しかし、上記のようなクッションは、使用される車種ごとにエンジンフードの質量・大きさ等の要件が異なり、要求されるクッション特性が異なるため、複数の車種のエンジンフードに対応することが困難である。その結果、クッションの種類が増加し大量生産が難しくなるので、コストの低減を妨げている。
本発明は上記事実を考慮し、一種類で複数の車種に対応可能な開閉体用クッション及び開閉体用クッション取付構造を提供することを目的とする。
請求項1の発明に係る開閉体用クッションは、軸体の外周部に形成された螺子溝を取付部材の孔に螺合させ、前記取付部材から突出した突出部の先端で開閉体を弾性的に支持する開閉体用クッションであって、前記外周部の軸線方向の少なくとも両側に前記螺子溝が所定のピッチで形成され、前記軸体の一端の端面中心から軸線方向に穴部が設けられ、中空形状としたことを特徴とする。
請求項2の発明は、請求項1に記載の開閉体用クッションにおいて、前記軸体の他端に軸線方向に前記外周部より断面積が小さい把持部が延設されたことを特徴とする。
請求項3の発明は、軸体の外周部に形成された螺子溝を取付部材の孔に螺合させ、前記取付部材から突出した突出部の先端で開閉体を弾性的に支持する開閉体用クッションであって、前記外周部の軸線方向の少なくとも両側に前記螺子溝が所定のピッチで形成され、前記軸体の一端部には軸線方向に前記外周部より断面積が小さい把持部が延設されたことを特徴とする。
請求項4の発明は、請求項3に記載の開閉体用クッションにおいて、前記軸体の他端部に端面中心から軸線方向に穴部が設けられ、中空形状としたことを特徴とする。
請求項5の発明は、軸体の外周部に形成された螺子溝を取付部材の孔に螺合させ、前記取付部材から突出した突出部の先端で開閉体を弾性的に支持する開閉体用クッションであって、前記外周部の軸線方向の少なくとも両側に前記螺子溝が所定のピッチで形成され、前記軸体の一端部と他端部には軸線方向に前記外周部より断面積が小さく、かつ形状が異なる把持部が延設されたことを特徴とする。
請求項6の発明は、請求項2から請求項5までのいずれか1項に記載の開閉体用クッションにおいて、前記把持部は、前記軸体の端面中央より軸線方向に突出した突起部と、前記突起部より半径方向に延設された摘み部からなることを特徴とする。
請求項7の発明は、請求項6に記載の開閉体用クッションにおいて、前記摘み部は、前記突起部の径よりも厚さが薄く、前記突起部よりも軸線方向に突出していることを特徴とする。
請求項8の発明は、請求項6又は請求項7に記載の開閉体用クッションにおいて、前記摘み部は、軸線方向先端に向けて細くなることを特徴とする。
請求項9の発明は、請求項6から請求項8までのいずれか1項に記載の開閉体用クッションにおいて、前記摘み部と前記軸体の端面との間に空隙を設けたことを特徴とする。
請求項10の発明は、請求項2から請求項5までのいずれか1項に記載の開閉体用クッションにおいて、前記把持部は、前記軸体の端面近傍の外周面の複数箇所で半径方向に窪み部を備えることを特徴とする。
請求項11の発明は、請求項3に記載の開閉体用クッションにおいて、前記把持部は、前記軸体の端面中央より軸線方向に突出した突起部と、前記軸体の端面周縁部より軸線方向に突出した周縁摘み部からなり、前記周縁摘み部に前記螺子溝が形成されていることを特徴とする。
請求項12の発明は、請求項3に記載の開閉体用クッションにおいて、前記把持部は、前記軸体の端面中央より軸線方向に突出した突起部と、前記軸体の端面周縁部より軸線方向に突出し、外周面の複数箇所で半径方向に窪み部を備えた周縁摘み部からなり、前記周縁摘み部に前記螺子溝が形成されていることを特徴とする。
請求項13の発明は、請求項11又は請求項12に記載の開閉体用クッションにおいて、前記周縁摘み部は、前記突起部よりも軸線方向に突出していることを特徴とする。
請求項14の発明は、請求項11から請求項13までのいずれか1項に記載の開閉体用クッションにおいて、前記突起部は、軸線方向先端に向けて細くなることを特徴とする。
請求項15の発明は、請求項11から請求項14までのいずれか1項に記載の開閉体用クッションにおいて、前記軸体の他端部に端面中心から軸線方向に穴部が設けられ、中空形状としたことを特徴とする。
請求項16の発明は、請求項15に記載の開閉体用クッションにおいて、前記穴部が前記突起部内まで延設されていることを特徴とする。
請求項17の発明は、軸体の外周部に形成された螺子溝を取付部材の孔に螺合させ、前記取付部材から突出した突出部の先端で開閉体を弾性的に支持する開閉体用クッションであって、前記外周部の軸線方向の少なくとも両側に前記螺子溝が所定のピッチで形成され、前記軸体の一端部の端面中央より軸線方向に突出した突起が設けられ、前記軸体の一端部の端面近傍の外周面および前記軸体の他端部の端面近傍の外周面には、半径方向に突出する複数の突状部材が設けられたことを特徴とする。
請求項18の発明は、請求項17に記載の開閉体用クッションにおいて、前記軸体の他端部に端面中心から軸線方向に穴部が設けられ、中空形状としたことを特徴とする。
請求項19の発明は、軸体の外周部に形成された螺子溝を取付部材の孔に螺合させ、前記取付部材から突出した突出部の先端で開閉体を弾性的に支持する開閉体用クッションであって、前記外周部の軸線方向の少なくとも両側に前記螺子溝が所定のピッチで形成され、前記軸体の一端部の端面近傍の外周面および前記軸体の他端部の端面近傍の外周面には、半径方向に突出する複数の突状部材が設けられ、前記軸体の他端部に端面中心から軸線方向に穴部が設けられ、中空形状としたことを特徴とする。
請求項20の発明は、請求項19に記載の開閉体用クッションにおいて、前記軸体の一端部の端面中央より軸線方向に突出した突起が設けられたことを特徴とする。
請求項21の発明に係る開閉体用クッション取付構造は、前記取付部材は、前記孔の周囲が凹状に窪んでおり、請求項1から請求項20までのいずれか1項に記載の開閉体用クッションが前記孔に螺合されたことを特徴とする。
請求項1記載の本発明によれば、開閉体用クッションの軸体の外周部の軸線方向の少なくとも両側に螺子溝が所定のピッチで形成されており、どちらかの螺子溝を取付部材の孔に螺合させることで、開閉体用クッションを両方の方向から取付部材に取付けることができる。軸体の一端には、端面中心から軸線方向に穴部が設けられ、中空形状となっており、開閉体用クッションの軸線方向のクッション特性が異なっている。従って、要求されるクッション特性に応じて開閉体用クッションの取付方向を選択して、取付部材の孔に螺合させることができる。すなわち、開閉体用クッションを一方向から取り付けた場合と、他方向から取り付けた場合とで、クッション特性が変わるため、2種類のクッション特性を一つの開閉体用クッション(1部品)で実現することができる。従って、一つの開閉体用クッションで開閉体の質量等が異なる複数車種に対応することができる。
請求項2記載の本発明によれば、軸体の一端に穴部が設けられると共に、軸体の他端に軸線方向に外周部より断面積が小さい把持部が延設されており、開閉体用クッションの軸線方向のクッション特性が異なっている。従って、把持部が開閉体側となるように配置したいときは、把持部を把持することで、他端側の螺子溝を取付部材の孔に容易に螺合させることができる。また、穴部が開閉体側となるように配置したいときは、外周部を把持して一端側の螺子溝を取付部材の孔に螺合させることができる。
開閉体用クッションでは、開閉体の閉まり性や耐デント(凹み)性を確保するために開閉体用クッションの静ばね定数を下げる必要がある。その一方で、見栄え向上のために見切り隙(開閉体とボディー本体との間隔)を小さくし、強閉時(開閉体を強く閉めた時又は開閉体を高い位置から閉めた時)の開閉体とエンジンルーム内部品の干渉による傷付き防止のため、見かけ上のばね定数を上げ、且つボデー変形防止のためボデーへの入力を小さくするという要求がある。すなわち、開閉体の閉まり性や耐デント(凹み)性を確保するために開閉体用クッションの静ばね定数を下げる一方で、開閉体強閉時に見かけ上のばね定数を上げ、且つボデー変形防止のためボデーへの入力を小さくするという背反性能を満足させる要求がある。
例えば軽量な開閉体の場合に、穴部が開閉体側となるように取付けることで、強閉時(開閉体を強く閉めた時又は開閉体を高い位置から閉めた時)には開閉体用クッションの穴部の周囲の中空形状の部分が外側へ膨らみやすく、エネルギーが吸収され、取付部材(ボデー)への入力が抑えられる。また、軽量な開閉体であるので、入力のエネルギーが比較的小さく、その結果、開閉体用クッションの撓みも比較的小さいので、開閉体と取付部材(ボデー)との干渉が防止される。また、中実形状よりも開閉体との接触面積が小さいので、静ばね定数を比較的小さく抑えることができる。
また、例えば重い開閉体の場合に、把持部が開閉体側となるように取付けることで、開閉体を閉めたときに、外周部より断面積が小さい把持部が先に変形し、開閉体の閉まり性や耐デント(凹み)性が良好となる。また、強閉時には、把持部が穴部に押し込まれるような変形が発生し、開閉体の落下エネルギーの一部が把持部を変形させる際の仕事エネルギーに使われ、取付部材(ボデー)への入力が低減される。また、把持部が穴部にある程度押し込まれると、開閉体用クッションのほぼ全体で荷重を受けるようになり、見かけ上の静ばね定数が上がり、開閉体用クッションの撓み量が小さくなるため、開閉体と取付部材(ボデー)との干渉が防止される。
このように、開閉体用クッションを一方向から取り付けた場合と、他方向から取り付けた場合とで、クッション特性が変わるため、2種類のクッション特性を一つの開閉体用クッション(1部品)で実現することができる。従って、一つの開閉体用クッションで開閉体の質量等が異なる複数車種に対応することができる。
請求項3記載の本発明によれば、開閉体用クッションの軸体の外周部の軸線方向の少なくとも両側に螺子溝が所定のピッチで形成されており、どちらかの螺子溝を取付部材の孔に螺合させることで、開閉体用クッションを両方の方向から取付部材に取付けることができる。軸体の一端部には、軸線方向に外周部より断面積が小さい把持部が延設されており、開閉体用クッションの軸線方向のクッション特性が異なっている。従って、要求されるクッション特性に応じて開閉体用クッションの取付方向を選択して、取付部材の孔に螺合させることができる。例えば、把持部が開閉体側となるように配置したいときは、把持部を把持することで、他端側の螺子溝を取付部材の孔に容易に螺合させることができる。これによって、2種類のクッション特性を一つの開閉体用クッション(1部品)で実現することができ、一つの開閉体用クッションで開閉体の質量等が異なる複数車種に対応することができる。
請求項4記載の本発明によれば、軸体の一端部に把持部が延設されると共に、軸体の他端部に端面中心から軸線方向に穴部が設けられ、中空形状となっており、開閉体用クッションの軸線方向のクッション特性が異なっている。
例えば軽量な開閉体の場合に、穴部が開閉体側となるように取付けることで、強閉時(開閉体を強く閉めた時又は開閉体を高い位置から閉めた時)には開閉体用クッションの穴部の周囲の中空形状の部分が外側へ膨らみやすく、エネルギーが吸収され、取付部材への入力が抑えられる。また、例えば重い開閉体の場合に、把持部が開閉体側となるように取付けることで、開閉体を閉めたときに、外周部より断面積が小さい把持部が先に変形し、開閉体の閉まり性や耐デント(凹み)性が良好となる。これによって、2種類のクッション特性を一つの開閉体用クッション(1部品)で実現することができ、一つの開閉体用クッションで開閉体の質量等が異なる複数車種に対応することができる。
請求項5記載の本発明によれば、軸体の一端部と他端部には、軸線方向に外周部より断面積が小さく、かつ形状が異なる把持部が延設されており、開閉体用クッションの軸線方向のクッション特性が異なっている。従って、要求されるクッション特性に応じて開閉体用クッションの取付方向を選択して、取付部材の孔に螺合させることができる。例えば重い開閉体の場合に、形状が異なる把持部のどちらかを選択して開閉体側となるように取付けることで、開閉体を閉めたときに、把持部が先に変形し、開閉体の閉まり性や耐デント(凹み)性がより一層良好となる。さらに、把持部が軸体の両端にあることで、どちら側から取付部材の孔に挿入しても挿着性がよくなる。これによって、2種類のクッション特性を一つの開閉体用クッション(1部品)で実現することができ、一つの開閉体用クッションで開閉体の質量等が異なる複数車種に対応することができる。
請求項6記載の本発明によれば、把持部は、軸体の端面中央より軸線方向に突出した突起部と、突起部より半径方向に延設された摘み部からなるので、把持部が開閉体側となるように取付けるときに、摘み部を把持することで、螺子溝を取付部材の孔へ容易に螺合させることができる。また、把持部が開閉体側となるように取付けることで、開閉体を閉めたときに、外周部より小さい先端の突起部及び摘み部(外周部よりも圧縮力に弱い)を先に変形させることができる。このため、開閉体の閉まり性や耐デント(凹み)性が良好となる。
請求項7記載の本発明によれば、摘み部は、突起部の径よりも厚さが薄く、突起部よりも軸線方向に突出しているので、突起部よりも静ばね定数の小さい摘み部が先に開閉体に当たり、摘み部が先に変形する。このため、開閉体の閉まり性や耐デント(凹み)性がより一層良好となる。
請求項8記載の本発明によれば、摘み部は、軸線方向先端に向けて細くなるので、摘み部の先端の静ばね定数が小さくなり、摘み部の先端が変形しやすい。このため、開閉体の閉まり性や耐デント(凹み)性が更に良好となる。
請求項9記載の本発明によれば、摘み部と軸体の端面との間に空隙を設けたので、開閉体を閉じたときに、摘み部が空隙を塞ぐように変形する。このため、空隙によって摘み部の静ばね定数を小さくすることができ、開閉体の閉まり性や耐デント(凹み)性が更に良好となる。
請求項10記載の本発明によれば、把持部は、軸体の端面近傍の外周面の複数箇所で半径方向に窪み部を備えているので、把持部が開閉体側となるように取付けるときに、窪み部を把持することで、螺子溝を取付部材の孔へ容易に螺合させることができる。また、外周面の複数箇所で窪み部を形成することにより、把持部の静ばね定数を下げることができ、把持部が変形しやすい。このため、開閉体の閉まり性や耐デント(凹み)性が良好となる。
請求項11記載の本発明によれば、把持部は、軸体の端面中央より軸線方向に突出した突起部と、軸体の端面周縁部より軸線方向に突出した周縁摘み部からなるので、把持部が開閉体側となるように取付けるときに、周縁摘み部を把持することで、螺子溝を取付部材の孔へ容易に螺合させることができる。また、把持部が開閉体側となるように取付けることで、開閉体を閉めたときに、外周部より小さい先端の突起部及び周縁摘み部(外周部よりも圧縮力に弱い)を先に変形させることができる。このため、開閉体の閉まり性や耐デント(凹み)性が良好となる。また、周縁摘み部には螺子溝が形成されているので、把持部が取付部材側となるように配置するときは、周縁摘み部の螺子溝を取付部材の孔に螺合させることができる。
請求項12記載の本発明によれば、把持部は、軸体の端面中央より軸線方向に突出した突起部と、軸体の端面周縁部より軸線方向に突出し、外周面の複数箇所で半径方向に窪み部を備えた周縁摘み部からなるので、把持部が開閉体側となるように取付けるときに、周縁摘み部の窪み部を把持することで、螺子溝を取付部材の孔へ容易に螺合させることができる。また、把持部が開閉体側となるように取付けることで、開閉体を閉めたときに、外周部より小さい先端の突起部及び窪み部を備えた周縁摘み部(外周部よりも圧縮力に弱い)を先に変形させることができる。このため、開閉体の閉まり性や耐デント(凹み)性が良好となる。また、周縁摘み部には螺子溝が形成されているので、把持部が取付部材側となるように配置するときは、周縁摘み部の螺子溝を取付部材の孔に螺合させることができる。
請求項13記載の本発明によれば、周縁摘み部は、突起部よりも軸線方向に突出しているので、突起部よりも静ばね定数の小さい周縁摘み部が先に開閉体に当たり、周縁摘み部が先に変形する。このため、開閉体の閉まり性や耐デント(凹み)性がより一層良好となる。
請求項14記載の本発明によれば、突起部が軸線方向先端に向けて細くなるので、突起部の先端の静ばね定数が小さくなり、突起部の先端が変形しやすい。このため、開閉体の閉まり性や耐デント(凹み)性が更に良好となる。
請求項15記載の本発明によれば、軸体の一端部に把持部が設けられると共に、軸体の他端部に端面中心から軸線方向に穴部が設けられ、中空形状となっており、開閉体用クッションの軸線方向のクッション特性が異なっている。例えば軽量な開閉体の場合に、穴部が開閉体側となるように取付けることで、強閉時(開閉体を強く閉めた時又は開閉体を高い位置から閉めた時)には開閉体用クッションの穴部の周囲の中空形状の部分が外側へ膨らみやすく、エネルギーが吸収され、取付部材への入力が抑えられる。このため、一つの開閉体用クッションで開閉体の質量等が異なる複数車種に対応することができる。
請求項16記載の本発明によれば、穴部が突起部内まで延設されているので、突起部に荷重が入力されたときに、早めに突起部が穴部に移動し、静ばね定数が早めに高くなる。このため、強閉時の開閉体と取付部材との干渉を防止することができる。
請求項17記載の本発明によれば、軸体の一端部の端面中央より軸線方向に突出した突起が設けられているので、開閉体用クッションの軸線方向のクッション特性が異なり、要求されるクッション特性に応じて開閉体用クッションの取付方向を選択して、外周部の螺子溝を取付部材の孔に螺合させることができる。また、軸体の一端部の端面近傍の外周面および軸体の他端部の端面近傍の外周面には、半径方向に突出する複数の突状部材が設けられているので、複数の突状部材を把持することで、螺子溝を取付部材の孔へ容易に螺合させることができる。
請求項18記載の本発明によれば、軸体の一端部に突起が設けられると共に、軸体の他端部に端面中心から軸線方向に穴部が設けられ、中空形状となっており、開閉体用クッションの軸線方向のクッション特性が異なっている。このため、要求されるクッション特性に応じて開閉体用クッションの取付方向を選択して、取付部材に取付けることができる。これによって、2種類のクッション特性を一つの開閉体用クッション(1部品)で実現することができ、一つの開閉体用クッションで開閉体の質量等が異なる複数車種に対応することができる。
請求項19記載の本発明によれば、軸体の他端部に端面中心から軸線方向に穴部が設けられ、中空形状となっているので、開閉体用クッションの軸線方向のクッション特性が異なり、要求されるクッション特性に応じて開閉体用クッションの取付方向を選択して、外周部の螺子溝を取付部材の孔に螺合させることができる。また、軸体の一端部の端面近傍の外周面および軸体の他端部の端面近傍の外周面には、半径方向に突出する複数の突状部材が設けられているので、複数の突状部材を把持することで、螺子溝を取付部材の孔へ容易に螺合させることができる。
請求項20記載の本発明によれば、軸体の他端部に穴部が設けられると共に、軸体の一端部の端面中央より軸線方向に突出した突起が設けられており、開閉体用クッションの軸線方向のクッション特性が異なっている。このため、要求されるクッション特性に応じて開閉体用クッションの取付方向を選択して、取付部材に取付けることができる。これによって、2種類のクッション特性を一つの開閉体用クッション(1部品)で実現することができ、一つの開閉体用クッションで開閉体の質量等が異なる複数車種に対応することができる。
請求項21記載の本発明によれば、取付部材は、孔の周囲が凹状に窪んでおり、請求項1から請求項20までのいずれか1項に記載の開閉体用クッションが孔に螺合されているので、取付部材の凹状に窪んだ部分の周囲の面から開閉体用クッションの先端までの長さを短くしても、凹状に窪んだ底面からの開閉体用クッションの突出部の長さを確保することができる。このため、省スペース化が可能となる。
以上説明したように、請求項1記載の本発明に係る開閉体用クッションは、一種類の開閉体用クッションで開閉体の質量等が異なる複数車種に対応することができるという優れた効果を有する。
請求項2記載の本発明に係る開閉体用クッションは、一種類の開閉体用クッションで開閉体の質量等が異なる複数車種により確実に対応することができるという優れた効果を有する。また、把持部を設けたことにより作業性を向上させることができる。
請求項3記載の本発明に係る開閉体用クッションは、一種類の開閉体用クッションで開閉体の質量等が異なる複数車種に対応することができるという優れた効果を有する。また、把持部を設けたことにより作業性を向上させることができる。
請求項4記載の本発明に係る開閉体用クッションは、一種類の開閉体用クッションで開閉体の質量等が異なる複数車種により確実に対応することができるという優れた効果を有する。また、把持部を設けたことにより作業性を向上させることができる。
請求項5記載の本発明に係る開閉体用クッションは、一種類の開閉体用クッションで開閉体の質量等が異なる複数車種に対応することができるという優れた効果を有する。また、把持部が軸体の両側にあることでどちら側から装着しても作業性が向上する。
請求項6記載の本発明に係る開閉体用クッションは、摘み部を把持することで螺子溝を取付部材の孔へ容易に螺合させることができ、作業性を向上させることができるという優れた効果を有する。また、突起部と摘み部が開閉体側となるように取付けたときに、開閉体の閉まり性や耐デント(凹み)性が良好となる。
請求項7記載の本発明に係る開閉体用クッションは、突起部と摘み部が開閉体側となるように取付けたときに、開閉体の閉まり性や耐デント(凹み)性がより一層良好となるという優れた効果を有する。
請求項8記載の本発明に係る開閉体用クッションは、突起部と摘み部が開閉体側となるように取付けたときに、開閉体の閉まり性や耐デント(凹み)性が更に良好となるという優れた効果を有する。
請求項9記載の本発明に係る開閉体用クッションは、突起部と摘み部が開閉体側となるように取付けたときに、開閉体の閉まり性や耐デント(凹み)性が更に一層良好となるという優れた効果を有する。
請求項10記載の本発明に係る開閉体用クッションは、把持部の窪み部を把持することで、螺子溝を取付部材の孔へ容易に螺合させることができるという優れた効果を有する。また、把持部が開閉体側となるように取付けたときに、開閉体の閉まり性や耐デント(凹み)性が良好となるという優れた効果を有する。
請求項11記載の本発明に係る開閉体用クッションは、周縁摘み部を把持することで螺子溝を取付部材の孔へ容易に螺合させることができるという優れた効果を有する。また、突起部と周縁摘み部が開閉体側となるように取付けたときに、開閉体の閉まり性や耐デント(凹み)性が良好となる。
請求項12記載の本発明に係る開閉体用クッションは、周縁摘み部の窪み部を把持することで螺子溝を取付部材の孔へ容易に螺合させることができるという優れた効果を有する。また、突起部と窪み部を備えた周縁摘み部が開閉体側となるように取付けたときに、開閉体の閉まり性や耐デント(凹み)性が更に良好となる。
請求項13記載の本発明に係る開閉体用クッションは、突起部と周縁摘み部が開閉体側となるように取付けたときに、開閉体の閉まり性や耐デント(凹み)性がより一層良好となるという優れた効果を有する。
請求項14記載の本発明に係る開閉体用クッションは、突起部と周縁摘み部が開閉体側となるように取付けたときに、開閉体の閉まり性や耐デント(凹み)性が更に一層良好となるという優れた効果を有する。
請求項15記載の本発明に係る開閉体用クッションは、一種類の開閉体用クッションで開閉体の質量等が異なる複数車種により確実に対応することができるという優れた効果を有する。
請求項16記載の本発明に係る開閉体用クッションは、突起部が開閉体側となるように取付けたときに、強閉時の開閉体と取付部材との干渉を防止することができるという優れた効果を有する。
請求項17記載の本発明に係る開閉体用クッションは、一種類の開閉体用クッションで開閉体の質量等が異なる複数車種に対応することができるという優れた効果を有する。また、複数の突状部材を把持することで、螺子溝を取付部材の孔へ容易に螺合させることができる。
請求項18記載の本発明に係る開閉体用クッションは、一種類の開閉体用クッションで開閉体の質量等が異なる複数車種により確実に対応することができるという優れた効果を有する。
請求項19記載の本発明に係る開閉体用クッションは、一種類の開閉体用クッションで開閉体の質量等が異なる複数車種に対応することができるという優れた効果を有する。また、複数の突状部材を把持することで、螺子溝を取付部材の孔へ容易に螺合させることができる。
請求項20記載の本発明に係る開閉体用クッションは、一種類の開閉体用クッションで開閉体の質量等が異なる複数車種により確実に対応することができるという優れた効果を有する。
請求項21記載の本発明に係る開閉体用クッション取付構造は、開閉体用クッションの突出部の長さを確保することができ、省スペース化が可能となるという優れた効果を有する。
〔第1実施形態〕
以下、図1〜図6を用いて、本発明に係る開閉体用クッションの第1実施形態について説明する。なお、これらの図において適宜示される矢印FRは車体前方方向を示しており、矢印UPは車体上方方向を示している。
図1に示されるように、本実施形態では自動車のボデー10の前部に車両幅方向に沿ってラジエータサポートアッパ12が配設されている。ラジエータサポートアッパ12の車両幅方向両端部12Aには車両上下方向に孔26(図2参照)がそれぞれ形成され、各孔26にはそれぞれ開閉体用クッションとしてのストッパクッション14が取付けられている。
ボデー10の前部には開閉体としてのフード16が、後端部16Aに配設されたヒンジ18を介して取付けられており、エンジンルーム20が開閉可能となっている。また、フード16における車両前後方向前端部であって車両幅方向両端部16Bの下面側には、それぞれストッパクッション14が取付けられている。
図2及び図3に示されるように、ラジエータサポートアッパ12の車両幅方向両端部12Aを構成する取付部材24には、上方に盛り上がった凸状部25がプレス加工によって形成されており、更に凸状部25の中央部には孔26が形成されている。孔26の外周部には、孔26の径方向に沿って伸びる切欠27が一箇所形成されている。
また、孔26の外周の凸状部25は、切欠27を挟んで対向する一方の外周部25Aから、他方の外周部25Bにかけて上方に傾斜している。これによって、孔26の外周部には左螺子の一周が形成されており、例えば図2では孔26は左螺子孔となっている。従って、切欠27から孔26(螺子孔)にストッパクッション14の螺子溝34が螺合できるようになっている。
ストッパクッション14は、ゴム、樹脂等の弾性部材で構成されており、円柱状の軸部30と、軸部30の一端30Aに延設された把持部32と、を備えている。軸部30の外周面31には所定のピッチで螺子溝34が刻まれており、これによって螺子溝34の間に螺子山36が形成されている。螺子溝34は、軸部30の外周面31のほぼ全長に同ピッチで刻まれている。
把持部32は、軸部30の一端30Aの端面中央より軸線方向に突出した略円柱状の突起部38と、突起部38の両側に半径方向に延設された板状の摘み部40と、で構成されている。軸部30と突起部38と摘み部40は、ゴム、樹脂等の弾性部材で一体に形成されている。また、弾性部材は部位によって材質、硬度等を変えた複数の材料を用いてもよい。なお、突起部38は略円柱状である必要はなく、略円錐状、略角柱状、略角錐状、略円錐台状、略角錐台状等であってもよい。
図4に示されるように、軸部30の他端30Bには、端面中心から軸線方向に略円柱状の穴部42が設けられており、これにより軸部30は他端30Bから所定長さまで中空形状に構成されている。穴部42は、軸部の他端30B側の径が奥側の径よりも徐々に拡大するように形成されている。なお、穴部42は略円柱状である必要はなく、略円錐状、略角柱状、略角錐状、略円錐台状、略角錐台状等であってもよい。
このストッパクッション14は、軸部30の一端30Aに把持部32が延設されると共に、軸部30の他端30Bに穴部42が形成されており、軸線方向のクッション特性が異なる構成となっている。
次に、本実施形態の作用並びに効果について説明する。
図2に示されるように、ストッパクッション14は、軸部30の外周面31に螺子溝34が所定のピッチで形成されており、ストッパクッション14を一端30A側と他端30B側の両方向から取付部材24の孔26に螺合させることができる。ストッパクッション14は、軸線方向のクッション特性が異なっており、車種に応じて要求されるクッション特性に対応するように取付方向を選択する。把持部32がフード16側となるように配置するときは、把持部32の摘み部40を把持し、他端30B側の螺子溝34を取付部材24の孔26にねじ込む。これにより、螺子溝34を取付部材24の孔26に容易に螺合させることができる。また、軸部30の穴部42がフード16側となるように配置するときは、軸部30の他端30B側の外周面31を把持し、一端30A側の螺子溝34を取付部材24の孔26にねじ込むことで、螺子溝34を取付部材24の孔26に容易に螺合させることができる。
取付部材24の孔26に螺合されたストッパクッション14は、取付部材24から突出した突出部でフード16を弾性的に支持する。そのとき、螺子溝34の孔26への螺合量を変えることで、ストッパクッション14の突出部の高さを調整することができる。
図5(A)に示されるように、例えば、軽量なフード16の場合は、穴部42がフード16側となるように取付けることで、静ばね定数が低くなる。すなわち、強閉時(フード16を強く閉めた時又はフード16を高い位置から閉めた時)には、ストッパクッション14の軸部30の穴部42の部分(中空形状の部分)が外側へ膨らみやすく、エネルギーが吸収される。このため、取付部材24への入力を抑えることができる。また、軽量なフード16であるので、入力のエネルギーが比較的小さく、その結果、ストッパクッション14の撓みも比較的小さいので、フード16と取付部材24との干渉を防止することができる。また、図5(C)に示されるように、中実形状(円柱状)のストッパクッション200を取付部材24の孔26に取付けた場合に比べて、フード16との接触面積が小さいので、ストッパクッション14の静ばね定数を比較的小さく抑えることができる。
図5(B)に示されるように、例えば、重いフード16の場合は、把持部32がフード16側となるように取付けることで、図5(A)に比べて静ばね定数が少し大きくなる。このため、フード16を閉めたときに、軸部30の外周面31より断面積が小さい把持部32が先に変形し、弱閉時(フード16を低い位置から閉めた時)のフード16の閉まり性や耐デント(凹み)性が良好となる。また、強閉時には、把持部32が穴部42に押し込まれるような変形が発生し、フード16の落下エネルギーの一部が把持部32を変形させる際の仕事エネルギーに使われ、取付部材24への入力が低減される。また、把持部32が穴部42にある程度押し込まれると、ストッパクッション14のほぼ全体で荷重を受けるようになり、見かけ上の静ばね定数が上がり、ストッパクッション14の撓み量が小さくなる。そのため、重いフード16でも、フード16と取付部材24との干渉を防止することができる。
このようなストッパクッション14では、軸部30の一端30A側から取付部材24に取付けた場合と、軸部30の他端30B側から取付部材24に取付けた場合とで、クッション特性が変わるため、2種類のクッション特性を1部品で実現することができる。従って、1種類のストッパクッション14でフード16の質量や大きさ等が異なる複数車種に対応することができる。さらに、部品種類の削減を図ることができ、ひいてはコスト削減を図ることができる。
また、ストッパクッション14の軸部30の螺子溝34は、同方向に同ピッチで形成されているので(逆螺子でないので)、取付部材24の孔26の形状も一種類でよく、取付作業性も良い。
図6には、穴部42が下方(取付部材24側)となるように取付けたストッパクッション46と、穴部42が上方(フード16側)となるように取付けたストッパクッション48と、中実形状のストッパクッション200のクッション特性を比較したグラフが示されている。なお、ストッパクッション46、48には、先述の把持部32は設けられていない。
図6(A)に示されるように、荷重とストロークとの関係は、ストッパクッション46、200がほぼ同じであり、ストッパクッション46、200よりもストッパクッション48が変形しやすい。また、図6(B)に示されるように、連続してフード16の強閉試験を行ったときの加速度(フード16の減速率)と回数との関係は、ストッパクッション46、200がほぼ同じであり、ストッパクッション46、200の加速度がストッパクッション48の加速度よりも大きい。また、図6(C)に示されるように、連続してフード16の強閉試験を行ったときの変位と回数との関係は、ストッパクッション46、200がほぼ同じであり、ストッパクッション46、200の変位がストッパクッション48の変位よりも大きい。以上より、穴部42が下方(取付部材24側)となるように取付けたストッパクッション46と中実形状のストッパクッション200は、ほぼ同じ静ばね定数で、クッション特性が近いことが分かる。
このため、ストッパクッション14に把持部32を設けない形状であっても、穴部42を上方に配置する場合と、下方に配置する場合とでクッション特性を変えることができる。
以上より、本実施形態のストッパクッション14では、軸部30の他端30B側に穴部42を設けて中空形状とすることで、2種類のクッション特性を設定できる。また、ストッパクッション14の軸部30の一端30Aに、軸部30よりも径が小さい突起部38を設けることで、突起部38の静ばね定数を小さくし、軸部30の一端30A側の静ばね定数が高いことによるフード16と取付部材24との干渉を防止することができる。
また、突起部38を設けたのみでは、突起部38の径が小さく、ストッパクッション14を取付部材24の孔26にねじ込むときに把持することが困難であり、把持しても回転トルクが高く、回しにくい。このため、突起部38に摘み部40を延設することで、摘み部40を把持してストッパクッション14を取付部材24の孔26に容易にねじ込むことができる。また、突起部38の長さ分だけ、ストッパクッション14の取付部材24からの突出部の高さが高くなることも防止できる。
また、図4(B)に示されるように、軸部30の一端30Aの端面と穴部42の底面との間の肉厚tによってクッション特性が変わる。図9に示されるように、ストッパクッション14を突起部38がフード側となるように配置したときは、肉厚tを薄くすると、フード16の閉止時の荷重に対するストッパクッション14の変位が大きくなり、静ばね定数が小さくなる。このため、肉厚tによって、ストッパクッション14のクッション特性を調整することができる。
〔第2実施形態〕
以下、図7〜図9を用いて、本発明に係る開閉体用クッションの第2実施形態について説明する。なお、前述した第1実施形態と同一構成部分については、同一番号を付してその説明を省略する。
ストッパクッション50は、ゴム、樹脂等の弾性部材で構成されており、軸部30の一端30Aに把持部52が延設されている。把持部52は、軸部30の一端30Aの端面中央より軸線方向に突出した略円柱状の突起部38と、軸部30の一端30Aの端面周縁部より軸線方向に突出した環状の周縁摘み部54と、で構成されている。周縁摘み部54の外周面は軸部30の外周面と連続しており、周縁摘み部54の外周面に螺子溝34が軸部30と同ピッチで形成されている。軸部30と突起部38と周縁摘み部54は、ゴム、樹脂等の弾性部材で一体に形成されている。また、弾性部材は部位によって材質、硬度等を変えた複数の材料を用いてもよい。
次に、本実施形態の作用並びに効果について説明する。
ストッパクッション50は、軸部30及び周縁摘み部54に螺子溝34が所定のピッチで形成されており、ストッパクッション50を一端30A側と周縁摘み部54側の両方向から取付部材24の孔26(図2参照)に螺合させることができる。
把持部52がフード16側となるように配置するときは、把持部52の周縁摘み部54を把持する時に、周縁摘み部54に螺子溝34が切られていることにより、ストッパクッション50の装着時に周縁摘み部54の摩擦抵抗があがるために、ストッパクッション50を回しやすくなる。すなわち、螺子溝が切っていないものと比べて螺子溝34が切ってあることで、把持部52を持って装着する際にストッパクッション50を回すことが楽になる。従って、把持部52の周縁摘み部54を把持し、他端30B側の螺子溝34を取付部材24の孔26にねじ込むことにより、螺子溝34を取付部材24の孔26に容易に螺合させることができる。
また、軸部30の穴部42がフード16側となるように配置するときは、軸部30の他端30B側の外周面31を把持し、周縁摘み部54の螺子溝34を取付部材24の孔26にねじ込むことで、螺子溝34を取付部材24の孔26に容易に螺合させることができる。なお、周縁摘み部54の螺子溝34を取付部材24の孔26にねじ込むときに、周縁摘み部54がつる巻き状に切れるが、孔26の内部では周縁摘み部54がつる巻き状に繋がっているので、ダストが発生することが無く、また、不要な場合はつる巻き状の部分を簡単に引きちぎることができる。
図8に示されるように、ストッパクッション50を把持部52がフード16側となるように配置したときは、中実形状のストッパクッション200に比べて荷重に対する変位が大きく、静ばね定数が小さい。中実形状のストッパクッション200と穴部42が取付部材24側となるように配置したクッションゴム46の静ばね定数はほぼ同じであるので(図6参照)、中実形状のストッパクッション200に把持部52を設けるのみでも静ばね定数が小さくなる。また、穴部42がフード16側となるように配置したストッパクッション48は、把持部52がフード16側となるように配置したストッパクッション50よりも荷重に対する変位が大きく、静ばね定数が小さい。
また、ストッパクッション50の突起部38がフード16側となるように配置したときは、軸部30の一端30Aの端面と穴部42の底面との肉厚tを薄くすると、静ばね定数が小さくなる(図9参照)。このため、肉厚tによって、ストッパクッション50のクッション特性を調整することができる。
本実施形態のストッパクッション50は軸線方向のクッション特性が異なっており、フード16の質量や大きさに応じてストッパクッション50の取付方向を設定することができる。このため、2種類のクッション特性を1部品で実現することができ、フード16の質量や大きさ等が異なる複数車種に対応することができる。
〔第1実施形態又は第2実施形態の変形例〕
以下、本発明に係る開閉体用クッションの第1実施形態又は第2実施形態の変形例について説明する。なお、第1実施形態又は第2実施形態等と同一構成部分については、同一番号を付してその説明を省略する。
図10(A)に示されるように、ストッパクッション60は、軸部30の一端30Aに突起部38と周縁摘み部64からなる把持部62が延設されており、周縁摘み部64が突起部38よりも軸線方向に突出している。周縁摘み部64の外周部には、軸部30の螺子溝34が連続して同ピッチで形成されている。
図10(B)に示されるように、このストッパクッション60(出代有)では、突起部38よりも静ばね定数の小さい周縁摘み部64が先にフード16(図1参照)に当たることになり、荷重に対するストロークの立ち上がりを、ストッパクッション50(出代無)に比べて小さくすることができる。このため、開閉体の閉まり性や耐デント(凹み)性を確保し、また、フード16の強閉時の見かけ上の高い静ばね定数との両立を図ることができる。
図11(A)に示されるように、ストッパクッション70では、把持部72の突起部74は、先端の径が徐々に小さくなり、凸状に湾曲した形状となっている。このストッパクッション70では、突起部74の先端の静ばね定数が小さくなり、荷重に対するストロークの立ち上がりを調整することができる。
図11(B)に示されるように、このストッパクッション80では、把持部72の突起部84は、突起部74と同様に先端の径が徐々に小さくなり、凸状に湾曲しているが、突起部84の突出長さが突起部74よりも短い。また、軸部30の穴部86が突起部84の内部へ深く形成されている。このストッパクッション70では、把持部82にフード16の荷重が入ったときに、早めに突起部84が穴部86に移動し、静ばね定数が早めに高くなる。このため、強閉時のフード16と取付部材24との干渉を防止することができる。
なお、図示を省略するが、図7、図10、又は図11に示す周縁摘み部の外周面の複数箇所に、半径方向に図14−2の符号134のような窪み部を形成しても良い。これにより、周縁摘み部の静ばね定数を更に小さくすることができる。
図12(A)に示されるように、このストッパクッション90は、把持部92の摘み部94が突起部38よりも軸線方向に突出しており、摘み部94の先端が細く形成されている。このストッパクッション90では、螺子溝34を取付部材24の孔26にねじ込むときに、ストッパクッション90を回転させるトルクに負けない程度の摘み部94の根元の強度を持ちながら、摘み部94の静ばね定数を小さくすることができる。すなわち、フード16の上下方向の入力に対する反力を小さくすることができる。このため、開閉体の閉まり性や耐デント(凹み)性を確保し、また、フード16の強閉時の見かけ上の高い静ばね定数との両立を図ることができる。
図12(B)に示されるように、このストッパクッション100は、把持部102の摘み部94と軸部30の一端30Aの端面との間に空隙104が形成されている。空隙104は、突起部38の根元部から半径方向外側へ高さが徐々に拡大するように形成されている。このストッパクッション100では、回転トルクに負けない程度の摘み部94の根元の強度を持ちながら、摘み部94の静ばね定数を小さくすることができる。すなわち、フード16が当たったときに、摘み部94が空隙104側へ変形するため、フード16の上下方向の入力に対する反力を小さくすることができる。
図12(C)に示されるように、このストッパクッション110は、把持部112の摘み部114が突起部38よりも軸線方向に突出しており、摘み部114の先端が細く形成されている。また、摘み部114と軸部30の一端30Aの端面との間に切り欠き部116が形成されている。このストッパクッション100では、摘み部114と突起部38との接続部の面積が大きいので、回転トルクに負けない程度の摘み部114の根元の強度を確保しながら、摘み部114の静ばね定数を小さくすることができる。
なお、ストッパクッションの変形例として、軸部30の一端30Aと他端30Bに、軸線方向に外周面31より断面積が小さく、かつ形状が異なる把持部を設けてもよい。例えば、軸部30の一端30Aに図12(A)に示す把持部92を設け、他端30Bに図12(C)に示す把持部112を設けても良い。このストッパクッションでは、軸線方向のクッション特性が異なり、要求されるクッション特性に応じて取付方向を選択して取付部材24の孔26に螺合させることができる。例えば重いフード16の場合に、形状が異なる把持部のどちらかを選択してフード16側に取付けることで、フード16を閉めたときに、把持部が先に変形し、フード16の閉まり性や耐デント(凹み)性がより一層良好となる。さらに、把持部が軸部30の両端にあることで、どちら側から取付部材24の孔26に挿入しても挿着性がよくなる。
〔第3実施形態〕
以下、本発明に係る開閉体用クッションの第3実施形態について説明する。なお、第1実施形態又は第2実施形態等と同一構成部分については、同一番号を付してその説明を省略する。
図13(A)に示されるように、このストッパクッション120では、軸部30の一端30Aの端面中央に軸線方向に略円柱状の突起部122が形成されている。また、軸部30の一端30Aの端面近傍の外周面31、及び軸部30の他端30Bの端面近傍の外周面31には、半径方向の両側に突出する複数の板状部材124が設けられている。
図13(B)に示されるように、板状部材124を設けないストッパクッション210では、ストッパクッション210を取付部材24の孔26に取付けるときに、突起部122が小さいため把持することができず、軸部30を把持して回転させる必要がある。このため、突起部122の高さ分だけストッパクッション210の突出部の高さが高くなる。本実施形態のストッパクッション120では、板状部材124に指を引掛けて回転させるので、小さい力で板状部材124を回転させ、取付部材24の孔26に容易に螺合させることができる。なお、ストッパクッション210の螺子溝34を取付部材24の孔26に挿入するときは、板状部材124を切欠27(図2参照)から挿入すればよい。
図13(C)及び(D)に示されるように、ストッパクッション120の螺子溝34を取付部材24の孔26に螺合させると、上下の板状部材124が取付部材24の表裏に接触する。このため、板状部材124と取付部材24との接触面の抵抗によりストッパクッション120の回り止めが可能となる。
このようなストッパクッション210では、軸部30の一端30Aの端面に突起部122のみを形成したので、静ばね定数の調整を突起部122のみで行うことができる。従って、突起部38の両側に摘み部を設けた構成と比較して、摘み部の位置による静ばね定数に対する影響を考慮する必要がない。
なお、板状部材124の個数は、これに限らず、他の個数としてもよい。また、板状部材124を1つの螺子山36に2個以上設けてもよい。また、板状部材124に代えて、半円状、錐状等の突状部材を設けてもよい。
なお、突起部122は、上記形状に限らず、軸線方向先端に向けて細くなる形状としてもよい。また、突起部122は、図12に示すような把持部の形状であってもよい。突起部の形状を把持部とすることで、より静ばね特性の調整が可能となる。また、板状部材124のみを摘み部とした場合に加え、突起部も摘み部とすることで、装着位置によってより適切な保持が可能となる。
また、穴部42が突起部122内まで延設されている形状としてもよい。また、突起部122は略円柱状である必要はなく、略円錐状、略角柱状、略角錐状、略円錐台状、略角錐台状等であってもよい。
なお、本実施形態では、ストッパクッション120の軸部30の一端30Aに突起部122が設けられ、軸部30の他端30Bに穴部42が設けられているが、これに限定されず、突起部122と穴部42のいずれか一方を設ける構成でもよい。
〔第4実施形態〕
以下、本発明に係る開閉体用クッションの第4実施形態について説明する。なお、第1実施形態〜第3実施形態と同一構成部分については、同一番号を付してその説明を省略する。
図14−1に示されるように、このストッパクッション130では、軸部30の一端30Aに軸線方向に略円柱状の把持部132が形成されている。把持部132の外周面の径は、軸部30の外周面31の径より小さく設定されており、把持部132の外周面の複数箇所で半径方向に窪み部134が形成されている。本実施形態では、窪み部134は、凹状の湾曲面からなり、把持部132の外周面の4箇所にほぼ等間隔で形成されている。
このようなストッパクッション130では、把持部132の外周面の径を軸部30の外周面31の径より小さく設定すると共に、把持部132に複数の窪み部134を設けることで、把持部132の断面積が軸部30よりも小さくなり、静ばね定数を下げることができる。また、把持部132の窪み部134を把持することで、ストッパクッション130の螺子溝34を取付部材24の孔26に容易に螺合させることができる。また、把持部132の外周面の径を軸部30の外周面31の径より小さく設定することにより、穴部42がフード16(図5参照)側となるように配置したときに、螺子溝34を取付部材24の孔26に螺合させることができる。
図14−2に示されるように、このストッパクッション150では、軸部30の一端30Aに軸線方向に略円柱状の把持部152が形成されている。把持部152の外周面の径は、軸部30の外周面31の径とほぼ同じであり、把持部152の外周面の複数箇所で半径方向に窪み部134が形成されている。また、軸部30の長手方向全長及び把持部152の外周面に螺子溝34がほぼ同ピッチで形成されている。螺子溝34は、窪み部134では間欠的に形成されている。
このようなストッパクッション150では、把持部152に複数の窪み部134を設けることで、把持部152の断面積が軸部30よりも小さくなり、静ばね定数を下げることができる。また、把持部152の窪み部134を把持することで、ストッパクッション150の螺子溝34を取付部材24の孔26に容易に螺合させることができる。また、把持部152の外周面に螺子溝34を形成することで、穴部42がフード16(図5参照)側となるように配置したときに、螺子溝34を取付部材24の孔26に螺合させることができる。
〔第5実施形態〕
以下、本発明に係る開閉体用クッション取付構造の第5実施形態について説明する。なお、第1実施形態〜第4実施形態と同一構成部分については、同一番号を付してその説明を省略する。
図15(A)に示されるように、取付部材140には、一般面140Aから凸状に張り出した取付面140Bが形成されている。取付面140Bには、凹状に窪んだ略円形の凹状部142が設けられており、凹状部142の中央部には、孔26が形成されている。孔26の外周部には、孔26の径方向に沿って伸びる切欠144が一箇所形成されている。また、凹状部142の孔26の外周は、切欠144を挟んで対向する一方の外周部142Aから、他方の外周部142Bにかけて上方に傾斜している。
図15(B)に示されるように、取付部材140の凹状部142の孔26にストッパクッション14の螺子溝34を螺合させると、取付部材140の取付面140Bからストッパクッション14の突起部38の先端までの長さを短くしても、ストッパクッション14の凹状部142からの突出部の長さを確保することができる。このため、ストッパクッション14の取付部の省スペース化を図ることができる。
一方、図16(A)に示されるように、取付部材24の凸状部25の孔26にストッパクッション14の螺子溝34を螺合させると、ストッパクッション14の凸状部25からの突出部の長さを図15と同じに設定したときに、取付部材24の凸状部25の周囲の面からストッパクッション14の突起部38の先端までの長さが図15の場合に比べて長くなる。
また、図16(B)に示されるように、取付部材220に略円形の凸状部222を形成し、凸状部222の中央部に凹状部142を形成したときは、孔26の周囲に凹状部142と凸状部222のスペースが必要となる。
これに対して、本実施形態では、ストッパクッション14の凹状部142からの突出部の長さを確保することができると共に、省スペース化を図ることができる。
以上、実施形態を挙げて本発明の実施の形態を説明したが、これらの実施形態は一例であり、要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施できる。また、本発明の権利範囲がこれらの実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々なる態様で実施し得ることは言うまでもない。
なお、上記実施形態では、ストッパクッション14の軸部の軸線方向の全長に螺子溝が設けられているが、これに限定されず、軸部の軸線方向の少なくとも両側に螺子溝が設けられていれば良い。すなわち、本発明の「軸線方向の少なくとも両側に」とは、必ずしもストッパクッション14の外周部の軸線方向の全長に螺子溝を設ける必要はなく、ストッパクッション14の外周部の両側に螺子溝が設けられていればよいという意味である。また、上記実施形態は、螺子溝を軸線方向に沿って同方向に所定のピッチで形成したが、これに限定されず、軸線方向の両側で逆螺子にしてもよい。すなわち、本発明の「螺子溝」は、同方向の螺子溝と逆螺子の両方を含んでいる。
なお、上記実施形態では、ラジエータサポートアッパ12の取付部材24に取付けられたストッパクッションを例に挙げて説明したが、例えばフード16の下面を構成するロアパネルに取付けられるストッパクッションに本発明を応用しても同様の効果を得ることができる。
なお、上記実施形態では、フード16を弾性的に支持するストッパクッションを例に挙げて説明したが、フード16に限らず、トランクやバックドアなどの開閉体を弾性的に支持するストッパクッションに本発明を応用しても同様の効果を得ることができる。