JP5589972B2 - 成形材料およびそれを用いた成形方法 - Google Patents
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(1)強化繊維(A)とポリフェニレンエーテルエーテルケトンオリゴマー(B)と重合触媒(C)からなる成形材料であって該成分(B)の融点が270℃以下である成形材料。
(2)前記成分(B)が環式ポリフェニレンエーテルエーテルケトンを60重量%以上含む(1)に記載の成形材料。
(3)前記成分(B)が異なる繰り返し数mを有する環式ポリフェニレンエーテルエーテルケトンの混合物である(1)または(2)のいずれかに記載の成形材料。
(4)前記成分(A)が、炭素繊維である(1)〜(3)のいずれかに記載の成形材料。
(5)前記成分(C)がアルカリ金属塩である(1)〜(4)のいずれかに記載の成形材料。
(6)前記成分(A)の含有量が30重量%以上である(1)〜(5)のいずれかに記載の成形材料。
(7)前記成分(C)の含有量が、前記成分(B)中のエーテルエーテルケトン構成単位1モルに対し0.001〜20モル%である(1)〜(6)のいずれかに記載の成形材料。
(8)前記成形材料における、前記成分(B)の含浸率が80%以上、100%以下である、(1)〜(7)のいずれかに記載の成形材料。
(9)前記成形材料における、前記成分(B)の含浸率が20%以上、80%未満である、(1)〜(7)のいずれかに記載の成形材料。
(10)(1)〜(9)のいずれかに記載の成形材料を、金型を用いてプレス成形する成形方法。
(11)前記金型内で前記成分(B)をポリフェニレンエーテルエーテルケトン(B’)に重合させる(10)に記載の成形方法。
(12)前記成分(B)を前記成分(B’)に重合させる際の、前記金型の表面温度が160℃以上である(11)に記載の成形方法。
(13)前記成分(B)を前記成分(B’)に重合させる際の、前記金型の表面温度が前記成分(B’)の融点以下である(11)または(12)のいずれかに記載の成形方法。
(14)前記金型内で前記成分(B)を前記成分(B’)に重合させた後、金型を冷却せずに型開きして成形品を取り出す(11)〜(13)のいずれかに記載の成形方法。
本発明で用いられる強化繊維(A)としては、特に限定されないが、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、ボロン繊維、アルミナ繊維、鉱物繊維、炭化ケイ素繊維等が使用でき、これらの繊維を2種以上混在させることもできる。
本発明におけるポリフェニレンエーテルエーテルケトンオリゴマー(B)は融点が270℃以下であり、さらに、250℃以下であることが好ましく、230℃以下であることがより好ましく、200℃以下であることがさらに好ましく、180℃以下であることが特に好ましく例示できる。ポリフェニレンエーテルエーテルケトンオリゴマー(B)の融点が低いほど加工温度を下げることが可能であり、プロセス温度を低く設定可能となるため加工に要するエネルギーを低減し得るとの観点で有利となる。また、プロセス温度を低く設定できることにより、例えば、後述する重合触媒(C)とポリフェニレンエーテルエーテルケトンオリゴマー(B)を溶融させて混合する工程において、溶融混練の温度を重合温度よりも十分に低く設定できるようになる。かかる効果により、成形材料の製造プロセスにおいて、貯蔵中や強化繊維(A)への含浸の前にポリフェニレンエーテルエーテルケトンオリゴマー(B)の重合が進行して溶融粘度が増加するといった好ましくない反応を抑制できる。なおここで、ポリフェニレンエーテルエーテルケトンオリゴマー(B)の融点は示差走査型熱量測定装置を用いて吸熱ピーク温度を観測することにより測定することが可能である。
η={(t/t0)−1}/C
(ここでのtはサンプル溶液の通過秒数、t0は溶媒(98重量%濃硫酸)の通過秒数、Cは溶液の濃度を表す。)。
(a)少なくともジハロゲン化芳香族ケトン化合物、ジヒドロキシ芳香族化合物、塩基、および有機極性溶媒を含む混合物を加熱して反応させることによる製造方法。
(b)少なくとも線状ポリフェニレンエーテルエーテルケトン、ジハロゲン化芳香族ケトン化合物、ジヒドロキシ芳香族化合物、塩基および有機極性溶媒を含む混合物を加熱して反応させることによる製造方法。
(c)少なくとも線状ポリフェニレンエーテルエーテルケトン、塩基性化合物、有機極性溶媒を含む混合物を加熱して反応させることによる製造方法。
本発明において、重合触媒(C)は、ポリフェニレンエーテルエーテルケトンオリゴマー(B)のポリフェニレンエーテルエーテルケトン(B’)への加熱重合反応を加速させるための触媒であり、かかる効果のある化合物であれば特に制限はなく、光重合開始剤、ラジカル重合開始剤、カチオン重合開始剤、アニオン重合開始剤、遷移金属触媒など公知の触媒を用いることができるが、なかでもアニオン重合開始剤が好ましい。アニオン重合開始剤としては、無機アルカリ金属塩または有機アルカリ金属塩などのアルカリ金属塩を例示することができ、無機アルカリ金属塩としてはフッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化セシウム、塩化リチウムなどのアルカリ金属ハロゲン化物を例示でき、また有機アルカリ金属塩としては、ナトリウムメトキシド、カリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムエトキシド、ナトリウムtert−ブトキシド、カリウムtert−ブトキシドなどのアルカリ金属アルコキシドまたは、ナトリウムフェノキシド、カリウムフェノキシド、ナトリウム−4−フェノキシフェノキシド、カリウム−4−フェノキシフェノキシドなどのアルカリ金属フェノキシド、酢酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウムなどのアルカリ金属酢酸塩を例示することができる。また、これらアニオン重合開始剤は、ポリフェニレンエーテルエーテルケトンオリゴマー(B)を求核攻撃することにより触媒作用を発現していると推測している。従って、これらアニオン重合開始剤と同等の求核攻撃能を有する化合物を触媒として用いることも可能であり、このような求核攻撃能を有する化合物としては、アニオン重合性末端を有するポリマーを挙げることができる。これらアニオン重合開始剤は単独で用いても良いし、2種以上を混合して用いても良い。ポリフェニレンエーテルエーテルケトンオリゴマー(B)の加熱重合をこれら好ましい触媒の存在下に行うことにより、ポリフェニレンエーテルエーテルケトン(B’)が短時間で得られる傾向にあり、具体的には加熱重合の加熱時間として、2時間以下、さらには1時間以下、0.5時間以下が例示できる。
本発明の成形材料を加熱することにより、成形材料中のポリフェニレンエーテルエーテルケトンオリゴマー(B)が重合触媒(C)存在下で加熱重合されることで、ポリフェニレンエーテルエーテルケトン(B’)をマトリクス樹脂とする繊維強化複合材料からなる成形品が得られる。ここでのポリフェニレンエーテルエーテルケトン(B’)とは、パラフェニレンケトン、およびパラフェニレンエーテルを繰り返し構造単位に持つ、下記一般式(II)で表される線状化合物である。
本発明の成形材料は、強化繊維(A)、ポリフェニレンエーテルエーテルケトンオリゴマー(B)、および重合触媒(C)で構成される。
本発明の成形材料は、ポリフェニレンエーテルエーテルケトンオリゴマー(B)と重合触媒(C)を溶媒に溶解または分散させて低粘度化し、強化繊維(A)に含浸させるウエット法、またはポリフェニレンエーテルエーテルケトンオリゴマー(B)と重合触媒(C)からなる混合物を加熱により低粘度化し、強化繊維(A)に含浸させるホットメルト法等によって製造できる。
本発明の成形材料は、任意の構成で1枚以上積層後、熱及び圧力を付与しながらポリフェニレンエーテルエーテルケトンオリゴマー(B)を重合させることで、ポリフェニレンエーテルエーテルケトン(B’)をマトリクス樹脂とする成形品が得られる。
本発明の成形材料を用いて得られた成形品は、マトリックス樹脂がポリフェニレンエーテルエーテルケトンであり、耐熱性、機械特性、難燃性、耐薬品性などに優れたものとなる。また、マトリックス樹脂が熱可塑性のポリフェニレンエーテルエーテルケトンであるため、加熱などにより樹脂を可塑化できるのでリサイクルやリペアが容易な成形品となる。
高速液体クロマトグラフィーによって、ポリフェニレンエーテルエーテルケトンオリゴマー(B)中の環式ポリフェニレンエーテルエーテルケトンの定量を行った。測定条件を下記する。
装置 :島津株式会社製 LC−10Avpシリーズ
カラム :Mightysil RP−18GP150−4.6
検出器 :フォトダイオードアレイ検出器(UV=270nmを使用)
カラム温度 :40℃
サンプル :0.1重量%THF溶液
移動相 :THF/0.1w%トリフルオロ酢酸水溶液。
JIS K7121(1987)に準拠し、示差走査型熱量測定装置、DSCシステムTA3000(メトラー社製)を用い、昇温速度10℃/分で測定し、融解ピーク温度を融点とし、融解ピーク面積から融解エンタルピーを求めた。
下記条件により、赤外分光における吸収スペクトルの測定を行った。
装置 :Perkin Elmer System 2000 FT−IR
サンプル調製:KBr法。
下記条件により、還元粘度の測定を行った。
粘度計 :オストワルド型粘度計
溶媒 :98重量%硫酸
サンプル濃度:0.1g/dL(サンプル重量/溶媒容量)
測定温度 :25℃
還元粘度計算式 :η={(t/t0)−1}/C
t :サンプル溶液の通過秒数
t0 :溶媒の通過秒数
C :溶液の濃度。
成形材料を20mm角に切り出し、80℃、100gのクロロホルムで5時間かけてポリフェニレンエーテルエーテルケトンオリゴマー(B)をソックスレー抽出した。残った残渣を乾燥させて、抽出前後の重量差から繊維重量含有率を算出した。測定n数は3とした。
成形材料の厚み方向断面を以下のように観察して測定した。成形材料をエポキシ樹脂で包埋したサンプルを用意し、成形材料の厚み方向断面が良好に観察できるようになるまで、前記サンプルを研磨した。ここで得られたサンプルを用いて、成形材料の厚み×幅500μmの範囲を超深度カラー3D形状測定顕微鏡VK−9500(コントローラー部)/VK−9510(測定部)((株)キーエンス製)を使用して拡大倍率400倍で撮影した。撮影画像において、樹脂が占める部位の面積および、空隙(ボイド)となっている部位の面積を求め、次式により含浸率を算出した。
含浸率(%)=100×(樹脂が占める部位の総面積)/{(樹脂が占める部位の総面積)+(空隙となっている部位の総面積)}
ポリフェニレンエーテルエーテルケトンオリゴマー(B)の含浸率の評価は、この含浸率を判断基準とし、以下の3段階で評価し、○以上を合格とした。
○○:含浸率が80%以上、100%以下である。
○ :含浸率が20%以上、80%未満である。
× :含浸率が20%未満である。
本発明でのドレープ性とは、成形材料を型に沿って変形させた場合に、成形材料の破壊や繊維の折損を伴うことなく、成形材料が型に柔軟に追随する度合いを表すものである。本発明においては、図1に示す評価冶具1を用いて評価を行った。冶具1は、長さaが100mm、高さbが100mm、ブロックコーナー角度dが90°であった。得られたプリプレグを長さ100mm×幅10mmにカットし、試験サンプル2とする。ここで、サンプルの長さ方向と、強化繊維(A)の長手方向を揃えるものとする。図に示すようにサンプルの一方の端に200gの重錘3を取り付け、もう一方の端と中間点を冶具1のクランプ4に固定し(固定部分cの長さ50mm)、重錘3が静止した状態での成形材料を観察する。各サンプルのドレープ性を下記基準に従い、4段階で評価を行った。
○○:成形材料の破壊、強化繊維の折損無く、90°の角度をなすブロック面に実質的に接する。(ドレープ性に特に優れる。)
○ :成形材料の破壊、強化繊維の折損無く、90°の角度をなすブロックコーナーで屈折している。さらに力を加えるとプリプレグの破壊、強化繊維の折損を伴うことなく、強制的にブロック面に接することができる。(ドレープ性に優れる。)
△ :成形材料の破壊、強化繊維の折損無く、90°の角度をなすブロックコーナーで屈折している。さらに力を加えても、強制的にブロック面に接することができない、もしくは成形材料の破壊、強化繊維の折損を伴う。(ドレープ性にやや劣る。)
× :90°の角度をなすブロックコーナーで屈折するが、プリプレグの破壊、強化繊維の折損を伴う。または、90°の角度をなすブロックコーナーで屈折しない。(ドレープ性に劣る。)
繊維方向を一方向に揃えて成形材料を積層し、厚さ2±0.4mmで成形した成形品から、繊維軸方向を長辺として、JIS K 7074−1988に準拠した寸法の試験片を切り出した。
試験機として、"インストロン"(登録商標)万能試験機4201型(インストロン社製)を用いて3点曲げ試験を行い、0°曲げ弾性率および0°曲げ強度を算出した。
成形品の厚み方向断面を以下のように観察して測定した。成形品をエポキシ樹脂で包埋したサンプルを用意し、成形品の厚み方向断面が良好に観察できるようになるまで、前記サンプルを研磨した。ここで得られたサンプルを用いて、成形品の厚み×幅500μmの範囲を超深度カラー3D形状測定顕微鏡VK−9500(コントローラー部)/VK−9510(測定部)((株)キーエンス製)を使用して拡大倍率400倍で撮影した。撮影画像において、空隙(ボイド)となっている部位の面積を求め、次式により含浸率を算出した。
ボイド率(%)=100×(空隙となっている部位の総面積)/(成形品の観察部位の総面積)
成形品のボイド率評価は、このボイド率を判断基準とし、以下の3段階で評価し、○以上を合格とした。
○○:ボイド率が0%以上、20%以下である。成型品の物性バラつきが非常に小さい。
○ :ボイド率が20%より大きく、40%以下である。成型品の物性バラつきが小さい。
× :ボイド率が40%より大きい。成型品の物性バラつきが大きい。
(参考例1)ポリフェニレンエーテルエーテルケトンオリゴマー(B)の製造方法(a)
攪拌機、窒素吹き込み管、ディーン・スターク装置、冷却管、温度計を具備した4つ口フラスコに、4,4’−ジフルオロベンゾフェノン2.40g(11mmol)、ヒドロキノン1.10g(10mmol)、無水炭酸カリウム1.52g(11mmol)、ジメチルスルホキシド100mL、トルエン10mLを仕込んだ。混合物中のベンゼン環成分1.0モルに対するジメチルスルホキシドの量は3.13リットルである。窒素を通じながら140℃まで昇温し、140℃で1時間保持、その後160℃にまで昇温し160℃で4時間保持して反応を行った。反応終了後、室温にまで冷却して反応混合物を調製した。
ここでは、ポリフェニレンエーテルエーテルケトンオリゴマー(B)の製造方法により副生する線状ポリフェニレンエーテルエーテルケトンを用いたポリフェニレンエーテルエーテルケトンオリゴマー(B)の製造方法(b)について記す。
ここでは、特許公表2007−506833の実施例に記載の一般的な方法によるポリフェニレンエーテルエーテルケトンの製造方法に準じた合成について記す。
ここでは、参考例3による方法で得られた線状ポリフェニレンエーテルエーテルケトン(還元粘度;0.75dL/g)を用いた環式ポリフェニレンエーテルエーテルケトンの製造方法(c)について記す。
(実施例1)
参考例1で調製したポリフェニレンエーテルエーテルケトンオリゴマー(B)に、重合触媒(C)としてフッ化セシウムをポリフェニレンエーテルエーテルケトンオリゴマー(B)の主要構成単位である式−(O−Ph−O−Ph−CO−Ph)−の繰り返し単位に対して5モル%となるよう添加し、230℃の溶融バス中で溶融させ溶融混合物を得た。溶融混合物を、ナイフコーターを使用して230℃で離型紙上に所定の厚みに塗布し、樹脂フィルムを作製した。
参考例2で調製したポリフェニレンエーテルエーテルケトンオリゴマー(B)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、一方向プリプレグを製造した。得られた一方向プリプレグを用いて、実施例1と同様の方法で、成形材料の評価を行った。
参考例3で調製したポリフェニレンエーテルエーテルケトンオリゴマー(B)を用い、樹脂溶融温度、フィルム化温度および繊維含浸温度を350℃に代え、繊維含浸ロール圧力を0.5MPaに代えた以外は、実施例1と同様の方法で、一方向プリプレグの製造を試みたところ、樹脂が強化繊維(A)の内部まで含浸しなかった。これは、プロセス温度が高い為に、ポリフェニレンエーテルエーテルケトンオリゴマー(B)の重合が進行し、ポリフェニレンエーテルエーテルケトン(B’)となったことで、強化繊維(A)への含浸が困難になったためであった。得られた一方向プリプレグを用いて、実施例1と同様の方法で、成形材料の評価を行った。
参考例4で調製したポリフェニレンエーテルエーテルケトンオリゴマー(B)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、一方向プリプレグを製造した。得られた一方向プリプレグを用いて、実施例1と同様の方法で、成形材料の評価を行った。
重合触媒(C)としてのフッ化セシウムを用いない以外は、実施例1と同様の方法で、一方向プリプレグを製造した。得られた一方向プリプレグを用いて、実施例1と同様の方法で、成形材料の評価を行った。
ポリフェニレンエーテルエーテルケトンオリゴマー(B)に代えて、VICTREX(登録商標)PEEKTM151G(ビクトレックス・エムシー(株)製ポリエーテルエーテルケトン樹脂、融点343℃)を用い、樹脂溶融温度、フィルム化温度および繊維含浸温度を400℃に代え、繊維含浸ロール圧力を0.5MPaに代えた以外は実施例1と同様の方法で、一方向プリプレグの製造を試みたところ、樹脂の粘度が高く強化繊維(A)の内部まで含浸しなかった。得られた一方向プリプレグを用いて、実施例1と同様の方法で、成形材料の評価を行った。
実施例1と同様に一方向プリプレグを製造し、成形材料の評価を行った。
実施例1と同様に一方向プリプレグを製造し、成形材料の評価を行った。
強化繊維(A)の含有量が76重量%になるように、原料の供給量を調整した用いた以外は、実施例1と同様の方法で、一方向プリプレグを製造した。得られた一方向プリプレグを用いて、実施例1と同様の方法で、成形材料の評価を行った。
参考例1で調製したポリフェニレンエーテルエーテルケトンオリゴマー(B)に、重合触媒(C)としてフッ化セシウムをポリフェニレンエーテルエーテルケトンオリゴマー(B)の主要構成単位である式−(O−Ph−O−Ph−CO−Ph)−の繰り返し単位に対して5モル%となるよう添加し、230℃の溶融バス中で溶融させ溶融混合物を得た。溶融混合物を、ナイフコーターを使用して230℃で離型紙上に所定の厚みに塗布し、樹脂フィルムを作製した。
実施例7と同様に一方向プリプレグを製造し、成形材料の評価を行った。
実施例7と同様に一方向プリプレグを製造し、成形材料の評価を行った。
2 ドレープ性を評価する為のサンプル
3 重錘
4 サンプルを固定する為のクランプ
Claims (14)
- 強化繊維(A)とポリフェニレンエーテルエーテルケトンオリゴマー(B)と重合触媒(C)からなる成形材料であって該成分(B)の融点が270℃以下である成形材料。
- 前記成分(B)が環式ポリフェニレンエーテルエーテルケトンを60重量%以上含む請求項1に記載の成形材料。
- 前記成分(B)が異なる繰り返し数mを有する環式ポリフェニレンエーテルエーテルケトンの混合物である請求項1または2のいずれかに記載の成形材料。
- 前記成分(A)が、炭素繊維である請求項1〜3のいずれかに記載の成形材料。
- 前記成分(C)がアルカリ金属塩である請求項1〜4のいずれかに記載の成形材料。
- 前記成分(A)の含有量が30重量%以上である請求項1〜5のいずれかに記載の成形材料。
- 前記成分(C)の含有量が、前記成分(B)中のエーテルエーテルケトン構成単位1モルに対し0.001〜20モル%である請求項1〜6のいずれかに記載の成形材料。
- 前記成形材料における、前記成分(B)の含浸率が80%以上、100%以下である、請求項1〜7のいずれかに記載の成形材料。
- 前記成形材料における、前記成分(B)の含浸率が20%以上、80%未満である、請求項1〜7のいずれかに記載の成形材料。
- 請求項1〜9のいずれかに記載の成形材料を、金型を用いてプレス成形する成形方法。
- 前記金型内で前記成分(B)をポリフェニレンエーテルエーテルケトン(B’)に重合させる請求項10に記載の成形方法。
- 前記成分(B)を前記成分(B’)に重合させる際の、前記金型の表面温度が160℃以上である請求項11に記載の成形方法。
- 前記成分(B)を前記成分(B’)に重合させる際の、前記金型の表面温度が前記成分(B’)の融点以下である請求項11または12のいずれかに記載の成形方法。
- 前記金型内で前記成分(B)を前記成分(B’)に重合させた後、金型を冷却せずに型開きして成形品を取り出す請求項11〜13のいずれかに記載の成形方法。
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