JP2008231289A - 繊維強化成形基材の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】連続した強化繊維束とポリアリーレンスルフィドからなる繊維強化成形基材を、容易に、生産性よく製造する方法を提供する。
【解決手段】連続した強化繊維束を引き出し、連続的に供給する工程(I)、該強化繊維束に環式ポリアリーレンスルフィドを複合化する工程(II)、該工程(II)で得られた強化繊維束と環式ポリアリーレンスルフィドからなる複合体を200〜450℃に加熱して、該環式ポリアリーレンスルフィドをポリアリーレンスルフィドに開環重合させる工程(III)、および該工程(III)で得られた複合体を冷却し、引き取る工程(IV)を有してからなる繊維強化成形基材の製造方法であって、該工程(II)で複合化される環式ポリアリーレンスルフィドの重量平均分子量が5,000未満であり、かつ該工程(III)で、開環重合させた後のポリアリーレンスルフィドの重量平均分子量が5,000以上である、繊維強化成形基材の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、ポリアリーレンスルフィドを用いた繊維強化成形基材の製造方法に関する。さらに詳しくは、環式ポリアリーレンスルフィドを連続した強化繊維束と複合化した後、開環重合させることで、プリプレグ、セミプレグ、ファブリックなどの成形基材を容易に、生産性よく製造することができる。
連続した強化繊維束とマトリックス樹脂からなる繊維強化複合材料は、軽量で優れた力学特性を有し、スポーツ用品用途、航空宇宙用途および一般産業用途などに広く用いられている。とりわけ強化繊維に炭素繊維を用いた複合材料(CFRP)は、金属材料を上回る比強度、比剛性を有し、宇宙航空用途を中心に使用量が増大してきている。これまで強化繊維束への含浸性の良さから、マトリックス樹脂には熱硬化性樹脂が好んで用いられてきた。熱可塑性樹脂は高分子量体であり、熱硬化性樹脂に比べて粘度が高く、またプロセス温度もより高温を必要とするため、繊維強化成形基材を容易に、生産性よく製造することには不向きであった。
しかしながら、近年になり、熱可塑性樹脂をマトリックス樹脂とする複合材料は、成形時間を短くするには有効であり、また得られる成形品はリサイクルに有利であり、熱接着、熱矯正などの後加工性に優れることから、各用途で注目されている。熱可塑性樹脂の中でもポリアリーレンスルフィドは弾性率、耐熱性が高く、流動性にも優れており、かつ成形品の力学特性を高める観点から繊維強化複合材料に好適に使用できる。そこで、連続した強化繊維束とポリアリーレンスルフィドからなる繊維強化成形基材をより経済的に生産性よく製造する方法が求められている。
連続した強化繊維束と熱可塑性樹脂からなる繊維強化成形基材を製造する方法としては、例えばシ−ト状の強化繊維束の裏表に結晶性熱可塑性樹脂フィルムを配置して、樹脂の融点より150℃も高い温度で、5〜30kg/cm(約0.5〜3MPa)の圧力で加圧して、熱可塑性樹脂を強化繊維束に含浸させる方法が提案されている(特許文献1参照)。しかしながら、この方法では、熱可塑性樹脂の含浸に過酷な温度を必要とするため、樹脂の熱分解を引き起こすために成形品の特性を十分に高めることができず、成形基材を経済的に生産性よく製造するのは困難である。
また、連続した強化繊維束に熱可塑性樹脂を容易に含浸させるために、低分子量の熱可塑性樹脂を含浸させた後に、高分子量の熱可塑性樹脂で一体化する成形材料の製造方法が提案されている(特許文献2参照)。しかしながら、この方法は、低分子量の熱可塑性樹脂を用いると含浸性は満足するものの、一方で、成形材料の取扱い性は不十分であり、かつ成形品の特性を十分に高めることは困難であるといった課題を提示するものである。
このように、連続した強化繊維束へポリアリーレンスルフィドからなる繊維強化成形基材を、容易に、生産性よく製造する方法が十分に提案されていないのが現状である。
特開平8−118489号公報 特開平10−138379号公報
本発明は、かかる従来技術の問題点の改善を試み、連続した強化繊維束とポリアリーレンスルフィドからなる繊維強化成形基材を、容易に、生産性よく製造する方法を提供することを目的とする。
かかる問題点を解決するための本発明は、以下の構成からなる。すなわち、
(1)連続した強化繊維束を引き出し、連続的に供給する工程(I)、該強化繊維束に環式ポリアリーレンスルフィドを複合化する工程(II)、該工程(II)で得られた強化繊維束と環式ポリアリーレンスルフィドからなる複合体を200〜450℃に加熱して、該環式ポリアリーレンスルフィドをポリアリーレンスルフィドに開環重合させる工程(III)、および該工程(III)で得られた複合体を冷却し、引き取る工程(IV)を有してなる繊維強化成形基材の製造方法であって、該工程(II)で複合化される環式ポリアリーレンスルフィドの重量平均分子量が5,000未満であり、かつ該工程(III)で、開環重合させた後のポリアリーレンスルフィドの重量平均分子量が5,000以上である、繊維強化成形基材の製造方法。
(2)前記工程(I)〜(IV)がオンラインで実施されてなる、(1)に記載の繊維強化成形基材の製造方法。
(3)前記工程(I)が、強化繊維束を50〜500℃に加熱する工程を含む、(1)または(2)のいずれかに記載の繊維強化成形基材の製造方法。
(4)前記工程(II)において、強化繊維束に、前記環式ポリアリーレンスルフィドと、さらに直鎖状ポリアリーレンスルフィドとを複合化する、(1)〜(3)のいずれかに記載の繊維強化成形基材の製造方法。
(5)強化繊維束に、前記環式ポリアリーレンスルフィドと前記直鎖状ポリアリーレンスルフィドとを複合化するに際し、前記環式ポリアリーレンスルフィドと、前記直鎖状ポリアリーレンスルフィドとの混合物であって、該環式ポリアリーレンスルフィドの該混合物にしめる割合が50〜99重量%の混合物が用いられる、(4)に記載の繊維強化成形基材の製造方法。
(6)前記工程(II)が、粒子状、繊維状、フレーク状からなる群から選択される少なくとも1種の形態の環式ポリアリーレンスルフィドを気相に散布させ、該気相中に強化繊維束を通過させる工程である、(1)〜(5)のいずれかに記載の繊維強化成形基材の製造方法。
(7)前記工程(II)が、粒子状、繊維状、フレーク状からなる群から選択される少なくとも1種の形態の環式ポリアリーレンスルフィドを液相に分散または溶解させ、該液相中に強化繊維束を通過させる工程である、(1)〜(5)のいずれかに記載の繊維強化成形基材の製造方法。
(8)前記工程(II)が、前記液相中に強化繊維束を通過させた後、さらに脱液する工程を含む、(7)に記載の繊維強化成形基材の製造方法。
(9)前記液相が、エマルジョンまたはディスパージョンである、(7)に記載の繊維強化成形基材の製造方法。
(10)前記環式ポリアリーレンスルフィドが粒子状であり、かつ平均粒径が50〜300μmである、(6)または(7)に記載の繊維強化成形基材の製造方法。
(11)前記環式ポリアリーレンスルフィドが繊維状であり、かつ平均繊維径が0.5〜50μmである、(6)または(7)に記載の繊維強化成形基材の製造方法。
(12)前記工程(II)が、フィルム状、シート状、不織布状からなる群から選択される少なくとも1種の形態の環式ポリアリーレンスルフィドを、強化繊維束に接するように配置させる工程である、(1)〜(5)のいずれかに記載の繊維強化成形基材の製造方法。
(13)前記工程(II)が、環式ポリアリーレンスルフィドを加熱溶融させて強化繊維束に接するように供給する工程である、(1)〜(5)のいずれかに記載の繊維強化成形基材の製造方法。
(14)前記工程(II)が、得られた強化繊維束と環式ポリアリーレンスルフィドからなる複合体を、100〜300℃に加熱する工程を含む、(6)、(7)、(12)または(13)のいずれかに記載の繊維強化成形基材の製造方法。
(15)前記工程(II)が、さらに、0.1〜5MPaの加圧力を付与する工程を含む、(14)に記載の繊維強化成形基材の製造方法。
(16)前記工程(III)が、非酸化性雰囲気下で加熱する、(1)〜(15)のいずれかに記載の繊維強化成形基材の製造方法。
(17)前記工程(III)が、0.1〜50kPaの減圧下で加熱する、(1)〜(16)のいずれかに記載の繊維強化成形基材の製造方法。
(18)前記工程(III)が、前記強化繊維束と環式ポリアリーレンスルフィドからなる複合体を加熱させると同時に、または加熱させた後に0.5〜10MPaの加圧力を付与する、(1)〜(17)のいずれかに記載の繊維強化成形基材の製造方法。
(19)前記工程(IV)の引き取り速度が5〜100m/分である、(1)〜(18)のいずれかに記載の繊維強化成形基材の製造方法。
(20)前記繊維強化成形基材における、ポリアリーレンスルフィドと、強化繊維との重量割合(%)が10〜50:50〜90である、(1)〜(19)のいずれかに記載の繊維強化成形基材の製造方法。
(21)前記開環重合させたポリアリーレンスルフィドが、該ポリアリーレンスルフィドの総重量を基準として、前記環式ポリアリーレンスルフィドを0.1〜20重量%含有してなる、(1)〜(20)のいずれかに記載の繊維強化成形基材の製造方法。
(22)前記強化繊維束が、炭素繊維の単繊維を少なくとも10,000本含有してなる、(1)〜(21)のいずれかに記載の繊維強化成形基材の製造方法。
(23)前記繊維強化成形基材の、ポリアリーレンスルフィドの含浸率が80%以上、100%以下である、(1)〜(22)のいずれかに記載の繊維強化成形基材の製造方法。
(24)前記繊維強化成形基材の、ポリアリーレンスルフィドの含浸率が20%以上、80%未満である、(1)〜(22)のいずれかに記載の繊維強化成形基材の製造方法。
(25)前記繊維強化成形基材の、ポリアリーレンスルフィドの含浸率が0%以上、20%未満である、(1)〜(22)のいずれかに記載の繊維強化成形基材の製造方法。
本発明に製造方法によれば、連続した強化繊維束へポリアリーレンスルフィドを容易に含浸させることができるため、引き取り速度を上げるなど生産性を高めることができ、プリプレグ、セミプレグ、ファブリックなどの繊維強化成形基材の製造に好適に用いられる。
以下、本発明の繊維強化成形基材の製造方法について、具体的に説明する。
本発明の製造方法では、連続した強化繊維束と、環式ポリアリーレンスルフィドを原料として、ポリアリーレンスルフィドをマトリックス樹脂とした繊維強化成形基材を製造する。まず、各成分について説明する。
本発明で用いられる強化繊維としては、特に限定されないが、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、ボロン繊維、アルミナ繊維、鉱物繊維、炭化ケイ素繊維等が使用でき、これらの繊維を2種以上混在させることもできる。これらの中でも、軽量かつ高強度、高弾性率の成形品を得る観点から、炭素繊維を用いるのが好ましく、特に引張弾性率で200〜700GPaの炭素繊維を用いることが好ましい。
強化繊維束は、強化繊維の単糸数が多いほど経済性には有利である反面、マトリックス樹脂の含浸性には不利となる。炭素繊維束を用いる場合、経済性と含浸性の両立を図る観点から、単繊維は10,000本以上が好ましく、15,000本以上100,000本以下がより好ましく、20,000本以上50,000本以下がとりわけ好ましく使用できる。
本発明における強化繊維束の形態及び配列は、例えば、一方向に引き揃えたもの、織物(クロス)、編み物、組み紐、トウ、マット等が用いられる。中でも、積層構成によって容易に強度特性を設計可能であることから、一方向に引き揃えられたものを使用するのが好ましく、曲面にも容易に賦形できることから織物が好ましく使用される。
本発明で用いられる環式ポリアリーレンスルフィドは、−(Ar−S)−の繰り返し単位を主要構成単位とする環式化合物であり、好ましくは当該繰り返し単位を80重量%以上、より好ましくは90重量%以上、さらに好ましくは95重量%以上含有する下記式(A)のごとき化合物である。Arはアリーレン基を表し、好ましくは下記式(B)〜式(L)などであらわされる単位を例示でき、なかでも式(B)が特に好ましく、この場合、本発明の繊維強化成形基材を用いて繊維強化複合材料を製造すると、耐熱性などの特性が特に優れる材料が得られやすい。
Figure 2008231289
Figure 2008231289
(R1,R2は水素、炭素原子数1〜12のアルキル基、炭素原子数1〜12のアルコキシ基、炭素数6〜24のアリーレン基、ハロゲン基から選ばれた置換基であり、R1とR2は同一でも異なっていてもよい)
なお、環式ポリアリーレンスルフィドにおいては前記式(B)〜式(L)などの繰り返し単位をランダムに含んでも良いし、ブロックで含んでも良く、それらの混合物のいずれかであってもよい。これらの代表的なものとして、環式ポリフェニレンスルフィド(前記式(B)、式(C)、式(G)〜式(L))、環式ポリフェニレンスルフィドスルホン(前記式(E))、環式ポリフェニレンスルフィドケトン(前記式(D))、環式ポリフェニレンスルフィドエーテル(前記式(F))、これらが含まれる環式ランダム共重合体、環式ブロック共重合体及びそれらの混合物などが挙げられる。特に好ましい環式ポリアリーレンスルフィドとしては、主要構成単位としてp−フェニレンスルフィド単位を、−(Ar−S)−の繰り返し単位を主要構成単位とする環式化合物中に80重量%以上、特に90重量%以上含有する環式ポリフェニレンスルフィド(以下、環式PPSと略すこともある)が挙げられる。
また、環式ポリアリーレンスルフィドは、単一の繰り返し数を有する単独化合物、異なる繰り返し数を有する環式ポリアリーレンスルフィドの混合物のいずれでも良いが、異なる繰り返し数を有する環式ポリアリーレンスルフィドの混合物の方が単一の繰り返し数を有する単独化合物よりも溶融温度が低い傾向があり、繊維強化成形基材の経済性、生産性の観点から好ましい。
本発明における環式ポリアリーレンスルフィドの分子量は、重量平均分子量で5,000未満であり、4,000以下が好ましく、3,000以下がとりわけ好ましい。重量平均分子量が5,000以上では、強化繊維束への含浸性が低下し、本発明の目的を達成することができない場合がある。一方、重量平均分子量の下限値には、特に制限はないが、300以上が好ましく、500以上がより好ましい範囲として例示できる。なお、環式ポリアリーレンスルフィドの前記(A)式中の繰り返し数mとしては、2〜50が好ましく、2〜25がより好ましく、3〜20が更に好ましい範囲として例示できる。mが大きくなると相対的に粘度が上昇するため、mが50以上になると、Arの種類によっては環式ポリアリーレンスルフィドの溶融解温度が高くなり、強化繊維基材への含浸が困難になる場合がある。
本発明の製造方法では、前記環式ポリアリーレンスルフィドを開環重合して、最終的にはポリアリーレンスルフィドとすることを特徴とする。ここで、開環重合の過程において、直鎖状ポリアリーレンスルフィドが共存すると、ポリアリーレンスルフィドの高重合度化がより容易に達成できる観点から好ましい。ここで、直鎖状ポリアリーレンスルフィドとは、式、−(Ar−S)−の繰り返し単位を主要構成単位とする、好ましくは当該繰り返し単位を80モル%以上含有するホモオリゴマーまたはコオリゴマーである。Arとしては前記した式(B)〜式(L)などであらわされる単位などがあるが、なかでも式(B)が特に好ましい。直鎖状のポリアリーレンスルフィドオリゴマーはこれら繰り返し単位を主要構成単位とする限り、式(M)〜式(O)などで表される少量の分岐単位または架橋単位を含むことができる。これら分岐単位または架橋単位の共重合量は、−(Ar−S)−の単位1モルに対して0〜1モル%の範囲であることが好ましい。また、直鎖状のポリアリーレンスルフィドは上記繰り返し単位を含むランダム共重合体、ブロック共重合体およびそれらの混合物のいずれかであってもよい。
Figure 2008231289
これらの代表的なものとして、ポリフェニレンスルフィドオリゴマー、ポリフェニレンスルフィドスルホンオリゴマー、ポリフェニレンスルフィドケトンオリゴマー、ポリフェニレンスルフィドエーテルオリゴマー、これらのランダム共重合体、ブロック共重合体及びそれらの混合物などが挙げられる。特に好ましい直鎖状ポリアリーレンスルフィドオリゴマーとしては、ポリマーの主要構成単位としてp−フェニレンスルフィド単位を80モル%以上、特に90モル%以上含有する直鎖状ポリフェニレンスルフィドオリゴマーが挙げられる。
本発明の製造方法では、開環重合前であれば、特に制限なく、環式ポリアリーレンスルフィドと直鎖状ポリアリーレンスルフィドとを共存させることができるが、予め環式ポリアリーレンスルフィドと直鎖状ポリアリーレンスルフィドとが混合物(以下、ポリアリーレンスルフィドプレポリマーと称する)を形成していると、製造工程を簡略化できる観点から好ましい。ここで、ポリアリーレンスルフィドプレポリマーにおける、環式ポリアリーレンスルフィドの割合は、得られるポリアリーレンスルフィドの分子量を十分に高める観点から、50〜99重量%が好ましく、70〜97重量%がより好ましく、80〜95重量%がとりわけ好ましい。
本発明におけるポリアリーレンスルフィドプレポリマーを得る方法としては、例えば以下の方法が挙げられる。また、ポリアリーレンスルフィドプレポリマーの精製を繰り返し行うことで、より純度の高い環式ポリアリーレンスルフィドを得ることができる。
(1)少なくともポリハロゲン化芳香族化合物、スルフィド化剤および有機極性溶媒を含有する混合物を加熱してポリアリーレンスルフィド樹脂を重合することで、80meshふるい(目開き0.125mm)で分離される顆粒状PAS樹脂、重合で生成したPAS成分であって前記顆粒状PAS樹脂以外のPAS成分(ポリアリーレンスルフィドオリゴマーと称する)、有機極性溶媒、水、およびハロゲン化アルカリ金属塩を含む混合物を調製し、ここに含まれるポリアリーレンスルフィドオリゴマーを分離回収し、これを精製操作に処すことでポリアリーレンスルフィドプレポリマーを得る方法。
(2)少なくともポリハロゲン化芳香族化合物、スルフィド化剤および有機極性溶媒を含有する混合物を加熱してポリアリーレンスルフィド樹脂を重合して、重合終了後に公知の方法によって有機極性溶媒の除去を行い、ポリアリーレンスルフィド樹脂、水、およびハロゲン化アルカリ金属塩を含む混合物を調製し、これを公知の方法で精製することで得られるポリアリーレンスルフィドプレポリマーを含むポリアリーレンスルフィド樹脂を得て、これを実質的にポリアリーレンスルフィド樹脂は溶解しないがポリアリーレンスルフィドプレポリマーは溶解する溶剤を用いて抽出してポリアリーレンスルフィドプレポリマーを回収する方法。
本発明におけるポリアリーレンスルフィドプレポリマーには、本発明の効果を損なわない範囲内で、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、エラストマー、ゴム成分、難燃剤、無機充填材、カーボンブラックなどの導電性向上成分、結晶核剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、制振剤、抗菌剤、防虫剤、防臭剤、着色剤、顔料、染料、熱安定剤、離型剤、粘着剤、耐電防止剤、可塑剤、滑剤、発泡剤、制泡剤、カップリング材などを添加しても良い。
また本発明の製造方法で、開環重合により得られるポリアリーレンスルフィドは、式−(Ar−S)−の繰り返し単位を主要構成単位とするホモポリマーまたはコポリマーである。ポリアリーレンスルフィドの分子量は、重量平均分子量で5,000以上、好ましくは10,000以上、より好ましくは15,000以上である。重量平均分子量が5,000未満では、得られる成形品の力学特性が低下する場合がある。重量平均分子量の上限に特に制限は無いが、成形性の観点から、1,000,000以下が好ましく、より好ましくは500,000以下、とりわけ好ましくは200,000以下を例示できる。ここで、前記ポリアリーレンスルフィドおよび前記環式ポリアリーレンスルフィドの重量平均分子量は、例えば示差屈折率検出器を具備したSEC(サイズ排除クロマトグラフィー)などの公知のGPC(ゲルパーミレーションクロマトグラフィー)を使用して求めることができる。
また、繊維強化成形基材の成形加工性をより高める観点から、ポリアリーレンスルフィドには、前記環式ポリアリーレンスルフィドの一部を残存成分として含有していてもよい。環式ポリアリーレンスルフィドの含有量は、ポリアリーレンスルフィドの総重量を基準として0.1〜20重量%が好ましく、0.5〜15重量%がより好ましく、1〜10重量%がとりわけ好ましい。
次に、本発明の繊維強化成形基材の製造方法は、少なくとも以下の工程から構成される。各工程は、オフラインで実施することもできるが、経済性、生産性の面から、工程(I)〜(IV)をオンラインで実施することが好ましい。
工程(I):連続した強化繊維束を引き出し、連続的に供給する
工程(II):該強化繊維束に前記環式ポリアリーレンスルフィドを複合化する
工程(III):該工程(II)で得られた複合体を200〜450℃に加熱する
工程(IV):該工程(III)で得られた複合体を冷却し、連続的に引き取る。
ここで、工程(I)〜(IV)をオンラインで実施するとは、工程(I)〜(IV)の全てを同一の製造ラインにて連続的(例えば、図1〜3参照)ないしは間欠的に行うことを意味する。
各工程について、それぞれ説明する。
工程(I)は、前記強化繊維束を製造ラインに供給する工程である。ここで、経済性と生産性よく製造する目的から、連続的に供給することが重要となる。連続的とは、原料となる強化繊維束を完全に切断せずに供給することを意味し、供給速度は一定であってもよいし、間欠的に供給と停止を繰り返してもよい。また、繊維強化成形基材の賦形性を高める目的で、強化繊維束にスリット(切れ目)を入れるため、その一部を切断する工程を含んでもよい。
また、工程(I)では、強化繊維束を引き出し、所定の配列に配置する目的も含む。すなわち、供給される連続した強化繊維束は、ヤーン状であっても、一方向に引き揃えたシート状であっても、予め形状を付与したプリフォーム状であってもよい。具体的には、強化繊維束をクリールにかけ、繊維束を引き出し、ローラーを通過させて製造ラインに供給する方法や、同様に複数の繊維束を一列に並べて、シート状に地均しさせ、ロールバーを通過させて製造ラインに供給する方法や、また、所定の形状になるように配置された複数のロールバーを通過させて製造ラインに供給する方法などが例示できる。さらに、強化繊維束が基材状に加工されている場合には、葛折りされた状態などから、直接に製造ラインに供給してもよい。なお、各種ローラーやロールバーに駆動装置を設けると、供給速度の調整などを行うことができ、生産上より好ましい。
さらに、工程(I)では、強化繊維束を50〜500℃に加熱する工程を含むことが、生産上、好ましい。強化繊維束を加熱することで、工程(II)において環式ポリアリーレンスルフィドの強化繊維束への定着性を向上させることができる。また、強化繊維束に付着しているサイジング剤などを除去することもできる。加熱の方法については、特に制限はなく、熱風や赤外線ヒーターによる非接触加熱、パイプヒーターや電磁誘導による接触加熱など、公知の方法が例示できる。
工程(II)は、強化繊維束に環式ポリアリーレンスルフィドを複合化する工程である。また、ここで複合化する環式ポリアリーレンスルフィドは、前記ポリアリーレンスルフィドプレポリマーでもよい。複合化する方法は、特に制限はないが、環式ポリアリーレンスルフィドの形態により、以下の4つの方法が好ましく例示できる。
(1)粒子状、繊維状、フレーク状からなる群から選択される少なくとも1種の形態の環式ポリアリーレンスルフィドを気相に散布させ、該気相中に強化繊維束を通過させる方法である。具体的には、流動床などで環式ポリアリーレンスルフィドが散布された中に、強化繊維束を通過させる方法や、強化繊維束に直接環式ポリアリーレンスルフィドを散布する方法や、環式ポリアリーレンスルフィドを荷電させ、強化繊維束に静電的に付着させる方法などが挙げられる。
(2)粒子状、繊維状、フレーク状からなる群から選択される少なくとも1種の形態の環式ポリアリーレンスルフィドを液相に分散または溶解させ、該液相中に強化繊維束を通過させる方法である。なお、ここでの分散とは、環式ポリアリーレンスルフィドが二次凝集して1mm以上の粗大凝集体を形成することなく、後述する各形態での好ましいサイズの範囲内を維持することを意味する。かかる環式ポリアリーレンスルフィドを液相に分散または溶解させる方法には、特に制限はなく、撹拌装置を用いる方法、振動装置を用いる方法、超音波発生装置を用いる方法、噴流装置を用いる方法など、公知の方法が例示できる。なお、分散状態もしくは溶解状態を維持する観点で、強化繊維束を通過させる液相でも、これらの方法を用いることがより好ましい。
ここで用いる液相とは、水もしくは有機溶媒であるが、経済性、生産性の観点から、純水または工業用水を用いることがより好ましい。また、環式ポリアリーレンスルフィドの分散を補助する目的で、アニオン性、カチオン性、非イオン性の各種界面活性剤を併用してもよい。界面活性剤の使用量は、特に制限はないが、0.01〜5重量%が好ましい範囲として例示できる。
環式ポリアリーレンスルフィドのとりわけ好ましい形態は、エマルジョンまたはディスパージョンである。このときの分散サイズとして、平均粒径は0.01〜100μmが好ましく、0.05〜50μmがより好ましく、0.1〜20μmがさらに好ましい。
環式ポリアリーレンスルフィドが粒子状である場合、粒子の加工性と取扱性の観点から、その平均粒径は50〜300μmが好ましく、80〜250μmがより好ましく、100〜200μmがさらに好ましい。また、繊維状である場合、同様に、平均繊維径は0.5〜50μmが好ましく、1〜30μmがより好ましく、5〜20μmがさらに好ましい。平均繊維長は特に制限はないが、1〜10mmが好ましい範囲として例示できる。また、フレーク状である場合、前記粒子状と同様の厚みを有し、厚みの5〜100倍の長さを有することが好ましい。
なお、平均粒径は、レーザ回折/散乱式粒度分布測定装置などの公知の方法で測定することができる。平均繊維径、平均繊維長やフレーク状の厚みや長さは光学顕微鏡を用いて容易に測定するこができる。なお、光学顕微鏡を用いて、平均繊維径、平均繊維長やフレーク状の厚みや長さの測定を行うに際し、20〜100倍に拡大し、任意の400点について測定した平均値を求めればよい。
また、液相に有機溶媒を用いる場合、環式ポリアリーレンスルフィドの加熱による開環重合の阻害や、生成されるポリアリーレンスルフィドの分解や架橋など好ましくない副反応を実質的に引き起こさないものであれば特に制限はなく、例えば、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン、ジメチルエーテル、ジプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、クロロホルム、塩化メチレン、トリクロロエチレン、2塩化エチレン、ジクロルエタン、テトラクロルエタン、クロルベンゼン、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、エチレングリコール、プロピレングリコール、フェノール、クレゾール、ポリエチレングリコール、ベンゼン、トルエン、キシレンなどがあげられる。また、二酸化炭素、窒素、水等の無機化合物を超臨界流体状態として溶媒に用いることも可能である。これらの溶媒は1種類または2種類以上の混合物として使用することができる。
具体的には、水槽中に環式ポリアリーレンスルフィドのエマルジョンやディスパージョンを供給し、該水槽中に強化繊維束を通過させる方法や、さらに該水槽中に噴流を用いながら強化繊維束を通過される方法や、強化繊維束に直接、環式ポリアリーレンスルフィドのエマルジョンやディスパージョンを噴霧する方法などが挙げられる。
さらに、(2)の方法では、強化繊維束を通過させた後、用いた水または有機溶媒を除去(脱液)することが、生産上、より好ましい。例えば、エアブロー、熱風乾燥、吸引濾過などの公知の方法が例示できる。このとき、複合体の水または有機溶媒の脱液率は、特に制限はないが、50〜100%が好ましく、70〜100%がより好ましく、90〜100%がさらに好ましい。また、脱液後の液相は、回収循環され、さらに環式ポリアリーレンスルフィドの分散媒として再利用されることが、生産上、とりわけ好ましい。
(3)フィルム状、シート状、不織布状からなる群から選択される少なくとも1種の形態の環式ポリアリーレンスルフィドを、強化繊維束に接するように配置させる方法である。ここで、フィルム状とは平均厚みが200μm以下の厚さのものを言い、シート状とは平均厚みが200μmを超えるものを言う。不織布状とは繊維シート状、ウェブ状で、繊維が一方向またはランダムに配向しており、交絡、融着、接着のいずれかによって繊維間が結合されたものを言う。なお、平均厚みは、シートもしくはフィルムを複数枚重ね、任意の10点をノギスで測定し、得られた厚みを重ねた枚数で除することで求めることができる。
具体的には、強化繊維束をコンベアに移動させ、その片面または両面にフィルム状の環式ポリアリーレンスルフィドをホットローラーで積層する方法や、不織布状の環式ポリアリーレンスルフィドをパンチングで固定する方法や、強化繊維束と不織布状の環式ポリアリーレンスルフィドをエアジェットで絡合する方法などが例示できる。
また、経済性、生産性の観点から、いずれの形態もロール加工されていることが好ましい。環式ポリアリーレンスルフィドがロール加工困難な場合、各形態に加工後に離型紙上に塗布して、ロール加工することが、好ましい方法の1つとして例示できる。
(4)環式ポリアリーレンスルフィドを加熱溶融させて強化繊維束に接するように供給する方法である。ここでの加熱溶融には、押出機、プランジャー、溶融バスなどの公知の装置を用いることができるが、スクリュウ、ギアポンプなどの溶融した環式ポリアリーレンスルフィドを移送する機能を具備していることが好ましい。
例えば、押出機を用いて環式ポリアリーレンスルフィドを溶融させつつ、Tダイやスリットダイなどの金型ダイに供給し、該金型ダイ中に強化繊維束を通過させる方法や、同様にギアポンプにて溶融バスに供給し、該溶融バス内で強化繊維束をしごきながら通過させる方法や、プランジャーポンプで溶融させた環式ポリアリーレンスルフィドをキスコーターに供給し、強化繊維束に環式ポリアリーレンスルフィドの溶融物を塗布する方法や、同様に、加熱した回転ロールの上に溶融させた環式ポリアリーレンスルフィドを供給し、このロール表面に強化繊維束を通過させる方法が例示できる。
前記(1)〜(4)の方法では、強化繊維束と環式ポリアリーレンスルフィドからなる複合体を、好ましくは100〜300℃に、より好ましくは150〜250℃、さらに好ましくは170〜230℃に加熱する工程を含むことが好ましい。この加熱工程により、環式ポリアリーレンスルフィドが軟化もしくは溶融し、強化繊維束により強固に定着でき、生産性を高めるのに有利である。また、加熱工程と同時に、または直後に加圧力を付与することで、環式ポリアリーレンスルフィドが強化繊維束に含浸する効果が得られ、とりわけ好ましい。このときの加圧力は、生産性の観点から、0.1〜5MPaが好ましく、0.3〜4MPaがより好ましく、0.5〜3MPaがさらに好ましい。
具体的には、加熱したチャンバー内に複数の加圧ローラーを配置し複合体を通過させる方法や、同様にカレンダーロールを上下に配置し複合体を通過させる方法や、ホットローラーを用いて加熱と加圧を同時に行う方法が例示できる。
また、前記(1)〜(4)の方法を実施する前段階で、強化繊維束を予め開繊しておくことがより好ましい。開繊とは収束された強化繊維束を分繊させる操作であり、環式ポリアリーレンスルフィドの含浸性をさらに高める効果が期待できる。開繊により、強化繊維束の厚みは薄くなり、開繊前の強化繊維束の幅をb1(mm)、厚みをa1(μm)、開繊後の強化繊維束の幅をb2(mm)、厚みをa2(μm)とした場合、開繊比=(b2/a2)/(b1/a1)は2.0以上が好ましく、2.5以上がさらに好ましい。
強化繊維束の開繊方法としては、特に制限はなく、例えば凹凸ロールを交互に通過させる方法、太鼓型ロールを使用する方法、軸方向振動に張力変動を加える方法、垂直に往復運動する2個の摩擦体による強化繊維束の張力を変動させる方法、強化繊維束にエアを吹き付ける方法を利用できる。
工程(III)は、前記工程(II)で得られた、強化繊維束と環式ポリアリーレンスルフィドからなる複合体を加熱する工程であり、該加熱により、環式ポリアリーレンスルフィドを開環重合せしめポリアリーレンスルフィドとすることが重要である。このときの加熱温度は200〜450℃であり、好ましくは230〜420℃であり、より好ましくは250℃〜400℃であり、さらに好ましくは280〜380℃である。200℃未満では、開環重合が十分に進行せずに低分子量の環式ポリアリーレンスルフィドを過剰に含む成形性に劣る繊維強化成形基材となったり、開環重合を完結させるのに過剰な時間がかかり生産性を損なう場合がある。また、450℃を超えると環式ポリアリーレンスルフィドおよびポリアリーレンスルフィドが分解反応を起こすなどの好ましくない副反応が生じる場合がある。
工程(III)での開環重合が完結するまでの反応時間が短いほど、工程長を短くすることができたり、または引き取り速度を高めることができたりするなど、生産性、経済性に優れるため好ましい。反応時間としては30分以下が好ましく、10分以下がより好ましく、3分以下がさらに好ましい。反応時間の下限については、特に制限はなく、0.5分以上が例示できる。
また、工程(III)では、環式ポリアリーレンスルフィドの開環重合において、架橋反応や分解反応などの好ましくない副反応の発生を抑制する観点から、非酸化性雰囲気下で加熱することが好ましい。ここで、非酸化性雰囲気とは酸素濃度が5体積%以下、好ましくは2体積%以下、さらに好ましくは酸素を含有しない雰囲気、すなわち、窒素、ヘリウム、アルゴンなどの不活性ガス雰囲気であることを指し、この中でも特に経済性および取り扱いの容易さの面から、窒素雰囲気が好ましい。
同様に、工程(III)では、0.1〜50kPaの減圧下で加熱することが好ましい。ここでは、反応系内の雰囲気を一度、非酸化性雰囲気としてから、減圧条件に調整することがより好ましい。ここでの減圧下とは、反応系内が大気圧よりも低いことを指し、より好ましくは0.1〜20kPaであり、0.1〜10kPaがさらに好ましい。
さらに、工程(III)では、加熱させると同時に、または加熱させた後に加圧力を付与することで、強化繊維束へのポリアリーレンスルフィドの含浸をより高めることができるため好ましい。ここでの加圧力としては、含浸性と生産性のバランスの観点から、0.5〜10MPaが好ましく、1〜8MPaがより好ましく、2〜6MPaがさらに好ましい。
具体的には、窒素置換された系内で、ダブルベルトプレスにより上下から加圧力を付与しながら複合体を通過させる方法や、窒素置換された加熱炉内で、複数配置されたカレンダーロールに複合体を加圧しながら通過させる方法や、複合体を高温のプレス型に配置し、プレス型間を密封して加圧すると同時に型内を窒素置換、そして減圧条件として開環重合完了後にプレス型間を開放して複合体を引き抜く方法が例示できる。
工程(IV)は該工程(III)で得られた複合体を冷却し、引き取る工程である。冷却する方法は、特に制限はなく、エアを噴射して冷却する方法や、冷却水を噴霧する方法や、冷却バスを通過させる方法や、冷却板の上を通過させる方法など公知の方法が使用できる。
工程(IV)での引き取り速度は、繊維強化成形基材の製造がオンラインであった場合、工程速度に直接影響するため、経済性、生産性の観点から高いほど好ましい。引き取り速度としては、5〜100m/分が好ましく、10〜100m/分がより好ましく、20〜100m/分がさらに好ましい。
具体的には、ニップローラーで引き出す方法や、ドラムワインダーで巻き取る方法や、固定治具で基材を把持して治具ごと引き取る方法が例示できる。また、引き取る際に、基材をスリッターに通して一部を切断してもよいし、ギロチンカッターなどで所定の長さにシート加工してもよいし、ストランドカッターなどで一定長に切断してもよいし、ロール形状のままとしてもよい。
なお、繊維強化成形基材の製造方法には、その効果を損なわない範囲内で、他の工程を組み合わせることができる。例えば、電子線照射工程、プラズマ処理工程、強磁場付与工程、表皮材積層工程、保護フィルムの貼付工程、アフターキュア工程などが挙げられる。
本発明の製造方法で得られる繊維強化成形基材は、成形性と得られる成形品の力学特性のバランスから、ポリアリーレンスルフィドと、強化繊維との重量割合(%)は10〜50:50〜90重量%が好ましく、より好ましくは20〜40:60〜80重量%であり、さらに好ましくは25〜35:65〜75重量%である。これらの重量割合は、強化繊維束と、環式ポリアリーレンスルフィドの供給量を制御することで容易に実施できる。例えば、強化繊維束の供給量は、工程(IV)での引き取り速度で調整することができ、環式ポリアリーレンスルフィドの供給量は、工程(II)で定量フィーダーを用いて供給量を調整することができる。
また、本発明の製造方法では、繊維強化成形基材の用法や目的に応じて、含浸率の異なった基材を製造することができる。たとえば、より含浸性を高めたプリプレグや、半含浸でのセミプレグ、含浸性の低いファブリックなどである。一般的に、含浸性の高い基材は、短時間成形には有効であるが、曲面形状などへの賦形性とトレードオフの関係にある。
従って、本発明の製造方法で得られる繊維強化成形基材の、第1の好ましい態様は、ポリアリーレンスルフィドの含浸率が80%以上、100%以下である成形基材である。これは、より単純な平面形状の成形品を生産性よく製造する観点で優れている。 また、本発明の製造方法で得られる繊維強化成形基材の、第2の好ましい態様は、ポリアリーレンスルフィドの含浸率が20%以上、80%未満である成形基材である。これは、ある程度の曲面に賦形でき、成形時の生産性の低下を最小限に抑える観点で優れている。
また、本発明の製造方法で得られる繊維強化成形基材の、第3の好ましい態様は、ポリアリーレンスルフィドの含浸率が0%以上、20%未満である成形基材である。これは、より複雑な形状の成形品を製造したり、完全な含浸を必要としない成形品を製造する観点で優れている。
なお、ここで言う含浸率とは、繊維強化成形基材の断面を、光学顕微鏡を用いて観察し、含浸しているポリアリーレンスルフィドの面積を、該面積とボイド(空隙)の面積の合計で除した割合(%)で表される。
なお、光学顕微鏡を用いて、それぞれの面積の測定を行うに際し、20〜100倍に拡大し、任意の20個の像について測定した平均値を求めればよい。
含浸率を制御する方法としては、工程(II)での環式ポリアリーレンスルフィドを複合化する際の温度や加圧力、工程(III)での環式ポリアリーレンスルフィドをポリアリーレンスルフィドに開環重合させる際の温度や加圧力で調整することができる。通常、前記温度や加圧力が高いほど、含浸率を高める効果がある。また、環式ポリアリーレンスルフィドの形態がより微細化するほど含浸性を高めることができる。
本発明で得られる繊維強化成形基材は、オートクレーブ成形、プレス成形、フィラメントワインディング成形、スタンピング成形などの生産性に優れた成形方法に適用でき、熱可塑性樹脂をマトリックス樹脂としているため短時間の成形が可能である。また、インサート成形、アウトサート成形などの一体化成形も容易に実施できる。さらに、成形後にも加熱による矯正処置や、熱溶着、振動溶着、超音波溶着などの生産性に優れた接着工法を活用することもできる。得られる成形品は、ポリアリーレンスルフィドの特性を反映して、耐熱性、耐薬品性、力学特性、難燃性に優れ、種々の用途に展開できる。
例えば、自動車関連部品、部材および外板、ランディングギアポッド、ウィングレット、スポイラー、エッジ、ラダー、フェイリング、リブなどの航空機関連部品、部材および外板、パソコン、ディスプレー、携帯電話、携帯情報端末などの電気または電子機器、OA機器の筐体、部材、各種ラケット、ゴルフクラブシャフト、ヨット、ボード、スキー用品、釣り竿などのスポーツ関連部品、部材、ロッド、パネル、フロア、継ぎ手、ヒンジ、ギアなどの工業資材および人工衛星関連部品など幅広い用途に有用である。
以下に実施例を示し、本発明をさらに具体的に説明する。
本発明に使用した評価方法を下記する。
(1)重量平均分子量
ポリアリーレンスルフィドの重量平均分子量は、ゲルパーミレーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて、ポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)を算出した。サンプリングは、ポリアリーレンスルフィドプレポリマーは参考例で調製したものをそのまま測定に用い、繊維強化成形基材からは、強化繊維束とポリアリーレンスルフィドを分離するために、ソックスレー抽出器を用い、1−クロロナフタレンを用いて、210℃で6時間還流を行い、抽出したポリアリーレンスルフィドを測定に供した。GPCの測定条件を以下に示す。
装置:センシュー科学 SSC−7100(カラム名:センシュー科学 GPC3506)
溶離液:1−クロロナフタレン、流量:1.0mL/min
カラム温度:210℃、検出器温度:210℃。
(2)ポリアリーレンスルフィドの粉末の平均粒径
平均粒径はレーザ回折式粒度分布測定装置 LMS−24(セイシン(株)製)を用いて測定した。
(3)成形基材目付
成形基材から50mm×50mmのシートを切り出し、その重量W(g)を測定した。基材目付は、W×400(g/m)で算出することができる。
(4)繊維強化成形基材の含浸率
本発明での含浸率とは、繊維強化成形基材の強化繊維束内部へ樹脂が含浸している度合いを表したものである。本発明においては、得られた繊維強化成形基材を切断し、その断面を幅方向に約10mmを光学顕微鏡を用いて観察する。このとき、強化繊維束の断面(円もしくは楕円)と、樹脂部分、および空隙が確認できる。このうち、繊維束の最外層を形成する繊維同士を結んだ領域が繊維束の内部であり、この領域内にある樹脂部分の面積を、該面積と空隙の面積の合計で除して含浸率(%)を求めた。なお、面積の測定は画像ソフトにおいて、樹脂部分と、空隙とをコントラストをつけて二元化し解析した。
(5)繊維強化成形基材を用いて得られた成形品の曲げ試験
ASTM D−790(1997)に準拠し、3点曲げ試験冶具(圧子10mm、支点10mm)を用いて支持スパンを100mmに設定し、クロスヘッド速度5.3mm/分の試験条件にて曲げ強度および曲げ弾性率を測定した。試験機として、“インストロン”(登録商標)万能試験機4201型(インストロン社製)を用いた。
(参考例1)
<ポリフェニレンスルフィドプレポリマーの調製>
撹拌機付きの1000リットルオートクレーブに、47.5%水硫化ナトリウム118kg(1000モル)、96%水酸化ナトリウム42.3kg(1014モル)、N−メチル−2−ピロリドン(以下NMPと略する場合もある)を163kg(1646モル)、酢酸ナトリウム24.6kg(300モル)、及びイオン交換水150kgを仕込み、常圧で窒素を通じながら240℃まで3時間かけて徐々に加熱し、精留塔を介して水211kgおよびNMP4kgを留出した後、反応容器を160℃に冷却した。なお、この脱液操作の間に仕込んだイオウ成分1モル当たり0.02モルの硫化水素が系外に飛散した。
次に、p−ジクロロベンゼン147kg(1004モル)、NMP129kg(1300モル)を加え、反応容器を窒素ガス下に密封した。240rpmで撹拌しながら、0.6℃/分の速度で270℃まで昇温し、この温度で140分保持した。水を18kg(1000モル)を15分かけて圧入しながら250℃まで1.3℃/分の速度で冷却した。その後220℃まで0.4℃/分の速度で冷却してから、室温近傍まで急冷し、スラリー(A)を得た。このスラリー(A)を376kgのNMPで希釈しスラリー(B)を得た。
80℃に加熱したスラリー(B)14.3kgをふるい(80mesh、目開き0.175mm)で濾別し、粗PPS樹脂とスラリー(C)を10kg得た。スラリー(C)をロータリーエバポレーターに仕込み、窒素で置換後、減圧下100〜160℃で1.5時間処理した後、真空乾燥機で160℃、1時間処理した。得られた固形物中のNMP量は3重量%であった。
この固形物にイオン交換水12kg(スラリー(C)の1.2倍量)を加えた後、70℃で30分撹拌して再スラリー化した。このスラリーを目開き10〜16μmのガラスフィルターで吸引濾過した。得られた白色ケークにイオン交換水12kgを加えて70℃で30分撹拌して再スラリー化し、同様に吸引濾過後、70℃で5時間真空乾燥してポリフェニレンスルフィドオリゴマー100gを得た。ポリフェニレンスルフィドプレポリマーが所定量に達するまで上記操作を繰り返した。
得られたポリフェニレンスルフィドオリゴマーを4g分取してクロロホルム120gで3時間ソックスレー抽出した。得られた抽出液からクロロホルムを留去して得られた固体に再度クロロホルム20gを加え、室温で溶解しスラリー状の混合液を得た。これをメタノール250gに撹拌しながらゆっくりと滴下し、沈殿物を目開き10〜16μmのガラスフィルターで吸引濾過し、得られた白色ケークを70℃で3時間真空乾燥して白色粉末を得た。
この白色粉末の重量平均分子量は900であった。この白色粉末の赤外分光分析における吸収スペクトルより、白色粉末はポリフェニレンスルフィドであることが判明した。また、示差走査型熱量計を用いてこの白色粉末の熱的特性を分析した結果(昇温速度40℃/分)、約200〜260℃にブロードな吸熱を示し、ピーク温度は215℃であることがわかった。
また高速液体クロマトグラフィーより成分分割した成分のマススペクトル分析、更にMALDI−TOF−MSによる分子量情報より、この白色粉末は繰り返し単位数4〜11の環式ポリフェニレンスルフィド及び繰り返し単位数2〜11の直鎖状ポリフェニレンスルフィドからなる混合物であり、環式ポリフェニレンスルフィドと直鎖状ポリフェニレンスルフィドの重量比は9:1であることがわかった。
得られたポリフェニレンスルフィドプレポリマーを凍結粉砕し、メッシュによる機械的分級を行い平均粒径120μmのポリフェニレンスルフィドプレポリマー粒子(P)を得た。ポリフェニレンスルフィドプレポリマー粒子(P)を、界面活性剤を0.03重量%含んだ工業用水に混合し、高圧モホジナイザーにて強制攪拌し、平均粒径8μm、固形分濃度10%のディスパージョン(L)を作製した。
ポリフェニレンスルフィドプレポリマーを、200〜300℃で溶解させ、ナイフコーターを使用して離型紙上に所定の厚みに塗布し、目付25g/mのフィルム(F)を作製した。
(実施例1)
図1に示す装置を用いて、繊維強化成形基材の製造方法を説明する。
工程(I):炭素繊維トレカ(登録商標)T700S−12K(東レ(株)製)を繊維束の間隔が1〜5mmとなるように、幅100mmの間に複数本引き揃え、製造ラインに供する。ロールバー1に繊維束をかけて地均し、含浸バス2にフィードし、該含浸バス中の回転ローラー3を通過させ、次に、熱風乾燥炉4を通し、さらにダブルベルトプレス5に配置して、ニップローラー6で張力をかけて引き取る。ここでの引き取り速度を10m/分に設定して、工程が安定した後、予熱用の赤外線ヒーター7で強化繊維束を260℃に加熱する。
工程(II):参考例1で調製したポリフェニレンスルフィドプレポリマーのディスパージョン(L)をポンプ8にて含浸バスに供給し、回転ローラーが完全にディスパージョンに浸漬されることで、強化繊維束にポリフェニレンスルフィドプレポリマーが付与される。このときの、ポリフェニレンスルフィドプレポリマーの付着量を、繊維重量含率(Wf)が67%となるように、浸漬されている強化繊維束長を調整する。熱風乾燥炉を140℃に調整して、強化繊維束から水分の90%以上を除去する。
工程(III):ダブルベルトプレスを囲うチャンバー9の吸気口10から窒素パージを行い、チャンバー中の酸素濃度を1体積%以下に調整した。ライン方向に30mの長さに配置されたダブルベルトプレスを、温度380℃、圧力5MPaの条件にて、複合体を加熱プレスしながら通過させて、環式ポリフェニレンスルフィドを開環重合させる。
工程(IV):温度50℃の冷却板11の上で、ポリフェニレンスルフィドを固化させ、ニップロールで引き取った後、ギロチンカッター12で長さ1m毎にカットして、幅100mmのシート状の繊維強化成形基材とした。
上記、工程は全てオンラインで実施され、連続的に繊維強化成形基材を製造できた。得られた繊維強化成形基材の含浸率は85%、基材目付は75g/m、極めて剛性の強い一方向繊維基材である。基材からマトリックス樹脂を抽出したところ、ポリフェニレンスルフィドが主成分であり重量平均分子量は42,000、3重量%の重量平均分子量5,000未満のポリフェニレンスルフィドプレポリマーを含有している。
得られた繊維強化成形基材から所定サイズを複数枚切り出し、繊維方向を揃えて積層し、プレス成形機を用いて、350℃、3MPaで3分間加熱加圧した後、冷却用のプレス機にて5分間冷却し積層板を得た。積層板から曲げ試験片を切り出し、0度方向の曲げ試験を行ったところ、曲げ弾性率125GPa、曲げ強度1800の優れた力学特性を得た。
(実施例2)
図2に示す装置を用いて、繊維強化成形基材の製造方法を説明する。
工程(I):炭素繊維トレカ(登録商標)T700S−12K(東レ(株)製)を繊維束の間隔が1〜5mmとなるように、幅100mmの間に複数本引き揃え、製造ラインに供する。ロールバー21に繊維束をかけて地均しし、ベルトコンベア22にフィードし、さらに上下が対になった含浸ローラー23に挟み込み、ニップローラー24で張力をかけてドラムワインダー25で引き取る。ここでの引き取り速度を10m/分に設定して、工程が安定した後、予熱用の赤外線ヒーター26で強化繊維束を260℃に加熱する。
工程(II):参考例1で調製したポリフェニレンスルフィドプレポリマーのフィルム(F)を引き出しワインダー27にて離型紙とともにホットローラー28に供給し、ポリフェニレンスルフィドプレポリマーが強化繊維束に積層されるように配置し、巻き取りワインダー29にて離型紙を除去する。このとき、ポリフェニレンスルフィドプレポリマーの付着量を測定した結果、繊維重量含率(Wf)が67%となる。
工程(III):ライン方向に30mの長さを持つ加熱チャンバー30の吸気口31から窒素パージを行い、加熱チャンバー中の酸素濃度を1体積%以下に調整した。加熱チャンバーの温度380℃とし、含浸ローラーを圧力1MPaの条件にて通過させて、環式ポリフェニレンスルフィドを開環重合させる。
工程(IV):温度50℃の冷却板32の上で、ポリフェニレンスルフィドを固化させ、ニップロールで引き取った後、ドラムワインダーに巻き取って、幅100mmの繊維強化成形基材とした。
上記、工程は全てオンラインで実施され、連続的に繊維強化成形基材を製造できた。得られた繊維強化成形基材の含浸率は43%、基材目付は75g/m、繊維方向にも柔軟性を有する一方向繊維基材である。基材からマトリックス樹脂を抽出したところ、ポリフェニレンスルフィドが主成分であり重量平均分子量は38,000、5重量%の重量平均分子量5,000未満のポリフェニレンスルフィドプレポリマーを含有している。
得られた繊維強化成形基材から所定サイズを複数枚切り出し、繊維方向を揃えて積層し、プレス成形機を用いて、350℃、5MPaで10分間加熱加圧した後、冷却用のプレス機にて5分間冷却し積層板を得た。積層板から曲げ試験片を切り出し、0度方向の曲げ試験を行ったところ、曲げ弾性率123GPa、曲げ強度1760の優れた力学特性を得た。
(実施例3)
図3に示す装置を用いて、繊維強化成形基材の製造方法を説明する。
工程(I):炭素繊維トレカ(登録商標)T700S−12K(東レ(株)製)を繊維束の間隔が1〜5mmとなるように、幅100mmの間に複数本引き揃え、製造ラインに供する。ロールバー41に繊維束をかけて地均しし、カレンダーロール42にフィードし、ニップローラー43で張力をかけてドラムワインダー44で引き取る。ここでの引き取り速度を10m/分に設定して、工程が安定した後、予熱用の赤外線ヒーター45で強化繊維束を260℃に加熱する。
工程(II):参考例1で調製したポリフェニレンスルフィドプレポリマー粒子(P)を定量粉体供給機46から、繊維重量含率(Wf)が67%となるよう、強化繊維束の上から散布して付着させる。
工程(III):ライン方向に30mの長さを持つ加熱チャンバー47の吸気口48から窒素パージを行い、加熱チャンバー中の酸素濃度を1体積%以下に調整した。加熱チャンバーの温度380℃とし、温度200℃のカレンダーローラーに張力をかけて通過させて、環式ポリフェニレンスルフィドを開環重合させる。
工程(IV):温度50℃の冷却板49の上で、ポリフェニレンスルフィドを固化させ、ニップロールで引き取った後、ドラムワインダーに巻き取って、幅100mmの繊維強化成形基材とした。
上記、工程は全てオンラインで実施され、連続的に繊維強化成形基材を製造できた。得られた繊維強化成形基材の含浸率は15%、基材目付は75g/m、ファブリックのように柔軟で賦形性を有する一方向繊維基材である。基材からマトリックス樹脂を抽出したところ、ポリフェニレンスルフィドが主成分であり重量平均分子量は36,000、6重量%の重量平均分子量5,000未満のポリフェニレンスルフィドプレポリマーを含有している。
得られた繊維強化成形基材から所定サイズを複数枚切り出し、繊維方向を揃えて積層し、プレス成形機を用いて、350℃、10MPaで30分間加熱加圧した後、冷却用のプレス機にて5分間冷却し積層板を得た。積層板から曲げ試験片を切り出し、0度方向の曲げ試験を行ったところ、曲げ弾性率122GPa、曲げ強度1720の優れた力学特性を得た。
本発明の製造方法は、連続した強化繊維束へポリアリーレンスルフィドを容易に含浸させることができるため、経済性、生産性を高めることができ、プリプレグ、セミプレグ、ファブリックなどの繊維強化成形基材の製造に有用である。
本発明に係る繊維強化成形基材の製造方法に用いられる製造装置の一例である。 本発明に係る繊維強化成形基材の製造方法に用いられる製造装置の一例である。 本発明に係る繊維強化成形基材の製造方法に用いられる製造装置の一例である。
符号の説明
1,21,41:ロールバー
2:含浸バス
3:回転ローラー
4:熱風乾燥炉
5:ダブルベルトプレス
6,24,43:ニップローラー
7,26,45:赤外線ヒーター
8:ポンプ
9:チャンバー
10,31,48:吸気口
11,32,49:冷却板
12:ギロチンカッター
13,33,50:強化繊維束
14,34,51:繊維強化成形基材
22:ベルトコンベア
23:含浸ローラー
25,44:ドラムワインダー
27:引き出しワインダー
28:ホットローラー
29:巻き取りワインダー
30,47:加熱チャンバー
42:カレンダーロール
46:定量粉体供給機

Claims (25)

  1. 連続した強化繊維束を引き出し、連続的に供給する工程(I)、該強化繊維束に環式ポリアリーレンスルフィドを複合化する工程(II)、該工程(II)で得られた強化繊維束と環式ポリアリーレンスルフィドからなる複合体を200〜450℃に加熱して、該環式ポリアリーレンスルフィドをポリアリーレンスルフィドに開環重合させる工程(III)、および該工程(III)で得られた複合体を冷却し、引き取る工程(IV)を有してなる繊維強化成形基材の製造方法であって、該工程(II)で複合化される環式ポリアリーレンスルフィドの重量平均分子量が5,000未満であり、かつ該工程(III)で、開環重合させた後のポリアリーレンスルフィドの重量平均分子量が5,000以上である、繊維強化成形基材の製造方法。
  2. 前記工程(I)〜(IV)がオンラインで実施されてなる、請求項1に記載の繊維強化成形基材の製造方法。
  3. 前記工程(I)が、強化繊維束を50〜500℃に加熱する工程を含む、請求項1または2のいずれかに記載の繊維強化成形基材の製造方法。
  4. 前記工程(II)において、強化繊維束に、前記環式ポリアリーレンスルフィドと、さらに直鎖状ポリアリーレンスルフィドとを複合化する、請求項1〜3のいずれかに記載の繊維強化成形基材の製造方法。
  5. 強化繊維束に、前記環式ポリアリーレンスルフィドと前記直鎖状ポリアリーレンスルフィドとを複合化するに際し、前記環式ポリアリーレンスルフィドと、前記直鎖状ポリアリーレンスルフィドとの混合物であって、該環式ポリアリーレンスルフィドの該混合物にしめる割合が50〜99重量%の混合物が用いられる、請求項4に記載の繊維強化成形基材の製造方法。
  6. 前記工程(II)が、粒子状、繊維状、フレーク状からなる群から選択される少なくとも1種の形態の環式ポリアリーレンスルフィドを気相に散布させ、該気相中に強化繊維束を通過させる工程である、請求項1〜5のいずれかに記載の繊維強化成形基材の製造方法。
  7. 前記工程(II)が、粒子状、繊維状、フレーク状からなる群から選択される少なくとも1種の形態の環式ポリアリーレンスルフィドを液相に分散または溶解させ、該液相中に強化繊維束を通過させる工程である、請求項1〜5のいずれかに記載の繊維強化成形基材の製造方法。
  8. 前記工程(II)が、前記液相中に強化繊維束を通過させた後、さらに脱液する工程を含む、請求項7に記載の繊維強化成形基材の製造方法。
  9. 前記液相が、エマルジョンまたはディスパージョンである、請求項7に記載の繊維強化成形基材の製造方法。
  10. 前記環式ポリアリーレンスルフィドが粒子状であり、かつ平均粒径が50〜300μmである、請求項6または7に記載の繊維強化成形基材の製造方法。
  11. 前記環式ポリアリーレンスルフィドが繊維状であり、かつ平均繊維径が0.5〜50μmである、請求項6または7に記載の繊維強化成形基材の製造方法。
  12. 前記工程(II)が、フィルム状、シート状、不織布状からなる群から選択される少なくとも1種の形態の環式ポリアリーレンスルフィドを、強化繊維束に接するように配置させる工程である、請求項1〜5のいずれかに記載の繊維強化成形基材の製造方法。
  13. 前記工程(II)が、環式ポリアリーレンスルフィドを加熱溶融させて強化繊維束に接するように供給する工程である、請求項1〜5のいずれかに記載の繊維強化成形基材の製造方法。
  14. 前記工程(II)が、得られた強化繊維束と環式ポリアリーレンスルフィドからなる複合体を、100〜300℃に加熱する工程を含む、請求項6、7、12または13のいずれかに記載の繊維強化成形基材の製造方法。
  15. 前記工程(II)が、さらに、0.1〜5MPaの加圧力を付与する工程を含む、請求項14に記載の繊維強化成形基材の製造方法。
  16. 前記工程(III)が、非酸化性雰囲気下で加熱する、請求項1〜15のいずれかに記載の繊維強化成形基材の製造方法。
  17. 前記工程(III)が、0.1〜50kPaの減圧下で加熱する、請求項1〜16のいずれかに記載の繊維強化成形基材の製造方法。
  18. 前記工程(III)が、前記強化繊維束と環式ポリアリーレンスルフィドからなる複合体を加熱させると同時に、または加熱させた後に0.5〜10MPaの加圧力を付与する、請求項1〜17のいずれかに記載の繊維強化成形基材の製造方法。
  19. 前記工程(IV)の引き取り速度が5〜100m/分である、請求項1〜18のいずれかに記載の繊維強化成形基材の製造方法。
  20. 前記繊維強化成形基材における、ポリアリーレンスルフィドと、強化繊維との重量割合(%)が10〜50:50〜90である、請求項1〜19のいずれかに記載の繊維強化成形基材の製造方法。
  21. 前記開環重合させたポリアリーレンスルフィドが、該ポリアリーレンスルフィドの総重量を基準として、前記環式ポリアリーレンスルフィドを0.1〜20重量%含有してなる、請求項1〜20のいずれかに記載の繊維強化成形基材の製造方法。
  22. 前記強化繊維束が、炭素繊維の単繊維を少なくとも10,000本含有してなる、請求項1〜21のいずれかに記載の繊維強化成形基材の製造方法。
  23. 前記繊維強化成形基材の、ポリアリーレンスルフィドの含浸率が80%以上、100%以下である、請求項1〜22のいずれかに記載の繊維強化成形基材の製造方法。
  24. 前記繊維強化成形基材の、ポリアリーレンスルフィドの含浸率が20%以上、80%未満である、請求項1〜22のいずれかに記載の繊維強化成形基材の製造方法。
  25. 前記繊維強化成形基材の、ポリアリーレンスルフィドの含浸率が0%以上、20%未満である、請求項1〜22のいずれかに記載の繊維強化成形基材の製造方法。
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