JP5589974B2 - 繊維強化複合材料の製造方法 - Google Patents
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Description
(1)強化繊維基材(A)を成形型に配置する工程(I−1)、ポリフェニレンエーテルエーテルケトンオリゴマー(B)を加熱溶融させて溶融液とする工程(II−1)、該工程(I−1)の成形型に該工程(II−1)で得られた溶融液を注入して、該成分(B)を該成分(A)に含浸させる工程(III−1)、該成分(B)を加熱重合させることにより、ポリフェニレンエーテルエーテルケトン(B’)とする工程(IV−1)を有してなる繊維強化複合材料の製造方法であって、該工程(II−1)で用いられる該成分(B)の融点が270℃以下である繊維強化複合材料の製造方法。
(2)強化繊維基材(A)を引き出し、連続的に供給する工程(I−2)、ポリフェニレンエーテルエーテルケトンオリゴマー(B)を含浸槽内で加熱溶融させて溶融液とする工程(II−2)、該工程(II−2)の含浸槽に該成分(A)を連続的に通し、該成分(B)を該成分(A)に含浸させ、得られた複合体をマンドレルに巻きつける工程(III−2)、該成分(B)を加熱重合させることにより、ポリフェニレンエーテルエーテルケトン(B’)とする工程(IV−2)を有してなる繊維強化複合材料の製造方法であって、該工程(II−2)で用いられる該成分(B)の融点が270℃以下である繊維強化複合材料の製造方法。
(3)強化繊維基材(A)を引き出し、連続的に供給する工程(I−3)、ポリフェニレンエーテルエーテルケトンオリゴマー(B)を含浸槽内で加熱溶融させて溶融液とする工程(II−3)、該工程(II−3)の含浸槽に該成分(A)を連続的に通し、該成分(B)を該成分(A)に含浸させた複合体を得る工程(III−3)、得られた複合体を金型に通して連続的に引き抜き成形することで、該成分(B)を加熱重合させることにより、ポリフェニレンエーテルエーテルケトン(B’)とする工程(IV−3)を有してなる繊維強化複合材料の製造方法であって、該工程(II−3)で用いられる該成分(B)の融点が270℃以下である繊維強化複合材料の製造方法。
(4)前記成分(B)が環式ポリフェニレンエーテルエーテルケトンを60重量%以上含む(1)〜(3)のいずれかに記載の繊維強化複合材料の製造方法。
(5)前記成分(B)が異なる繰り返し数mを有する環式ポリフェニレンエーテルエーテルケトンの混合物である(1)〜(4)のいずれかに記載の繊維強化複合材料の製造方法。
(6)前記成分(B)の溶融液に、さらに重合触媒(C)を添加する(1)〜(5)のいずれかに記載の繊維強化複合材料の製造方法。
(7)前記工程(II−1)、(II−2)または(II−3)において、前記成分(B)を160℃以上の温度で加熱溶融させて溶融液とする(1)〜(6)のいずれかに記載の繊維強化複合材料の製造方法。
(8)前記工程(II−1)、(II−2)または(II−3)において、前記成分(B)からなる溶融液の溶融粘度を10Pa・s以下に調整する(1)〜(7)のいずれかに記載の繊維強化複合材料の製造方法
(9)前記工程(IV−1)、(IV−2)または(IV−3)において、400℃以下の温度で前記加熱重合を行う(1)〜(8)のいずれかに記載の繊維強化複合材料の製造方法。
(10)前記工程(IV−1)、(IV−2)または(IV−3)において、160℃〜330℃の温度で前記加熱重合を行う(1)〜(9)のいずれかに記載の繊維強化複合材料の製造方法。
(11)前記成分(A)と前記成分(B)の合計が100重量%とした際の前記成分(A)の含有量が10重量%以上である(1)〜(10)のいずれかに記載の繊維強化複合材料の製造方法。
(12)前記成分(C)の含有量が、前記成分(B)中のエーテルエーテルケトン構成単位1モルに対し0.001〜20モル%である(6)に記載の繊維強化複合材料の製造方法。
(13)前記成分(A)が、炭素繊維の単繊維を少なくとも10,000本含有してなる、(1)〜(12)のいずれかに記載の繊維強化複合材料の製造方法。
(14)前記成分(C)がアルカリ金属塩である(6)に記載の繊維強化複合材料の製造方法。
本発明で用いられる強化繊維基材(A)としては、特に限定されないが、炭素繊維、ガラス繊維、アラミド繊維、ボロン繊維、アルミナ繊維、鉱物繊維、炭化ケイ素繊維等が使用でき、これらの繊維を2種以上混在させることもできる。
本発明におけるポリフェニレンエーテルエーテルケトンオリゴマー(B)は融点が270℃以下であり、さらに、250℃以下であることが好ましく、230℃以下であることがより好ましく、200℃以下であることがさらに好ましく、180℃以下であることが特に好ましく例示できる。ポリフェニレンエーテルエーテルケトンオリゴマー(B)の融点が低いほど加工温度を下げることが可能であり、プロセス温度を低く設定可能となるため加工に要するエネルギーを低減し得るとの観点で有利となる。また、プロセス温度を低く設定できることにより、例えば、後述する重合触媒(C)とポリフェニレンエーテルエーテルケトンオリゴマー(B)を溶融させて混合する工程において、溶融混練の温度を重合温度よりも十分に低く設定できるようになる。かかる効果により、繊維強化複合材料の製造プロセスにおいて、貯蔵中や強化繊維基材(A)への含浸の前にポリフェニレンエーテルエーテルケトンオリゴマー(B)の重合が進行して溶融粘度が増加するといった好ましくない反応を抑制できる。なおここで、ポリフェニレンエーテルエーテルケトンオリゴマー(B)の融点は示差走査型熱量測定装置を用いて吸熱ピーク温度を観測することにより測定することが可能である。
η={(t/t0)−1}/C
(ここでのtはサンプル溶液の通過秒数、t0は溶媒(98重量%濃硫酸)の通過秒数、Cは溶液の濃度を表す。)。
(a)少なくともジハロゲン化芳香族ケトン化合物、ジヒドロキシ芳香族化合物、塩基、および有機極性溶媒を含む混合物を加熱して反応させることによる製造方法。
(b)少なくとも線状ポリフェニレンエーテルエーテルケトン、ジハロゲン化芳香族ケトン化合物、ジヒドロキシ芳香族化合物、塩基および有機極性溶媒を含む混合物を加熱して反応させることによる製造方法。
(c)少なくとも線状ポリフェニレンエーテルエーテルケトン、塩基性化合物、有機極性溶媒を含む混合物を加熱して反応させることによる製造方法。
本発明におけるポリフェニレンエーテルエーテルケトンオリゴマー(B)を重合させることによりポリフェニレンエーテルエーテルケトン(B’)が得られる。ここでのポリフェニレンエーテルエーテルケトン(B’)とは、パラフェニレンケトン、およびパラフェニレンエーテルを繰り返し構造単位に持つ、下記一般式(II)で表される線状化合物である。
本発明において、重合触媒(C)は、ポリフェニレンエーテルエーテルケトンオリゴマー(B)のポリフェニレンエーテルエーテルケトン(B’)への加熱重合反応を加速させるための触媒であり、かかる効果のある化合物であれば特に制限はなく、光重合開始剤、ラジカル重合開始剤、カチオン重合開始剤、アニオン重合開始剤、遷移金属触媒など公知の触媒を用いることができるが、なかでもアニオン重合開始剤が好ましい。アニオン重合開始剤としては、無機アルカリ金属塩または有機アルカリ金属塩などのアルカリ金属塩を例示することができ、無機アルカリ金属塩としてはフッ化ナトリウム、フッ化カリウム、フッ化セシウム、塩化リチウムなどのアルカリ金属ハロゲン化物を例示でき、また有機アルカリ金属塩としては、ナトリウムメトキシド、カリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウムエトキシド、ナトリウムtert−ブトキシド、カリウムtert−ブトキシドなどのアルカリ金属アルコキシドまたは、ナトリウムフェノキシド、カリウムフェノキシド、ナトリウム−4−フェノキシフェノキシド、カリウム−4−フェノキシフェノキシドなどのアルカリ金属フェノキシド、酢酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウムなどのアルカリ金属酢酸塩を例示することができる。また、これらアニオン重合開始剤は、ポリフェニレンエーテルエーテルケトンオリゴマー(B)を求核攻撃することにより触媒作用を発現していると推測している。従って、これらアニオン重合開始剤と同等の求核攻撃能を有する化合物を触媒として用いることも可能であり、このような求核攻撃能を有する化合物としては、アニオン重合性末端を有するポリマーを挙げることができる。これらアニオン重合開始剤は単独で用いても良いし、2種以上を混合して用いても良い。ポリフェニレンエーテルエーテルケトンオリゴマー(B)の加熱重合をこれら好ましい触媒の存在下に行うことにより、ポリフェニレンエーテルエーテルケトン(B’)が短時間で得られる傾向にあり、具体的には加熱重合の加熱時間として、2時間以下、さらには1時間以下、0.5時間以下が例示できる。
本発明の繊維強化複合材料の製造方法において、ポリフェニレンエーテルエーテルケトンオリゴマー(B)は加熱溶融により溶融液とする必要がある。加熱溶融させて溶融液とする温度は、ポリフェニレンエーテルエーテルケトンオリゴマー(B)の加熱重合をなるべく起こさないような温度を設定するのが好ましい。かかる温度の範囲としては、160〜340℃、好ましくは180〜320℃、より好ましくは200〜300℃、特に好ましくは230〜270℃が例示できる。また、この温度範囲であれば、ポリフェニレンエーテルエーテルケトンオリゴマー(B)の溶融粘度を10Pa・s以下に調整することができ、強化繊維基材(A)への含浸が容易となる。160℃より低い温度で加熱した場合、ポリフェニレンエーテルエーテルケトンオリゴマー(B)が溶融しない、あるいは溶融に長時間を要する傾向があり望ましくない。340℃より高温で加熱した場合は、ポリフェニレンエーテルエーテルケトオリゴマー(B)の重合が急速に進み、ポリフェニレンエーテルエーテルケトン(B’)の生成による粘度上昇が起こり、強化繊維基材(A)への含浸の際に悪影響を生じる場合がある。
本発明の第1の繊維強化複合材料の製造方法は、RTM(Resin Transfer Molding)法であり、強化繊維基材(A)を成形型に配置する工程(I−1)、ポリフェニレンエーテルエーテルケトンオリゴマー(B)を加熱溶融させて溶融液とする工程(II−1)、該工程(I−1)の成形型に該工程(II−1)で得られた溶融液を注入して、該成分(B)を該成分(A)に含浸させる工程(III−1)、該成分(B)を加熱重合させることにより、ポリフェニレンエーテルエーテルケトン(B’)とする工程(IV−1)を有し、さらに、工程(II−1)において用いるポリフェニレンエーテルエーテルケトンオリゴマー(B)の融点が270℃以下であることを特徴とする。
本発明の第2の繊維強化複合材料の製造方法は、いわゆるフィラメントワインディング成形法であり、強化繊維基材(A)を引き出し、連続的に供給する工程(I−2)、ポリフェニレンエーテルエーテルケトンオリゴマー(B)を含浸槽内で加熱溶融させて溶融液とする工程(II−2)、該工程(II−2)の含浸槽に該成分(A)を連続的に通し、該成分(B)を該成分(A)に含浸させ、得られた複合体をマンドレルに巻きつける工程(III−2)、該成分(B)を加熱重合させることにより、ポリフェニレンエーテルエーテルケトン(B’)とする工程(IV−2)を有し、さらにポリフェニレンエーテルエーテルケトン(B)の融点が270℃以下であることを特徴とする。
本発明の第3の繊維強化複合材料の製造方法は、いわゆる引き抜き成形法であり、強化繊維基材(A)を引き出し、連続的に供給する工程(I−3)、ポリフェニレンエーテルエーテルケトンオリゴマー(B)を含浸槽内で加熱溶融させて溶融液とする工程(II−3)、該工程(II−3)の含浸槽に該成分(A)を連続的に通し、該成分(B)を該成分(A)に含浸させた複合体を得る工程(III−3)、得られた複合体を金型に通して連続的に引き抜き成形することで、該成分(B)を加熱重合させることにより、ポリフェニレンエーテルエーテルケトン(B’)とする工程(IV−3)を有し、さらにポリフェニレンエーテルエーテルケトン(B)の融点が270℃以下であることを特徴とする。
本発明において得られる繊維強化複合材料は、強化繊維基材(A)と、ポリフェニレンエーテルエーテルケトンオリゴマー(B)から構成される。
高速液体クロマトグラフィーによって、ポリフェニレンエーテルエーテルケトンオリゴマー(B)中の環式ポリフェニレンエーテルエーテルケトンの定量を行った。測定条件を下記する。
装置 :島津株式会社製 LC−10Avpシリーズ
カラム :Mightysil RP−18GP150−4.6
検出器 :フォトダイオードアレイ検出器(UV=270nmを使用)
カラム温度 :40℃
サンプル :0.1重量%THF溶液
移動相 :THF/0.1w%トリフルオロ酢酸水溶液。
JIS K7121(1987)に準拠し、示差走査型熱量測定装置、DSCシステムTA3000(メトラー社製)を用い、昇温速度10℃/分で測定し、融解ピーク温度を融点とし、融解ピーク面積から融解エンタルピーを求めた。
下記条件により、赤外分光における吸収スペクトルの測定を行った。
装置 :Perkin Elmer System 2000 FT−IR
サンプル調製:KBr法。
下記条件により、還元粘度の測定を行った。
粘度計 :オストワルド型粘度計
溶媒 :98重量%硫酸
サンプル濃度:0.1g/dL(サンプル重量/溶媒容量)
測定温度 :25℃
還元粘度計算式 :η={(t/t0)−1}/C
t :サンプル溶液の通過秒数
t0 :溶媒の通過秒数
C :溶液の濃度。
溶融粘度は、動的粘弾性測定装置にて以下の条件で行った。
装置 :TA インスツルメント ARES
プレート:パラレルプレート 直径40mm
厚さ2±0.4mmで成形した繊維強化複合材料から、JIS K 7074−1988に準拠した寸法の試験片を切り出した。
試験機として、"インストロン"(登録商標)万能試験機4201型(インストロン社製)を用いて3点曲げ試験を行い、曲げ強度を算出した。
繊維強化複合材料中の強化繊維基材(A)の含有量は、繊維強化複合材料の製造に使用した強化繊維基材(A)の重量と、得られた繊維強化複合材料の重量とから、下式により求めた。
強化繊維基材(A)の含有量(重量%)=100×(用いた強化繊維基材(A)の重量)/(得られた繊維強化複合材料の重量)
繊維強化複合材料の厚み方向断面を以下のように観察して測定した。繊維強化複合材料をエポキシ樹脂で包埋したサンプルを用意し、繊維強化複合材料の厚み方向断面が良好に観察できるようになるまで、前記サンプルを研磨した。ここで得られたサンプルを用いて、成形品の厚み×幅500μmの範囲を超深度カラー3D形状測定顕微鏡VK−9500(コントローラー部)/VK−9510(測定部)((株)キーエンス製)を使用して拡大倍率400倍で撮影した。撮影画像において、ボイド(空隙)となっている部位の面積を求め、次式により含浸率を算出した。
ボイド率(%)=100×(ボイドとなっている部位の総面積)/(成形品の観察部位の総面積)
成形品のボイド率評価は、このボイド率を判断基準とし、以下の3段階で評価し、○を合格とした。
○ :ボイド率が0%以上、20%以下である。成形品の物性バラつきが非常に小さい。
△ :ボイド率が20%より大きく、40%以下である。成形品の物性バラつきが比較的大きい。
× :ボイド率が40%より大きい。成形品の物性バラつきが大きい。
(参考例1)ポリフェニレンエーテルエーテルケトンオリゴマー(B)の製造方法(a)
攪拌機、窒素吹き込み管、ディーン・スターク装置、冷却管、温度計を具備した4つ口フラスコに、4,4’−ジフルオロベンゾフェノン2.40g(11mmol)、ヒドロキノン1.10g(10mmol)、無水炭酸カリウム1.52g(11mmol)、ジメチルスルホキシド100mL、トルエン10mLを仕込んだ。混合物中のベンゼン環成分1.0モルに対するジメチルスルホキシドの量は3.13リットルである。窒素を通じながら140℃まで昇温し、140℃で1時間保持、その後160℃にまで昇温し160℃で4時間保持して反応を行った。反応終了後、室温にまで冷却して反応混合物を調製した。
ここでは、ポリフェニレンエーテルエーテルケトンオリゴマー(B)の製造方法により副生する線状ポリフェニレンエーテルエーテルケトンを用いたポリフェニレンエーテルエーテルケトンオリゴマー(B)の製造方法(b)について記す。
ここでは、特許公表2007−506833の実施例に記載の一般的な方法によるポリフェニレンエーテルエーテルケトンの製造方法に準じた合成について記す。
ここでは、参考例3による方法で得られた線状ポリフェニレンエーテルエーテルケトン(還元粘度;0.75dL/g)を用いた環式ポリフェニレンエーテルエーテルケトンの製造方法(c)について記す。
(実施例1)
工程(I−1):長さ300mm×幅300mm×厚み2mmの板状キャビティを持つ成形型内に強化繊維基材(A)としてトレカ(登録商標)BT70−30(東レ(株)製炭素繊維織物、T700S−12K、組織:平織、目付:300g/m2)を8枚積層し、プレス装置で型締めを行った。
参考例2で調製したポリフェニレンエーテルエーテルケトンオリゴマー(B)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で繊維強化複合材料を製造した。得られた繊維強化複合材料を実施例1と同様に各種評価に供した。各プロセス条件及び評価結果を表1に記載した。
参考例3で調製したポリフェニレンエーテルエーテルケトンオリゴマー(B)を用い、工程(II−1)における加熱溶融温度を350℃に代え、工程(III−1)および(IV−1)における成形型の表面温度を400℃に代え、工程(IV−1)における加熱時間を10分に代え、さらに成形型の表面温度を400℃から150℃まで25分かけて冷却してから繊維強化複合材料の脱型を行った以外は、実施例1と同様の方法で繊維強化複合材料を製造した。得られた繊維強化複合材料を実施例1と同様に各種評価に供した。ここで得られた繊維強化複合材料は実施例1に比べ、ボイドが多く、得られた繊維強化複合材料は非常にもろいものであった。これは、強化繊維基材(A)への含浸前にポリフェニレンエーテルエーテルケトンオリゴマー(B)の重合が起こった為だと考えられる。各プロセス条件及び評価結果を表1に記載した。
参考例4で調製したポリフェニレンエーテルエーテルケトンオリゴマー(B)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で繊維強化複合材料を製造した。得られた繊維強化複合材料を実施例1と同様に各種評価に供した。各プロセス条件及び評価結果を表1に記載した。
ポリフェニレンエーテルエーテルケトンオリゴマー(B)に代えて、VICTREX(登録商標)PEEKTM151G(ビクトレックス・エムシー(株)製ポリエーテルエーテルケトン樹脂、融点343℃、400℃における溶融粘度150Pa・s)を用い、工程(II−1)における加熱溶融温度を400℃に代え、工程(III−1)および(IV−1)における成形型の表面温度を400℃に代え、工程(IV−1)における加熱時間を10分に代え、さらに成形型の表面温度を400℃から150℃まで25分かけて冷却してから繊維強化複合材料の脱型を行った以外は、実施例1と同様の方法で繊維強化複合材料を製造した。得られた繊維強化複合材料を実施例1と同様に各種評価に供した。ここで得られた繊維強化複合材料は実施例1に比べ、ボイドが多く、得られた繊維強化複合材料は非常にもろいものであった。これは、強化繊維基材(A)への含浸前にポリフェニレンエーテルエーテルケトンオリゴマー(B)の重合が起こった為だと考えられる。各プロセス条件及び評価結果を表1に記載した。
参考例4で調製したポリフェニレンエーテルエーテルケトンオリゴマー(B)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で繊維強化複合材料を製造した。得られた繊維強化複合材料を実施例1と同様に各種評価に供した。各プロセス条件及び評価結果を表1に記載した。
工程(III−1)および(IV−1)における成形型の表面温度を350℃に代え、工程(IV−1)における加熱時間を10分に代え、さらに成形型の表面温度を350℃から150℃まで20分かけて冷却してから繊維強化複合材料の脱型を行った以外は、実施例1と同様の方法で繊維強化複合材料を製造した。得られた繊維強化複合材料を実施例1と同様に各種評価に供した。各プロセス条件及び評価結果を表1に記載した。
工程(III−1)および(IV−1)における成形型の表面温度を400℃に代え、工程(IV−1)における加熱時間を10分に代え、さらに成形型の表面温度を400℃から150℃まで25分かけて冷却してから繊維強化複合材料の脱型を行った以外は、実施例1と同様の方法で繊維強化複合材料を製造した。得られた繊維強化複合材料を実施例1と同様に各種評価に供した。各プロセス条件及び評価結果を表1に記載した。
(実施例6)
図1および図2を参照しながら説明する。
さらに、円筒体2の両端部に金属製継手3を圧入接合し、プロペラシャフト1とした。
工程(IV−2)におけるオーブンによる加熱条件を400℃で10分間に代えた以外は、実施例6と同様の方法で繊維強化複合材料を製造した。得られた繊維強化複合材料を実施例6と同様に各種評価に供した。各プロセス条件及び評価結果を表2に記載した。
参考例3で調製したポリフェニレンエーテルエーテルケトンオリゴマー(B)を用い、工程(II−2)における加熱溶融温度を350℃に代え、工程(IV−2)におけるオーブンによる加熱条件を400℃で10分間に代えた以外は、実施例6と同様の方法で繊維強化複合材料を製造した。得られた繊維強化複合材料を実施例6と同様に各種評価に供した。ここで得られた繊維強化複合材料は実施例6に比べ、ボイドが多かった。これは、強化繊維基材(A)への含浸前にポリフェニレンエーテルエーテルケトンオリゴマー(B)の重合が起こった為だと考えられる。各プロセス条件及び評価結果を表2に記載した。
ポリフェニレンエーテルエーテルケトンオリゴマー(B)に代えて、VICTREX(登録商標)PEEKTM151G(ビクトレックス・エムシー(株)製ポリエーテルエーテルケトン樹脂、融点343℃、400℃における溶融粘度150Pa・s)を用い、工程(II−2)における加熱溶融温度を400℃に代え、工程(IV−2)におけるオーブンによる加熱条件を400℃で10分間に代えた以外は、実施例6と同様の方法で繊維強化複合材料を製造した。得られた繊維強化複合材料を実施例6と同様に各種評価に供した。ここで得られた繊維強化複合材料は実施例6に比べ、ボイドが多かった。これは、強化繊維基材(A)への含浸前にポリフェニレンエーテルエーテルケトンオリゴマー(B)の重合が起こった為だと考えられる。各プロセス条件及び評価結果を表2に記載した。
(実施例8)
工程(I−3):強化繊維基材(A)としてトレカ(登録商標)T700S−24K(東レ(株)製炭素繊維)112本を連続的に引き出した。
工程(IV−3)における金型による加熱条件を400℃で10分間に代えた以外は、実施例8と同様の方法で繊維強化複合材料を製造した。得られた繊維強化複合材料を実施例8と同様に各種評価に供した。各プロセス条件及び評価結果を表3に記載した。
参考例3で調製したポリフェニレンエーテルエーテルケトンオリゴマー(B)を用い、工程(II−3)における加熱溶融温度を350℃に代え、工程(IV−3)における金型による加熱条件を400℃で10分間に代えた以外は、実施例8と同様の方法で繊維強化複合材料を製造した。得られた繊維強化複合材料を実施例8と同様に各種評価に供した。ここで得られた繊維強化複合材料は実施例8に比べ、ボイドが多かった。これは、強化繊維基材(A)への含浸前にポリフェニレンエーテルエーテルケトンオリゴマー(B)の重合が起こった為だと考えられる。各プロセス条件及び評価結果を表3に記載した。
ポリフェニレンエーテルエーテルケトンオリゴマー(B)に代えて、VICTREX(登録商標)PEEKTM151G(ビクトレックス・エムシー(株)製ポリエーテルエーテルケトン樹脂、融点343℃、400℃における溶融粘度150Pa・s)を用い、工程(II−3)における加熱溶融温度を400℃に代え、工程(IV−3)における金型による加熱条件を400℃で10分間に代えた以外は、実施例8と同様の方法で繊維強化複合材料を製造した。得られた繊維強化複合材料を実施例8と同様に各種評価に供した。ここで得られた繊維強化複合材料は実施例8に比べ、ボイドが多かった。これは、強化繊維基材(A)への含浸前にポリフェニレンエーテルエーテルケトンオリゴマー(B)の重合が起こった為だと考えられる。各プロセス条件及び評価結果を表3に記載した。
2 :繊維強化複合材料製の円筒体
2a:内層
2b:主層
2c:外層
2d:補強層
3 :金属製継手
Claims (14)
- 強化繊維基材(A)を成形型に配置する工程(I−1)、ポリフェニレンエーテルエーテルケトンオリゴマー(B)を加熱溶融させて溶融液とする工程(II−1)、該工程(I−1)の成形型に該工程(II−1)で得られた溶融液を注入して、該成分(B)を該成分(A)に含浸させる工程(III−1)、該成分(B)を加熱重合させることにより、ポリフェニレンエーテルエーテルケトン(B’)とする工程(IV−1)を有してなる繊維強化複合材料の製造方法であって、該工程(II−1)で用いられる該成分(B)の融点が270℃以下である繊維強化複合材料の製造方法。
- 強化繊維基材(A)を引き出し、連続的に供給する工程(I−2)、ポリフェニレンエーテルエーテルケトンオリゴマー(B)を含浸槽内で加熱溶融させて溶融液とする工程(II−2)、該工程(II−2)の含浸槽に該成分(A)を連続的に通し、該成分(B)を該成分(A)に含浸させ、得られた複合体をマンドレルに巻きつける工程(III−2)、該成分(B)を加熱重合させることにより、ポリフェニレンエーテルエーテルケトン(B’)とする工程(IV−2)を有してなる繊維強化複合材料の製造方法であって、該工程(II−2)で用いられる該成分(B)の融点が270℃以下である繊維強化複合材料の製造方法。
- 強化繊維基材(A)を引き出し、連続的に供給する工程(I−3)、ポリフェニレンエーテルエーテルケトンオリゴマー(B)を含浸槽内で加熱溶融させて溶融液とする工程(II−3)、該工程(II−3)の含浸槽に該成分(A)を連続的に通し、該成分(B)を該成分(A)に含浸させた複合体を得る工程(III−3)、得られた複合体を金型に通して連続的に引き抜き成形することで、該成分(B)を加熱重合させることにより、ポリフェニレンエーテルエーテルケトン(B’)とする工程(IV−3)を有してなる繊維強化複合材料の製造方法であって、該工程(II−3)で用いられる該成分(B)の融点が270℃以下である繊維強化複合材料の製造方法。
- 前記成分(B)が環式ポリフェニレンエーテルエーテルケトンを60重量%以上含む請求項1〜3のいずれかに記載の繊維強化複合材料の製造方法。
- 前記成分(B)が異なる繰り返し数mを有する環式ポリフェニレンエーテルエーテルケトンの混合物である請求項1〜4のいずれかに記載の繊維強化複合材料の製造方法。
- 前記成分(B)の溶融液に、さらに重合触媒(C)を添加する請求項1〜5のいずれかに記載の繊維強化複合材料の製造方法。
- 前記工程(II−1)、(II−2)または(II−3)において、前記成分(B)を160℃以上の温度で加熱溶融させて溶融液とする請求項1〜6のいずれかに記載の繊維強化複合材料の製造方法。
- 前記工程(II−1)、(II−2)または(II−3)において、前記成分(B)からなる溶融液の溶融粘度を10Pa・s以下に調整する請求項1〜7のいずれかに記載の繊維強化複合材料の製造方法
- 前記工程(IV−1)、(IV−2)または(IV−3)において、400℃以下の温度で前記加熱重合を行う請求項1〜8のいずれかに記載の繊維強化複合材料の製造方法。
- 前記工程(IV−1)、(IV−2)または(IV−3)において、160℃〜330℃の温度で前記加熱重合を行う請求項1〜9のいずれかに記載の繊維強化複合材料の製造方法。
- 前記成分(A)と前記成分(B)の合計が100重量%とした際の前記成分(A)の含有量が10重量%以上である請求項1〜10のいずれかに記載の繊維強化複合材料の製造方法。
- 前記成分(C)の含有量が、前記成分(B)中のエーテルエーテルケトン構成単位1モルに対し0.001〜20モル%である請求項6に記載の繊維強化複合材料の製造方法。
- 前記成分(A)が、炭素繊維の単繊維を少なくとも10,000本含有してなる、請求項1〜12のいずれかに記載の繊維強化複合材料の製造方法。
- 前記成分(C)がアルカリ金属塩である請求項6に記載の繊維強化複合材料の製造方法。
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