形態に係る抵抗器1について、図1~図4を参照して説明する。
(1)抵抗器の概要
まず、本実施形態に係る抵抗器1の概要について、図1を参照して説明する。
本実施形態に係る抵抗器1は、例えば、表面実装機(マウンタ)を用いて、プリント基板の表面(実装面)に実装される表面実装(SMT:Surface Mount Technology)用のチップ抵抗器である。本実施形態では一例として、抵抗器1は薄膜チップ抵抗器である。
本実施形態に係る抵抗器1は、図1に示すように、基板11と、抵抗体12と、ガラス保護膜14と、樹脂保護膜15と、絶縁保護膜16と、を備える。抵抗体12は、基板11の上面(一面)111上に形成されている。ガラス保護膜14は、抵抗体12の少なくとも一部を覆う。樹脂保護膜15は、ガラス保護膜14の少なくとも一部を覆う。絶縁保護膜16は、電気絶縁性を有し、ガラス保護膜14と樹脂保護膜15との間に介在する。
本実施形態に係る抵抗器1では、上述したように、ガラス保護膜14と樹脂保護膜15との間に、電気絶縁性を有する絶縁保護膜16を介在させている。そのため、例えば、高温環境下で使用される場合でも、ガラス保護膜14と樹脂保護膜15との密着性の低下を抑制することが可能となる。したがって、本実施形態に係る抵抗器1によれば、抵抗器1の信頼性の低下を抑制することが可能となる。
(2)抵抗器の構成
次に、本実施形態に係る抵抗器1の構成について、図1を参照して説明する。
本実施形態に係る抵抗器1は、図1に示すように、基板11と、抵抗体12と、ガラス保護膜14と、樹脂保護膜15と、絶縁保護膜16と、を備える。また、本実施形態に係る抵抗器1は、一対の上面電極13と、一対の下面電極(裏面電極)18と、一対の第1めっき層19と、一対の第2めっき層20と、を更に備える。
(2.1)基板
基板(絶縁基板)11は、例えば、Al(アルミナ)を含有するアルミナ基板である。基板11は、基板11の厚さ方向D1(上下方向)から見た形状が左右方向に長い矩形状である。基板11は、上面(一面)111、下面112及び側面113を有する。上面111及び下面112は、基板11の厚さ方向D1(上下方向)において互いに対向している。側面113は、上面111及び下面112と交差(直交)している。すなわち、側面113は、基板11の厚さ方向D1に沿っている。
(2.2)抵抗体
抵抗体12は、例えば、ガラス-ルテニウム系ペーストからなり、基板11の上面111における中央部に形成されている。すなわち、抵抗体12は、基板11の上面111上に形成されている。抵抗体12は、例えば、スクリーン印刷によって基板11の上面111に形成(成膜)される。本実施形態では、抵抗体12は、上下方向から見た形状が矩形状であるが、抵抗値に合わせて任意の形状が可能である。抵抗体12の抵抗値は、例えば、レーザートリミングによって所望の抵抗値に調整することが可能である。
(2.3)上面電極
一対の上面電極13は、例えば、Ag系合金からなり、基板11の上面111における左右方向の両端部に形成されている。すなわち、一対の上面電極13は、基板11の上面111上に形成されている。一対の上面電極13は、例えば、スクリーン印刷によって基板11の上面111に形成(成膜)される。本実施形態では、一対の上面電極13の各々は、上下方向から見た形状が矩形状であるが、例えば、円形状、三角形状等であってもよい。
(2.4)ガラス保護膜
ガラス保護膜14は、抵抗体12を保護するための膜である。ガラス保護膜14は、抵抗体12の少なくとも一部を覆う。本実施形態では、ガラス保護膜14は、抵抗体12の全域(全体)を覆っている。ガラス保護膜14は、例えば、酸化鉛ガラスからなる。ガラス保護膜14は、例えば、スクリーン印刷によって抵抗体12の全域を覆うように形成(成膜)される。本実施形態では、ガラス保護膜14は、上下方向から見た形状が矩形状であるが、抵抗体12の形状に合わせて任意の形状が可能である。なお、ガラス保護膜14は、酸化鉛ガラスに限らず、例えば、ケイ酸化ガラスであってもよい。
(2.5)樹脂保護膜
樹脂保護膜15は、例えば、エポキシ樹脂からなり、ガラス保護膜14の少なくとも一部を覆うように形成されている。本実施形態では、樹脂保護膜15は、ガラス保護膜14の全域(全体)を覆っている。樹脂保護膜15は、例えば、スクリーン印刷にてエポキシ樹脂を塗布した後、エポキシ樹脂を熱硬化させることにより形成(成膜)される。本実施形態では、樹脂保護膜15は、上下方向から見た形状が左右方向に長い矩形状であるが、抵抗体12及び一対の上面電極13の形状に合わせて任意の形状が可能である。
(2.6)絶縁保護膜
絶縁保護膜16は、例えば、Alを含む。すなわち、絶縁保護膜16は、無機材料を含む。無機材料は、アルミ酸化物を主成分とする材料である。要するに、絶縁保護膜16は、電気絶縁性を有する。絶縁保護膜16は、ガラス保護膜14と樹脂保護膜15との間に介在する。本実施形態では、絶縁保護膜16は、ガラス保護膜14及び樹脂保護膜15のいずれよりも薄い。そして、絶縁保護膜16は、図1に示すように、ガラス保護膜14と樹脂保護膜15とを全域に亘って分離している。
本実施形態では、絶縁保護膜16は、スパッタ膜である。ここでいう「スパッタ膜」とは、スパッタリングによって形成される膜をいう。すなわち、絶縁保護膜16は、スパッタリングによって、ガラス保護膜14の全域(全体)を覆うように形成(成膜)される。このように、絶縁保護膜16がスパッタ膜であれば、加熱処理が不要であるため、抵抗器1の電気特性に影響を及ぼしにくいという利点がある。
(2.7)下面電極
一対の下面電極(裏面電極)18は、例えば、Ag系材料からなる。一対の下面電極18は、基板11の下面112における左右方向の両端部に形成されている。一対の下面電極18は、例えば、スクリーン印刷にて形成(成膜)される。一対の下面電極18は、一対の上面電極13と一対一に対応している。
(2.8)端面電極
一対の端面電極17は、例えば、CuNiからなり、基板11の左右方向の両側面113に形成されている。一対の端面電極17の各々は、例えば、スパッタ膜である。すなわち、一対の端面電極17は、スパッタリングによって基板11の左右方向の両側面113に形成(成膜)される。一対の端面電極17の各々は、一対の上面電極13のうち対応する上面電極13と、一対の下面電極18のうち対応する下面電極18と、を電気的に接続する。なお、端面電極17の材料は、CuNiに限らず、Cu系合金であれば他の化合物であってもよい。
本実施形態では、一対の端面電極17の各々は、基板11の側面113だけでなく、一対の上面電極13のうち対応する上面電極13の側面、及び一対の下面電極18のうち対応する下面電極18の側面を覆っている。
(2.9)第1めっき層
一対の第1めっき層19は、例えば、ニッケル(Ni)めっきからなる。一対の第1めっき層19は、基板11の左右方向の両端部において、一対の端面電極17を覆っている。また、一対の第1めっき層19は、更に、一対の上面電極13のうち対応する上面電極13の上面の一部、並びに、一対の下面電極18のうち対応する下面電極18の下面及び右側面を覆っている。さらに、一対の第1めっき層19は、樹脂保護膜15の表面に接触している。
ここで、本実施形態では、上述したように、一対の端面電極17の各々はスパッタ膜である。したがって、樹脂保護膜15と第1めっき層19との密着性を向上させることが可能となる。
(2.10)第2めっき層
一対の第2めっき層20は、例えば、スズ(Sn)めっきからなる。一対の第2めっき層20は、基板11の左右方向の両端部において、一対の第1めっき層19を覆っている。また、一対の第2めっき層20は、樹脂保護膜15の表面に接触している。すなわち、本実施形態に係る抵抗器1では、一対の上面電極13の各々の一部分が樹脂保護膜15で覆われていると共に、一対の上面電極13の各々の残りの部分が第1めっき層19及び第2めっき層20で覆われている。
(3)抵抗器の製造方法
次に、本実施形態に係る抵抗器1の製造方法について、図2~図4を参照して説明する。
本実施形態に係る抵抗器1の製造方法は、図3に示すように、第1工程P1と、第2工程P2と、第3工程P3と、を含む。第1工程P1は、シート状の第1基板100(図2A参照)に対してS1~S8の処理を実行する工程である。第2工程P2は、シート状の第1基板100から分割された短冊状の第2基板200(図2B参照)に対してS9,S10の処理を実行する工程である。第3工程P3は、短冊状の第2基板200から分割された個片の第3基板300(図2C参照)に対してS11,S12の処理を実行する工程である。以下、第1工程P1、第2工程P2、及び第3工程P3の各々について説明する。本実施形態では、個片の第3基板300が、上述した基板11である。
なお、図4A~図4Fでは、第3基板300としての基板11に分割された状態で図示しているが、実際には、図2Aに示す状態で各処理が実行される。また、図4Gでは、第3基板300としての基板11に分割された状態で図示しているが、実際には、図2Bに示す状態で各処理が実行される。
(3.1)第1工程
まず、第1基板100の下面(裏面)102に下面電極(裏面電極)18を形成する(図3のS1)。第1基板100は、図2Aに示すように、複数個の第3基板300がマトリクス状に配置された大きさの基板である。第1基板100は、基板11と同様、アルミナ基板である。処理S1では、第1基板100の下面102に対してスクリーン印刷にてAg系材料ペーストを塗布した後、焼成することにより、第1基板100の下面102に下面電極18が形成される。
次に、第1基板100の上面101に上面電極13を形成する(図3のS2)。処理S2では、第1基板100の上面101に対してスクリーン印刷にてAg系合金のペーストを塗布した後、焼成することにより、第1基板100の上面101に上面電極13が形成される(図4A参照)。
次に、第1基板100の上面101に抵抗体12を形成する(図3のS3)。処理S3では、第1基板100の上面101に対してガラス-ルテニウム系ペーストを塗布した後、焼成することにより、第1基板100の上面101に抵抗体12が形成される(図4B参照)。
次に、抵抗体12上にガラス保護膜14を形成する(図3のS4)。処理S4では、抵抗体12を覆うように、スクリーン印刷にて酸化鉛ガラスのペーストを塗布した後、焼成することにより、抵抗体12上にガラス保護膜14が形成される(図4C参照)。
次に、ガラス保護膜14上に絶縁保護膜16を形成する(図3のS5)。処理S5では、ガラス保護膜14に対してスパッタリングを行うことにより、ガラス保護膜14上に絶縁保護膜16が形成される(図4D参照)。このとき、例えば、ガラス保護膜14以外の領域をメタルマスクにてマスキングし、ガラス保護膜14上のみに絶縁保護膜16が形成されるようにスパッタリングを行う。
次に、抵抗体12の抵抗値を調整する(図3のS6)。処理S6では、例えば、レーザートリミングにて抵抗体12の一部にトリミング溝121を形成する(図4E参照)。このトリミング溝121の大きさを変えることにより、抵抗体12の抵抗値を調整することが可能となる。
次に、絶縁保護膜16上に樹脂保護膜15を形成する(図3のS7)。処理S7では、絶縁保護膜16を覆うように、スクリーン印刷にてエポキシ樹脂を塗布した後、例えば、220℃程度でエポキシ樹脂を熱硬化させることにより、絶縁保護膜16上に樹脂保護膜15が形成される(図4F参照)。
上述の処理S1~S7を実行した後、第1工程P1では、第1基板100を複数の第2基板200に分割する(図3のS8)。第2基板200は、図2Bに示すように、複数個の第3基板300が一方向(図2Bの左右方向)に配置された大きさの基板である。処理S8においては、ダイシングにて第1基板100を複数の第2基板200に分割してもよいし、第1基板100にスリットを設けてこのスリットに沿って複数の第2基板200に分割してもよい。
(3.2)第2工程
まず、第2基板200の両端面201に一対の端面電極17を形成する(図3のS9)。処理S9では、第2基板200の端面201に対してスパッタリングを行うことにより、第2基板200の端面201に端面電極17が形成される(図4G参照)。
上述の処理S9を実行した後、第2工程P2では、第2基板200を複数の第3基板300に分割する(図3のS10)。第3基板300は、上述したように、基板11である。この場合においても、ダイシングにて第2基板200を複数の第3基板300に分割してもよいし、第2基板200にスリットを設けてこのスリットに沿って複数の第3基板300に分割してもよい。
(3.3)第3工程
まず、第3基板300の各端面301に形成されている端面電極17上に第1めっき層19を形成する(図3のS11)。第1めっき層19は、上述したように、ニッケルめっきを含む。処理11では、第3基板300の端面301に形成されている端面電極17に対してニッケルめっきを塗布することにより、端面電極17上に第1めっき層19が形成される(図4H参照)。
次に、第1めっき層19上に第2めっき層20を形成する(図3のS12)。第2めっき層20は、上述したように、スズめっきを含む。処理12では、第1めっき層19に対してスズめっきを塗布することにより、第1めっき層19上に第2めっき層20が形成される。
(4)抵抗器の特性
次に、本実施形態に係る抵抗器1の特性について説明する。
本実施形態に係る抵抗器1では、上述したように、ガラス保護膜14は酸化鉛ガラスからなり、ガラス保護膜14の熱膨張率は、例えば、7.2×10-6/℃である。また、樹脂保護膜15は、上述したように、エポキシ樹脂からなり、樹脂保護膜15の熱膨張率は、例えば、21×10-6/℃である。さらに、絶縁保護膜16は、上述したように、Alを含み、絶縁保護膜16の熱膨張率は、例えば、7.6×10-6/℃である。すなわち、絶縁保護膜16は、ガラス保護膜14と樹脂保護膜15との間の熱膨張率を有する。
上述した従来のチップ抵抗器のように、ガラス保護膜14に相当する保護膜と樹脂保護膜15に相当するオーバーコート膜とが直接的に接触している場合、両者の熱膨張率の差が大きいことから、熱衝撃の大きい環境下では、保護膜とオーバーコート膜とが剥離する可能性がある。これにより、チップ抵抗器の電気特性に影響を及ぼす可能性があるため、チップ抵抗器の信頼性が低下する可能性がある。
これに対して、本実施形態に係る抵抗器1では、ガラス保護膜14と樹脂保護膜15との間に絶縁保護膜16を介在させている。さらに、本実施形態に係る抵抗器1では、ガラス保護膜14と樹脂保護膜15とを全域に亘って分離させている。そのため、従来のチップ抵抗器のように、ガラス保護膜14と樹脂保護膜15との間に絶縁保護膜16を介在させない場合に比べて、ガラス保護膜14と樹脂保護膜15との剥離を低減することが可能となる。その結果、抵抗器1の電気特性に影響を及ぼす可能性を低減することが可能となり、抵抗器1の信頼性の低下を抑制することが可能となる。
ここで、本実施形態では、絶縁保護膜16の熱膨張率が、ガラス保護膜14の熱膨張率に近い値であるが、絶縁保護膜16の熱膨張率は、ガラス保護膜14の熱膨張率と樹脂保護膜15の熱膨張率との間の値であればよい。したがって、絶縁保護膜16の熱膨張率は、ガラス保護膜14の熱膨張率と樹脂保護膜15の熱膨張率との中間の値(例えば、14×10-6/℃程度)であってもよいし、樹脂保護膜15の熱膨張率に近い値(例えば、20×10-6/℃程度)であってもよい。
(5)変形例
上述の実施形態は、本開示の様々な実施形態の一つに過ぎない。上述の実施形態は、本開示の目的を達成できれば、設計等に応じて種々の変更が可能である。以下、上述の実施形態の変形例を列挙する。以下に説明する変形例は、適宜組み合わせて適用可能である。
上述の実施形態では、抵抗器1が薄膜チップ抵抗器であるが、これに限らない。抵抗器1は、例えば、厚膜チップ抵抗器であってもよい。
上述の実施形態では、抵抗器1は、表面実装用の抵抗器であるが、これに限らない。抵抗器1は、例えば、スルーホール実装(THT:Through-hole Technology)用の抵抗器であってもよい。
上述の実施形態では、ガラス保護膜14は、抵抗体12の全域を覆っているが、抵抗体12の少なくとも一部を覆っていればよい。
上述の実施形態では、樹脂保護膜15は、ガラス保護膜14の全域を覆っているが、ガラス保護膜14の少なくとも一部を覆っていればよい。
上述の実施形態では、絶縁保護膜16がガラス保護膜14と樹脂保護膜15とを全域に亘って分離しているが、これに限らない。絶縁保護膜16は、少なくとも一部においてガラス保護膜14と樹脂保護膜15とを分離していればよい。
上述の実施形態では、絶縁保護膜16は、スパッタリングによって形成されたスパッタ膜であるが、これに限らない。絶縁保護膜16は、例えば、スクリーン印刷によって形成されてもよい。
上述の実施形態では、端面電極17は、スパッタリングによって形成されたスパッタ膜であるが、これに限らない。端面電極17は、例えば、スクリーン印刷によって形成されてもよい。
上述の実施形態では、絶縁保護膜16は、ガラス保護膜14及び樹脂保護膜15のいずれよりも薄いが、抵抗器1の電気特性に影響を及ぼさない厚さであれば、ガラス保護膜14及び樹脂保護膜15の少なくとも一方よりも厚くてもよい。
上述の実施形態では、絶縁保護膜16が1枚であるが、絶縁保護膜16は複数枚であってもよい。
(まとめ)
以上説明したように、第1の態様に係る抵抗器(1)は、基板(11)と、抵抗体(12)と、ガラス保護膜(14)と、樹脂保護膜(15)と、絶縁保護膜(16)と、を備える。抵抗体(12)は、基板(11)の一面(111)上に形成されている。ガラス保護膜(14)は、抵抗体(12)の少なくとも一部を覆う。樹脂保護膜(15)は、ガラス保護膜(14)の少なくとも一部を覆う。絶縁保護膜(16)は、電気絶縁性を有し、ガラス保護膜(14)と樹脂保護膜(15)との間に介在する。
この態様によれば、信頼性の低下を抑制することが可能となる。
第2の態様に係る抵抗器(1)では、第1の態様において、絶縁保護膜(16)は、無機材料を含む。
この態様によれば、ガラス保護膜(14)と樹脂保護膜(15)との密着性を向上させることが可能となる。
第3の態様に係る抵抗器(1)では、第2の態様において、無機材料は、アルミ酸化物を主成分とする材料である。
この態様によれば、ガラス保護膜(14)と樹脂保護膜(15)との密着性を向上させることが可能となる。
第4の態様に係る抵抗器(1)では、第1~第3の態様のいずれか1つにおいて、絶縁保護膜(16)は、ガラス保護膜(14)及び樹脂保護膜(15)のいずれよりも薄い。
この態様によれば、抵抗器(1)の電気特性に影響を及ぼしにくいという利点がある。
第5の態様に係る抵抗器(1)では、第1~第4の態様のいずれか1つにおいて、絶縁保護膜(16)は、ガラス保護膜(14)と樹脂保護膜(15)とを全域に亘って分離している。
この態様によれば、ガラス保護膜(14)と樹脂保護膜(15)とが一部で接触している場合に比べて、ガラス保護膜(14)と樹脂保護膜(15)との密着性を更に向上させることが可能となる。
第6の態様に係る抵抗器(1)では、第1~第5の態様のいずれか1つにおいて、絶縁保護膜(16)は、ガラス保護膜(14)と樹脂保護膜(15)との間の熱膨張率を有する。
この態様によれば、ガラス保護膜(14)と樹脂保護膜(15)との密着性を向上させることが可能となる。
第7の態様に係る抵抗器(1)では、第1~第6の態様のいずれか1つにおいて、絶縁保護膜(16)は、スパッタ膜である。
この態様によれば、抵抗器(1)の電気特性に影響を及ぼしにくいという利点がある。
第2~第7の態様に係る構成については、抵抗器(1)に必須の構成ではなく、適宜省略可能である。
1 抵抗器
11 基板
12 抵抗体
14 ガラス保護膜
15 樹脂保護膜
16 絶縁保護膜
111 上面(一面)

Claims (7)

  1. 基板と、
    前記基板の一面上に形成されている抵抗体と、
    前記抵抗体の少なくとも一部を覆うガラス保護膜と、
    前記ガラス保護膜の少なくとも一部を覆う樹脂保護膜と、
    電気絶縁性を有し、前記ガラス保護膜と前記樹脂保護膜との間に介在する絶縁保護膜と、を備える、
    抵抗器。
  2. 前記絶縁保護膜は、無機材料を含む、
    請求項1に記載の抵抗器。
  3. 前記無機材料は、アルミ酸化物を主成分とする材料である、
    請求項2に記載の抵抗器。
  4. 前記絶縁保護膜は、前記ガラス保護膜及び前記樹脂保護膜のいずれよりも薄い、
    請求項1~3のいずれか1項に記載の抵抗器。
  5. 前記絶縁保護膜は、前記ガラス保護膜と前記樹脂保護膜とを全域に亘って分離している、
    請求項1~4のいずれか1項に記載の抵抗器。
  6. 前記絶縁保護膜は、前記ガラス保護膜と前記樹脂保護膜との間の熱膨張率を有する、
    請求項1~5のいずれか1項に記載の抵抗器。
  7. 前記絶縁保護膜は、スパッタ膜である、
    請求項1~6のいずれか1項に記載の抵抗器。
JP2020113588A 2020-06-30 2020-06-30 抵抗器 Pending JP2022012055A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2023149034A1 (ja) * 2022-02-04 2023-08-10 Koa株式会社 チップ抵抗器

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