JP2008230114A - 封止フィルム - Google Patents

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Abstract

【課題】低コストで簡便に発光素子の光取出し効率を上げることができる封止フィルムを提供する。
【解決手段】光学フィルムと粒子を含む接着フィルムとからなり、光学フィルムのガラス転移温度が60℃以上であり、接着フィルムのガラス転移温度が100℃以下であり、接着フィルムの屈折率が1.42以上である透明な封止フィルムであって、(a)接着フィルムと反対側の光学フィルムの面に平均溝深さ0.1μm以上の凹凸または屈折率差0.2以上の屈折率変化をもつ屈折率分布があるか、または(b)光学フィルム内部に屈折率差0.015以上の屈折率変化をもつ屈折率分布構造があるか、または(c)光学フィルムと接着フィルムの界面に平均溝深さ0.1μm以上の凹凸がある、封止フィルム。
【選択図】図1

Description

本発明は、発光素子の光取出し効率を向上させるためまたは出射角を制御するための封止フィルムに関する。
近年、白色LEDや有機EL、無機ELといった蛍光灯や白熱灯に代わる発光素子を照明へ適用する研究が盛んになってきた。これらの発光素子は発光体が高屈折率のものが多く、光が素子表面で反射してしまうため発光効率が低くなることが問題となっている。そこで、発光効率を上げるために、表面に反射防止構造を設ける試みが種々なされている。(例えば、特開2003−86835号公報、特開2006−49855号公報、特開2006−286710号公報、特開2006−294907号公報)
しかし、これらの方法は硬いサファイヤや半導体素子を直接加工する方法であり、コストがかかっていた。低コストで反射防止を行うためには、樹脂構造の反射防止への適用が考えられる。樹脂を反射防止に用いる場合には、樹脂と空気の界面と、樹脂と発光面の二つの界面が生じ、それぞれについて、反射防止を行うことになる。このうち樹脂と空気の界面の反射防止については多くの検討がなされている(例えば、特開2004−311153号公報、特開2004−335183号公報、特開2005−190931号公報、特開2004−296429号公報、特開2005−317228号公報、特開2005−317254号公報、特開2005−322489号公報、特開2005−322490号公報、特開2005−327522号公報、特開2005−327535号公報)。また、樹脂表面の反射防止構造の作製方法として、例えば、接着剤を熱硬化して封止する際に、スタンパを用いて樹脂表面に凹凸を作製する方法が開示されている(特開2005−294733号公報)。
樹脂と発光面の界面について反射防止する手段として、高屈折率の封止フィルムを用いる方法がある。しかし、一般の透明樹脂を、高屈折率にするのは難しい。ひとつの解決策として樹脂に高屈折率超微粒子を混ぜる方法がある(例えば、特開2006−140362号公報、特開2004−238441号公報、特開2004−139977号公報、特開2005−301769号公報)。また、特開2006−156400号公報に樹脂と発光面の界面に回折格子を設ける方法も提案されており、フォトリソグラフィーで回折格子を作製する方法が開示されている。
ここで用いられる封止フィルムには、接着性だけでなく、高い耐熱性及び高い透明性が求められる(例えば、特開2004−266134号公報、特開2006−316264号公報)。一方で、一般の照明では光取出し効率の均一性が重要である。シャボン玉の膜厚は均一でないために、虹が発生するが、同様に、封止のさいの膜厚のばらつきは、照明の輝度や色合いの品質のばらつきにつながる。
特開2003−86835号公報 特開2006−49855号公報 特開2006−286710号公報 特開2006−294907号公報 特開2004−311153号公報 特開2004−335183号公報 特開2005−190931号公報 特開2004−296429号公報 特開2005−317228号公報 特開2005−317254号公報 特開2005−322489号公報 特開2005−322490号公報 特開2005−327522号公報 特開2005−327535号公報 特開2005−294733号公報 特開2006−140362号公報 特開2004−238441号公報 特開2004−139977号公報 特開2005−301769号公報 特開2006−156400号公報 特開2004−266134号公報 特開2006−316264号公報 ビクトール・ソイファー(Victor Soifer)、ビクトール・コトラール(Victor Kotlyar) レオニード・ドスコロヴィッチ(Leonid Doskolovich)著:アイテラティブ メソッド フォー ディフラクティブ オプティカル エレメンツ コンピュテーション (Iterative Methods for Diffractive Optical Elements Computation)、(米国)、テイラー アンド フランシス(Taylor & Francis)、1997年、p.1−10 シュンチャオ・グー(Shunchao Gu)、ショウジ・イヌカイ(Shouji Inukai)、ミキオ・コンノ(Mikio Konno):"ソープフリー シンシシス オブ モノディスパース ミクロンーサイズド ポリスチレン パーティクルズ イン アクアメディア (Soapfree Synthesis of Monodisperse、 Micron−Sized polystyrene particles in Aqueous Media)、ジャーナル オブ ケミカル エンジニアリング オブ ジャパン(Journal of Chemical Engineering of Japan)、2003年、36巻、10号、p.1231−1235 ヨシオ・コバヤシ(Yoshio Kobayashi)、シュンチャオ・グー(Shunchao Gu)、トモヒロ・コンドウ(Tomohiro Kondo)、エイイチ・ミネ(Eiichi Mine)、ダイスケ・ナガオ( Daisuke Nagao)、 ミキオ・コンノ(Mikio Konno):"ファブリケーション オブ サブミクロンーサイズド チタニア ホロウ スフィアーズ(Fabrication of Sub−Micron Sized Titania Hollow Spheres)"、 ジャーナル オブ ケミカル エンジニアリング オブ ジャパン(Journal of Chemical Engineering of Japan)、2004年、37巻、7号、p.912−914 エイイチ・ミネ(Eiichi Mine)、 ミツアキ・ヒロセ(Mitsuaki Hirose)、ダイスケ・ナガノ(Daisuke Nagao)、 ヨシオ・コバヤシ(Yoshio Kobayashi)、ミキオ・コンノ(Mikio Konno):"シンシシス オブ サブマイクロメーターサイズド チタニア スフィアリカル パーティクルズ ウィズ ア ゾルゲル メソッド アンド ゼア アプリケーション ツウ コロイダル フォトニック クリスタルズ"(Synthesis of submicrometer−sized titania spherical particles with a sol−gel method and their application to colloidal photonic crystals)、ジャーナル オブ コロイド アンド インターフェイス サイエンス( Journal of Colloid and Interface Science)、2005年、291巻、1号、p.162−168
以上の点から、有機および無機の高屈折率発光素子の表面での反射を抑え、簡便に封止できるよう接着性を持ち、さらに、耐熱性があり、透過率が高く、封止フィルムの表面での反射が少ない封止フィルムを用いることで光取出し効率を上げることが望まれている。本発明の目的は、低コストで簡便に光取出し効率を上げることができて安定した品質で耐久性のある封止フィルムを提供することである。
本発明の発明者は、高屈折率の接着フィルムの作製方法と、接着フィルムより低屈折率の光取出し効率を上げる屈折率分布構造を持つ光学フィルムの材料選定方法、およびその接着フィルムと光学フィルムよりなる封止フィルムの膜厚や凹凸形状の設計および作製方法、さらに発光素子への封止方法を見出し、本発明を完成させるに至った。本発明の第一の要点は凹凸一体型の封止フィルムとすることにより、フィルムを貼り付けるだけで、封止フィルム表面の反射率を低減し、光取出し効率の向上を図ることにある。封止時、あるいは封止後に凹凸を作製する手法と比較して、封止フィルムの凹凸をロール転写で作製できるために、格段に生産性を上げることができる。また、発光面上の膜厚を一定にできるので光取出し効率が安定する。さらに、一括で封止できるので、工程が削減できる。上記封止フィルムは一般に加熱により封止されるが、そのさい凹凸の変形を防ぐために、凹凸を持つ光学フィルムの耐熱性を上げ、好ましくは熱可塑でない樹脂を用い、封止により光取出し効率が低下しないような材料を選択する必要がある。また、光学フィルムと接着フィルムの線膨張係数の差を小さくして反りを抑えた。これにより、封止時のしわや剥がれを抑えることができる。
本発明の第二の要点は、粒径が揃った微粒子を接着フィルム中に入れることで膜厚をさらに一定にできることである。熱圧着等で、発光面と光学フィルムの間にスペーサーとしての微粒子をはさみ、膜厚を粒径で規定することができる。また、この粒子の屈折率と発光面との屈折率差を調整することで、発光素子と封止フィルム界面での反射率を低減し、光取出し効率を上げることができる。フォトリソグラフィーで回折格子を界面に設ける場合に比べ、簡便に効率を上げることができる。
上記目的を達成するために、本発明は,次のように構成される。
(1)光学フィルムと粒子を含む接着フィルムとからなり、光学フィルムのガラス転移温度が60℃以上であり、接着フィルムのガラス転移温度が100℃以下であり、接着フィルムと反対側の光学フィルムの面に平均溝深さ0.1μm以上の凹凸または屈折率差0.2以上の屈折率変化をもつ屈折率分布があるか、または光学フィルム内部に屈折率差0.015以上の屈折率変化をもつ屈折率分布構造があるか、または光学フィルムと接着フィルムの界面に平均溝深さ0.1μm以上の凹凸があり、接着フィルムの屈折率が1.42以上である透明な封止フィルム。
(2)前記接着フィルムに、膜厚が0.1μm以上14μm以下で屈折率が1.6以上の接着フィルムBと接着フィルムBに隣接する接着フィルムAを含み、接着フィルムAとBとの屈折率の差が0.1以上あり、接着フィルムの膜厚が100μm以上であることを特徴とする上記の封止フィルム。
(3)前記接着フィルムが、膜厚が0.1μm以上14μm以下で屈折率が1.6以上であり、光学フィルムの基材部分の膜厚が10μm以下であり、屈折率が1.6以下であることを特徴とする上記の封止フィルム。
(4)前記接着フィルムが接着フィルムAと接着フィルムAに隣接する接着フィルムBを含み、接着フィルムBがアミド樹脂またはイミド樹脂もしくはシリコーン樹脂を計10重量%以上含み、かつ平均粒径が10μm以下の無機フィラーを1重量%以上含み接着フィルムAにはアミド樹脂またはイミドを持つ樹脂を含まないかまたは10重量%以下含み、エポキシ樹脂を20重量%以上含むことを特徴とする上記の封止フィルム。
(5)前記接着フィルムAと接着フィルムAに隣接する接着フィルムBを含み、接着フィルムA、Bが(1)エポキシ樹脂、(2)官能基を含む重量平均分子量が10万以上である高分子量成分、(3)イミダゾール化合物を含有してなる接着剤組成物からなり、該接着剤組成物は、上記エポキシ樹脂の硬化前は上記高分子量成分と相溶し、上記エポキシ樹脂の硬化後は上記高分子量成分と相分離して海島構造を形成し、フィルムに垂直な断面で見たときの接着フィルムA中央部の海と島の幅の平均がそれぞれ0.3μm以下であり、接着フィルムB中央部の海と島の幅の平均がそれぞれ0.3μm以上であることを特徴とする接着フィルムを含む上記の封止フィルム。
(6)前記接着フィルムAと接着フィルムAに隣接する接着フィルムBを含み接着フィルムAが架橋性官能基を含む重量平均分子量が10万以上かつガラス転移温度Tgが−50〜50℃である高分子量成分15〜40重量%及びエポキシ樹脂を主成分とする熱硬化性成分60〜85重量%を含む樹脂100重量部と、無機フィラー20〜200重量部とを含有し、厚さが100〜10000μmであり、接着フィルムBが接着フィルムAより屈折率が0.1以上高いことを特徴とする上記の封止フィルム。
(7)前記光学フィルムと光学フィルムに接する接着フィルムの線膨張係数の差が0.5×10−4以下であることを特徴とする上記の封止フィルム。
(8)前記光学フィルムが熱硬化性樹脂からなることを特徴とする上記の封止フィルム。
(9)前記光学フィルムに燐光ないし蛍光性の材料を含むことを特徴とする上記の封止フィルム。
(10)前記接着フィルム中に含まれる粒子が、接着フィルムの膜厚の0.04から0.6倍の範囲内の粒径を持ち、かつ平均粒径が0.4μm以上100μm以下であり、しかも、粒径の大きい粒子から体積で10%以内に入る粒子の平均粒径が、全体の粒子の平均粒径の1.5倍より小さいことを特徴とする上記の封止フィルム。
(11)前記粒子表面の屈折率と被接着面の屈折率との差の絶対値が0.5以下で、粒子のモース硬度が5以下であることを特徴とする上記の封止フィルム。
(12)前記接着フィルム中に含まれる粒子が、粒子内部よりも粒子表面の方が、屈折率の絶対値が高く、かつ、粒子内部の弾性率が100〜1500MPaであることを特徴とする上記の封止フィルム。
(13)前記接着フィルムが、発光面の屈折率との差の絶対値が0.5以下の粒子を含み、接着フィルムの接着面が研磨され、粒子の断面が表面に露出していることを特徴とする上記の封止フィルム。
(14)前記接着フィルムが、発光面の屈折率との差の絶対値が0.5以下の粒子を含み、粒子の長径が短径よりも1.5倍以上長い上記の封止フィルム。
上記の(1)〜(13)の封止フィルムを高屈折率の発光素子表面に接着させることで、封止を行う。また、封止後の特性は次のようになる。
(15)光学フィルムと接着フィルムとからなり、光学フィルムのガラス転移温度が60℃以上であり、接着フィルムのガラス転移温度が60℃以上であり、接着フィルムと反対側の光学フィルムの面に平均溝深さ0.1μm以上の凹凸または屈折率差0.2以上の屈折率変化をもつ屈折率分布があるか、または光学フィルム内部に屈折率差0.015以上の屈折率変化をもつ屈折率分布構造があるか、または光学フィルムと接着フィルムの界面に平均溝深さ0.1μm以上の凹凸があり、接着フィルムの屈折率が1.42以上である透明な封止フィルム。
(16)前記接着フィルムの粒子が、発光面の屈折率との差の絶対値が0.5以下であり、接着フィルムの膜厚の0.04から0.6倍の範囲内の粒径を持ち、かつ平均粒径が0.4μm以上100μm以下であり、しかも、粒径の大きい粒子から体積で10%以内に入る粒子の平均粒径が、全体の粒子の平均粒径の1.5倍より小さく、封止後の接着フィルムの粒子が粒子の光学フィルムとの接触面積よりも発光面との接触面積の方が1.5倍以上大きい上記の封止フィルム。
本発明により、反射防止機能を持つ封止フィルムを、多数の発光素子に一度で封止できるようになる。また、ロール転写による大量生産が可能なため、低コスト作製できる。また、膜厚のばらつきを抑えられるので安定した光取出し効率のものを作製できる。その結果、低コストで簡便に光取出し効率を上げることができて安定した品質で耐久性のある封止フィルムを提供することができる。
〔第1の実施形態〕
本発明の封止フィルムは、光学フィルムと接着フィルムとからなり、光学フィルムのガラス転移温度が60℃以上であり、接着フィルムのガラス転移温度が100℃以下であり、接着フィルムと反対側の光学フィルムの面に平均溝深さ0.1μm以上の凹凸または屈折率差0.2以上の屈折率変化をもつ屈折率分布があるか、または光学フィルム内部に屈折率差0.015以上の屈折率変化をもつ屈折率分布構造があるか、または光学フィルムと接着フィルムの界面に平均溝深さ0.1μm以上の凹凸があり、接着フィルムの屈折率が1.42以上である透明な封止フィルムである。屈折率分布とは、異なる屈折率を持つ光の媒体が交互に並んでいる様をいう。光の媒体がたまたま空気である場合には凹凸となる。光学フィルムとは、接着性や粘着性を有しない、表面または内部に屈折率分布を有する透明なフィルムである。接着フィルムとは接着性または粘着性を有するフィルムである。
以下では、凹凸の場合について説明するが、より広義の屈折率分布についても同様である。図1において、平均溝深さはある断面における各凸部の溝深さの平均値である。断面は最も深い溝を含むように切り取る。表面の凹凸は、断面を切ったときの凹凸の深さの平均を異なる方向の断面の切り口について算出したとき、単位長さあたりの溝の数と平均溝深さの積が最大となる凹凸である。封止フィルムは図2のように発光素子に貼り付けて用いることができる。貼り付け面は、白色LEDの場合は、白色に光を変換する蛍光体を含む層の上や青色の発光面の上である。有機ELの場合は、たとえば、封止用ガラスの上である。
光学フィルムは、封止フィルムの封止に要する熱硬化温度より高いガラス転移温度でないと、接着フィルムの熱硬化時に変形し、光取出し効率が落ちたり光取出し効率にばらつきが出る。熱硬化温度は60℃以上であるので、ガラス転移温度が60℃以上であることが好ましい。より好ましくは100℃以上、さらに好ましくは150℃以上であり、さらにより好ましくは200℃以上である。一方、接着フィルムのガラス転移温度が100℃以下でないと、フィルムの柔軟性が低くなる場合があり、熱硬化時に発光素子表面への段差追従性がないため、しわが発生しやすい。ガラス転移温度はより好ましくは50℃以下である。
接着フィルムと反対側の光学フィルムの面に平均溝深さ0.1μm以上の凹凸があるか、屈折率差0.015以上の屈折率変化をもつ構造を光学フィルム内部に有することで、出射面に対する斜め入射光の散乱を助け、光取出し効率を高くすることができる。この効果は回折効果または表面に対する入射角が変化することによる物理光学的な効果である。凹凸の平均溝深さはより好ましくは0.8μm以上である。回折効果が十分に発揮される深さは、mを自然数、nを光学フィルムの屈折率として、m・波長/(n−1)で定まる(非特許文献1参照)。例えば、mが1、波長400nm、屈折率1.5のとき、この深さは0.8μmとなる。表面の凹凸の平均溝幅は耐熱性を上げるために1μm以上であることが好ましく、さらに好ましくは10μm以上、さらにより好ましくは50μm以上である。一般に、表面近傍のガラス転移温度はバルクのガラス転移温度より低いので表面積/体積が大きいと熱で変形しやすい。
凹凸の測定にはAFMとSEMを用いる。凹凸の深さが3μm以上または凹凸の斜面が45度以上の急斜面のときには、SEMの結果を用いる。SEMはフィルムの断面を垂直に切り出して、観察する。AFMとしてはセイコーインスツルメント製Nanopicsを、SEMとしては、Philips製 XL30を用いることができる。
屈折率の測定には硬化前の封止フィルムについては、プリズムカプラを用いることができる。たとえば、メトリコン製Model 2010プリズムカプラを使うことができる。硬化後の封止フィルムについては、干渉顕微鏡を用いることができる。例えば、株式会社溝尻光学工業所製の透過型二光束干渉顕微鏡が使える。測定用試料は必要に応じてミクロトームなどで切り出す。
第1および第2の実施形態では、光学および接着フィルムのガラス転移温度は、分布が多層または傾斜になっている場合は、光学フィルムに関しては層の厚み平均によるガラス転移温度を、接着フィルムに関しては最も低い層のガラス転移温度を使う。一方、層内で相分離している場合は層内の面積による平均のガラス転移温度を使う。
フィルム内部の屈折率差が0.015以上のフィルムとして、たとえば、特開平4−299303号公報の体積位相型ホログラムが挙げられる。屈折率差の大きい方が散乱の効率を上げることができる。その結果、光学フィルムに対して斜め入射する光を垂直方向に曲げ、光取出し効率を上げることができる。
第1および第2の実施形態では、光学および接着フィルムの屈折率は、分布が多層または傾斜になっている場合は最も高い層の屈折率を、層内で相分離している場合は層内の平均の屈折率を使う。
透明であることで、光取出し効率をあげることができる。透明の指標として、全光線透過率を使うことができる。全光線透過率はフレネル損失を含む数値で計算し、表面が平滑でフィルム自身に吸収がない場合、フィルムの屈折率が1.5であれば、全光線透過率が92%になる。
光学フィルムの透明度は、厚さが10μmで全光線透過率50%以上が好ましく、さらに好ましくは80%以上である。透過率が高い方が、封止したときの輝度が高くなる。封止フィルムの全光線透過率は50%以上が好ましく、70%以上がより好ましく、さらに好ましくは80%以上である。
フィルムの全光線透過率の測定方法にはレーザを用いる。He−Neレーザ632.8nmの光を用い、パワーメータで測定する。偏光依存性を打ち消すために、入射光の偏光が90°異なる二つの条件で測定しその平均を以って測定値とする。さらに、必要に応じて、He−Cdレーザの442nmの光やArレーザの514.5nmの光でも同様に計測する。封止フィルムの測定では光は光学フィルムと反対側の接着フィルムの面から面に垂直に入射させる。出射光が明瞭な回折パターンのない拡散光となる場合には、光量の測定に積分球を用いても良い。
接着フィルムの屈折率を1.42以上にすることで、屈折率の高い発光素子と接着フィルム間の屈折率差を小さくし、反射を抑えることができる。また、透明にすることで、光吸収を抑え、光取出し効率を上げることができる。接着フィルムの屈折率はより好ましくは1.6以上、さらに好ましくは1.7以上である。
光学フィルムと接着フィルムの界面に平均溝深さ0.1μm以上の凹凸があっても良い。これにより、光学フィルムと接着フィルムの界面での反射を抑えたり出射角を制御したりできる。界面の凹凸の平均溝深さはより好ましくは2μm以上である。回折効果が十分に発揮される深さは、mを自然数、n1を光学フィルムの屈折率、n2を接着フィルムの屈折率として、m・波長/|n1−n2|で定まる。mが1、波長400nm、n1が1.65、n2屈折率1.45のとき、この深さは2μmとなる。界面の凹凸の平均溝幅は耐熱性を上げるために1μm以上であることが好ましく、さらに好ましくは3μm以上10μm以下、さらにより好ましくは5μm以上7μm以下である。ディスプレイ用途では周期が大きすぎると画素との干渉でモアレが出やすくなる。この凹凸が周期的で、平均溝幅が5μm以下である場合には、接着フィルムと反対側の光学フィルム面の凹凸が周期的でないほうが好ましい。なぜなら、分光による虹の発生を抑えることができるからである。また、特開2005−316178号公報に記載されているように、出射角を制御する場合には、光学フィルムの方が接着フィルムより屈折率が0.1以上、より好ましくは0.2以上高い方がよい。出射角を制御することで、たとえば、車のライトを必要な範囲だけ照らすことができる。これにより、対向車線の車がまぶしくないようにできる。
接着フィルムおよび光学フィルムの貯蔵弾性率及びtanδを動的粘弾性測定装置(レオロジ社製、DVE−V4、自動静荷重)を用いて、次の条件で測定した。サンプルサイズを長さ20mm、幅4mm、膜厚80μmとし、昇温速度を5℃/min、測定モードを引張りモード、周波数を10Hzとした。ガラス転移温度はtanδのピーク温度を用いて算出した。ガラス転移温度が明瞭でないものについては、動的粘弾性測定による貯蔵弾性率が300MPa以下となる温度で代用する。
接着フィルムの被着体は光学フィルムのアクリルをはじめとして、リードフレームの銅、透明電極のITO、近紫外線の白色光変換素子のSiC、GaN基板のサファイヤ、有機EL封止用ガラスのシリカなど、様々に考えられる。いずれの場合も接着対象に対して、100℃1時間硬化後のピール試験で強度1N/チップ以上が好ましい。さらに好ましくは2N/チップ以上である。ただし、チップは5mm角とする。また、この接着フィルムは265℃のはんだ耐熱性があることが好ましい。
光学フィルムと接着フィルムの間での密着性を上げ、そりを低減するために、二つのフィルムの材料の線膨張係数の差は0.5×10−4以下が好ましい。さらに好ましくは0.1×10−4以下である。そりがあると、加熱接着後にしわができやすく、接着力が落ちる。
この封止フィルムの接着特性、線膨張係数およびはんだ耐熱性は以下のように評価した。
(1)対被着体ピール強度:(接着特性)100℃のホットプレート上で、被着体のチップ(5mm角)に封止用フィルムを積層し、100℃、1時間キュアした。この試料について100℃でピール強度を測定した。
(2)線膨張係数:100℃1時間加熱硬化した封止フィルムの各フィルムについて、熱機械分析装置を用いて、毎分5℃の昇温速度で試料の伸びを測定し、25℃から150℃の伸びから、平均線膨張係数を求めた。
(3)はんだ耐熱性:作製した封止フィルムを封止した発光素子を85℃、湿度85%で48時間処理した後、265℃のはんだ漕に1分間フロートし、ふくれ、剥離の有無を調べた。
本発明の接着フィルムは、架橋性官能基を含む重量平均分子量が10万以上でTgが−50〜50℃である高分子量成分15〜40重量%、エポキシ樹脂を主成分とする熱硬化性成分60〜85重量%を含む樹脂100重量部とフィラー20〜200重量部とを含む接着フィルムであることが好ましく、その構成成分に特に制限はないが、適当なタック強度を有しフィルム状での取扱い性が良好であることから、高分子量成分、熱硬化性成分、及びフィラーの他に、硬化促進剤、触媒、添加剤、カップリング剤等を含んでも良い。
高分子量成分としてはエポキシ基、アルコール性またはフェノール性水酸基、カルボキシル基などの架橋性官能基を有するポリイミド樹脂、(メタ)アクリル樹脂、シリコーン樹脂、ウレタン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、フェノキシ樹脂、変性ポリフェニレンエーテル樹脂等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
上記の接着フィルムは、高分子量成分が樹脂の15〜40重量%含まれる場合に発光素子表面段差の充てん性が良好となり、高分子量成分の含有量は、さらに好ましくは20〜37重量%であり、より好ましくは25〜35重量%である。
高分子量成分は、Tg(ガラス転移温度)が−50℃〜50℃で架橋性官能基を有する重量平均分子量が10万以上である高分子量成分であることが好ましい。
高分子量成分として、例えば、グリシジルアクリレートまたはグリシジルメタクリレートなどの官能性モノマを含有するモノマを重合して得た、重量平均分子量が10万以上であるエポキシ基含有(メタ)アクリル共重合体などが好ましい。エポキシ基含有(メタ)アクリル共重合体としては、たとえば、(メタ)アクリル酸エステル共重合体、アクリルゴムなどを使用することができ、アクリルゴムがより好ましい。
アクリルゴムは、アクリル酸エステルを主成分とし、主として、ブチルアクリレートとアクリロニトリルなどの共重合体や、エチルアクリレートとアクリロニトリルなどの共重合体などからなるゴムである。さらに、高屈折率にするためにアクリレートは硫黄を含んでいても良い。例えば、4,4’−ビス(β−メタクリロイルオキシエチルチオ)ジフェニルスルホン、4,4’−ビス(β−ヒドロキシエチルチオ)ジフェニルスルホン=モノアクリレート、硫黄環状構造、環状チオカーボナート構造、環状ジチオカーボナート構造、環状トリチオカーボナート構造である。たとえば、特開2004−115713号公報に硫黄を含むアクリル系接着剤の作製方法が記載されている。
高分子量成分のTgが50℃を超えると、フィルムの柔軟性が低くなる場合があり、Tgが−50℃未満であると、フィルムの柔軟性が高すぎるため、ウエハダイシング時にフィルムが切断し難く、バリが発生しやすくなる場合がある。
また、高分子量成分の重量平均分子量は、好ましくは10万以上100万以下であり、分子量が10万未満であるとフィルムの耐熱性が低下する場合があり、分子量が100万を超えるとフィルムのフローが低下する場合がある。なお、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC)で標準ポリスチレンによる検量線を用いたポリスチレン換算値である。本発明での常温GPCによる重量平均分子量の測定方法は以下のとおりである。測定器:島津製作所製LC−6Cカラム:shodex KF‐802.5+KF‐804+KF‐806溶媒:THF(テトラヒドロフラン)温度:室温(25℃)標準物質:ポリスチレン流量:1.0ml/分(試料濃度 約0.2%)注入量:200μl。
ウエハダイシング時に接着フィルムが切断しやすく樹脂くずが発生し難い点、また耐熱性が高い点で、Tgが−20℃〜40℃で重量平均分子量が10万〜90万の高分子量成分が好ましく、Tgが−10℃〜40℃で重量平均分子量が20万〜85万の高分子量成分がより好ましい。
本発明において用いられる熱硬化性成分としては、半導体発光素子を封止する場合に要求される耐熱性および耐湿性を有するエポキシ樹脂が好ましい。なお、本発明において、「エポキシ樹脂を主成分とする熱硬化性成分」には、エポキシ樹脂硬化剤も含まれるものとする。エポキシ樹脂は、硬化して接着作用を有するものであれば特に限定されない。ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂などの二官能エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂やクレゾールノボラック型エポキシ樹脂などのノボラック型エポキシ樹脂などを使用することができる。また、多官能エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、複素環含有エポキシ樹脂または脂環式エポキシ樹脂など、一般に知られているものを適用することができる。
特に半硬化状態のBステージ状態でのフィルムの可撓性が高い点でエポキシ樹脂の分子量が1000以下であることが好ましく、さらに好ましくは500以下である。また、可撓性に優れる分子量500以下のビスフェノールA型又はビスフェノールF型エポキシ樹脂50〜90重量部と、硬化物の耐熱性に優れる分子量が800〜3000の多官能エポキシ樹脂10〜50重量%とを併用することが好ましい。
エポキシ樹脂硬化剤としては、通常用いられている公知の硬化剤を使用することができ、例えば、アミン類、ポリアミド、酸無水物、ポリスルフィド、三フッ化ホウ素、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールSのようなフェノール性水酸基を1分子中に2個以上有するビスフェノール類、フェノールノボラック樹脂、ビスフェノールAノボラック樹脂又はクレゾールノボラック樹脂等のフェノール樹脂などが挙げられる。
また、接着フィルムは色づきをなくすために、硬化後に無色透明であるほうが好ましい。CIE1976L均等色空間のu’v’色度図において、色度が(u0’,v0’)の白色ハロゲンランプを用いたときに、接着フィルムの透過光の色度とハロゲンランプの色度との距離が0.1以下であることが好ましく、さらに好ましくは0.05以下である。また、発光素子への貼り付け時にしわを防ぐためには弾性率はある程度低い方がよく、100℃における貯蔵弾性率が200〜3000MPaであることが好ましい。
また、光学フィルムの材料はポリカーボネート、アクリル、シリコーンなどの樹脂が使えるが、ウレタンアクリレートの樹脂を含む光学フィルムを用いることが好ましい。ウレタンアクリレートはUV硬化樹脂として、全光線透過率が高く、硬化特性も良い。この樹脂は他の共重合体を含んでもよい。例えば、アクリル共重合体としては、メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアクリレート、2−エチルへキシルアクリレート、メトキシブチルアクリレート、エトキシエチルアクリレート等のアクリル酸エステルの共重合体、さらには、メチルメルカプタン、エチルメルカプタン、チオフェノール、などの(メタ)アクリレート化物の共重合体、またこれらのアクリル酸エステルの1種以上と、これと共重合可能な、官能基として(1)カルボキシル基を持つ、アクリル酸、マレイン酸、メタクリル酸、(2)グリシジル基を持つ、ビニルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、メタクリルグリシジルエーテル、アクリル酸グリシジル及び(3)水酸基を持つ、ヒドロキシメチルアクリレート、ヒドロキシエチルアクリレートから選ばれるモノマ−の1種以上との共重合体などが挙げられる。
また、光学フィルムの材料は、好ましくは、熱硬化型のアクリル樹脂である。メラミン樹脂、ウレタン樹脂などと併用し、ポリイソシアネートを硬化剤として用いることができる。ポリイソシアネ−トとしては、ナフタレンジイソシアネ−ト、イソホロンジイソシアネ−ト、キシリレンジイソシアネ−ト、ヘキサメチレンジイソシアネ−ト、ジフェニルメタンジイソシアネ−ト、トリレンジイソシアネ−ト等のポリイソシアネ−トを用いることができる。
光学フィルムに燐光ないし蛍光性の材料を含んでもよい。図2で発光源26が青色光を発する場合、白色にするための波長変換材料を入れることがある。光学フィルム22の中に波長変換材料を含有させ、接着フィルムと一体化することで、接着層と光学フィルム層の厚さが一定にできるので、燐光あるいは蛍光性の材料を含む封止材を直接封止する場合に比べ、輝度が安定する。この結果、ロットによる輝度のばらつきを押さえることができる。
また、図3のようにカバーフィルム18と基材フィルム20で光学フィルム10と接着フィルム12をはさんでも良い。カバーフィルムや基材フィルムはガラス転移温度が100℃以上であることが好ましい。さらに好ましくは150℃以上である。
上記カバーフィルムや基材フィルムの材質としては、特に制限はなく、例えば、ポリエステルフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリイミドフィルム、ポリエーテルイミドフィルム、ポリエーテルナフタレートフィルム、メチルペンテンフィルム等がある。
また、本発明の封止フィルムは、好ましくは、接着フィルムが、膜厚が0.1μm以上14μm以下で屈折率が1.6以上の接着フィルムBと接着フィルムBに隣接する接着フィルムAを含み、接着フィルムAとBとの屈折率の差が0.1以上あり、接着フィルム全体の膜厚が100μm以上である。
図4のように接着フィルムA14と接着フィルムB16に分けることで、B層には高い屈折率を持たせ、A層にはその他の封止フィルムに必要な特性を持たせるという使い分けが可能となり、封止フィルムとしての総合的な特性を上げることができる。接着フィルムBを膜厚が0.1μm以上14μm以下で屈折率が1.6以上とすることで、発光素子の発光面に接着したときに、光取出し効率を上げることができる。一般に、樹脂の屈折率の高いB層は、透過率が低いため、膜厚が厚すぎると透過率が下がるので、最適な光取出し効率の設計から外れる。一方、B層の膜厚が薄すぎてもA層と発光面との屈折率差を緩和できなくなるので、最適な光取出し効率の設計から外れる。
接着フィルムAより接着フィルムBの屈折率を0.1以上大きくすることで、屈折率の大小関係を発光素子>接着フィルムB>接着フィルムAとすることができ、各界面での屈折率の変化が緩和されるため、反射率を低減できる。接着フィルムの膜厚が100μm以上であることで、図5のように、発光素子表面の凹凸を埋め込むことができる。
A層の形成はスピンコートや、ロールコートでできる。B層の形成はあらかじめ作製したA層にロールコートするか、またはロールによるA層B層の一括多層積層で行うことができる。逆に、B層から先にコートし、その上にA層を形成しても良い。
また、本発明の封止フィルムは接着フィルムが、膜厚が0.1μm以上14μm以下で屈折率が1.6以上であり、光学フィルムの基材部分の膜厚が10μm以下であり、屈折率が1.6以下であってもよい。
特開2005−354020号公報に開示されているような光を電極の反対側から取り出す設計では、図6のように、電極の裏側から封止する。このような用途の封止フィルムでは、埋め込み性よりも光取出し能力が重要である。このとき封止フィルムの膜厚が薄く、接着フィルムの屈折率が高い方が光取出し効率が上がる。
接着フィルムの膜厚は14μm以下が好ましく、より好ましくは10μm以下、さらに好ましくは5μm以下である。光学フィルムの基材部分の膜厚を、光学フィルムの膜厚から凹凸の平均溝深さの値を引いた値とするとき、この膜厚が10μm以下であることが好ましく、より好ましくは5μm以下、さらに好ましくは2μm以下である。光学フィルムの基材部分の膜厚は薄い方が透過率が上がる。また、接着フィルムの屈折率が1.6以上とし、光学フィルムの屈折率が1.6以下とすることで、屈折率の大小関係を発光素子>接着フィルム>光学フィルムとすることができ、各界面での屈折率の変化が緩和されるため、反射率を低減できる。
また、本発明の封止フィルムは、好ましくは、接着フィルムが接着フィルムAと接着フィルムAに隣接する接着フィルムBを含み、接着フィルムBがアミド樹脂またはイミド樹脂もしくはシリコーン樹脂を計10重量%以上含み、かつ平均粒径が10μm以下の無機フィラーを1重量%以上含み接着フィルムAにはアミド樹脂またはイミドを持つ樹脂を含まないかまたは10重量%以下含み、エポキシ樹脂を20重量%以上含む。以下、特に断りがない限り、ここで使われている%は重量%である。
接着フィルムBの屈折率は、接着フィルムAの屈折率をNa、接着フィルムBの屈折率をNb、発光面の屈折率をNeとして、Nbが(Na・Ne)1/2±0.2の範囲にあることが好ましい。さらに、接着フィルムBの膜厚をdbとして、Nb・dbが、波長λ・(1/4+m/2)近傍にあることが好ましい。ここで、mは0以上の整数である。しかし、樹脂の屈折率は1.5程度と小さい。無機フィラーを分散させれば、透明なまま屈折率を上げることが可能となる。しかし、1)微粒子の分散が難しい。2)透過率が小さい。3)ヘーズ値(濁度)が大きいといった問題があった。これらの問題は、1)発光面と接着層の界面近傍を除いて、光を散乱しないくらい粒径の小さな超微粒子を使う。2)超微粒子が樹脂中で凝集しないようにする。3)超微粒子自体が光を吸収しないようにするというようにできれば解決できる。けれども、そのためには適切な超微粒子・樹脂・分散剤を選択しなくてはならない。このように、高屈折率の透明接着剤の製造には、無機フィラーを均一に分散させることが鍵となる。
分散をうまくするひとつの方法として、適切なカップリング剤や分散剤の、微粒子と樹脂を混練した材料への適用が挙げられる。カップリング剤や分散剤を使うことで微粒子の凝集がなく透明度の高い封止フィルムを得ることができる。イソシアネートシラン、エポキシシラン、アニリノシラン、メチルシラン、フェニルシラン、アミノシラン、ウレイドシラン、ビニルシラン、アルキルシラン、メルカプトシラン、有機チタネート、アルミニウムアルコレートなどのカップリング剤を、分散性を向上させる点から用いることが好ましい。これらのカップリング剤の使用方法については特に制限はなく、予め無機充填剤に処理をしてから使用しても良い。また、他の素材の配合時にインテグラルブレンド法で使用しても良い。分散剤としては、ビッグケミー・ジャパン社のDisperbyk−110,Disperbyk−111,Disperbyk−116等がある。微粒子を含む樹脂を作製するには、固体粉末を溶液に混合する場合と、粒子が合成された時点で溶液中に分散されている場合の2種類が考えられる。微粒子が固体粉末である場合には、遊星ビーズミルを用いたボールミリング法、圧力と高温をかける方法、せん断による方法などによって混練することにより、樹脂と微粒子を分散することができる。微粒子が溶液中に分散されている場合には、スターラーによる攪拌や超音波で分散することができる。また、樹脂によっても分散性をあげることができ、極性の高い官能基であるアミド樹脂またはイミドの樹脂もしくはシリコーンの樹脂を使うことで分散性をあげることができる。
接着フィルムBがアミド樹脂またはイミド樹脂もしくはシリコーン樹脂を計10%以上含むことで、耐熱性を持たせ、また、無機フィラーの分散性を上げることができる。平均粒径が10μm以下の無機フィラーを1%以上含むことで、高い耐熱性や高い屈折率を実現できる。接着フィルムAにはアミドまたはイミドを持つ樹脂を含まないかまたは5%以下含み、エポキシ樹脂を20%以上含むことで、埋め込み性を向上させることができる。
さらに、熱硬化後の接着フィルムはフィラーを1%以上80%以下含むことが、ダイシング性が向上する点で好ましい。フィラー量は、10〜60%であることがより好ましく、20〜40%であることがさらに好ましい。
フィラーを配合することで、屈折率を上げ、光取出し効率を上げることができる。一方、フィラーの配合量が多くなりすぎると、接着フィルムの貯蔵弾性率の過剰な上昇、接着性の低下、ボイド残存による電気特性の低下等の問題が起きやすくなるので80%以下とするのが好ましい。フィラーの配合量が少ないと、ダイシング時の樹脂バリが発生し易くなる傾向がある。
基材フィルム上に接着フィルムを積層する方法としては、印刷のほか、予め作製した接着フィルムを基材フィルム上にプレス、ホットロールラミネートする方法が挙げられるが、連続的に製造でき、効率が良い点でホットロールラミネートする方法が好ましい。
光学フィルムは接着フィルムを作製してから、接着フィルムの上に接着しても良い。イミド樹脂を含む接着剤については作製法の詳細が特開2002−185687号公報に記載されている。また、アミドイミド樹脂を含む接着剤については作製法の詳細が特開2002−146321号公報に記載されている。さらに、シリコーン樹脂を含む接着剤については作製法の詳細が特開平6−322349号公報に記載されている
さらに、本発明の接着フィルムには、Bステージ状態における接着フィルムのダイシング性の向上、接着フィルムの取扱い性の向上、熱伝導性の向上、溶融粘度の調整、チクソトロピック性の付与などをも目的としてフィラー、好ましくは無機フィラーを配合する。
無機フィラーとしては、チタニア、ジルコニア、アルミナ、酸化亜鉛、結晶性シリカ、非晶性シリカなどが挙げられる。熱伝導性向上のためには、アルミナが好ましい。溶融粘度の調整やチクソトロピック性の付与の目的には、アルミナ、結晶性シリカ、非晶性シリカ等が好ましい。また、ダイシング性を向上させるためにはアルミナ、シリカが好ましい。
接着フィルムのA層の無機フィラー、またはA層B層に分離していない場合の無機フィラーについて、フィラーの平均粒径はチタニア、ジルコニア、アルミナ、酸化亜鉛、結晶性シリカ、非晶性シリカでは0.2μm以下であることが好ましい。チタニア、ジルコニア、酸化亜鉛については0.1μm以下であることがより好ましい。さらに好ましくは0.05μm以下であり、特に好ましくは0.002〜0.03μmである。粒径が小さい方が透過率を上げることができる。なお、本発明においては、レーザ回折式粒度分布測定装置(日機装製マイクロトラック)を用いてフィラーの平均粒径を測定した。具体的には、フィラー0.1〜1.0gを秤取り、超音波により分散した後、粒度分布を測定し、その分布での累積重量が50%となる粒子径を平均粒径とした。
接着フィルムのB層の無機フィラーの平均粒径はチタニア、ジルコニア、アルミナ、酸化亜鉛では0.1μm以上10μm以下であることが好ましい。また、1μm以下であることがより好ましい。さらに好ましくは0.8μm以下であり、特に好ましくは0.1〜0.3μmである。粒径を適度にすることによって、光を散乱し、光取出し効率をあげることができる。また、粒子の屈折率の発光面との屈折率差は0.5以下であることが好ましい。
さらに、本発明においては、接着フィルムがフィラーを含有することにより、フィルム切断時に回転刃に樹脂を残すことなく、回転刃を研磨しながら、短時間で接着フィルムを良好に切削できる。したがって、回転刃の研磨効果及び接着フィルム切断性の点から、接着フィルムは硬いフィラーを含有することが好ましく、モース硬度(10段階)3〜8の範囲の硬さのフィラーを含有することがより好ましく、モース硬度6〜7のフィラーを含有することがさらに好ましい。このときフィラーのモース硬度(10段階)が3未満では回転刃の研磨効果が少なく、モース硬度が8を超えるとダイシング用の回転刃の寿命が短くなる傾向がある。なお、屈折率の高いモース硬度3〜8のフィラーとしては、結晶系がアナターゼやルチルのチタニア、ジルコニア、酸化亜鉛がある。
また、本発明の封止フィルムは、好ましくは、接着フィルムAと接着フィルムAに隣接する接着フィルムBを含み、接着フィルムA、Bが(1)エポキシ樹脂、(2)官能基を含む重量平均分子量が10万以上である高分子量成分、(3)イミダゾール化合物を含有してなる接着剤組成物からなり、該接着剤組成物は、上記エポキシ樹脂の硬化前は上記高分子量成分と相溶し、上記エポキシ樹脂の硬化後は上記高分子量成分と相分離して海島構造を形成し、フィルムに垂直な断面で見たときの接着フィルムA中央部の海と島の幅の平均がそれぞれ0.3μm以下であり、接着フィルムB中央部の海と島の幅の平均がそれぞれ0.3μm以上である。
本発明で用いる(1)エポキシ樹脂、(2)官能基を含む重量平均分子量が10万以上である高分子量成分の組合せは、エポキシ樹脂として、低分子量のグリシジルエポキシ樹脂であると好ましく、この中では脂肪族グリシジルエーテル基を有するエポキシ樹脂、芳香族グリシジルエーテル基を有するエポキシ樹脂が好ましい。官能基を含む重量平均分子量が10万以上である高分子量成分としては、エポキシ樹脂と極性の近い官能基に有する熱可塑性プラスチック、架橋反応ゴム、熱可塑性エラストマー等の高分子量成分が好ましい。
これは、相溶化するかどうかは混合される樹脂の分子量および各混合物の極性の差が支配的であり相分離は硬化によりエポキシ樹脂の分子量が上昇することによって形成されるからであり、規則正しく微細な相分離構造はエポキシ樹脂と高分子量成分との相溶性を増加させ熱力学的な相分離速度を遅らせることによって形成される傾向があるからである。このようにして選ばれるより具体的な樹脂としては、分子量400未満のエポキシ樹脂とエポキシ基含有アクリル系ポリマー、分子量400以下のエポキシ樹脂とエポキシ基含有ポリエチレン、分子量400以下のエポキシ樹脂とエポキシ基含有熱可塑性プラスチック混合物等が挙げられ、なかでも低分子量のビスフェノールA型エポキシ樹脂とエポキシ基含有アクリル共重合体とが分子量および極性および硬化の点で好ましい。使用する樹脂合成方法の詳細は特開2006−183020号公報に記載がある。
また、フィルムに垂直な断面で見たときの接着フィルムA中央部の海と島の幅の平均がそれぞれ好ましくは0.3μm以下であり、接着フィルムB中央部の海と島の幅の平均がそれぞれ0.3μm以上である接着フィルムを含む封止フィルムがより好ましい。海と島の幅の平均が0.5μm以下であることで、透過率が高く、光取出し効率の高い封止フィルムを実現できる。さらに好ましくは0.2μm以下である。一方、発光素子表面の近傍については、屈折率が高い海または島部分を設けることで、発光素子表面での全反射を防止し光取り出し効率を上げることができる。このとき、海と島の屈折率差は発光素子表面と接着フィルムBの屈折率差の1/3以上が好ましく、より好ましくは1/2以上である。また、海と島の幅の平均がそれぞれ1μm以上である方がより好ましい。
また、本発明の封止フィルムは接着フィルムAと接着フィルムAに隣接する接着フィルムBを含み接着フィルムAが架橋性官能基を含む重量平均分子量が10万以上かつガラス転移温度Tgが−50〜50℃である高分子量成分15〜40%及びエポキシ樹脂を主成分とする熱硬化性成分60〜85%を含む樹脂100重量部と、無機フィラー20〜200重量部とを含有し、厚さが100〜10000μmであり、接着フィルムBが接着フィルムAより屈折率が0.1以上高く透明な接着フィルムを持つことが好ましい。
接着フィルムAとBに分けることで、B層には高い屈折率を持たせ、A層には埋め込み性を持たせるという使い分けが可能となる。高い屈折率を得るために、樹脂に微粒子を多く含有させると、透明性が落ち、また埋め込み性も悪化するが、この使い分けにより、例えば接着フィルムBにAより多くの微粒子を入れて、これらの問題を回避できる。
接着フィルムBが接着フィルムAより屈折率が0.1以上高いことで、発光素子>接着フィルムB>接着フィルムAとすることができ、各界面での屈折率の変化が緩和されるため、反射率を低減できる。接着フィルムBが接着フィルムAより屈折率が0.2以上高い方がより好ましい。
高分子量成分のTgが50℃を超えると、フィルムの柔軟性が低くなる場合があり、Tgが−50℃未満であると、フィルムの柔軟性が高すぎるため、ウエハダイシング時にフィルムが切断し難く、バリが発生しやすくなる場合がある。
また、高分子量成分の重量平均分子量は、好ましくは10万以上100万以下であり、分子量が10万未満であるとフィルムの耐熱性が低下する場合があり、分子量が100万を超えるとフィルムのフローが低下する場合がある。ここで、重量平均分子量は、常温GPCで測定した値をいう。
ウエハダイシング時に接着フィルムが切断しやすく樹脂くずが発生し難い点、また耐熱性が高い点で、Tgが−20℃〜40℃で重量平均分子量が10万〜90万の高分子量成分が好ましく、Tgが−10℃〜40℃で重量平均分子量が20万〜85万の高分子量成分がより好ましい。
〔第2の実施形態〕
本発明は、圧着時に、図7のように粒径のそろった粒子を含む接着フィルムを、光学フィルムと発光面の間で押し付け、厚さを粒径と同程度にすることで、膜厚を一定にすることができる。さらに、粒子表面を高屈折率にすることで光取出し効率を上げることができる。このために、第1の実施形態の粒子の粒径や組成を以下のようにする。
接着フィルム中に含まれる粒子が、接着フィルムの膜厚の0.04から0.6倍の範囲内の粒径を持ち、かつ平均粒径が0.4μm以上100μm以下であり、しかも、粒径の大きい粒子から体積で10%以内に入る粒子の平均粒径が、全体の粒子の平均粒径の1.5倍より小さいことが好ましい。平均粒径は体積平均の粒径である。粒径はSEM(走査型電子顕微鏡)またはTEM(透過型電子顕微鏡)で測定できる。
接着フィルムの粒径を膜厚に対して、好ましくは、0.04から0.6倍とし、かつ平均粒径が0.4μm以上100μm以下であり、しかも、粒径の大きい粒子から体積で10%以内に入る粒子の平均粒径が、全体の粒子の平均粒径の1.5倍より小さくすることで、図7のように大きさのそろった適度な粒径になり、接着後の膜厚を均一にできるので、光取出し効率のロット間のばらつきを少なくすることができる。
粒子表面の屈折率と被接着面の屈折率との差の絶対値が0.5以下で、粒子のモース硬度が5以下であることが好ましい。図8のような封止フィルムに圧力をかけて硬化することで、粒子の表面を発光面と接触させて発光面に入射する光の全反射を防ぎ、取出し効率を上げることができる。また、粒子表面の屈折率と被接着面の屈折率との差の絶対値を0.5以下とすることで、さらに光取出し効率を上げることができる。モース硬度が5以下のやわらかい粒子を使うことで発光面と粒子の接触面積を増やすことができるので、光取出し効率を上げることができる。
前記接着フィルム中に含まれる粒子が、粒子内部よりも粒子表面の方が、屈折率の絶対値が高く、かつ、粒子内部の弾性率が100〜1500MPaであることが好ましい。
接着フィルムBを平均的に高屈折率にするという光学設計以外に、高屈折率の粒子を高屈折率発光面に付着させるという光学設計も可能である。この場合には、平均粒径は0.4μm以上3μm以下が好ましい。また、接着フィルムBの粒子の30%以上が高屈折率の粒子であることが好ましい。さらに、粒子の屈折率と発光面の屈折率の差は0.5以下であることが好ましい。
接着フィルム中の粒子は外側を高屈折率にしても良い。ここでの屈折率の高さは複素屈折率の絶対値で決める。例えば、銀は屈折率が0.17〜3.40であるが、この絶対値は、3.404である。外側を高屈折率にすることで、内側に柔軟性のある低屈折率材料を用いることが可能となり、加熱して発光面と高屈折率材料との接触界面を増やすことができる。高屈折率材料と発光面の接触面積を増やすことで、光取出し効率を大きくすることができる。低屈折率材料としては、アクリルやエポキシ、シリコーン樹脂が使用可能である。高屈折率材料としては、チタニア、銀、ITO、ジルコニアなどが使用可能である。この場合には、平均粒径は0.4μm以上3μm以下が好ましい。
粒子の表面が、屈折率の絶対値が高いことで、被接着発光面から出る光を、散乱し全反射を防ぐことで、光取出し効率を上げることができる。また、粒子内部の弾性率が100〜1500MPaであることで、図9のように熱圧着後の接触面積を増やすことができ、発光面に入射する光の全反射を防ぎ、光取出し効率を上げることができる。ここで、粒子内部はポリスチレンやエポキシ、アクリル、ポリイミド、ポリカーボネートなど樹脂であることが好ましく、粒子表面はチタニアやジルコニア、銀などの無機材料であることが好ましい。粒径の揃った有機微粒子は、乳化重合法で作製できる。(非特許文献2および3または特開平7−141912号公報参照)有機微粒子は市販のものを入手しても良い。また、無機材料による表面のコーティングは、乳化重合したポリスチレンに反応性チタン化合物を加えることできる。(非特許文献3および4)樹脂粒子の表面処理には、例えば、濃硫酸によるスルホン化が使える。
前記接着フィルムが、発光面の屈折率との差の絶対値が0.5以下の粒子を含み、接着フィルムの接着面が研磨され、粒子の断面が表面に露出していることが好ましい。発光面の屈折率との差の絶対値が0.5以下の粒子を含むことで、光取出し効率を向上させることができる。また、粒子の断面を表面に出すことで、発光面に接着したときに発光面との接触面積を増やすことができる。この結果、光取出し効率を向上させることができる。研磨剤には日立化成工業株式会社製CMPスラリー「HS−T」を使うことができる。
前記接着フィルムが、発光面の屈折率との差の絶対値が0.5以下の粒子を含み、粒子の長径が短径よりも1.5倍以上長いことで、封止後に、粒子と発光面の接触面積を増やすことができる。酸化チタンのルチルは針状結晶となりやすく、これを用いることができる。
〔第3の実施形態〕
また、本発明の封止フィルムは、封止後に、光学フィルムと接着フィルムとからなり、光学フィルムのガラス転移温度が60℃以上であり、接着フィルムのガラス転移温度が60℃以上であり、接着フィルムと反対側の光学フィルムの面に平均溝深さ0.1μm以上の凹凸または屈折率差0.2以上の屈折率変化をもつ屈折率分布があるか、または光学フィルム内部に屈折率差0.015以上の屈折率変化をもつ屈折率分布構造があるか、または光学フィルムと接着フィルムの界面に平均溝深さ0.1μm以上の凹凸があり、接着フィルムの屈折率が1.42以上である透明な封止フィルムであることが好ましい。
光学フィルムは、封止フィルムの封止に要する熱硬化温度より高いガラス転移温度でないと、接着フィルムの熱硬化時に変形し、光取出し効率が落ちる。熱硬化温度は60℃以上であるので、ガラス転移温度が60℃以上であることが好ましい。より好ましくは100℃以上、さらに好ましくは150℃以上であり、さらにより好ましくは200℃以上である。接着フィルムの熱硬化の加熱温度が60〜240℃であることが好ましく、100〜180℃であることがより好ましいためである。
接着フィルムは封止後に耐熱性がないと、発光素子から出る熱で、はがれたり変色したりする。ガラス転移温度は100℃以上がより好ましく、さらに好ましくは150℃以上であり、さらにより好ましくは200℃以上である。発光素子から出る熱は、グラファイトやアルミでできた放熱器を取り付ければ80℃に下げることも可能であるが、放熱器がないと200℃以上になるためである。
接着フィルムの屈折率を1.42以上にすることで、屈折率の高い発光素子と接着フィルム間の屈折率差を小さくし、反射を抑えることができる。また、透明にすることで、光吸収を抑え、光取出し効率を上げることができる。接着フィルムの屈折率はより好ましくは1.55以上、さらに好ましくは1.65以上である。光学フィルムと接着フィルムの界面に平均溝深さ0.1μm以上の凹凸があっても良い。これにより、光学フィルムと接着フィルムの界面での反射を抑えることができる場合がある。また、界面の反射は抑えられなくても、光を出射面に垂直に曲げることで、光学フィルムの出射面での反射をこの凹凸が周期的で、平均溝幅が0.4μm以上5μm以下である場合には、接着フィルムと反対側の光学フィルム面の凹凸が周期的でないほうが好ましい。周期的でないことによって、分光による虹の発生を抑えることができる。平均溝深さは0.4μm以上が好ましく、より好ましくは0.8μm以上である。
第3の実施形態では、光学および接着フィルムのガラス転移温度は、封止後の値であり、分布が多層または傾斜になっている場合は、光学フィルムに関しては層の厚み平均によるガラス転移温度を、接着フィルムに関しては最も高い層のガラス転移温度を使う。一方、層内で相分離している場合は層内の面積による平均のガラス転移温度を使う。
また、光学および接着フィルムの屈折率は、封止後の値であり、分布が多層または傾斜になっている場合は最も高い層の屈折率を、層内で相分離している場合は層内の面積による平均の屈折率を使う。
接着フィルム粒子が、発光面の屈折率との差の絶対値が0.5以下であり、接着フィルムの膜厚の0.04から0.6倍の範囲内の粒径を持ち、かつ平均粒径が0.4μm以上100μm以下であり、しかも、粒径の大きい粒子から体積で10%以内に入る粒子の平均粒径が、全体の粒子の平均粒径の1.5倍より小さく、封止後の接着フィルムの粒子が粒子の光学フィルムとの接触面積よりも発光面との接触面積の方が1.5倍以上大きいことが好ましい。図10のように封止後の接着フィルムの粒子が粒子の光学フィルムとの接触面積よりも発光面との接触面積の方が1.5倍以上大きいことで光取出し効率を向上させることができる。3倍以上大きいことがより好ましい。封止フィルムを接着層から順番に作製し、接着層をコート後に、光学フィルム面と反対側を下に向けて静置することで、粒子の面積の広い面を下にできる。
以下、本発明の封止用フィルムについて、実施例により、具体的に説明するが、本発明は,これに限定されるものではない。
(実施例1)
アミド樹脂を含むエポキシ樹脂を用いたものに、シリカフィラー(アドマファイン株式会社製、S0−C2(比重:2.2g/cm、モース硬度7、平均粒径0.5μm、比表面積6.0m/g)を使用)を20%混ぜたものを熱硬化し、平均溝幅30μmの三菱レーヨン製プリズムシートダイヤアートに貼り付けた。接着フィルムの屈折率は1.55、光学フィルムの屈折率は1.49である。接着フィルムの膜厚は10μm、光学フィルムの基材厚みは100μmである。この封止フィルムの全光線透過率を測定した。全光線透過率は波長632.8nmで70%であった。フィルムは透明であった。
(実施例2)
アミド、イミド樹脂およびシリコーン樹脂を含まないエポキシ樹脂を用いたものに、シリカフィラー(アドマファイン株式会社製、S0−C2(比重:2.2g/cm、モース硬度7、平均粒径0.5μm、比表面積6.0m/g)を使用)を20%混ぜたものを熱硬化し、平均溝幅30μmの三菱レーヨン製プリズムシートダイヤアートに貼り付けた。接着フィルムの屈折率は1.50、光学フィルムの屈折率は1.49である。接着フィルムの膜厚は10μm、光学フィルムの基材厚みは100μmである。この封止フィルムの全光線透過率を測定した。全光線透過率は波長632.8nmで60%であった。フィルムは白濁していた。
(実施例3)
日立化成工業株式会社製UV硬化樹脂ヒタロイド7975を用いて、金型から平均溝幅30μmのプリズムシートを東洋紡株式会社製のPETフィルムコスモシャインA4300に転写した。これを光学フィルムとした。光学フィルムの屈折率は1.5である。屈折率1.45の日立化成工業株式会社製ダイボンドフィルムHS−230をこの光学フィルムにはりつけた。接着フィルムの膜厚は10μm、光学フィルムの基材厚みは100μmである。次に、半導体発光素子の発光面を多数並べ、60℃で一括ラミネートした後、100℃で1時間キュアして、接着フィルムを硬化させた。光学フィルムの凹凸形状に変化は見られなかった。
(実施例4)
以下では、図3のような層構造を持つフィルム層について樹脂の合成方法およびフィルムの積層方法について述べる。
本発明の接着フィルムは、前記高分子量成分、エポキシ樹脂を主成分とする熱硬化性成分、フィラー、及び他の成分を有機溶媒中で混合、混練してワニスを調製した後、基材フィルム上に上記ワニスの層を形成させ、加熱乾燥した後、基材を除去して得ることができる。上記の混合、混練は、通常の撹拌機、らいかい機、三本ロール、ボールミル等の分散機を適宜、組み合わせて行うことができる。上記の加熱乾燥の条件は、使用した溶媒が充分に揮散する条件であれば特に制限はないが、通常60℃〜200℃で、0.1〜90分間加熱して行う。
接着フィルムAにはエポキシ樹脂を用いる。このエポキシ樹脂の合成方法は、特開2006−183020号公報に記載されている。接着フィルムBの樹脂にはイミド樹脂を用いる。この屈折率は1.5である。このイミド樹脂の合成方法は、特開2002−185687号公報に示されている。
接着フィルムBは上記イミド樹脂に住友大阪セメント製の径40nmの酸化ジルコニウムナノ粒子を樹脂に対して20%となるよう乳鉢で練りこんだ。屈折率は1.72となった。
図11のように基材フィルムの上に接着フィルムBをロールコートする。基材フィルムとしては厚さ50μmの離型処理したポリエチレンテレフタレートフィルムを用い、コートした後に、90℃10分間、120℃で5分間、加熱乾燥した。接着フィルムAは接着フィルムBの上にロールコートしたのち、同様に加熱乾燥した。光学フィルムの樹脂にはヒタロイド7975を使う。ロール金型の作製は、銅金型にバイトで微細形状を刻み、防食のためメッキをする。ここでは、平均溝深さ0.8μm、周期2μmの縞状の溝を作製した。次に図12のように、接着フィルムAの上に光学フィルムの凹凸をロール金型から転写する。このときUV硬化を行う。さらにカバーフィルムをラミネートする。カバーフィルムとしては東洋紡製バイロコートを用いる。
白色LEDは豊田合成のE1S40−1W0C6−01を使用した。実施例4,5,6と比較例では、このLEDを紙やすりで研磨して一定量蛍光層を残して表層部を取り除いたものを白色LEDとして使用した。これをインターポーザとしてのリードフレーム上に10個並べ、一括封止をした後、ダイサーで切り離した。一括封止は、封止フィルムを60℃、成形圧力1kg・f/cmで120秒間熱圧着後、100℃で1時間加熱した。
本発明の封止フィルムの貼り付け前と貼り付け後の各LEDの輝度を比較したところ、輝度が20±10%向上した。光学フィルムと発光面との間の接着層の膜厚は10±2μmであった。電源はKIKUSUI製のRegulated DC Power supply PMC−0.5Aを用い、電流値を20mAとした。
また、100℃5000時間の耐熱性試験で、80%以上の透過率を維持できた。さらに、3,800cd/m、5000時間の耐光性試験で80%の透過率を維持できた。輝度の測定には市販の輝度計を用い、出射角が−80度から+80度まで、5度刻みで、測定する。輝度が最も高い角度±4度については1度刻みで測定する。封止フィルムに異方性がある場合には、適宜回転する。比較対象となる封止フィルムと同じ条件で計測し、相対比較を行う。輝度計はTOPCONのBM−5等を用いることができる。
輝度の測定条件は、封止フィルムから輝度計の集光レンズまでの距離を20cm、視野を0.2°とし、連続モードで輝度測定を行った。
(実施例5)
上記実施例4で使われたヒタロイド7975の代わりに、特開2005−154688号公報の実施例2で示される熱硬化性アクリル樹脂を使用して、同様の封止を行った。光学フィルムと発光面との間の接着層の膜厚は10±3μmであった。輝度特性、および耐久性は同等のものが得られた。
(実施例6)
本検討例では上記実施例4のうち、コートの手順を変えて、凹凸を光学フィルムと接着フィルムの界面に作製する。
図12のように、基材フィルムの上に光学フィルムの凹凸をロール金型から転写する。光学フィルムの樹脂には大日本塗料製透明導電性コーティング材DNTコンダクティブ UV硬化タイプ(EI−3)を使う。基材フィルムとしては厚さ50μmの離型処理したポリエチレンテレフタレートフィルムを用いる。光学フィルムの凹凸面に接着フィルムAをロールコートする。コートした後に、90℃10分間、120℃で5分間、加熱乾燥した。接着フィルムBは接着フィルムAの上にロールコートしたのち、同様に加熱乾燥した。さらに、接着フィルムBにカバーフィルムをラミネートする。屈折率は光学フィルム1.7、基材フィルム1.57、接着フィルムAが1.5、接着フィルムBが1.72である。光学フィルムと発光面との間の接着層の膜厚は10±3μmであった。各LEDの輝度の変化を調べたところ15%±5%の輝度上昇が見られた。
(実施例7)
本検討例では上記実施例4の封止フィルムのうち、接着フィルムの粒子を変えた。粒子は、市販の粒径8μmのポリスチレン微粒子を用いる。この粒子を、接着フィルムBに混ぜた。屈折率は光学フィルム1.7、接着フィルムAが1.5、接着フィルムBが1.6である。ポリスチレン微粒子の屈折率は1.59である。硬化後の接着層の膜厚は9±2μmであった。各LEDの輝度の変化を調べたところ20%±10%の輝度上昇が見られた。
(実施例8)
本検討例では上記実施例4の封止フィルムのうち、接着フィルムの粒子を変えた。粒子は、市販の粒径8μmのポリスチレン微粒子を用いる。この粒子を濃硫酸中で1日加熱処理する。このあと、テトラブチルオルソチタネートを粒子表面に反応させ、チタニアでコートした粒子を得た。(非特許文献4参照)この粒子を、接着フィルムBに混ぜた。屈折率は光学フィルム1.7、接着フィルムAが1.5、接着フィルムBが1.7である。ポリスチレン微粒子の屈折率は1.59である。硬化後の接着層の膜厚は9±2μmであった。各LEDの輝度の変化を調べたところ25%±10%の輝度上昇が見られた。
(比較例1)
白色LEDは豊田合成のE1S40−1W0C6−01を使用した。これをインターポーザとしてのリードフレーム上に10個並べた。平均溝深さ0.8μm、周期2μmの縞状の溝を持つ金型を用いた。特開平11−343395号公報の実施例2に記載の封止材を用いて、温度100℃、成形圧力200kg・f/cm、成形時間120秒で、一括して金型を押し付けた。屈折率が1.5で、接着層の膜厚は20±10μmである。各LEDの輝度の変化を調べたところ15%±15%の輝度上昇が見られた。
このように、凹凸付き封止フィルムに比べ、輝度のばらつきが大きくなった。
(比較例2)
白色LEDは豊田合成のE1S40−1W0C6−01を使用した。これをインターポーザとしてのリードフレーム上に10個並べた。平均溝深さ0.8μm、周期2μmの縞状の溝を持つ金型を用いた。2液無溶剤常温硬化型アクリルハイブリッド樹脂のアトミクス株式会社のアトムコンポブリッドHCSを用いて、温度30℃、成形圧力200kg・f/cmで金型を押し付けた。成形時間は6時間かかった。屈折率1.5で、接着層の膜厚20±8μmである。各LEDの輝度の変化を調べたところ15%±12%の輝度上昇が見られた。
このように、凹凸付き封止フィルムに比べ、封止時間が長くなった。また、輝度ばらつきも大きかった。
封止フィルムの一実施態様を示す断面図である。 本発明の、発光素子26に張り合わせた封止フィルムの一実施態様を示す断面図である。 カバーフィルム18と基材フィルム20をつけた封止フィルムの一実施態様を示す断面図である。 封止フィルムの一実施態様を示す断面図である。 本発明の封止フィルムを、ワイヤボンディングされた発光素子30に接着する際の工程の一実施態様を示す概略図である。 本発明の封止フィルムを発光素子の電極の裏面に接着する際の工程の一実施態様を示す概略図である。 粒径のそろった粒子40を含む接着フィルムを構成要素とする封止フィルムの一実施態様を示す概略図である。 外側が高屈折率の粒子44を含む接着フィルムを構成要素とする封止フィルムの一実施態様を示す概略図である。 外側が高屈折率の粒子44を含む接着フィルムを構成要素とする封止フィルムを発光面に熱圧着したときの一実施態様を示す概略図である。 高屈折率の粒子40を含む接着フィルムを構成要素とする封止フィルムを発光面に熱圧着したときの一実施態様を示す概略図である。 ロールによる接着フィルム作製の一実施態様を示す断面図である。 ロールによる光学フィルム作製および接着フィルムとの張り合わせの一実施態様を示す断面図である。
符号の説明
10.光学フィルム
12.接着フィルム
14.接着フィルムA
16.接着フィルムB
18.カバーフィルム
20.基材フィルム
22.光学フィルム
24.接着フィルム
26.発光素子
28.ワイヤボンディングのワイヤ
30.発光素子
32.導電ペースト
34.インターポーザ
36.電極が発光面と逆側にある発光素子
38.外側が高屈折率の粒子を含む接着層
40.高屈折率の粒子、あるいは粒径のそろった粒子
42.熱圧着後に外側が高屈折率の粒子を含む接着層
44.外側が高屈折率の粒子
104.樹脂タンク
106.圧力制御装置
108.供給ヘッド
110.硬化前の樹脂
112.ドクターブレード
114.透明フィルム
116.フィルムシート
118.メータリングロール
120.ニップロール
122.金型ロール
124.離型ロール
126.製造装置
128.紫外線照射装置
130.凹凸付き金型ロール
132.接着フィルムを含む透明フィルム
134.フィルムシート
136.紫外線硬化前の樹脂

Claims (16)

  1. 光学フィルムと粒子を含む接着フィルムとからなり、光学フィルムのガラス転移温度が60℃以上であり、接着フィルムのガラス転移温度が100℃以下であり、接着フィルムの屈折率が1.42以上である透明な封止フィルムであって、
    (a)接着フィルムと反対側の光学フィルムの面に平均溝深さ0.1μm以上の凹凸または屈折率差0.2以上の屈折率変化をもつ屈折率分布があるか、
    または(b)光学フィルム内部に屈折率差0.015以上の屈折率変化をもつ屈折率分布構造があるか、
    または(c)光学フィルムと接着フィルムの界面に平均溝深さ0.1μm以上の凹凸がある、封止フィルム。
  2. 前記接着フィルムが、膜厚が0.1μm以上14μm以下で屈折率が1.6以上の接着フィルムBと接着フィルムBに隣接する接着フィルムAを含み、接着フィルムAとBとの屈折率の差が0.1以上あり、接着フィルムの膜厚が100μm以上であることを特徴とする請求項1記載の封止フィルム。
  3. 前記接着フィルムが、膜厚が0.1μm以上14μm以下で屈折率が1.6以上であり、光学フィルムの基材部分の膜厚が10μm以下であり、屈折率が1.6以下であることを特徴とする請求項1記載の封止フィルム。
  4. 前記接着フィルムが、接着フィルムAと接着フィルムAに隣接する接着フィルムBを含み、接着フィルムBが、アミド樹脂またはイミド樹脂もしくはシリコーン樹脂を計10重量%以上含み、かつ平均粒径が10μm以下の無機フィラーを1重量%以上含み、接着フィルムAが、アミド樹脂またはイミド樹脂を含まないかまたは10重量%以下含み、エポキシ樹脂を20重量%以上含むことを特徴とする請求項1ないし3いずれかに記載の封止フィルム。
  5. 前記接着フィルムが、接着フィルムAと接着フィルムAに隣接する接着フィルムBを含み、接着フィルムA、Bが(1)エポキシ樹脂、(2)官能基を含む重量平均分子量が10万以上である高分子量成分、(3)イミダゾール化合物を含有してなる接着剤組成物からなり、該接着剤組成物は、上記エポキシ樹脂の硬化前は上記高分子量成分と相溶し、上記エポキシ樹脂の硬化後は上記高分子量成分と相分離して海島構造を形成し、フィルムに垂直な断面で見たときの接着フィルムA中央部の海と島の幅の平均がそれぞれ0.3μm以下であり、接着フィルムB中央部の海と島の幅の平均がそれぞれ0.3μm以上であることを特徴とする請求項1ないし4いずれかに記載の封止フィルム。
  6. 前記接着フィルムが、接着フィルムAと接着フィルムAに隣接する接着フィルムBを含み、接着フィルムAが架橋性官能基を含む重量平均分子量が10万以上かつガラス転移温度Tgが−50〜50℃である高分子量成分15〜40重量%及びエポキシ樹脂を主成分とする熱硬化性成分60〜85重量%を含む樹脂100重量部と、無機フィラー20〜200重量部とを含有し、厚さが100〜10000μmであり、接着フィルムBが接着フィルムAより屈折率が0.1以上高いことを特徴とする請求項1、2、4ないし5いずれかに記載の封止フィルム
  7. 前記光学フィルムと、光学フィルムに接する接着フィルムの線膨張係数の差が0.5×10−4以下であることを特徴とする請求項1ないし6いずれかに記載の封止フィルム。
  8. 前記光学フィルムが熱硬化性樹脂からなることを特徴とする請求項1ないし7いずれかに記載の封止フィルム。
  9. 前記光学フィルムに燐光ないし蛍光性の材料を含むことを特徴とする請求項1ないし8いずれかに記載の封止フィルム。
  10. 前記接着フィルム中に含まれる粒子が、接着フィルムの膜厚の0.04から0.6倍の範囲内の粒径を持ち、かつ平均粒径が0.4μm以上100μm以下であり、粒径の大きい粒子から体積で10%以内に入る粒子の平均粒径が、全体の粒子の平均粒径の1.5倍より小さいことを特徴とする請求項1,2,3,5,7,8ないし9いずれかに記載の封止フィルム。
  11. 粒子表面の屈折率と被接着面の屈折率との差の絶対値が0.5以下で、粒子のモース硬度が5以下であることを特徴とする請求項1,2,3,5,7,8、9ないし10いずれかに記載の封止フィルム。
  12. 前記接着フィルム中に含まれる粒子が、粒子内部よりも粒子表面の方が、屈折率の絶対値が高く、かつ、粒子内部の弾性率が100〜1500MPaであることを特徴とする請求項1,2,3,5,7,8、9、10ないし11いずれかに記載の封止フィルム。
  13. 前記接着フィルムが、発光面の屈折率との差の絶対値が0.5以下の粒子を含み、接着フィルムの接着面が研磨され、粒子の断面が表面に露出していることを特徴とする請求項1ないし12いずれかに記載の封止フィルム。
  14. 前記接着フィルムが、発光面の屈折率との差の絶対値が0.5以下の粒子を含み、粒子の長径が短径よりも1.5倍以上長いことを特徴とする請求項1ないし13いずれかに記載の封止フィルム。
  15. 光学フィルムと粒子を含む接着フィルムとからなり、封止後の光学フィルムのガラス転移温度が60℃以上であり、接着フィルムのガラス転移温度が60℃以上であり、接着フィルムの屈折率が1.42以上である透明な封止フィルムであって、
    (a)接着フィルムと反対側の光学フィルムの面に平均溝深さ0.1μm以上の凹凸または屈折率差0.2以上の屈折率変化をもつ屈折率分布があるか、
    または(b)光学フィルム内部に屈折率差0.015以上の屈折率変化をもつ屈折率分布構造があるか、
    または(c)光学フィルムと接着フィルムの界面に平均溝深さ0.1μm以上の凹凸がある封止フィルム。
  16. 封止後の接着フィルムの粒子が、発光面の屈折率との差の絶対値が0.5以下であり、接着フィルムの膜厚の0.04から0.6倍の範囲内の粒径を持ち、かつ平均粒径が0.4μm以上100μm以下であり、粒径の大きい粒子から体積で10%以内に入る粒子の平均粒径が、全体の粒子の平均粒径の1.5倍より小さく、封止後の接着フィルムの粒子が粒子の光学フィルムとの接触面積よりも発光面との接触面積の方が1.5倍以上大きいことを特徴とする請求項15記載の封止フィルム。
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